JP2010237274A - フォトマスクブランクス及びフォトマスク - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高感度で、解像度に優れたパターンを形成しうるフォトマスクブランクス、及び前記本発明のフォトマスクブランクスを用いてなり、細線等の微細パターンを有するものであっても、遮光膜の膜強度とマスク洗浄の溶剤に対する溶剤耐性に優れたフォトマスクを提供する
【解決手段】基板上に、(A)下記一般式(a)で表される化合物と、(B)重合開始剤と、(C)エチレン性不飽和結合を有する化合物と、(D)バインダーポリマーと、(E)遮光材料と、を含む感光性組成物層を備えるフォトマスクブランクスである。
Figure 2010237274

前記一般式(a)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子または1価の置換基を表す。

【選択図】なし

Description

本発明は、フォトマスクブランクス及びフォトマスクに関する。
フラットパネルディスプレイ、CRT用シャドーマスク、印刷配線板、半導体等の分野におけるフォトリソ工程において用いられるフォトマスクとしては、金属クロム層(Cr層)を設けたCrマスク、ハロゲン化銀乳剤層を設けたEmマスク(エマルションマスク)が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
Crマスクは、石英やガラス等の透明基材上にクロム層をスパッタリング法により形成後、この上にエッチングレジストを塗布などにより設け、HeCdレーザー(442nm)などによる露光、アルカリ水溶液などでの現像によるエッチングレジストのパターニング、クロムのエッチング、及びエッチングレジストの剥離を行って作製される。Crマスクは、ピンホール等の欠陥修正可能で、高解像度、高耐久性(耐傷性)、高洗浄性にも優れるというメリットを有する。その一方、Crマスクは、作製工程が煩雑なため高価であり、また、製造プロセスにおいてクロムエッチングが行われることに起因する廃液処理等の環境面の問題も有している。
Emマスクは、ハロゲン化銀乳剤層(感光性組成物層)を石英やガラス等の透明基材上に設け、YAGレーザーなどにより露光、現像、定着処理で作製されるものである。Emマスクの作製に用いられるハロゲン化銀乳剤は、光に対する感度が高いため、露光エネルギーが小さくてもよく(〜0.1mJ/cm)、また、環境にも優しく、安価なフォトマスクブランクスである。この反面、Emマスクは、感光性材料としてハロゲン化銀を用いるため、解像度が余り高くなく(3μm程度)、極微細なパターンを作製するには不向きであり、また感光性組成物層がゼラチン膜であるため耐久性に乏しい。また、Emマスクは、欠陥修正が実質的に困難であるという欠点を有している。
フォトマスクブランクスが有する感光性組成物層は、フォトマスク使用時に照射される紫外領域の光の吸収特性を良くし、感光性組成物層を露光・現像することにより、解像度に優れたフォトマスクを得ることが望ましい。
平版印刷版の分野においては、感度、耐刷性、及び網点再現性を向上する目的で、光重合性を有する特定の化合物と、吸収極大波長が350nm〜450nmである増感色素化合物とを含有する光重合性感光性層が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、フォトマスクの作製に遮光材料を感光性組成物層に含有するフォトマスクブランクスを用いる場合、通常光ラジカル重合系は高感度であるが、空気中の酸素による重合阻害により感度低下するため、感光性組成物層の上に酸素遮断性の層を設ける手段が取られている。
特開2004−86178号公報
教育文科会編、「フォトファブリケーション」、日本フォトファブリケーション協会発行、67〜80ページ、1992年6月
しかし、酸素遮断性を高くしすぎると、感光性組成物を保存時に暗重合反応によるカブリが発生しやすくなり長期保存適性が劣化するという問題もあった。高濃度に遮光材料を含有した系においては露光光が感光性層の深部に至るまで十分に到達しないため、感光性層表面近傍では十分に硬化が進むものの、それより深い領域は硬化反応が十分に進行しないという事態が生じ、その場合には、現像時に感光性組成物層の基板近傍部分が側面からえぐり取られて断面が逆台形のようになったり、カケが生じたりして、形成された画像の解像度、画像エッジ部の直線性が劣化するという問題があった。
また、高感度で、解像度に優れた感光性組成物を用いて得られるフォトマスクブランクスは未だ提供されておらず、従来にはない新たな技術が求められているのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑み、高感度で、解像度に優れたパターンを形成しうるフォトマスクブランクスを提供することを目的とする。
また、本発明は、前記本発明のフォトマスクブランクスを用いてなり、細線等の微細パターンを有するものであっても、遮光膜の膜強度とマスク洗浄の溶剤に対する溶剤耐性に優れたフォトマスクを提供することを目的とする。
上記課題を解決する為の本発明の手段は、以下の通りである。
<1> 基板上に、(A)下記一般式(a)で表される化合物と、(B)重合開始剤と、(C)エチレン性不飽和結合を有する化合物と、(D)バインダーポリマーと、(E)遮光材料と、を含む感光性組成物層を備えるフォトマスクブランクスである。
Figure 2010237274
前記一般式(a)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子または1価の置換基を表す。
<2> 前記感光性組成物層上に、さらに、25℃における酸素透過性が1.0ml/m・day・atm以上2000ml/m・day・atm以下である酸素遮断性層を備える前記<1>に記載のフォトマスクブランクスである。
<3> 前記基板が、厚み0.1mm以上20mm以下である透明なガラスである前記<1>又は前記<2>に記載のフォトマスクブランクスである。
<4> 前記(B)重合開始剤が、ヘキサアリールビイミダゾール化合物である前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のフォトマスクブランクスである。
<5> 前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のフォトマスクブランクスが有する感光性組成物層を、画像様に露光した後、現像することで形成された遮光層を有するフォトマスクである。
<6> 前記露光が、波長350nm以上450nm以下の光により行われる前記<5>に記載のフォトマスクである。
<7> 前記遮光層の膜厚が1.0μm以上2.0μm以下であり、波長365nmにおけるオプティカルデンシティー(O.D.)が3.5以上である前記<5>又は前記<6>に記載のフォトマスクである。
<8> 前記遮光層におけるラインアンドスペース(L/S)の線幅が20μm以下0.1μm以上である前記<5>〜前記<7>のいずれか1つに記載のフォトマスクである。
本発明によれば、高感度で、解像度に優れたパターンを形成しうるフォトマスクブランクスを提供することができる。
また、本発明によれば、前記本発明のフォトマスクブランクスを用いてなり、細線等の微細パターンを有するものであっても、遮光膜の膜強度とマスク洗浄の溶剤に対する溶剤耐性に優れたフォトマスクを提供することができる。
以下、本発明のフォトマスクブランクス、及びそれにより作製されたフォトマスクについて詳細に説明する。
[フォトマスクブランクス]
本発明のフォトマスクブランクスは、(A)前記一般式(a)で表される化合物と、(B)重合開始剤と、(C)エチレン性不飽和結合を有する化合物と、(D)バインダーポリマーと、(E)遮光材料と、を含む感光性組成物層を備える。また、目的に応じて、該感光性組成物層上には、更に、酸素遮断性層等の他の層を有することもできる。
<感光性組成物層>
本発明のフォトマスクブランクスが有する感光性組成物層は、少なくとも遮光材料を含有し且つ紫外光ないし可視光で画像形成が可能な層である。即ち、感光性組成物層は、近紫外光ないし可視光による画像様の露光後、現像液を用いて現像処理することにより、画像形成が可能な層である。
感光性組成物層は、環境問題上アルカリ現像型が好ましく、本発明においては、露光部分が硬化してアルカリ現像液に不溶化するネガ型の層を用いている。
以下、感光性組成物層を、単に「感光性層」とも称する。
ネガ型の感光性組成物層は、露光により硬化して、遮光層を形成する層であり、少なくとも、(A)前記一般式(a)で表される化合物、(B)重合開始剤、(C)エチレン性不飽和結合を有する化合物、(D)バインダーポリマー、および、(E)遮光材料、を含む感光性組成物により形成される層である。
〔(A)一般式(a)で表される化合物〕
感光性層は、(A)下記一般式(a)で表される化合物を含有する。
Figure 2010237274
前記一般式(a)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子または1価の置換基を表す。
(A)一般式(a)で表される化合物は、増感色素として機能し得る化合物である。増感色素とは、吸収した光のエネルギーを光重合開始剤へとエネルギー移動又は電子移動により伝達することが可能な色素をいう。以下、(A)一般式(a)で表される化合物を、特定増感色素とも称する。
本発明における感光性組成物が特定増感色素を含有することで、遮光材料を含む感光性組成物を低露光量で硬化することができ、露光感度を高くすることができる。
前記一般式(a)で表される化合物について説明する。
一般式(a)において、R〜Rで表される1価の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルキニル基、アリール基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシル基、シクロアルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等が挙げられる。
複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。
シクロアルコキシル基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等が挙げられる。
シクロアルキルチオ基としては、例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミド基としては、例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等が挙げられる。
ウレイド基としては、例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等が挙げられる。
スルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等が挙げられる。
アリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
前記1価の置換基は、上記の1価の置換基によってさらに置換されていてもよいし、これらの置換基は、例えば、RとR、RとR、RとRのように、隣接する複数の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。ここで、アルキル基が置換基を有する場合、アルキル基にアミノ基やヒドロキシ基が置換しているものに加え、アルキル基の一部または全部の水素原子がハロゲン原子で置換されているハロアルキル基も包含される。例えば、後述する具体例a−8のように、Rが、アルキル基(メチル基)の全ての水素原子がハロゲン原子(フッ素原子)で置換されたハロアルキル基であってもよい。
中でも、一般式(a)におけるR〜Rは、水素原子、カルボニルアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基(ハロアルキル基)、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、又は、アルキルアリールアミノ基であることが好ましい。
ここで、アルコキシカルボニル基の炭素数は1〜8であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
カルボニルアルコキシ基の炭素数は1〜8であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
アルキル基およびハロアルキル基の炭素数は、それぞれ1〜8であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
アルキルアミノ基の炭素数は1〜8であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましい。
アリールアミノ基の炭素数は6〜12であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。
ジアルキルアミノ基の炭素数は2〜16であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましい。
ジアリールアミノ基の炭素数は12〜20であることが好ましく、12〜14であることがより好ましい。
アルキルアリールアミノ基の炭素数は7〜12であることが好ましく、7〜10であることがより好ましい。
特定増感色素として、好ましいのは、一般式(a)のRにアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、又は、アルキルアリールアミノ基を有するクマリンである。この場合、アミノ基に置換したアルキル基が、Rの置換基、またはRの置換基と環を形成しているものも好ましく用いることができる。
〜Rの好ましい組み合わせは、Rが、水素原子、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜8ハロアルキル基、又は炭素数1〜3のハロアルキニル基であり、Rが、水素原子、炭素数1〜8のカルボニルアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロアルキル基、又はハロゲン原子であり、Rが、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロアルキル基、又はハロゲン原子であり、Rが、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はハロゲン原子であり、Rが、アミノ基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、炭素数2〜16のジアルキルアミノ基、炭素数6〜12のアリールアミノ基、炭素数12〜20のジアリールアミノ基、又は、炭素数7〜12のアルキルアリールアミノ基であり、Rが、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はハロゲン原子である組み合わせである。
〜Rのより好ましい組み合わせは、Rが、水素原子、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、又は炭素数1〜3のハロアルキニル基であり、Rが、水素原子、炭素数1〜4のカルボニルアルコキシ基、又は炭素数1〜3のハロアルキル基であり、Rが、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、Rが、水素原子であり、Rが、炭素数2〜6のジアルキルアミノ基であり、Rが、水素原子である組み合わせである。
更に、本発明では、R、およびRの少なくとも一方が、上記R〜Rで表される1価の置換基であることが好ましい。
以下、一般式(a)で表される化合物の具体例a−1〜a−24を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2010237274
Figure 2010237274
上記具体例の中でも、溶剤溶解性の観点から、a−2、a−8、およびa−10が好ましい。
特定増感色素は、前記一般式(a)で表される化合物であれば、特に吸収波長は限定されず、露光に用いるレーザーの波長により適宜選択されるが、本発明では、特に、360nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ化合物が好ましく用いられる。
特定増感色素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、特定増感色素のほかに、公知の増感色素を用いてもよく、例えば、特開平8−129258号公報のB−1〜B−22のクマリン誘導体、特開2003−21901号公報のD−1〜D−32のクマリン誘導体、特開2002−363206号公報の1〜21のクマリン誘導体、特開2002−363207号公報の1〜40のクマリン誘導体、特開2002−363208号公報の1〜34のクマリン誘導体、特開2002−363209号公報の1〜56のクマリン誘導体等も好ましく使用可能である。
感光性組成物層の感光性、得られるフォトマスクの解像度や、露光膜の物性は、光源波長での吸光度に大きな影響を受ける。例えば、吸光度が0.1以下の低い領域では感度が低下する。また、ハレーションの影響により低解像度となる。但し、例えば、5μm以上の厚い膜を硬化させる目的に対しては、このような低い吸光度の方がかえって硬化度を上げられる場合もある。従って、これらを考慮して特定増感色素の添加量を適宜選択することが望ましい。
例えば、感光性組成物層を比較的薄い膜厚とする場合には、特定増感色素の感光性組成物層中の含有量は、感光性組成物層の吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25から1の範囲となるように設定するのが好ましい。吸光度は、特定増感色素の含有量と感光性組成物層の厚みとにより決定されるため、所定の吸光度は両者の条件を制御することにより得られる。感光性組成物層の吸光度は、常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量がフォトマスクブランクスとして必要な範囲において適宜決定された厚みの感光性組成物層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に感光性組成物層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。
感光性組成物層の吸光度が上記の範囲となる、特定増感色素の感光性組成物層中における質量比率は、一般的には、感光性組成物層の全固形分質量に対して、0.5質量%〜10質量%であることが多い。
感光性組成物層の全固形分質量に対する特定増感色素の含有量は、0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、0.5質量%〜2質量%であることがより好ましい。
一般式(a)で表される化合物の吸収極大は、HITACHI社製、Spectro photometer U−3300を用いることにより測定される。測定スピードは600nm/分に調整し、化合物はメタノールに溶解し、吸光度が0.4以上3.0以下になるよう濃度を調整する。メタノールに溶解しづらく吸光度が0.4未満の化合物については、適宜、MEK(メチルエチルケトン)、DMF(ジメチルホルムアミド)等の溶剤を加えて測定する。
<(B)重合開始剤>
本発明における(B)重合開始剤としては、特許、文献等で公知である種々の光重合開始剤、あるいは2種以上の光重合開始剤の併用系(光重合開始系)を適宜選択して使用することができる。本発明においては、単独で用いる光重合開始剤、2種以上の光重合開始剤を併用した系を総括して単に光重合開始剤という。
本発明における重合開始剤には特に制限はなく、露光波長に応じて適宜選択され、例えば400nm付近の光を光源として用いる場合には、光重合開始剤として、ベンジル、ベンゾイルエーテル、ミヒラーズケトン、アントラキノン、チオキサントン、アクリジン、フェナジン、ベンゾフェノン、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物等の公知の光重合開始剤から広く選択して使用される。
(B)重合開始剤としては、(A)特定増感色素との共存下で光照射されたときに、特定増感色素の光励起エネルギーを受け取って活性ラジカルを発生し、(C)エチレン性不飽和結合を有する化合物を重合に到らしめるラジカル発生剤である、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、チタノセン系化合物、メタロセン化合物、トリアジン化合物、オキシムエステル化合物、ハロゲン化炭化水素誘導体、ジアリールヨードニウム塩、有機硼素酸塩、及び有機過酸化物等が好ましく挙げられ、さらに、露光感度、基板に対する感光性組成物層の密着性、及び保存安定性等の面から、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、メタロセン化合物、トリアジン化合物、オキシムエステル化合物、及び有機硼素酸塩が好ましく、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が特に好ましい。これらの重合開始剤については特開2004−317652号公報、特開2005−47947号公報、特開2005−91618号公報、特開2005−134893号公報、特開2005−250158号公報、特開2005−300650号公報、特開2006−267289号公報、特開2007−47742号公報、特開2007−206216号公報、特開2007−248863号公報、特開2007−249036号公報、特開2008−242093号公報、特開2008−276167号公報、特開2007−99836号公報に記載の重合開始剤が使用できる。
本発明における好ましい光重合開始剤であるヘキサアリールビイミダゾール化合物について説明する。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、欧州特許第24629号、欧州特許第107792号、米国特許第4410621号、欧州特許第215453号及びドイツ特許公開3211312号等の各明細書に記載の種々の化合物を使用することが可能である。好ましいものとしては、例えば、2,4,5,2’,4’,5’−ヘキサフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラキス(3−メトキシフェニル)−ビスイミダゾール、2,5,2’,5’−テトラキス(2−クロロフェニル)−4,4’−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−ニトロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ジ−o−トリル−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、及び2,2’−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール等を挙げることができる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物は2種以上併用してもよい。
光重合開始剤としてヘキサアリールビイミダゾール化合物を用いる場合、該ヘキサアリールビスイミダゾール化合物の使用量は、後述する(C)重合性化合物の総量100質量部に対し、0.05質量部〜50質量部が好ましく、より好ましくは0.2質量部〜30質量部である。ヘキサアリールビイミダゾール化合物とともに、他の光重合開始剤を併用してもよい。
光重合開始剤は、必要に応じ、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール等のチオール化合物、N−フェニルグリシン、N,N−ジアルキルアミノ芳香族アルキルエステル等のアミン化合物等の水素供与性化合物と併用することにより更に光開始能力が高められることが知られている。
特に、光開始能力が高く本発明に好適な水素供与性化合物としては、メルカプト基含有化合物が挙げられる。
メルカプト基含有ヘテロ環化合物を併用する場合のメルカプト基含有ヘテロ環化合物の含有量は、ヘキサアリールビイミダゾール化合物等の光重合開始剤1molに対して、0.2mol〜10.0molの比率で使用するのが好ましく、より好ましくは、0.5mol〜6.0molの比率、さらに好ましくは、0.5mol〜4.0molの比率である。
<(C)エチレン性不飽和結合を有する化合物(重合性化合物)>
感光性組成物層は、(C)エチレン性不飽和結合を有する化合物(重合性化合物)を含有する。
重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を分子内に少なくとも一つ有する化合物であり、感光性組成物層が活性光線の照射を受けたとき、光重合開始剤の作用により付加重合し、架橋、硬化に寄与する。
重合性化合物は、例えば、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上、より好ましくは2〜6個有する化合物の中から任意に選択することができる。モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつものである。
重合性化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸とアルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸とアミン化合物とのアミド類が用いられ、具体的には、特開2001−343734号公報の段落0012〜0013、特開2003−107697号公報の段落0020〜0026、特開2003−186176号公報の段落0029〜0039、特開2006−259558号公報の段落0126〜0142、特開2007−47742号公報の段落0173〜0188、特開2007−86165号公報の段落0140〜0150に記載の化合物が使用される。
本発明において好ましく用いられるエチレン性不飽和化合物としては、イソシアネート基を複数有する化合物と水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレートとの付加反応によって得られるウレタン結合を複数有する重合性化合物であり、例えば、特公昭56−17654号公報に記載されている。
(C)エチレン性不飽和結合を有する化合物は、本発明の効果を向上する観点、特に感度の観点から、下記一般式(c1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(c1)で表される化合物は、具体的には、光重合性を有する化合物である。以下、一般式(c1)で表される化合物を「特定重合性化合物」とも称し、更に詳細に説明する。
Figure 2010237274
一般式(c1)中、Qは、下記式(c2−1)〜(c2−4)のいずれか1つを表す。
Figure 2010237274
式(c2−2)中、Eは、2〜12個の炭素原子を有する2価の基、窒素原子と酸素原子と硫黄原子とからなる群から選ばれる1種または2種の原子を含む5員〜7員の複素環を有する脂肪族基、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン基、または、5員環または6員環を有する芳香族複素環基を表す。
式(c2−3)中、D及びDは、各々独立に、1〜5個の炭素原子を有する2価の基を表す。
一般式(c1)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基または、アルコキシアルキル基を表し、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Rは、アルキル基、ヒドロキシアルキル基または、アリール基を表す。Xは2〜12個の炭素原子を有する2価の基を表す。Xは2価の基〜4価の基または、下記式(c3)を表す。
Figure 2010237274
式(c3)中、Zは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、複素環基を表す。pは1〜4の整数を表し、qは1〜3の整数を表す。
一般式(c1)中、aは0または1〜4の整数を表し、bは0または1を表し、cは1〜3の整数を表し、mはQの原子価により2〜4の整数を表し、nは1〜mの整数を表す。
一般式(c1)において、Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ドコサデシル基等が挙げられる。
一般式(c1)において、Rで表されるヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシペンチル基等が挙げられる。
一般式(c1)において、Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
一般式(c1)において、R及びRで表されるアルキル基は、前記Rで表されるアルキル基と同義である。
一般式(c1)において、R及びRで表されるアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、プロポキシエチル基等が挙げられる。
一般式(c1)において、Xで表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基としては、例えば、2価の飽和炭化水素基を有する基、2価の不飽和炭化水素基を有する基、2価の芳香族基を有する基、2価の複素環基を有する基等が挙げられるが、中でも好ましいのは、2価の不飽和炭化水素基を有する基、2価の芳香族基を有する基、2価の複素環基を有する基である。
一般式(c1)において、2価の飽和炭化水素基を有する基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、シクロヘキシレン基(例えば、1,6−シクロヘキサンジイル基等)、シクロペンチレン基(例えば、1,5−シクロペンタンジイル基など)等が挙げられる。
一般式(c1)において、2価の不飽和炭化水素基を有する基としては、上記の2価の飽和炭化水素基を有する基を構成する少なくとも二つの炭素原子を結びつける結合の一つが、2重結合、3重結合等の不飽和結合で置き換えられることにより形成される基を表す。例えば、プロペニレン基、ビニレン基(エチニレン基ともいう)、4−プロピル−2−ペンテニレン基等が挙げられる。
一般式(c1)において、Xで表される2価の芳香族基を有する基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ピリジンジイル基、ピロールジイル基、チオフェンジイル基、フランジイル基等が挙げられる。
一般式(c1)において、Xで表される2価の複素環基を有する基としては、例えば、オキサゾールジイル基、ピリミジンジイル基、ピリダジンジイル基、ピランジイル基、ピロリンジイル基、イミダゾリンジイル基、イミダゾリジンジイル基、ピラゾリジンジイル基、ピラゾリンジイル基、ピペリジンジイル基、ピペラジンジイル基、モルホリンジイル基、キヌクリジンジイル基等が挙げられる。
一般式(c1)において、Xで表される2価の基は、前記Xで表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基として挙げられる、2価の飽和炭化水素基、2価の不飽和炭化水素基、2価の芳香族基、2価の複素環基等を用いることができるが、更に、前記飽和炭化水素基の中で、5個までのメチレン基が酸素原子によって置換されたものも用いることが出来る。
一般式(c1)において、Xで表される3価の基は、上記のXで表される2価の基に更にひとつ結合基がついたものであり、例えば、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ウンデカントリイル基、ドデカントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロペンタントリイル基、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基等が挙げられる。
一般式(c1)において、Xで表される4価の基は、上記のXで表される3価の基に更にひとつ結合基がついたものであり、例えば、プロパンジイリデン基、1,3−プロパンジイル−2−イリデン基、ブタンジイリデン基、ペンタンジイリデン基、ヘキサンジイリデン基、ヘプタンジイリデン基、オクタンジイリデン基、ノナンジイリデン基、デカンジイリデン基、ウンデカンジイリデン基、ドデカンジイリデン基、シクロヘキサンジイリデン基、シクロペンタンジイリデン基、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基等が挙げられる。
式(c3)において、Zで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
式(c3)において、Zで表されるアルケニル基としては、例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基等が挙げられる。
式(c3)において、Zで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、m−クロロフェニル基、p−トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
式(c3)において、Zで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられる。
式(c3)において、Zで表されるアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
式(c3)において、Zで表される複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピロリル基、2−メチルピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、フリル基、チアゾリル基、ピリミジニル基等が挙げられる。
式(c2−3)において、D及びDで表される、1〜5個の炭素原子を有する2価の基としては、メチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基等が挙げられる。
式(c2−2)において、Eで表される、2〜12個の炭素原子を有する2価の基は、Xで表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基と同義である。
式(c2−2)において、Eで表される、窒素原子と酸素原子と硫黄原子とからなる群から選ばれる1種または2種以上の原子を含む5員〜7員の複素環を置換基として有する脂肪族基を構成する複素環としては、例えば、ピリジン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラン環、チオフェン環、イソオキサゾール環、ピロリン環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、ピラゾリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、キヌクリジン環等が挙げられる。
前記の脂肪族基としては、上記記載の複素環を有する炭素数2〜12の2価の基が挙げられ、前記2価の基は、Xで表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基と同義である。
式(c2−2)において、Eで表される、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
式(c2−2)において、Eで表される5員環または6員環を有する芳香族複素環基を構成する芳香族複素環としては、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、1,2,3−オキサジアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、s−トリアジン環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、プリン環、キノリン環及びイソキノリン環等が挙げられる。
前記一般式(c1)で表される各々の置換基は、更に置換基を有していてもよい。
前記一般式(c1)におけるR〜R、X、X、Q、a〜c、m及びnの好ましい組み合わせは、Rが水素原子またはアルキル基であり、Rが水素原子またはアルキル基であり、Rが水素原子、メチル基またはエチル基であり、Rが水素原子またはアルキル基であり、Xが2価の不飽和炭化水素基、芳香族基、または複素環基であり、Xが置換基を有してもよいアルキレン基であり、Qが前記式(c2−1)で表される基であり、aが1であり、bが1であり、cが1であり、mが2、3または4であり、nが2〜4である組み合わせである。
前記一般式(c1)におけるR〜R、X、X、Q、a〜c、m及びnのより好ましい組み合わせは、Rが水素原子であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子あるいはメチル基であり、Rがアルキル基であり、Xが置換基としてアルキル基を有してもよい2価の芳香族基であり、Xが置換基を有していてもよいメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、またはプロピレンであり、Qが前記式(c2−1)で表される基であり、aが1であり、bが1であり、cが1であり、mが3であり、nが2または3である組み合わせである。
特定重合性化合物の具体例は、特開2004−86178号公報〔0049〕〜〔0055〕に記載の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
また、一般式(c1)で表される化合物は、例えば、特許第2509288号明細書や特開昭60−158439号公報等に記載の方法を参照して合成できる。
(C)重合性化合物の含有量は、感光性層の全質量に対し5質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%であることがより好ましい。
特に、(C)重合性化合物が特定重合性化合物であるときは、特定重合性化合物の含有量は、感光性層の全質量に対し30質量%〜70質量%が好ましく、40質量%〜60質量%がより好ましい。
<(D)バインダーポリマー>
感光性組成物層は、バインダーポリマーを含有する。
本発明におけるバインダーポリマーは、特に限定されることはないが、アルカリ水溶液への溶解性・現像性の観点から、酸基を有する有機重合体が好ましく、カルボキシル基を有する有機重合体がさらに好ましい。
バインダーポリマーの骨格としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂から選ばれる高分子骨格が好ましく、これらの中でも、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂等のビニル共重合体、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。具体的には、特開2001−343734号公報の段落0011、特開2003−107697号公報の段落0017〜0019、特開2003−186176号公報の段落0022〜0028、特開2006−259558号公報の段落0143〜0147、特開2007−86165号公報の段落0152〜0154に記載のバインダーポリマーが好ましく用いられる。
バインダーポリマーとしては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましく用いられる。
上記の中でも、感光性組成物層が含有するバインダーポリマーとしては、側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂、又は、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル樹脂がより好ましい。
本発明で特に好ましく用いられる側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂は、例えば、(i)ジイソシアネート化合物、(ii)少なくとも1つのカルボキシル基を有するジオール化合物、(iii)架橋性基を有するジイソシアネート化合物及び必要であれば(iv)カルボキシル基を有さないジオール化合物、を重付加反応させることにより得ることができる。これらの具体例は、特開2007−57597号公報の〔0050〕〜〔0132〕に挙げられ、好ましく用いられる。
バインダーポリマーとしては、ポリウレタン合成時に側鎖に架橋性基を導入して得られる上記のポリウレタン樹脂のほかに、特開2003−270775号公報に記載されるようなカルボキシル基を有するポリウレタンに高分子反応で架橋性基を導入して得られるポリウレタン樹脂を用いることもできる。
本発明では、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開2001−109139号、特開2001−117217号、特開2001−312062号、特開2003−131397号の各公報に記載のポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーとして好適な材料の具体例としては、下記(a)カルボン酸(その塩を含む。)を含有するモノマー単位を有する重合体、(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位を有する重合体、または(a)カルボン酸を含有するモノマー単位と(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位とを有する共重合体が挙げられる。
以下、(a)カルボン酸を含有するモノマー単位をモノマー単位(a)または繰り返し単位(a)とも称し、(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位をモノマー単位(b)または繰り返し単位(b)とも称する。
(a)カルボン酸を含有するモノマー単位としては特に限定されないが、アクリル酸、メタクリル酸、および下記式(d1)で表される構造が好ましく用いられる。
Figure 2010237274
式(d1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは単結合又は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子よりなる群から選択される2以上の原子を含んで構成され、その原子数が2〜82である連結基を表す。Aは酸素原子又は−NR−を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。nは1〜5の整数を表す。
式(d1)においてRで表される連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子からなる群より選択される2以上の原子を含んで構成され、その総原子数は、2〜82であることが好ましく、2〜50であることがより好ましく、2〜30であることがさらに好ましい。Rで表される連結基は置換基を有していてもよい。ここで示す総原子数とは、当該連結基が置換基を有する場合には、その置換基を含めた原子数を指す。より具体的には、Rで表される連結基の主骨格を構成する原子数が、1〜30であることが好ましく、3〜25であることがより好ましく、4〜20であることがさらに好ましく、5〜10であることが最も好ましい。
なお、本発明における「連結基の主骨格」とは、式(d1)におけるAと末端COOHとを連結するためのみに使用される原子又は原子団を指し、特に、連結経路が複数ある場合には、使用される原子数が最も少ない経路を構成する原子又は原子団を指す。したがって、連結基内に環構造を有する場合、その連結部位(例えば、o−、m−、p−など)により算入されるべき原子数が異なる。
式(d1)においてRで表される連結基として、より具体的には、アルキレン、置換アルキレン、アリーレン、置換アリーレン、あるいはこれらの基を構成する任意の炭素原子上の水素原子を除き(n+1)価の基としたものなどが挙げられ、これらの基がアミド結合やエステル結合で複数連結された構造を有するものが好ましい。特に、連結基の主骨格を構成する原子数が5〜10のものが好ましく、構造的には、鎖状構造であって、その構造中にエステル結合を有するものや、前記の如き環状構造を有するものが好ましい。
で表される連結基に導入可能な1価の置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、炭化水素基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基)、アルコキシ基、アリーロキシ基が挙げられる。
式(d1)におけるAは、合成が容易であることから、酸素原子又は−NH−であることが好ましい。
共重合体における繰り返し単位(a)の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの5〜50、好ましくは5〜25、より好ましくは5〜15である。
(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位はとしては特に限定されないが、ラジカル架橋性基としてエチレン性不飽和基が好ましく用いられる。
ラジカル架橋性基は、具体的には、置換基を有してもよいアルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基など)、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アルキニル基(エチニル基、プロパギル基など)、プロピオロイル基などが挙げられる。
共重合体における繰り返し単位(b)の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの5〜90、好ましくは20〜85、より好ましくは40〜80である。
また、本発明におけるバインダーポリマーは、下記一般式(d2)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(d2)とも云う)を有してもよい。
Figure 2010237274
一般式(d2)中、Xは、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−基を表し、Yは、水素原子、炭素数1から12のアルキル基、炭素数5から12の脂環式アルキル基、炭素数6から20の芳香環を有する基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、又は−NH−基を表し、Rは、炭素数1から18のアルキル基、炭素数5から20の脂環構造を有するアルキル基
又は炭素数6から20の芳香環を有する基を表す。
繰り返し単位(d2)の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの1〜40、好ましくは3〜25、より好ましくは、5〜15である。
一般式(d2)の他にも、モノマー単位として側鎖にエステル基、アミド基を有するアクリル樹脂、メタクリル樹脂およびウレタン樹脂が好ましく用いられている。
これらのモノマー単位の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの1〜40、好ましくは3〜25、より好ましくは、5〜15である。
感光性組成物層の現像性を維持する観点からは、(D)バインダーポリマー分子量としては、重量平均分子量で、5,000〜300,000の範囲であることが好ましく、より好ましい範囲は20,000〜150,000である。
(D)バインダーポリマーは、感光性組成物層中に任意の量で含有させることができるが、画像強度等の観点からは、感光性組成物層の全固形分中、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。
<(E)遮光材料>
本発明のフォトマスクブランクスにおける感光性組成物層は(E)遮光材料を含有する。本発明における遮光材料とは、250nm〜400nmの光を吸収し、好ましくは塗膜形成時の波長365nmにおけるオプティカルデンシティー(O.D.)が3.5以上になる光吸収剤を指す。
本発明における(E)遮光材料とは、フォトマスクが適用される活性光線の波長の光を反射、吸収することにより透過させない機能を有する材料であり、具体的には、マスクとして使用する際の露光光源(水銀灯、メタルハライド灯、キセノン灯等)が発する波長域200〜450nm、好ましくは250〜400nm程度、の光を実質遮光できるものであり、塗膜形成時の波長365nmにおけるオプティカルデンシティー(O.D.)が2.5以上であることを要し、好ましくは、3.5以上であるものを指す。
本発明でオプティカルデンシティー(O.D.)とは、波長365nmにおいて、伊原電子工業株式会社製、Ihac−TC5で測定して得られる値である。
本発明に用いる(E)遮光材料は、フォトマスクブランクスにより作製されたフォトマスクの使用目的等に応じて適宜選択すればよい。
遮光材料としては、特に限定されないが、具体的には、特開2001−343734号公報の〔0015〕〜〔0016〕、特開2003−107697号公報の〔0027〕、〔0035〕〜〔0036〕、特開2003−186176号公報の〔0041〕〜〔0043〕、特開2004−302012号の段落〔0038〕〜〔0040〕に記載の着色剤に記載の金属粒子(金属化合物粒子、複合粒子、コア・シェル粒子などを含む)、顔料その他の粒子、フラーレンなどが好適に用いられる。
顔料は一般に有機顔料と無機顔料とに大別されるが、有機顔料が好ましい。好適に使用される顔料の例としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げることができる。そのような有機顔料の色相は、例えば、黄色顔料、オレンジ顔料、赤色顔料、バイオレット顔料、青色顔料、緑色顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等が挙げられる。
また、「顔料便覧、日本顔料技術協会編、誠文堂新光社、1989」、「COLOUR INDEX、THE SOCIETY OF DYES & COLOURIST、THIRD EDITION、1987」に記載の顔料を参照して、適宜用いることもできる。
本発明に用いうる(E)遮光材料としては、青色顔料や黒色材料であることが好ましく、該黒色材料としては、黒色顔料及び金属微粒子の少なくとも1種であることが好ましい。
本発明における(E)遮光材料として特に好ましくは、カーボンブラックである。
遮光材料としてカーボンブラックを用いる場合、感光性組成物層は、カーボンブラックのみを含有してもよいし、カーボンブラックと、他の色材(例えば、他の着色剤)を併用してもよい。カーボンブラックと他の色材を併用する場合には、感光性組成物層に含有される全着色剤中50質量%以上がカーボンブラックであると、感光性組成物層の色濃度を高濃度にする点で好ましい。
顔料を遮光材料として用いる場合、100nm以下の平均粒径を有する顔料が好ましく、1nm以上60nm以下のものがより好ましい。
感光性組成物層固形分中の(E)遮光材料の含有量は、フォトマスクブランクスにより作製されるフォトマスクの濃度や、膜厚、フォトマスクを作製する際の感度、解像性等を考慮して決められ、その種類によっても異なるが、10質量%〜50質量%が好ましく、より好ましくは15質量%〜35質量%である。
<その他の成分>
本発明における感光性組成物層には、前記(A)成分〜(E)成分の必須成分に加えて、目的に応じて種々の化合物を併用することができ、例えば、特開平9−25360号公報に記載のUV吸収剤や特開2004−302012号公報の段落0047に記載の熱重合禁止剤を添加することができる。さらに、本発明で使用する感光性組成物には必要に応じて公知の添加剤、例えば可塑剤、界面活性剤等を添加することができる。
<感光性組成物層の形成>
感光性組成物層は、前述した各必須成分及び任意成分を含有する塗布液(感光性組成物層形成用塗布液)を、適切な基板上にスピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、あるいはカーテンコーター等を用いて直接塗布により設けることが可能である。
感光性組成物層の膜厚は、膜厚の均一性、解像度及び感度の観点から、0.3μm〜7μmの範囲が好ましく、より好ましくは、0.5μm〜3μmである。
(基板)
前記感光性組成物層を適切な基板上に形成することにより、本発明のフォトマスクブランクスとなる。基板は目的に応じて適宜選択されるが、基板ごとフォトマスクを形成し、そのまま繰り返し使用するという観点からは、フォトマスクが用いられる露光光源の波長に対して吸収のないもの、例えば、可視光に用いる場合には、透明な基板を用いることが好ましい。ここで、透明な基板とは、350〜750nmの波長領域に極大吸収を有さない基板を意味する。
本発明のフォトマスクブランクスにおける透明基板としては、ガラス板(例えば、石英ガラス、ソーダガラス、無アルカリガラスなど)、透明プラスティックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートなど)のごとき透明基板を適用することができる。透明基板の厚さは、フォトマスクブランクスによって適宜設定することができるが、0.1mm〜20mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1mm〜7mmの範囲であり、更に好ましくは1mm〜5mmの範囲である。
(酸素遮断性層)
本発明のフォトマスクブランクスは、感光性組成物層上に酸素の透過性を適切に制御するための酸素遮断性層を有することが好ましい。
酸素遮断性層は、25℃、1気圧下における酸素透過性が、1.0ml/m・day・atm〜2000ml/m・day・atmであることが好ましい。更には、2.0ml/m・day・atm〜1500ml/m・day・atmであることが好ましく、5.0ml/m・day・atm〜1000ml/m・day・atmであることが特に好ましく、10ml/m・day・atm〜800ml/m・day・atmであることが特に好ましい。
酸素遮断性層が有する酸素透過性が、上記範囲内であることで、フォトマスクブランクスの製造時及び生保存時に、不要な重合反応が生じることがなく、また、フォトマクスを作製する際の画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生ずるという問題もない。したがって、かかる特徴を有する本発明のフォトマスクブランクスにより、高い解像性と良好な画像エッジ部の直線性とを有するフォトマスクを得ることができる。
このような特性を有する保護層については、以前より種々検討がなされており、例えば、米国特許第3,458,311号明細書及び特公昭55−49729号公報に詳細に記載されている。
本明細書において、酸素遮断性層が有する酸素透過性は、以下の測定方法(モコン法)により測定した酸素透過率である。
−酸素透過性の測定方法−
酸素透過性の高いポリエチレンフィルム(富士フイルム(株)製「エバービュティーペーパー」の表面ゼラチン層を溶解除去することで作製したポリエチレンラミネート紙)に、感光性層上に形成する酸素遮断性層と同様の組成の塗膜を塗布乾燥し、測定用のサンプルを作製する。JIS−K7126B及びASTM−D3985に記載の気体透過度試験方法に則り、モコン社製OX−TRAN2/21を用い、25℃60%RHの環境下で酸素透過率(ml/m・day・atm)を測定する。
<水溶性高分子化合物>
酸素遮断性層は、酸素遮断性及び現像性の観点から、水溶性高分子化合物を含有することが好ましい。
水溶性高分子としては、比較的結晶性に優れた化合物を用いることが好ましく、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドポリエステル、ポリウレタンなどのような水溶性ポリマーが挙げられ、これらは単独又は混合して使用できる。これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。
酸素遮断性層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、及びアセタールで置換されていてもよい。また、酸変性ポリビニルアルコールなど、ポリビニルアルコール誘導体を用いてもよい。
また、同様に、ビニルアルコール単位以外の重合単位を有する共重合体であってもよく、そのような共重合体としては、例えば、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
ポリビニルアルコールの具体例としては、特開2006−259558号公報の〔0179〕に記載の化合物が好適に用いられる。
好ましい態様としてはポリビニルアルコールの保護層中の含有率が20〜95質量%、より好ましくは、30〜90質量%である。
<酸素遮断性層の形成>
酸素遮断性層は、酸素遮断性層を形成するための塗布液を調製し、該塗布液を前記感光性組成物層上に塗布することにより形成することができる。酸素遮断性層の塗布方法に関しては、逐次に塗設する方法と、一気に重層塗布する方法とを適用できるが、いずれであっても構わない。
酸素遮断性層の膜厚は、0.05μm以上1.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上1.0μm以下である。
このようにして、基板上に、(A)〜(E)の各成分を含む感光性組成物層を形成し、好ましくは、その表面に酸素遮断性層を形成して、本発明のフォトマスクブランクスを得る。
(密着性下塗り層)
フォトマスクブランクスにおいては、透明ガラス基材上に密着性下塗り層を設けることが好ましい。密着性下塗り層が設けられるときは、感光性組成物層は密着性下塗り層の上に設けられる。密着性下塗り層は、フォトマスクを作製する際に、露光部においては透明ガラス基材と感光性組成物層との密着性を強化し、また、未露光部においては、感光性組成物層の透明ガラス基材からの剥離を生じやすくさせるため、現像性が向上する。
密着性下塗り層は、透明基材との密着性を向上させるために、シリル基を有する化合物を含むことが好ましい。
また、密着性下塗り層としては、感光層との密着性を上げるために、重合性基を有する化合物を有していることが好ましい。重合性基を有する化合物としては、特にエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく、具体的には前記「エチレン性不飽和結合を有する化合物(重合性化合物)」に記載の化合物が好ましく用いられる。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリルエーテル基が好ましく用いられる。
本発明では特に、前記エチレン性不飽和化合物とシリル基を有する化合物が好ましく用いられる。
密着性下塗り層に含まれる化合物としては、具体的には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルメトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランを好適な化合物として挙げることができる。
密着性下塗り層の塗設量は、乾燥質量として、2mg/m〜200mg/mが好ましく、5mg/m〜100mg/mがさらに好ましい。
[フォトマスク及びフォトマスクの製造方法]
本発明のフォトマスクは、既述した本発明のフォトマスクブランクスを用い、フォトマスクブランクスが有する感光性組成物を、画像様に露光した後、現像することで形成した遮光層(遮光膜ともいう)を有する。
具体的には、既述のフォトマスクブランクスを、近紫外光ないし可視光で画像様露光した後(露光工程)、露光後のフォトマスクブランクスを、現像液を用いて現像することにより感光性組成物層の未露光部を除去する(現像工程)により、画像様の遮光層(露光部)を有するフォトマスクを得ることができる。
本発明のフォトマスクブランクスを用いて作製されるフォトマスク(本発明のフォトマスク)としては、該フォトマスクブランクスを、350nm以上450nm以下の光を放射するレーザー(より好ましくは、390nm以上450nm以下を放射するレーザー)を用いて画像様露光した後、現像することにより作製されたものが好適な態様である。
〔露光工程〕
露光工程は、フォトマスクブランクスを、線画像、網点画像、等を有する透明原画を通して画像様に露光するか、デジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光することにより行うことが好ましい。本発明のフォトマスクブランクスの画像形成には、レーザーによる露光が好適に用いられる。
露光光源としては、350nm以上450nm以下の範囲の光を放射するレーザーが好ましい。例えば、以下のものが挙げられる。ガスレーザーとしては、Arイオンレーザー(364nm、351nm)、Krイオンレーザー(356nm、351nm)、He−Cdレーザー(441nm、325nm)などが挙げられ、固体レーザーとしては、Nd:YAG(YVO)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm)などが挙げられ、半導体レーザー系では、KNbOリング共振器(430nm)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm)、AlGaInN(350nm〜450nm)などが挙げられ、その他のレーザーとして、Nレーザー(337nm)、XeF(351nm)などが挙げられる。
これらの中でも、特に、AlGaInN半導体レーザー(InGaN系半導体レーザー400nm〜410nm)が、波長特性、コストの面で好適である。
〔現像工程〕
現像液としては、特に制限はなく、公知の現像液などが例示できるが、特公昭57−7427号公報に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミン又はジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。このようなアルカリ剤は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。このようなアルカリ剤は、これを含有するアルカリ性水溶液の濃度が0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、最も好ましくは1〜12重量%になるように添加される。
また、現像液として用いられるアルカリ性水溶液には、必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号及び同第3615480号に記載されているものを挙げることができる。さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も優れている。
特に好ましい現像液としては、特開2002−202616号公報に記載の非イオン性化合物を含有し、pHが11.5〜12.8であり、かつ3〜30mS/cmの電導度を有する現像液が挙げられる。
また、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含む現像液におけるpHとしては、8.5〜10.8の範囲であることが好ましく、pH9.0〜10.5であることがより好ましく、pH9.5〜10.3であることが特に好ましい。このpH範囲内であると、非画像部の現像性が低下せず、また、空気中の炭酸ガスの影響により処理能力が変動しないので好ましい。
現像工程において、露光後のフォトマスクブランクスに、現像液を接触させる態様としては、手処理、浸漬処理、及び機械による処理などが挙げられる。
手処理としては、例えば、スポンジや脱脂綿に充分現像液を含ませ、全体を擦りながら処理し、処理終了後は充分に水洗する態様が挙げられる。
浸漬処理としては、例えば、露光後のフォトマスクブランクスを、現像液の入ったバットや深タンクに浸して撹拌した後、脱脂綿やスポンジなどで擦りながら充分に水洗する方法が挙げられる。浸漬時間は、約60秒であることが好ましい。
機械処理には、自動現像機を用いることができる。自動現像機を用いる場合としては、例えば、現像槽に仕込んだ現像液をポンプで汲み上げて、露光後のフォトマスクブランクスにスプレーノズルから吹き付けて処理する方式、現像液が満たされた槽中に液中ガイドロールなどによって、露光後のフォトマスクブランクスを浸漬搬送させて処理する方式、実質的に未使用の現像液を、一枚毎の露光後のフォトマスクブランクスに必要な分だけ供給して処理するいわゆる使い捨て処理方式のいずれの方式も適用できる。どの方式においても、高圧洗浄、ブラシやモルトンなどの機構があるものがより好ましい。また、レーザー露光部と自動現像機部分とが一体に組み込まれた装置を利用することもできる。
また、現像する際における現像液の温度としては、20℃〜35℃の範囲が好ましく、25℃〜30℃の範囲がより好ましい。
〔その他の工程〕
また、フォトマスクブランクスに対しては、必要に応じて、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面に加熱処理を施してもよい。加熱処理を施すことにより、感光性層中の画像形成反応が促進され、感度の向上、感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全面露光を行うことも有効である。
通常、現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。一方、現像後の加熱には非常に強い条件を利用することができる。通常は150〜500℃の範囲加熱処理を行う。
また、フォトマスクブランクスに対する画像形成後においては、画像上に熱硬化型のエポキシ樹脂等の保護膜を設けてもよい。画像上に保護膜を設けることにより、更に膜強度を向上させることもできる。
以上のようにして、本発明のフォトマスクブランクスを用いてフォトマスク(本発明のフォトマスク)が得られる。
本発明のフォトマスクにおける遮光層の膜厚は、1.0μm以上2.0μm以下であることが好ましく、1.2μm以上1.8μm以下がより好ましい。
また、本発明のフォトマスクにおける遮光層は、365nmにおけるオプティカルデンシティー(O.D.)が3.5以上であることが好ましく、4.0以上がより好ましい。
本発明のフォトマスクにおける遮光層の最も好適な態様は、遮光層の膜厚及び365nmにおけるO.D.の双方が、上記の範囲を満たす態様である。
また、本発明のフォトマスクブランクスは高解像度の画像形成が可能であるために、微細な線幅の画像をエッジ直線性が良好な状態で形成することができる。このようなフォトマスクブランクスを用いて形成されるフォトマスクの好適な態様の一つは、遮光層におけるラインアンドスペース(L/S)の線幅が、好ましくは0.1μm以上20μm以下である態様である。形成されるL/Sは、より好ましくは0.1μm以上10μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上6μm以下のものであり、前記本発明のフォトマスクブランクスにより、このような微細な線幅のL/Sを有する遮光層の形成が可能となった。
本発明のフォトマスクブランクスを用いて得られたフォトマスクは、PDP、FED、LCD等のフラットパネルディスプレイ、CRT用シャドーマスク、印刷配線板、半導体等の分野におけるフォトリソ工程において好適に用いることができる。
本発明で用いるフォトマスクを、紫外感光性のレジストのパターニング用に用いる際には、超高圧水銀灯などの紫外線露光機にバンドパスフィルターを組み入れて、露光波長を選択することも可能である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の「部」および「%」は、特に断わりがない限り質量基準である。
<フォトマスクブランクスの作製>
(下塗り層の塗布)
ガラス基板(10cm×10cm、厚み2.3mm)上に、下記組成物を乾燥後の塗布層の質量が0.005g/mとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、下塗り層を形成した。
(下塗り層組成物)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン〔信越化学(株)製〕 3.60g
メチルエチルケトン 32.40g
((e−1)遮光材料分散液)
−(e−1)遮光材料分散液組成−
・カーボンブラック 12g
〔Degussa社製 Special Black350
(DBP=45ml/100g、窒素吸着比表面積=65m/g)〕
・分散剤〔Bykchemie社製、Disperbyk182〕 6g
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) 42g
上記(e−1)遮光材料分散液組成中、DBPとは、カーボンブラック100gが吸収するジブチルフタレート(DBP)量を表す。
上記(e−1)遮光材料分散液組成の成分を、モーターミルM−50(アイガー社製)で、粒子径0.5mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで6時間分散して、(e−1)遮光材料分散液を得た。この遮光材料分散液を1000倍に希釈し、レーザードップラー法により測定した粒子径分布は0.01〜0.5μmの範囲内であった。
〔実施例1〕
(感光性組成物層1の形成)
下記組成の感光性組成物1を調製し、下塗り層を形成したガラス基板(10cm×10cm)上に、乾燥後の塗布量が1.4g/mとなるように感光性組成物1を塗布し、100℃で1分間乾燥させ、感光性組成物層1を形成した。
(感光性組成物1の組成)
・(A)特定増感色素:前記a−2 0.21部
・(B)重合開始剤:b−1(下記構造) 0.81部
・(C)重合性化合物:c−1(下記構造) 3.6部
・(D)バインダーポリマー:d−1〔下記構造;分子量Mw25760〕 4.2部
・(E)遮光材料:〔(e−1)遮光材料分散液を使用〕 16部
・界面活性剤:S−1
〔大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−780F〕 0.05部
・溶剤:F1〔メチルエチルケトン〕 58部
・溶剤:F2〔プロピレングリコールモノメチルエーテル〕 53部
Figure 2010237274
Figure 2010237274
Figure 2010237274
(酸素遮断性層の形成)
下記組成の酸素遮断性層塗布液を調製し、酸素遮断性層塗布液を感光性組成物層1上に塗布し、100℃で2分間乾燥して酸素遮断性層を形成し、実施例1のフォトマスクブランクスを得た。酸素遮断性層の膜厚を、「SURFCOM130A、東京精密(株)製」にて直接膜厚測定したところ0.2μmであった。また、前記の方法によりこの酸素遮断性層の酸素透過性を測定したところ、170ml/m・day・atmであった。
−酸素遮断性層塗布液組成−
・水 87g
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製 PVA−405) 6g
・ポリビニルピロリドン(BASF社製 PVP−K30) 6g
・界面活性剤(日本エマルジョン(株)製、EMALEX710) 1g
(E)遮光材料として(e−1)遮光材分散液を用いた実施例1のフォトマスクブランクスの波長365nmにおけるオプティカルデンシティー(O.D.)は4であった。
<評価>
(1)感度評価
以上のようにして得られた実施例1のフォトマスクブランクス(10×10cm)を、レーザープロッターとして、VIOLD(大日本スクリーン製造(株)製)(レーザー出力350mW、光源は405nmバイオレットレーザー)により露光した。次いで、露光後のフォトマスクブランクスを、下記組成のアルカリ現像液1Lに30℃、15秒間浸漬して現像、水洗した後、乾燥した。更に、180℃・30分加熱処理を行い、遮光層(厚み:1.5μm)を有するフォトマスクを得た。露光感度は、露光量を10mJ/cm〜100mJ/cmの範囲で変更し、フォトマスクのライン/スペース10μm/10μmが再現する際の露光量を最適露光量と定めて評価した。
−アルカリ現像液−
下記組成からなるpH9.8の水溶液
・炭酸ソーダ1水塩 13.1 g
・重炭酸ソーダ 7.2 g
・下記化合物101 52.65g
・エチレンジアミンテトラ酢酸・4Na塩 1.68g
・水 936.21g
Figure 2010237274

(2)解像度測定、画像エッジ部直線性評価
上記の最適露光量の評価に併せて最適露光量の同じ条件で4、6、8、15、20、25、30μmのライン/スペースを描画し、再現できているうちで最も細い線を解像度とした。
さらに、10μmのラインパターンの長手方向のエッジ部を(株)キーエンス社製、マイクロスコープにて撮影し、エッジのあるべき基準線からの距離を50ポイント測定し、エッジ部の直線性のバラツキを標準偏差σで表した。σ値が小さいほど直線性に優れていることを表す。評価結果を表2に示す。
(3)膜強度評価方法
JIS K5600−5−4(2006年度版)の鉛筆引っかき値の試験機法に基づいて評価を行った。3H以上の硬度が好ましい。
(4)溶剤耐性評価
メチルエチルケトンをウエスに染み込ませ、酸素遮断性層上を擦り、擦った後の膜がはがれた時の回数をカウントした。擦り回数50回以上が好ましい。
感度評価、解像度測定、画像エッジ部直線性評価、膜強度評価方法、及び溶剤耐性評価により得られた評価結果を、感光性組成物層の組成物名と共に表2に示す。
〔実施例2〜6、および比較例1〕
実施例1の感光性組成物1の調製において、(A)特定増感色素、(C)重合性化合物、及び(D)バインダーポリマーを、下記表1に示す種類・量に代えた他は、同様にして、各感光性組成物(組成物2〜6、比較物1)を調製した。
なお、下記表1における「量」の単位は「質量部」である。
Figure 2010237274
上記表1に示す種類のうち、a−8およびa−10は(A)特定増感色素の前記具体例a−8およびa−10である。モノマーc−3は、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)である。また、増感色素z−1、重合性化合物c−2、及びバインダーポリマーd−2の構造は、次のとおりである。
Figure 2010237274
Figure 2010237274
Figure 2010237274
なお、バインダーd−2の分子量Mwは89700である。
次いで、実施例1の感光性組成物層1の形成において、感光性組成物1を実施例2〜6の感光性組成物(組成物2〜6)又は比較例1の感光性組成物(比較物1)に代えた他は、同様にして、実施例2〜6、および比較例1の各感光性組成物層を作製した。
さらに、実施例1と同様にして、各感光性組成物層上に酸素遮断性層を形成し、実施例2〜6、および比較例1の各フォトマスクブランクスを得た。
得られた、各フォトマスクブランクスについて、実施例1と同様にして評価した。評価結果を下記表2に示す。
Figure 2010237274
表2からわかるように、実施例は、解像度に優れ、膜強度も高く、溶剤耐性が良好であった。特に、増感色素と重合性化合物との組み合わせが、一般的な増感色素(z−1)と特定重合性化合物(c−1)との組み合わせである比較例1よりも、特定増感色素(a−2、a−8、またはa−10)と特定重合性化合物(c−1またはc−2)との組み合わせである実施例1〜5の方が、最適露光量が小さく、感度が高かった。

Claims (8)

  1. 基板上に、(A)下記一般式(a)で表される化合物と、(B)重合開始剤と、(C)エチレン性不飽和結合を有する化合物と、(D)バインダーポリマーと、(E)遮光材料と、を含む感光性組成物層を備えるフォトマスクブランクス。
    Figure 2010237274

    〔前記一般式(a)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子または1価の置換基を表す。〕
  2. 前記感光性組成物層上に、さらに、25℃における酸素透過性が1.0ml/m・day・atm以上2000ml/m・day・atm以下である酸素遮断性層を備える請求項1に記載のフォトマスクブランクス。
  3. 前記基板が、厚み0.1mm以上20mm以下である透明なガラスである請求項1又は請求項2に記載のフォトマスクブランクス。
  4. 前記(B)重合開始剤が、ヘキサアリールビイミダゾール化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクス。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクスが有する感光性組成物層を、画像様に露光した後、現像することで形成された遮光層を有するフォトマスク。
  6. 前記露光が、波長350nm以上450nm以下の光により行われる請求項5に記載のフォトマスク。
  7. 前記遮光層の膜厚が1.0μm以上2.0μm以下であり、波長365nmにおけるオプティカルデンシティー(O.D.)が3.5以上である請求項5又は請求項6に記載のフォトマスク。
  8. 前記遮光層におけるラインアンドスペース(L/S)の線幅が20μm以下0.1μm以上である請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のフォトマスク。
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