JP2010237093A - 配管検査装置及び配管検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配管に吸引、密着するための磁石と、超音波探触子に用いる磁石を共通にすることで、部品点数を削減し装置を簡略化し、コストの低下や品質の向上を達成し、配管の軸方向に移動可能な配管検査装置及び配管検査方法を提供する。
【解決手段】永久磁石6と永久磁石6に巻き付けたコイル7からなる電磁超音波探触子5と、電磁超音波探触子5を配管2に対し着脱可能に径方向に移動させる駆動機構3とを搭載したリング状フレーム9を、配管2の軸方向に複数配置してなる配管検査装置1であって、複数のリング状フレーム9間を伸縮可能な伸縮機構により接続した。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子力発電所や石油プラント設備などにおいて、配管の健全性の検査を行う配管検査装置及び配管検査方法に関する。
この配管検査装置は、特許文献1に開示されているように、超音波探触子のようなセンサにより配管の外面から検査する装置である。配管の軸方向(長手方向)に走行する走査治具に複数のセンサが配管の周方向に回転可能に支持され、センサは締付機構により配管に対して固定される。
一方、特許文献2に開示されているように、従来から重力に逆らって垂直配管の移動方式も可能な配管検査装置が提案されている。この装置は、磁力で吸着可能な配管の表面上を、永久磁石を素材とするローラなどを用い配管表面に磁力で張り付き、配管の軸方向に走行移動する移動機構を有し、移動機構に超音波探触子を配管の周方向に回転可能に搭載している。
特開2007−285772号公報 特開2001−194352号公報
上記特許文献1,2に開示された配管検査装置は、いずれも配管の軸方向と周方向の2次元に走査させるものではあるが、特許文献1の配管検査装置では、軸方向移動にレールや車輪を用い、また、超音波探触子を配管に接触させるための機構が必要であった。
また、特許文献2の配管検査装置では、配管への磁力による吸着、移動の機構に磁気吸着式駆動輪や磁気吸着式案内輪を用いており、また、その機構と配管欠陥を検査するセンサとが別々であり、機構が複雑で部品点数が多いという、課題があった。
そこで本発明は、配管に磁力による吸着、すなわち吸引、密着するための磁石と、配管溶接部の欠陥や、エルボ部などで発生する減肉など欠陥を検査ための超音波探触子に用いる磁石を兼用することで、部品点数を削減し装置を簡略化することで、コストの低下や品質の向上を達成し、配管の軸方向に移動可能な配管検査装置及び配管検査方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明の配管検査装置は、永久磁石と前記永久磁石に巻き付けたコイルからなる電磁超音波探触子と、前記電磁超音波探触子を配管に対し着脱可能に径方向に移動させる駆動機構とを搭載したリング状フレームを、配管の軸方向に複数配置してなる配管検査装置であって、前記複数のリング状フレーム間を伸縮可能な伸縮機構により接続したことを特徴とすることを特徴とする。
また、本発明の配管検査装置を用いた配管検査方法は、上記配管検査装置の移動方法であって、前記駆動機構により、隣接するリング状フレームの一方において、前記永久磁石の吸引力により前記電磁超音波探触子を配管に密着させ、他方のリング状フレームにおいて、前記電磁超音波探触子を配管から離間し、前記伸縮機構により、前記一方のリング状フレームに対して前記他方のリング状フレームを配管の軸方向に滑らせ、隣接するリング状フレームにおいて、前記伸縮機構の動作の繰り返しと同期して、前記駆動機構の動作を切り替えることにより、装置を配管に沿って移動させることを特徴とする。
従来の配管検査装置では、電磁超音波探触子による配管の検査機構と、このセンサを配管上の任意の位置に設置するためのセンサハンドリングとセンサ固定の機能を有する移動機構とは、全く別にハードが必要としていた。本発明の配管検査装置及び配管検査方法によれば、それが不要となり、移動のために必要な配管脱着機能を検査のための電磁超音波探触子で発生する永久磁石の吸引力で担うことが可能となり、配管検査装置の構成が非常に簡単になる効果がある。
本発明の実施形態1における配管検査装置全体の断面図。 本発明の実施形態1における配管検査装置全体の正面図。 本発明の実施形態1における電磁超音波探触子を配管に対して着脱可能に径方向に移動させる駆動機構を示す図。 本発明の実施形態2におけるリング状フレームの伸縮機構を示す図。 本発明の実施形態3における電磁超音波探触子を配管に対して着脱可能に径方向に移動させる駆動機構を示す図。 本発明の実施形態3における非線形バネ特性を示すグラフ。
図1から図5を参照しながら本発明に係る配管検査装置及び配管検査方法の実施の形態を以下に説明する。
[実施形態1]
実施形態1の概略を説明する。
配管が鉄製のような磁石に吸引する素材であって、直方体の永久磁石(マグネット)の周囲をコイルで巻いた構成の電磁超音波探触子は、永久磁石の吸引力により検査対象物に密着する。
配管検査は、電磁超音波探触子を配管に密着固定した状態で行われる。電磁超音波探触子により配管表面内に電磁誘導による超音波を発生させ、発生した超音波の配管表面の傷や、内部での空間欠陥からの通過・反射波、又は裏面減肉部からの反射波などを、電磁誘導による超音波を発生させた電磁超音波探触子や、発信側とは別の受信側の電磁超音波探触子で電気信号に変換し、その信号を処理する。
配管検査装置において、配管検査時と配管の軸方向移動時には、配管に対して着脱する必要がある。本発明の配管検査装置は、配管の軸方向に配置され、少なくとも装置の両端の2つを含む複数のリング状フレームを有する。リング状フレームの各々には、1つ以上の電磁超音波探触子、及び電磁超音波探触子を配管に対して着脱可能に径方向に移動させる(隙間を変化させ)駆動機構が搭載される。隣接するリング状フレームは、伸縮機構により両者の距離が伸び縮みすることができる構成となっている。
駆動機構により、一方のリング状フレームにおける電磁超音波探触子の永久磁石の吸引力を減少させ、もう一方のリング状フレームにおける電磁超音波探触子の永久磁石の吸引力を増加させる。隣接するリング状フレームは、吸引力のバランスが崩れ、伸縮機構で伸縮させた時に、吸引力が少ない方のリング状フレームが滑り、もう一方のリング状フレームは密着位置を保持することができる。伸縮機構による伸縮の繰り返しと同期して、駆動機構の動作を両リング状フレームで切り替えることにより、装置が尺取虫のように一方向に配管上を移動可能となる。
次に図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態1における配管検査装置全体の断面図である。図2は、本発明の実施形態1における配管検査装置全体の正面図である。図3は、本発明の実施形態1における電磁超音波探触子を配管に対して着脱可能に径方向に移動させる駆動機構を示す図である。
図1−3において、検査対象物の配管2に装着される配管検査装置1のリング状フレーム9の門型空間内に、鉄製ケース8に固定された永久磁石6、永久磁石6に巻き付けたコイル7からなる電磁超音波探触子5が複数放射状に配置されている。リング状フレーム9は、配管2の配管軸方向で複数個あり、少なくとも装置の両端の2つを含んでいる。駆動機構3は、電磁超音波探触子5の各々に連結される電磁ピストン10を有する。電磁ピストン10は、電磁超音波探触子5を配管2から隙間(すきま)を変化させて、電磁超音波探触子5を配管2に対して着脱可能に径方向に移動させる機能を有し、永久磁石6による配管2への吸引力を増減させることができる。永久磁石6は、配管への密着と、電磁超音波探触子5としての機能を兼用している。伸縮機構4は、隣接するリング状フレーム間において円弧状に複数配置され、配管2の軸方向にリング状フレーム9間の距離を変化させる。
図2において、伸縮機構4は、電動モータや油圧ピストンなどのアクチュエータ駆動により伸縮自在な機構であり、この伸縮により2つのリング状フレーム9a,9bの距離は、配管軸方向に変更自在となっている。
図3において、駆動機構3は、電磁ピストン10を有し、電磁ピストン10は、電磁超音波探触子5の各々に1つ連結され、作動、不作動(ON/OFF動作)により、収縮、伸長する。OFF時は、電磁超音波探触子5を配管2の表面に接した状態、ON時は、表面との間に隙間を生じた状態の2つの状態を実現することで、電磁超音波探触子5で発生する吸引力の増減が可能となる。
図2において、今、両端のリング状フレーム9a,9bのうちの片方の電磁ピストン10aをOFF状態にし、もう一方の電磁ピストン10bをON状態とすると、片方のリング状フレーム9a側の吸引力は強く、もう一方のリング状フレーム9b側の吸引力は弱まる。この状態で、伸縮機構4を短くなった状態から伸ばすと、吸引力の弱いリング状フレーム9bが滑り、その結果、配管検査装置1はリング状フレーム9bの方向(図示では右の方向)に進む。伸縮機構4が完全に伸びた状態で、今度は左右の電磁ピストン10のON/OFF状態を入れ替えると、リング状フレーム9aでの吸引力は弱まり、リング状フレーム9bでの吸引力は強くなり、両者の力関係は逆転する。この状態で、伸縮機構4を今度は縮める方向に動作させると、左側のリング状フレーム9aが滑り、リング状フレーム9bは固定となるので、その結果、配管検査装置1全体は、右方向に移動することとなる。この動作を繰り返すことで、尺取虫的に配管検査装置を配管軸方向に任意に移動させることが可能である。
[実施形態2]
実施形態2の概略を説明する。
本実施形態は、パンタグラフ状のリンク機構を用いた伸縮機構の実施形態である。
伸縮機構は、隣接するリング状フレーム間で円弧状に、例えば3つ以上複数配置され、各伸縮機構は、個別に伸縮される。各伸縮機構は、パンタグラフ状のリンク機構であり、片方がピンジョイント、もう一方は球面ジョイントで支持されており、両端のリング状フレームをある範囲の任意の角度で曲げた状態で伸縮させることが可能となる。これゆえに、このような伸縮機構を有した配管検査装置はエルボ管のような曲がり管に対してもその曲がりに沿って伸縮移動することができる。
次に図面を参照して具体的に説明する。
図4は、本発明の実施形態2におけるリング状フレームの伸縮機構を示す図である。
図4において、伸縮機構4は、ボールネジ12、電動モータ13で駆動されるパンタグラフ状のリンク機構11を有し、リンク機構11は、両端の3個の平歯車14a,14b,14cを介して、一端はピンジョイント15で支持され、他端は球面ジョイント16でリング状フレーム9に支持されている。平歯車14a,14b,14cはいずれもギヤ比が同じで、平歯車14aと14cは、パンタグラフ上にあり、回転自在なギヤとなっており、平歯車14bはリング状フレーム9側にあって、固定されたギヤである。このギヤ機構は、パンタグラフ状のリンク機構11の両端にある。一方の平歯車14bは、一方のリング状フレーム9bとピンジョイント15を介して支持され、今一方の平歯車14bは、他方のリング状フレーム9aと球面ジョイント16を介して支持された構成となっている。
その作用は、リンク機構11の伸縮動作量を変えることで、リンク機構11の一方はピンジョイント15、今一方は球面ジョイント16で支持されていることにより、リング状フレーム9a,9bは任意な距離で任意の傾きが自在に制御可能であり、エルボ配管などの曲がり管に対してもその曲がりに沿った尺取伸縮移動が可能となる。
[実施形態3]
実施形態3の概略を説明する。
本実施形態は、電磁ピストンとバネを有する駆動機構の実施形態である。
駆動機構は、電磁ピストンとバネを有し、電磁ピストンとバネはリング状フレームの門型空間内に配置された電磁超音波探触子に連結されている。
電磁ピストンのON時には、バネは自然長である。電磁ピストンのOFF時に、バネを電磁ピストンで伸ばし変形させた時に、電磁ピストンに働く力は、バネの引張力(反発力)と、電磁超音波探触子と配管の間で発生する永久磁石の吸引力との合力である。電磁超音波探触子と配管との間で発生する吸引力は、配管との距離の2乗に反比例して高まる作用を有するが、一方、バネを変形させるほど引張力は強まるので、電磁ピストンが動作に必要とする力は非常に軽微ですむ。結果として、非常に小さなパワーの電磁ピストンにより電磁超音波探触子の配管への着脱が行われ、尺取移動が可能な配管検査装置を実現できる。
次に図面を参照して具体的に説明する。
図5は、本発明の実施形態3における電磁超音波探触子を配管に対して着脱可能に径方向に移動させる駆動機構を示す図である。
図5において、図3に示す実施形態1と同様に、駆動機構3は、電磁ピストン10を有し、電磁超音波探触子5を配管2から隙間を変化させて、電磁超音波探触子5を配管2に対して着脱可能に径方向に移動させる機能を有し、永久磁石6の配管2への吸引力を増減させる機構であるが、電磁超音波探触子5に電磁ピストン10の外にバネ17が連結されている点で、実施形態1と異なっている。
ところで、バネは一般的に自然長からの変化量が多いほどバネ力が大きくなり、この変位とバネ力は、通常のコイルバネなどは直線の性質を持つが、複数のバネを組合わせたり、特殊なバネを用いることで、変位とバネ力を任意な特性を持つ非線形バネにすることも可能である。今、永久磁石の吸引力とほぼ反対のバネ力を有するものを適用することで、電磁ピストンで発生する力はほとんどゼロにすることが可能となる。例えば、バネに、電磁ピストンのOFF時の伸長により変形で発生する引張力が、電磁超音波探触子と配管との距離の2乗に反比例して変化する永久磁石による吸引力に対抗するように、上記距離の2乗に反比例して変化する非線形特性を持たせる。
図6は、本発明の実施形態3における非線形バネ特性を示すグラフである。
本実施形態におけるバネ特性、すなわち、リング状フレーム9が配管2に接した状態で、電磁超音波探触子5と配管2との間に発生する永久磁石による吸引力と、配管との隙間との関係が、その時にバネ変形で発生する引張力と変形量との関係とほぼ一致するようなバネ特性を図示したものである。図中、横軸は、配管表面からの距離(隙間)、縦軸は、電磁超音波探触子5に掛かる力であり、バネの引張力、永久磁石の吸引力のそれぞれが掛かることを示し、20はバネ特性、21は永久磁石による特性を示す。バネの変形量は、配管表面からの距離に対応する。
その作用を説明する。電磁ピストン10をONとした状態で、この時はバネ17のバネ力+電磁ピストン力が、電磁超音波探触子1内の配管2に対する永久磁石6の吸引力より勝るので、電磁超音波探触子5は配管2表面から引き離される。一方、電磁ピストン10をOFFとした状態では、この時はバネ17だけの力では永久磁石6の吸引力に負けてバネ17は変形し、電磁超音波探触子5は配管2表面に吸引され、密着する。この時、図6に示すようなバネ特性のバネ17にすれば、電磁超音波探触子5を配管2から引き離すために必要な電磁ピストン10の発生力は非常に少ない量で機能することになる。
1…配管検査装置、2…配管(検査対象物)、3…駆動機構、4…伸縮機構、5…電磁超音波探触子、6…永久磁石、7…コイル、8…鉄製ケース、9(9a,9b)…リング状フレーム、10(10a,10b)…電磁ピストン、11…パンタグラフ状のリンク機構、12…ボールネジ機構、13…電動モータ、14(14a,14b,14c)…平歯車、15…ピンジョイント、16…球面ジョイント、17…バネ。

Claims (9)

  1. 永久磁石と前記永久磁石に巻き付けたコイルからなる電磁超音波探触子と、前記電磁超音波探触子を配管に対し着脱可能に径方向に移動させる駆動機構とを搭載したリング状フレームを、配管の軸方向に複数配置してなる配管検査装置であって、
    前記複数のリング状フレーム間を伸縮可能な伸縮機構により接続したことを特徴とする配管検査装置。
  2. 前記電磁超音波探触子は、各リング状フレームに複数放射状に配置され、前記リング状フレームに形成された門型空間内にあることを特徴とする請求項1記載の配管検査装置。
  3. 前記駆動機構は、電磁ピストンからなり、電磁ピストンが不作動のときは前記永久磁石の吸引力により前記電磁超音波探触子を配管に密着させ、電磁ピストンを作動させるときは前記電磁超音波探触子を配管から離間させることを特徴とする請求項1記載の配管検査装置。
  4. 前記駆動機構は、電磁ピストンとバネからなり、電磁ピストンが不作動のときは前記永久磁石の吸引力により前記電磁超音波探触子を配管に密着させ、前記バネは配管から離間させる方向に引張力を発生し、電磁ピストンを作動させるときは前記電磁超音波探触子を配管から離間させ、前記バネは自然長であることを特徴とする請求項1記載の配管検査装置。
  5. 前記バネは、前記電磁ピストンの作動により変形で発生する引張力が、前記電磁超音波探触子と配管との距離に応じて変化する永久磁石の吸引力に対抗するように、前記距離に応じて変化する非線形特性を持つことを特徴とする請求項4記載の配管検査装置。
  6. 前記伸縮機構は、リング状フレーム間において円弧状に複数配置され、各伸縮機構は、個別に伸縮可能であることを特徴とする請求項1記載の配管検査装置。
  7. 前記伸縮機構は、電動モータ又は油圧ピストンであるアクチュエータにより駆動される機構であることを特徴とする請求項1記載の配管検査装置。
  8. 前記各伸縮機構は、ボールネジ及び電動モータで駆動されるパンタグラフ状のリンク機構を有し、前記リンク機構は、両端の各々にある3個の平歯車を介して、一端はピンジョイントで一方のリング状フレームに、他端は球面ジョイントで他方のリング状フレームにそれぞれ支持されることを特徴とする請求項6記載の配管検査装置。
  9. 請求項1記載の配管検査装置を用いた配管検査方法であって、
    前記駆動機構により、隣接するリング状フレームの一方において、前記永久磁石の吸引力により前記電磁超音波探触子を配管に密着させ、他方のリング状フレームにおいて、前記電磁超音波探触子を配管から離間し、
    前記伸縮機構により、前記一方のリング状フレームに対して前記他方のリング状フレームを配管の軸方向に滑らせ、
    隣接するリング状フレームにおいて、前記伸縮機構の動作の繰り返しと同期して、前記駆動機構の動作を切り替えることにより、前記配管検査装置を配管に沿って移動させることを特徴とする配管検査方法。
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