JP2010236382A - エンジンの液温警告システム - Google Patents

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Abstract

【課題】無駄に高頻度にならないように警報出力以前の事前段階として注意出力を的確に発生させ、運転者に予め注意を与える。
【解決手段】エンジンの液温警告システムは、エンジン運転状態における所定時間ごとにエンジンオイルの油温tEを検出する(ステップS1)。油温tEが第1温度T1を超えているときで、その液温上昇率ΔtEが上昇率閾値Δ0を超えているときに(ステップS6)、エンジンオイルランプ80を点滅制御する(ステップS7)。油温tEが第1温度T1より高い第2温度T2を超えたときに(ステップS4)、エンジンオイルランプ80を点灯制御する(ステップS8)。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジン運転状態における所定時間ごとの所定の循環液の液温を検出し、その状態を運転者に認知可能なように出力するエンジンの液温警告システムに関する。
エンジンの運転にはピストン等を適切に潤滑するようにエンジンオイルを循環させている。すなわち、オイルパンからオイルポンプで吸い上げられたオイルは、ピストンやバルブ機構等に供給されて潤滑作用を奏し、オイルフィルタを経由してオイルパンに戻る。
オイルの主な作用として潤滑作用が挙げられる。潤滑作用はその粘度によって効果が異なるため過度に高温にしないことが必要である。過度に高温になるとオイルの粘度が低下してしまうためである。
このような背景から、特許文献1では、エンジンオイルの油温を検出するセンサを設けておき、所定の閾値温度以上になったときには油温警告灯を点灯させて運転者に異常を知らせることが開示されている。
一方、車両が走行するには、走行状況に応じてエンジンの回転を適度に変速するため変速機が設けられている。変速機の潤滑は、エンジンオイルを共用する場合と、特許文献2に開示されているように変速機専用にオイルの循環系統を設ける場合とがある。
特開2007−113709号公報 特開2005−172048号公報
前記の特許文献1記載のシステムでは、エンジンオイルの油温が閾値温度以上になったときに油温警告灯が点灯し、このような場合には基本的に車両を停止させることが好ましい。
しかし、運転者としては低速又はエンジンの低回転状態であっても走行を継続させたい場合がある。このとき、油温警告灯はその時点までは消灯しており、油温警告灯が突如点灯すると即座に車両を停止させることができない場合がある。
そこで、警告域の閾値よりも温度の低い注意域の閾値を設定して警告の前段階として注意出力を発生させることも考えられるが、単に注意域の閾値を超えているだけではエンジンに何ら支障はなく、無用に高頻度に注意出力が発生することとなり、運転者に取って煩わしくなる場合がある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、そのままの状態が継続すると液温が警報域に達すると判断されるときに、警報出力以前の事前段階として注意出力を発生させることができ、運転者に予め注意を与えることのできるエンジンの液温警告システムを提供することを目的とする。
本発明に係るエンジンの液温警告システムは、以下の特徴と有する。
第1の特徴;エンジン運転状態における所定時間ごとの所定の循環液の液温(tE)を検出し、前記液温(tE)が第1温度(T1)を超えているとき、所定時間ごとにその液温上昇率(ΔtE)を演算し、該液温上昇率(ΔtE)が予め規定された上昇率閾値(Δ0)を超えているときに所定の注意出力を発生させ、前記液温(tE)が前記第1温度(T1)より高い第2温度(T2)を超えたときに、前記注意出力を停止させ、所定の警報出力を発生させることを特徴とする。
このように、液温が第2温度(T2)を超える警告域に達する以前に、第1温度(T1)を超えてさらに所定の上昇傾向を示すときに、警報出力以前の事前段階として注意出力を発生させることができ、運転者に予め注意を与えることができる。つまり、運転者は予見性が得られることになり、液温(tE)が警報域になる以前に所定の対応を取ることが可能となる。
第2の特徴;前記循環液は潤滑用オイルであり、前記注意出力はオイルランプの点滅であって、前記警告出力は前記オイルランプ(80、82)の点灯であることを特徴とする。
第3の特徴;前記注意出力を発生させるときには、エンジン(38)の点火時期設定を前記液温が下降する方向に基準点火時期を制御することを特徴とする。これにより、自動的に運転負荷を軽減して液温を低下させることができる。
第4の特徴;前記注意出力を発生させるときには、エンジン回転数を所定値以下に抑えることを特徴とする。これにより、自動的に運転負荷を軽減して液温を低下させることができる。
第5の特徴;前記注意出力を発生させるときには、電子制御スロットル弁の開度を規定値よりも絞ることを特徴とする。
第6の特徴;前記警告出力を発生させた後、前記液温(tE)が前記第2温度(T2)以下に復帰したときには、前記警告出力を停止させ、前記注意出力を発生させ、さらに、前記液温(tE)が前記第1温度(T1)以下に復帰したときには、前記注意出力を停止させることを特徴とする。これにより、リセット動作等の操作が不要となり、煩わしさがない。
第7の特徴;前記循環液は、変速機用の潤滑用オイルであることを特徴とする。
第8の特徴;前記循環液としては、エンジン用オイル及び変速機用オイルが別に設けられ、少なくとも前記警告出力は、前記エンジン用オイルの警告と前記変速機用オイルの警告を区別して出力することを特徴とする。これにより、エンジン用オイルと変速機用オイルの状態の識別が可能となりメンテナンス等を的確に行うことができる。
本発明に係るエンジンの液温警告システムによれば、そのままの状態が継続すると液温が警報域に達すると判断されるときに、警報出力以前の事前段階として注意出力を発生させることができ、運転者に予め注意を与えることができる。つまり、運転者は予見性が得られることになり、液温が警報域になる以前に運転者による運手状態の変更や休憩などを促すことができる。
本実施の形態に係るエンジンの液温警告システムが搭載される自動二輪車の側面図である。 メータパネルの平面図である。 本実施の形態に係るエンジンの液温警告システムのブロック構成図である。 スロットル制御系統のブロック構成図である。 本実施の形態に係るエンジンの液温警告システムの動作を示すフローチャートである。 油温が第2温度以下又は第1温度以下で定常状態となる場合のグラフである。 油温が第2温度を超える場合のグラフである。
以下、本発明に係るエンジンの液温警告システムについて実施の形態を挙げ、添付の図1〜図7を参照しながら説明する。
本実施の形態に係るエンジンの液温警告システム10は、例えば、図1に示す自動二輪車12に適用される。先ず、自動二輪車12について説明する。なお、自動二輪車12において、車体の左右に1つずつ対称的に設けられる機構乃至構成要素については、左のものの参照符号に「L」を付し、右のものの参照符号に「R」を付すものとする。また、理解を容易にするため、各図面において、着座した運転者から見た方向に従って、車体の前方を示す矢印に「Fr」、車体の後方を示す矢印に「Rr」を付して説明する。
図1に示すように、自動二輪車12は、車体を構成するクレードル型の車体フレーム13と、操舵輪である前輪14と、駆動輪である後輪16と、前輪14を操舵するハンドル18と、乗員が着座するシート20とを備える。該シート20は、車体フレーム13から車体後方に向けて延設されたシートレール22L、22Rに取付支持部(図示せず)を介して取り付けられている。
車体前方部において、ハンドル18の下方の車体フレーム13には、ハンドル18を操舵可能に支承するヘッドパイプ26が軸支され、該ヘッドパイプ26の下端側には、フロントフォーク28L、28Rが軸支されている。該フロントフォーク28L、28Rは、前輪14を回転自在に軸支する。
前輪14には、ブレーキロータ27L、27Rとブレーキキャリパ29L、29Rからなるディスクブレーキが配設される。ブレーキロータ27L、27Rはフロントフォーク28L、28Rに支持されるとともに、ハンドル18の握り部に付されるブレーキレバー(図示せず)へと接続されている。
車体後方部において、シート20の下方には、車体フレーム13の後部にリアクッション32で懸架されたスイングアーム34が配設され、該スイングアーム34により後輪16が回転自在に軸支されている。
前記ハンドル18とシート20との間における車体フレーム13の上部には燃料タンク36が取り付けられている。該燃料タンク36の下方における車体フレーム13のクレードルスペース内には、例えば4サイクル型からなるエンジン38が配置され、該エンジン38の排気口に接続された排気管40を介した車体後方部には、消音器(マフラ)42が配設されている。さらに、燃料タンク36の下部であってエンジン38の上部には、図示しないエアクリーナ等を収納するエアチャンバ44が設けられている。
エンジン38におけるクランク軸の回転は変速機39においてギア段に応じて変速され、チェーン41を介して後輪16に伝達される。
前記燃料タンク36とシート20と間の下部において、カバー46で覆われた空間には、バッテリ48と、エンジン制御ECU50とが並設されている。エンジン制御ECU50は、エンジン38の燃料噴射弁制御、各種電装部品の制御、表示制御及び油温警告制御等を行う制御部である。
前記カバー46の後方において、シートレール22L、22Rには、その後部から斜め上方に延びたU字状のグリップバー52が連結されている。さらに、シート20の下部には、リアフェンダ54が設けられ、該リアフェンダ54にはウインカ56L、56Rが配置されている。前記リアフェンダ54の上部には、テールライト58が取り付けられ、前記リアフェンダ54の前方には、ガードカバー60が取り付けられている。
前記ヘッドパイプ26の上方においてハンドル18の前方には、運転者が視認しやすい位置に、ブラケット61を介してメータユニット(表示装置)62が配設され、該メータユニット62の下方においてハンドル18の前方の略中央部にはヘッドライト64が配置されている。
図2に示すように、メータユニット62は、横方向に並列された円形のスピードメータ66及びタコメータ68と、中央に設けられたニュートラルランプ70、ハイビームランプ72と、左右一対のウインカーランプ74とを有する。スピードメータ66内には、トリップメータ76及びオドメータ78が設けられている。メータユニット62は、さらにエンジンオイルの状態を示すエンジンオイルランプ80と変速機用オイルの状態を示すミッションオイルランプ82が設けられている。
すなわち、この場合の自動二輪車12では、循環液として、エンジン38及び変速機39に適した別系統のエンジン用オイル系統及び変速機用オイル系統が設けられており、それに対応してエンジンオイルランプ80とミッションオイルランプ82が個別に設けられている。これにより、エンジン用オイルと変速機用オイルの状態の識別が可能となりメンテナンス等を的確に行うことができる。
エンジンオイルは、エンジン38の下部におけるオイルパンに貯溜されており、該オイルパンからオイルポンプで吸い上げられ、ピストンやバルブ機構等に供給されて潤滑作用を奏し、オイルフィルタを経由してオイルパンに戻る。設計条件によっては、経路の途中にオイルクーラ等を設けてもよい。なお、通常気温及び通常走行状態においてはオイルは過度に高温になることがないように、エンジン38自体が冷却(空冷、水冷等)される。エンジンオイルは、エンジン38の潤滑、防錆及び冷却等の作用がある。エンジンオイルの循環方式としては飛沫式等でもよい。
エンジンオイルランプ80及びミッションオイルランプ82には、所定の絵文字が設けられていてもよい。イグニッションオン時には、球切れ確認用に所定タイミング又は所定時間だけメータユニット62のランプを全点灯させてもよい。
図3に示すように、エンジン制御ECU50は、エンジン38の回転数を検出するエンジン回転センサ83と、オイルの油温(液温)tEを検出するエンジンオイルセンサ84と、変速機39の変速機オイルの油温を検出するミッションオイルセンサ86と、変速機39において少なくともニュートラル位置を検出するポジションセンサ88と、クランク軸の角度を検出するクランク角センサ90と、アクセル開度センサ92とが接続され、それぞれの信号を読み取っている。
エンジン制御ECU50は、さらに、メータユニット62、点火制御回路94、噴射弁制御回路96、スロットル弁制御回路98に接続され各部の制御を行っている。すなわち、メータユニット62に対しては指針の回転やランプ類の点灯制御を行い、点火制御回路94に対してはクランク角センサ90等の信号に基づいて点火時期の制御を行う。また、噴射弁制御回路96に対しては、エンジン回転センサ83等の信号に基づいてインジェクタ110(図4参照)における燃料噴射量の制御を行い、スロットル弁制御回路98についてはアクセル開度センサ92等の信号に基づいて電子制御スロットル弁116の開度制御を行う(図4参照)。エンジン制御ECU50は他のセンサや制御器にも接続されているがここでは省略する。
エンジン制御ECU50では、エンジンオイルセンサ84の信号からエンジンオイルの油温tEを所定時間ごとに検出し、油温tEが第1温度T1を超えているときで、その上昇率(液温上昇率)ΔtEが予め規定された上昇率閾値Δ0を超えているときに、注意出力としてエンジンオイルランプ80を点滅させる。また、油温tEが第2温度T2(>T1)を超えたときに、警報出力としてエンジンオイルランプ80を点灯させる。当然に点滅出力は停止する。ミッションオイルランプ82の点灯制御としては、ミッションオイルセンサ86から得られる変速機オイルの油温に基づいて、エンジンオイルランプ80と同様の制御を行う。
図4に示すように、スロットル弁制御回路98は、アクセル開度センサ92の信号に基づき、エンジン回転数等も考慮してスロットル開度の指令値(規定値)を設定してスロットルモータ112を駆動する。スロットルモータ112(ステッピングモータ等)は、吸気管114に設けられた電子制御スロットル弁116の開度調整を行う。この開度はスロットルモータ112に接続された開度センサ118によって検出されスロットル弁制御回路98にフィードバックされる。注意出力を発生させるときには、ロットル開度を規定値よりも絞るとよい。
次に、このように構成されるエンジンの液温警告システム10の動作について、エンジンオイルランプ80の制御を例にして、図5〜図7に基づいて説明する。図5の処理は、エンジン制御ECU50内で微小時間ごとに繰り返し実行される。
先ず、図5のステップS1において、エンジンオイルセンサ84からエンジンオイルの油温tEを読み込む。油温tEの読み込みに際しては、所定のフィルタリング処理(移動平均等)をしてもよい。
ステップS2において、油温tEが第1温度T1を超えているか否かを確認し、tE>T1であるときにはステップS4へ移り、tE≦T1であるときにはステップS3へ移る。第1温度T1は、警告レベルに対応する第2温度T2より多少低く設定されており、注意レベルに対応する。ただし、単に油温tEが第1温度T1を超えているだけではエンジン38の運転に特に支障はない。
ステップS3においては、エンジンオイルランプ80を消灯する消灯制御をする。
図6に示すように、時刻0(エンジン38の始動時又はエンジン制御ECU50の起動時等)から油温tEは初期値T0から次第に上昇する。初期値T0は、気温や前回の運転終了時からの経過時間によって変動し得る。グラフ100で示すように、油温tEは、当初は比較的急勾配で上昇するが、次第に緩やかとなり、やがて一定の定常温度となることが多い。この定常温度は気温や走行条件によって影響を受け得る。グラフ100で示すように定常温度が第1温度T1以下であるときには、エンジンオイルランプ80は消灯状態に維持されることになる。
ステップS4において、油温tEが第2温度T2を超えているか否かを確認し、tE>T2であるときにはステップS8へ移り、tE≦T2であるときにはステップS5へ移る。
ステップS5(つまり、T1≦tE<T2のとき)において、油温tEの上昇率ΔtEを演算で求める。上昇率ΔtEは所定時間当たりの油温tEの変化量として求められる。
ステップS6において、上昇率ΔtEが上昇率閾値Δ0を超えているか否かを判断し、ΔtE>Δ0であるときにはステップS7へ移り、ΔtE≦Δ0であるときにはステップS3へ移る。上昇率閾値Δ0はプラス値である。
図6のグラフ102で示すように、気温等の条件によっては油温tEは第1温度T1を超える場合があるが、第2温度T2を超えなければ特に支障はない。この場合、油温tEが第1温度T1を超える時刻t2及びそれ以降では、上昇率ΔtEは十分に低くなっており、ステップS6の判断ではステップS3へ分岐するように判断され、エンジンオイルランプ80は消灯状態に維持される。つまり、無用に高頻度にエンジンオイルランプ80が点灯(又は点滅)することはなく、運転者に煩わしさを与えることがない。
また、時刻0から直後の時刻t1においては、上昇率ΔtEがかなり大きいが、この時点では油温tEは第1温度T1よりも十分に低く、エンジン38に支障がないことはもちろんであって、エンジンオイルランプ80が点灯(又は点滅)することはない。
ステップS7においては、エンジンオイルランプ80を点滅させる点滅制御を行う。
図7のグラフ104に示すように、油温tEは定常状態となった後にも、気温の上昇、登坂、エンジン回転数の上昇等による負荷増加に影響されて変動する場合がある。第1温度T1以下のときに油温tEが多少変動をしても第2温度T2を超えることはないが、第1温度T1を超えている場合では、仮想線106で示すように、そのままの状態が継続すると時刻t4には第2温度T2を超える警報域に達すると判断される。この場合、ステップS7において、エンジンオイルランプ80を点滅させることにより運転者に予め注意を与えることができる。つまり、運転者は予見性が得られることになり、油温tEが警報域になる以前に所定の対応を取ることが可能となり、車速又はエンジン回転を低下させることができる。すなわち、そのままでは油温tEが第2温度T2を超えてしまい、車両を停止せざるを得なくなるのだが、予め余裕をもって所定の対応をとることによって、低速であっても走行を継続させることができる。これにより、実線108で示すように油温tEを低下させて再び通常の運転に戻り、エンジンオイルランプ80を消灯させることができる。
ステップS8においては、エンジンオイルランプ80を点灯する点灯制御を行う。これは、油温tEが第2温度T2を超えている状態であり、あまり長距離を走行することなく車両を停止させることが望ましく、注意状態の点滅(ステップS7)とは異なる点灯とすることにより運転者に警告することができる。ステップS7及びS8の後にステップS9に移る。
ステップS9においては、負荷リミット制御を行う。すなわち、ステップS7の点滅制御である注意喚起状態とステップS8の点灯制御である警告状態では、エンジン38の負荷を軽減させることが求められるので、エンジン制御ECU50において補助的に負荷を制限する制御を行う。
具体的な負荷リミット制御としてはいくつかの手段が挙げられる。例えば、点火制御回路94の作用下にエンジン38の点火時期設定を油温tEが下降する方向に制御したり(例えば、基準点火時期から遅角側へ切り換えたり)、エンジン回転数を所定値以下に抑えたり、噴射弁制御回路96の作用下に燃料噴射量を抑えたり、又は電子制御スロットル弁116の開度を絞る等の手段を取るとよい。これにより、自動的に運転負荷を軽減して油温tEを低下させることができる。もちろん、負荷リミット制御は補助的なものであり、運転者がそのリミット以下に負荷を低減させようとする場合(例えば、走行を停止させる場合)には、その操作を妨げることはない。
ステップS3及びS9の後、図5に示す今回の処理を終了する。なお、図5に示す処理は、微小時間ごとに連続して行われていることから、警告出力としてエンジンオイルランプ80を点灯させた後、油温tEが第2温度T2以下に復帰したときには、警告出力としての点灯は停止させ、注意出力として点滅状態にすることができる。さらに、油温tEが第1温度T1以下に復帰したときには、注意出力としての点滅を停止させ、消灯状態に戻すことができ、リセット動作等の操作が不要となり、煩わしさがない。
ステップS3の消灯制御と、ステップS7の点滅制御とステップS8の点灯制御との間の各移行には所定のヒステリシス特性を持たせてもよい。
図5〜図7はエンジン38の油温tEを例にして説明したが、変速機39のミッションオイルについても同様の処理を行い、ミッションオイルランプ82の消灯・点滅・点灯制御をすればよい。循環液としては潤滑手段としてのオイルに限らず、エンジン38の冷却系統における冷却水に適用してもよい。変速機39の潤滑系統はエンジン38の潤滑系統が兼ねていてもよい。
注意出力及び警告出力は、ランプ形式に限らず、運転者にとって容易に識別可能なものであればよく、例えば音響出力を利用(又は併用)してもよい。本願が適用される対象は、自動二輪車12に限らず、例えば一般の自動車であってもよく、車両用エンジン以外に産業用エンジンにも適用可能である。
第1温度T1は、第2温度T2よりも低く複数の異なる温度T11、T12、T13…として設けておき、それぞれに対応した上昇率閾値Δ01、Δ02、Δ03…に基づいて注意出力判断をしてもよい。
上述したように、本実施の形態に係るエンジンの液温警告システム10によれば、油温tEが第2温度T2を超える警告域に達する以前に、第1温度T1を超えてさらに所定の上昇傾向を示すときに、警報出力以前の事前段階として注意出力を発生させることができ、運転者に予め注意を与えることができる。つまり、運転者は予見性が得られることになり、油温tEが警報域になる以前に、運転状態の変更や休憩を促す等の対応を取ることが可能となる。注意出力は、無駄に高頻度にならないように適切に出力される。
本発明に係るエンジンの液温警告システムは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…エンジンの液温警告システム 12…自動二輪車
38…エンジン 39…変速機
50…ECU 62…メータユニット
80…エンジンオイルランプ 82…ミッションオイルランプ
83…エンジン回転センサ 84…エンジンオイルセンサ
86…ミッションオイルセンサ 88…ポジションセンサ
90…クランク角センサ 92…アクセル開度センサ
94…点火制御回路 96…噴射弁制御回路
98…電子制御スロットル弁 T1…第1温度
T2…第2温度 tE…油温(液温)
ΔtE…上昇率 Δ0…上昇率閾値

Claims (8)

  1. エンジンの油温警告システムにおいて、
    エンジン運転状態における所定時間ごとの所定の循環液の液温(tE)を検出し、
    前記液温(tE)が第1温度(T1)を超えているとき、所定時間ごとにその液温上昇率(ΔtE)を演算し、該液温上昇率(ΔtE)が予め規定された上昇率閾値(Δ0)を超えているときに所定の注意出力を発生させ、
    前記液温(tE)が前記第1温度(T1)より高い第2温度(T2)を超えたときに、前記注意出力を停止させ、所定の警報出力を発生させることを特徴とするエンジンの液温警告システム。
  2. 請求項1記載のエンジンの液温警告システムにおいて、
    前記循環液は潤滑用オイルであり、
    前記注意出力はオイルランプの点滅であって、前記警告出力は前記オイルランプ(80、82)の点灯であることを特徴とするエンジンの液温警告システム。
  3. 請求項2記載のエンジンの液温警告システムにおいて、
    前記注意出力を発生させるときには、エンジン(38)の点火時期設定を前記液温が下降する方向に基準点火時期を制御することを特徴とするエンジンの液温警告システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの液温警告システムにおいて、
    前記注意出力を発生させるときには、エンジン回転数を所定値以下に抑えることを特徴とするエンジンの液温警告システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジン液温警告システムにおいて、
    前記注意出力を発生させるときには、電子制御スロットル弁の開度を規定値よりも絞ることを特徴とするエンジンの液温警告システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジン液温警告システムにおいて、
    前記警告出力を発生させた後、前記液温(tE)が前記第2温度(T2)以下に復帰したときには、前記警告出力を停止させ、前記注意出力を発生させ、
    さらに、前記液温(tE)が前記第1温度(T1)以下に復帰したときには、前記注意出力を停止させることを特徴とするエンジンの液温警告システム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエンジンの液温警告システムにおいて、
    前記循環液は、変速機用の潤滑用オイルであることを特徴とするエンジンの液温警告システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のエンジンの液温警告システムにおいて、
    前記循環液としては、エンジン用オイル及び変速機用オイルが別に設けられ、
    少なくとも前記警告出力は、前記エンジン用オイルの警告と前記変速機用オイルの警告を区別して出力することを特徴とするエンジンの液温警告システム。
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