JP2010234407A - 圧延機ワークロールのロールギャップ測定装置 - Google Patents

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祐司 小原
Hiromasa Hayashi
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【課題】冷却水等の外乱の影響を受けることなくロールギャップを高精度に測定することができ、しかも、クロスロール圧延機などのようなクラウン制御ミルにも適用可能なロールギャップ測定装置を提供する。
【解決手段】一端側が上下ワークロールの対向する一方のロールチョック3a又は3bに固定されるロープ部材5と、上下ワークロールの他方のロールチョック3b又は3aに設けられ、前記ロープ部材5の他端側を巻き取り可能に保持する巻取リール機構6と、該巻取リール機構6のリール回転位置を検出するためのロータリーエンコーダ7とを有し、前記巻取リール機構6によりロープ部材5に張力を付与する。リール回転位置は、ロールギャップの大きさに応じたロープ部材5の巻取り長さと対応しているため、リール回転位置のエンコーダ出力からロールギャップ量が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧延機ワークロールのロールギャップ測定装置と、この装置を利用した圧延機および熱延鋼帯の製造方法に関する。
近年、熱間連続圧延等の分野においては、ペアクロスロール圧延機など各種のクラウン制御ミルが実用化された結果、板クラウンのない平坦な鋼帯を安定して製造できるようになってきた。しかしながら、板クラウンが小さくなった分だけ圧延中に鋼帯が蛇行しやすくなり、特に被圧延材(以下、便宜上「熱延鋼帯」という)の尾端部が尻抜けする際に、熱延鋼帯がサイドガイドに衝突して倒れ込んで圧延される、いわゆる絞り込みが発生するという新たな問題が生じている。熱延仕上圧延機における熱延鋼帯の尾端部通板性向上は、稼動率向上およびロール原単位向上のために、非常に重要な課題である。
圧延機における熱延鋼帯の蛇行現象は、一般的に2階積分特性を持つと言われている。図15はその物理的解釈を示したもので、図15(A)は、鋼帯の尾端がワークロールを抜ける瞬間を上方から見た図である。例えば、熱延鋼帯が蛇行した場合、図15(B)に示すように鋼帯が寄った側の圧延荷重が一方よりも高くなるため、ロール開度が一方よりも広くなる。当然、ロールギャップの狭い側は他方よりも薄く圧延されるため、圧延方向に長く伸ばされ、通板速度は他方よりも遅くなる。このため、鋼帯は図15(A)に示すように圧延部を境界にくの字型に折れ曲がることになる。一旦、鋼帯が曲がると、そこから後方の蛇行量は時間とともに増大する。これにより、図15(B)に示すように、板道がロールセンタから外れると、鋼帯が曲がった方向(図15(B)では右方向)のミル伸びが増大してロールギャップが開き、図15(C)に示すように、さらにたわみを助長することで、時間の2乗に比例した蛇行量が発生する。
こうした問題を回避するための代表的な熱延鋼帯の蛇行制御技術は、図16に示すように圧延機の圧延荷重の左右差Pdfにより発生する左右ロール開度差Sdfを打ち消すように、比例制御でレベリング修正量SLを動かす蛇行制御(平行剛性制御)である。図16において、αは制御ゲイン(0〜1)、Mは平行剛性である。この蛇行制御技術は、圧延機の圧下装置(スクリュー、油圧シリンダ等)のレベリング修正量SLを、下記の(i)式に従い蛇行を抑制する方向に制御する方法(一般にレベリング操作と呼ぶ)である。なお、下記(i)〜(iii)式において、αは制御ゲイン、Pdfは圧延荷重の左右差(以下、「差荷重Pdf」という)、Sdfは左右ロールの開度差、Mは平行剛性または左右剛性、Lは左右圧下装置間距離、ycは熱間圧延ラインの幅方向中心に対する熱延鋼帯の幅中央のずれ量(以下、単に「蛇行量yc」という)を示す。
平行剛性または左右剛性Mは、下記(ii)式に示すように、差荷重Pdfと圧下装置位置での左右ロール開度差Sdfの比で表される。また、蛇行量ycと差荷重Pdfとの関係は、下記(iii)式のように表される。つまり、平行剛性Mが高い圧延機では、差荷重Pdfによる左右ロール開度差Sdfが生じにくいこと、また、下記(iii)式に示す関係から、被圧延材の蛇行量ycによって発生する差荷重Pdfに起因した左右ロール開度差Sdfも生じにくいことになる。
SL=−α(Pdf/M) …(i)
M=Pdf/Sdf …(ii)
yc=(Pdf・L)/2P=(Sdf・L)/(2P・M) …(iii)
上記(iii)式に示すように被圧延材の蛇行量ycと差荷重Pdfとは比例関係にあるが、実際の圧延においては、差荷重を発生させる要因が他にも多数存在する。例えば、被圧延材の左右板厚差、左右温度差(≒左右塑性定数差)、圧延機の腐食および磨耗劣化に伴う左右バネ定数差、ワークロールとバックアップロールの平行度ズレによるロール間スラスト力等がそれにあたる。全ての差荷重の要因をモニタするためには、各要因に対応して複数のセンサが必要となり、これに伴う多額の導入コスト、メンテナンスコストが発生する。また、上記(iii)式に示す蛇行量ycは上下ワークロールに挟まれた被圧延領域におけるものであり、例えば、蛇行センサを設ける場合には、必然的にワークロールとの干渉を避けるために、被圧延領域から数m退避した位置に設置することが必要となるため、被圧延領域における蛇行量ycを直接測定することは困難である。
以上の理由により、複数の差荷重要因の中から蛇行量ycによる差荷重のみを抽出することは事実上困難であり、全ての要因の総和である差荷重Pdfに基づく圧下位置制御を行う必要があった。したがって、圧延時に発生する差荷重Pdfが全て蛇行量ycに起因するものと仮定して蛇行制御を行った場合、他要因による差荷重変動によって圧下位置制御が過制御となり、逆に絞り込みトラブルを助長させてしまうケースが発生するため、現状の制御ゲインαは圧延条件に応じて低めに設定せざるを得ず、このため、尾端蛇行による絞り込みトラブルを完全に解消できないという問題があった。
これを解決する手段として、差荷重Pdfに基づく蛇行制御ではなく、上下ワークロールのロールギャップを直接測定し、このロールギャップの左右差が零となるようにレベリング制御を実施する提案がなされている(特許文献1)。この考え方はごく自然な発想であるが、問題はその測定が極めて困難ということにある。これまで多くのロールギャップ測定手段が提案されており、その代表的な方式として、光学式(例えば、特許文献2〜4)と機械式(例えば、特許文献5〜8)がある。
特開平6−297013号公報 特開昭62−198705号公報 特開平6−147843号公報 特開昭57−132009号公報 特開昭64−31508号公報 特開昭58−199610号公報 特開昭57−137012号公報 特開昭64−78608号公報 特開2008−272824号公報
光学式のロールギャップ測定手段は、ロールギャップの入側・出側のどちらか一方に光源を配置し、ロールギャップを通過して他方に設置した受光装置に入力される信号に基づきロールギャップを測定するものである。しかし、熱間圧延機の周囲は蒸気や冷却水が充満しており、このような環境下で測定のために投受光を行っても、蒸気による光量低下や水飛沫による受光信号ノイズにより高精度の測定は困難であり、光路をクリアに確保するために蒸気や冷却水のシール対策が必要となる。
また、機械式のロールギャップ測定手段は、上下ワークロールのロールネック部間またはロールチョック間に、その間隔距離を測定する機構を介在させるものであり、蒸気や冷却水による測定精度への影響はほとんどないが、上下ロールネック部またはロールチョック間の最短距離を測定する必要上、上下ワークロールの軸心が同一鉛直線上になくてはならないという制約がある。これに対し、近年、実用化されているクラウン制御ミルの一つであるクロスロール圧延機は、図7に示すように右上および左下のロールチョック若しくは右下および左上のロールチョックを圧延方向に変位させることで上下ワークロールをクロスさせ、必要となる製品鋼帯クラウン形状に応じてクロス角度を制御する方式であるため、上記制約条件を満足できない。したがって、近年の主要方式であるクラウン制御ミルには、従来の機械式のロールギャップ測定手段は適用できない。
一方、特許文献9には、上下ワークロールのロールネック部の外面周方向の一部に巻き掛けられるロープ部材と、上下ワークロールの各ロールチョックに設けられ、前記ロープ部材の各端を巻き取り可能に保持する巻取リール機構と、この巻取リール機構のリール回転位置を検出するためのロータリーエンコーダとを有し、前記巻取リール機構によりロープ部材に張力を付与するようにしたロールギャップ測定装置が示されており、この装置では、リール回転位置は、ロールギャップの大きさに応じたロープ部材の巻取り長さと対応しているため、リール回転位置のエンコーダ出力からロールギャップ量が得られる。このようなロールギャップ測定装置は、蒸気や冷却水等の外乱の影響を受けることなくロールギャップを高精度に測定することができ、しかも、クロスロール圧延機などのようなクラウン制御ミルにも問題なく適用することができる。
しかし、特許文献9の装置では、ロープ部材が高速回転する上下ワークロールのロールネック部と常に接触(摺動)するため、その摩擦によって比較的短期間に損耗・破断してしまい、装置の耐久性に問題がある。また、リバース圧延を行う場合、ワークロールの回転方向が変わると、ロープ部材とワークロールのロールネック部との摺動方向が逆転し、それに伴いロープ部材に作用する張力が変化する。このようなロープ部材の張力変化は、ロープ部材に弾性変形による伸縮を生じさせるため、リール回転位置のエンコーダ出力は同量だけ変化し、ロールギャップ測定誤差要因となるという問題がある。
したがって本発明の目的は、上記のような従来技術の課題を解決し、蒸気や冷却水等の外乱の影響を受けることなくロールギャップを高精度に測定することができ、しかも、クロスロール圧延機などのようなクラウン制御ミルにも適用可能であるとともに、優れた耐久性を有するロールギャップ測定装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのようなロールギャップ測定装置を利用して安定した圧延を行うことができる圧延機を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、そのような圧延機を用いて、良好な形状の熱延鋼帯を製造できるとともに、安定した蛇行制御を行うことで、絞りトラブルを生じることなく熱延鋼帯を安定して製造することができる熱延鋼帯の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、以下のとおりである。
[1]一端側が上下ワークロールの対向する一方のロールチョックに固定されるロープ部材と、上下ワークロールの他方のロールチョックに設けられ、前記ロープ部材の他端側を巻き取り可能に保持する巻取リール機構と、該巻取リール機構のリール回転位置を検出するためのロータリーエンコーダとを有し、前記巻取リール機構によりロープ部材に張力を付与することを特徴とする圧延機ワークロールのロールギャップ測定装置。
[2]ワークロールの左右ロールチョックにそれぞれ上記[1]のロールギャップ測定装置を有することを特徴とする圧延機。
[3]上記[2]の圧延機において、クロスロール圧延機であることを特徴とする圧延機。
[4]上記[2]または[3]の圧延機で被圧延材を熱間仕上圧延し、熱延鋼帯を製造する方法であって、圧延中、ロールギャップ測定装置によりワークロールの左右ロールギャップを測定し、左右ロールギャップ差が目標値となるようにレベリング制御を行うことを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
本発明のロールギャップ測定装置によれば、蒸気や冷却水等の外乱の影響を受けることなくロールギャップを高精度に測定することができ、しかも、クロスロール圧延機などのようなクラウン制御ミルにも問題なく適用することができる。また、装置を構成するロープ部材がワークロールなどと接触しないため、ロープ部材の損耗・破断が生じにくく、このため優れた耐久性を有する。また、ロープ部材はワークロールのロールネック部などと接触・摺動せず、したがって、圧延方向(ライン方向への圧延およびリバース圧延)に関わりなく、そのような接触・摺動に伴う張力変化が生じないため、弾性変形による伸縮を生じることがなく、このため高精度なロールギャップ測定が可能となる。
また、このようなロールギャップ測定装置を利用した本発明の圧延機およびこれを用いた熱延鋼帯の製造方法によれば、左右ロールギャップ差をモニタした高精度のレベリング制御を容易に実施することができため、差荷重Pdfに基づく現状の圧下位置制御の問題点を解消し、良好な熱延鋼帯形状を得ることができるとともに、安定した蛇行制御を行うことで、絞りトラブルを生じることなく熱延鋼帯を安定して製造することができる。このため薄物の熱延鋼帯の製造においても、良好な鋼帯形状の確保と安定通板を実現することができ、絞りトラブル抑制によるライン稼動率向上およびロール原単位向上を達成しつつ、優れた品質の熱延鋼帯を安定して製造することができる。
本発明のロールギャップ測定装置を熱間仕上圧延機に適用した場合の一実施形態を示すもので、ロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図 図1の実施形態において、ロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの側面図(本図では、ロールギャップ測定装置Aは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している) 図1の実施形態において、ロールギャップδの場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図 図1の実施形態において、ロールギャップδの場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの側面図(本図では、ロールギャップ測定装置Aは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している) 図1の実施形態において、ロールギャップ測定装置の巻取リール機構等を部分的に示す側面図 図5のVI−VI線に沿う断面図 クロスロール圧延機の概略斜視図 本発明のロールギャップ測定装置をクロスロール圧延機(熱間仕上圧延機)に適用した場合の一実施形態を示すもので、ロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図 図8の実施形態において、ロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの側面図(本図では、ロールギャップ測定装置Aは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している) 図8の実施形態において、ロールギャップがある場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図 図8の実施形態において、ロールギャップがある場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの側面図(本図では、ロールギャップ測定装置Aは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している) 実施例における本発明装置及び測定機器の配置を示す説明図 実施例における電源及びデータ信号の流れを示す説明図 実施例における圧延機出側の蛇行量ycと本発明による左右ロールギャップ差との関係を示すグラフ 蛇行現象の物理的解釈を示す説明図 蛇行に対する従来の平行剛性制御の考え方を説明するための説明図
図1〜図6は、本発明のロールギャップ測定装置を熱間仕上圧延機に適用した場合の一実施形態を示すもので、図1はロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図、図2は同じく側面図(本図では、ロールギャップ測定装置Aは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している)、図3はロールギャップδの場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図、図4は同じく側面図(本図では、ロールギャップ測定装置Aは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している)、図5はロールギャップ測定装置の巻取リール機構等を部分的に示す側面図、図6は図5のVI−VI線に沿う断面図である。
図において、1aは上ワークロール、3aはそのロールチョック、1bは下ワークロール、3bはそのロールチョック、2aは上バックアップロール、4aはそのロールチョック、2bは下バックアップロール、4bはそのロールチョックである。また、Sは被圧延材である。
ロールギャップ測定装置Aは、上下ワークロール1a,1bの左右ロール端にそれぞれ設けられている。各ロールギャップ測定装置Aは、一端側が下ワークロール1bのロールチョック3bに固定されたロープ部材5と、上ワークロール1aのロールチョック3aに設けられ、前記ロープ部材5の他端側を巻き取り可能に保持する巻取リール機構6と、この巻取リール機構6のリール回転位置を検出するために、各巻取リール機構6に付設されたロータリーエンコーダ7を有している。
前記ロープ部材5は、係止用部材8を介してロールチョック3bに係止(固定)されている。このロープ部材5は、係止用部材8(固定部)と巻取リール機構6を介してロールチョック3b,3a間に架け渡され、定常的には、上下ワークロール1a,1bのロールネック部等とは接触しない。このためロープ部材5の損耗・破断が生じにくく、装置自体の優れた耐久性を確保することができる。また、ロープ部材5はワークロール1a,1bのロールネック部等とは接触・摺動しないため、そのような接触・摺動に起因する張力変化やこれに伴う弾性変形による伸縮を生じることがなく、このため高精度なロールギャップ測定が可能となる。
ロープ部材5の径は任意であり、したがって、本発明で使用するロープ部材5には紐のように小径のものも含まれる。また、ロープ部材5は、長手方向の一部についてロープではない剛体(例えば、金属ロッドなど)で構成し、この剛体とロープ材を接続したようなものであってもよい。本発明で使用するロープ部材5には、このような構造のものも含むものとする。
ロープ部材5の材質に特別な制限はなく、ワイヤロープなどの金属製ロープ、炭素繊維ロープ、有機繊維ロープ、金属繊維、炭素繊維、有機繊維などの2種以上の素材からなる複合繊維ロープなどを用いることができるが、ロープ部材5は圧延中に高速で回転しているロールネック部などと直接接触する可能性もあるため、強度、耐熱性、耐摩耗性に優れるものであることが好ましく、このような観点からは、ロープ部材は高強度で耐熱性、耐摩耗性に優れた有機繊維ロープを用いることが好ましい。このような有機繊維ロープとしては、例えば、ザイロン、ケブラー(いずれも登録商標)などの有機繊維からなるロープが挙げられる。
ロールチョック3aに固定された前記巻取リール機構6は、ロープ部材5の他端側を巻き取り可能に保持し、そのリールがロープ部材5を巻き取る方向に付勢されることによりロープ部材5に張力を付与する。このリールの付勢手段(図示せず)は、バネ機構による機械的手段でもよいし、モータ等のような電磁力を利用したものでもよい。
前記ロータリーエンコーダ7は巻取リール機構6に組み込まれ、リール回転位置を検出する。一般的なロータリーエンコーダ構造では、内部に光源〜スリット〜光検出器が配置されており、光源からの信号は巻取リール機構6に伴って回転するスリットを通過してパルス状の信号として光検出器で検出される。このようにして検出されたパルス信号を、ロールギャップの大きさに応じたロープ部材5の巻取り長さと対応させるため、一般的にはパルスカウンタ機器を用いる。具体的には、パルス信号をパルスカウンタ機器に入力することで、回転角度あたり発生するパルス信号数をカウントし、リール回転位置を算出した結果を出力する。
例えば、図1および図2のようにロールギャップが無い状態においてロータリーエンコーダ7の零点調整をしておくことで、図3および図4のようにロールギャップがδだけ変化したときのパルス信号出力を得ることができる。このパルス信号出力はパルスカウンタ機器によりリール回転位置(ロープ部材5の巻取り長さ)に変換されてロールギャップ測定値が得られる。また、圧延機の左右に配置したロールギャップ測定装置Aによるロールギャップ測定値δの演算差により、左右ロールギャップ差を得ることができる。
図7にクロスロール圧延機の概略を示すが、さきに述べたように、従来の機械式によるロールギャップ測定装置は、上下ワークロール軸心が同じ鉛直線上にある必要があり、したがって、このようなクロスロール圧延機には事実上適用することができない。これに対して本発明のロールギャップ測定装置は、ギャップ計測手段として、上下ワークロール1a,1bのロールチョック間に架け渡されたロープ部材5と、これを巻き取り可能に保持する巻取リール機構6を用いるため、ロールチョックの圧延方向位置の変位に対応でき、したがって、クロスロール圧延機に対しても問題なく適用できる。
図8〜図11は、本発明のロールギャップ測定装置をクロスロール圧延機(熱間仕上圧延機)に適用した場合の一実施形態を示すもので、図8はロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図、図9は同じく側面図(本図では、ロールギャップ測定装置Aは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している)、図10はロールギャップがある場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図、図11は同じく側面図(本図では、ロールギャップ測定装置Aは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している)である。
さきに述べたようにこのクロスロール圧延機は、上下ワークロール1a,1bが平面的にみてクロスしているため、上下ワークロール1a,1bの軸心が同じ鉛直線上にないが、本発明のロールギャップ測定装置Aの構成および機能は、図1〜図6に示す実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
このようなクロスロール圧延機に本発明のロールギャップ測定装置を適用した場合、上下ワークロール1a,1bの軸心が同じ鉛直線上になくても、ロープ部材5の機能が阻害されることはない。
本発明の圧延機は、以上述べた実施形態のように上下ワークロール1a,1bの左右ロール端にロールギャップ測定装置Aを有するものである。
また、本発明の熱延鋼帯の製造方法では、そのような圧延機で被圧延材を圧延し、熱延鋼板を製造するに際し、圧延中、ロールギャップ測定装置Aによりワークロール1a,1bの左右ロールギャップを測定し、左右ロールギャップ差が目標値となるようにレベリング制御を行う。具体的には、圧延材の左右板厚差(板ウェッジ)が零となるように、つまりは左右ロールギャップ差が零となるようにレベリング制御を行う。
熱延仕上圧延機の最終スタンドに本発明のロールギャップ測定装置を設置し、圧延中のロールギャップを測定した。図12にデータ測定時の圧延機周辺の機器配置図を示す。実操業においては、ワークロールは2〜3時間おきに使用済みのロールと研磨済みの新品ロールとの組み替えを実施する必要があるため、ロール組み替えの度にロールギャップ測定装置の取り付け作業によって操業ラインを停止させることのないように配慮する必要がある。そこで、ロールギャップ測定装置は、ロール組み替え待ち状態の研磨済み新品ロールに事前に取り付けておき、ロール組み替えの際に共に圧延機内に組み込む方式とした。
また、ロールギャップ測定装置のデータ信号及び電源の配線が必要となるが、図12に示すようにドライブ側のワークロール周辺には主機モータからの動力元をワークロールに伝達するためのスピンドルが配置されており、配線作業のためのアクセスが難しく、上記配線作業をする場合には足場の設置が必要となり、大きなライン停止時間が発生することが予想される。これらの問題を解決するため、ロールギャップ測定装置の電源は小型バッテリーとし、データ信号は無線ユニットを活用したデータ送信を行うことで、通常必要となるロールギャップ測定装置のデータ信号及び電源の配線作業を無くすことができた。
図13に電源及びデータ信号の流れを示す概略図を示す。圧延機側に設置するロールギャップ測定装置、バッテリー、送信側無線ユニットからなる機器一式を蒸気、冷却水、周辺温度から保護するため、樹脂製のセンサボックスに収納した。送信側無線ユニットからの信号はライン外の安全通路上に設置した受信側無線ユニットへ伝達され、A,B相エンコーダ信号をカウンタにてロールギャップ測定値δに換算するとともに、データロガーに記録した。
続いてロールギャップ測定装置からの出力信号を確認した後、通常ロール組み替え後に実施されているレベリング零調を実施した。これは、図1および図2に示すように上下ワークロールを接触させた状態で左右圧下位置バランスを調整するレベリング零調を実施した。
このレベリング零調時に上下ワークロールの左右ロールギャップ差が0になったと考え、左右ロールギャップ測定装置の零調を行った。
熱延鋼帯の圧延において、同一操業条件(入側板厚h1=2.8mm、出側板厚h0=2.0mm、板巾b=1200mm)での計8本の圧延について、圧延機出側に設置された蛇行計出力に基づく蛇行量ycのデータおよびロールギャップ測定装置からのロールギャップデータδを採取した。図14に測定結果より求めた圧延完了時における蛇行量ycと左右ロールギャップ差との関係を示す。±20μm程度のばらつきが見られるものの、両者にはほぼ線形な相関が見られ、本発明によって信頼性の高いロールギャップ測定が可能であることが確認できた。
1a,1b ワークロール
2a,2b バックアップロール
3a,3b,4a,4b ロールチョック
5 ロープ部材
6 巻取リール機構
7 ロータリーエンコーダ
8 係止用部材
S 被圧延材
A ロールギャップ測定装置

Claims (4)

  1. 一端側が上下ワークロールの対向する一方のロールチョックに固定されるロープ部材と、上下ワークロールの他方のロールチョックに設けられ、前記ロープ部材の他端側を巻き取り可能に保持する巻取リール機構と、該巻取リール機構のリール回転位置を検出するためのロータリーエンコーダとを有し、前記巻取リール機構によりロープ部材に張力を付与することを特徴とする圧延機ワークロールのロールギャップ測定装置。
  2. ワークロールの左右ロールチョックにそれぞれ請求項1に記載のロールギャップ測定装置を有することを特徴とする圧延機。
  3. クロスロール圧延機であることを特徴とする請求項2に記載の圧延機。
  4. 請求項2または3に記載の圧延機で被圧延材を熱間仕上圧延し、熱延鋼帯を製造する方法であって、圧延中、ロールギャップ測定装置によりワークロールの左右ロールギャップを測定し、左右ロールギャップ差が目標値となるようにレベリング制御を行うことを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
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