JP2010234311A - 意匠性塗膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被塗物の表面側からの作業のみにより簡単な工程で高い意匠性を持つ塗膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】被塗物2の表面に磁性塗膜4を形成し[A]、磁性塗膜4が未硬化のうちに磁場発生源6の磁場の作用により磁性塗膜4中の磁性粉粒体を配向させて、磁性粉粒体による意匠を形成する[B]。磁場発生源を除去した後に、磁性塗膜4を硬化させて、磁性粉粒体による意匠を構成する模様要素12a,12bを持つ硬化磁性塗膜4’とする[C]。その後、透光性塗膜10を形成する[D]。磁場発生源6は、保持体8に保持されて磁性塗膜4から距離を隔てて配置されるマグネットシート片6a,6bからなる。保持体8は、マグネットシート片6a,6bを保持する保持面部81と、被塗物2の表面とマグネットシート片6a,6bとの間隔を設定するように被塗物2の表面に当接される当接部82とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、意匠性塗膜を形成する方法に関するものであり、特に磁性塗料を用いて意匠性塗膜を形成する方法に関するものである。
建築物や構築物の壁面等については、その高級化が志向されており、一般的な平坦な外観を有するものに代えて、各種の意匠性を持つものが使用されている。そのような意匠性は、塗膜表面を凹凸構造にすること等により実現することができる。
近年、更なる高級化指向により、特定の質感を醸し出すような表面の意匠性を持つ塗膜の形成が望まれている。このような意匠性塗膜を形成する方法として、磁性粉粒体を含む磁性塗料を用いて磁性塗膜を形成し、磁石により磁場を作用させて磁性粉粒体を配向させ、配向せしめられた磁性粉粒体による光反射等の光学的特性に基づく意匠性を発揮させるものが提案されている。
例えば、特開昭63−175670号公報[特許文献1]には、粉末状磁性材料を含有する液状塗膜を被塗物の表面に形成し、該塗膜が流動状態にあるうちに、該塗膜の目的とする部分の磁性材料に磁石を作用させることによって模様を形成する模様塗膜の形成法が開示されている。
また、例えば、特開平3−193162号公報[特許文献2]には、被塗物表面に磁性体粉末を含有する塗料を塗布して塗膜を形成し、被塗物の裏面に散点模様状に配置された磁石片の集合体を配置することで塗膜に散点模様に対応した模様を現出させる模様塗膜の形成方法が開示されている。
特開昭63−175670号公報 特開平3−193162号公報
特許文献1及び2に記載されているように、磁石を塗膜の裏面側すなわち該塗膜が形成されている被塗物(基材)の裏面側に配置する場合には、使用できる基材に制限がある。例えば、基材の厚さが過度に大きい場合や基材が磁性体からなる場合には、磁性塗膜における磁場の強さが不十分または実質上零となり、高い意匠性をもった模様の形成が困難になりやすい。
また、特許文献1には、磁石を磁性塗膜の表面側から該磁性塗膜に接近させることが記載されている。しかし、特許文献1には、使用される磁石として、永久磁石、電磁石または超伝導磁石が例示されているが、その具体的な形状及び構造に関しては、特に記載されていない。この特許文献1の磁石は、特許文献2に記載されているように、棒状またはU字状等の一般的なブロック状のものであると考えられ、このような場合には、形成される模様に制約があり、高い意匠性をもった模様塗膜の形成が困難になりやすい。
近年、特に、建築物または構築物の外壁塗装などにおいて、被塗物の表面上に形成される塗膜の意匠性を向上させることが要求されている。この場合、被塗物は既に現場に存在し、その裏面側に磁石を配置する方法は実際上実施することができない。
そこで、被塗物の表面側から特許文献1に記載のような手法を採用することが考えられるが、上記のように、特許文献1の記載に基づいては、高い意匠性を持つ塗膜を形成する具体的方法に容易には想到することができない。
本発明は、被塗物の表面側からの作業のみにより簡単な工程で高い意匠性を持つ塗膜を形成する方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
磁性粉粒体を含有する磁性塗料を被塗物の表面に塗布して磁性塗膜を形成し、
該磁性塗膜が未硬化のうちに前記磁性塗膜の上方に磁場発生源を配置することで、前記磁性塗膜中の磁性粉粒体を前記磁場発生源により発生せしめられる磁場の作用により配向及び/または移動させて、前記磁性粉粒体による意匠を形成し、
前記磁場発生源を除去し、
しかる後に、前記磁性塗膜を硬化させる、意匠性塗膜の形成方法であって、
前記磁場発生源は、マグネットシート片からなり、該マグネットシート片は保持体に保持されることで前記磁性塗膜から距離を隔てて配置され、前記保持体は、前記マグネットシート片を保持する保持面部と、前記被塗物の表面と前記マグネットシート片との間隔を設定するように前記被塗物の表面に当接せしめられる当接部とを有する、
ことを特徴とする意匠性塗膜の形成方法、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記磁場発生源は、互いに分離して配置された複数のマグネットシート片からなる。本発明の一態様においては、前記マグネットシート片は両面着磁シートである。本発明の一態様においては、前記保持体の当接部は、前記被塗物の表面に対して点状または線状に当接せしめられる。本発明の一態様においては、前記保持体は、前記保持面部の前記マグネットシート片が保持される側と反対の側に付設された補強部材を有する。本発明の一態様においては、前記磁性塗膜を硬化させる際または硬化させた後に、前記磁性塗膜上にクリヤー塗料を塗布して透光性塗膜を形成する。
本発明によれば、被塗物の表面側に配置する磁場発生源として、マグネットシート片からなるものを用い、該マグネットシート片を保持面部と当接部とを有する保持体により保持して、被塗物の表面とマグネットシート片との間隔を設定するので、マグネットシート片の形状に従った磁場を磁性塗膜に対して効率的に作用させることができ、簡単な工程で高い意匠性を持つ塗膜を形成することができる。
本発明による意匠性塗膜の形成方法の一実施形態における塗膜形成工程の説明のための模式的断面図である。 図1の実施形態の塗膜形成工程で使用される磁場発生源及びそれを保持する保持体を併せて示す模式的側面図である。 図1の実施形態で得られた意匠性塗膜の模様を示す模式図である。 保持体の変形例を示す模式的部分断面斜視図である。 本発明による意匠性塗膜の形成方法の変形例を説明するための模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による意匠性塗膜の形成方法の一実施形態における塗膜形成工程の説明のための模式的断面図である。図1では、各工程が横断面すなわち水平断面をもって描かれている。また、図2は、本実施形態の塗膜形成工程で使用される磁場発生源及びそれを保持する保持体を併せて示す模式的側面図である。
先ず、図1(A)に示されるように、被塗物2の表面に磁性塗料を塗布して磁性塗膜4を形成する。被塗物2は、特に限定されないが、例えば建築物または構築物であり、磁性塗膜4の形成される被塗物表面は例えばその外壁面である。この外壁面は、たとえばコンクリート面、金属面、木面、またはシーラー付与面であるが、これに限定されるものではない。
磁性塗料は、磁性粉粒体を含有する塗料であり、例えば溶剤型塗料であるが、その他の磁性粉粒体の分散含有が可能なものであれば特に制限はない。
磁性粉粒体は、例えば、ニッケル、鉄の含有率が高いステンレススチール、コバルト、クロム、鉄、酸化鉄を含むものであり、磁性塗料が未硬化の(すなわち流動性を有する)状態で磁場の作用により配向及び/または移動せしめられるものである。磁性粉粒体の形状としては、等方的または異方的な粒状(例えば、球状または回転楕円体形状)であってもよいし、扁平形状(フレーク状[板状または鱗片状を含む])であってもよい。磁場の作用により配向せしめられ或いは移動して磁場に沿って配列せしめられることで、良好な立体感を醸し出して高い意匠性を容易に実現する観点からは、磁性粉粒体の形状は扁平形状例えばフレーク状であるのが好ましい。磁性粉粒体の寸法は、最大径(多数の磁性粉粒体の平均値による)が磁性塗膜4の厚さ更には後述の硬化磁性塗膜4’の厚さより小さいことが好ましい。これにより、未硬化の磁性塗膜4中での磁性粉粒体の配向及び移動が容易になる。また、磁性粉粒体の最大径が小さすぎると、高い意匠性の実現が難しくなる傾向にある。良好な立体感を醸し出して高い意匠性を容易に実現する観点からは、磁性粉粒体の最大径は、好ましくは1〜40μmであり、更に好ましくは2〜25μmである。磁性粉粒体は、磁場による作用を受けて配向及び/または移動することで、磁場の状態を可視化する機能を発揮するものであるから、視覚的に目立つような光沢や色彩を有するものであることが好ましい。例えば、磁性粉粒体は、着色または光沢の発現のためのコーティングを施したものであってもよい。
磁性塗料は、以上のような磁性粉粒体と共に、ビヒクル成分を含む。ビヒクル成分は、硝化綿樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂及びシリコーン樹脂等の通常の塗料に使用されるものを含むことができる。たとえば、ビヒクル成分は、アクリル樹脂ワニス、硝化綿樹脂ワニス及び溶媒を含む。アクリル樹脂ワニスとしては、通常の常温乾燥型塗料や焼付塗料に使用されている各種のアクリル樹脂が好適に用いられる。硝化綿樹脂ワニスとしては、通常の常温乾燥型塗料に使用されている各種の硝化綿樹脂やCAB樹脂が好適に用いられる。溶媒としては、有樹溶媒、水溶性溶媒及び水道水等が好ましいものとして挙げられる。すなわち、本発明で使用する磁性塗料の形態としては、水系型及び有樹溶媒型のいずれもが挙げられる。
磁性塗料には、必要に応じて、ガラスフレーク、パール顔料、雲母、アルミニウム粉、着色顔料及び染料を含有させることができる。また、磁性塗料には、その他の一般的に使用されている添加剤、表面調整剤及び体質顔料等を含有させることができる。
磁性塗料における磁性粉粒体例えばフレーク状磁性材料の含有量は、目的とする外観に応じて適宜選択できるが、塗膜の他の性能とのバランスを考慮して、塗料100質量部当たり1〜50質量部、特に3〜25質量部とすることが好ましい。また、磁性塗料における溶媒の含有量については、被塗物の表面に乾燥膜厚8〜50μmとなるように塗布した数分後に、当該塗料の不揮発分が60〜80質量%となるように、乾燥または硬化させることができるものであることが好ましい。
次に、以上のようにして塗布形成した磁性塗膜4が未硬化の状態にあるうちに、図1(B)に示されるように、塗膜の表面上から(図1では上方から)磁場発生源6を接近させ配置する。
磁場発生源6は、1つまたは互いに分離せしめられて配置された複数のマグネットシート片6a,6b,6cからなる。マグネットシート片は適宜の形状にパターン化されている。マグネットシート片は両面着磁シートであり、シートの一方の面がN極とされ他方の面がS極とされる。従って、各マグネットシート片6a,6b,6cの縁辺の近傍においては、当該マグネットシート片6a,6b,6cの中央部の近傍とは特に異なった向きの磁場(図1(B)において破線で示される)が生ぜしめられる。本発明は、このマグネットシート片6a,6b,6cが発生する磁場の作用により、磁性塗膜4中の磁性粉粒体が移動及び/または配向することで、光反射の方向がマグネットシート片6a,6b,6cのパターン形状に対応した独特なパターン状のものとなることを利用して、高い意匠性を発現させている。マグネットシート片6a,6b,6cの厚みは、例えば、0.5〜8mm、好ましくは1〜3mmである。
マグネットシート片6a,6b,6cは保持体8に保持されることで磁性塗膜4から所要の距離を隔てて配置される。保持体8は、マグネットシート片6a,6b,6cを保持する板状の保持面部81と、被塗物2の表面とマグネットシート片6a,6b,6cとの間隔を設定するように被塗物表面に当接せしめられる当接部82とを有する。保持面部81の大きさは、例えば、操作性を考慮して50×50cm〜500×500cmであり、その一方の面(図1では下面)にマグネットシート片6a,6b,6cが接着などにより接合せしめられる。当接部82は、保持面部81の外周縁に付設されている。当接部82は、保持面部81の外周縁から該保持面部に対してほぼ直交するように突出しており、その高さ(T)は、磁性塗膜4の厚さ(t1)、マグネットシート片6a,6b,6cの厚さ(t2)、及び磁性塗膜4とマグネットシート片6a,6b,6cとの間に設定されるべき間隔(距離)(t3)の合計(t1+t2+t3)である。磁性塗膜4とマグネットシート片6a,6b,6cとの間に設定されるべき間隔(距離)(t3)は、目的とする外観すなわち意匠上の特徴、例えば、パターンエッジの強調された輪郭のはっきりした意匠とすべきか又は輪郭のぼやけた意匠とすべきかに応じて、また、磁場発生源6により発生せしめられる磁場の強さに応じて、また、パターン配列の粗密等に応じて、適宜設定されるが、例えば、0.5〜8mmとすることができる。
当接部82は、保持面部81の全外周縁に枠状に付設されているものであってもよいが、例えば、保持面部81の外周縁にとびとびに部分的に付設されているものであってもよい。この場合、当接部82は、被塗物2の表面に対して線状に当接せしめられる。更には、当接部82は、保持面部81の4隅その他に柱状又は針状に付設されているものであってもよい。この場合、当接部82は、被塗物2の表面に対して点状に当接せしめられる。柱状当接部の直径及び枠状当接部の厚み等の当接部82の幅寸法は、後述の工程で当接部82が除去されてから塗膜が硬化するまでに、流動により塗膜に当接部82の跡が残らなくなる程度のものであるのが好ましい。この観点から、針状の当接部は好ましい。
以上のようにして、磁場発生源6を配置することで、該磁場発生源のマグネットシート片6a,6b,6cにより、磁性塗膜4を通る磁場が発生する。この磁場は、磁性塗膜4中の磁性粉粒体に作用して、該磁性粉粒体を移動させ配向させる。磁性塗膜4中の磁場は、マグネットシート片6a,6b,6cの中央部近傍では磁性塗膜4にほぼ垂直な方向を向き、マグネットシート片6a,6b,6cの縁辺部近傍では磁性塗膜4に対して斜めの方向を向く。これにより、磁性塗膜4中では、マグネットシート片6a,6b,6cの形状に応じた磁性粉粒体の配向分布パターンが形成される。この磁性粉粒体の配向分布パターンは、光反射方向の分布パターンをもたらし、すなわち磁性粉粒体による意匠を形成し、これにより、良好な立体感を醸し出して高い意匠性を容易に実現することができる。
以上のような磁性粉粒体に対する磁場の作用が十分に得られるような時間、磁場発生源6を配置しておく。この時間は、磁性塗膜の流動性の時間変化の特性や形成される磁場の強さや磁性塗膜4とマグネットシート片6a,6b,6cとの間の距離(t3)などにより異なるが、例えば、1〜10分間とすることができる。尚、t3が0.5mm程度と小さい場合には、送風することで磁性塗膜4の乾燥を促進するようにしてもよい。
次に、素早く磁場発生源6を除去する。これにより、磁性塗膜4中の磁性粉粒体の配向分布パターンは維持される。
次に、磁性塗膜4を硬化させて、図1(C)に示されるように、硬化磁性塗膜4’とする。磁性塗膜の硬化は、磁性塗膜中の保持体当接部82による痕跡(凹部)が流動により埋められて、表面が実質上平坦化した後に、硬化が完了するようにしてなされるのが好ましい。硬化には、公知の硬化手段を適用することができ、自然乾燥硬化であってもよいし、加熱硬化等の促進硬化であってもよい。塗料の特性に応じて適宜硬化を促進することができる。
以上のようにして形成された硬化磁性塗膜4’の上に、更に、図1(D)に示されるように、クリヤー塗料などの透光性塗料を塗布することで透光性塗膜10を形成してもよい。該透光性塗膜は部分的に模様が形成されていてもよいし、或いは、透光性塗膜10の上及び/又は下に、部分的に模様層が形成されていてもよい。
図3は、以上のようにして得られた意匠性塗膜の模様を示す模式図である。模様は、マグネットシート片6a,6b,6cに対応して形成された模様要素12a,12b,12cからなる。模様要素12a,12b,12cは、それぞれ、マグネットシート片6a,6b,6cの中央部近傍に対応する中央部分12a1,12b1,12c1と、マグネットシート片6a,6b,6cの縁辺部近傍に対応する縁辺部分12a2,12b2,12c2とからなる。縁辺部分12a2,12b2,12c2は、中央部分12a1,12b1,12c1に比べて光反射方向が異なるので、模様要素12a,12b,12cの外から中央部分12a1,12b1,12c1にかけて徐々に光反射の態様が変化し、これにより良好な立体感を醸し出す高い意匠性が実現される。
図4は、保持体8の変形例を示す模式的部分断面斜視図である。この保持体8は、保持面部81のマグネットシート片6a,6bが保持される側(下側)と反対の側(上側)に付設された補強部材83を有する。補強部材83は、図示されるような補強リブとすることができる。図では、補強リブが互いに平行に配列された線状のものとされているが、これと直交する方向にも延びた格子状の補強リブとすることも可能である。補強部材83を有する保持体8を使用することで、保持体8の耐屈曲性が向上し、保持体の大型化を容易に実現することができる。
以上の説明では、簡単のために、磁場発生源6を保持する保持体8を1つのみ用いているが、実際には、所要個数の保持体8によりそれぞれ磁場発生源6を保持し、保持体8を図2の縦横方向に適宜配列して、大面積にわたって磁性塗膜4に対して磁場を作用させるようにすることができる。
あるいは、図5に示されるように、1つの保持体8を(a)、(b)、(c)及び(d)更にはその他の位置に順次配置し、各位置にて磁性粉粒体による意匠を形成し、しかる後に(a)〜(d)を含む全ての所要位置において磁性塗膜を硬化させるようにしてもよい。これによれば、所望領域に比べて十分に小さい保持体を1つのみ用いて、大面積の領域に意匠性塗膜を形成することができる。
以下、実施例により、本発明を説明する。
[実施例1]
硝化綿樹脂ワニス 11.0重量部
アクリル樹脂ワニス 27.0重量部
添加剤 2.0重量部
溶媒 50.0重量部
フレーク状磁性体 10.0重量部
を配合し、ディスパーにより攪拌混合することで、磁性塗料を調製した。該磁性塗料を、刷毛塗りにより、アルミニウムからなる被塗物2の表面に、0.02〜0.04mm厚さに塗布して、磁性塗膜4を形成した。
図1及び図2を参照して上述した磁場発生源6及び保持体8を用意した。磁場発生源6としてのマグネットシート片6a,6b,6cは、厚みが1mmで、半径が10mm(6a,6b)及び20mm(6c)の円形状であった。アルミニウム製保持体8の保持面部81は寸法10×10cmの正方形状のものであり、保持体8の枠状当接部82は高さ(T)が2mmで、幅寸法(W)が1mmであった。
磁性塗膜4が未硬化状態にあるうちに、保持体8により保持された磁場発生源6を被塗物2の表面上に配置した。これにより、磁性塗膜4とマグネットシート片6a,6b,6cとの間の距離(t3)が約2mmとされた。
1分間経過の後、磁性塗膜4には、磁性粉粒体の配向及び移動に基づく、マグネットシート片6a,6b,6cのパターンに対応するパターン状の模様が形成されているのが確認された。
その後、自然乾燥により磁性塗膜4を硬化させ、硬化磁性塗膜4’とした。
以上のようにして形成された硬化磁性塗膜4’には、マグネットシート片6a,6b,6cのパターンに対応するパターン状の立体感を醸し出す模様が形成されていた。
[実施例2]
硝化綿樹脂ワニス 6.5重量部
アクリル樹脂ワニス 16.0重量部
添加剤 1.5重量部
溶媒 26.0重量部
フレーク状磁性体 5.0重量部
噴射ガス 45.0重量部
を配合したことを除いて、実施例1と同様にして磁性塗料を調製した。尚、該磁性塗料はスプレー塗装用のエアゾールタイプのものであり、噴射ガスは、DMEであり、スプレー缶に封入する際に添加した。
該磁性塗料を、スプレー塗装により、木質合板からなる被塗物2の表面に、0.02〜0.04mm厚さに塗布した。
以下、実施例1と同様にして、硬化磁性塗膜4’の形成までを行った。
以上のようにして形成された硬化磁性塗膜4’には、マグネットシート片6a,6b,6cのパターンに対応するパターン状の立体感を醸し出す模様が形成されていた。
[実施例3]
アクリル樹脂ワニス 16.0重量部
添加剤 1.5重量部
水溶性溶媒 20.0重量部
水道水 6.0重量部
鱗片状磁性体 5.0重量部
噴射ガス 45.0重量部
を配合したことを除いて、実施例1と同様にして磁性塗料を調製した。尚、該磁性塗料はスプレー塗装用のエアゾールタイプのものであり、噴射ガスは、DMEであり、スプレー缶に封入する際に添加した。
該磁性塗料を、スプレー塗装により、木質合板からなる被塗物2の表面に、0.02〜0.04mm厚さに塗布した。
以下、実施例1と同様にして、硬化磁性塗膜4’の形成までを行った。
以上のようにして形成された硬化磁性塗膜4’には、マグネットシート片6a,6b,6cのパターンに対応するパターン状の立体感を醸し出す模様が形成されていた。
2 被塗物
4 磁性塗膜
4’ 硬化磁性塗膜
6 磁場発生源
6a,6b,6c マグネットシート片
8 保持体
81 保持面部
82 当接部
83 補強部材
10 透光性塗膜
12a,12b,12c 模様要素
12a1,12b1,12c1 中央部分
12a2,12b2,12c2 縁辺部分

Claims (6)

  1. 磁性粉粒体を含有する磁性塗料を被塗物の表面に塗布して磁性塗膜を形成し、
    該磁性塗膜が未硬化のうちに前記磁性塗膜の上方に磁場発生源を配置することで、前記磁性塗膜中の磁性粉粒体を前記磁場発生源により発生せしめられる磁場の作用により配向及び/または移動させて、前記磁性粉粒体による意匠を形成し、
    前記磁場発生源を除去し、
    しかる後に、前記磁性塗膜を硬化させる、意匠性塗膜の形成方法であって、
    前記磁場発生源は、マグネットシート片からなり、該マグネットシート片は保持体に保持されることで前記磁性塗膜から距離を隔てて配置され、前記保持体は、前記マグネットシート片を保持する保持面部と、前記被塗物の表面と前記マグネットシート片との間隔を設定するように前記被塗物の表面に当接せしめられる当接部とを有する、
    ことを特徴とする意匠性塗膜の形成方法。
  2. 前記磁場発生源は、互いに分離して配置された複数のマグネットシート片からなることを特徴とする、請求項1に記載の意匠性塗膜の形成方法。
  3. 前記マグネットシート片は両面着磁シートであることを特徴とする、請求項1または2に記載の意匠性塗膜の形成方法。
  4. 前記保持体の当接部は、前記被塗物の表面に対して点状または線状に当接せしめられることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の意匠性塗膜の形成方法。
  5. 前記保持体は、前記保持面部の前記マグネットシート片が保持される側と反対の側に付設された補強部材を有することを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載の意匠性塗膜の形成方法。
  6. 前記磁性塗膜を硬化させる際または硬化させた後に、前記磁性塗膜上にクリヤー塗料を塗布して透光性塗膜を形成することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載の意匠性塗膜の形成方法。
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