JP2010232521A - 処理液供給装置および処理液供給方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】薬液キャビネット1は、基板Wに処理液による処理を施すための複数の基板処理部5に処理液を供給する。薬液キャビネット1は、複数の成分液供給源11〜15と、成分液を導く複数の成分液供給路21〜25と、これらの成分液供給路21〜25によって導かれた成分液を合流させて混合することにより処理液を生成する混合部70と、混合部70から複数の基板処理部5に処理液を分配する処理液分配路71とを備えている。成分液供給路21〜25には、それぞれ自動流量調整弁51〜55が介装されている。成分液供給源11〜15と自動流量調整弁51〜55との間には、成分液レギュレータ31〜35が介装されており、成分液供給路21〜25の成分液供給圧力を等圧に制御する。
【選択図】図1
Description
そこで、この発明の目的は、構成を簡素化し、コストを削減しながら、複数の処理部に処理液を安定して供給可能な処理液供給装置および処理液供給方法を提供することである。
前記オリフィス開度調整機構は、流量制御器であってもよいし、開度調整弁であってもよい。開度調整弁は、手動弁(たとえば手動ニードル弁)であってもよいし、モータ等のアクチュエータ付きの自動開度調整弁(たとえばオートニードル弁)であってもよい。
前記複数の処理部は、それぞれ、処理対象に向けて処理液を供給する処理液ノズル(8)と、前記処理液ノズルへの処理液の供給/吐出を制御する開閉弁(9)とを含むものであってもよい。各処理部において処理液の吐出/停止が制御されると、混合部の下流側で必要とされる処理液流量が変化するが、それに対応するように混合部の上流側の流量が変化するので、十分な流量の処理液を各処理部に供給できる。その場合において、成分液の混合比には実質的な変動は生じない。
この構成によれば、複数の成分液供給路にそれぞれ介装された気体駆動型の圧力調整弁に対して、共通に圧力制御された駆動用気体を供給する構成であるので、複数の成分液供給路における供給圧力を確実に等圧に制御することができる。また、気体駆動型の圧力調整弁は、耐食性を有する構造とすることができるから、腐食性の薬液を成分液として用いることができる。
請求項4記載の発明は、前記処理液分配路に介装され、前記混合部から前記複数の処理部への処理液の流量を個別に制御する複数の流量制御器(75)をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の処理液供給装置である。
処理液分配路に介装される複数の流量制御器は、処理液流量を等しい値に制御するものであってもよいし、異なる値に制御するものであってもよい。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る処理液供給装置の構成を説明するための概念図である。処理液供給装置としての薬液キャビネット1は、処理装置本体2とともに、基板処理装置3を構成している。処理装置本体2には、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型の基板処理部5が複数個備えられている。薬液キャビネット1は、基板処理部5に向けて調合済みの薬液を処理液として供給するものである。基板Wは、たとえば、半導体ウエハであってもよい。
たとえば、成分液供給源11は、第1薬液原液としてのアンモニア水(NH4OH)を第1成分液として供給し、成分液供給源12は第2薬液原液としての塩酸(HCl)を第2成分液として供給し、成分液供給源13は第3薬液原液としての過酸化水素水(H2O2)を第3成分液として供給し、成分液供給源14は第4薬液原液としてのフッ酸を第4成分液として供給する。また、成分液供給源15は、希釈液としての純水(DIW:脱イオン水)を第5成分液として供給する。むろん、成分液の種類および数は一例であり、別の種類の成分液が用いられてもよいし、5種類未満または6種類以上の成分液を用いてもよい。なお、「薬液原液」とは、混合部70で混合される前の薬液を意味するものとする。
成分液供給路21には、成分液供給源11側から順に、成分液レギュレータ31、流量計41、自動流量調整弁51、および成分液バルブ61が介装されている。成分液供給路22には、成分液供給源12側から順に、成分液レギュレータ32、流量計42、自動流量調整弁52、および成分液バルブ62が介装されている。また、成分液供給路23には、成分液供給源13側から順に、成分液レギュレータ33、流量計43、自動流量調整弁53、および成分液バルブ63が介装されている。さらに、成分液供給路24には、成分液供給源14側から順に、成分液レギュレータ34、流量計44、自動流量調整弁54、および成分液バルブ64が介装されている。同様に、成分液供給路25には、成分液供給源15側から順に、成分液レギュレータ35、流量計45、自動流量調整弁55、および成分液バルブ65が介装されている。
自動流量調整弁51〜55は、それぞれ内部の成分液流通路にオリフィスを有しており、そのオリフィス開度を調整することができるオリフィス開度調整機構である。具体的には、自動流量調整弁51〜55は、たとえば、モータ等のアクチュエータ付のニードルバルブ(オートニードルバルブ)で構成することができ、制御装置50によって開度が制御されるようになっている。成分液レギュレータ31〜35によって、成分液供給路21〜25における成分液の供給圧力が等圧に制御されているので、自動流量調整弁51〜55の開度の比は、成分液供給路21〜25を通る成分液の流量比に等しくなる。
制御装置50は、マイクロコンピュータとしての基本構成を有するもので、CPUおよび必要なメモリを含み、必要な制御動作を実行可能なように予めプログラムされている。この制御装置50は、精密電空レギュレータ30、自動流量調整弁51〜55、成分液バルブ61〜65、流量制御器75、ドレンバルブ77および処理液バルブ9の動作を制御する。また、制御装置50には、流量計41〜45から、流量測定結果を表す信号が入力されるようになっている。
一つの具体例として、アンモニア過酸化水素水混合液(いわゆるSC1)を基板Wに供給する処理を行う場合の動作について説明する。
制御装置50は、精密電空レギュレータ30を制御することにより、第1〜第5成分液の供給圧力(自動流量調整弁51〜55の一次側の圧力)を等圧に制御する。また、制御装置50は、アンモニア水、過酸化水素水および純水にそれぞれ対応する自動流量調整弁51,53,55の開度を所定の混合比に従って制御する。たとえば、アンモニア水:過酸化水素水:純水=A:B:Cの混合比で混合する場合には、自動流量調整弁51,53,55における開度の比がA:B:Cに制御される。これにより、成分液バルブ61,63,65を開いたときに、成分液供給路21,23,25を通って混合部70へと供給される成分液の流量比がA:B:Cとなる。より実際的には、成分液供給路21,23,25を通って供給される成分液の流量比がA:B:Cとなるように自動流量調整弁51,53,55の開度を調整し、そのときの開度値を制御装置50の内部に記憶しておけばよい。
この原理について説明すれば、次のとおりである。
Q2=k2×Cv2×(ΔP1)1/2/G2 1/2 …(2)
Q3=k3×Cv3×(ΔP1)1/2/G3 1/2 …(3)
Q4=k4×Cv4×(ΔP1)1/2/G4 1/2 …(4)
Q5=k5×Cv5×(ΔP1)1/2/G5 1/2 …(5)
ただし、k1〜k5は定数、Cv1〜Cv5は自動流量調整弁51〜55のオリフィス開度に対応する圧力損失係数、G1〜G5は各成分液の比重である。
Q1:Q2:Q3:Q4:Q5
=Cv1・k1/G1 1/2:Cv2・k2/G2 1/2:Cv3・k3/G3 1/2:Cv4・k4/G4 1/2:Cv5・k5/G5 1/2
圧力損失係数Cv1〜Cv5は、オリフィス開度を定めると当該開度に応じた一定値となるから、混合部70での成分液の混合比(混合部70に流入する成分液の流量比)は、定数比となり、混合前差圧ΔP1の変動によらずに一定に保持される。流量Q1〜Q5は、混合前差圧ΔP1の平方根に比例して変動する。
P=ΔP1+ΔP2 …(6)
混合後差圧ΔP2は、いくつの基板処理部5において処理液ノズル8から処理液が吐出されているかに応じて変動する値である。この混合後差圧ΔP2は、処理液吐出が行われている基板処理部5の数が多いほど低く、少ないほど高くなる。むろん、複数の基板処理部5における吐出流量が異なる場合には、いずれの基板処理部5で処理液吐出が行われているかに応じて、混合後差圧ΔP2が変動する。つまり、処理装置本体2に供給すべき総流量が多いほど混合後差圧ΔP2が低くなり、当該総流量が少ないほど混合後差圧ΔP2が高くなる。
まず、手動調整について説明する。手順は、次のとおりである。
手順A1:処理液の構成成分に該当する成分液バルブ61〜65を開く。
手順A3:流量計41〜45を見ながら、制御装置50に指令を与えて、自動流量調整弁51〜55の開度を変化させる操作を行う。そして、所定の混合比に等しい流量比となったときの開度データを制御装置50の内部のメモリに記憶させるための操作を行う。これらの操作は、制御装置50に接続された操作端末(たとえば、キーボードやポインティングデバイスを含む操作装置)から行えばよい。
次に、自動調整について説明する。手順は、次のとおりである。
手順B1:制御装置50は、予め定めた総流量(たとえば、所定数(1個でもよいし全部でもよい)の基板処理部5への供給総流量に相当する一定値)を、調製すべき処理液の混合比で按分し、各成分液の個別流量を求める。具体的には、総流量をQとし、アンモニア水、過酸化水素水および純水をA:B:Cで混合する場合には、次式に従って、アンモニア水の個別流量Q1、過酸化水素水の個別流量Q3、および純水の個別流量Q5を求めればよい。
Q3=B・Q/(A+B+C) …(8)
Q5=C・Q/(A+B+C) …(9)
手順B2:制御装置50は、調製すべき処理液を構成する成分液に対応する成分液バルブ61〜65を開く。また、前記総流量に対応する基板処理部5の処理液バルブ9が開かれる。この状態で、制御装置50は、流量計41〜45の出力を参照し、手順B1で求めた個別流量が達成されるように、対応する自動流量調整弁51〜55の開度を調節する。
手順B4:制御装置50は、必要に応じて、前記調整後の開度を表す開度データを内部のメモリに登録する。
手順B5:成分および/または混合比の異なる複数種類の処理液に関する開度データを制御装置50に登録するときには、手順B1〜B4を繰り返す。
手順C1:各個別供給配管73に接続されたドレン配管76途中のドレンバルブ77を開く。ドレンバルブ77を開く代わりに、変更後の処理液を用いた処理に使用する処理液ノズル8に対応した処理液バルブ9を開いてもよい。
手順C3:変更後の処理液の種類に応じた成分液バルブ61〜65を開き、対応する自動流量調整弁51〜55を当該処理液の種類に応じた開度に制御する。この状態で所定の総流量で所定時間だけ当該処理液を供給する。これにより、混合部70および処理液分配路71(処理液バルブ9を開くときにはさらに処理液ノズル8)内の純水が、変更後の処理液に置換される。
手順C1において、ドレンバルブ77を開いて排液することとすれば、基板処理への影響を最小限に抑制できる。また、手順C1において、処理液バルブ9を開くこととすれば、処理液ノズル8まで含めた処理液供給路全体の残留処理液を純水に置換し、さらに、その純水を次に使用する処理液に置換できる。
この実施形態では、成分液供給源11〜15に供給圧力制御手段が備えられている。より具体的には、成分液供給源11〜15は、それぞれ、成分液を貯留する密閉タンク81〜85を備えている。密閉タンク81〜85内には、成分液供給路21〜25の入口端部を形成する配管21a〜25aがそれぞれ導入されている。配管21a〜25aは、各入口端が、密閉タンク81〜85内に貯留された成分液中に液没するように、密閉タンク81〜85内に配置されている。
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、アンモニア水、過酸化水素水および純水を混合してアンモニア過酸化水素水混合液(SC1)を調製する具体例について説明したが、むろん、前述の薬液キャビネット1は、塩酸、過酸化水素水および純水を混合して塩酸過酸化水素水(SC2)を調製して、基板処理部5に供給することができる。また、一種類の薬液(アンモニア水、塩酸、過酸化水素水、フッ酸)を純水で所定濃度に希釈して処理液とし、基板処理部5に供給することもできる。また、基板処理部5は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型以外にも、複数の基板Wを一括で処理液槽に浸漬させて処理する、いわゆるバッチ型であってもよい。
2 処理装置本体
3 基板処理装置
5 基板処理部
6 処理カップ
7 スピンチャック
8 処理液ノズル
9 処理液バルブ
11〜15 成分液供給源
21〜25 成分液供給路
30 精密電空レギュレータ
31〜35 成分液レギュレータ
36 駆動空気配管
41〜45 流量計
50 制御装置
51〜55 自動流量調整弁
61〜65 成分液バルブ
70 混合部
71 処理液分配路
72 集合供給配管
73 個別供給配管
75 流量制御器
76 ドレン配管
77 ドレンバルブ
81〜85 密閉タンク
88 加圧気体供給路
89 加圧気体供給源
90 主配管
91〜95 分岐配管
98 精密電空レギュレータ
W 基板
Claims (5)
- 処理対象に処理液による処理を施すための複数の処理部に処理液を供給するための処理液供給装置であって、
複数の成分液供給源と、
前記複数の成分液供給源からの成分液をそれぞれ導く複数の成分液供給路と、
前記複数の成分液供給路によって導かれた成分液を合流させて混合することにより処理液を生成する混合部と、
前記混合部から前記複数の処理部に処理液を分配する処理液分配路と、
前記複数の成分液供給路にそれぞれ介装されたオリフィス開度調整機構と、
前記複数の成分液供給源から前記成分液供給路を介して前記オリフィス開度調整機構に導かれる成分液の供給圧力を等圧に制御する供給圧力制御手段と
を含む、処理液供給装置。 - 前記供給圧力制御手段が、前記複数の成分液供給路にそれぞれ介装された複数の気体駆動型圧力調整弁と、前記複数の気体駆動型圧力調整弁に、共通に圧力制御された駆動用気体を供給する駆動用気体供給手段とを含む、請求項1記載の処理液供給装置。
- 前記複数の成分液供給源が、それぞれ、成分液を貯留する密閉タンクを含み、前記密閉タンクに前記成分液供給路が接続されており、
前記供給圧力制御手段が、前記複数の成分液供給源の前記密閉タンクに、共通に圧力制御された加圧用気体を供給する加圧気体供給手段を含む、請求項1記載の処理液供給装置。 - 前記処理液分配路に介装され、前記混合部から前記複数の処理部への処理液の流量を個別に制御する複数の流量制御器をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
- 処理対象に処理液による処理を施すための複数の処理部に処理液を供給するための処理液供給方法であって、
複数の成分液供給源から複数の成分液供給路によってそれぞれ導かれた複数種類の成分液を合流させて混合することにより処理液を生成する工程と、
前記混合部から前記複数の処理部に処理液を分配する工程と、
前記複数の成分液供給路にそれぞれ介装されたオリフィス開度調整機構の開度を調整する工程と、
前記複数の成分液供給源から前記成分液供給路を介して前記オリフィス開度調整機構に導かれる成分液の供給圧力を等圧に制御する工程と
を含む、処理液供給方法。
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