JP2010231089A - 録音装置および録音再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単にセッティングできるとともに、発音方向ごとに音量レベルなどの調整を行うことができる用に録音する録音装置および録音再生装置を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態に係る録音再生装置は、収音した音について、発音方向毎に分離するとともに、各発音方向に対応する音の音量レベルを調整して、音量レベルのバランスをとることができる。そして、音量レベルのバランスがとられた各発音方向の音に係る録音データを記憶するとともに、これを合成した録音データについても記憶する。これにより、収音した各発音方向からの音の音量バランスが悪くても、録音データを再生することにより、音量バランスが調整されたものとして聞くことができ、また、各発音方向に対応する録音データを用いることにより、さらに発音方向毎に音量バランスを調整することもできる。
【選択図】図4

Description

本発明は、各方向から発音される音を録音する技術に関する。
スタジオなどにおいて楽器を用いた演奏を録音する場合には、一般的にプロオーディオ機器、マルチトラックレコーダー(MTR)、ポータブルレコーダーなどを用いることができる。このようなマルチトラックレコーダー、ポータブルレコーダーとしては、例えば、特許文献1、2に記載されている。
特開2006−276665号公報 特開2004−15461号公報
ところで、楽器を用いた演奏の録音をするときには、各楽器の音量レベルを調整したり、音響効果を付与したりすることが求められる。このような場合には、プロオーディオ機器、マルチトラックレコーダーなどが用いられてきたが、これらの装置を使用するためには、設備を利用するための複雑な知識が必要である。また、それぞれの楽器の近傍の適切な位置にマイクロフォンを設置したり、オーディオ信号を出力する装置などから信号を取得したりする準備が必要であり、簡単にセッティングできず、手間がかかっていた。
一方、ポータブルレコーダーは非常に簡単に録音を行うことができるが、ポータブルレコーダーは、設置された位置において聞こえる音を録音するだけであり、一旦録音した後は、各楽器の音量レベルの調整を行うことはできず、全体の音量レベルの調整を行うことしかできなかった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、簡単にセッティングできるとともに、発音方向ごとに音量レベルなどの調整を行うことができるように録音する録音装置および録音再生装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、周囲において発音される音を複数のマイクロフォンによって収音し、前記マイクロフォンの各々によって収音された音をオーディオデータとして出力する収音手段と、前記収音手段によって出力された複数のオーディオデータを解析して、前記収音手段によって収音された音の発音方向を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された発音方向が複数である場合に、前記収音手段によって出力されたオーディオデータから前記特定手段によって特定された各発音方向からの音を抽出したオーディオデータを出力する抽出手段と、前記抽出手段によって出力された複数のオーディオデータに対して信号処理を施す信号処理手段とを具備することを特徴とする録音装置を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記信号処理手段によって信号処理が施された複数のオーディオデータを合成する合成手段を具備することを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記信号処理手段によって信号処理された複数のオーディオデータおよび前記合成手段によって合成されたオーディオデータを出力する出力手段を具備することを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前期信号処理手段における信号処理は、オーディオデータに係る音の音量レベルを調整する処理であることを特徴とする。
また、本発明は、上記記載の録音装置と、前記出力手段によって出力された複数のオーディオデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された複数のオーディオデータを読み出し、読み出した各オーディオデータに予め設定された信号処理を施して再生する再生手段と、前記再生手段によって再生されたオーディオデータに係る音を放音する放音手段とを具備することを特徴とする録音再生装置を提供する。
本発明によれば、簡単にセッティングできるとともに、発音方向ごとに音量レベルなどの調整を行うことができる用に録音する録音装置および録音再生装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る録音再生装置の外観を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るマイクロフォンの配置を説明する図である。 本発明の実施形態に係る録音再生装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る録音部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る再生部の構成を示すブロック図である。 部屋に設置された楽器と録音再生装置との位置関係および特定された発音方向の一態様を示す図である。 記憶部に記憶される録音データを説明する図である。 特定された発音方向の別の態様を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る録音再生信装置1の外観を示す図である。録音再生装置1の筐体10は、図1(a)、(b)に示すように概ね直方体の形状である。図1(b)は、図1(a)とは反対側から見た図であり、図1(a)に記載の正面10−Fに対向する面(図1における矢印AR1方向から見た面)は、図1(b)に記載の背面10−Bに対応する。筐体10の正面10−Fには、操作ボタン131、表示画面161、スピーカ151、およびスピーカ151を保護するネット152が設けられている。
また、筐体10の内部に、複数のマイクロフォン(この例においては、4つのマイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4:図2参照)が設けられ、筐体10の底面を除く5面(上面10−T、正面10−F、右側面10−R、左側面10−L、背面10−B)には、内部のマイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4を保護するカバー142が設けられている。
図2は、マイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4の配置を説明する図である。図2(a)は、録音再生装置1の背面10−B側(図1における矢印AR1の方向)から見たマイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4の配置を示し、図2(b)は、マイクロフォン141−4から見たマイクロフォン141−1、141−2、141−3の配置を示す図、すなわち、録音再生装置1の上面10−T側から見たマイクロフォン141−1、141−2、141−3の位置関係を示している。
各マイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4は、それぞれ単一指向性を有し、それぞれ異なる方向に指向するように設置されている。具体的には、マイクロフォン141−1、141−2、141−3は、図2(b)に示すように、それぞれの指向する方向(各マイクロフォン141−1、141−2、141−3から伸びる矢印方向)が互いに120°異なるようにして中心Cに向かい、それぞれ中心Cから等距離に配置されている。
また、マイクロフォン141−4は、マイクロフォン141−1、141−2、141−3とは、指向する方向が90°異なり、図2(a)に示すように、中心Cの方向とは逆方向(マイクロフォン141−4から伸びる矢印方向)になるように配置されている。このように配置することにより、録音再生装置1の周囲の音(人声、楽器音、環境音など様々な音を含む)を収音することができ、各マイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4において収音された音を解析すれば、その音の発生源となる音源の方向(以下、発音方向という)を識別することができ、また、発音方向ごとに音を抽出することもできる。このような処理は、後述する特定部101および抽出部102において行われる。
図3は、本実施形態に係る録音再生装置1の構成を示すブロック図である。録音再生装置1は、制御部11、記憶部12、操作部13、収音部14、放音部15、表示部16およびインターフェイス17を有し、バスを介して互いに接続されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、DSP(Digital Signal Processor)などを有する。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMにロードして実行することにより、録音再生装置1の各部について、バスを介して制御し、後述する録音機能、再生機能などを実現する。また、RAMは、CPUが各データの加工などを行う際のワークエリアとして機能する。
記憶部12は、例えば、不揮発性メモリなどの大容量記憶手段であって、後述する出力部105によって出力された録音データを記憶する。この録音データは、1回の録音処理に対応して複数記憶され、この複数記憶された録音データは、録音処理毎に対応付けられる。なお、記憶部12は、外付けの不揮発性メモリなどの記録媒体を、接続インターフェイスなどを介して接続したものであってもよい。
操作部13は、操作ボタン131を有し、利用者が操作ボタン131を操作するとその操作内容を表すデータが制御部11へ出力される。この例においては、録音処理を開始、終了する指示、記憶部12に記憶された録音データを再生する指示、各種設定指示など様々な指示を操作により行う。
収音部14は、上述した複数のマイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4およびアナログデジタル変換部(AD)143(図4参照)を有する。各マイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4は、周囲の音を収音し、収音内容を示す収音信号を出力する。アナログデジタル変換部143は、各マイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4から出力される収音信号のそれぞれにアナログデジタル変換処理を施し、収音データS1、S2、S3、S4として出力する。ここで、収音部14は、操作部13から録音処理を開始する指示を示す信号が出力されると、収音データS1、S2、S3、S4の出力を開始し、操作部13から録音処理を終了する指示を示す信号が出力されると、収音データS1、S2、S3、S4の出力を停止する。
なお、この例においては、マイクロフォンの数は4つとしていたが、複数であればよく、より多くても少なくてもよい。複数のマイクロフォンに対応して出力される収音データから発音方向が特定できる程度の数があればよい。また、アナログデジタル変換部143は、アナログデジタル変換を行う前に収音信号を増幅してもよい。
放音部15は、スピーカ151を有し、制御部11または後述する再生部200から供給されるオーディオデータ(再生データ)に対して、デジタルアナログ変換処理、増幅処理などを行うことにより生成される音声信号をスピーカ151に供給し、スピーカ151から周囲に放音させる。図1に示したように、この例においては、スピーカ151は2個であるが、1個でもよいし、3個以上であってもよい。スピーカ151の数が多い場合には、それらから放音させる信号に対して、遅延などの処理を行うことにより、放音部15から放音される音に指向性を付与してもよい。
表示部16は、上述した表示画面161に画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。表示部16は、制御部11の制御により、表示画面161に画像を表示する。表示画面161に表示される画像は、上述したように操作に応じた表示、メニュー表示など各種表示などである。また、後述する発音方向を示す表示、収音した音の音量レベル(発音方向毎でもよい)を表示するようにしてもよい。
インターフェイス17は、有線、無線などにより外部機器と接続してデータの送受信を行う機能を有する。例えば、記憶手段を有するコンピュータなどと接続し、制御部11の制御により、記憶部12に記憶された録音データをこのコンピュータに送信し、記憶手段に記憶させる。
以上が、録音再生装置1の構成の説明である。次に、制御部11が制御プログラムを実行することによって録音機能が実現されるときに構成される録音部100について、図4を用いて説明する。ここで、録音機能とは、以下に説明する録音部100における一連の処理(録音処理)を行う機能をいう。なお、以下に説明する録音部100については、それぞれの各機能の全部または一部をハードウエアによって実現してもよい。
図4は、本実施形態に係る録音部100の構成を示すブロック図である。録音部100は、特定部101、抽出部102、信号処理部103、合成部104および出力部105を有する。
特定部101は、収音部14のアナログデジタル変換部143から出力される収音データS1、S2、S3、S4を取得し、この収音データS1、S2、S3、S4を解析して、収音部14によって収音された音の発音方向を特定する。特定部101において特定される発音方向は、例えば、各収音データS1、S2、S3、S4に係る音に対して係数をかけて足し引きすることで、収音する方向を制御できるため、係数を変えて得られる様々な方向の音のパワーの強度から算出されるようにすればよい。なお、発音方向の特定は、このような態様によるものに限らず、公知の音源検出技術を用いれば、どのように行ってもよい。
そして特定部101は、特定した発音方向を示す方向情報を抽出部102に出力する。特定部101によって複数の発音方向が特定された場合には、その複数の発音方向を示す方向情報が出力される。
抽出部102は、収音部14のアナログデジタル変換部143から出力される収音データS1、S2、S3、S4、および特定部101から出力された方向情報を取得し、この収音データS1、S2、S3、S4から、方向情報が示す発音方向の音を抽出して、オーディオデータP1、P2、・・・、Pn(方向情報が示す発音方向の数がn個の場合)として出力する。
信号処理部103は、抽出部102から出力されたオーディオデータP1、P2、・・・、Pnを取得し、それぞれに対して信号処理を施してオーディオデータD1、D2、・・・、Dnとして出力する。信号処理とは、この例においては、AGC(Automatic Gain Control;自動利得制御)処理であり、出力されるオーディオデータD1、D2、・・・、Dnに係る音量レベルの一定期間の平均レベルをフィードバックしながら利得を制御することにより、オーディオデータP1、P2、・・・、Pnに係る音量レベルを調整する。これにより、各オーディオデータD1、D2、・・・、Dnは、音量レベルのバランスが取れたものとなる。
合成部104は、信号処理部103から出力されたオーディオデータD1、D2、・・・、Dnを取得し、これらを合成してオーディオデータDtとして出力する。なお、特定部101によって特定された発音方向が1つである場合には、信号処理部103からはオーディオデータD1だけが出力されるが、この場合には、合成部104は1つのオーディオデータD1を取得するだけであるから合成処理は行わず、オーディオデータDtは出力しない。
出力部105は、信号処理部103から出力されたオーディオデータD1、D2、・・・、Dn取得するとともに、合成部104から出力されるオーディオデータDtを取得する。操作部13から録音処理を終了する指示を示す信号が出力されると、収音部14からの収音データS1、S2、S3、S4の出力が停止されることにより、信号処理部103、合成部104からのオーディオデータD1、D2、・・・、Dn、Dtの出力が停止され、出力部105は、取得したオーディオデータD1、D2、・・・、Dn、Dtを録音データR1、R2、・・・、Rn、Rtとして記憶部12に記憶させる。なお、録音処理を終了する指示を示す信号が出力される前であっても、オーディオデータD1、D2、・・・、Dn、Dtの取得に伴い、録音データR1、R2、・・・、Rn、Rtを記憶部12に記憶させてもよい。
出力部105は、後述する図7に示すように、特定部101から方向情報についても取得して、それぞれ発音方向を示す情報と録音データR1、R2、・・・、Rnとを対応付けて、記憶部12に記憶させてもよい。また、録音データRtについては、合成して得られたデータであることを示す情報を対応付けて記憶させてもよい。
以上が、録音部100の構成についての説明である。次に、制御部11が制御プログラムを実行することによって再生機能が実現されるときに構成される再生部200について図5を用いて説明する。ここで、再生機能とは、以下に説明する再生部200における一連の処理(再生処理)を行う機能をいう。なお、以下に説明する再生部200については、その機能の全部または一部をハードウエアによって実現してもよい。
再生部200は、操作部13から録音データの再生処理を開始する指示を示す信号が出力されると、記憶部12に記憶された録音データR1,R2、・・・、Rn、Rtのうち、必要な録音データを読み出して、予め設定された信号処理を施し、再生データSoutとして放音部15に出力し、再生データSoutに係る音を放音させる。なお、再生部200においては信号処理が必ずしも行われなくてもよく、読み出した録音データをそのまま再生データSoutとして出力してもよい。
再生部200において施される信号処理とは、この例においては、操作ボタン131の操作によって指示される内容に応じたものである。例えば、全部の発音方向からの音を放音させる指示であれば、録音データRtまたは録音データR1、R2、・・・、Rnを合成したデータを再生データSoutとして出力する処理となる。また、一部の発音方向からの音を放音させる指示、例えば、録音データR1、R2に係る発音方向からの音を放音させる指示であれば、録音データR1,R2を合成したデータ、または録音データRtから録音データR3、R4、・・・、Rnの成分を除去したデータを再生データSoutとして出力する処理となる。
さらに、再生部200において施される信号処理は、発音方向に対応するものだけでなく、操作ボタン131の操作によって発音方向ごとに音量レベルを調整する指示、音響効果を付与する指示などであれば、それぞれの発音方向に対応する録音データに対して、指示に応じた信号処理を施すようにすればよい。例えば、全部の発音方向からの音を放音させる指示と録音データR1の音量レベルを増加させて強調させる指示があった場合には、録音データRtに録音データR1(音量レベルを増減する調整をしてもよい)をさらに合成させたデータを再生データSoutとして出力してもよいし、録音データR1の音量レベルを増加させる調整をして、録音データR2、R3、・・・、Rnをさらに合成させたデータを再生データSoutとして出力してもよい。以上が再生部200の構成についての説明である。
次に、録音再生装置1の動作について説明する。録音再生装置1は、図6に示すように、複数の楽器(ドラム1100、ベース1200、ギター1300、ピアノ1400)が設置されている部屋1000において用い、この部屋1000の中心に配置されたものとする。
図6は、部屋1000に設置された楽器と録音再生装置1との位置関係および特定される発音方向の一態様を示す図である。利用者が録音再生装置1の操作ボタン131を操作して録音処理を開始する指示をすると、収音部14から収音データが出力され、各楽器の演奏が開始されると、特定部101において発音方向の特定が行われる。特定された発音方向は、図6に示すように、それぞれの楽器に対応する方向(発音方向A、B、C、D)となる。
そして、抽出部102は、発音方向A、B,C、Dのそれぞれに対応したオーディオデータP1、P2、P3、P4を出力する。信号処理部103は、オーディオデータP1、P2、P3、P4に対してAGC処理を施して、オーディオデータD1、D2、D3、D4として出力する。このとき、ドラム1100の方向である発音方向Dからの音は非常に大きいため、AGC処理において、オーディオデータP4の音量レベルが小さくなるように調整される。したがって、オーディオデータD4の音量レベルは、オーディオデータD1、D2、D3の音量レベルとバランスが取れ、さらにこれを放音しても音割れすることを防ぐこともできる。そして、合成部104は、音量レベルのバランスが調整されたオーディオデータD1、D2、D3、D4を合成してオーディオデータDtとして出力する。
出力部105は、オーディオデータD1、D2、D3、D4、Dtを取得し、RAMなどに蓄積していく。そして、利用者が操作ボタン131を操作して録音処理を終了する指示をすると、出力部105は、蓄積したオーディオデータD1、D2、D3、D4、Dtを、録音データR1、R2、R3、R4、Rtとして記憶部12に記憶させる。なお、取得したオーディオデータD1、D2、D3、D4、Dtは、録音処理を終了する指示がなくても、録音データR1、R2、R3、R4、Rtとして直接記憶部12に記憶させるようにしてもよい。
図7は、記憶部12に記憶される録音データR1、R2、R3、R4、Rtと発音方向の対応付けを説明する図である。出力部105は、記憶部12に録音データR1、R2、R3、R4、Rtを記憶させるときには、図7に示すように、発音方向と録音データとを対応付けて記憶させる。ここで、録音データRtについては、各発音方向の音の全体を合成したものであるから、例えば「全体」として対応付けられる。これにより、例えば、発音方向Aに対応するギター1300の音を録音したデータは、録音データR1であることを認識することができる。
次に、利用者が操作ボタン131を操作して録音データを再生する指示をすると、再生部200は、記憶部12から録音データRtを読み出して再生することにより、録音データRtに係る音が放音される。そして、放音中にピアノ1400の音量レベルを調整したい場合に、利用者が操作ボタン131を操作して、ピアノ1400に対応する発音方向Bの音量レベルを調整する指示をすると、再生部200は、さらに発音方向Bに対応する録音データR2を録音データRtと同期する位置から読み出して、録音データRtと合成して再生データを出力する。
再生部200は、録音データRtと録音データR2とを合成して再生データを出力するときに、録音データRtに係る音の成分から録音データR2に係る音の成分を抑制するようにすれば、ピアノ1400の音量レベルを小さくすることになり、逆に録音データR2に係る音の成分を強調するようにすれば、ピアノ1400の音量レベルを大きくすることができる。
なお、録音データRtを読み出して再生する代わりに、録音データR1、R2、R3、R4を読み出して再生し、これを合成した再生データに係る音を放音させてもよい。この場合には、各録音データR1、R2、R3、R4に係る音の音量レベルのバランスを変更して合成することにより、各発音方向に対応する音の音量レベルを調整することができる。
このように、本発明の実施形態に係る録音再生装置1は、収音した音について、発音方向毎に分離するとともに、各発音方向に対応する音の音量レベルを調整して、音量レベルのバランスをとることができる。そして、音量レベルのバランスがとられた各発音方向の音に係る録音データを記憶するとともに、これを合成した録音データについても記憶する。この処理については、各発音源の中心付近に設置して録音処理を開始させることにより行うことができ、手間がかからない。これにより、収音した各発音方向からの音の音量バランスが悪くても、録音データを再生することにより、音量バランスが調整されたものとして聞くことができ、また、各発音方向に対応する録音データを用いることにより、さらに発音方向毎に音量バランスを調整することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
<変形例1>
上述した実施形態においては、収音部14は、4つのマイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4を用いていたが、略無指向性のマイクロフォンを多数並べたマイクアレイを、全方位収音可能に設けてもよい。例えば、筐体10の正面10−F、背面10−B、右側面10−R、左側面10−L側に設ければよい。
この場合には、特定部101は、マイクアレイの各マイクロフォンからの収音データに対して遅延処理を施して加算することにより収音方向の指向性を付与し、この遅延処理を制御して様々な収音方向における音量レベルを検出して、音量レベルが極大となる収音方向を発音方向と特定すればよい。抽出部102においては、各マイクロフォンからの収音データに対して、発音方向を収音方向とするような遅延処理を施して加算したオーディオデータを、その発音方向に対応するオーディオデータとして出力してもよい。このような技術は、例えば、特開2007−89058号公報などに記載されているものを用いればよい。
図8は、マイクアレイを有する録音再生装置1Aを用いた場合に特定される発音方向の態様を示す図である。図8に示すように、マイクアレイを用いて発音方向を特定すると、より狭い範囲を発音方向として特定することができるから、楽器毎の音をより明確に分離して録音データを記憶部12に記憶させることができる。
なお、演奏者が移動することなどにより発音方向が変化している場合には、特定部101は、発音方向の変化に応じて、特定する発音方向を変化させてもよい。例えば、図8に示すギター1300の位置が変化した場合、特定部101は、その変化に追従して発音方向Aとして特定される範囲を変化させればよい。
<変形例2>
上述した実施形態において、信号処理部103は信号処理としてAGC処理を行っていたが、他の信号処理であってもよい。例えば、エコー、リバーブ、といった音響効果を付与する処理であってもよいし、イコライジング処理であってもよい。また、周波数特性を変換する音声変換処理であってもよく、例えば人の声を楽器の音に変換するような処理であってもよい。このようにすれば、各発音方向からの音に対してそれぞれ異なる信号処理を行うことができる。なお、信号処理部103における信号処理は、これらの複数の処理を行うようにしてもよく、例えば、AGC処理と音響効果付与処理とを行うようにしてもよい。また、信号処理部103においては、取得したオーディオデータの一部または全部に対して信号処理が行われなくてもよく、この場合には、取得したオーディオデータをそのまま出力すればよい。
また、再生部200は、再生する各録音データに対して、操作ボタン131の操作に応じて音量バランスを調整する処理を行っていたが、操作ボタン131の操作に応じて、上述した音響効果付与処理、イコライジング処理、音声変換処理などの他の処理であってもよい。なお、再生部200においても、これらの複数の処理が行えるようにしてもよい。
<変形例3>
上述した実施形態においては、録音部100における特定部101、抽出部102などの処理は、収音データの出力に伴い、録音処理中にリアルタイムに処理されるようにしていたが、収音が終了した後に行うようにしてもよい。この場合には、録音処理が行われる期間に、各マイクロフォン141−1、141−2、141−3、141−4に対応する収音データを記憶部12に記憶しておき、その期間が終了した後に、記憶部12から各収音データを読み出して、実施形態における録音部100の録音処理を行うようにしてもよい。
<変形例4>
上述した実施形態においては、合成部104は、信号処理部103から出力されたオーディオデータD1、D2、・・・、Dnを取得し、これらを全て合成していたが、一部のオーディオデータを合成するようにしてもよい。どのオーディオデータを合成するようにするかは、操作ボタン131の操作などにより設定すればよい。
<変形例5>
上述した実施形態においては、特定部101は、録音処理中に発音方向を特定していたが、録音処理期間の最初に発音方向を特定する処理だけを行う方向特定期間を設け、方向特定期間が終了した後に、抽出部102は、方向特定期間において特定部101が特定した発音方向の音を抽出するようにすればよい。この場合には、方向特定期間において特定された発音方向は、録音処理中に変化することはなくなるが、方向特定期間終了後には特定部101の機能は停止することができ、処理の負荷を低減することができる。
<変形例6>
上述した実施形態における制御プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、ネットワークに接続可能な通信手段を設け、ネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
1,1A…録音再生装置、10…筐体、10−T…上面、10−F…正面、10−R…右側面、10−L…左側面、10−B…背面、11…制御部、12…記憶部、13…操作部、131…操作ボタン、14…収音部、141−1,141−2,141−3,141−4…マイクロフォン、142…カバー、143…アナログデジタル変換部、15…放音部、151…スピーカ、152…ネット、16…表示部、161…表示画面、17…インターフェイス、100…録音部、101…特定部、102…抽出部、103…信号処理部、104…合成部、105…出力部、200…再生部、1000…部屋、1100…ドラム、1200…ベース、1300…ギター、1400…ピアノ

Claims (5)

  1. 周囲において発音される音を複数のマイクロフォンによって収音し、前記マイクロフォンの各々によって収音された音をオーディオデータとして出力する収音手段と、
    前記収音手段によって出力された複数のオーディオデータを解析して、前記収音手段によって収音された音の発音方向を特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された発音方向が複数である場合に、前記収音手段によって出力されたオーディオデータから前記特定手段によって特定された各発音方向からの音を抽出したオーディオデータを出力する抽出手段と、
    前記抽出手段によって出力された複数のオーディオデータに対して信号処理を施す信号処理手段と
    を具備することを特徴とする録音装置。
  2. 前記信号処理手段によって信号処理が施された複数のオーディオデータを合成する合成手段をさらに具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の録音装置。
  3. 前記信号処理手段によって信号処理された複数のオーディオデータおよび前記合成手段によって合成されたオーディオデータを出力する出力手段をさらに具備する
    ことを特徴とする請求項2に記載の録音装置。
  4. 前期信号処理手段における信号処理は、オーディオデータに係る音の音量レベルを調整する処理である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の録音装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された録音装置と、
    前記出力手段によって出力された複数のオーディオデータを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された複数のオーディオデータを読み出し、読み出した各オーディオデータに予め設定された信号処理を施して再生する再生手段と、
    前記再生手段によって再生されたオーディオデータに係る音を放音する放音手段と
    を具備することを特徴とする録音再生装置。
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