JP2009244712A - 演奏システム及び録音方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自宅録音で実際に発音手段から発音された音を手軽に録音できるようにする。
【解決手段】演奏システムは、通信ネットワーク1を介してデータ通信可能に接続されたユーザ側システム2とサーバ側システム3とからなる。ユーザ側システム2は音響信号発生手段4と録音手段5を含み、サーバ側システム3は発音手段6と収音手段7を含む。音響信号発生手段4で発生した音響信号は、通信ネットワーク1経由でサーバ側システム3に送信され、サーバ側システム3において、発音手段6はユーザ側システム2から送信された音響信号に対応する音を発音し、収音手段7は該発音手段6で発音された結果を収音する。そして、該収音手段7で収音した音に対応する音響信号がサーバ側システム3から通信ネットワーク1経由でユーザ側システム2に送信される。ユーザ側システム2において録音手段5は、発音手段6で発音された結果を録音することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、コンピュータを利用して音楽演奏の録音などの音楽処理を行う演奏システムに関する。
近年では、ディジタル信号処理技術の進歩に伴い、マルチトラックレコーダ(MTR(Multi Track Recorderの略))や、コンピュータにオーディオ/MIDIレコーダ機能やミキサ機能等の各種音楽処理を実行させるアプリケーションプログラム(DAWソフト(DAWはDigital Audio Workstationの略))など、一般向けの各種音楽処理機器の性能の向上及び普及が目覚しい。このことは、一般家庭において音楽演奏を録音したり、録音した音楽を編集したりすること(いわゆる“自宅録音(宅録)”)のより一層の普及と発展に大きく寄与している。
「自宅録音」において、例えばシンセサイザーなどの電子楽器の演奏音を録音する場合には、実際にスピーカから音を発音させなくても、演奏音に対応する音響信号を録音装置に録音することができるので、録音時の防音について格別の対策は不要である。しかし、ドラムス、ピアノ、サックス等のアコースティック楽器や、楽器用アンプ(アンプヘッドとスピーカ部分がユニット化された機器)と組み合わせて使用する電気楽器など、実際にスピーカから音を発音させる録音ソースとして用いる場合には、近隣住民等に対する騒音被害を避けるために、例えば防音設備を施した録音部屋を用意するなどの何らかの防音対策を講じる必要があるだろう。
特にエレクトリックギターやエレクトリックベースは、専用の「アンプ」(電気信号を増幅するアンプヘッドとスピーカ部分がユニット化された機器)を通して、或る程度大きな音量で演奏することが重要である。というのも、例えばエレクトリックギターについて述べれば、エレクトリックギターの演奏音を特徴付ける重要な要素の1つとして、演奏に使用するギターアンプの個性があり、ギターアンプの特性上、ある程度の大きな音量で発音しないと、当該ギターアンプの個性を反映した音を発音することができないからである。この問題があるため、「自宅録音」を行う者にとって、エレクトリックギターの録音方法は悩みの種であった。
このため、「自宅録音」においてエレクトリックギターの録音方法として、ギターアンプから音を鳴らさずに、且つ、できるだけダイナミックな音で録音するための方法が種々提案されていた。そのようなエレクトリックギターを録音する従来の方法のいくつかの例を、図11(a)〜(e)に示す。
例えば、図11(a)〜(c)は、エレクトリックギターから出力される電気信号をギターアンプを通さずに録音手段へ供給する録音方法である。(a)は、エレクトリックギター4を適宜の種類のエフェクタ装置80に接続して、該エフェクタ装置80の出力を録音装置(レコーダ)やDAWソフトなどの録音手段5に直接入力する方法であり、また、(b)はエレクトリックギター4の出力を録音手段5に直接入力して、録音手段5に録音されたデータに対して、該録音手段5に内蔵されたエフェクタにより適宜の効果を付与する方法を示している。これらの方法では、エフェクタが行う効果付与処理によってギター演奏音の音質を或る程度加工することは可能ではある。しかし、この方法で得ることができるギター演奏音は、ギターアンプを通したギター演奏音に比べれば、迫力に欠け貧弱である。
また、(c)は、エレクトリックギター4をアンプシミュレータ81に接続して、アンプシミュレータ81の出力を録音手段5に入力する録音方法である。アンプシミュレータ81は、入力された信号をディジタル信号処理により加工することで、ギターアンプを通したギター演奏音の音色を電子的にシミュレートする装置である。(c)の方法では、ギターアンプの出力音の擬似物を手軽に録音することができるが、これで得ることができる音は、あくまでギターアンプの出力音のシミュレートに過ぎず、本物のギターアンプが発する音が持つ独特の個性に欠ける。
つまり、(a)〜(c)の方法では、エレクトリックギター4から出力される電気信号を直接録音手段5へ供給しているので、スピーカから音を発音することはない。よって、実際にギターアンプを鳴らしてギター演奏を録音したいというニーズに応えることはできていない。また、ギター演奏音の品質がユーザにとって不十分である。
昨今では、一般的な個人宅の1室にも設置可能な小型防音室(下記非特許文献1を参照)が存在している。その一例として、(d)のように、エレクトリックギター4をギターアンプ6に接続し、ギターアンプ6から実際に発音させる方法であって、少なくとも実際に発音された音を扱う部分、すなわち、ギターアンプ6とマイク7を防音設備82に収納する方法がある。しかし、この種の防音設備は述べたとおり高価である。また、ギターアンプ6としてクオリティーの高い機種を望むのであれば、その設備に相応の出費が要求される。よって、この方法は、個人ユーザにとって非常にコストが嵩む。
また、個人向けの防音設備を利用した録音方法の別の例としては、(e)のように、ギターアンプのスピーカ部分8bとスピーカの出力を収音するマイクとが密閉キャビネット83内に収納されてなる「密閉型スピーカボックス」を利用する録音方法も知られている(例えば、下記非特許文献2,3を参照)。しかし、この方法では、アンプヘッド8aはユーザが自分で用意しなければならないし、また、密閉型スピーカボックス内のコンポーネントが1組のセットになっているので、スピーカ部やマイク機種を選択する自由度が損なわれる。すなわち、ユーザが望むギターサウンドを得ることができるとは限らないので、この種の「密閉型スピーカボックス」の導入は、ユーザにとって対費用効果が芳しくない。
防音室:http://www.yamaha.co.jp/ad/classicnews/index.html 密閉型スピーカボックス(製品名AXETRAK)http://www.pacifix-ltd.com/import/axetrak/axetrak.html 密閉型スピーカボックス(製品名ISOLATION ISO12C)http://www.kandashokai.co.jp/randall/iso/iso12c.htm
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、自宅録音でギター演奏の録音を行う場合など、発音手段を通して実際に音を発音させることができないか、又は、それが困難な録音環境においても、実際に発音手段から発音された音を手軽に録音できるようにした演奏システムを提供しようとするものである。
この発明は、通信ネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されたユーザ側システムとサーバ側システムとからなる演奏システムであって、ユーザ側システムは、音響信号を発生する音響信号発生手段と、前記音響信号発生手段で発生した音響信号を通信ネットワーク経由でサーバ側システムへ送信するためのユーザ側システムの送信手段と、前記サーバ側システムから前記通信ネットワーク経由で音響信号を受信するユーザ側システムの受信手段とを有し、サーバ側システムは、前記ユーザ側システムから送信された音響信号を前記通信ネットワーク経由で受信する受信手段と、前記受信手段により受信した音響信号に対応する音を発音する発音手段と、前記発音手段により発音された音を収音する収音手段と、前記収音手段により収音された音に対応する音響信号を前記通信ネットワーク経由で前記ユーザ側システムへ送信するためのサーバ側システムの送信手段とを備えることを特徴とする演奏システムである。
ユーザ側システムは、音響信号発生手段で発生した音響信号を送信手段により通信ネットワーク経由でサーバ側システムへ送信する。サーバ側システムはユーザ側システムから送信された音響信号を受信し、発音手段により該受信した音響信号に対応する音を実際に発音する。そして、サーバ側システムは、発音手段により発音された結果を収音手段によって収音し、該収音された音に対応する音響信号を通信ネットワーク経由でユーザ側システムへ送信する。従って、ユーザ側システムでは、音響信号発生手段で発生した音響信号を通信ネットワーク経由でサーバ側システムに送信するだけで、該通信ネットワーク先のサーバ側システムに用意された発音手段で該音響信号を実際に発音させた結果を、通信ネットワーク経由で受信することができる。
また、この発明に係る演奏システムは、前記ユーザ側システムにおいて、前記ユーザ側システムの受信手段で受信した音響信号を記録媒体に録音する録音手段を更に備え、前記録音手段は前記サーバ側システムに備わる発音手段で発音された音に対応する音響信号を録音する手段であることを特徴とする演奏システムとして構成することができる。録音手段としては、例えば、マルチトラックレコーダや、コンピュータに音楽処理機能を実行させるためのDAWソフトの録音機能を適用することができる。
ユーザ側システムに備わる音響信号発生手段は、一例として、ユーザが演奏操作を行う楽器によって構成されるもので、具体的には、エレクトリックギターなどの電気楽器を適用しうる。
また、サーバ側システムに備わる発音手段は、一例として、楽器と組み合わせて使用され、該楽器の演奏音を発音することを目的として設計された楽器用アンプによって構成されるもので、具体的には、エレクトリックギターと組み合わせて使用されるギターアンプを適用しうる。
また、この発明は、通信ネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されたユーザ側システムとサーバ側システムとからなる演奏システムに適用されるプログラムであって、前記ユーザ側システムのコンピュータによって実行されるプログラムは、該ユーザ側システムのコンピュータに、音響信号の入力を受け付ける手順と、前記入力された音響信号を通信ネットワーク経由で前記サーバ側システムへ送信する手順と、前記サーバ側システムから前記通信ネットワーク経由で音響信号を受信する手順とを実行させるプログラムであり、前記サーバ側システムのコンピュータによって実行されるプログラムは、該サーバ側システムのコンピュータに、前記ユーザ側システムから送信された音響信号を前記通信ネットワーク経由で受信する手順と、前記受信した音響信号に対応する音を発音手段に発音させる手順と、前記発音手段で発音された音を収音する手順と、前記収音された音に対応する音響信号を前記通信ネットワーク経由で前記ユーザ側システムへ送信する手順とを実行させるプログラムである。
また、この発明は、通信ネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されたユーザ側システムとサーバ側システムとからなる演奏システムを用いて音響信号を録音するための録音方法であって、前記ユーザ側システムにおいて録音すべき音響信号をユーザに入力させる工程と、前記入力された音響信号を前記ユーザ側システムから前記通信ネットワーク経由でサーバ側システムに送信する工程と、前記サーバ側システムにおいて前記ユーザ側システムから送信された音響信号を受信する工程と、前記サーバ側システムにおいて前記受信した音響信号に対応する音を発音手段に発音させる工程と、前記サーバ側システムにおいて前記発音された音を収音する工程と、前記サーバ側システムにおいて前記収音された音に対応する音響信号を前記通信ネットワーク経由で前記ユーザ側システムへ送信する工程と、前記ユーザ側システムにおいて前記サーバ側システムから送信された音響信号を受信する工程と、前記ユーザ側システムにおいて前記受信した音響信号を録音手段に録音する工程とを含むことを特徴とする録音方法である。
この発明の演奏システムによれば、ギターアンプ等の発音手段を用いて実際に音を発音させる動作は、通信ネットワーク先のサーバ側システムで行われるので、ギター演奏等による音響信号の発生を行うユーザ側システムでは、例えばギターアンプなどの発音手段を用意することなく、サーバ側システムの発音手段で実際に発音された音を得ることができる。また、ユーザ側システムに防音設備がなくても、周囲に騒音被害を与える心配はない。従って、例えば、自宅録音を行う場合など、手軽に発音手段(ギターアンプなど)を通して実際に発音された音を録音することができるようになるという優れた効果を奏する。
以下、添付図面を参照してこの発明の一実施例について説明する。
図1は、この発明の演奏システムを適用した録音システムの概要を説明するための図である。この録音システム(演奏システム)は、通信ネットワーク1を介して相互通信可能に接続されたユーザ側システム2とサーバ側システム3から構成される。ユーザ側システム2は、録音すべき音響信号を発生する音響信号発生手段4や、音響信号の録音を行うための録音手段5を備えた音楽の録音を行う環境であり、且つ、ネットワーク接続可能な環境であって、例えば、ユーザの自宅にて音楽録音を行う設備を想定している。一方、サーバ側システム3は、電気的音響信号を空気振動として実際に発音するための発音手段6と、該発音手段6から出力された音を収音するための収音手段7を備え、通信ネットワーク1経由でユーザ側システム2のアクセスを受け付けるシステムである。この実施例では、通信ネットワーク1は、例えば、インターネット等の既存の広域通信ネットワークを適用する。
図1に示す録音システムの動作の要点は、ユーザ側システム2において、音響信号発生手段4から発生した音響信号を、通信ネットワーク1経由でサーバ側システム3に送信し、サーバ側システム3に設置された発音手段6を用いて、前記ユーザ側システム2から受信した音響信号を実際に発音し、該発音手段6から実際に発音された音響信号を収音手段7で収音して、該収音手段7で収音した音響信号を通信ネットワーク1経由でユーザ側システム2に返信することにある。
これにより、例えば、ユーザが演奏したエレクトリックギター(音響信号発生手段4に相当する)の演奏音を、遠隔地のサーバ側システム3に用意されたギターアンプ(発音手段6に相当する)を用いて大音量で発音し、該ギターアンプ7から実際に発音された結果(ギターアンプから発音されたギター演奏音に対応する音響信号)をユーザ側システム2に返信し、該返信された音響信号を録音手段5に録音することができる。よって、手元にギターアンプを持たない、或いは、隣近所への迷惑を慮りギターアンプを用いて大音量でギター演奏を行うことができないユーザであっても、ギターアンプから実際に発音された迫力あるギターサウンドを、録音手段5に録音することができる。なお、図1の録音システムでは、音響信号発生手段4たるエレクトリックギターの出力ラインに適宜の種類のエフェクタが挿入されたシステム構成例を描いている。従って、この場合は、該エフェクタで適宜効果付与されたギター演奏音がサーバ側システム3のギターアンプ7から発音されることになる。
この明細書において、上記の録音システムの動作をコンピュータに実現させるための機能を「オンラインリアンプ機能」と呼ぶ。なお、「リアンプ」とは、MTRなどの録音装置に録音済みの音響信号をアンプ及びスピーカを通して発音させてから、該発音された音を再び録音装置に録音する録音手法を指す用語である。
図2は図1の録音システムのモジュール構成を説明するブロック図であって、(a)はユーザ側システム2のモジュール構成例を示し、(b)はサーバ側システム3のモジュール構成例を示す。
図2(a)に示す通りユーザ側システム2は、「オンラインリアンプ機能」を実行するための専用のアプリケーションプログラム(以下、これを「専用アプリ」と略称する)31を実装した汎用のパーソナルコンピュータ(Personal Computer、以下「PC」と略す)30と、録音すべき音響信号を発生するための音響信号発生手段4と、サーバ側システム3から受信した音響信号を録音するための録音手段5とから構成される。
音響信号発生手段4は、この実施例では、エレクトリックギターを想定している。しかし、これに限らず、その他の電気楽器、電子楽器、或いは、何らかの記憶媒体に記録された音響信号を再生する再生装置(サンプラーやCDプレイヤーなど)、あるいは、アコースティック楽器の演奏音などを収音するためのマイクロフォンなど、録音すべき音響信号を発生し、該発生した音響信号をPC30に供給する手段であれば、どのような手段により構成されてもよい。また、音響信号発生手段4は、PC30に接続された装置に限らず、当該PC30上で動作するDAWソフト32に具備されたオーディオシーケンス再生機能で構成されてもよい。なお、図2(a)では、図示及び説明の便宜上、音響信号発生手段4を「楽器」と総称している。なお、DAWソフト32は、PC30にオーディオ/MIDIレコーダ機能やミキサ機能等の各種音楽処理を実行させるアプリケーションプログラム(DAWはDigital Audio Workstationの略)である。
ユーザ側システム2に含まれる録音手段は、例えばPC30に対して接続されたマルチトラックレコーダ(MTR)等、外部の録音装置5、あるいは、PC30に実装されたDAWソフト32の録音機能により構成される。録音手段として、外部の録音装置5とDAWソフト32のいずれを用いるかは、ユーザが任意に選択できる。また、専用アプリ31にユーザ側システム2から送信された音響信号を保存する機能を搭載し、それを録音手段として用いることもできる。
図3(a)は、図2(a)に示すPC30の電気的ハードウェア構成例を示すブロック図である。図3(a)に示す通り、PC30は、CPU10、ROM11、RAM12、オーディオインターフェース(オーディオI/F)13、通信インターフェース(通信I/F)14、操作子16の操作を検出する検出回路15及び表示部18の表示を制御する表示回路17を含んで構成され、各部がデータ及び通信バス10bを介して接続される。CPU10は、ROM11又はRAM12に記憶されたシステムソフトウェアを実行し、バス10bに接続された各部の動作を制御し、また、ROM11又はRAM12に記憶された専用アプリ31やDAWソフト32等のアプリケーションプログラムを実行し、該実行したアプリケーションプログラムの機能をPC30に提供する。
PC30には、オーディオI/F13を介して、音楽機器(楽器4及び録音装置5)が接続され、該接続された音楽機器とPC30との間では音響信号が入出力される。オーディオI/F13には、アナログオーディオ入力端子、アナログオーディオ出力端子、ディジタルオーディオ端子などを含む。また、PC30は、通信I/F14を介して、インターネット等の通信ネットワーク1に接続し、通信ネットワーク1上の他の機器とデータの通信を行うことができる。通信I/F14は、音響信号と制御信号を伝送可能な適宜の規格のネットワークインターフェスで構成されてよい。
表示部18は、例えばLCDディスプレイなどで構成されたディスプレイである。表示回路17は、CPU10の制御に基づき、専用アプリ31が提供する各種機能に応じた各種操作画面を表示部18に表示させる。また、操作子16はマウスやキーボードなどで構成される。表示部18に表示される各種操作画面には、マウスポインタや各種ボタン画像などGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)部品が表示され、ユーザはそれらGUI部品を操作子18を用いて操作することができる。操作子16の操作は検出回路15によって検出され、該検出回路15の検出結果に基づく制御信号をCPU10が生成する。なお、PC30には、更に、図示しないその他の装置、例えばハードディスク装置など、が備わっていてよい。
図2(a)に示すPC30に実装された専用アプリ31は、「オンラインリアンプ機能」の主たる動作として、音響信号発生手段(楽器4又はDAWソフト32のオーディオシーケンス再生機能)から供給される音響信号を、通信ネットワーク1経由でサーバ側システム3へ転送する制御、及び、サーバ側システム3から通信ネットワーク1経由でPC30に送信された音響信号を、録音手段(録音装置5又はDAWソフト32の録音機能)へ転送する制御を行う。また、専用アプリ31は、ユーザ操作に基づきサーバ側システム3における各種設定をリモート制御する機能を持っている。ユーザは、後述するメイン操作画面のGUI部品を用いて、サーバ側システム3における各種設定を、PC30からリモート制御することができる。サーバ側システム3における各種設定をリモート制御するための制御信号は、通信ネットワーク1経由で接続されたサーバ側システム3に送信される。
図2(b)において、サーバ側システム3は、通信ネットワーク1に接続されたサーバコンピュータ8と、該サーバコンピュータ8に対してローカルエリアネットワークを介して接続された複数のアンプルーム33で構成される。サーバコンピュータ8と複数のアンプルーム33を接続するローカルエリアネットワークは、音響信号と制御信号を双方向伝送可能なネットワークである。サーバコンピュータ8の主要な機能は、音響信号や各種設定用の制御信号の通信を通信ネットワーク1経由でユーザ側システム2のPC30と行う機能、音響信号や各種設定用の制御信号の通信を各アンプルーム33のレシーバコンピュータ9と行う機能、及び、複数のアンプルーム33を一括して管理する機能である。これらの機能は、CPU(図3(b)の符号20)が実行するソフトウェアプログラムによって実現される。
アンプルーム33は、防音設備が施された防音室である。1つのアンプルーム33には、1台のギターアンプ(発音手段)6と、当該アンプ6の音を収音するためのマイクロフォン(収音手段)7と、レシーバコンピュータ9が備わる。この実施例では、1つのアンプルーム33に複数種類のマイク7が具備されており、ユーザが好みの機種のマイク7を1つ選択できるものとする。レシーバコンピュータ9の主要な機能は、サーバコンピュータ8との間で音響信号や制御信号を通信すること、サーバコンピュータ8から受信した音響信号を再生して該音響信号の再生音をアンプ6から発音させること、マイク7から入力される音響信号をサーバコンピュータ8に転送することである。これらの機能は、CPU(図3(b)の符号20)が実行するソフトウェアプログラムによって実現される。
この実施例では、録音システムは、基本的にはギター演奏音を扱うことを前提に構築されている。すなわち、サーバ側システム3の複数のアンプルーム33には、それぞれエレクトリックギター専用のギターアンプ6が1台ずつ用意される。ギターアンプ6は、電気信号の増幅を行うアンプ部と、アンプ部の出力信号に対応する音を空間に発音するスピーカ部とからなる機器である。ギターアンプというものは、機種毎に発音されるギター演奏音の個性が顕著に異なっている。このため、ギターアンプの機種選択も、ギターサウンドの「音作り」における重要な要素のひとつである。この実施例の録音システムにおいて、サーバ側システム3には複数種類のギターアンプ6が用意されており、ユーザは任意の機種のギターアンプを選択できるようになっている。
図3(b)は、図2(b)に示すサーバ側システム3のサーバコンピュータ8又はレシーバコンピュータ9として適用可能なコンピュータの電気的ハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3(b)に示す通り、サーバコンピュータ8又はレシーバコンピュータ9として適用可能なコンピュータは、CPU20、ROM21、RAM22と、オーディオI/F23と、通信I/F24を含む。なお、オーディオI/F23は、レシーバコンピュータ9のみに具備されていればよく、サーバコンピュータ8には具備されなくてよい。図3(b)においては、オーディオI/F23のブロック及びそれに接続されるアンプ6とマイク7を示すブロックを点線で描くことで、そのことを表現している。CPU20は、RAM22に記憶された各種ソフトウェアプログラムを実行し、サーバコンピュータ8又はレシーバコンピュータ9のそれぞれの動作に必要な機能を提供する。
サーバコンピュータ8は、通信I/F24を介して通信ネットワーク1に接続されると共に、該通信I/F24を介してサーバ側システム3内のローカルエリアネットワークにも接続され、該サーバ側システム3内のローカルエリアネットワークを介して各アンプルーム33のレシーバコンピュータ9に接続される。また、各アンプルーム33のレシーバコンピュータ9は、通信I/F24を介してサーバ側システム3内のローカルエリアネットワークに接続され、該サーバ側システム3内のローカルエリアネットワークを通じてサーバコンピュータ8に接続される。また、各アンプルーム33のレシーバコンピュータ9は、オーディオI/F23を介してアンプ6及びマイク7に接続される。
サーバコンピュータ8は、通信ネットワーク1経由でユーザ側システム2から送信された音響信号のデータを受信し、該受信した音響信号のデータを複数のアンプルーム33のうちのユーザが選択した1つのアンプルーム33のレシーバ9に送信する制御を行う。レシーバ9は、サーバコンピュータ8から音響信号のデータを受信し、該受信した音響信号のデータを再生する処理を行い、再生音に対応する音響信号をアンプ6に出力する。アンプ6は、該レシーバ9から入力された音響信号を、現在アンプ6に設定されている音量レベルの値に基づき増幅して、スピーカから実際に発音する。マイク7は、アンプ6から発音された音響信号を収音し、該収音した音響信号をレシーバ9に入力する。レシーバ9は該マイク7から入力された音響信号のデータをサーバコンピュータ8へ送信する。サーバコンピュータ8は、該レシーバから受信した音響信号のデータを、当該音響信号の発信元のユーザ側システム2のPC30へ返信する。
また、サーバコンピュータ8は、通信ネットワーク1経由でユーザ側システム2のPC30から各種設定用の制御信号を受信し、該受信した各種設定用の制御信号を、複数のアンプルーム33のうちのユーザが選択した1つのアンプルーム33のレシーバ9に転送する制御を行う。レシーバコンピュータ9は、サーバコンピュータ8から受信した各種設定用の制御信号に基づき、アンプ6の各種パラメータの値の設定や、マイク7の設定位置の調整等の制御を行う。これにより、ユーザは、アンプ6の各種パラメータの値やマイク7の設定位置等の各種設定を、ユーザ側システム2のPC30からリモート制御することができる。また、各アンプルーム33のレシーバコンピュータ9は、アンプ6の各種パラメータの現在設定値やマイク7の設定状況等、アンプルーム33の現在の動作状況を表すデータをサーバコンピュータ8に送信する。これにより、サーバコンピュータ8は、複数のアンプルーム33の動作状況を一括して管理でき、また、ユーザ側システム2のPC30に複数のアンプルーム33の動作状況を通知することができる。
なお、各アンプルーム33には、ユーザ側システム2のPC30から与えられた各種設定用の制御信号に基づき、アンプ6のパラメータ(音量やトーンなど)の値を設定するための機構や、該制御信号に基づき複数のマイク7のうちの任意の1つを利用可能な状態に物理的且つ電気的に設定するための機構、及び、該制御信号に基づき収音に利用するマイク7のアンプ6に対する設定位置を制御する機構を備えており、それらの機構の動作をレシーバコンピュータ9が制御するものとする。なお、それらの機構自体は、従来から知られる技術を用いて実現してよく、その詳細な説明は省略する。
上記構成からなる録音システムを利用した録音作業の手順について、以下に説明する。録音システムを利用した録音作業は、基本的には、(1)録音作業環境に関する各種設定を行い、それから(2)録音を開始するという手順で進行する。
PC30において「オンラインリアンプ機能」を提供する専用アプリ31が起動すると、表示部18には図4に示すようなメイン操作画面が表示されると共に、当該PC30は通信ネットワーク1経由でサーバ側システム3のサーバコンピュータ8に接続されたオンライン状態となる。
図4は、ユーザ側システム2のPC30において、オンラインリアンプ機能の実行時に表示部18に表示されるメイン操作画面の一例を示している。メイン操作画面は、アンプ設定やマイク設定など、録音作業環境に関する各種設定を行うためのボタン画像やデータ入力領域など、各種GUI部品により構成される。また、図5は、メイン操作画面においてユーザが行う録音作業環境の設定操作と、該操作に対応して行われる処理の手順の一例を説明するフローチャートであって、(a)はユーザ側のPC30のCPU10が行う動作の手順、(b)はサーバ側のサーバコンピュータ8のCPU20が行う動作の手順をそれぞれ示している。図5においては、ユーザ側システム2及びサーバ側システム3の間で行われるデータ通信の様子が分かりやすいよう、(a)及び(b)の各フローチャートを並べて描いている。
図4に示すメイン操作画面の「Setting」セクションには、「New」ボタン画像40、「Load」ボタン画像41、「Save」ボタン画像42及び「Library」ボタン画像43が備わる。「New」ボタン画像40は、録音作業環境の設定を新規に作成する指示を行うために用いる。「Save」ボタン画像42は、現在の録音作業環境の設定をメモリに保存する指示を行うために用いる。「Load」ボタン画像41は、PC30のメモリに保存されている録音作業環境の設定を読み出す指示を行うために用いる。自分が設定した録音環境を、PC30のメモリに保存しておけば、いつでも簡単に所望の録音環境を呼び出すことができるようになる。また、「Library」ボタン画像43は、予め複数通りの録音作業環境が用意された「ライブラリー」の中から、所望の録音作業環境を読み出す指示を行うために用いる。「ライブラリー」に、例えばプロの音楽家が使用しているアンプ設定などを用意しておけば、該プロの音楽家が使用しているアンプ設定を簡単に再現できる。
「Amplifer」セクションには、現在選択されているアンプのブランド名とモデル名が表示される「Current Amp」表示欄44、使用するアンプ機種の変更を指示する「Change」ボタン画像45、及び、現在選択されているアンプのイメージ画像を表示する「Settings」エリア46が設けられている。「Settings」エリア46に表示されるアンプのイメージ画像は、現在選択されているアンプ機種の実物に備わる操作子配置パネル部分を模擬したイメージ画像であって、音量つまみ操作子など、各種パラメータの値を設定する操作子画像のユーザインターフェースが設けられている。ユーザは、「Settings」エリア46に表示されたアンプのイメージ画像上の操作子画像を操作することで、現在選択されているアンプの各種パラメータの値の変更を指示することができる。
ユーザによって「Amplifer」セクションの「Change」ボタン画像45が操作されると、PC30のCPU10は、メイン操作画面とは別ウィンドウで「アンプ選択画面」を表示部18に表示させると共に、通信ネットワーク1経由でサーバ側システム3のサーバコンピュータ8にアンプ変更を通知する信号を送信する(図5のステップS1)。サーバコンピュータ8は、前記アンプ変更を通知する信号に応じて、全てのアンプルーム33のレシーバ9から、ユーザに与えるべき情報を収集し、該収集した最新情報をユーザ側のPC30へ返信する(図5のステップS2)。ユーザ側システム2のPC30では、サーバコンピュータ8から受信した情報に基づき、アンプ選択画面の表示内容を更新する制御が行われる。ここで、ユーザ側のPC30がサーバコンピュータ8から受け取る最新情報には、アンプ選択画面に表示すべき情報と、後述するマイク選択画面で表示すべき情報とが含まれる。
アンプ選択画面の一例を図6に示す。図6に示す通り、アンプ選択画面には、サーバ側に用意された全てのアンプルームのそれぞれに設けられたアンプ6のリストが表示される。リストには、サーバ側システム3に用意された全てのアンプの1つずつに割り当てられたアンプ番号を表示する「No.」欄、アンプが使用可能かどうかを示す情報を表示する「Status」欄、アンプのブランド名を表示する「Brand」欄、アンプのモデル(機種)名を表示する「Model」欄、及び、例えば修理履歴の情報などの備考的情報を表示する「Note」欄が設けられている。「Status」欄において、使用可能なアンプ(選択可能なアンプ)については何も情報が表示されず、既に使用されているアンプなど使用不可能なアンプの「Status」欄には文字列「rserved」が表示される
また、アンプ選択画面には、「Select」ボタン画像68、「Cancel」ボタン画像69、「Refresh」ボタン画像70及び「Sort」ボタン画像71が備わる。「Select」ボタン画像68は、ユーザによるアンプの選択を確定する指示を行うために用いる。「Cancel」ボタン画像69は、ユーザによるアンプの選択を解除するために用いる。「Refresh」ボタン画像70は、アンプ選択画面のリスト上の情報を最新の情報に更新するために用いる。「Sort」ボタン画像71は、リスト上のアンプの並び順を、ユーザ指定のソート順(整列順)で並び替えるために用いる。「Sort」ボタン画像71の右隣に設けられたリストボックス72には、現在適用されているソート項目が表示される。ソート項目を変更するときは、リストボックス72において、あらかじめ用意された複数のソート項目のドロップダウンリストを開き、該リスト中から1つのソート項目を選択する。ソート項目には、例えば、番号順、ブランド順、モデル順、人気順、あるいは、モデルの年式順などが想定される。図6の例では、ソート項目として「モデル名順」が適用されている状態を示す。
ユーザは、上記の構成からなるアンプ選択画面のリストに表示された複数のアンプの中から録音に使用するアンプを1つ選択し、「Select」ボタン画像68を操作することで、該アンプの選択を確定する(図5のステップS3)。アンプの選択操作は、例えば、ポインタカーソルを用いて、アンプ選択画面のリスト中から所望のアンプに該当する行を指摘する操作など、適宜の操作によって行うことができてよい。アンプが選択されるとリスト上の該当する行の表示態様が変更される。図6の例では、選択されたアンプに該当する行(アンプ番号「2」の行)の表示態様が反転表示される。また、「Status」欄に「rserved」と表示された使用中のアンプに該当する行は、グレーアウト表示されており、これを選択することはできない。
1つのアンプルーム33に1つのアンプ6が備わっているので、録音に使用するアンプ6が決定すれば自動的に録音に使用するアンプルーム33も決定する。前記「Select」ボタン画像68の操作に応じて、PC30からサーバコンピュータ8に該ユーザによるアンプの選択を通知するデータが送信される。サーバコンピュータ8は、該PC30から送信されたデータに基づき、ユーザによって選択されたアンプ6に対応するアンプルーム33を、当該ユーザが使用するアンプルーム33に設定する。これにより、当該アンプルーム33のレシーバ9と当該ユーザのPC30との間で音響信号及び制御信号の通信が行われるよう、通信経路が設定される(図5のステップS4)。このとき、表示部18のアンプ選択画面では、「Select」ボタン画像68の操作に応じて、新たに選択されたアンプ6に該当する行の表示態様がグレーアウト表示に切り替わると共に、該選択されたアンプ6に該当する行の「Status」欄に文字列「rserved」が表示される。ステップS1〜S4の処理によりアンプが選択されたら、アンプ選択画面の表示は終了してよい。
上述した手順によりアンプの選択(図5のステップS1〜S4の処理)が行われると、メイン操作画面の「Current Amp」表示欄44には、新たに選択されたアンプ6のブランド名及びモデル名が表示される。また、「Amplifer」セクションの「Settings」エリア46には、該新たに選択されたアンプ6のイメージ画像が表示される。
ユーザは、「Amplifer」セクションの「Settings」エリア46のアンプのイメージ画像に含まれる各種操作子を操作することで、現在選択中のアンプ6の音量レベルパラメータの値や、ゲインパラメータの値や、トーンコントロールパラメータの値など、各種パラメータの値を調整することができる(図5のステップS5)。「Settings」エリア46に表示された操作子画像を用いてユーザがパラメータの値の調整を行うと、該調整内容に対応する制御信号が、通信ネットワーク1経由でサーバコンピュータ8に送信され、サーバコンピュータ8はユーザに選択されたアンプルーム33のレシーバ9に前記制御信号を転送する。制御信号を受信したレシーバ9は、該受信した制御信号に基づき、当該アンプルーム33に備わるアンプ6の各種パラメータの値を調整する。これにより、ユーザがPC30上で行ったパラメータの値の調整が、実際のアンプのパラメータの設定に反映される(図5のステップS6)。
また、メイン操作画面の「Microphone」セクションには、現在選択されているマイク7のブランド名とモデル名とを表示する「Current Mic」表示欄47と、使用するマイク機種の変更を指示する「Change」ボタン画像48とを備えると共に、アンプ6に対するマイク7の設定位置を調整するためのユーザインターフェースとして、アンプのスピーカ部の正面に対するマイクの位置を調整する「Position」エリア49と、アンプのスピーカ部の正面からマイク先端までの距離を調整する「Distance」エリア50と、アンプのスピーカ部に向けるマイクの角度を調整する「Degree」エリア51とを有する。
「Microphone」セクションの「Change」ボタン画像48がユーザにより操作されると、PC30のCPU10は、表示部18にメイン操作画面とは別ウィンドウで「マイク選択画面」を表示させる制御を行う(図5のステップS7)。図7は、「Change」ボタン画像48の操作に応じて表示部18に表示されるマイク選択画面の一例である。マイク選択画面には、現在選択されているアンプルーム33に備わる複数のマイクのリストが表示される。マイクのリストには、図7に示す通り、各マイクに割り当てられた番号を表示する「No.」欄、各マイクのブランド名を表示する「Brand」欄、各マイクの機種名を表示する「Model」欄、及び、例えば修理履歴の情報など備考的情報が表示される「Note」欄が設けられている。また、マイク選択画面には、「Sort」ボタン画像73、「Cancel」ボタン画像74及び「Select」ボタン画像75が設けられている。「Sort」ボタン画像73は、マイクのリストの表示順を並べ替える指示を行うために用いる。適用されるソート順は、「Sort」ボタン画像73の右隣に設けられたリストボックスから選択可能である。「Cancel」ボタン画像74は、現在のマイク選択状態をキャンセルするために用いる。
ユーザは、図7のマイク選択画面にリスト表示された複数のマイクの中から所望のマイクを1つ選択し、「Select」ボタン画像75を操作して、録音に使用するマイクを決定する(図5のステップS8)。「Select」ボタン画像75の操作に応じて、ユーザ側システム2のPC30から通信ネットワーク1経由でサーバ側システム3のサーバコンピュータ8に、マイクの選択を通知するデータが送信される。サーバコンピュータ8は、ユーザ側システム2のPC30から送信されたデータを、当該ユーザによって現在選択されているアンプルーム33のレシーバ9に転送する。前記現在選択されているアンプルーム33のレシーバ9は、転送されたデータに基づき、ユーザが選択した1つのマイクを利用可能な状態に物理的且つ電気的に設定する(図5のステップS9)。ステップS7〜S9の処理により、録音に使用するマイクが確定したら、マイク選択画面の表示は終了してよい。
ユーザは、メイン操作画面の「Microphone」セクションに設けられた「Position」エリア49、「Distance」エリア50及び「Degree」エリア51の各GUI部品を用いて、録音に使用するマイク7のアンプ6に対する設定位置を、位置、距離及び角度の3つのパラメータについて、GUI部品を用いてグラフィカルに調整することができる。また、各エリア49〜51には、それぞれ現在の設定値を数値表示する数値表示欄が設けられており、該数値表示欄に直接数値を入力することでマイク位置を調整してもよい。
図4に示す通り、「Position」エリア49には、アンプ6のスピーカ部を正面から見たイメージ画像52が表示されており、また、十字カーソル53により現在のマイク7の位置が表示されている。ユーザは、スクロールバー54や十字カーソル53を操作して、アンプスピーカ部分に対するマイク7の位置を調整することができる。
また、「Distance」エリア50においては、アンプを側面側から見たイメージ画像55とアンプに向かい合うマイクのイメージ画像56が表示されており、スクロールバー57の操作や、マイクのイメージ画像56をマウスドラッグ操作すること等により、アンプスピーカ部分とマイクとの距離を調整することができる。
また、「Degree」エリア51は、アンプのスピーカ部に向けるマイクの角度を、所定の基準角度に対するマイクの上下角度の傾き及び左右角度の傾きを調整するイメージ画像で構成される。図の例では、3重の同心円画像58上の十字カーソル59の位置によりマイクの角度が表現されている。同心円画像58は、その中心がマイクの基準角度の位置に相当し、各円周が該基準角度に対するマイクの角度を把握するための目安となる。スクロールバー60の操作や十字カーソル59をマウスドラッグ操作することで、マイク7のアンプ6に対する角度を調整することができる。なお、所定の基準角度は、マイクの上下角度及び左右角度の傾きがそれぞれ「0度」の角度であって、例えば、マイク7の軸をアンプ6のスピーカ部の面に対して略垂直に向けた角度とする。
ユーザが、メイン操作画面の「Position」エリア49、「Distance」エリア50及び「Degree」エリア51の各GUI部品を用いて、録音に使用するマイク7のアンプに対する設定位置を調整する操作を行うと(図5のステップS10)、該調整内容に応じた制御信号が、通信ネットワーク1経由でサーバ側システム3のサーバコンピュータ8に送信される。サーバコンピュータ8は、ユーザ側のPC30から送信された制御信号を、現在選択されているアンプ6に該当するアンプルーム33のレシーバ9に転送する。前記レシーバ9は、転送された制御信号に基づき、現在選択されているマイク7のアンプ6に対する設定位置を自動的に調整する制御を行う(図5のステップS11)。
上記図5のステップS1〜S11の処理により、ユーザは、PC30の表示部18に表示されたメイン操作画面から、録音に使用するアンプ6及びマイク7を選択し、該選択されたアンプ6のパラメータの値の調整し、また、該選択されたマイク7の位置、距離及び角度を調整して、サーバ側システム3に用意された録音作業環境を自らが望む状態に設定することができる。新たに設定した録音作業環境の状態を保存したい場合には、ユーザは「Save」ボタン画像42を操作して、現在メイン操作画面に表示されている録音作業環境の設定状態をPC30のメモリに保存することができる。保存した録音作業環境の設定状態は、「Load」ボタン画像41を用いて簡単に呼び出すことができる。なお、前記図5のフローチャートに示す録音作業環境の設定の手順の一例として、アンプ6の設定を行った後にマイク7の設定を行うものとしたが、アンプ6又はマイク7のいずれか一方の設定だけを行って、録音作業環境の設定を終えることもあるだろう。
なお、サーバ側システム3が提供する別の機能として、各アンプルーム33内にアンプ6とマイク7を撮影する動画撮影手段(ムービーカメラ)を設けておき、ユーザのPC30にアンプルーム33内の現在の映像を配信する機能を更に具備してもよい。例えば、ユーザが、メイン操作画面から映像配信要求をサーバコンピュータ8に行うと、サーバコンピュータ8は、現在選択中のアンプルーム33のレシーバ9から、当該アンプルーム33に備わるムービーカメラが現在撮影している映像データを取得し、該取得した映像データをユーザ側システム2のPC30へ配信する。ユーザのPC30では、メイン操作画面とは別画面で、例えば、図9に示すような画面(「Live View」画面)を開き、該「Live View」画面上にサーバコンピュータ8から送信された映像データが表示される。ユーザは、「Live View」画面に表示された映像により、アンプ6の外観やマイク7の設定位置等を確認することができる。この機能は、ユーザが選択したアンプ機種の確認や、マイクの位置の微調整などに有効である。
メイン操作画面の最下部に設けられた「ReAmp」セクションに設けられたボタン画像67は、オンラインリアンプ機能が停止中のときには、ボタン画像上に「Start ReAmp!!」という文字列が表示され、オンラインリアンプ機能の開始を指示するボタンとして機能する。一方、オンラインリアンプ機能が動作中のときには、ボタン画像67は、ボタン画像上に「Stop ReAmp!!」という文字列が表示され、オンラインリアンプ機能のサービス停止を指示するボタンとして機能する。
また、メイン操作画面の「Source」セクションには、オンラインリアンプ機能で使用する音響信号の発生用の音源(図1の音響信号発生手段4)として、「Line」又は「File」のいずれか一方を選択するラジオボタン61が設けられている。「Line」が選択されている場合には、オンラインリアンプ機能の動作時に、オーディオI/F13から外部入力された音響信号がサーバ側システム3に送信される。この場合には音響信号発生手段としてPC30に接続された楽器4が利用される。また、「File」が選択されている場合には、オンラインリアンプ機能の動作時に、ファイル名表示欄62に表示されたオーディオファイルのデータがサーバ側システム3に送信される。この場合には音響信号発生手段としてPC30に実装されたDAWソフト32のオーディオシーケンス再生機能が利用される。ファイル名表示欄62に表示されたオーディオファイルを変更する場合には、Changeボタン画像63を用いる。なお、前記オーディオファイルはPC30の外部記憶媒体(図示省略)など適宜のメモリに保存されたものであって、WAVファイルなど周知のオーディオファイル形式のデータであってよい。
また、メイン操作画面の「Record」セクションには、サーバ側システム3から返信された音響信号を、このオンラインリアンプ機能を提供する専用アプリ31で保存する機能のオン・オフ設定するOn/Off設定用ラジオボタン64が設けられている。On/Off設定用ラジオボタン64を「On」に設定すれば、オンラインリアンプ機能の動作中にサーバ側システム3から受信したデータ(音響信号)をファイルに保存することができる。保存するファイル名はファイル名表示欄65に表示される。保存先のファイルを変更する場合には、Changeボタン画像66を用いる。
「オンラインリアンプ機能」によって実現される通信ネットワーク1を介した音響信号の送受信処理の手順の一例を図8のフローチャートに示す。図8(a)はユーザ側システム2のPC30のCPU10が行う動作の手順、(b)はサーバ側システム3のサーバコンピュータ8のCPU20が行う動作の手順をそれぞれ示しており、ユーザ側システム2とサーバ側システム3の間で行われるデータ通信の様子が分かりやすいよう、(a)及び(b)のフローチャートを並べて描く。以下の説明では、図1に示す録音システムにおいて、PC30に接続されたエレクトリックギター4の演奏音を、ユーザ側システム2からサーバ側システム3へ送信する場合について述べる。なお、図8において音響信号の送受信処理は略リアルタイム処理で行われるものとする。
ユーザは、メイン操作画面のボタン画像67を操作してオンラインリアンプ機能を開始させた後に、PC30に接続されたギター4の演奏を行う。PC30のCPU10は、該ギター4の演奏に応じた音響信号をオーディオI/F13から取り込み、該PC30に取り込まれた音響信号のデータを、通信ネットワーク1経由でサーバコンピュータ8に送信する(図8のステップS12)。
サーバコンピュータ8は、ユーザ側システム2から音響信号のデータを受信し、該受信した音響信号のデータを、現在選択されているアンプルーム33(メイン操作画面で選択されたアンプ6に対応するもの)のレシーバ9に転送する(図8のステップS13)。レシーバ9は、サーバコンピュータ8から受信した音響信号のデータを略リアルタイムで再生する処理を行い、該再生した音響信号をオーディオI/F23を介してアンプ6へ出力する。これにより、ユーザが行ったギター演奏に対応するギター演奏音が、アンプ6から実際に発音される(図8のステップS14)。マイク7は該アンプ6から発音された音を収音し、マイク7により収音された音響信号がレシーバ9に供給される(図8のステップS15)。レシーバ9は、マイク7から供給された音響信号をオーディオI/F23を介して取り込み、該取り込んだ音響信号のデータをサーバコンピュータ8へ送信する(図8のステップS16)。サーバコンピュータ8は、レシーバ9から受信した音響信号のデータを、通信ネットワーク1経由で、ユーザ側システム2のPC30に対して返信する(図8のステップS17)。
かくして、ユーザ側システム2のPC30は、前記サーバ側システム3においてアンプ6から実際に発音された音響信号のデータを、通信ネットワーク1経由で受信する(図8のステップS18)。ユーザ側システム2PC30は、前記受信した音響信号、つまり、ギター4の演奏に応じたアンプ6から発音された音響信号のデータを、オーディオI/F13を介して、PC30に外部接続された録音装置5に供給し、該録音装置5に該音響信号を録音させること、又は、PC30で動作しているDAWソフト32の録音機能に録音させることができる。なお、メイン操作画面の「Record」セクションのOn/Off設定用ラジオボタン64が「On」に設定されている場合は、保存先に指定されたファイルに、前記ステップS18で受信したデータ(音響信号)を保存することができる。
以上説明した通り、この実施例に示す録音システムによれば、ユーザ側システム2においてギター4の演奏によって入力された音響信号をサーバ側システム3に送信するだけで、サーバ側システム3のギターアンプ6で実際に発音されたギター演奏音がユーザ側システム2に返信されるので、ユーザ側システム2では、ギターアンプ6で実際に発音されたギター演奏音に対応する音響信号を録音装置5やDAWソフ32トの録音機能に録音することができる。したがって、ユーザは、実際にギターアンプを通した音を、簡単な操作で手軽に“自宅録音”で録音することができる。これに伴い、実際にギターアンプを通した音を録音する作業を自宅で行えるようになることから、アンプや防音設備を揃えるための金銭的コスト、音楽リハーサルスタジオを借りる金銭的コスト、或いは、音楽リハーサルスタジオを利用する際の時間的コスト並びに制約など、日々の音楽活動に付随する諸々の制約や負担が軽減される。また、サーバ側システム3に用意された防音設備されたアンプルーム33内に設置されたアンプ6を使用するので、誰に憚ることもなく、大きい音量で音を鳴らすことができる(ユーザ側システム2では演奏音のモニター音量にだけ気をつければよい)。また、サーバ側システム3にプロのミュージシャンがレコーディングに使うようなハイグレードな機材(アンプ6やマイク7)を多種揃えておけば、ユーザはプロのミュージシャンが使うようなハイグレードな機材(アンプ6やマイク7)を使った音楽演奏の録音を手軽に行うことができる。また、サーバ側システム3に用意された複数種類のアンプ6及びマイク7から好みの機材を選ぶことができるので、色々な録音環境の設定を手軽に試すことができる。また、使用するアンプ6の各種パラメータの値や、アンプ6に対するマイク7の設定位置は、ユーザ側システム2からリモート制御できるので、録音環境の詳細を自在に設定でき、自宅録音でありながら、本格的な録音スタジオで録音するかのように、録音環境を詳細に設定することができる。
上記実施例では、この発明にかかる録音システムの構成例として、ユーザ側システム2のPC30がインターネット等の広域通信ネットワーク1に接続され、該通信ネットワーク1の先のサーバ側システム3と通信を行うネットワーク構成例を示した。ネットワーク構成の応用例として、例えば、本出願人が提唱する音楽通信ネットワーク規格である「mLAN」規格に準拠したネットワークなど音楽機器専用のネットワークに、発明にかかる録音システムが提供する「オンラインリアンプ機能」を組み込むこともできる。例えば、サーバ側システム3が提供する1つのアンプルームを、「mLAN」ネットワークを構成する1つのモジュールと見立てて、「mLAN」ネットワークを構成することが考えられる。図10は、「オンラインリアンプ機能」のモジュールを含む「mLAN」ネットワークの設定・管理をPC30の表示部18上でグラフィカルに行うための操作画面の一例である。「mLAN」ネットワーク構成の設定とは、mLAN規格に対応したモジュール(機器)の配置及びモジュール間のオーディオ通信ライン及び制御信号通信ラインの接続である。ユーザは、「mLAN」ネットワーク構成の設定を、図10の操作画面から容易且つ柔軟に行うことができる。また、本発明に係る録音システムを「mLAN」ネットワークに組み込むことで、録音システムが提供する複数のアンプルーム33を同時に使用することや、録音システムが提供する複数のアンプルーム33の入出力をカスケード接続する実施態様なども可能となる。図10においては、mLAN対応のインターフェース機器「i88X」34の2系統の出力信号が、それぞれ、アンプルーム「ReAmp♯1」と「ReAmp♯2」に分配して入力され、また、アンプルーム「ReAmp♯2」の出力がアンプルーム「ReAmp♯3」の入力にカスケード接続され、アンプルーム「ReAmp♯1」の出力と、アンプルーム「ReAmp♯3」の出力とが、ミキサ装置「01X」35に接続されるネットワーク構成例を示している。
なお、上記実施例では、ユーザ側システム2において、PC30が「専用アプリ」31に基づく処理を実行することで該ユーザ側システム2における「オンラインリアンプ機能」を実現する例について説明したが、「オンラインリアンプ機能」を実現する装置は、汎用のコンピュータに専用アプリケーションプログラム31を実装する構成に限らず、「オンラインリアンプ機能」専用のハードウェア装置であってもよい。
また、ユーザ側システム2のPC30にオンラインリアンプ機能を実行させるためのプログラム(専用アプリ31)は、PC30のOS上で動作するアプリケーションソフトウェアプログラムに限らず、DAWソフト32に「オンラインリアンプ機能」を追加すプラグインプログラム(VSTiプラグイン)により構成されてもよい。その場合、例えば、DAWソフト32が提供するオーディオ/MIDIレコーダ機能の1つのトラックに「オンラインリアンプ機能」のプラグインプログラムを挿入すると、当該トラックに割り当てられた音響信号は、該DAWソフト32のトラックから「オンラインリアンプ機能」のプラグインプログラムに供給される。「オンラインリアンプ機能」に供給され音響信号は、通信ネットワーク1経由でサーバ側システム3に送信され、該サーバ側システム3で該送信された音響信号に基づきアンプ6から実際に発音された音をマイク7で収音し、該収音した音響信号をサーバ側システム3から通信ネットワーク1経由でユーザ側システム2のPC30に返信する。ユーザ側システム2のPC30に返信された音響信号は、DAWソフト32の割り当て先のトラックに戻る。つまり、DAWソフト32のプラグインとして動作する「オンラインリアンプ機能」の処理に含まれる幾つかのステップが通信ネットワーク1の先のサーバ側システム3で実行されることになる。このように、DAWソフト32上のプラグインプログラムとして「オンラインリアンプ機能」を実装することで、「オンラインリアンプ機能」を利用した録音作業を効率的に行うことができる。また、DAWソフト32の操作画面から「オンラインリアンプ機能」の操作画面を立ち上げることができるので、「オンラインリアンプ機能」を利用した録音作業の設定を簡便且つ効率的に行うことができる。
なお、上記図8に示し音響信号の送受信処理は非リアルタイム処理で実現されても差し支えない。また、リアルタイムの楽器4の演奏により発生した音響信号に限らず、予め用意されたオーディオファイルのデータをサーバ側システム3へ送信してもよい。この場合、メイン操作画面の「Source」セクションで、オンラインリアンプ機能で使用する音響信号の発生用の音源(図1の音響信号発生手段4)として、「File」を選択する。
また、音響信号発生手段4として用いる楽器はエレクトリックギターに限らず、エレクトリックベースや電気鍵盤楽器などの各種電気楽器や、シンセサイザー等の電子楽器でもよい。また、音響信号発生手段4として、各種アコースティック楽器やボーカルなどを適用する場合には、収音用のマイクを介してPC30に音響信号を供給する。また、音響信号発生手段4は、楽器に限らず、CDプレイヤーなど、何らかの記憶媒体に記憶された音楽情報を再生するための装置であってもよい。要するに、音響信号発生手段4は、録音すべき音響信号をPC30に外部から供給する手段であれば、どのようなものであってもよい。
また、上記実施例では、ユーザ側システム2に録音手段5を備え、サーバ側システム3から返信された音響信号を該録音手段に録音する、つまり、音楽演奏の録音システムの構成例を示したが、ユーザ側システム2に録音手段5を備えず、ユーザ側システム2で発生した音響信号を通信ネットワーク1の先にある発音手段を用いて実際に音させ、その結果をユーザ側システム2に返信する演奏システムとして構成してもよい。ユーザ側システム2に返信された発音結果の用途は、例えば、データを再生するだけなど、適宜の音楽処理であってよい。また、サーバ側システム3からユーザ側システム2に返信された発音結果の音響信号を、サーバ側システム3へ再送信し、もう一度、サーバ側システム3のアンプ6(例えば、前回使ったアンプとは別の機種)を使って該再送信した音響信号に対応する音を発音させることで、複数種類のアンプを通した音を録音することもできる。
また、上記実施例では、サーバ側システム3において、複数のアンプ6(複数のアンプルーム33)を用意し、各アンプ6に対応して複数のマイク7が用意される構成を例に挙げたが、サーバ側システム3は、少なくとも、1つのアンプ(発音手段)6と、該1つのアンプ6に対応する1つのマイク7を備え、アンプ6及びマイク7に接続し、ユーザ側システム2との間で音響信号を含むデータを通信ネットワーク1経由で通信するコンピュータを備える構成であればよい。
また、上記実施例では、サーバ側システム3に用意された発音手段はギターアンプ6のみであったが、各種エフェクタなど音響加工用の機器を更に用意してもよい。また、サーバ側システム3のアンプルーム33の広さ、形状、天井の高さ、防音材の種類などのアンプルーム33の仕様を説明する情報をユーザ側システム2に提供し、ユーザが前記仕様を説明する情報に基づきアンプルーム33を選択できるよう構成してもよい。また、アンプルーム33の防音壁を移動式に設置し、ユーザ側システム2のPC30からの指示に基づきアンプルーム33の広さや形状を任意に変更できるよう構成してもよい。
また、前記図4のメイン操作画面において、録音環境の設定状態をリセットする指示を行うためのリセット用ボタン画像を更に設けて、アンプ6の設置やマイク7の位置設定を、該リセット用ボタン画像を用いていつでも初期状態に戻すことができるよう構成してもよい。
また、通信ネットワーク1は、インターネット等の既存の広域通信ネットワークに限らず、LANネットワークなど閉じたネットワークで構成されてもよい。
また、上記実施例では、演奏システム(録音システム)において、通信ネットワーク1を介してユーザ側システム2とサーバ側システム3との間で音響信号が通信される例について説明したが、この発明に係る演奏システムが扱う信号は、音響信号に限らず、例えばMIDI(Musicak Instrument Digital Interface)規格に従うMIDI演奏信号など、演奏情報を表すディジタル信号であってもよい。その場合、サーバ側システム3に備わるサーバコンピュータ8又はレシーバコンピュータ9は、通信ネットワーク1を介してユーザ側システム2から演奏情報(例えばMIDI演奏信号)を受信するためのインターフェース、および該受信した演奏情報(例えばMIDI演奏信号)に基づく楽音信号を生成するための音源を備える。
また、この発明は装置の発明として構成及び実施することのみならず、上記演奏システムのユーザ側システム2のPC30に上記オンラインリアンプ機能を実行させるためのプログラム、及び、サーバ側システム3のサーバコンピュータ8及びレシーバコンピュータ9に上記オンラインリアンプ機能を実行させるためのプログラムとして構成及び実施してもよいし、上記演奏システムによる音楽の録音方法の発明として構成及び実施することも可能である。
この発明の一実施例に係る録音システムの概要を説明するための図。 (a)は図1に示すユーザ側システムの機能的モジュール構成例を示すブロック図、(b)は図1に示すサーバ側システムの機能的モジュール構成例を示すブロック図。 (a)は図1に示すユーザ側システムに適用可能なコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図、(b)は図1に示すサーバ側システムに適用可能なコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図。 図1に示すユーザ側システムのコンピュータが提供する「オンラインリアンプ機能」のメイン操作画面の構成例を説明するための図。 図4のメイン操作画面から録音環境を設定する手順の一例を説明するフローチャート。 図1に示すユーザ側システムのコンピュータが提供する「オンラインリアンプ機能」のアンプ選択画面の構成例を説明するための図。 図1に示すユーザ側システムのコンピュータが提供する「オンラインリアンプ機能」のマイク選択画面の構成例を説明するための図。 図1に示す録音システムにおける音響信号の送受信処理の手順の一例を説明するフローチャート。 図1に示すユーザ側システムのコンピュータが提供する「オンラインリアンプ機能」における「Live View画面」の構成例を説明するための図。 図1に示す録音システムのネットワーク構成の応用例であって、録音システムを組み込んだ「mLAN」ネットワークの設定・管理をためにユーザ側システムのコンピュータに表示される操作画面の構成例を説明するための図。 (a)〜(e)はギターアンプから音を鳴らさずにエレクトリックギターの演奏音を録音する従来の方法を説明するための図。
符号の説明
1 通信ネットワーク、2 ユーザ側システム、3 サーバ側システム、4 音響信号発生手段(ギター)、5 録音手段、6 発音手段(アンプ)、7 収音手段(マイク)、8 サーバコンピュータ、9 レシーバコンピュータ、10,20 CPU、11,21 ROM、12,22 RAM、13,23 オーディオインターフェース、14,24 通信インターフェース、15 検出回路、16 操作子、17 表示回路、18 表示部、30 パーソナルコンピュータ

Claims (8)

  1. 通信ネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されたユーザ側システムとサーバ側システムとからなる演奏システムであって、
    ユーザ側システムは、
    音響信号を発生する音響信号発生手段と、
    前記音響信号発生手段で発生した音響信号を通信ネットワーク経由でサーバ側システムへ送信するためのユーザ側システムの送信手段と、
    前記サーバ側システムから前記通信ネットワーク経由で音響信号を受信するユーザ側システムの受信手段と
    を有し、
    サーバ側システムは、
    前記ユーザ側システムから送信された音響信号を前記通信ネットワーク経由で受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信した音響信号に対応する音を発音する発音手段と、
    前記発音手段により発音された音を収音する収音手段と、
    前記収音手段により収音された音に対応する音響信号を前記通信ネットワーク経由で前記ユーザ側システムへ送信するためのサーバ側システムの送信手段と
    を備えることを特徴とする演奏システム。
  2. 前記ユーザ側システムにおいて、前記ユーザ側システムの受信手段で受信した音響信号のデータを記録媒体に録音する録音手段を更に備え、
    前記録音手段は前記サーバ側システムに備わる発音手段で発音された音に対応する音響信号を録音する手段であることを特徴とする請求項1に記載の演奏システム。
  3. 前記ユーザ側システムに備わる音響信号発生手段は、ユーザが演奏操作を行う楽器によって構成されることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の演奏システム。
  4. 前記サーバ側システムに備わる発音手段は、楽器と組み合わせて使用され、該楽器の演奏音を発音することを目的として設計された楽器用アンプによって構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の演奏システム。
  5. 前記サーバ側システムにおいて複数種類の前記発音手段を備え、
    前記ユーザ側システムにおいて前記複数種類の発音手段のうちのいずれか1つをユーザに選択させる選択手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の演奏システム。
  6. 前記ユーザ側システムにおいて、前記発音手段に対する前記収音手段の設定位置を調整する指示を行うための位置調整手段を更に備え、
    前記サーバ側システムにおいて、前記位置調整手段で行われた設定位置を調整する指示に基づき、前記収音手段の前記発音手段に対する設定位置を調整する制御を行う制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の演奏システム。
  7. 通信ネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されたユーザ側システムとサーバ側システムとからなる演奏システムに適用されるプログラムであって、前記ユーザ側システムのコンピュータによって実行されるプログラムは、該ユーザ側システムのコンピュータに、
    音響信号の入力を受け付ける手順と、
    前記入力された音響信号を通信ネットワーク経由で前記サーバ側システムへ送信する手順と、
    前記サーバ側システムから前記通信ネットワーク経由で音響信号を受信する手順と
    を実行させるプログラムであり、
    前記サーバ側システムのコンピュータによって実行されるプログラムは、該サーバ側システムのコンピュータに、
    前記ユーザ側システムから送信された音響信号を前記通信ネットワーク経由で受信する手順と、
    前記受信した音響信号に対応する音を発音手段に発音させる手順と、
    前記発音手段で発音された音を収音する手順と、
    前記収音された音に対応する音響信号を前記通信ネットワーク経由で前記ユーザ側システムへ送信する手順と
    を実行させるプログラム。
  8. 通信ネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されたユーザ側システムとサーバ側システムとからなる演奏システムを用いて音響信号を録音するための録音方法であって、
    前記ユーザ側システムにおいて録音すべき音響信号をユーザに入力させる工程と、
    前記入力された音響信号を前記ユーザ側システムから前記通信ネットワーク経由でサーバ側システムに送信する工程と、
    前記サーバ側システムにおいて前記ユーザ側システムから送信された音響信号を受信する工程と、
    前記サーバ側システムにおいて前記受信した音響信号に対応する音を発音手段に発音させる工程と、
    前記サーバ側システムにおいて前記発音された音を収音する工程と、
    前記サーバ側システムにおいて前記収音された音に対応する音響信号を前記通信ネットワーク経由で前記ユーザ側システムへ送信する工程と、
    前記ユーザ側システムにおいて前記サーバ側システムから送信された音響信号を受信する工程と、
    前記ユーザ側システムにおいて前記受信した音響信号を録音手段に録音する工程と
    を含むことを特徴とする録音方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014005213A1 (en) * 2012-07-06 2014-01-09 Trackster Inc. System. method and computer-readable medium for remotely re-amping a digitized sound track
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