JP2010229933A - タービン発電機及びそれを備えた冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流量が連続的に可変の第1ノズル(4A)と、流量が連続的に可変、且つ喉部(42B)の通路断面積が第1ノズル(4A)の喉部(42A)の通路断面積よりも大きく構成された第2ノズル(4B)とを設ける。そして、第1及び第2ノズル(4A,4B)の流量をノズル流量制御部(100)によって制御し、これらのノズル(4A,4B)が噴射した流体でタービン羽根車(5)を回転させ、該タービン羽根車(5)の回転力で発電する。
【選択図】図1
Description
噴射された流体を受けて回転するタービン羽根車(5)を有し、該タービン羽根車(5)の回転力で発電するタービン発電機であって、
流量が連続的に可変で、前記流体を前記タービン羽根車(5)に噴射する第1ノズル(4A)と、
流量が連続的に可変、且つ喉部(42B)の通路断面積が前記第1ノズル(4A)の喉部(42A)の通路断面積よりも大きく構成され、前記流体を前記タービン羽根車(5)に噴射する第2ノズル(4B)と、
前記第1及び第2ノズル(4A,4B)のそれぞれの流量制御を行うノズル流量制御部(100)と、
を備えていることを特徴とする。
第1の発明のタービン発電機において、
前記ノズル流量制御部(100)は、前記第1及び第2ノズル(4A,4B)の合計流量を所定の閾値流量(V1)未満に制御する場合には、前記第1ノズル(4A)の流量のみを調整して前記合計流量を制御し、前記合計流量を前記閾値流量(V1)以上に制御する場合には、前記第1及び第2ノズル(4A,4B)の両方の流量を調整して前記合計流量を制御することを特徴とする。
第2の発明のタービン発電機において、
前記ノズル流量制御部(100)は、前記合計流量を前記閾値流量(V1)未満に制御する場合に、前記第2ノズル(4B)を全閉にすることを特徴とする。
第2又は第3の発明のタービン発電機において、
前記閾値流量(V1)は、前記第1ノズル(4A)を全開にした時の流量値であることを特徴とする。
第1から第4の発明のうちの何れか1つのタービン発電機において、さらに、
流量が連続的に可変、且つ喉部(42B)の通路断面積が前記第1ノズル(4A)の喉部(42A)よりも大きく構成されて、前記流体を前記タービン羽根車(5)に噴射する第3ノズル(4C)を、少なくとも1つ以上備え、
前記ノズル流量制御部(100)は、前記第3ノズル(4C)の流量制御も行うことを特徴とする。
圧縮機(12)と、放熱器(13)と、蒸発器(14)とを含んだ冷媒回路(10)を有し、該冷媒回路(10)において冷媒を循環させて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、
第1から第5の発明のうちの何れか1つのタービン発電機(2)を備え、
各ノズル(4A,4B)は、前記冷媒回路(10)に接続されて前記冷媒を噴射し、
前記タービン発電機(2)は、噴射された前記冷媒で前記タービン羽根車(5)が駆動されて発電することを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態に係るタービン発電機(2)の構成を模式的に示す縦断面図である。本実施形態のタービン発電機(2)は、例えば冷凍装置に用いられる。この冷凍装置は、冷媒回路で冷媒を循環させて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うように構成され、タービン発電機(2)は、該冷媒回路を循環する冷媒(流体)の運動エネルギを電力に変換して回収するようなっている。
タービン発電機(2)は、図1に示すように、タービン(3)、発電機構(6)、ケーシング(7)、及びノズル流量制御部(100)を備えている。
ケーシング(7)は、タービン(3)及び発電機構(6)を収容する。このケーシング(7)は、円筒形状をしていて、2つの軸受(71,71)を備えている。2つの軸受(71,71)は、ケーシング(7)の長手方向に互いに離間している。また、このケーシング(7)には、冷媒が流入する2つの流入部(72,72)と、冷媒が流出する流出部(73)とが設けられている。2つの流入部(72,72)は、ケーシング(7)内のタービン(3)と略同じ高さであって、該タービン(3)を中心にして回転対称の位置関係にある。これらの流入部(72,72)にはそれぞれ、後に詳述する、第1及び第2ニードル弁(9A,9B)の本体部(94A,94B)が接続されている。また、流出部(73)は、ケーシング(7)の底部近傍であって、タービン(3)よりも下方に位置し、流出側の冷媒配管(11)によって蒸発器(14)に接続されている。
タービン(3)は、回転シャフト(31)、タービン羽根車(5)、第1ノズル(4A)、第2ノズル(4B)、第1ニードル弁(9A)、及び第2ニードル弁(9B)を備えている。このタービン(3)は、ペルトンタービンであって、ノズル(4A,4B)により冷媒の圧力エネルギを速度エネルギに変換して、該冷媒をタービン羽根車(5)に対して噴射することによって、タービン羽根車(5)を回転させて、回転シャフト(31)を介して回転動力を出力する。
タービン羽根車(5)は、水力発電等に利用されるものより極めて小さいものである。具体的には、タービン羽根車(5)は、図3に示すように、円盤状の羽根車本体(51)と該羽根車本体(51)の外周面に設けられた複数の羽根部(52,52,…)とを有している。
ハウジング(32)は、タービン羽根車(5)を収容し且つ第1及び第2ノズル(4A,4B)を配設する。このハウジング(32)は、図3に示すように、ケーシング(7)の内周面に嵌合した状態で取り付けられており、中央に、タービン羽根車(5)を収容する円筒状の収容空間(33)が形成されている。
第1ノズル(4A)は、流量が連続的に可変で、前記冷媒をタービン羽根車(5)に噴射する。この例では、第1ノズル(4A)として、いわゆるラバルノズルを採用している。具体的には、第1ノズル(4A)は、図1に示すように、縮径部(41A)、喉部(42A)、及び拡径部(43A)の各部により形成された内部流路(40A)を有している。縮径部(41A)は、内径が下流側に向かって徐々に小さくなる流路である。喉部(42A)は、該縮径部(41A)の下流端に位置し、内部流路(40A)のうち内径が最も小さくなった部分である。また、拡径部(43A)は、内径が喉部(42A)から下流側に向かって徐々に大きくなっている。すなわち、縮径部(41A)及び拡径部(43A)の内周面は、内径が徐々に変化するテーパ面となっている。この第1ノズル(4A)は、後述するように第1ニードル弁(9A)によって流量を調節することができるように構成されている。
第2ノズル(4B)は、流量が連続的に可変で、前記冷媒をタービン羽根車(5)に噴射する。この例では、第2ノズル(4B)にも、いわゆるラバルノズルを採用している。
第1ニードル弁(9A)は、第1ノズル(4A)の喉部(42A)の開度を調整する。すなわち、第1ニードル弁(9A)は、第1ノズル(4A)を通過する冷媒の流量を調節する。具体的に、この第1ニードル弁(9A)は、図1に示すように、第1本体部(94A)、棒状のニードル(91A)、該ニードル(91A)の先端に設けられた弁体(92A)、ニードル(91A)の基端に設けられ、該ニードル(91A)を進退自在に駆動するアクチュエータ(93A)を備えている。
第2ニードル弁(9B)は、第2ノズル(4B)の喉部(42B)の開度を調整する。すなわち、第2ニードル弁(9B)は、第2ノズル(4B)を通過する冷媒の流量を調節する。具体的に、この第2ニードル弁(9B)は、前記第1ニードル弁(9A)と同様の構造を有している。具体的には図1に示すように、第1ニードル弁(9A)における第1本体部(94A)、ニードル(91A)、弁体(92A)、及びアクチュエータ(93A)にそれぞれ相当する、第2本体部(94B)、ニードル(91B)、弁体(92B)、及びアクチュエータ(93B)を備えている。
発電機構(6)は、ロータ(61)と、ステータ(62)とを有し、ケーシング(7)内において2つの軸受(71,71)の間に配設されている。ロータ(61)は、タービン(3)の回転シャフト(31)に対して固定的に取り付けられて該回転シャフト(31)と一体的に回転する。また、ステータ(62)は、前記ロータ(61)の外周側に設置されて、ケーシング(7)に固定されている。このステータ(62)は、図示を省略するが、スロットが形成される固定子鉄心とスロットに配置される固定子コイルとを有する。
ノズル流量制御部(100)は、所定の信号をそれぞれのアクチュエータ(93A,93B)に与えることによって、それぞれのニードル弁(9A,9B)の開度を調整し、それぞれのノズル(4A,4B)の流量の制御を行う。このときノズル流量制御部(100)は、2つのノズル(4A,4B)の合計流量が、冷媒回路(10)で流通すべき冷媒の流量(この流量は冷凍装置(1)の運転状態に応じて定まる)になるように、それぞれのニードル弁(9A,9B)の開度の調整を行う。
〈動作の概要〉
冷凍装置(1)では、電動圧縮機(12)が運転状態にされると、冷媒回路(10)において、冷媒が循環する。具体的には、電動圧縮機(12)が吐出した冷媒は、冷媒配管(11)を介して放熱器(13)に流入する。これにより、放熱器(13)は冷媒の熱を放出する。
次に、ノズル流量制御部(100)が行う第1及び第2ノズル(4A,4B)の流量調整について説明する。この冷凍装置(1)では、第1及び第2ニードル弁(9A,9B)は、図6(B)及び図6(C)に示すように、冷媒回路(10)に流通させるべき冷媒の流量(以下、説明の便宜上目標流量と呼ぶ)に応じて、それぞれの開度が調節される。
以上のように、本実施形態では、互いに喉部の通路断面積が異なる2つのノズルを設けてそれぞれのノズルの流量を別個に制御するようにした。それゆえ、目標とする合計流量に応じて、タービン発電機(2)全体としてのノズル効率が最も大きくなるように、それぞれのノズル(4A,4B)の流量を調整することが可能になる。すなわち、タービン発電機全体としては、ノズルが1つのみの構成に比べて、供給される流体の流量変化にともなうノズル効率低下を低減することが可能になる。そして、このようにノズル効率低下を低減できれば、流体の圧力エネルギをタービンの回転動力に効率良く変換することが可能になり、ひいては、該圧力エネルギを電力に効率良く変換することが可能になる。
なお、ノズル形状は前記の例には限定されない。前記のラバルノズルの他にも、例えば、いわゆる喉部から下流がストレート構造のストレートノズルなどを採用することも可能である。
2 タービン発電機
4A 第1ノズル
4B 第2ノズル
4C 第3ノズル
5 タービン羽根車
10 冷媒回路
12 電動圧縮機(圧縮機)
13 放熱器
14 蒸発器
42A 喉部
42B 喉部
100 ノズル流量制御部
V1 閾値流量
Claims (6)
- 噴射された流体を受けて回転するタービン羽根車(5)を有し、該タービン羽根車(5)の回転力で発電するタービン発電機であって、
流量が連続的に可変で、前記流体を前記タービン羽根車(5)に噴射する第1ノズル(4A)と、
流量が連続的に可変、且つ喉部(42B)の通路断面積が前記第1ノズル(4A)の喉部(42A)の通路断面積よりも大きく構成され、前記流体を前記タービン羽根車(5)に噴射する第2ノズル(4B)と、
前記第1及び第2ノズル(4A,4B)のそれぞれの流量制御を行うノズル流量制御部(100)と、
を備えていることを特徴とするタービン発電機。 - 請求項1のタービン発電機において、
前記ノズル流量制御部(100)は、前記第1及び第2ノズル(4A,4B)の合計流量を所定の閾値流量(V1)未満に制御する場合には、前記第1ノズル(4A)の流量のみを調整して前記合計流量を制御し、前記合計流量を前記閾値流量(V1)以上に制御する場合には、前記第1及び第2ノズル(4A,4B)の両方の流量を調整して前記合計流量を制御することを特徴とするタービン発電機。 - 請求項2のタービン発電機において、
前記ノズル流量制御部(100)は、前記合計流量を前記閾値流量(V1)未満に制御する場合に、前記第2ノズル(4B)を全閉にすることを特徴とするタービン発電機。 - 請求項2又は請求項3のタービン発電機において、
前記閾値流量(V1)は、前記第1ノズル(4A)を全開にした時の流量値であることを特徴とするタービン発電機。 - 請求項1から請求項4のうちの何れか1つのタービン発電機において、さらに、
流量が連続的に可変、且つ喉部(42B)の通路断面積が前記第1ノズル(4A)の喉部(42A)よりも大きく構成されて、前記流体を前記タービン羽根車(5)に噴射する第3ノズル(4C)を、少なくとも1つ以上備え、
前記ノズル流量制御部(100)は、前記第3ノズル(4C)の流量制御も行うことを特徴とするタービン発電機。 - 圧縮機(12)と、放熱器(13)と、蒸発器(14)とを含んだ冷媒回路(10)を有し、該冷媒回路(10)において冷媒を循環させて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、
請求項1から請求項5のうちの何れか1つのタービン発電機(2)を備え、
各ノズル(4A,4B)は、前記冷媒回路(10)に接続されて前記冷媒を噴射し、
前記タービン発電機(2)は、噴射された前記冷媒で前記タービン羽根車(5)が駆動されて発電することを特徴とする冷凍装置。
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