JP2010228852A - 糸継機構及びそれを用いたサンプル整経機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
下流側の給糸糸速に合わせた糸継調整と糸継束時のテンションムラを除去する事ができ、糸継時に下流側の給糸糸速と糸継装置の大幅な糸速誤差をなくし、風力による糸継時の糸の緩みや、遠心力による糸のテンションムラ等の問題を解消し、下流側の給糸中の糸継ぎ時における糸切れの問題を解消することができるようにした糸継機構及びそれを用いたサンプル整経機を提供する。
【解決手段】
上流側と下流側の糸とを糸継ぎするための糸継装置と、前記下流側の糸を貯留しておくための糸貯留装置と、前記糸継装置と前記糸貯留装置との間の糸の張力制御するための糸張力調整装置と、を含み、前記糸貯留装置が、糸が巻き付けられるための貯留ドラムと、該貯留ドラムを駆動させるための駆動手段と、該貯留ドラムの速度制御を行うための速度制御手段と、を含むようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、糸処理のための糸継機構及びそれを用いたサンプル整経機に関するものである。
従来、糸継装置を設けた糸継機構を設けたサンプル整経機として、特許文献1に記載されたサンプル整経機や特許文献2に記載されたサンプル整経機が知られている。
糸継装置を使用すると、糸継ぎには、糸継位置への誘導準備時間・糸継動作時間・糸開放時間が必要となる。糸継動作時間とは、糸の走りを止め糸継ぎ作業を行う時間である。
糸の走りを止めることなく糸継作業を行うには、糸継ぎ装置自体を整経糸速に合わせ進行方向に移動する必要がある。特許文献1のように糸貯留装置をフロントに搭載した場合であっても、繰り返し整経を行うためには、糸継動作時間の間は糸を止める必要があるため、糸貯留装置、糸供給部の回転動作は糸継中には回転を止めることになる。
すなわち、糸貯留装置の糸出口では、整経糸速に合わせ糸の排出をするが糸貯留装置ドラム内の設定巻き量は、糸供給部が回転していない間は糸貯留装置ドラムの糸は少なくなることになる。
この機構では、整経糸速に限界があり糸貯留装置の巻き量で補える糸量分の整経糸速になる。
糸継ぎ終了後、糸貯留装置ドラム内の設定貯留数に復帰するまでには時間があり、次の糸継ぎ動作は、設定貯留数を完了するまで行えない事になる。したがって、この動作でも、整経糸速に限界があり時間のロスにつながる事になる。
故に、ノッタービル方式の糸継装置を使用する場合、上流側の給糸部からの糸と下流側の整経ドラムに巻き付ける糸とを結ぶ時に、整経ドラムの回転を止めずに糸を走らせたまま糸継ぎ動作を連続的に行うことは不可能である。
このように、糸の糸継動作時間中は下流側の給糸を止める必要があるため、糸貯留装置、糸供給部の回転動作は糸継中には回転を止める必要があり、整経時間のロスなどにつながるといった問題があった。
また、上記した従来の糸継機構では、整経中に糸継ぎを行うと、糸切れの問題が発生するという問題があった。
特許第4104061号 特許第3930027号 特許第4120634号 特許第3764474号
本発明者らは、上記した問題点を解消した新規な機構を有する糸継機構を開発すべく研究を重ねた結果、糸貯留装置の貯留される糸の速度を制御することにより、連続的に給糸を行っても、糸の糸継動作時間の間に下流側の給糸を止める必要のない糸継ぎ装置を開発することに成功し、本発明に到達したものである。
また、糸の張力を調整する糸張力調整機構を設けることにより、下流側の給糸中の糸継ぎ時における糸切れの問題を解消することができるという知見を得ることにより、本発明に到達したものである。
本発明の目的は、下流側の給糸糸速に合わせた糸継調整と糸継束時のテンションムラを除去する事ができ、糸継時に下流側の給糸糸速と糸継装置の大幅な糸速誤差をなくし、風力による糸継時の糸の緩みや、遠心力による糸のテンションムラ等の問題を解消し、下流側の給糸中の糸継ぎ時における糸切れの問題を解消することができるようにした糸継機構及びそれを用いたサンプル整経機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る糸継機構は、
複数のボビンが設けられた給糸部が上流側に位置し、前記給糸部からの糸を処理するための糸処理部が下流側に位置し、前記給糸部からの糸が連続的に下流側に送られる糸処理装置に用いられる糸継機構であって、
上流側と下流側の糸とを糸継ぎするための糸継装置と、
前記下流側の糸を貯留しておくための糸貯留装置と、
前記糸継装置と前記糸貯留装置との間の糸の張力を制御するための糸張力調整装置と、
を含み、
前記糸貯留装置が、糸が巻き付けられるための貯留ドラムと、該貯留ドラムを駆動させるための駆動手段と、該貯留ドラムの速度制御を行うための速度制御手段と、
を含むことを特徴とする。
糸貯留装置としては、糸が巻き付けて蓄えておくための貯留ドラムと、該貯留ドラムを駆動させるための駆動手段と、該貯留ドラムの速度制御を行うための速度制御手段を有していればよいものである。したがって、例えば、特許文献1〜3に記載されている糸貯留装置に速度制御手段を設けるように構成することもできるし、市販されているドラム式のアキュムレータに速度制御手段を設けてもよい。
このように構成することで、下流側の給糸糸速に合わせた糸継調整と糸継時のテンションムラを除去する事ができ、糸継時に下流側の給糸糸速と糸継装置の大幅な糸速誤差をなくすことができる。
本発明の糸継機構は、サンプル整経機だけでなく整経機、織機、編み機など、糸継ぎを必要とする糸の処理装置に用いることができる。
前記給糸部は、例えば、ボビンを有するクリールであり、異種及び/又は同種の糸を備えた複数のボビンを有する回転式給糸部であるのが好適である。
また、前記糸処理部は、例えば、前記糸継機構が用いられる装置がサンプル整経機の場合には、整経ドラムを有する巻き付け部であり、織機の場合には、緯入れ装置を有する織り部であり、編み機の場合には、針を有する編み部である。
また、糸貯留装置の貯留ドラムの駆動手段としては、駆動モータが好適に用いられ、例えば公知のステッピングモータを使用することができる。前記貯留ドラムの速度制御を行うための速度制御手段としては、例えば、プログラム制御された公知のパルス発信機を有するコントローラユニットを使用することができる。したがって、コントローラユニットを用いて、パルス発信機をプログラム制御して駆動モータの増減速を行うように構成すればよい。
前記貯留ドラムの速度制御を行うための速度制御手段を設けたので、下流側の給糸糸速を落とすことなく糸継ぎする事が可能になった。
前記速度制御手段は、糸継時の糸の停止時間分の糸量を確保するためのものであり、この確保量を糸種の条件に合わせ自由に調整し糸の確保量を選択する。糸量確保を自由に選択できることは、糸の糸継動作時間の糸速を糸種に合わせ選択できることになるため、あらゆる糸種に対応可能となり、糸継時の安定化と整経などの糸処理の時間の大幅な削減が可能となる
前記速度制御手段を設けたことで、糸の糸継時の動作条件が安定化し、下流側の給糸糸速を自由に選択でき整経などの糸処理の時間の大幅な短縮が可能となる。
このように、前記貯留ドラムの速度制御を行うための速度制御手段を設けることで、貯留装置の糸供給部の回転を止める必要が無くなるという利点がある。また、速度制御手段によって下流側の給糸糸速を制御することによって整経糸速×結束時間分(糸継時間分)の糸量、すなわち糸継ぎ動作分の糸量を確保出来るので、上述したように一般に市販されているアキュムレータに速度制御手段を取りつければ、本発明に用いられる糸貯留装置となる。
また、前記貯留ドラムの速度制御を行うことで糸継動作分の糸量を保持する為、下流側の給糸糸速を限定することはない。
また、糸継時に下流側の給糸を停止させる必要がないため、糸継時のテンションムラが解決出来る。
前記糸張力調整装置が、糸屈折位置と非糸屈折位置とに変位可能な糸屈折部材を有し、給糸動作中は糸屈折部材を糸屈折位置に変位せしめて糸を屈折せしめ、糸継動作中は糸屈折部材を非糸屈折位置に変位せしめて屈折分の糸を開放することにより、糸継動作分の糸量を確保するようにするのが好適である。
また、前記糸屈折部材が、ベース体に回動自在に取りつけられ、先端部に糸保持部材を有し、糸屈折位置と非糸屈折位置とに変位可能な一対のダンパーロッド部材であり、
前記糸継装置側の糸を一方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、前記糸貯留装置側の糸を他方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、
給糸動作中は糸屈折部材を糸屈折位置に変位せしめて糸を屈折せしめ、
糸継動作中は糸屈折部材を非糸屈折位置に変位せしめて屈折分の糸を開放することにより、糸継動作分の糸量を確保するように構成することもできる。
このように、ベース体に一対のダンパーロッド部材を回動自在に取り付けて、給糸動作中は糸屈折位置、糸継動作中は非糸屈折位置へと変位するように構成することで、給糸動作中は糸が屈折せしめられ、糸継動作中は糸が直線状となることとなる。したがって、屈折せしめられていた糸が直線状となると屈折分の糸が開放されて糸の張力が緩むので、糸継ぎ動作に必要な糸量を確保することが可能となる。
糸保持部材が、ダンパーロッド部材の先端部に設けられたノントルクローラーであり、該ノントルクローラーに糸を掛架せしめることで、糸を保持するように構成することが好ましい。
また、一対のダンパーロッド部材の取り付け個数、一対のダンパーロッド部材の長さ、糸の屈折数などを変えることで、糸継ぎ動作時間に確保する糸量を調整することができる。
また、前記糸張力調整装置が、ベース体と、
前記ベース体に設けられ、回転自在とされたドラム式ロールダンパー部材と、
回動可能に前記ベース体に取りつけられ、先端部に糸保持部材を有し、給糸位置と糸継位置とに変位可能な一対のダンパーロッド部材を有し、
前記糸継装置側の糸を一方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、前記糸貯留装置側の糸を他方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、
前記ドラム式ロールダンパー部材に糸が巻きつけられるようにし、
前記一対のダンパーロッド部材を給糸動作中は給糸位置、糸継動作中は糸継位置に変位せしめ、さらにドラム式ロールダンパー部材に糸が自在に巻きつけられるように構成し、糸継動作分の糸量を確保するように構成することもできる。
前記した糸屈折部材では糸量を補えない場合、糸種によりドラム式ロールダンパー部材を使用する。ドラム式ロールダンパー部材は、ダンパーロッド部材とダンパーロッド部材の間に電気制御式ドラムロールを回転自在に取り付け、前記電気制御式ドラムロールに糸継動作時間に必要な糸量を巻き付けて、自在に糸量の確保をするためのものである。
本発明のサンプル整経機の第1の態様は、前記糸継機構を有するサンプル整経機であって、
整経ドラムと、該整経ドラムの外周部の長手方向で移動自在に設けられた複数のコンベアベルトと、該整経ドラムと相対向して設けられ、複数のボビンが取りつけられた回転式給糸部と、前記ボビンから引き出された糸を前記整経ドラムに巻き付ける複数のヤーンガイドと、
前記回転式給糸部と前記整経ドラムとの間に設けられた前記糸継機構と、
を含むことを特徴とする。
前記糸継機構は、前記複数のヤーンガイドに対応して回転体上に夫々設けられ、ヤーンガイドと同期運転されてなるのが好適である。より具体的には、サンプル整経機の整経ドラムに糸を巻き付けるための複数のヤーンガイドと同数の糸継機構を回転式給糸部に設け、前記回転式給糸部とヤーンガイドとを同期運転せしめるのが好適である。同期運転するにあたっては、回転式給糸部とヤーンガイドとを機械的に連結して同じタイミングで回転せしめるか、回転式給糸部とヤーンガイドとを電気的に同じタイミングで回転せしめるようにすればよい。電気的に同期運転させるには、例えばパルス発信機をプログラム制御してステッピングモータで回転式給糸部とヤーンガイドとを同期運転せしめることができる。
前記ヤーンガイドは、整経ドラム前面に回転自在に取りつけてもよいし、特許文献4のように、回転式給糸部の方に回転自在に取りつけることも可能である。
糸継機構には、さらに糸選択装置を設けることで、1つの糸継機構で、複数のボビンを有する回転式給糸部からの多配色の糸継ぎ選択が可能となる。例えばパーソナルコンピュータ上で整経プログラムデータを入力し、出力された画面の指示に従い、回転式給糸部に柄選択されたボビンパッケージを搭載する。これにより、回転体上で、糸柄の交換が自在にでき整経柄を自由に選択することが可能となる。
サンプル整経機に前記糸継機構を組み込むことで、回転体上で柄選択(糸の継ぎ替え)が可能になり、単一のデザイン整経から縦方向のデザイン柄も複数可能になる。この整経方式は、整経の終わった糸を織機に掛ける際に必要な準備時間の短縮にもつながり、製織稼働率を大幅に変えることができる。また整経動作中に糸継ぎをするため、糸継ぎ場所のテンションムラを抑え、製織の際のテンション調整・試し織りが必要でなくなるという利点もある。さらに、糸継ぎも整経ドラムを動かしたまま行うことによりテンションムラが無くなり、織機のドロッパー・筬等の糸抜けも良くなり作業時間の短縮にもつながるという利点がある。
また、糸を着色する際、ボビンに巻かれた糸は、外側・中間・内側と着色ムラが出るが、糸割りや整経途中で機械を停止し、ボビン糸交換などして染めムラ防止を対応していた。しかし、回転体上で糸継ぎを行う事により、機械を停止させることなく使用糸量を変化させることで染めムラの防止も出来るという利点がある。
さらに、回転体上に糸継ぎ装置を搭載した事で、糸に遠心力と風力の問題が発生するが、回転体上での、風力・遠心力等の悪条件は、前記糸貯留装置の速度制御により糸の張力調整を行えるため、糸継動作時の安定化が実現するという利点がある。
糸種は多品種あり、特性もさまざまである。数ある糸種を対応するには、それぞれ糸種の特徴に合わせた調整が必要となるが、前記糸貯留装置の速度制御により糸の張力調整を行えるため、さまざま糸種に対応できる。
前記糸貯留装置にはさらに、前記貯留ドラムに巻き付けられている糸の巻き数をカウントするための巻き数カウント手段を有するのが好ましい。巻き数カウント手段としては、光電センサーを使用でき、好ましくは、前記貯留ドラムの入り口側と出口側に配置する。
また、貯留ドラムへの糸の巻き数を巻き数カウント手段でカウントして、速度制御を行うので、前記貯留ドラムのドラム直径のサイズの変更が自在となる。すなわち、貯留ドラムのドラム直径が大きければ、貯留ドラムの回転数を落とし、貯留ドラムのドラム直径が小さければ、貯留ドラムの回転数を上げれば、整経速度を変える必要がなくなる。これにより、さまざまなタイプの糸貯留装置に速度制御手段を設けるだけで本発明に用いられる糸貯留装置となる。
また、本発明の第2の態様に係る糸継機構は、複数のボビンが設けられた給糸部が上流側に位置し、前記給糸部からの糸を処理するための糸処理部が下流側に位置し、前記給糸部からの糸が連続的に下流側に送られる糸処理装置に用いられる糸継機構であって、
上流側と下流側の糸とを糸継ぎするための糸継装置と、
前記糸継装置と前記糸処理部との間の糸の張力を制御するための糸張力調整装置と、
を含むことを特徴とする。
前記糸張力調整装置が、糸屈折位置と非糸屈折位置とに変位可能な糸屈折部材を有し、給糸動作中は糸屈折部材を糸屈折位置に変位せしめて糸を屈折せしめ、糸継動作中は糸屈折部材を非糸屈折位置に変位せしめて屈折分の糸を開放することにより、糸継動作分の糸量を確保するようにするのが好適である。
また、前記糸屈折部材が、ベース体に回動自在に取りつけられ、先端部に糸保持部材を有し、糸屈折位置と非糸屈折位置とに変位可能な一対のダンパーロッド部材であり、
前記糸継装置側の糸を一方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、前記糸処理部側の糸を他方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、
給糸動作中は糸屈折部材を糸屈折位置に変位せしめて糸を屈折せしめ、
糸継動作中は糸屈折部材を非糸屈折位置に変位せしめて屈折分の糸を開放することにより、糸継動作分の糸量を確保するように構成することもできる。
このように、ベース体に一対のダンパーロッド部材を回動自在に取り付けて、給糸動作中は糸屈折位置、糸継動作中は非糸屈折位置へと変位するように構成することで、給糸動作中は糸が屈折せしめられ、糸継動作中は糸が直線状となることとなる。したがって、屈折せしめられていた糸が直線状となると屈折分の糸が開放されて糸の張力が緩むので、糸継ぎ動作に必要な糸量を確保することが可能となる。
糸保持部材が、ダンパーロッド部材の先端部に設けられたノントルクローラーであり、該ノントルクローラーに糸を掛架せしめることで、糸を保持するように構成することが好ましい。
また、一対のダンパーロッド部材の取り付け個数、一対のダンパーロッド部材の長さ、糸の屈折数などを変えることで、糸継ぎ動作時間に確保する糸量を調整することができる。
また、前記糸張力調整装置が、ベース体と、
前記ベース体に設けられ、回転自在とされたドラム式ロールダンパー部材と、
回動可能に前記ベース体に取りつけられ、先端部に糸保持部材を有し、給糸位置と糸継位置とに変位可能な一対のダンパーロッド部材を有し、
前記糸継装置側の糸を一方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、前記糸処理部側の糸を他方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、
前記ドラム式ロールダンパー部材に糸が巻きつけられるようにし、
前記一対のダンパーロッド部材を給糸動作中は給糸位置、糸継動作中は糸継位置に変位せしめ、さらにドラム式ロールダンパー部材に糸が自在に巻きつけられるように構成し、糸継動作分の糸量を確保するように構成することもできる。
前記した糸屈折部材では糸量を補えない場合、糸種によりドラム式ロールダンパー部材を使用する。ドラム式ロールダンパー部材は、ダンパーロッド部材とダンパーロッド部材の間に電気制御式ドラムロールを回転自在に取り付け、前記電気制御式ドラムロールに糸継動作時間に必要な糸量を巻き付けて、自在に糸量の確保をするためのものである。
本発明のサンプル整経機の第2の態様は、前記糸継機構を有するサンプル整経機であって、
整経ドラムと、該整経ドラムの外周部の長手方向で移動自在に設けられた複数のコンベアベルトと、該整経ドラムと相対向して設けられ、複数のボビンが取りつけられた回転式給糸部と、前記ボビンから引き出された糸を前記整経ドラムに巻き付ける複数のヤーンガイドと、
前記回転式給糸部と前記整経ドラムとの間に設けられた前記糸継機構と、
を含むことを特徴とする。
前記糸継機構は、前記複数のヤーンガイドに対応して回転体上に夫々設けられ、ヤーンガイドと同期運転されてなるのが好適である。より具体的には、サンプル整経機の整経ドラムに糸を巻き付けるための複数のヤーンガイドと同数の糸継機構を回転式給糸部に設け、前記回転式給糸部とヤーンガイドとを同期運転せしめるのが好適である。
本発明の糸継機構及びそれを用いたサンプル整経機によれば、下流側の給糸糸速に合わせた糸継調整と糸継時のテンションムラを除去する事ができ、糸継時に下流側の給糸糸速と糸継装置の大幅な糸速誤差をなくし、風力による糸継時の糸の緩みや、遠心力による糸のテンションムラ等の問題を解消し、下流側の給糸中の糸継ぎ時における糸切れの問題を解消することができるようにした糸継機構及びそれを用いたサンプル整経機を提供することができるという著大な効果を奏する。
本発明の第1の態様の糸継機構における一つの実施の形態を示す図である。 本発明の第1の態様の糸継機構の一つの実施の形態における糸張力調整装置の給糸状態及び糸継状態を模式的に示す図である。 本発明の第1の態様のサンプル整経機における一つの実施の形態を示す一部断面側面図である。 図3のIV−IV線一部切り欠き断面図である。 図3の要部拡大図である。 本発明の第1の態様の糸継機構の一つの実施の形態における給糸状態を示す図である。 本発明の第1の態様の糸継機構の一つの実施の形態における糸継状態を示す図である。 本発明の第1の態様の糸継機構の一つの実施の形態における減速開始状態を示す図である。 本発明の第1の態様の糸継機構の一つの実施の形態における糸継開始状態を示す図である。 本発明の第1の態様の糸継機構の一つの実施の形態における糸継完了状態を示す図である。 本発明の第1の態様の糸継機構の別の実施の形態における給糸状態を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例はあくまでも例示的なものであり、本発明の技術思想から逸脱しない限り図示例以外にも種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明に係る糸継機構の一つの実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1及び図2において、符号10Aは本発明に係る糸継機構の第1の態様の一つの実施の形態を示す。
糸継機構10Aは、複数のボビンB1,B2,B3がボビンスタンド56に設けられた給糸部12が上流側に位置し、前記給糸部12からの糸14a,14b,14cを処理するための糸処理部が下流側に位置し、前記給糸部12からの上流側の糸14a,14b,14cが連続的に下流側に送られる糸処理装置に用いられる糸継機構であって、上流側の糸14a,14b,14cと下流側の糸16とを糸継ぎするための糸継装置18と、前記下流側の糸16を貯留しておくための糸貯留装置20と、前記糸継装置18と前記糸貯留装置20との間の糸の張力を制御するための糸張力調整装置22Aと、を含み、前記糸貯留装置20が、糸が巻き付けられるための貯留ドラム24と、該貯留ドラム24を駆動させるための駆動手段26と、該貯留ドラムの速度制御を行うための速度制御手段28と、を含むように構成されている。
糸貯留装置20の貯留ドラム24の駆動手段26としては、駆動モータが用いられている。速度制御手段28は、プログラム制御されたパルス発信機を有するコントローラユニットであり、速度制御手段28によって、パルス発信機をプログラム制御して駆動手段26の増減速が行われる。貯留ドラム24は回転軸38を軸として回転する。
また、貯留ドラム24には、糸16の巻き数をカウントするための巻き数カウント手段として、入り口側と出口側に光電センサー40a,40bが設けられている。
糸継ぎ機構10Aには、さらに糸選択装置42が設けられている。糸選択装置42は、ボビンB1,B2,B3毎に配設された糸ガイド44を夫々有し、上流側の糸14a,14b,14cを適宜選択して糸継装置18へ案内する糸ガイド位置(選択位置)44A又は糸16を吸引部材48へ案内する糸ガイド位置(待機位置)44Bに移動自在に制御される構造となっている。
糸継装置18は、上流側の糸14a,14b,14cの切断と下流側の糸16との糸継を行うものであり、糸選択装置42により選択された上流側の糸14a,14b,14cの選択された糸Ysが糸継装置18へ案内されて下流側の糸16と糸継ぎされるように構成されている。この糸継装置18としては空気渦流により糸継するスプライサー装置でもよいし、糸結びを行うノッター装置でもよい。
糸選択装置42により選択されなかった待機中の糸Ywは、吸引部材48に吸引され、吸引部材48に吸引されている(糸継装置18へ案内されていない待機中の)上流側の糸14a,14b,14cは、糸保持ローラ50と糸保持板46により挟持される。糸保持ローラ50は、外周面にウレタン等の弾性材が被覆されたローラ部材であり、糸保持板46は糸保持ローラ50に接離自在とされている。なお、符号58は、上流側の糸14a,14b,14cに張力を付加する張力付加部材である。
前記糸張力調整装置22Aは、ベース体32と、前記ベース体32に回動自在に取りつけられ、先端部に糸保持部材34a.34bを有し、糸屈折位置RP(すなわち、給糸位置)と非糸屈折位置NP(すなわち、糸継位置)とに変位可能な糸屈折部材としての一対のダンパーロッド部材54a,54bを有し、前記糸継装置18側の糸を一方のダンパーロッド部材54aの糸保持部材34aに保持せしめ、前記糸貯留装置20側の糸を他方のダンパーロッド部材54bの糸保持部材34bに保持せしめ、給糸動作中はダンパーロッド部材54a,54bを糸屈折位置RPに変位せしめて糸を屈折せしめ、糸継動作中は糸屈折部材を非糸屈折位置NPに変位せしめて屈折分の糸16を開放することにより、糸継動作分の糸量を確保するようにされている。
図示の例では、前記糸保持部材34a.34bは、ダンパーロッド部材54a,54bの先端部に設けられたノントルクローラーであり、該ノントルクローラーに糸16を掛架せしめることで、糸16を保持するようにされている。
前記糸張力調整装置22Aには、ダンパーロッド部材54a,54bを糸屈折位置RPで固定するためのダンパーロッド固定部材60a,60bと、糸種に合わせてダイヤル調整、スプリング調整を行うためのダイヤル式張力テンサー62a,62b、スプリングテンサー64a,64bとが設けられている。ダンパーロッド固定部材60a,60bは電気信号によって適正位置に固定されるように構成されているが、エアーなどを用いることも可能である。
なお、スプリングテンサー64a,64bは、固定解除になったダンパーロッド部材54a,54bは、糸の張力により整経側で糸を引かれるため、ダンパーロッド部材54a,54bで固定していた糸量が少なくなってゆく。この時の適正テンションを制御するためのものである。スプリングは糸種により交換可能である。
ダイヤル式張力テンサー62a,62bは、ダンパーロッド部材54a,54bにブレーキを掛け摩擦係数を利用するものである。スプリングテンサーで補えない糸種に用いる。
このようにして、図2によく示されるように、給糸動作中はダンパーロッド部材54a,54bを糸屈折位置RPに変位せしめて糸を屈折せしめ(図2の実線)、糸継動作中は糸屈折部材を非糸屈折位置NPに変位せしめて屈折分の糸16を開放することにより(図2の仮想線)、糸継動作分の糸量を確保するようにされている。
次に、糸継機構10Aを、サンプル整経機に使用した例を図3〜図10に示す。
本発明に係るサンプル整経機100は、糸継機構10Aを有するサンプル整経機であり、整経ドラム68と、該整経ドラム68の外周部の長手方向で移動自在に設けられた複数のコンベアベルト70と、該整経ドラム68と相対向して設けられ、複数のボビンB1〜B16が取りつけられた回転式給糸部72と、前記ボビンB1〜B16から引き出された糸16を前記整経ドラム68に巻き付ける複数のヤーンガイド74と、前記回転式給糸部72と前記整経ドラム68との間に設けられた前記糸継機構10Aと、を含むように構成されている。
図示例では、本発明の糸継機構の第1態様である糸継機構10Aは糸貯留装置20を有しているが、糸継装置18と糸処理部82との間の糸の張力を糸張力調整装置22Aによって調整すれば、糸種によっては糸貯留装置20が不要な場合もあり、その場合には、糸貯留装置20を設けなくてもよい。糸貯留装置20を設けない場合には、本発明の糸継機構の第2態様となる。糸貯留装置20を設けない構成については図示を省略する。
整経ドラム68は、ドラム枠76,78を有しており、主軸パイプ92に回転可能に取り付けられている。ボビンB1〜B16から引き出された糸16は複数のヤーンガイド74により整経ドラム68に巻き付けられる。これが、巻き付け部82であり、糸処理部に相当する。符号80は、床面である。符号66は、結束位置を示す結び目である。
ボビンB1〜B16を有する回転式給糸部72は、ボビンスタンド56がドライブシャフト84に回転可能に取り付けられており、ヤーンガイド74の回転と回転式給糸部72のボビンスタンド56とが同期回転せしめられる。このような同期運転の構成については、特許文献2などからも知られているため再度の詳細な説明は省略する。
糸継機構10Aは、支持台86に取り付けられており、前記支持台86は、プレート部材88に取り付けられている。プレート部材88は、フレーム部材90に取り付けられており、フレーム部材90は、ドライブシャフト84に回転可能に取り付けられている。このようにして、糸継機構10Aは、回転式給糸部72と一体的に回転するように構成されている。すなわち、ボビンスタンド56と糸継機構10Aとヤーンガイド74とは同期的に回転する。
また、図3及び図4によく示されるように、糸継機構10Aが、複数のヤーンガイド74に対応してフレーム部材90上に夫々設けられ、ヤーンガイド74と同期運転されている。
糸継機構10Aは、給糸状態では、ダンパーロッド部材54a,54bによって図5及び図6の状態にされている。そして、糸継状態になると、図7の状態となる。
給糸状態から糸継状態となるにあたっては、まず、貯留ドラム24の巻き量が少ないのを出口側センサー40bが検知すると、糸貯留装置20が減速回転される。このとき、まだダンパーロッド部材54a,54bは給糸状態にある(図8)。そして、糸継装置18は糸継ぎの準備に入る。
糸貯留装置20の巻き量はさらに少なくなるが、貯留ドラム24は設定糸速を維持し、設定糸速回転で動作する。そして、ダンパーロッド部材54a,54bの固定が解除され、糸張力でダンパーロッド部材54a,54bが直線状となり、糸の屈折がなくなる。同時に、糸継装置18で糸継が行われ、この間、上流側の糸14a,14b,14c,14d,14eの走りは停止する(図9)。
糸継ぎが完了すると、糸貯留装置20の減った巻き数を元に戻すために、整経糸速+周波数分だけ追い巻きを行う。同時に、ダンパーロッド部材54a,54bがダンパーロッド固定部材60a,60bによって固定され、ダンパーロッド部材54a,54bが給糸状態、すなわち糸の屈折状態となる。上流側の糸14a,14b,14c,14d,14eの走りの停止は解除される(図10)。
このように構成された糸継機構10Aとサンプル整経機100の作用を説明する。
<整経データ入力>
(1)サンプル整経機100に整経柄をパーソナルコンピュータ上で入力する。柄データをプログラムで計算し糸配列を指示する。
(2)データ柄は、各ボビンBの使用糸量、遠心力を考慮した適正位置にボビン配列する。
<ボビン掛け>
(1)ボビンスタンド56には、糸配列用表示があり、プログラムで表示された指定位置に糸を仕掛ける。
(2)糸種に合わせ張力調整を行う。
<糸継装置>
(1)ボビン・引戻しの表示と同様に指定された柄選択セレクトに各糸を収納する。
(2)最初に整経する1本目の糸を糸継装置出口ガイドに通す。
<糸張力調整装置>
(1)糸張力調整装置22Aの上側ダンパーロッド54aのノントルクローラー34aに糸を通す。
(2)同様に下側ダンパーロッド54bのノントルクローラー34bに糸を通す。
(3)糸種に合わせスプリング調整、ダイヤル調整を行う。なお、糸継確保の糸量を変更する場合には、ダンパーロッド部材の調整及び、電気制御式ドラムロールを使用する。
(4)各ダンパーロッド部材の適正テンション制御は、整経機本体に整経条件プログラムを入力する事で、糸継機構10Aを回転体(フレーム部材90)に搭載した影響を考慮し、遠心力と糸種張力を具備した計算を行い、使用する糸の適正テンションに設定する。
<糸貯留装置>
(1)糸貯留装置20に糸を通す。
(2)通した糸を貯留ドラム24上に巻きつける。
<整経作業>
貯留ドラム24に巻きつけた糸をヤーンガイド74を介して整経ドラム68上に巻きつけて整経する。
糸張力調整装置22Aのフローチャートはつぎのようになる。
(1)糸継信号
予めプログラムされた整経データから糸の柄変え位置になると整経機本体側より糸継信号が出力される。
(2)糸継作業
結束信号が糸継装置18に送られ、糸継動作が始まる。
(3)糸誘導時間
結束位置に現在整経中の糸と次に選択された糸が結束ポジションにセットされる。
(4)糸継動作開始
セットされた糸が、ノッタービルで結び動作になる為、両糸とも停止条件になる。
(5)ダンパーロッド固定部材の解除
糸継動作信号に合わせ、予め糸量を保持していたダンパーロッド固定部材の固定が解除され糸継時の動作になる。
(6)糸継終了後
ダンパーロッド部材は適正位置に戻され固定される。
たとえば、整経糸速600m/minで運転している時、糸継信号が入ると、糸継動作が始まり、糸継時間に入る。この時、糸継糸速が400m/minで糸張力調整装置22Aを使用したい時は、糸貯留装置20の貯留ドラム24の回転を速度制御手段によって400m/minに設定する。
図11に、本発明の第1の態様の糸継機構の別の実施の形態を示す。糸継機構10Bは、糸張力調整装置22Bが、糸引っ掛け部材102a,102bを有する電子制御ドラム104が、ダンパーロッド部材54a,54bの間に設けられている以外は、糸継機構10Aと同様の構成とされている。
ダンパーロッド部材54a,54bの間に糸量保持用に電子制御ドラム104が装着されていることで、自在に糸量の確保が出来るように構成されている。整経中は、整経糸速に合わせ回転する。結束動作時も同様に整経糸速に合わせ回転させ、糸継終了後、電気式制御で電子制御ドラム104の巻き量を設定する。巻き量を確保したら整経糸速に戻る。電子制御ドラム104は、ダンパーロッド部材54a,54bの中間に装着するので、糸のテンション調整は不要である。
糸貯留装置20の速度制御方法は次の通りである。
(1)ダンパーロッド部材54a,54bの調整のみで糸継可能であれば糸貯留装置20は、通常運転で良い。
(2)ダンパーロッド部材54a,54bの糸速が糸種により整経糸速より遅くしたい場合、糸継動作時間中のみ貯留ドラム24の糸速(回転数)をダンパーロッド部材54a,54b用の糸速に合わせる。
(3)糸継信号が入り、糸継装置18、及び糸貯留装置20に糸継信号が入ると、糸貯留装置20が減速を始め、糸継動作時間に必要な糸速まで減速される。
(4)糸継動作を開始し糸継動作終了まで減速された糸速時間を保持する。
(5)糸継作業終了後、糸貯留装置の不足分の糸量を追い巻き(補充巻き)する(設定整経糸速+周波数)。すなわち、貯留ドラム24のみ高速回転させる。
(6)補給巻き終了後、次の信号が入るまで通常の糸貯留動作になる。
(7)減速時間、糸継時間、糸継糸速、補給巻き糸速と全て電気制御で設定可能である。
なお、上記の運転動作は、全て運転中に行うものであり、いずれかの装置を停止したり整経運転糸速を限定する必要はない。
<動作手順>
(1)糸貯留装置20の巻き量
予め必要量を貯留ドラム24に保持しておく。使用目的に合わせ巻き量は、自由に選択できる。
(2)巻き量の測定
(整経状態)
貯留ドラムに巻かれた糸は、貯留ドラム1回転分糸が排出すると出口側センサー40bで検出し入り口側センサー40aで1回転分補う。したがって、入口、出口での両検出を行うため、貯留ドラムの糸巻き数に変化はない。
(結束状態)
糸張力調整装置22Aを具備した事で糸継状態では、糸貯留装置20の出口側では整経糸速で糸が排出し、入り口側では、糸継ぎ糸速で光電センサーがカウントするため、カウントの誤差が出る。この誤差分を制御する必要があり、糸継終了後このカウント誤差分を設定時間内に正常カウント状態に戻す。
(3)減速時間
糸貯留装置20は、使用される機械の設定糸速に合わせ糸を排出する。糸継装置を使用時、糸張力調整装置22Aの結束可能糸速に合わせて減速する。減速時間は、プログラム設定機で設定し糸張力調整装置22Aの制御に応じて自由選択できる。
(4)糸継糸速
ダンパー保持分量の設定。ツナギ替え装置の適正結束糸速を設定する。
この機能を付ける事により、ダンパー制御装置の適正糸速を保持する事が出来る。
(5)糸継時間
糸継ぎ必要な時間を設定する。この設定で糸継装置が安定した状態で作業が終了するまで、上記(4)で設定された糸速を維持する。
(6)追い巻き糸速
本発明に係るサンプル整経機の糸速は、機械自体の設定糸速で排出されているため、上記(3)・(4)・(5)の設定をすると貯留ドラム24に巻きつけられた糸量は、減少する。減ってしまった糸量は、糸貯留装置20の出口側センサー40bのカウントと、入り口側センサー40aのカウントに誤差があり、誤差分の糸量を設定した糸量分まで追い巻きする必要がある。追い巻き設定は、サンプル整経機の設定糸速に周波数を足した数で設定し短時間で減った巻き量を補う。
(7)糸切れ動作
糸張力調整装置22A側で糸切れが発生した場合、糸貯留装置20の貯留ドラム24の回転動作が停止する。出口側は、整経運転糸速で排出されるため、整経ドラム68が停止するまで糸は整経ドラム68に巻きつけられる。このとき、整経機側に排出した糸量をカウントし、糸貯留装置20の出口側と入り口側のカウント誤差分を制御することで、貯留ドラム24内で切れた糸の修正後、糸切れ修正スイッチで誤差分を補給する事が出来る。
このようにして、本発明の糸継機構及びそれを用いたサンプル整経機によれば、下流側の給糸糸速に合わせた糸継調整と糸継束時のテンションムラを除去する事ができ、糸継時に下流側の給糸糸速と糸継装置の大幅な糸速誤差をなくし、風力による糸継時の糸の緩みや、遠心力による糸のテンションムラ等の問題を解消し、下流側の給糸中の糸継ぎ時における糸切れの問題を解消することができる。
10A,10B:糸継機構、12:給糸部、14a,14b,14c,14d,14e:上流側の糸、16:糸、18:糸継装置、20:糸貯留装置、22A:糸張力調整装置、22B:糸張力調整装置、24:貯留ドラム、26:駆動手段、28:速度制御手段、32:ベース体、34a,34b:糸保持部材,ノントルクローラー、38:回転軸、40a:入り口側センサー,光電センサー、40b:出口側センサー,光電センサー、42:糸選択装置、44:糸ガイド、46:糸保持板、48:吸引部材、50:糸保持ローラ、54a,54b:ダンパーロッド部材、56:ボビンスタンド、58:張力付加部材、60a,60b:ダンパーロッド固定部材、62a,62b:ダイヤル式張力テンサー、64a,64b:スプリングテンサー、66:結び目、68:整経ドラム、70:コンベアベルト、72:回転式給糸部、74:ヤーンガイド、76,78:ドラム枠、80:床面、82:巻き付け部,糸処理部、84:ドライブシャフト、86:支持台、88:プレート部材、90:フレーム部材、92:主軸パイプ、100:サンプル整経機、102a,102b:糸引っ掛け部材、104:電子制御ドラム、B1〜B16:ボビン、NP:非糸屈折位置、RP:糸屈折位置、Ys:選択された糸、Yw:待機中の糸。

Claims (12)

  1. 複数のボビンが設けられた給糸部が上流側に位置し、前記給糸部からの糸を処理するための糸処理部が下流側に位置し、前記給糸部からの糸が連続的に下流側に送られる糸処理装置に用いられる糸継機構であって、
    上流側と下流側の糸とを糸継ぎするための糸継装置と、
    前記下流側の糸を貯留しておくための糸貯留装置と、
    前記糸継装置と前記糸貯留装置との間の糸の張力を制御するための糸張力調整装置と、
    を含み、
    前記糸貯留装置が、糸が巻き付けられるための貯留ドラムと、該貯留ドラムを駆動させるための駆動手段と、該貯留ドラムの速度制御を行うための速度制御手段と、
    を含むことを特徴とする糸継機構。
  2. 前記糸張力調整装置が、糸屈折位置と非糸屈折位置とに変位可能な糸屈折部材を有し、給糸動作中は糸屈折部材を糸屈折位置に変位せしめて糸を屈折せしめ、
    糸継動作中は糸屈折部材を非糸屈折位置に変位せしめて屈折分の糸を開放することにより、糸継動作分の糸量を確保するようにしたことを特徴とする請求項1記載の糸継機構。
  3. 前記糸屈折部材が、ベース体に回動自在に取りつけられ、先端部に糸保持部材を有し、糸屈折位置と非糸屈折位置とに変位可能な一対のダンパーロッド部材であり、
    前記糸継装置側の糸を一方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、前記糸貯留装置側の糸を他方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、
    給糸動作中は糸屈折部材を糸屈折位置に変位せしめて糸を屈折せしめ、
    糸継動作中は糸屈折部材を非糸屈折位置に変位せしめて屈折分の糸を開放することにより、糸継動作分の糸量を確保するようにしたことを特徴とする請求項2記載の糸継機構。
  4. 前記糸保持部材が、ダンパーロッド部材の先端部に設けられたノントルクローラーであり、該ノントルクローラーに糸を掛架せしめることで、糸を保持するようにしたことを特徴とする請求項3記載の糸継機構。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の糸継機構を有するサンプル整経機であって、
    整経ドラムと、該整経ドラムの外周部の長手方向で移動自在に設けられた複数のコンベアベルトと、該整経ドラムと相対向して設けられ、複数のボビンが取りつけられた回転式給糸部と、前記ボビンから引き出された糸を前記整経ドラムに巻き付ける複数のヤーンガイドと、
    前記回転式給糸部と前記整経ドラムとの間に設けられた前記糸継機構と、
    を含むことを特徴とするサンプル整経機。
  6. 前記糸継機構が、前記複数のヤーンガイドに対応して回転体上に夫々設けられ、ヤーンガイドと同期運転されてなることを特徴とする請求項5記載のサンプル整経機。
  7. 複数のボビンが設けられた給糸部が上流側に位置し、前記給糸部からの糸を処理するための糸処理部が下流側に位置し、前記給糸部からの糸が連続的に下流側に送られる糸処理装置に用いられる糸継機構であって、
    上流側と下流側の糸とを糸継ぎするための糸継装置と、
    前記糸継装置と前記糸処理部との間の糸の張力を制御するための糸張力調整装置と、
    を含むことを特徴とする糸継機構。
  8. 前記糸張力調整装置が、糸屈折位置と非糸屈折位置とに変位可能な糸屈折部材を有し、給糸動作中は糸屈折部材を糸屈折位置に変位せしめて糸を屈折せしめ、
    糸継動作中は糸屈折部材を非糸屈折位置に変位せしめて屈折分の糸を開放することにより、糸継動作分の糸量を確保するようにしたことを特徴とする請求項7記載の糸継機構。
  9. 前記糸屈折部材が、ベース体に回動自在に取りつけられ、先端部に糸保持部材を有し、糸屈折位置と非糸屈折位置とに変位可能な一対のダンパーロッド部材であり、
    前記糸継装置側の糸を一方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、前記糸処理部側の糸を他方のダンパーロッド部材の糸保持部材に保持せしめ、
    給糸動作中は糸屈折部材を糸屈折位置に変位せしめて糸を屈折せしめ、
    糸継動作中は糸屈折部材を非糸屈折位置に変位せしめて屈折分の糸を開放することにより、糸継動作分の糸量を確保するようにしたことを特徴とする請求項8記載の糸継機構。
  10. 前記糸保持部材が、ダンパーロッド部材の先端部に設けられたノントルクローラーであり、該ノントルクローラーに糸を掛架せしめることで、糸を保持するようにしたことを特徴とする請求項9記載の糸継機構。
  11. 請求項7〜10いずれか1項記載の糸継機構を有するサンプル整経機であって、
    整経ドラムと、該整経ドラムの外周部の長手方向で移動自在に設けられた複数のコンベアベルトと、該整経ドラムと相対向して設けられ、複数のボビンが取りつけられた回転式給糸部と、前記ボビンから引き出された糸を前記整経ドラムに巻き付ける複数のヤーンガイドと、
    前記回転式給糸部と前記整経ドラムとの間に設けられた前記糸継機構と、
    を含むことを特徴とするサンプル整経機。
  12. 前記糸継機構が、前記複数のヤーンガイドに対応して回転体上に夫々設けられ、ヤーンガイドと同期運転されてなることを特徴とする請求項11記載のサンプル整経機。
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