JP2010225015A - ジョブ管理システム - Google Patents

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敏訓 岩井
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Abstract

【課題】ジョブの原本と複製の関係を管理し、ジョブの原本に改変が発生したとき、改変箇所を継続して使用する全ての複製に自動で改変を反映し、かつ、改変箇所を継続して使用しない全ての複製には改変を反映しないように制御することで、ジョブの有効な再利用を図ることができるジョブ管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】ジョブの原本の設定項目毎に、複製の同項目の改変を認めるか認めないかを設定できる原本マスク情報と、ジョブの複製の項目毎に複製での改変を認めるか認めないか、原本の改変を反映するかという属性を設定できる複製マスク情報を設定する。複製されたジョブに対し、ユーザが項目の直接的な改変を要求した場合、原本マスク情報で当該項目に対して改変を認めると設定され、かつ、複製マスク情報で当該項目に対して改変を認めると設定されているときには、当該項目の値の直接的な改変を認める。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジョブ管理システムにおけるジョブの再利用に関するものである。
ジョブ管理システムとは、業務の実行を行なう最小単位であるジョブと、ジョブを包括し、先行・後続といったジョブの実行順序性を管理するジョブネットワークを定義して、コンピュータにより定型的な業務の運用を自動化するためのシステムである。ジョブやジョブネットワークを、ジョブネットワーク要素と呼ぶ。ジョブネットワーク要素で自動化する業務の適用範囲は、TCO(Total Cost of Ownership)削減などの背景を受けて拡大し、今日では様々なジョブネットワーク要素が運用されている。
しかし、一方でジョブ管理システムを使用する組織(以下では「会社」を例として説明する)では、全社共通で使用するジョブも多数存在する。例えば、全社の売り上げを集計するために、各支社が本社に帳票を転送する場合、全社で定められた形式の帳票を出力するプログラムと、全社で定められたサーバーの一定の場所に帳票を転送するプログラムを使用すると考えられる。この場合、本社側で、全社で定められた形式の帳票を出力するプログラムと、特定のサーバーの一定の場所に帳票を転送するプログラムをジョブとして定義し、それらのジョブの定義を各支社へ配布し、各支社で、帳票へ入力するデータや帳票を出力する場所、および、帳票を転送するプログラムを使用するためのパスワードなどをカスタマイズして使用するのが一般的である。
一方、このような全社共通で使用するジョブが存在する状況下で、それらの全社共通で使用するジョブに改変が発生した場合、支社も改変を迫られ、その改変にかかるコストは大きなものとなる。
本発明に関連する公知技術文献としては、下記特許文献1〜5があげられる。特許文献1は、ジョブ定義文の雛形とユーザインタフェースを規定するデータの雛形とを用意しておき、これらを利用してジョブ定義文を生成し実行する技術を開示する。特許文献2〜5は、印刷や画像生成などのジョブを実行する際にそのジョブに関する制御情報を設定可能にしたものを開示しており、特にジョブの原本の各設定項目に対してその変更の可否を設定できるようにする技術を開示している。
特開2004-265101 特開2007-215160 特開2008-155451 特開平11-157182 特開2004-272390
上述したように全社共通のジョブを使用する場合、前記特許文献1に記載の技術を応用すると、ジョブの雛形からジョブの原本を生成する方法が考えられる。この場合、ジョブの雛型を作成して、各支社に配布したあと、各支社で雛型をカスタマイズしてジョブ原本を生成し、使用することになる。
しかしながら、上記の雛型を作成する方法をとると、全社共通のジョブの雛型に改変が発生した場合、各支社に配布されたジョブの雛型から原本を再度生成する必要があるという不具合がある。また、ジョブの雛型から原本を生成するための各種設定項目をどのようにカスタマイズするかという検討も必要となる。
ジョブの雛型を使用しない方法としては、前記特許文献2〜5に記載の技術を応用して、ジョブの原本の各設定項目に対して、変更可否を設定する方法が考えられる。この場合、全社共通のジョブの原本の各設定項目に対して変更可否を設定したあとで複製して各支社に配布し、変更可能項目のみ各支社でカスタマイズして使用することになる。この方法は、前記特許文献1を利用する方法と比べると、ジョブの変更可能項目があるため、各支社で全ての設定項目をどのようにカスタマイズするかという検討は行なわなくて済む。しかし、各支社では全社共通のジョブの複製を使用しているため、複製の改変を手動で行なう必要がある。
本発明の目的は、ジョブ(ジョブネットワーク要素)の原本と複製の関係を管理し、ジョブの原本に改変が発生したとき、改変箇所を継続して使用する全ての複製に自動で改変を反映し、かつ、改変箇所を継続して使用しない全ての複製には改変を反映しないように制御することで、ジョブの有効な再利用を図ることができるシステムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、ジョブネットワーク要素の定義に従ってジョブの実行を制御するジョブ管理システムであって、ジョブネットワーク要素の定義を複製して作成する際の元になる原本を作成しておくとともに、該原本のジョブネットワーク要素の定義の各項目に対して、該原本から複製したジョブネットワーク要素の定義におけるそれらの項目の改変を認めるか認めないかを示す原本マスク情報を設定する。また、原本を複製してジョブネットワーク要素の定義を作成する際に、該複製・作成したジョブネットワーク要素の定義の各項目に対して、改変を認めるか認めないかを示す複製マスク情報を設定する。そして、複製・作成されたジョブネットワーク要素の定義に対し、ユーザが該定義の項目の直接的な改変を要求した場合、(1)前記原本マスク情報で当該項目に対して改変を認めると設定され、かつ、前記複製マスク情報で当該項目に対して改変を認めると設定されているときには、当該項目の値の直接的な改変を認め、(2)それ以外のときには改変を認めないように制御する。
前記各項目に対する複製マスク情報として、「原本の変更を反映する」、「複製時の値を有効にする」、または「複製後に改変を可能にする」の何れかを設定するようにするとよい。この場合、直接的な改変の要求に対し、前記原本マスク情報で当該項目に対して改変を認めると設定され、かつ、前記複製マスク情報で当該項目に対して「複製後に改変を可能にする」と設定されているときには、当該項目の値の直接的な改変を認めるようにする。
また、原本のジョブネットワーク要素の項目が改変された場合、その原本から複製・作成された全てのジョブネットワーク要素の定義に対し、それぞれ、当該項目の複製マスク情報が「原本の変更を反映する」と設定されていた場合は、当該複製・作成されたジョブネットワーク要素の定義の当該項目に前記原本の改変を反映させるよう制御する。
さらに、原本の項目に発生した改変を当該原本の複製に反映させる日時を設定し、該設定された日時に、原本の改変を複製に反映させるようにしてもよい。第1の原本を複製することにより作成したジョブネットワーク要素の定義を元にして第2の原本を作成した場合、前記第1の原本の改変を前記第2の原本に反映させるよう制御するようにしてもよい。
本発明によれば、ジョブの原本に改変が発生しても、原本の複製に自動で改変を反映したり、改変の反映を無効化したり、改変した複製を再度別の原本として登録したりでき、ジョブを再利用するシステムを提供できる。
本発明の概要図である。 本発明の実施に使用するシステムの構成図である。 原本を登録するときの画面である。 原本を複製するときの画面である。 原本を改変するときの画面である。 本発明のジョブ管理システムで必要なデータ構造である。 本発明の原本管理システムで必要なデータ構造である。 原本を登録するためのフローチャートである。 原本を複製するためのフローチャートである。 原本の改変と全ての複製に改変を反映するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の基本的な原理を説明するための概要図である。
ジョブの原本101には設定項目1,2,3,4があり、各項目の値は順にA,B,C,Dであるとする。ユーザーは、原本の各設定項目に原本マスク情報を設定することで、複製での改変を認めない項目を指定することができる。例えば、原本マスク情報102は、原本101の設定項目1,2,3,4に対し設定され、設定項目1は「保護する」、設定項目2は「保護しない」、設定項目3は「保護しない」、設定項目4は「保護しない」と設定されている。「保護する」とは、原本の複製で当該マスク情報が設定された項目値の改変ができないことを意味する。「保護しない」とは、原本の複製で当該マスク情報が設定された項目値の改変ができることを意味する。従って、上述の原本マスク情報102の設定によれば、原本101の全ての複製で設定項目1の値はAになることが保障される。
原本101を複製する場合、原本マスク情報102より複製104の設定項目2,3,4の改変が可能である。この場合、改変が可能な各設定項目に対して複製マスク情報を設定することにより、複製毎にユーザーの都合に合わせて、複製に対する改変を制限することができる。複製マスク情報には、ジョブの各設定項目に対して、「原本の変更を反映する」、「複製時の値を有効にする」、または「複製後に改変を可能にする」の値をとる複製マスク情報を設定可能とする。「原本の変更を反映する」とは、当該マスク値が設定された項目に、原本の同一項目の改変値が常に反映されることを意味する。原本の原本マスク情報が「保護する」となっていた場合、当該原本に対する複製の同一設定項目の複製マスク情報は「原本の変更を反映する」しか選べず、複製側では当該マスク値が設定された項目値は改変できない。「複製時の値を有効にする」とは、当該マスク値が設定された項目は、原本を複製したときの値を永続的に使用することを意味する。そのため、当該マスク値が設定された項目値は改変はできず、また、原本の同一設定項目値に改変が発生しても、複製の同一設定項目に改変は反映されない。「複製後に改変を可能にする」とは、ジョブの原本を複製したあとで、当該マスク値が設定された項目値を改変して使用できることを意味する。また、原本の同一設定項目値に改変が発生しても、複製の同一設定項目に変更は反映されない。
複製に対する直接の改変を制限するには、複製マスク情報で、「原本の改変を反映する」または「複製時の値を有効にする」を設定する。例えば、複製マスク情報103では、設定項目1,2に「原本の変更を反映する」を、設定項目3に「複製時の値を有効にする」を設定している。このため、複製104の設定項目1,2,3は直接改変はできなくなる。なお、原本101の設定項目1は「保護する」と原本マスク情報102で設定されているため、複製時に、設定項目1の複製マスク情報103は「原本の変更を反映する」しか選択できない。
一方、複製に対する直接の改変を許可するには、複製マスク情報で「複製後に改変を可能にする」を設定する。例えば、複製マスク情報103では設定項目4に「複製後に改変を可能にする」が設定されているため、複製104では設定項目4の値を自由に改変できる。
原本の設定項目を改変すると、同項目の複製マスク情報が「原本の変更を反映する」となっている複製にのみその改変を反映することが可能である。これにより、ユーザーの都合に合わせて原本の改変を反映することが可能となる。例えば、原本101が改変され、原本105に示すように設定項目1,2,3,4の値がそれぞれE,F,G,Hに改変されたとする。この場合、複製104にその改変を反映するが、複製104では、設定項目1,2の複製マスク情報103が「原本の変更を反映する」となっているため、設定項目1,2のみ改変が反映される。その結果、改変が反映された複製106の設定項目1,2,3,4の値はそれぞれE,F,C,Zとなる。
図2は、本発明の一実施形態であるジョブ管理システム(広義)の全体構成図である。
ユーザーは、ジョブで業務を運用する場合、端末210からジョブ管理システム(狭義)211の表示データ処理部212へ接続して、ジョブネットワーク要素の定義を行う。表示データ処理部212は、ジョブネットワーク要素毎に当該要素を一意に示すジョブネットワーク要素IDを取得し、取得したジョブネットワーク要素IDと当該IDに対するジョブネットワーク要素の定義を定義データベース216に書き込む。また、実行順序性を表すジョブネットワーク要素IDの対を関連データベース217に書き込む。ジョブネットワーク実行部213は、定義データベース216と、関連データベース217の内容に基づき、ジョブネットワーク中のジョブを順番に実行していく。
原本を登録する場合、ユーザーは、端末220から原本管理システム221の表示データ処理部222へ接続し、原本として登録するジョブ名、当該ジョブが存在するホスト名(ジョブ管理システム211を特定する名称)、当該ジョブに対する原本マスク情報、および、登録する原本の名称を入力し、その後、表示データ処理部222に原本として登録するよう依頼する。
表示データ処理部222は、原本管理システム通信部224にユーザーが入力したジョブ名とホスト名を渡し、原本となるジョブのレコードの取得を依頼する。原本管理システム通信部224は、ユーザーが入力したホスト名のジョブ管理システム211のジョブ管理システム通信部215に接続し、ユーザーが入力したジョブ名を渡して、当該ジョブのレコードを取得するよう依頼する。なお、原本管理システム221とジョブ管理システム211とは、ネットワークで接続されているものとする。
ジョブ管理システム通信部215は、複製管理部214に、受信したジョブ名を渡して、ジョブの定義を取得するよう依頼する。ジョブ名はジョブ管理システム211内で一意であるため、複製管理部214は、取得依頼されたジョブ名をキーとして定義データベース216から当該ジョブのレコードを取得し、ジョブ管理システム通信部215に、取得したジョブのレコードを渡す。
ジョブ管理システム通信部215は、原本管理システム221の原本管理システム通信部224に、取得したジョブのレコードを送信する。原本管理システム通信部224は、受信したジョブのレコードを表示データ処理部222に渡す。表示データ処理部222は、渡されたジョブのレコード、当該ジョブに対しユーザーが設定した原本マスク情報、および、登録する原本の名称を原本管理部223に渡して、原本の登録依頼をする。
原本管理部223は、まず、渡されたジョブのレコードを原本のレコードに変換する。その際、原本のレコード中の原本名をユーザーが指定した原本の名称にする。次に、原本を一意に識別する原本IDを取得し、当該IDとともに原本のレコードを原本定義データベース225に書き込む。最後に、原本IDと、当該IDに対する原本マスク情報を原本マスク情報データベース226に書き込み、原本の登録を完了させる。
原本を複製して利用する場合、ユーザーは、端末220から原本管理システム221の表示データ処理部222へ接続し、原本の一覧を表示するよう依頼する。表示データ処理部222は、原本管理部223に原本の取得を依頼し、原本管理部223は、原本定義データベース225と原本マスク情報データベース226から全ての原本のレコードを得て、表示データ処理部222に得たレコードを渡す。表示データ処理部222は、渡されたレコードに基づいて原本の一覧を端末220に表示する。
ユーザーは、表示された一覧から複製したい原本を選択し、複製マスク情報を設定したあと、複製先ホスト名と複製時のジョブ名を入力し、表示データ処理部222に複製を依頼する。
表示データ処理部222は、原本に改変があったときに複製先のホストへ改変を通知するため、ユーザーが選択した原本のレコードと複製先ホスト名を原本管理部223に渡し、複製先の記録を依頼する。原本管理部223は、渡された原本のレコード中の原本IDと複製先ホスト名との対を複製先データベース227に書き込んだあとで、表示データ処理部222に制御を戻す。
表示データ処理部222は、原本を複製するために、原本のレコード、複製先ホスト名、複製時のジョブ名、および、複製マスク情報を原本管理システム通信部224に渡して、複製の開始を依頼する。原本管理システム通信部224は、その複製先ホスト名のジョブ管理システム211のジョブ管理システム通信部215に接続し、原本のレコード、複製時のジョブ名、および、複製マスク情報を渡し、原本の複製を依頼する。
ジョブ管理システム通信部215は、受信した原本のレコード、複製時のジョブ名、および、複製マスク情報を複製管理部214に渡し、原本の複製を依頼する。複製管理部214は、まず、渡された原本のレコードをジョブのレコードに変換する。その際、変換したジョブのレコード中のジョブネットワーク要素名を複製時のジョブ名にする。次に、複製管理部214は、変換したジョブのレコードに対するジョブネットワーク要素IDを取得し、当該IDで変換したジョブのレコードを定義データベース216に書き込む。最後に、取得したジョブネットワーク要素IDと渡された複製マスク情報を複製マスク情報データベース218に書き込み、原本のレコード中の原本IDと、取得したジョブネットワーク要素IDを、複製マッピングデータベース219に書き込むことで、複製を完了する。
原本を改変して全ての複製へその改変を反映する場合、ユーザーは、端末220から原本管理システム221の表示データ処理部222へ接続し、原本の一覧を表示するよう依頼する。表示データ処理部222は、原本管理部223に原本の取得を依頼し、原本管理部223は、原本定義データベース225と原本マスク情報データベース226から全ての原本のレコードと全ての原本マスク情報のレコードを得て、表示データ処理部222に得たレコードを渡す。表示データ処理部222は、渡されたレコードに基づいて原本の一覧を端末220に表示する。
ユーザーは、表示された一覧から更新したい原本を選択し、選択した原本に対して更新をかけるジョブ名と当該ジョブが存在するホスト名を入力し、表示データ処理部222に原本の更新を依頼する。
表示データ処理部222は、更新するデータとなるジョブのレコードを取得するため、原本管理システム通信部224に、ユーザーが入力したジョブ名とホスト名を渡す。原本管理システム通信部224は、ユーザーが入力したホスト名のジョブ管理システム211のジョブ管理システム通信部215に接続し、ユーザーが入力したジョブ名を渡して、当該ジョブのレコードを取得するよう依頼する。
ジョブ管理システム通信部215は、複製管理部214に、受信したジョブ名を渡して、当該ジョブのレコードを取得するよう依頼する。ジョブ名はジョブ管理システム211内で一意であるから、複製管理部214は、渡されたジョブ名をキーとして、定義データベース216から取得依頼されたジョブのレコードを取得し、ジョブ管理システム通信部215に、取得したレコードを渡す。ジョブ管理システム通信部215は、原本管理システム221の原本管理システム通信部224に、取得したジョブのレコードを送信する。原本管理システム通信部224は、ジョブのレコードを受信すると、表示データ処理部222にジョブのレコードを渡す。
表示データ処理部222は、渡されたジョブのレコードとユーザーが選択した原本のレコードと当該原本の原本マスク情報とを原本管理部223に渡し、原本の更新と複製への改変の反映を依頼する。
原本管理部223は、原本の改変を行なうため、まず、渡されたジョブのレコードを原本のレコードに変換する。その際、原本名をユーザーが選択した原本の名称にし、改変後の原本のレコードとする。これにより、原本は、改変後の原本のレコードに置き換えられたこととなる。次に、改変後の原本のレコードをユーザーが選択した原本のレコード内の原本IDで原本定義データベース225に書き込んで原本の改変を行なう。
原本管理部223は、複製先へ原本の改変を通知するため、まず改変後の原本のレコードと改変前の原本のレコードとの差分をとり、差分があった項目名と値を改変反映項目としてメモリ中で記憶する。なお、改変前の原本のレコードはユーザーが選択した原本であり、原本定義データベース225に更新をかける前にメモリ上に保持しておく必要がある。
原本管理部223は、原本の複製に対して前記改変を反映するため、改変した原本の原本IDをキーとして、複製先データベース227から複製先ホストの一覧を得て、改変した原本の原本IDと改変反映項目と複製先ホストの一覧を原本管理システム通信部224に渡し、複製先へ原本の改変を反映するよう依頼する。
原本管理システム通信部224は、複製先ホストの一覧中の全ホストに対し、それらのホストのジョブ管理システム211のジョブ管理システム通信部215に接続し、改変した原本の原本IDと改変反映項目を送信して、複製へ改変を反映するよう依頼する。ジョブ管理システム通信部215は、改変した原本の原本IDと改変反映項目を受け取ると、複製管理部214に、改変した原本の原本IDと改変反映項目を渡し、複製への改変反映を依頼する。
複製管理部214は、原本から複製したジョブが存在するかを調べるため、改変した原本の原本IDをキーとして、複製マッピングデータベース219より、複製したジョブのジョブネットワーク要素IDの一覧を得る。また、複製管理部214は、一覧中のジョブネットワーク要素IDに対する複製マスク情報の一覧を複製マスク情報データベース218から得る。複製管理部214は、複製マスク情報で「原本の変更を反映する」となっている項目が改変反映項目に存在する場合、当該複製マスク情報に対するジョブのレコードに対し、改変反映項目中の項目名と値で定義データベース216に更新をかけて、改変を反映する。
原本から複製したジョブを再度別の原本として登録する場合、ユーザーは、端末220から原本管理システム221の表示データ処理部222へ接続し、原本として登録するジョブ名、当該ジョブが存在するホスト名、当該ジョブに対する原本マスク情報、および、登録する原本の名称を入力したあと、表示データ処理部222に原本として登録するよう依頼する。
表示データ処理部222は、原本管理システム通信部224にユーザーが入力したジョブ名とホスト名を渡し、原本となるジョブのレコードの取得を依頼する。原本管理システム通信部224は、ユーザーが入力したホスト名のジョブ管理システム211のジョブ管理システム通信部215に接続し、ユーザーが入力したジョブ名を渡して、当該ジョブのレコードを取得するよう依頼する。
ジョブ管理システム通信部215は、複製管理部214に、受信したジョブ名を渡して、ジョブの定義を取得するよう依頼する。ジョブ名はジョブ管理システム211内で一意であるから、複製管理部214は、取得依頼されたジョブ名をキーとして定義データベース216から当該ジョブのレコードを取得する。また、複製管理部214は、再度原本として登録される複製に、複製元となった原本の改変が反映されること防ぐため、取得したジョブのレコード中のジョブネットワーク要素IDをキーとして、複製マスク情報データベース218と複製マッピングデータベース219から該当するレコードを削除する。そのあとで、複製管理部214は、ジョブ管理システム通信部215に、取得したジョブのレコードを渡す。
ジョブ管理システム通信部215は、原本管理システム221の原本管理システム通信部224に、取得したジョブのレコードを送信する。原本管理システム通信部224は、受信したジョブのレコードを表示データ処理部222に渡す。表示データ処理部222は、渡されたジョブのレコード、当該ジョブに対しユーザーが設定した原本マスク情報、および、登録する原本の名称を原本管理部223に渡して、原本の登録依頼をする。
原本管理部223は、まず、渡されたジョブのレコードを原本のレコードに変換する。その際、原本のレコード中の原本名をユーザーが指定した原本の名称にする。次に、原本を一意に識別する原本IDを取得し、当該IDとともに原本のレコードを原本定義データベース225に書き込む。最後に、原本IDと当該IDに対する原本マスク情報を原本マスク情報データベース227に書き込み、登録を完了させる。
図3は、原本を登録するときの画面である。ユーザーは、原本を原本管理システム221に登録する場合、原本管理システム221に端末220から接続する。すると、メニュー画面301が表示される。
ユーザーが、メニュー画面301の「原本の登録」ボタン302を押下すると、原本登録メイン画面303が表示される。ユーザは、原本登録メイン画面303の登録元ジョブ名304に原本として登録するジョブの名称を、登録元ホスト名305に当該ジョブが存在するホスト名を、原本名称306に原本として登録する名称を、それぞれ入力する。
ユーザーが、「マスク情報設定」ボタン307を押下すると、原本マスク情報設定画面309が表示されるので、ユーザーは、原本マスク情報として、ジョブの各設定項目310,311,312に対して、「保護する」または「保護しない」のどちらかを選択する。
ユーザーは、原本マスク情報を設定し終えると、原本マスク情報設定画面309を閉じる。すると、原本登録メイン画面303に制御が戻るので、ユーザーは「原本として登録」ボタン308を押下する。すると、原本管理システム221が、登録元ホスト名305でユーザーが入力したホストのジョブ管理システム211に接続し、登録元ジョブ名304でユーザーが入力したジョブの定義を取得するよう依頼する。
接続されたジョブ管理システム211では、当該ジョブの定義を取得すると、複製が再度原本として登録されるケースを考慮して、当該ジョブのジョブネットワーク要素IDをキーとし、複製マスク情報データベース218と複製マッピングデータベース219から該当するレコード(そのようなレコードがある場合)を削除する。そのあとで、原本管理システム221に、取得したジョブの定義を送信する。
原本管理システム221は、登録元ジョブ名304でユーザーが入力したジョブの定義を取得すると、当該ジョブの定義を、原本名称306でユーザーが入力した原本の名称で原本としてデータベース225に登録する。また、登録した原本に対して、ユーザーが原本マスク情報設定画面309で設定した原本マスク情報をデータベース226に登録する。
図4は、原本を複製するときの画面である。ユーザーは、原本を複製する場合、原本管理システム221に端末220から接続する。すると、メニュー画面401が表示される。
ユーザーが、メニュー画面401の「原本の複製」ボタン402を押下すると、複製メイン画面403が表示される。複製メイン画面403に、原本管理システム221に登録されている原本の一覧404が表示されるので、ユーザーは、原本の一覧404から複製したい原本を選択する。
ユーザーが原本の一覧404から複製したい原本を選択すると、複製マスク情報設定画面408が表示されるので、ユーザーは、複製マスク情報として、複製する原本の各設定項目409,410,411に対して、「原本の変更を反映する」、「複製時の値を有効にする」、または「複製後に改変を可能にする」のいずれかを選択する。
ユーザーは、複製マスク情報を設定し終えると、複製マスク情報設定画面408を閉じる。すると、複製メイン画面403に制御が戻る。ユーザーは、複製メイン画面403の複製先ホスト名405に原本を複製するホスト名を、複製時のジョブ名406に原本を複製して作られるジョブの名前を、それぞれ入力し、「複製開始」ボタン407を押下する。
ユーザが「複製開始」ボタン407を押下すると、原本管理システム221は、原本の改変が発生した場合、複製に改変を反映するために、複製先ホスト名405でユーザーが入力したホストに原本を複製することをデータベース227に記録する。次に、原本管理システム221は、複製先ホスト名405でユーザーが入力したホストのジョブ管理システム211に接続し、原本のレコードと、複製時のジョブ名406でユーザーが入力したジョブ名と、複製マスク情報設定画面408でユーザーが設定した複製マスク情報を、渡す。
ジョブ管理システム211は、原本のレコードとジョブ名を受け取ると、原本のレコードからジョブのレコードを生成し、受け取ったジョブ名のジョブを生成することで原本を複製する。また、ジョブ管理システム211は、原本の改変が発生したときに複製に改変を反映するため、複製に対する複製マスク情報と、原本と複製の関係を、データベース218,219に記録する。
図5は、原本を改変するときの画面である。ユーザーは、原本を改変する場合、原本管理システム221に端末220から接続する。すると、メニュー画面501が表示される。
ユーザーが、メニュー画面501の「原本の改変」ボタン502を押下すると、原本改変メイン画面503が表示される。原本改変メイン画面503に、原本管理システム221に登録されている原本の一覧504が表示されるので、ユーザーは、原本の一覧504から改変したい原本を選択する。
ユーザーは、改変したい原本を選択したあとで、当該原本に改変をかける元となるジョブ名を改変元ジョブ名506に入力し、当該ジョブが存在するホスト名を改変元ホスト名505に入力し、「更新」ボタン507を押下する。ユーザーが「更新」ボタン507を押下すると、原本管理システム221が、改変元ホスト名505でユーザーが入力したホストのジョブ管理システム211に接続し、改変元ジョブ名506でユーザーが入力したジョブの定義を取得するよう依頼する。
接続されたジョブ管理システム211では、依頼されたジョブの定義を取得し、原本管理システム221に、取得したジョブの定義を送信する。原本管理システム221は、受信したジョブの定義を元に、原本の一覧504からユーザーが選択した原本のレコードを更新する。
原本管理システム221は、原本を改変すると、改変前と改変後の原本の差分を取り、差分がある箇所の設定項目を改変反映項目としてメモリ中に記憶する。次に、複製先データベース227より、原本の一覧504からユーザーが選択した原本を複製したホストの一覧を取得し、取得した全てのホストのジョブ管理システム211に接続し、改変後の原本の原本IDと改変反映項目を送信する。
ジョブ管理システム211は、改変後の原本の原本IDと改変反映項目を受信すると、原本IDをキーとして、複製マッピングデータベース219から複製したジョブのジョブネットワーク要素IDの一覧を得る。その後、一覧中のジョブネットワーク要素IDに対する複製マスク情報の一覧を複製マスク情報データベース218から得て、複製マスク情報で「原本の変更を反映する」となっている項目が改変反映項目に存在する場合、当該複製マスク情報に対するジョブのレコードに対し、改変反映項目中の項目名と値で定義データベース216に更新をかけて、改変を反映する。
図6は、本実施形態のジョブ管理システム211で使用している各データベースのデータ構造である。
定義データベース610(図2の216)は、ジョブ管理システム211でのジョブネットワーク要素の定義を格納するテーブルであり、フィールドとして、ジョブネットワーク要素ID611、ジョブネットワーク要素名612、実行ファイル名613、パラメータ614、転送元ファイル615、および、種別616が含まれる。
ジョブ管理システム211でジョブネットワーク要素を定義すると、ジョブネットワーク要素毎に一意なジョブネットワーク要素IDが採番され、定義データベース610のジョブネットワーク要素ID611にその値が格納され、当該IDに対するジョブネットワーク要素の定義がフィールド612,613,614,615,616に書き込まれる。
なお、ジョブネットワーク要素名612はジョブ管理システム211で一意であるため、定義データベース610の候補キーは、ジョブネットワーク要素ID611か、ジョブネットワーク要素名612である。例えば、ジョブネットAという名のジョブネットが定義データベース610に書き込まれる場合、ジョブネットワーク要素ID611は「1」、ジョブネットワーク要素名612は「ジョブネットA」といったように書き込まれ、当該レコードを取得するにはジョブネットワーク要素ID611を「1」で検索するか、ジョブネットワーク要素名612を「ジョブネットA」で検索する。
関連データベース617(図2の217)は、ジョブの実行順序性を表すテーブルであり、フィールドとして、ジョブネットワーク要素ID617、先行ジョブネットワーク要素ID618、および、後続ジョブネットワーク要素ID619が含まれる。
主キーはジョブネットワーク要素ID618であり、ジョブネットワーク要素ID618のジョブの先行ジョブが先行ジョブネットワーク要素ID619で、後続ジョブが後続ジョブネットワーク要素ID621で、それぞれ表される。例えば、ジョブネットワーク要素ID618が「3」のとき、当該レコードの先行ジョブネットワーク要素ID619は「2」、後続ジョブネットワーク要素ID621は「4」なので、それぞれのジョブネットワーク要素IDをキーとして定義データベース610を検索すると、ジョブ2の先行ジョブはジョブ1、ジョブ2の後続ジョブは複製ジョブAということが把握でき、ジョブ管理システム211はこの順序でジョブを実行する。
複製マスク情報データベース622(図2の218)は、原本管理システム221から原本を複製したときの、複製毎の複製マスク情報を表すテーブルであり、フィールドとして、ジョブネットワーク要素ID623、実行ファイル名624、パラメータ625、および、転送元ファイル626が含まれる。「実行ファイル名」、「パラメータ」、および「転送元ファイル」は、設定項目を表す。
主キーはジョブネットワーク要素ID623であり、当該ID623で示されるジョブの定義の各項目に対して複製マスク情報がフィールド624,625,626に設定される。
例えば、定義データベース610のジョブネットワーク要素ID611を「4」で検索すると、複製マスク情報データベース622のジョブネットワーク要素ID623の値が「4」のレコードは、複製ジョブAに対する複製マスク情報であることが分かる。
また、複製マスク情報データベース622のジョブネットワーク要素ID623の値が「4」のレコードは、実行ファイル名624が「原本の変更を反映する」であるので、対応する原本の同フィールドの値が改変されると、複製ジョブAの実行ファイル名は原本の改変が反映され、定義データベース610のジョブネットワーク要素ID611が「4」のレコードの実行ファイル名613が更新されるように制御される。また、ジョブ管理システム211で、複製ジョブAの実行ファイル名をユーザーが直接的に変更することができないよう制御される。
同様に、パラメータ625が「複製時の値を有効にする」であるため、対応する原本の同フィールドの値が改変されても、複製ジョブAのパラメータは改変が反映されず、複製時の値がそのまま使われるように制御される。また、ジョブ管理システム211で、複製ジョブAのパラメータをユーザーが直接的に変更することができないよう制御される。
同様に、転送元ファイル626が「複製後に改変を可能にする」であるため、対応する原本の同フィールドの値が改変されても、複製ジョブAの転送元ファイルは改変が反映されないが、ジョブ管理システム211で複製ジョブAの転送元ファイルはユーザーが自由に改変できるよう制御される。
複製マッピングデータベース627(図2の219)は、原本管理システム221に登録されている原本と、当該原本の複製を表すテーブルであり、フィールドとして、原本ID628およびジョブネットワーク要素ID629が含まれる。
主キーは原本ID628とジョブネットワーク要素ID629の複合キーであり、原本ID628が同一となるレコードを検索することで、どの原本がどの複製と関係するかが分かる。そのため、原本管理システム221から原本の改変を全ての複製に反映する場合、改変が発生した原本IDが原本管理システム221から通知されたジョブ管理システム211では、当該原本IDで複製マッピングデータベース627を検索すれば、改変が発生した原本に対する全ての複製のジョブネットワーク要素IDを得ることが出来る。そのジョブネットワーク要素IDをキーとして、複製マスク情報データベース622を検索すれば、複製に対する複製マスク情報が得られ、また、定義データベース610をそのジョブネットワーク要素IDをキーとして検索すれば、改変するジョブのレコードを得ることができる。
例えば、原本管理システム221から原本IDが「1」で表される原本を複製した場合、ジョブ管理システム211の定義データベース610に複製したあとで、複製したジョブネットワーク要素ID「4」を得る。その後、複製マスク情報が複製マスクデータベース622にジョブネットワーク要素ID623の値が「4」のレコードとして格納され、複製マッピングデータベース627に、原本ID628が「1」、ジョブネットワーク要素ID629が「4」のレコードが作成される。
原本管理システム221で原本ID「1」で表される原本の実行ファイル名に改変が発生し、原本管理システムから原本ID「1」と、改変したフィールド名である実行ファイル名、改変した値として「ABC.exe」がジョブ管理システム211に通知されたとする。
ジョブ管理システム211では、複製マッピングデータベース627を原本ID「1」で検索すると、ジョブネットワーク要素ID「4」が得られる。ジョブ管理システム211は、ジョブネットワーク要素ID「4」を得ると、複製マスク情報データベース622を当該IDで検索し、ジョブネットワーク要素IDが「4」で表されるジョブの複製マスク情報が得られる。原本の改変は実行ファイル名に対して行なわれており、実行ファイル名624の複製マスク情報を参照すると、値が「原本の変更を反映する」となっているため、定義データベース610のジョブネットワーク要素IDが「4」の実行ファイル名613に対し、原本の改変後の値「ABC.exe」で更新をかけることにより、複製に対して原本の改変を反映することができる。
図7は、本実施形態の原本管理システム221で使用している各データベースのデータ構造である。
原本定義データベース710(図2の225)は、原本として登録するジョブの定義が格納されるテーブルであり、フィールドとして、原本ID711、原本名712、実行ファイル名713、パラメータ714、および転送元ファイル715が含まれる。
原本定義データベース710にはジョブの定義が格納されるため、ジョブ管理システム211の定義データベース610の種別616を除き、定義データベース610とスキーマが合っている必要がある。ただし、定義データベース610のジョブネットワーク要素ID611は原本ID711として、定義データベース610のジョブネットワーク要素名612は原本名712として、表される。
原本定義データベース710の主キーは原本ID711であり、ジョブ管理システム211から原本として登録するジョブのレコードを受け取り、原本IDを取得すれば、当該IDの原本を作成できる。例えば、ユーザーが原本管理システム221で原本として登録するジョブ名と当該ジョブが存在するホスト名を入力すると、原本管理システム221は、ユーザーが入力したホスト名のジョブ管理システム211に接続し、ユーザーが入力したジョブ名をキーとして定義データベース610から原本として登録するジョブのレコードを取得できる。原本管理システム221は、取得したジョブのレコードの各フィールドを原本定義データベース710のレコード形式に変換し、原本ID711は原本IDを新たに取得して設定し、ユーザーが入力した原本名称を原本名712に設定し、原本定義データベース710に挿入することで、原本を登録することができる。
原本マスク情報データベース716(図2の226)は、原本管理システム221に登録された原本の原本マスク情報を格納するテーブルであり、フィールドとして、原本ID717、実行ファイル名718、パラメータ719、および転送元ファイル720が含まれる。「実行ファイル名」、「パラメータ」、および「転送元ファイル」は、設定項目を表す。
主キーは原本ID717であり、当該IDで示される原本の定義の各項目に対して原本マスク情報がフィールド718,719,720に設定される。
例えば、原本定義データベース710の原本ID711を「1」で検索すると、原本マスク情報データベース716の原本ID717の値が「1」のレコードは、原本1に対する原本マスク情報であることが分かる。
また、原本マスク情報データベース716の原本ID717が「1」のレコードは、実行ファイル名718が「保護する」であるので、対応する原本の同フィールドの値が改変されると、当該原本に対する全ての複製に対して実行ファイル名の改変が反映されるように制御される。また、当該原本に対する全ての複製においては、ジョブ管理システム211で、ユーザーが実行ファイル名を直接的に改変することはできないように制御される。
同様に、パラメータ719は「保護しない」であるため、対応する原本の同フィールドの値が改変されると、当該原本に対する全ての複製に対し改変が通知されるが、改変を反映するかどうかは、複製マスク情報の設定により制御される。
複製先データベース721(図2の227)は、原本の複製先のホストを表すデータベースであり、フィールドとして、原本ID722および複製先ホスト名723が含まれる。
主キーは原本ID722と複製先ホスト名723の複合キーであり、原本ID722が同一となるレコードを検索することで、どの原本がどのホストのジョブ管理システム211に複製されたかという一覧が得られる。
ユーザーは、原本管理システム221に登録された原本をジョブ管理システム211に複製する場合、複製する原本、複製先のホスト名、複製時のジョブ名、および、複製マスク情報を入力する。原本管理システム221は、ユーザーが選択した原本の原本IDとユーザーが入力した複製先のホスト名を複製先データベース721に書き込むことで、原本の改変が発生した場合に、書き込んだ複製先のホストに対して原本の改変を複製に反映するよう通知することができる。
例えば、原本1に改変が発生すると、原本1の原本IDは「1」であるため、複製先データベース721より、原本ID722が「1」のレコードを検索する。すると、複製先のホストとして、「ホストA」と「ホストB」が取得できる。原本管理システム221は、改変前と改変後の原本の差分をとり、差分が検出されたフィールドと原本IDを、ホストAおよびホストBに通知することで、ホストAやホストBのジョブ管理システム211で複製に改変が反映されるよう制御される。
図8は、原本管理システム221に原本を登録する手順を示すフローチャートである。
ユーザーが原本管理システム221に接続し、原本として登録するジョブ名、当該ジョブが存在するホスト名、当該ジョブに対する原本マスク情報、および、登録する原本の名称を入力し、原本管理システム221に原本の登録を依頼すると、原本の登録処理(ステップ801)が開始される。原本管理システム221は、ユーザーが入力したホスト名のジョブ管理システム211に接続し(ステップ802)、ユーザーが入力したジョブの定義を取得するよう依頼する(ステップ803)。この依頼に応じて、ジョブ管理システム211の登録元ジョブ取得処理806が開始される。
ジョブ管理システム211は、ジョブ名はジョブ管理システム211内で一意であるため、原本管理システム221から取得依頼されたジョブ名をキーとして定義データベース216(図6の610)から当該ジョブのレコードを取得する(ステップ807)。また、ジョブ管理システム211は、再度原本として登録される複製に、複製元となった原本の改変が反映されることを防ぐため、取得したジョブのレコード中のジョブネットワーク要素IDをキーとして、複製マスク情報データベース218(図6の622)と複製マッピングデータベース219(図6の627)からレコードを検索する(ステップ808)。
ジョブ管理システム211は、複製マスク情報データベース218と複製マッピングデータベース219に当該レコードがあるかどうか判定する(ステップ809)。もしレコードがあれば、いま原本として登録しようとしているジョブは原本から複製したジョブなので、複製マスク情報データベース218と複製マッピングデータベース219から該当するレコードを削除する(ステップ810)。もしレコードがなければ、原本から複製したジョブではないため何もしない。
なお、ステップ810を実行せず、再度別の原本として登録する複製の複製マスク情報と、再度原本として登録するときに設定する原本マスク情報の関係を管理する仕組みを設けることにより、再度原本として登録される複製に、複製元となった原本の改変を反映するか反映しないかという制御が実現できる。例えば、原本Aから複製Bを作り、その複製Bから原本Cを登録した場合に、原本Aが改変されたときその改変を原本Cに反映させるという制御が実現できるということである。
ジョブ管理システム211は、原本管理システム221から取得依頼されたジョブのレコードを原本管理システム221に送信し(ステップ811)、処理を終える(ステップ812)。
原本管理システム221は、ジョブ管理システム211からジョブのレコードを受け取ると、原本を登録する処理を開始する(ステップ804)。ステップ804では、まず、渡されたジョブのレコードを原本のレコードに変換する。その際、原本のレコード中の原本名をユーザーが指定した原本の名称にする。次に、原本を一意に識別する原本IDを取得し、当該IDとともに原本のレコードを原本定義データベース225に書き込む。最後に、原本IDと当該IDに対する原本マスク情報を原本マスク情報データベース226に書き込んで原本を登録する。原本管理システム221は、ステップ804の処理をし終えると、原本登録処理を終える(ステップ805)。
図9は、原本管理システム221からジョブ管理システム211に原本を複製する処理手順を示すフローチャートである。
ユーザーが原本管理システム221に接続し、一覧から複製したい原本を選択して、複製マスク情報を設定したあと、複製先ホスト名と複製時のジョブ名を入力し、原本管理システム221に複製を依頼すると、複製処理(ステップ901)が開始される。
原本管理システム221は、原本に改変があったときに複製先のホストへ改変を通知するため、ユーザーが選択した原本のレコード中の原本IDと、ユーザーが入力した複製先ホスト名の対を、複製先データベース227に書き込む(ステップ902)。原本管理システム221は、複製先ホスト名のジョブ管理システム211のジョブ管理システム通信部215に接続し(ステップ903)、複製する原本のレコード、複製時のジョブ名、および、複製マスク情報を渡し、原本の複製を依頼し(ステップ904)、処理を終了する(ステップ905)。
ジョブ管理システム211は、原本管理システム221から原本の複製を依頼されると、複製処理を開始する(ステップ906)。
ジョブ管理システム211は、原本管理システム221から渡された原本のレコードをジョブのレコードに変換する。その際、変換したジョブのレコード中のジョブネットワーク要素名を、渡された複製時のジョブ名にする。そして、変換したジョブのレコードに対するジョブネットワーク要素IDを取得し、当該IDで、変換したジョブのレコードを定義データベース216に書き込むことで原本を複製する(ステップ907)。
ジョブ管理システム211は、原本を複製すると、原本のどの設定項目の改変を複製に反映するか制御できるようにするため、複製のジョブネットワーク要素IDと原本管理システム221から渡された複製マスク情報を複製マスク情報データベース218に書き込む(ステップ908)。
ジョブ管理システム211は、原本の改変の通知を受けたときに、当該原本の複製が存在するか調べられるようにするため、原本管理システム221から渡された原本のレコード中の原本IDと複製のジョブネットワーク要素IDを複製マッピングデータベース219に書き込み(ステップ909)、処理を終了する(ステップ910)。
図10は、原本管理システム221に登録された原本に改変を行い、原本の全ての複製に改変を反映する処理手順を示すフローチャートである。
原本を改変して全ての複製へ改変を反映する場合、ユーザーは、原本管理システム221に接続して、改変する原本を選択し、選択した原本に対して更新をかけるジョブ名と当該ジョブが存在するホスト名を入力し、原本管理システム221に原本の更新を依頼する。これにより、原本改変処理が開始される(ステップ1001)。
原本管理システム221は、原本を改変するデータとなるジョブのレコードを取得するため、ユーザーが入力したホスト名のジョブ管理システム211に接続し(ステップ1002)、ユーザーが入力した改変元となるジョブ(更新をかけるジョブ)のレコードを取得するよう依頼する(ステップ1003)。
改変元のジョブ管理システム211では、原本管理システム221から改変元となるジョブのレコードを取得するよう依頼されると、改変元ジョブ取得処理(ステップ1012)が開始される。改変元のジョブ管理システム211は、原本管理システム221から渡されたジョブ名をキーとして、定義データベース216からジョブのレコードを取得し(ステップ1013)、原本管理システム221に、取得したジョブのレコードを送信し(ステップ1014)、処理を終了する(ステップ1015)。
原本管理システム221は、改変元となるジョブのレコードを受信すると、複製先へ原本の改変を通知するため、原本の差分から改変反映項目の作成を行なう(ステップ1004)。ステップ1004では、まず、改変元となるジョブのレコードを改変後の原本のレコードに変換する。その際、原本名をユーザーが選択した原本の名称にし、改変後の原本のレコード中の原本IDをユーザーが選択した原本のレコード内の原本IDにする。次に、改変後の原本のレコードと改変前の原本の差分をとり、差分があった項目名と値を改変反映項目としてメモリ中で記憶する。
原本管理システム221は、改変反映項目の作成を終えると、改変後の原本のレコードを原本定義データベース225に書き込んで原本の改変を行なう(ステップ1005)。原本管理システム221は、原本の複製に改変を反映するため、改変した原本の原本IDをキーとして、複製先データベース227から複製先ホストの一覧を得て(ステップ1006)、複製先ホストの一覧中の全ホストに対して改変を反映するよう依頼する処理を行なう(ステップ1007)。
ステップ1007では、複製先ホストの一覧中のホストを1つ選び、当該ホストのジョブ管理システム211に接続し(ステップ1008)、改変した原本の原本IDと改変反映項目を送信して複製へ改変を反映するよう依頼する(ステップ1009)。複製先ホストの一覧中の全ホストに対してステップ1008とステップ1009の処理を実行したら(ステップ1010)、処理を終える(ステップ1011)。
原本管理システム221から原本の改変を複製へ反映するよう依頼されたジョブ管理システム211は、改変反映処理を開始する(ステップ1016)。
ジョブ管理システム211は、改変が発生した原本から複製したジョブが存在するかを調べるため、改変が発生した原本の原本IDをキーとして、複製マッピングデータベース219より、複製したジョブのジョブネットワーク要素IDの一覧を得る(ステップ1017)。ジョブ管理システム211は、複製したジョブのジョブネットワーク要素IDの一覧を得ると、一覧中のジョブネットワーク要素ID毎に改変反映処理を開始する(ステップ1018)。
まず、一覧中の1つのジョブネットワーク要素IDに対する複製マスク情報を複製マスク情報データベース218から得る(ステップ1019)。次に、複製マスク情報が「原本の変更を反映する」となっている項目のみ、複製に改変を反映するため、複製マスク情報が設定されている項目毎にチェック処理を開始する(ステップ1020)。
ステップ1020では、複製マスク情報の1つの項目をとり、当該項目が「原本の変更を反映する」となっていた場合(ステップ1021)、当該複製マスク情報中のジョブネットワーク要素IDをキーとして、改変反映項目中の項目名と値で定義データベース216に更新をかけて、改変を反映する(ステップ1022)。もし、複製マスク情報の項目が「原本の変更を反映する」となっていない場合は(ステップ1021)、次の複製マスク情報の項目に対して上記処理を繰り返す(ステップ1023)。
なお、改変を反映するにあたり、ユーザーがジョブ管理システム211に原本に改変が発生した場合、いつ改変を反映するかを設定できるようにすると、原本に改変が発生したときに、複製への改変をいつ反映できるか制御できるようになる。
複製マスク情報が設定されている全項目に対してステップ1020〜1023の処理を終えたら、複製したジョブのジョブネットワーク要素IDの一覧より、次のジョブネットワーク要素に対して処理を繰り返す(ステップ1024)。複製したジョブのジョブネットワーク要素IDの一覧中の全ジョブネットワーク要素IDの処理を終えたら、改変反映処理を終える(ステップ1025)。
101…原本、102…原本マスク情報、103…複製マスク情報、104…複製、105…原本、106…複製。

Claims (5)

  1. ジョブネットワーク要素の定義に従ってジョブの実行を制御するジョブ管理システムであって、
    ジョブネットワーク要素の定義を複製して作成する際の元になる原本を作成する原本作成手段と、
    前記原本作成手段により原本を作成するとき、該原本のジョブネットワーク要素の定義の各項目に対して、該原本から複製したジョブネットワーク要素の定義における改変を認めるか認めないかを示す原本マスク情報を設定する原本マスク情報設定手段と、
    前記原本を複製してジョブネットワーク要素の定義を作成する複製手段と、
    前記複製手段により原本を複製してジョブネットワーク要素の定義を作成したとき、該作成したジョブネットワーク要素の定義の各項目に対して、改変を認めるか認めないかを示す複製マスク情報を設定する複製マスク情報設定手段と、
    前記複製手段により複製・作成されたジョブネットワーク要素の定義に対し、ユーザが該定義の項目の直接的な改変を要求した場合、(1)前記原本マスク情報で当該項目に対して改変を認めると設定され、かつ、前記複製マスク情報で当該項目に対して改変を認めると設定されているときには、当該項目の値の直接的な改変を認め、(2)それ以外のときには改変を認めないように制御する改変制御手段と
    を備えることを特徴とするジョブ管理システム。
  2. 請求項1に記載のジョブ管理システムにおいて、
    前記複製マスク情報設定手段は、前記各項目に対する複製マスク情報として、「原本の変更を反映する」、「複製時の値を有効にする」、または「複製後に改変を可能にする」の何れかを設定するものであり、
    前記改変制御手段は、前記直接的な改変の要求に対し、前記原本マスク情報で当該項目に対して改変を認めると設定され、かつ、前記複製マスク情報で当該項目に対して「複製後に改変を可能にする」と設定されているときには、当該項目の値の直接的な改変を認めるものである
    ことを特徴とするジョブ管理システム。
  3. 請求項2に記載のジョブ管理システムにおいて、
    前記原本のジョブネットワーク要素の項目が改変された場合、その原本から複製・作成された全てのジョブネットワーク要素の定義に対し、それぞれ、当該項目の複製マスク情報が「原本の変更を反映する」と設定されていた場合は、当該複製・作成されたジョブネットワーク要素の定義の当該項目に前記原本の改変を反映させるよう制御する原本改変反映手段を
    さらに備えることを特徴とするジョブ管理システム。
  4. 請求項3に記載のジョブ管理システムにおいて、
    前記原本の項目に発生した改変を当該原本の複製に反映させる日時を設定する手段をさらに備え、
    前記原本改変反映手段は、該設定された日時に、原本の改変を複製に反映させる
    ことを特徴とするジョブ管理システム。
  5. 請求項1から4の何れか1つに記載のジョブ管理システムにおいて、
    第1の原本を複製することにより作成したジョブネットワーク要素の定義を元にして第2の原本を作成した場合、前記第1の原本の改変を前記第2の原本に反映させるよう制御する
    ことを特徴とするジョブ管理システム。
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