JP2010223938A - 水道管探傷センサおよび水道管老朽度診断装置 - Google Patents

水道管探傷センサおよび水道管老朽度診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水道管の診断に適した小型の探傷センサと、水道管の老朽度をより正確に診断できる水道管老朽度診断装置を提供する。
【解決手段】水道管探傷センサ20は、励磁コイル211が金属製のケーシング212に収納された励磁コイルユニット21と、第1および第2の受信コイル221、222が金属製のケーシング223に収納された受信コイルユニットと22で構成される。励磁コイル211を金属製のケーシング212に収納して、水道管10の肉厚部11とで擬似的な金属管を構成することによって小型のセンサを実現する。また肉厚の測定に用いる第1の受信コイル221とは別に、軸線が直行する第2の受信コイル222を設け、第2の受信コイル222で受信した信号を用いて水道管の電磁気特性の違いによる位相差の変動を補正することにより、肉厚の推定精度を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、リモートフィールド渦流探傷法により水道管のきずを検出する水道管探傷センサ、およびこの水道管探傷センサからの信号に基づいて水道管の老朽度を診断する水道管老朽度診断装置に関する。
現在、地中に埋設された水道管は、全国で約60万kmという膨大な量に達している。これらの水道管は埋設後40年から50年を経過したものも多く、更新の必要性を確認する上で、老朽度の把握が重要になってきている。
従来、水道管の老朽度(老朽化の程度)の診断は、水道管を開削して露出させ、主に管外面の腐食状態を目視により検査していたが、費用や手間がかかることから、開削せずに診断できる手法の開発が望まれている。
特に、水道管の中でも、主に鋼管やダクタイル鋳鉄管などの金属管が使われている配水本管では、その必要性が強く求められている。
鋼管やダクタイル鋳鉄管などの磁性を有する金属管については、水道管以外にガス配管や熱交換器配管などにも広く使用されているが、これら磁性を有する金属管の腐食を診断する手法として、リモートフィールド渦流探傷法(以降、「RFEC法」という)を採用した探傷装置が開発されている(例えば特許文献1参照)。
以下に、RFEC法を採用したガス配管の探傷装置について概要を説明する。RFEC法に用いる探傷センサは、励磁コイルと、励磁コイルから管外径の2倍から3倍程度離して管軸方向に配設された1つまたはそれ以上の受信コイルで構成され、これらのコイルが信号伝達用ケーブルに取り付けられて管内に挿入される。
探傷装置は、この探傷センサと、信号伝達用ケーブルを介して管外から励磁コイルに励磁信号を印加する励磁信号生成手段と、受信コイルからの受信信号を信号伝達用ケーブルを介して受け取り、探傷データを作成する探傷データ作成手段により構成されている。
リモートフィールド渦流現象は金属管内においてのみ生じ、励磁コイルにより発生するリモートフィールド渦流は、管路自体を導波管として伝搬する。励磁コイルには、数V〜数十Vの電圧、数十Hz〜数百Hzの比較的低い周波数の励磁電圧が印加される。
励磁コイルにより生成されるリモートフィールド渦流によって電磁波が生じる。この電磁波は、金属管の肉厚を通過する「間接伝搬波」と呼ばれる経路と、管路を導波管として伝搬する「直接伝搬波」と呼ばれる経路に二分される。このうち直接伝搬波は、励磁コイルと受信コイルとの距離が離れているため、空中を伝搬する間に急激に減衰し、ほとんど受信コイルに伝搬されない。一方、間接伝搬波の場合、リモートフィールド渦流による電磁波は金属管の肉厚部をゆっくり減衰しながら伝搬し、同時に一部は金属管の肉厚部に再度浸透して通過し、受信コイルにより受信される。
受信コイルにより受信される信号は非常に微弱(数μV〜数十μV)であるが、金属管の肉厚部通過による表皮効果の影響で位相が変化する。この位相変化は、金属管の電磁気特性(透磁率μ、電導率σ)および励磁信号の周波数の影響を受けるとともに、管の肉厚に対しほぼ比例関係にある。従って、励磁信号と受信信号の位相差(時間的な遅れ量)から管肉厚を推定することができ、結果として、肉厚の減少を検出することにより、金属管の内外壁のきずの有無や深さを評価できる。
特許第3428734号
上述した従来の探傷装置は、埋設ガス配管や化学プラント配管、熱交換器配管等の金属管内外壁の腐食の有無等を診断するのに有効であり、既に実用化されているが、そのままでは水道管の老朽度の診断に適用できない。以下に、その理由を説明する。
第1に、リモートフィールド渦流は導波管の原理に基づいており、探傷センサの受信コイルの出力信号が微弱である。金属管の肉厚部に円周方向の強い磁場を発生させるためには、金属管内の走行に支障を及ぼさない限り、励磁コイルの直径をできるだけ大きくすることが好ましい。しかし水道管は地中に埋設されており、かつ探傷センサの挿入口は、消火栓や空気弁等が取り付けられた既設の分岐部に限られている。そして分岐部の口径は水道管の口径に比べて小さいことから、大口径の励磁コイルを使用できない。
第2に、水道管の内面に形成された防食層の厚さが異なることによって、受信コイルにより受信される電磁エネルギーの大きさが変動し、肉厚の測定に影響を及ぼす恐れがある。一般に、水道管の内面には、エポキシ粉体塗装やモルタルライニングなどの防食層が設けられている。防食層の厚みは、エポキシ粉体塗装であるかモルタルライニングであるかによって異なり、さらに管の直径によっても異なる。防食層の厚みが厚い場合、管の内壁から励磁コイルおよび受信コイルまでの距離(リフトオフ)が大きくなり、受信コイルの出力信号が小さくなって測定精度が低下する。
第3に、水道管の電磁気特性が異なることによって受信信号の位相差が変動し、肉厚の測定に誤差が生じる恐れがある。前述したように、水道管として鋼管やダクタイル鋳鉄管が用いられるが、メーカや製造された時期によって電磁気特性が異なる。励磁信号と受信信号との位相差は金属管の電磁気特性(導電率および透磁率)によって影響されるため、肉厚の推定に誤差が生じ、老朽度を診断する際の精度が低下する。
本発明はこのような従来の問題点を解消し、水道管の探傷に適した小型の探傷センサを提供すること、および水道管の老朽度をより正確に診断できる水道管老朽度診断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる水道管探傷センサは、
金属製の水道管にリモートフィールド渦流を発生させる励磁コイルユニットと、この励磁コイルユニットから間隔を隔てて配設され、前記リモートフィールド渦流により生じた電磁波を受信する受信コイルユニットとを備えた水道管探傷センサであって、
前記励磁コイルユニットは、
前記水道管の管軸に対してコイルの軸線が平行に配設され、励磁信号を印加することにより前記水道管にリモートフィールド渦流を発生させる励磁コイルと、
前記水道管の内壁と対向する部分を除いて前記励磁コイルを囲むように配設された金属製の第1のケーシングとで構成され、
前記受信コイルユニットは、
前記水道管の管軸に対してコイルの軸線が垂直に配設され、前記リモートフィールド渦流により生じた電磁波を受信する第1の受信コイルと、
前記水道管の管軸に対してコイルの軸線が平行に配設され、前記リモートフィールド渦流により生じた電磁波を受信する第2の受信コイルと、
前記水道管の内壁と対向する部分を除いて前記第1および第2の受信コイルを囲むように配設された金属製の第2のケーシングとで構成されることを特徴とする。
ここで、前記第1および第2のケーシングとして、非磁性の金属からなるケーシングを用いることが好ましい。また前記非磁性の金属は、アルミニウムを主体とする合金もしくはオーステナイト系ステンレス鋼であることが好ましい。
前記受信コイルユニットと診断装置本体に接続されたケーブルとを、コネクタを介して接続することが好ましい。
前記励磁コイルユニットと前記受信コイルユニット、および前記受信コイルユニットと前記コネクタとは、それぞれ弾性体で連結されていることが好ましい。また前記弾性体としてコイルばねを用いることが好ましい。
前記弾性体を取り囲むように複数個のリング状部材が配置されていることが好ましい。また前記リング状部材として、合成樹脂製の球体の中心部に前記弾性体を通す貫通孔が形成された部材を用いることが好ましい。
また上記目的を達成するため、本発明にかかる水道管老朽度診断装置は、
上述した水道管探傷センサと、
前記励磁信号を生成して前記励磁コイルに送出する励磁信号生成部と、
前記第1の受信コイルの受信信号を、前記励磁信号を参照信号として同期検波することにより、位相が直交する2つの成分を作成する第1の信号処理部と、
前記第2の受信コイルの受信信号を、前記励磁信号を参照信号として同期検波することにより、位相が直交する2つの成分を作成する第2の信号処理部と、
前記第1の信号処理部から出力された2つの成分から、前記励磁信号と前記第1の受信信号との位相差を算出すると共に、この位相差に基づいて水道管の減肉率を推定する診断部と、
前記第2の信号処理部から出力された2つの成分から、前記励磁信号と前記第2の受信信号との位相差を算出すると共に、この位相差に基づいて前記励磁信号の周波数を設定する制御部とを備えることを特徴とする。
ここで、前記制御部は、移動量検出手段からの通知によって前記水道管探傷センサの移動を確認する毎に、前記診断部に位相差の算出と減肉率の推定とを指示することが好ましい。
また前記診断部は、診断対象となる水道管と種類が同じで肉厚が等しい基準水道管について、前記励磁信号と前記第1の受信信号との位相差と、減肉率との関係を示す減肉率基準データを予め記憶しており、
前記診断対象の水道管の前記励磁信号と前記第1の受信信号との位相差を前記減肉率基準データと照合し、最も近い位相差に対応する減肉率を前記診断対象の水道管の減肉率と推定する。
また前記制御部は、診断対象となる水道管と種類が同じで肉厚が等しい基準水道管のきずのない健全な肉厚部における、前記励磁信号の周波数を変えた時の前記励磁信号と前記第2の受信信号の位相差との関係を示す位相差補正データを予め記憶しており、
前記診断対象の水道管のきずのない健全な肉厚部における、前記励磁信号と前記第2の受信信号との位相差を前記位相差補正データと照合し、最も近い位相差に対応する周波数を前記診断対象の水道管の励磁信号の周波数として設定する。
本発明にかかる水道管探傷センサは、励磁コイルおよび受信コイルを金属製のケーシングで覆い、擬似的な金属管を構成することによって閉じた磁場を形成しており、大口径の励磁コイルを必要としないため、水道管の分岐部から挿入できる小型の探傷センサを実現できる。
また本発明にかかる水道管老朽度診断装置は、肉厚の測定に際して水道管の電磁気特性の違いによる位相差の変動を補正しているため、肉厚について高い精度の推定が可能となり、結果として、老朽度についてのより正確な診断が可能となる。
本発明の実施の形態にかかる水道管探傷センサの概略構成と使用状態を示す断面図である。 図1の水道管探傷センサの受信信号の一例を示す電圧波形図である。 図1の水道管探傷センサの受信信号をベクトル平面に表示したリサージュ図形の一例を示す図である。 実施の形態で用いる基準水道管の断面図である。 基準水道管における受信信号の位相差と実測減肉率との関係の一例を示すグラフである。 基準水道管における励磁信号の周波数と受信信号の位相差との関係の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態にかかる水道管老朽度診断装置の構成を示すブロック図である。 基準水道管を用いて減肉率基準データDsを作成する際の処理の流れを示すフローチャートである。 基準水道管を用いて位相差補正データDcを作成する際の処理の流れを示すフローチャートである。 診断対象の水道管における水道管探傷センサの受信信号の位相差を測定し、その値から減肉率を推定する際の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態にかかる水道管探傷センサの具体構成を示す正面図である。 地中に埋設された水道管の分岐部に探傷センサ挿入器を取り付けた状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態にかかる水道管探傷センサおよび水道管老朽度診断装置について、図面を参照しながら説明する。
<水道管探傷センサの構成>
図1は本実施の形態にかかる水道管探傷センサ(以降「センサ」と略記する)の概略構成と使用状態を示す断面図である。地中に埋設され、水Wが流れている水道管10の底部にセンサ20が置かれている。円筒型の水道管10の肉厚部11の内面にはエポキシ粉体塗装やモルタルライニングなどの防食層12が形成されている。
水道管10には所定の間隔を隔てて消火栓や空気弁(図示せず)を取り付ける分岐部13が設けられており、探傷センサ20はこの分岐部13から水道管20内に挿入される。図1では、センサ20が水道管10内に挿入された状態を概括的に説明するため、分岐部13にふた14が取り付けられた状態を示している。しかし、実際に水道管10にセンサ20を挿入する際には、後述の図12に示すように、分岐部13に補修弁15と探傷センサ挿入器80が取り付けられる。なお、センサ20を水道管10へ挿入する際の手順については、後に図12を参照して詳述する。
探傷センサ20は、励磁コイルユニット21と受信コイルユニット22、およびこれらを連結する弾性体23で構成されている。また探傷センサ20は、信号伝達用ケーブル24によって水道管10の外部に設置された診断装置本体(図示せず)に接続されている。信号伝達用ケーブル24内には、励磁コイルユニット21および受信コイルユニット22内の各コイルと診断装置本体内の信号処理回路等とを接続する複数のペア芯線およびセンサ20を押し込むための、例えばFRPロッドのようなテンションメンバが通っている。
励磁コイルユニット21は、励磁コイル211と、それを収納する金属製の第1のケーシング212で構成されている。励磁コイル211は、樹脂製のコアもしくはフェライトコアにコイルが巻回されたもので、コイルの軸線は水道管10の管軸Cに対して平行に配設されている。励磁コイル211に励磁信号が印加されると、水道管10の肉厚部11にリモートフィールド渦流が発生する。
第1のケーシング212はアルミ合金などの非磁性の金属で作られ、水道管10の内壁と対向する部分を除いて、励磁コイル211を囲むように配設されている。また図示しないが、励磁コイル211の表面および励磁コイル211と第1のケーシング212との隙間には、防水のために樹脂が充填されている。
受信コイルユニット22は、第1の受信コイル221および第2の受信コイル222と、これらを収納する金属製の第2のケーシング223とで構成されている。第1の受信コイル221および第2の受信コイル222は、共に樹脂製のコアもしくはフェライトコアにコイルが巻回されたものであるが、コイルの軸線の方向が異なっている。すなわち第1の受信コイル221は、水道管10の管軸Cに対してコイルの軸線が垂直(水道管10の径方向)に配設されている。これに対し第2の受信コイル222は、水道管10の管軸Cに対してコイルの軸線が並行に配設されている。
第2のケーシング223は、第1のケーシング211と同様にアルミ合金などの非磁性の金属で作られ、水道管10の内壁と対向する部分を除いて、第1の受信コイル221および第2の受信コイル222を囲むように配設されている。また図示しないが、励磁コイルユニット21と同様に、第1の受信コイル221および第2の受信コイル222の表面ならびにこれらのコイルと第2のケーシング223の隙間には、防水のために樹脂が充填されている。
励磁コイルユニット21と受信コイルユニット22を連結する弾性体23は、例えばコイルばねで構成され、中空部には、励磁コイルユニット21に励磁信号を伝送するコア芯線が挿入されている。センサ20を分岐部13から水道管10内に挿入する際に、弾性体23を曲げることによって挿入動作がスムーズに行われる。
センサ20の移動は、ケーブル24を図示しないケーブルドラムに巻き取りもしくは巻き戻すことにより行う。なお、センサ20の移動量の測定は、ロータリエンコーダ等の移動量検出手段(図示せず)によってケーブル24の送り出し量を測定することにより行う。
<探傷センサの機能>
次に、図2〜図6を参照して探傷センサ20の機能について説明する。最初に励磁コイルユニット21の機能について説明する。リモートフィールド渦流を発生させるためには、閉じた磁場を形成する必要がある。このため前述した特許文献1に記載の診断装置では、大口径のリング状励磁コイルを用いて金属管の肉厚部に円周方向の閉じた磁場を形成している。
しかし水道管の場合は、挿入場所の制約から、大口径のリング状励磁コイルを用いることができない。このためセンサ20では、励磁コイル211を囲むように金属製のケーシング212を配設し、このケーシング212と水道管10の肉厚部11によって擬似的な金属管を構成することによって、閉じた磁場を形成している。この閉じた磁場によって水道管10の肉厚部11にリモートフィールド渦流が発生する。
このように本実施の形態の探傷センサ20は、直径の大きい励磁コイルを用いて水道管10の円周方向に閉じた磁場を形成する代わりに、金属製のケーシング212と水道管10の肉厚部11で擬似的な金属管を構成することによって閉じた磁場を形成している。結果として、水道管10の内径に比較して小さなサイズの励磁コイルユニットを用いて、水道管10の肉厚部11にリモートフィールド渦流を発生させることができる。
また、ケーシング212と水道管10の肉厚部11によって形成される閉じた磁場は、リフトオフによる変動が少ないため、防食層12の厚みの違いを吸収できるメリットを併せ持っている。
さらに、励磁コイル211および受信コイル221、222を非磁性の金属製ケーシング212および223で囲むことによって、ケーシング内で渦電流損が生じて直接伝播波が減衰する。結果として、受信信号への直接伝播波の影響を低減できるので、励磁コイルユニット21と受信コイルユニット22の間隔を狭めて、センサ10をコンパクトに構成できる。
金属製ケーシング212および223の材質としては、非磁性の金属、例えばアルミニウムを主体とする合金やオーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS304)を用いることが好ましい。金属製ケーシング212および223に磁性体の金属を用いた場合、センサ20の移動時に、ケーシングと管内壁との摺動によって受信信号にノイズが発生するため、ケーシングの材質としては好ましくない。
次に、受信コイルユニット22について説明する。前述したように受信コイルユニット22は、水道管10の管軸Cに対してコイルの軸線が垂直に配設された第1の受信コイル221と、水道管10の管軸Cに対してコイルの軸線が平行に配設された第2の受信コイル222を含む。
図2に第1の受信コイル221および第2の受信コイル222で受信した信号の電圧波形の一例を示す。図中、横軸は水道管の管軸方向の位置を表す。図2の電圧波形は、0.4φ×1000巻の励磁コイル211、0.07φ×2000巻の第1の受信コイル221および0.1φ×1000巻の第2の受信コイル222を使用し、周波数35Hz、電圧15Vp−pの励磁電圧を印加した時の波形である。
図2(A)および(B)は、第1の受信コイル221の受信信号を同期検波することにより得られる2つの信号成分A1cosφ1およびA1sinφ1を示す。A1は受信信号の振幅である。信号成分A1cosφ1とA1sinφ1は、受信信号を励磁信号と同位相および90度位相の異なる参照信号でそれぞれ同期検波することにより得られる。また図2(C)および(D)は、第2の受信コイル222の受信信号を同期検波することにより得られる2つの信号成分A2cosφ2およびA2sinφ2を示す。A2は受信信号の振幅である。
図3に示したリサージュ図形は、第1の受信コイル221の受信信号から得られた2つの信号成分A1cosφ1およびA1sinφ1のうち、図2(A)、(B)の中央部に示すように、水道管10にきずがある箇所の信号成分をベクトル平面に表示したものの一例である。横軸は受信信号を励磁信号と同位相の参照信号で同期検波した値A1cosφ1を表し、縦軸は受信信号を励磁信号と90度位相の異なる参照信号で同期検波した値A1sinφ1を表す。リサージュ図形の軸が横軸となす角θが励磁信号と受信信号との位相差を表す。なお、XgおよびYgはリサージュ図形のオフセット値である。これらのオフセットは、第1受信コイル221で検出する電磁エネルギーの方向がコイルの軸心と一致していないことにより生じる。
図1に戻って、水道管10の肉厚部11にきず15がある場合、励磁コイル211により発生し水道管10の肉厚部11を伝搬する電磁エネルギーは、管軸Cに対して垂直方向(半径方向)のベクトルを有する電磁エネルギーの流れを生じ、第1の受信コイル221で効率よく検出することができる。従って、第1の受信コイル221は、水道管の肉厚の測定に用いられる。
一方、水道管10の肉厚部11にきずがない場合、管軸Cに垂直方向の電磁エネルギーの流れは発生せず、管軸Cに平行な電磁エネルギーの流れのみとなる。その結果、電磁エネルギーは、コイルの軸線が管軸Cに平行に配設された第2の受信コイル222により検出される。第2の受信コイル222は、水道管10の電磁気特性に関する情報を得るために用いられる。
<肉厚の推定方法>
以下、第1の受信コイル221の受信信号を用いた肉厚の推定方法について説明する。前述したように、励磁信号と受信信号との位相差θは水道管10の肉厚に応じて変化する。診断対象である水道管と同じ材質で作られた、概ね同一の肉厚の水道管をあらかじめ用意し、この水道管の外面に深さの異なる複数のきずをつける。次に、センサ20を移動させながら水道管の位相差θを測定し、測定した位相差θと実測した肉厚部11の減肉率との関係を求めてデータ化する。
診断対象の水道管で測定した位相差θを上述のデータと照合することにより、水道管の肉厚を推定することができる。ここで、「減肉率」とは、腐食等によって水道管の肉厚部の厚みが当初の厚みから減少した割合をいい、きずの深さを表す指標として用いられる。
減肉率の推定方法についてさらに具体的に説明する。まず、測定を行なう水道管10と材質が同じで(例えばダクタイル鋳鉄管)、肉厚部の厚さが概ね等しい水道管(以降、「基準水道管」という)を用意する。図4に基準水道管10Sの断面を示す。図4に示すように、基準水道管10Sの外周面には減肉率の異なるきず15a〜15cが形成されている。前述した方法でセンサ20を移動させながら、励磁コイル211を任意の周波数の信号で励磁し、第1の受信コイル221で受信した信号から位相差θを算出する。
次に、算出した位相差θと実測した減肉率をグラフ化して相互の関係を求める。図5に、このようにして求めた位相差θと減肉率の関係の一例を示す。図5において、横軸は第1の受信センサ221で測定した位相差θを表し、縦軸は減肉率の実測値を表す。図中の■は実測値をグラフにプロットしたものである。
図5に示すように、実測値に沿うように直線または曲線を引き、その直線または曲線上の位相差と減肉率の関係をデータ化してメモリに記憶する。以降、このデータを「減肉率基準データ」Dsという。診断対象の水道管で測定した位相差θを、減肉率基準データDsの位相差と照合すれば、水道管の減肉率を推定することができる。
<位相差の補正方法>
次に、第2の受信コイル222の受信信号を用いた位相差の補正方法について説明する。RFEC法において、励磁コイルに印加される励磁信号と受信コイルで受信した信号との位相差θは、以下の式(1)で示される。
θ=k√(π・f・μ・σ)・・・・・(1)
ここで、kは比例定数、πは円周率、fは励磁信号の周波数、μは金属管の透磁率、σは金属管の導電率を表す。
式(1)から明らかなように、受信信号の位相差θは、金属管の透磁率μ、導電率σおよび励磁コイルに印加される励磁信号の周波数fにより変化する。このうち、電磁気特性すなわち透磁率μと導電率σは管に固有のものである。このため、受信コイルの測定信号の位相差が肉厚と比例するからといって、得られた位相差を基に一律に肉厚を導き出すと、測定した肉厚に誤差が生じる。水道管の肉厚を精度よく導き出すためには、電磁気特性の違いにより生じる受信信号の位相差の変動を補正する必要がある。
以下、位相差の補正方法について具体的に説明する。まず第2の受信コイル222を用いて、励磁信号の周波数を変えながら水道管のきずのない健全な肉厚部(以降、「健全部」という)の位相差θを測定する。健全部では、前述の図3に示すようなリサージュ図形は生成されず、A1cosφ1とA1sinφ1は点gに集束するため、位相差θは、原点Oと点gを結ぶ線と、横軸とのなす角度として表される。
図6に、励磁信号の周波数と第2の受信コイル222を用いて測定した位相差との関係を示す。図6において、横軸は励磁信号の周波数、縦軸は位相差を表す。図から明らかなように、周波数と位相差との間にほぼ比例の関係がある。
前述の式(1)より、電磁気特性すなわち透磁率μと導電率σが異なる金属管を用いた場合、周波数fの値を変えることによって、位相差θを同一の値にすることができる。言い換えれば、周波数を変えることによって金属管の電磁気特性の違いによって生じる位相差の変動を補正できることになる。
例えば、図6において、前述した減肉率基準データDsを作成した時の励磁信号の周波数が35Hzとすると、第2受信コイルの健全部の位相差θは240度となる。一方、診断対象の水道管の健全部の位相差が260度であったとすると、位相差に20度の違いが生じる。従って、基準水道管の健全部の位相差が220度となる周波数32Hzで診断対象の水道管の位相差θを求めれば、基準水道管の位相差とほぼ同じ値となり、水道管の電磁気特性の違いを吸収することができる。
図6に示した周波数と位相差の関係を、水道管の位相差θを測定する際の補正データとして用いるため、データ化してメモリに記憶する。以降、このデータを「位相差補正データ」Dcという。また初期の周波数f0の励磁信号を用いて測定した基準水道管10Sの健全部の位相差θと同一の位相差が得られる診断対象である水道管の励磁信号の周波数f1を「特定周波数」という。
診断対象である水道管10を、センサ20を移動させながら特定周波数f1の励磁信号を用いて励磁させ、受信信号を第1の受信コイルで受信して位相差を算出し、その値を前述の減肉率基準データDsと照合すれば、減肉率を精度よく推定できる。その結果、電磁気特性の異なる水道管であっても、肉厚に関するより正確な情報を得ることができる。
<水道管老朽度診断装置の構成>
次に、本実施の形態にかかる水道管老朽度診断装置の構成を説明する。図7に水道管老朽度診断装置のブロック構成を示す。水道管老朽度診断装置1は、センサ20、励磁信号生成部30、信号処理部40および50、診断部60ならびに制御部70で構成されている。
励磁信号生成部30は、周波数f0またはf1の交流信号を生成し、励磁信号としてセンサ20の励磁コイル211に送出する。信号処理部40は、第1の受信コイル221の受信信号を処理してA1cosφ1とA1sinφ1を作成する。信号処理部50は、第2の受信コイル221の受信信号を処理してA2cosφ2とA2sinφ2を作成する。診断部60は、信号処理部40の出力に基づいて水道管10の減肉率を推定する。制御部70は、信号処理部50の出力に基づいて、励磁信号生成部30で生成する励磁信号の周波数を設定する。
励磁信号生成部30は、基準発信器301、プログラマブルデバイダ302、PLL回路303、分周器304および305、波形成形回路306、アンプ307、インバータ308、ならびにフリップフロップ309および310を含む。
プログラマブルデバイダ302およびPLL回路303は可変分周器を構成し、制御部70の指示信号Isに基づいて、基準発振器301から出力されたクロック信号を任意の値に分周する。PLL回路303の出力信号は分周器304でさらに1/2n(nは整数)に分周され、波形成形回路306で矩形波からSin波に変換され、アンプ308で増幅された後、励磁信号Smとして、ペア芯線311を介して励磁コイル211に送出される。
またPLL回路303の出力信号は、分周器305でさらに1/nに分周された後2つに分岐する。一方の信号はインバータ308で反転され、フリップフロップ(図では「FF」と表示)309で1/2に分周された後、信号処理部40および50に供給される。また他方の信号はフリップフロップ(FF)310で1/2に分周された後、信号処理部40および50に供給される。
信号処理部40は、差動アンプ401、ローパスフィルタ(図では「LPF」と表示)402、バンドパスフィルタ(図では「BPF」と表示)403、同期検波器404および405を含む。第1の受信コイル221からペア芯線406を通して受信した受信信号Sr1は差動アンプ401で増幅され、ローパスフィルタ402で高周波ノイズが除去される。バンドパスフィルタ403はPLL回路303の出力信号に応じて取り出せる周波数帯域が変更できる。バンドパスフィルタ403によって励磁信号の周波数を中心とした成分が取り出された受信信号Sr1は、同期検波器404および405に入力され、それぞれフリップフロップ309および310の出力を参照信号として同期検波され、さらに全波整流されてA1cosφ1とA1sinφ1が出力される。
信号処理部50は、差動アンプ501、ローパスフィルタ(LPF)502、バンドパスフィルタ(BPS)503、同期検波器504および505を含む。信号処理部50の構成および機能は信号処理部40のそれと同じであり、第2の受信コイル222からペア芯線406を通して受信した受信信号Sr2は、信号処理部40と同様の処理が施される。信号処理部50からは、第2の受信コイル222の受信信号Sr2を同期検波したA2cosφ2とA2sinφ2が出力される。
診断部60は、CPU(Central Processing Unit)601、メモリ602および表示回路603を含む。CPU601は、信号処理部40の出力A1cosφ1とA1sinφ1に基づいて受信信号Sr1の位相差θを算出する。またCPU601は、算出した位相差θをメモリ602に記憶された減肉率基準データDsと照合して減肉率を推定する。表示回路603は、CPU601によって推定された減肉率の値を数字もしくは長さで表示する。
制御部70は、CPU701とメモリ702を含む。CPU701は、信号処理部50の出力である第2の受信コイル222の受信信号Sr2の同期検波出力A2cosφ2とA2sinφ2に基づいて位相差θを算出する。またCPU701は、算出した位相差θをメモリ702に記憶された位相差補正データDcと照合して、位相差θが最も近い周波数を抽出する。
さらにCPU701は、励磁信号生成部30のプログラマブルデバイダ302に指示信号Isを送信し、初期周波数f0もしくは周波数f1のいずれかの励磁信号を生成するよう指示する。またCPU701は、診断部60のCPU601に対し、位相差θの算出と減肉率の推定を指示する。
<水道管老朽度診断装置の動作>
次に、図7のブロック図、図8、図9および図10のフローチャートを参照して、水道管老朽度診断装置1の動作を説明する。図8は基準水道管を用いて減肉率基準データDsを作成する際の処理の流れを示す。図9は基準水道管を用いて位相差補正データDcを作成する際の処理の流れを示す。図10は診断対象である水道管の位相差θを算出し、その値から減肉率を推定する際の処理の流れを示す。
最初に、図8に基づいて、減肉率基準データDsを作成する際の処理を説明する。ステップS11において、励磁信号生成部30は、制御部70の指示に基づいて初期周波数f0の励磁信号Smを生成し、励磁コイル211に送出する。励磁コイル211に送出された励磁信号Smによって基準水道管10Aの肉厚部11にリモートフィールド渦流が生成され、これにより電磁波が発生する。
ステップS12において、信号処理部40は、第1受信コイル221で受信した信号Sr1を同期検波して、直交する2つの信号成分(A1cosφ1とA1sinφ1)を作成する。
ステップS13において、診断部60のCPU601は、信号処理部40の出力に基づいて受信信号Sr1の位相差θを算出すると共に、一時的にメモリ602に記憶する。位相差θの算出に際しては、前述の図3において、横軸および縦軸をそれぞれXgおよびYgだけシフトして原点Oを点gと一致させた後、下記式(2)により位相差θを求める。
θ=180−tan-11sinφ1/A1cosφ1・・・・・(2)
ステップ14において、制御部70のCPU701は、図示しない移動量検出手段の出力信号からセンサ20の移動量を確認し、測定対象領域の測定を全て終了したか否か判断する。未測定領域が残っている場合は、センサ20が次の測定位置に移動したことを確認した後、ステップS11の処理に戻り、対象領域の測定が完了した場合はステップS15の処理に移る。
ステップS15において、診断装置の操作者は、メモリ602に一時記憶された位相差θとあらかじめ測定した減肉率の実測値の関係を図5に示すグラフにプロットし、その値に沿うように直線または曲線を引き、その直線または曲線上の位相差と減肉率との関係を、減肉率基準データDsとしてデータ化する。
ステップS16において、診断部60は、作成された減肉率基準データDsを図示しない入力手段によって取り込み、メモリ602に記憶する。
次に図9に基づいて、位相差補正データDcを作成する際の処理を説明する。この処理においては、基準水道管10Sの健全部の受信信号が必要となるため、図示しないケーブルドラムを巻回してセンサ20を移動させ、診断部60からの信号に基づいて、第1受信コイル221の受信信号Sr1が最低となる位置、すなわち、きずのない位置でセンサ20を停止させておく。
ステップS21において、制御部70は、励磁信号生成部30に指示信号Isを送信して周波数を初期周波数f0から変更するよう指示する。励磁信号生成部30は指示された周波数の励磁信号Smを生成して励磁コイル211に送出する。
ステップS22において、信号処理部50は、第2受信コイル222で受信した信号Sr2を同期検波して、直交する2つの信号成分(A2cosφ2とA2sinφ2)を作成する。
ステップS23において、制御部70のCPU701は、信号処理部50の出力に基づいて受信信号Sr2の位相差θを算出し、メモリ702に一時的に記憶する。
ステップS24において、CPU701は、予定した周波数の変更が全て終了したか否か判断し、周波数の変更が終了していない場合はステップS21の処理に戻り、周波数の変更が全て終了した場合は、ステップS25の処理に移る。
ステップS25において、CPU701は、メモリ702に一時記憶されたデータに基づいて、図6に示す位相差θと周波数の関係を示す位相差補正データDcを作成し、引き続いてステップS26において、このデータをメモリ702に記憶する。
次に、図10に基づいて、診断対象である水道管の位相差θを測定し、その値から減肉率を推定する際の処理について説明する。ステップS31において、励磁信号生成部30は、制御部70の指示に基づいて初期周波数f0の励磁信号Smを生成し、励磁コイル211に送出する。励磁コイル211に送出された励磁信号Smによって水道管10の肉厚部11にリモートフィールド渦流が生成され、これに伴って電磁波が発生する。
この際、探傷センサ20は、図示しないケーブルドラムを巻回してセンサ20を移動させ、第1受信コイル221の受信信号が最低となる位置、すなわち水道管10の健全部に置かれている。このような状態において、リモートフィールド渦流により生じた電磁波を第2受信コイル222で受信する。
ステップS32において、信号処理部50は、第2受信コイル222の受信信号Sr2を同期検波して、直交する2つの信号成分(A2cosφ2とA2sinφ2)を作成する。
ステップS33において、制御部70のCPU701は、信号処理部50の出力(A2cosφ2とA2sinφ2)に基づいて、水道管10の健全部の位相差θを算出する。CPU701は、さらにステップS34において、算出した水道管10の健全部の位相差θ1を、メモリ702にあらかじめ記憶されている位相差補正データDcと照合して、θ1に最も近い位相差に対応した特定周波数f1を抽出する。
ステップS35において、制御部70のCPU701は、ステップS34で選択した特定周波数f1の励磁信号の生成を励磁信号生成部30に指示し、励磁信号生成部30は、制御部70の指示に従って周波数f1の励磁信号Smを生成し、励磁コイル211に送出する。
ステップS36において、信号処理部40は、第1受信コイル221の受信信号Sr1を同期検波して、直交する2つの信号成分(A1cosφ1とA1sinφ1)を作成する。
ステップS37において、診断部60は、信号処理部40の出力に基づき、水道管10の外周面にきずがある箇所について受信信号Sr1の位相差θを算出する。診断部60は、さらにステップS38において、算出した受信信号Sr1の位相差θをメモリ602に記憶された減肉率基準データDsと照合し、算出した位相差θに最も近い位相差に対応する減肉率を抽出する。
このようにして抽出された減肉率は、ステップS31からS34までの処理により水道管10の電磁気特性の違いによる受信信号の変動が補正されているため、水道管の減肉率の実測値に近い値となる。
続いてステップS39において、制御部70のCPU701は、図示しない移動量検出手段の出力信号からセンサ20の移動量を確認し、測定対象領域の測定が全て終了したか否か判断する。未測定の領域がある場合はセンサ20が次の測定位置に移動したことを確認した後ステップS31の処理に戻り、対象領域の測定が全て終了した場合は処理を終了する。
上述した処理により得られた減肉率は、水道管の電磁気特性の違いによる受信信号の変動が補正されているため、水道管の減肉率について高い精度の推定が可能となる。そしてこの値に基づいて水道管のきずの状態を検査することにより、老朽度のより正確な診断が可能となる。
また、上述した処理では、励磁信号Smの周波数の補正は、制御部70のCPU701によって自動的に行われるため、水道管の診断を行う担当者は水道管の電磁気特性の違いを考慮する必要がなく、診断作業の効率化が図れる。
<センサの具体構成>
次に、図11を参照して、センサ20の具体的な構成について説明する。図11はセンサ20の具体構成の一例を示す。励磁コイルユニット21と受信コイルユニット22は、水の抵抗を減らすために、断面が流線型に形成されている。
前述の図1に示したセンサ20は、励磁コイルユニット21、受信コイルユニット22および弾性体23で構成されていたが、図11の構成では、これにコネクタ25および弾性体26が追加され、さらに弾性体23および26を取り囲むように、座屈を防止する部材として複数個のリング状部材27および28が取り付けられている。
コネクタ25はセンサ20をケーブル24から取り外すために設けられたものである。水道管の診断を行う際にセンサ20を持ち運ぶ必要がある。その際、センサ20をケーブル24から取り外すことができれば、持ち運びに便利である。
受信コイルユニット22とコネクタ25とを連結する弾性体26は、弾性体23と同様に、水道管10への挿入をスムーズに行うために設けられたものであり、コイルばねで構成されている。
センサ20を分岐部13から水道管10内に挿入するとき、弾性体23、26を屈曲させる必要があるが、弾性体23、26をコイルばねのみで構成した場合、屈曲の際にコイルばねに過度の力が加わると座屈が生じる。リング状部材27は、弾性体23のうち励磁コイルユニット21または受信コイルユニット22との接続部に過度の力が集中して座屈が生じるのを防止するものである。同様にリング状部材28は、弾性体26のうち受信コイルユニット22またはコネクタ25との接続部に過度の力が集中して座屈が生じるのを防止するものである。
リング状部材27および28の直径は、励磁コイルユニット21および受信コイルユニット22が水道管10の壁面から浮かない程度の大きさに設定する必要がある。またリング状部材27の5個のリングの直径は変わらないが、リング状部材28の4個のリングの直径は、コネクタ25に近付く程大きくなっている。これは、リング状部材28のうちコネクタ25に接するリングの口径がコネクタ25の外径とほぼ等しくなるように、受信コイルユニット22から離れるにつれてリングの口径を段階的に大きくしたものである。
リング状部材27および28の素材には、ポリアセタール樹脂などの、強度、弾性率および耐衝撃性に優れた合成樹脂が用いられる。リング状部材27および28は、合成樹脂製の球体の中心部に円柱状の貫通孔を形成することにより作製される。
なお、リング状部材27および28は、必ずしも外形が球状である必要はなく、座屈を防止する効果があれば、例えば、断面が台形などの他の形状であってもよい。同様に、リング状部材27および28の数は、弾性体23、26の曲げ易さや座屈を防止する効果などを考慮して定められる。
<センサの使用形態>
次に、図11に示したセンサ20の使用形態について、図12を参照して説明する。図12は、地中に埋設された水道管10の分岐部13に、補修弁15を介して探傷センサ挿入器80を取り付けた状態を示す断面図である。
通常、地下91に水道管10が埋設された箇所には、約100m間隔で消火栓ボックス92が設けられている。消火栓ボックス92内に露出した水道管10には分岐部13が設けられており、この分岐部13に補修弁15と図示しない消火栓本体が取り付けられている。水道管10にセンサ20を挿入する際には、補修弁15から消火栓本体を取り外し、代わりに探傷センサ挿入器80を取り付ける。
探傷センサ挿入器80は、センサ20を不断水で水道管10内に挿入するために用いられる。探傷センサ挿入器80は、取付部材81、挿入ガイド82、挿入シャフト83、ふた84および上板87で構成されている。
円筒状の取付部材81は、消火栓本体を取り外した補修弁15の上部に取り付けられる。取付部材81の中空部には、円筒状の挿入ガイド82および挿入シャフト83が収容されている。また取付部材81の上端部には、挿入シャフト83が通る孔が設けられたふた84が取り付けられている。挿入ガイド82および挿入シャフト83の素材として、通常、ステンレスが用いられる。
挿入ガイド82の中空部にはセンサ20が収容されている。挿入ガイド82の下端部は開口部に段差ができるように切断され、また下端部の近傍に、センサ20を水道管10内に案内するガイド板85が取り付けられている。一方、挿入ガイド82の上端部には挿入シャフト83が取り付けられている。
挿入シャフト83の中空部にはケーブル24が収容されている。また挿入シャフト83の上端部にはフランジ86が形成され、そのフランジ86に、ケーブル24が通る孔が開けられた上板87が取り付けられている。
なお、図示しないが、ふた84に設けられた孔の近傍にはパッキンが取り付けられており、水が外部に漏れない状態で、挿入シャフト83を上下方向に移動させることができる。同様に、上板87に設けられた孔の近傍にもパッキンが取り付けられており、水が外部に漏れない状態で、ケーブル24を上下方向に移動させることができる。
次に、図12に基づいてセンサ20の使用形態を説明する。通常の状態では、補修弁15の上部に消火栓本体(図示せず)が取り付けられている。センサ20により水道管10の探傷を行う際には、消火栓本体を補修弁15から取り外し、代わりに探傷センサ挿入器80を取り付ける。
補修弁15の中には、図示しないボールが配置されており、ボールには貫通孔が形成されている。ボールは補修弁15の外部に配置された図示しないハンドルの操作により回転させることができる。ハンドルを操作しボールを回転させて貫通孔を閉じることにより、水が外部に漏れるのを阻止できる。
補修弁15に探傷センサ挿入器80を取り付ける際には、補修弁15のハンドルを操作しボールを回転させて貫通孔を閉じる。この状態で消火栓本体を取り外し、代わりに探傷センサ挿入器80の取付部材81を補修弁15に取り付ける。このとき、挿入ガイド82は、上端部がふた84に接する位置にあり、下端部が補修弁15のボール(図示せず)の上方に位置している。
補修弁15に取付部材81を取り付けた後、補修弁15のハンドル(図示せず)を回してボールの貫通孔を取付部材81の中空部と同軸に向けることで補修弁15を開く。補修弁15が開くと、取付部材81内に水が充満する。
次に、挿入ガイド82が補修弁15のボールの貫通孔を通過する状態で、挿入シャフト83を下方に移動させ、挿入ガイド82およびガイド板85の先端を水道管10の管壁に当接させる。この時点では、センサ20は矢印Aに示す位置、すなわち挿入ガイド82の上部にある。
この状態でケーブル24を下方に移動させることにより、センサ20を水道管10内に挿入する。図11に示したように、励磁コイルユニット21、受信コイルユニット22およびコネクタ25は、それぞれ弾性体(コイルばね)23および26で連結されているため、センサ20は、挿入ガイド82およびガイド板85に沿うように変形する。この際、リング状部材27および28によって、弾性体(コイルばね)23および26の一部に力が集中するのが妨げられるため、センサ20を水道管10内にスムーズに挿入できる。
センサ20は、挿入ガイド82およびガイド板85に案内される形で、移動方向が垂直方向から水平方向に変わり、センサ20が矢印Bに示す位置まで移動して、水道管10の探傷を開始できる状態となる。以降、図示しないケーブルドラムを巻回してケーブル24を送り出す、もしくは巻き戻してセンサ20の位置を移動させながら、水道管10の探傷を行う。
なお、ケーブル24は、図示しないケーブルドラムに巻き取り、もしくは巻き戻されるため、ケーブル製造時、あるいはドラムへの巻き取り、巻き戻しにより、信号伝達ケーブルに巻癖が生ずる。この巻癖により、センサ20が管円周方向に回転する可能性がある。
この巻癖による回転を最小限に抑え、センサ20の浮き上がりや転倒を防止するため、受信コイルユニット22の後方フランジには、あらかじめ定めた角度以上回転しないような捩れ逃がし機構を有していることが好ましい。水道管10内にケーブルを出し入れする際に、ケーブルの巻癖が捩れ逃がし機構により逃がされて、コイルユニット21および22が水道管10内でひっくり返ることがなく、正確な診断が可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、消火栓から水道管内に挿入できる小型でコンパクトな探傷センサを実現できる。また本発明の水道管老朽度診断装置は、水道管の電磁気特性の違いによる位相差が自動的に補正されるため、老朽度のより正確な診断が可能となると共に、作業の効率化が図れる。
なお、上述した実施の形態では、センサを用いて、主として水道管の底部の探傷を行う場合について説明したが、これに限定されないことは云うまでもない。例えば、複数のセンサを円周状に配設することにより、あるいは、センサによって水道管の内壁を螺旋状に走査することにより、一度の走査で水道管全周に渡る診断が可能となる。
本発明にかかる水道管老朽度診断装置は、口径の大小にかかわらず、磁性管で構成された各種水道管の診断に適用できるものであり、非開削および非破壊、かつ水を流した状態での診断が可能であるため、その利用価値は大きい。
1 水道管老朽度診断装置
10、10S 水道管
11 肉厚部
12 防食層
13 消火栓
14、84 ふた
15 補修弁
20 水道管探傷センサ
21 励磁コイルユニット
22 受信コイルユニット
23、26 弾性体
24 ケーブル
25 コネクタ
27、28 リング状部材
30 励磁信号生成部
40、50 信号処理部
60 診断部
70 制御部
80 探傷センサ挿入器
81 取付部材
82 挿入ガイド
83 挿入シャフト
85 ガイド板
86 フランジ
87 上板
91 地下
92 消火栓ボックス
211 励磁コイル
212、223 ケーシング
221、222 受信コイル

Claims (12)

  1. 金属製の水道管にリモートフィールド渦流を発生させる励磁コイルユニットと、この励磁コイルユニットから間隔を隔てて配設され、前記リモートフィールド渦流により生じた電磁波を受信する受信コイルユニットとを備えた水道管探傷センサであって、
    前記励磁コイルユニットは、
    前記水道管の管軸に対してコイルの軸線が平行に配設され、励磁信号を印加することにより前記水道管にリモートフィールド渦流を発生させる励磁コイルと、
    前記水道管の内壁と対向する部分を除いて前記励磁コイルを囲むように配設された金属製の第1のケーシングとで構成され、
    前記受信コイルユニットは、
    前記水道管の管軸に対してコイルの軸線が垂直に配設され、前記リモートフィールド渦流により生じた電磁波を受信する第1の受信コイルと、
    前記水道管の管軸に対してコイルの軸線が平行に配設され、前記リモートフィールド渦流により生じた電磁波を受信する第2の受信コイルと、
    前記水道管の内壁と対向する部分を除いて前記第1および第2の受信コイルを囲むように配設された金属製の第2のケーシングと、で構成されることを特徴とする水道管探傷センサ。
  2. 前記第1および第2のケーシングとして、非磁性の金属からなるケーシングが用いられることを特徴とする、請求項1に記載の水道管探傷センサ。
  3. 前記非磁性の金属は、アルミニウムを主成分とする合金もしくはオーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする、請求項2に記載の水道管探傷センサ。
  4. 前記受信コイルユニットと診断装置本体に接続されたケーブルとを、コネクタを介して接続することを特徴とする、請求項1に記載の水道管探傷センサ。
  5. 前記励磁コイルユニットと前記受信コイルユニット、および前記受信コイルユニットと前記コネクタとは、それぞれ弾性体で連結されていることを特徴とする、請求項4に記載の水道管探傷センサ。
  6. 前記弾性体としてコイルばねが用いられることを特徴とする、請求項5に記載の水道管探傷センサ。
  7. 前記弾性体を取り囲むように複数個のリング状部材が配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の水道管探傷センサ。
  8. 前記リング状部材として、合成樹脂製の球体の中心部に前記弾性体を通す貫通孔が形成された部材を用いることを特徴とする、請求項7に記載の水道管探傷センサ。
  9. 請求項1乃至3いずれかに記載の水道管探傷センサと、
    前記励磁信号を生成して前記励磁コイルに送出する励磁信号生成部と、
    前記第1の受信コイルの受信信号を、前記励磁信号を参照信号として同期検波することにより、位相が直交する2つの成分を作成する第1の信号処理部と、
    前記第2の受信コイルの受信信号を、前記励磁信号を参照信号として同期検波することにより、位相が直交する2つの成分を作成する第2の信号処理部と、
    前記第1の信号処理部から出力された2つの成分から、前記励磁信号と前記第1の受信信号との位相差を算出すると共に、この位相差に基づいて水道管の減肉率を推定する診断部と、
    前記第2の信号処理部から出力された2つの成分から、前記励磁信号と前記第2の受信信号との位相差を算出すると共に、この位相差に基づいて前記励磁信号の周波数を設定する制御部と、を備えることを特徴とする水道管老朽度診断装置。
  10. 前記制御部は、移動量検出手段からの通知によって前記水道管探傷センサの移動を確認する毎に、前記診断部に位相差の算出と減肉率の推定とを指示することを特徴とする、請求項9に記載の水道管老朽度診断装置。
  11. 前記診断部は、診断対象となる水道管と種類が同じで肉厚が等しい基準水道管について、前記励磁信号と前記第1の受信信号との位相差と、減肉率との関係を示す減肉率基準データを予め記憶しており、
    前記診断対象の水道管の前記励磁信号と前記第1の受信信号との位相差を前記減肉率基準データと照合し、最も近い位相差に対応する減肉率を前記診断対象の水道管の減肉率と推定することを特徴とする、請求項9または10に記載の水道管老朽度診断装置。
  12. 前記制御部は、診断対象となる水道管と種類が同じで肉厚が等しい基準水道管のきずのない健全な肉厚部における、前記励磁信号の周波数を変えた時の前記励磁信号と前記第2の受信信号の位相差との関係を示す位相差補正データを予め記憶しており、
    前記診断対象の水道管のきずのない健全な肉厚部における、前記励磁信号と前記第2の受信信号との位相差を前記位相差補正データと照合し、最も近い位相差に対応する周波数を前記診断対象の水道管の励磁信号の周波数として設定することを特徴とする、請求項9または10に記載の水道管老朽度診断装置。
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