JP2010223899A - ダイヤモンド利用構造体及びその組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より小さいダイヤモンド部材をダイヤモンド以外の材料からなる他の部材に高い精度で取り付けられてなるダイヤモンド利用構造体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 ダイヤモンド利用構造体10Aは、ダイヤモンドからなるダイヤモンド部材14であってその大きさを特徴づける長さである所定長さLが1mm以下であるダイヤモンド部材を、ダイヤモンド以外の材料からなる基体12に接合することによって組み立てられている。この組立工程では、ダイヤモンド部材を、第1の接合材16Bによって針18に取り付け、針を操作してダイヤモンド部材を基体の所定位置に配置して、ダイヤモンド部材を第2の接合材16Aにより基体に接合する。これにより、微小なダイヤモンド部材が、ダイヤモンド以外の材料からなる基体に高い精度で接合されてなるダイヤモンド利用構造体を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ダイヤモンド利用構造体10Aは、ダイヤモンドからなるダイヤモンド部材14であってその大きさを特徴づける長さである所定長さLが1mm以下であるダイヤモンド部材を、ダイヤモンド以外の材料からなる基体12に接合することによって組み立てられている。この組立工程では、ダイヤモンド部材を、第1の接合材16Bによって針18に取り付け、針を操作してダイヤモンド部材を基体の所定位置に配置して、ダイヤモンド部材を第2の接合材16Aにより基体に接合する。これにより、微小なダイヤモンド部材が、ダイヤモンド以外の材料からなる基体に高い精度で接合されてなるダイヤモンド利用構造体を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、微小なダイヤモンド部材を含むダイヤモンド利用構造体及びそのダイヤモンド利用構造体の組立方法に関するものである。
ダイヤモンドは例えば特許文献1に記載されているように電子を放出する等の特性の他に、非常に多くの優れた特性、例えば、高硬度、酸・アルカリへの高耐久性、良好な透光性、熱伝導性などを有している。これらはそれぞれAFMやSTMアプリケーションの原子プローブの分野、ドリルやエンドミルなどの分野、光学窓や光学レンズの分野などで利用されたり、利用が期待されていたりしている。これらの分野ではダイヤモンドを利用する部分が非常に少量で十分であるとか、非常に小さいものを作製したい等の理由で、微小なダイヤモンド部材を部品として作製することが有意義なことも多い。このようなダイヤモンド部材を利用した部品又は装置としては、原子プローブ、マイクロプローブ、マイクロドリル、マイクロエンドミル、マイクロレンズ、マイクロプリズムなどが例示される。
上記のようにダイヤモンド部品をSPMのプローブ等に利用することは検討されており、ダイヤモンド部品を利用した構造体の作製方法も検討されている。例えば、SPMのプローブに関して、特許文献2にはプローブ全体に電着でダイヤモンドをつけることが開示されている。また、特許文献3にはダイヤモンドとは異なる材料からなるカンチレバー上に部分的にダイヤモンドを合成する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載されている方法は、偶然に左右される、換言すれば、制御が困難な方法での接合であり、鋭く細い突起をプローブに形成することはできないと考えられる。また、所望のダイヤモンドを所望の位置に精度よく設けることが難しい。また、特許文献3に記載されているように、ダイヤモンドとは異なる材料からなるカンチレバー上にダイヤモンドを合成してダイヤモンド部品を形成しようとすると、カンチレバーを作製する技術とダイヤモンド部品とを形成する技術を同時に又は続けて実施することになるが、このような実施は難しいと考えられる。
そのため、微小なダイヤモンド部品を利用した構造体としては、微小なダイヤモンド部品を作製した後、所望の部材に取り付けて組み立てる方法が採用される傾向にあり、実際には、人の手によって組み立てられることが多かった。この場合には、小さくともピンセットによって組み立てられるサイズであることが前提となる。これ以上小さくなると、まず部品の持ち運びのうち、持ったり、離したりすることが容易ではなくなる。持ってしまえば、運ぶことは比較的容易であり、微細に動かすものは既に世の中に存在している。次に、小さい部品を接合することが困難である。接着剤が多いと部品が接着剤に埋もれてしまい、少ない接着剤なら任意の部分に適量つけることが困難な上、少なすぎると乾いてしまう。表面張力が通常の量の場合と異なり、容易に取り扱うことが難しい。最後に、取り付けた後でも、徐々に移動してしまう場合もある。また、例えば、ダイヤモンドの機能を発揮すべき部分の大きさが500μm以上であっても1mm以下であれば、従来では、高い精度で所定の位置に当該ダイヤモンドを接合することが困難であった。なお、特許文献4には、加工用プローブを精度よく作製する旨は記載されているが、そのプローブをカンチレバーに取り付ける場合の取り付け方法(接合方法など)は具体的には記載されておらず、精度よく作製したダイヤモンド部材を他の部材に取り付ける際に、上記人の手を使用する場合と同様の問題点を有する。
そこで、本発明は、より小さいダイヤモンド部材をダイヤモンド以外の材料からなる他の部材に高い精度で取り付けられてなるダイヤモンド利用構造体及びその組立方法を提供することを目的とする。
本発明は、ダイヤモンドからなるダイヤモンド部材と、ダイヤモンド以外の材料からなりダイヤモンド部材を設ける基体と、を有し、ダイヤモンド部材は、基体の所定位置に接合材により接合されており、ダイヤモンド部材の大きさを特徴づける長さである所定長さが約1mm以下であり、ダイヤモンド部材の基体への所定位置へ取付けの位置精度が約200μm以下である、ダイヤモンド利用構造体に係る。
この構造では、所定長さが約1mm以下という小さいダイヤモンド部品を高い位置精度で基体に取り付けられているので、ダイヤモンド部材が有する優れた特性を微小な領域で効果的に使用することができる。また、ダイヤモンド部材をより小さくしているため、コストの低減も図ることができる。
上記本発明に係るダイヤモンド利用構造体では、所定長さが200μm以下であることが好適である。
この場合も、ダイヤモンド利用構造体は、ダイヤモンド以外の基体の所定位置に、上記所定長さが200μm以下の微小なダイヤモンド部材が接合されて構成されているので、ダイヤモンドの特性を微小な領域で有効に利用することができる。そして、ダイヤモンド部材の所定長さが200μm以下であり、ダイヤモンド部材がより微小であることから、例えば、ダイヤモンド利用構造体の製造に要するコストを更に低減することができる。
上記接合材の量は、ダイヤモンド部材の体積と同等又はそれ以下である、であることが好適である。これにより、接合材が、ダイヤモンド部材と基体との接合面以外に付着することを抑制することができる。また、本発明に係るダイヤモンド利用構造体では、接合材を有機系の接着剤とすることができる。更に、本発明に係るダイヤモンド利用構造体では、ダイヤモンド部材がダイヤモンドからなる略錐状体である、とすることができる。この場合、例えば、ダイヤモンド部材を、AFMやSTMのプローブとして利用することが可能である。
本発明に係るダイヤモンド利用構造体では、ダイヤモンド部材は、ダイヤモンドからなる台部上にダイヤモンドからなる突起部が形成されてなり、所定長さは、台部を構成する各辺の長さ及び突起部が形成されている領域のダイヤモンド部材の突起方向の長さのうちの最大の長さである、とすることができる。この場合も、例えば、ダイヤモンド部材を、AFMやSTMのプローブとして利用することが可能である。
また、本発明に係るダイヤモンド利用構造体の組立方法では、ダイヤモンドからなるダイヤモンド部材であってその大きさを特徴づける長さである所定長さが約1mm以下であるダイヤモンド部材を、ダイヤモンド以外の材料からなる基体に接合することによって組み立てる組立工程を有する。そして、その組立工程では、ダイヤモンド部材を、第1の接合材によって針に取り付け、その針を操作してダイヤモンド部材を基体の所定位置に配置し、ダイヤモンド部品を基体に第2の接合材により接合する。
上記組立方法では、所定長さが約1mm以下である小さいダイヤモンド部材を、第1の接合材を利用して針に取り付けその針を利用して操作するため、上記基体に例えば位置精度が約200μm以下といった高い精度で接合することができる。また、ダイヤモンド部材のみがダイヤモンドであるため、製造のためのコストの低減を図ることができ、また、大量に生産することも可能である。また、ダイヤモンド部品を第1の接合材により針に取り付け、第2の接合材により基体に取り付けているため、第1及び第2の接合材の特性(例えば、接合力等)の違いを利用して、基体にダイヤモンド部材を接合した後、ダイヤモンド部材から針を分離することも可能である。
また、本発明に係るダイヤモンド利用構造体の組立方法では、ダイヤモンド部材の特徴長さが約200μm以下である、ことが好ましい。これにより、所定長さが約200μm以下といったより微小なダイヤモンド部材が基体に高い精度で接合されてなるダイヤモンド利用構造体を組み立てることができる。そして、ダイヤモンド部材がより小さいため、更にコストの低減を図ることができ、また、生産量をより多くすることも可能である。
また、本発明に係るダイヤモンド利用構造体の組立方法では、第2の接合材の接合力は、第1の接合材の接合力より強力である、ことが好ましい。これより、第2の接合材によりダイヤモンド部材を基体に接合した後、より好適に針をダイヤモンド部材から分離することができる。
また、本発明に係るダイヤモンド利用構造体の組立方法では、上記針をマニピュレータにより操作する、ことが好ましい。マニピュレータを利用したマニピュレーションにより、ダイヤモンド部材を基体に接合する際に位置精度をより高くすることができる。更に、本発明に係る組立方法では、第2の接合材は、有機系の接着剤である、とすることができる。また、本発明に係る組立方法では、第1の接合材は、有機系の接着剤である、とすることができる。
また、本発明に係るダイヤモンド利用構造体の組立方法では、第1の接合材は、有機系の粘着物中に金属系の接合材料が含まれたものである、とすることができる。
この場合、例えば、ダイヤモンド部材と基体との接合部の耐熱性がより良くなるため、組立て時やダイヤモンド利用構造体の使用する際に、温度が上昇する環境でもダイヤモンド部材を基体に好適に接合できる。また、ダイヤモンド利用構造体を使用時に、接合部における接合強度の低下の抑制を図ることができる。なお、上記金属系の接合材料としては、ハンダ素材が例示される。
また、本発明に係るダイヤモンド利用構造体の組立方法では、第2の接合材は、金属系の接合材料であり、上記組立工程では、基体を第2の接合材の融点以上に加熱し、所定位置において第2の接合材を溶融させた後、第1の接合材により針に取り付けたダイヤモンド部材を基体の所定位置に配置して基体の温度を融点以下に戻すことで、ダイヤモンド部材を基体に接合する、ことが好ましい。
また、本発明に係るダイヤモンド利用構造体の組立方法では、第2の接合材の量は、ダイヤモンド部材の体積と同等又はそれ以下である、ことが好ましい。これにより、第2の接合材が、ダイヤモンド部材と基体との接合面以外に付着することを抑制することができる。
この場合、例えば、ダイヤモンド部材と基体との接合部の耐熱性が更に良くなるため、組立て時やダイヤモンド利用構造体を使用する際に、温度が上昇する環境でもダイヤモンド部材を基体に好適に接合できる。また、ダイヤモンド利用構造体の使用時に、接合部における接合強度の低下の抑制を図ることができる。なお、上記金属系の接合材料としては、ハンダ素材が例示される。
また、ダイヤモンド利用構造体の構成としては、ダイヤモンドからなるダイヤモンド部材と、ダイヤモンド以外の材料からなりダイヤモンド部材が接合される基体と、を有し、ダイヤモンド部材と基体とを接合する材料が、非晶質の炭素材料よりなる、とすることもできる。この場合、ダイヤモンド部材の大きさを特徴づける長さである所定長さは約200μm以下が好適である。或いは、ダイヤモンド部材の上記所定長さが約200μmより大きくても約1mm以下であってダイヤモンド部材の基体への位置精度が約200μm以下であることが好ましい。
同様に、ダイヤモンド利用構造体の構成としては、ダイヤモンドからなるダイヤモンド部材と、ダイヤモンド以外の材料からなりダイヤモンド部材が接合される基体と、を有し、ダイヤモンド部材と基体とを接合する材料が、Tiを含む無機材料よりなる、とすることもできる。この場合も、ダイヤモンド部材の大きさを特徴づける長さである所定長さは約200μm以下が好適である。或いは、ダイヤモンド部材の上記所定長さが約200μmより大きくても約1mm以下であってダイヤモンド部材の基体への位置精度が約200μm以下であることが好ましい。
更に、ダイヤモンド利用構造体の構成としては、ダイヤモンドからなるダイヤモンド部材と、ダイヤモンド以外の材料からなりダイヤモンド部材が接合される基体と、を有しており、ダイヤモンド部材を基体に接合している材料が、FIBにより形成された無機材料よりなる、とすることもできる。この場合、ダイヤモンド部材の大きさを特徴づける長さである所定長さは約200μm以下が好適である。或いは、ダイヤモンド部材の上記所定長さが約200μmより大きくても約1mm以下であってダイヤモンド部材の基体への位置精度が約200μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、より小さなダイヤモンド部材をダイヤモンド以外の材料からなる基体により高い精度で取り付けられてなるダイヤモンド利用構造体及びその製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の説明においては、同一の要素には同一の符号を用いることとし、重複する説明は省略する。また、図中の寸法比率は必ずしも説明中のものとは一致していない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るダイヤモンド利用構造体の一実施形態の構成の模式図であり、図1(a)は、ダイヤモンド利用構造体の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示したダイヤモンド利用構造体の側面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ダイヤモンド利用構造体としてのプローブ付きカンチレバー10Aは、例えば、AFMやSTMにおいて原子プローブとして利用されるものである。プローブ付きカンチレバー10Aは、Si等からなるカンチレバー部12の先端部に、ダイヤモンド部材としてのプローブ部14が接合材(第2の接合材)16Aを利用して接合されて構成されている。
プローブ部14は、ダイヤモンドからなる略直方体状の台部14aの一端側に、ダイヤモンドからなる略円錐状のダイヤモンド突起部(突部)14bが一体的に形成されているものである。プローブ部14は、AFMやSTMにおいてプローブとしての機能を有する部分であり、プローブ付きカンチレバー10Aの一部品を構成している。なお、台部14aは、板状のものであり、ダイヤモンド板でもある。
プローブ部14において、台部14aの長手方向の長さl1は、プローブ部14の高さh1、すなわち、ダイヤモンド突起部14bが形成されている領域において突起方向の長さより長い。この長さl1は、プローブ部14の縦、横、高さ等の3次元形状を規定する長さのうちの最大長さであり、プローブ部14の大きさを特徴づけている。本実施形態では、このようにダイヤモンド部品としてのプローブ部14の大きさを特徴づける長さLを、特徴長さ(所定長さ)と称す。そして、プローブ部14の特徴長さLは約200μm以下であり、好ましくは50μm〜100μmである。また、プローブ部14の高さh1は、例えば5μm〜20μmが好適である。
次に、上記プローブ付きカンチレバー10Aの作製方法の一例について説明する。図2は、図1に示したプローブ付きカンチレバーの作製方法の一例の工程を示す工程図である。
図2(a)は、プローブ部14を準備する工程を示す図面である。プローブ付きカンチレバー10Aを作製する際には、図2(a)に示すように、微細なプローブ部14を形成する。具体的には、例えばシリコンからなる基板S上にダイヤモンドを、例えばCVD法などにより所定の厚さ堆積させてダイヤモンド膜を形成する。ダイヤモンド膜を構成するダイヤモンドは、単結晶であっても、多結晶であってもよく、また、ダイヤモンド膜は、ヘテロエピ膜であってもよい。このダイヤモンド膜の表面を適宜機械研磨してダイヤモンド板とする。プローブ部14の高さh1が5μm以上のものを作製する場合には、厚さ5μm以上のダイヤモンド板ができていることが必要である。
上記ダイヤモンド板に、ダイヤモンド突起部14bを形成する。ダイヤモンド突起部14bは、所望の突起形状が残るように上記ダイヤモンド板をフォトリソグラフィ技術やエッチング技術などを利用して微細加工すればよい。そして、ダイヤモンド突起部14bを含む所定の領域を同様にフォトリソグラフィ技術やエッチング技術を利用して互いに分離し、プローブ部14を複数形成する。各分離されたダイヤモンド突起部14bが設けられているダイヤモンド板が台部14aである。ダイヤモンド突起部14bが形成されたダイヤモンド板をプローブ部14に分離する方法としては、上述したフォトリソグラフィ技術やエッチング装置を利用することができる。また、レーザ加工技術などを利用しても良い。
次に、図2(b)に示すように、プローブ部14を基板Sからピックアップして、カンチレバー部12の所望の位置に運ぶ。ピックアップする方法の一例を説明する。図2(b)は、プローブ部14を基板Sからピックアップする方法を説明する図面である。
基板Sを、例えば酸やアルカリで除去しながらプローブ部14が基板Sから剥離する直前で基板Sの除去処理をストップしておく。そして、接合材16Bを先端につけたピックアップ用の針18をプローブ部14に接触させ、接合材16Bにより針18にプローブ部14を取り付けて、基板Sからプローブ部14をピックアップする。この針18の操作は、微細操作可能なマニピュレータを利用する。そして、上記のようにして基板Sからピックアップしたプローブ部14を、上記マニピュレータを利用して針18を操作することでカンチレバー部12の所望の位置に運ぶ。
なお、上記の例では、プローブ部14が基板Sから剥離する直前で基板Sの除去を停止しているが、基板Sを酸やアルカリで除去して微細なプローブ部14をフィルタで濾して、フィルタからダイヤモンド部品としてのプローブ部14をピックアップすることで、基板Sからプローブ部14を剥離することもできる。
図2(c)は、プローブ部14を取り付けるべきカンチレバー部12の準備を説明するための図面である。図2(c)に示すように、プローブ部14を取り付けるべきカンチレバー部12の所定位置には、接合材(第2の接合材)16Aを予め塗布しておく。この塗布は、例えば先端の細い針などを利用して実施することができる。接合材16Aの量は、プローブ部14の体積の3倍より少ないことが好ましい。接合材16Aがプローブ部14の体積の1/10より少ない量だと接合力がなくて外れやすくなる。一方、5倍よりも大きいと、プローブ部14の接合面だけでなく、ダイヤモンド部品であるプローブ部14のダイヤモンド突起部14b先端や周りにもついてしまうので、完成してから使うことができないことが生じてしまうからである。よって、接合材16Aの量としては1/3〜3倍程度の量が好ましい。なお、接合材16Aの量の上限は、プローブ部14の体積の2倍以下がより好ましく、更に、接合剤16Aの量の上限は、プローブ部13の体積と同程度かそれ以下が更に好ましい。
図2(d)は、プローブ部14のカンチレバー部12へ接合する工程を示す図面である。図2(d)に示すように、カンチレバー部12において、接合材16Aが塗布されている位置にプローブ部14を配置し、接合材16Aによりプローブ部14をカンチレバー部12に接合する。その後、針18をプローブ部14から外してプローブ付きカンチレバー10Aを得る。プローブ部14からの針18の分離は、接合材16A,16Bの特性(例えば、接合力など)の違いを利用することで行うことができる。
上記本実施形態において、接合材16A,16Bはいわゆる接着剤であり、何れも有機系の樹脂を使用することができる。プローブ付きカンチレバー10Aは、一般に室温で使用されるので、耐熱性は必要とされない傾向にあるからである。ただし、少なくとも接合材16Aは、使用時にプローブ部14にかかる強度より接合強度が強いように接合できるものを選択する必要がある。
接合材16Aとしての接着剤は徐々に硬化するタイプのものが、接合強度が大きくて好ましい。硬化しない粘着タイプのものは外れやすく、プローブの動作時にも動いてしまう場合があるからである。また、接合材16Aは硬化時間が制御できるものが良い。酸素で硬化するものは体積が小さい場合では速乾性が顕著になるので、あまり好ましくはない。2液混合型のものが硬化時間を制御することができるので好ましい。2液混合型の硬化樹脂は接合両面にわけて塗布すると、接合面が合わされないと硬化が始まらないので、より好ましい。一方、接合材16Bは硬化しない粘着型のものが好ましい。また、接合材16Bの粘着力或いは接合力は接合材16Aより弱いものがより好ましい。このような接合材16Bとしては、シリコンジェルや糊が例示される。プローブ部14をカンチレバー部12に接合した後、針18のプローブ部14からの分離が容易になるからである。
従来、ダイヤモンドの特性・機能を利用するためのダイヤモンドを含むプローブ付きカンチレバーでは、人の手によって組み立てられることが前提となっていた。すなわち、ピンセットなどによって組み立てられるサイズ(500μm以上など)が前提としてあった。これ以上小さくなると、ダイヤモンドからなるダイヤモンド部品(ダイヤモンド部材)の持ち運び等が悪くなり、また、小さいダイヤモンド部品をダイヤモンド以外の材料からなる他の部品としてのカンチレバーに接合することが困難であった。そこで、従来では、ダイヤモンドの特性を要する部分以外(例えば、カンチレバーの先端部など)にもダイヤモンドで構成されることが多かった。その結果、大量生産ができず、また、より多くのダイヤモンドを利用することになるので、製造に要するコストが増加する等の問題があった。
これに対して、上記作製方法を採用することで、ダイヤモンドからなる微細な部品としてのプローブ部14を所望の位置に精度よく接合されたプローブ付きカンチレバー10Aを作製することができる。このように作製されたプローブ付きカンチレバー10Aは、プローブの部分にダイヤモンドを利用しているため、従来と同様にダイヤモンドの特性を利用することができる。その結果、AFMやSTM等の原子プローブとして好適に使用することが可能である。また、ダイヤモンドの使用量を、従来よりも少なくすることもできるので、プローブ部14のコストを少なくすることもでき、また、大量に作製することもできる。
ところで、プローブの部分がダイヤモンドからなり、カンチレバーの部分はダイヤモンド以外の材料からなるプローブ付きカンチレバーの作製法の一つとしては、Siからなるカンチレバー上にダイヤモンド突起を形成することも考えられる。Siの上にダイヤモンドの突起を形成する技術は知られているが、カンチレバーを作製する技術とダイヤモンドの突起を形成する技術を同時に又は続けて実施することは難しい技術であった。それぞれの作製プロセスやできるものが制限を受けるからである。
また、上記のようにプローブとしての突起部分のみにダイヤモンドを利用したプローブ付きカンチレバーを作製する他の方法としては、本実施形態の作製方法のように、プローブの部分をダイヤモンドから形成し、別途作製したカンチレバーの部分に取り付けることがある。この場合、カンチレバー部は通常Si材料で構成されているので、ダイヤモンドをSiなど異種材料により構成されたカンチレバー部に取り付ける必要がある。しかし、従来、ダイヤモンドの細く小さい突起をダイヤモンドと異なる材料からなるカンチレバー部に取り付けることは難しい技術であった。
これに対して、本実施形態では、前述したプローブ部14のピックアップや操作方法及び接合方法などを採用することで、微小なプローブ部14を、ダイヤモンド以外の材料からなるカンチレバー部12に、より高い精度で取り付けることが可能となっている。そして、カンチレバー部12とプローブ部14とを別々に作製した後、プローブ部14をカンチレバー部12に取り付けるため、それぞれの部品の作製の自由度が向上している。その結果、より高度なプローブ付きカンチレバー10Aを作製できる。また、マニピュレータを利用したマニピュレーションは精度が高いので、プローブ部(ダイヤモンド部品)14を上述したようにマニピュレーションすることで、より高精度に接合することができる。また、マニピュレータの利用により、小さいプローブ部14でもカンチレバー部12に対する接合がより可能になっている。プローブ部14はカンチレバー部12のどこにつけてもよいというものではなく、位置や向きはある程度きまっている。よって、上記のように、針18を利用してプローブ部14をピックアップし、その位置を例えばマニピュレータで制御しながら接合することは、プローブ付きカンチレバー10Aの作製において有効である。
本実施形態の作製方法は、ピンセットでつまんで手などで操作できないもの或いは高い位置精度を有するものを一つの対象としている。なお、従来マイクロマシンなどで微細なピンセットが開発されているが、対象の世界が小さくなると、つまむことができても離すことができなくなってくる。物理的な他の力(静電力や表面張力や化学的な力など)が大きくなるからである。従って、これはピンセットでつまめないほど小さいものの範囲に入っている。
特に、上述したプローブ付きカンチレバー10Aの作製方法は、プローブ部14の特徴長さLが10μm以上200μm以下のものに対して有効である。通常、ダイヤモンド部品の大きさを特徴づける特徴長さLが500μmより大きいと、ダイヤモンド部品をピンセットでつまんで操作が可能になる傾向にあるからである。また、後から取り付けるプローブ部14がカンチレバー部12に比べて大きいことは、カンチレバー部12の動作上でも問題があるので、プローブ部14はカンチレバー部12より小さいことが好ましい。カンチレバー部12の動作に影響を与えないという意味では、小さければ小さいほどよいが、必要な突起サイズよりは大きい必要がある。よって、サイズは200μm以下が好ましく、10μm程度まで良好である。2μm以下になってくると、取り付けが難しくなるからである。従って、本実施形態ではプローブ部14のサイズは10μm〜200μmが好適である。
ただし、ダイヤモンド部材(ここでは、プローブ部14)の特徴長さLが200μm以上であっても、1mm以下であって更に高い位置精度(例えば、200μm以下の位置精度)や方向の制御を要するものや接着剤が少量である場合には、本実施形態の作製方法で行う必要がある。例えば、手による組み立てでは制御不可能であるからである。
上記作製方法で作製したプローブ付きカンチレバー10Aが有するプローブ部14には接合材16Bも付着していることになるが、プローブ本来の目的を損なうことのない量となるので、接合材16Bが付着してもよい。
また、プローブ部14を構成するダイヤモンドは絶縁性のものであっても、導電性のものであってもよい。外部から電気的なコンタクトを必要とする例で、導電性のものを作製した場合に、周りの余計な部分にショートしてしまうことがない。ただし、接着した後で、コンタクトをとる作業が必要となる。また、この作業を避ける場合は、樹脂からなる接着剤としての接合材16Aに導電性フィラーを混入して接着部との間に導電性をとることも可能である。ただし、フィラーはプローブ部14よりも微小なものである必要がある。
図3は、図1に示したプローブ付きカンチレバーの変形例を模式的に示す斜視図である。図3に示したプローブ付きカンチレバー10Bは、板状の台部14a上にダイヤモンド突起部14bが一体的に形成されてなるプローブ部14の代わりに、ダイヤモンド突起部としてのプローブ部20がカンチレバー部12の所定位置に接合されている点で、プローブ付きカンチレバー10Aと相違する。
プローブ部20は、図3に示すように、略円錐体状のダイヤモンド突起であり、そのダイヤモンド突起の高さh2がプローブ部20の特徴長さLであり約200μm以下である。なお、特徴長さLとしての高さh2が約200μmより大きい場合であっても約1mm以下であり位置精度が約200μm以下であればよい旨は、図1に示したプローブ付きカンチレバー10Aの場合と同様である。
図3に示したプローブ付きカンチレバー10Bの作製方法は、プローブ部20がダイヤモンド突起となるように作製する点以外は、図2に示したプローブ付きカンチレバー10Aの製造方法と同様である。特に、ダイヤモンド部品を接合材16A,16B及び針18を利用してカンチレバー部12へ接合し、組み立てる組立工程は同じである。よって、図3に示したプローブ付きカンチレバー10Bも、プローブ付きカンチレバー10Aと同様の作用効果を有する。
なお、プローブ付きカンチレバー10Bのように、ダイヤモンド部品であるプローブ部20をダイヤモンド突起のみとすることもできるが、ダイヤモンド部品(ダイヤモンド部材)のピックアップ及びカンチレバー部12への接合を容易にする観点からは、台部14aを有することが好ましい。また、台部14aは、ダイヤモンドからなるとしたが、プローブとしてのダイヤモンド突起をダイヤモンド以外の材料からなる台部に取り付け、それをカンチレバーに接合することも有効である。この場合、台部の大きさによっては、ダイヤモンド突起がダイヤモンド部品となり、ダイヤモンド突起が台部に取り付けられてなる構造体がダイヤモンド利用構造体に対応することになる。
また、図1に示したダイヤモンド突起部14b及び図3に示したプローブ部20は、何れも略円錐体状のものとしたが、これはプローブとして機能する形状で有れば良く、錐状体が例示され、上記円錐体の他、角錐体の形状であってもよい。
(第2の実施形態)
図4は、本発明に係るダイヤモンド利用構造体の第2の実施形態を模式的に示す斜視図である。図4に示したダイヤモンド利用構造体は、例えば、光メモリ装置分野などで好適に利用することができるマイクロレンズユニット22Aである。マイクロレンズユニット22Aは、略板状のレンズ支持体(基体)24上に、マイクロレンズ26が接合材16Aにより接着固定されて構成されている。レンズ支持体24の材料は、ダイヤモンド以外であれば特に限定されないが、例えばシリコンからなる。レンズ支持体24は、例えばマイクロレンズ26を他の部品や装置などに取り付けるためのスペーサーやホルダーとして機能する。
マイクロレンズ26は、ダイヤモンドから構成されており略板状の台部26aの中央部にダイヤモンドからなる半球状のレンズ部26bが形成されたものである。
台部26aは、後述するように、マイクロレンズ26を移動等させる際に使用するための領域として機能させることができる。台部26aの平面視形状は各辺の長さl2がほぼ等しい略正方形である。長さl2は、半球状のレンズ部26bの半径と台部26aの厚みとの和である厚みh3より長い。厚みh3は、マイクロレンズ26において隆起している領域におけるマイクロレンズ26の厚みに対応する。この場合、長さl2によりダイヤモンド部品としてのマイクロレンズ26の大きさが特徴づけられることになり、長さl2がマイクロレンズ26の特徴長さLである。そして、特徴長さLは、本実施形態においても約200μm以下である。
なお、台部26aの平面視形状は略正方形に限らず長方形でもよい。そして、マイクロレンズ26において台部26aの各辺の長さ及び厚みh3のうち最大の長さのものをマイクロレンズ26の大きさを特徴づける特徴長さ(所定長さ)Lとしたとき、その特徴長さLが約200μm以下のものであればよい。
図4に示したマイクロレンズユニット22Aの作製方法の一例を、図5及び図6を利用して説明する。図5は、マイクロレンズ26の作製方法の例を順に示す工程図である。
先ず、図5(a)に示すように、例えばシリコンからなる基板S上に薄いダイヤモンド膜を例えばCVD法などにより形成する。ダイヤモンド膜を構成するダイヤモンドは、単結晶でもよいし、多結晶でもよい。また、ダイヤモンド膜は、ヘテロエピ膜でもよい。ダイヤモンド膜を適宜機械研磨してダイヤモンド板28とする。
次いで、図5(b)に示すように、ダイヤモンド板28上の所定位置にレジスト30を塗布し半球化する。すなわち、半球状のレジストをダイヤモンド板28の所定位置上に形成する。
続いて、図5(c)に示すように、ダイヤモンド板28をエッチングし、半球状のレンズ部26bを形成する。各レンズ部26bが板状の台部26aを有するように各レンズ部26bを分離して、マイクロレンズ26を得る。
図6は、図5で作製したマイクロレンズ26とレンズ支持体24との組立方法を説明するための図面である。
図6(a)は、基板Sからマイクロレンズ26をピックアップする工程を説明するための図面である。図6(a)に示すように、基板S上のマイクロレンズ26を、第1の実施形態の場合と同様にして、先端に接合材(第1の接合材)16Bが付けられた針18によりピックアップする。その後、レンズ支持体24の所定位置まで移動させる。針18の操作は、第1の実施形態の場合と同様に、マニピュレータ(不図示)により実施することができる。
図6(b)は、マイクロレンズ26をレンズ支持体24に取り付ける工程を説明するための図面である。図6(b)に示すように、レンズ支持体24の所定位置にマイクロレンズ26を接合する。接合方法は、第1の実施形態の場合と同様とすることができる。すなわち、予めレンズ支持体24の所定位置に接合材(第2の接合材)16Aを塗布しておく。そして、塗布領域上に、マイクロレンズ26を配置した後、接合材16A,16B間の例えば接合力等の特性の差により針18をマイクロレンズ26から外して、マイクロレンズ26をレンズ支持体24に取り付けることができる。
レンズ支持体24にマイクロレンズ26を接合してダイヤモンド利用構造体を組み立てる際には、例えば、図6(b)に示すように、レンズ32及びプリズム32の少なくとも一方を利用してマイクロレンズ26に光を通過させ、その通過した光の投影先を観察しながら位置調整することが好適である。このように光学的に調整することで、レンズ支持体24の所定位置に対するマイクロレンズ26の位置精度を高くすることができるからである。なお、組み立ては、例えば、顕微鏡で観察しながら行っても良い。
上述した組み立て方法により、レンズ支持体24の所定位置に対するマイクロレンズ26の位置精度を約200μm以下とすることができる。
本実施形態では、マイクロレンズ26は、板状の台部26a上に半球状のレンズ部26bが形成されたものとしたが、台部26aの部分を形成せずに、単に半球状のレンズ部26bのみとすることもできる。ただし、前述のように、接合材16Bと針18を利用してマイクロレンズ26を操作するため、レンズ部26bの接合材16A,16Bによる汚れを低減する観点から、台部26aを設けていることが好ましい。
また、接合材16A,16Bとしては第1の実施形態と同様のものを使用することができる。接合材16Aとして時間経過により硬化する樹脂を用いると、硬化するまでに軸調整ができるので好ましい。更に、接合材16Aとして使用する樹脂は用いる光で発光し難いものであるほうが好ましい。また、室温で使用する場合は、接合材16Aは樹脂で構わないが、高出力の光を用いる場合には多少温度が上昇することが考えられるので、後述するような金属系の接合材料を少なくとも一部含む接合材を使用することが好ましい。この場合、従来のプラスチック製の光学部品を用いることができない領域でも対応できることが可能となる。
図7は、図4に示したマイクロレンズユニットの変形例を模式的に示す断面構成図である。図7に示したマイクロレンズユニット22Bは、レンズ支持体36が板状ではなく、マイクロレンズ26を通過する光の進行方向に一定の厚みを有する筒状のものである点で相違する。マイクロレンズ26の構成は図4に示したマイクロレンズユニット22Aの場合と同様である。筒状のレンズ支持体36は、図7に示すように中心軸線の延在方向においてレンズ支持体36の両端部の内径より小さい内径を有する小径部をその内側に有している。この小径部は、内周面に環状の突部36aが形成されて構成されており、突部36a上に接合材16Aを介してマイクロレンズ26が接合されるようになっている。
図7に示したマイクロレンズユニット22Bの作製方法は、上述した筒状のレンズ支持体36の突部36a上にマイクロレンズ26を接合材16Aにより接合する点以外は、図6に示したマイクロレンズユニット22Aの場合の作製方法と同様である。よって、図7に示したマイクロレンズユニット22Bも、マイクロレンズユニット22Aと同様の作用効果を有する。
(第3の実施形態)
図8は、本発明に係るダイヤモンド利用構造体の第3の実施形態を模式的に示す斜視図である。
図8に示したダイヤモンド利用構造体としてのマイクロ工具は、マイクロドリル38である。このマイクロドリル38は、略円柱状の本体部40の一端部側に形成された切欠き部42に、ドリルの刃先としてのダイヤモンド基板(ダイヤモンド部材)44が接合材16Cを介して接合されて構成されている。
マイクロドリル38は一端部に切欠き部42を例えば図8に示すように一対有する。各切欠き部42は、本体部40の一部を約1/4程切り欠いたものであり、互いに直交する3つの面42a,42b,42cを有する。そして、ダイヤモンド基板44は、図8に示すように、面42a上に接合されているものとすることができる。なお、切欠き部42の数及びその形状は、図8に示した数及び形状に限定されない。
本実施形態において、ダイヤモンド基板44は、略直方体状の板である。この構成では、ダイヤモンド基板44の長手方向の長さl3が、ダイヤモンド基板44の大きさを特徴づける特徴長さLであり、特徴長さLは、約200μm以下である。
図8に示したマイクロドリルの作製方法の一例を、図9を参照して説明する。図9は、マイクロドリルの作製方法の工程図である。より具体的には、図9(a)は、ダイヤモンド基板44を準備しピックアップする工程を説明するための図面である。また、図9(b)は、ダイヤモンド基板44を本体部40に接合する工程を説明する図面である。
先ず、図9(a)に示すように、例えばシリコンの基板S上に、刃先となるダイヤモンド基板44を複数形成する。具体的には、基板S上にダイヤモンド膜を例えばCVD法を利用して形成する。ダイヤモンド膜を構成するダイヤモンドは単結晶であっても、多結晶であってもよく、また、ダイヤモンド膜は、ヘテロエピ膜であっても構わない。ダイヤモンド膜を適宜機械研磨し、ダイヤモンド板とする。そして、そのダイヤモンド板を所定の大きさに切りだして複数のダイヤモンド基板44を得る。このように基板S上に形成したダイヤモンド板から切り出すことでダイヤモンド基板44を得るため、上記ダイヤモンド板の厚さがダイヤモンド基板44の厚さに対応することになる。ダイヤモンド板の板厚(又はダイヤモンド膜の膜厚)は問わないが、あまり薄いと実用的な寿命を得られない。また、あまり厚くとも先端の大きさよりも微細なものができない。ダイヤモンド基板44の切り出しは、フォトリソグラフィ法とドライエッチング技術を使用することができる。また、FIB法やレーザ加工法など、ダイヤモンドで一般的な加工方法を使用してもよい。ただし、ダイヤモンド基板の端面が例えば他の部材に接合などされてダイヤモンド基板を保持するために、その端面を垂直に切る必要がある場合はドライ加工が有効である。
次に、図9(a)に示すように、基板S上のダイヤモンド基板44を接合材16Bがついた針18でピックアップする。そして、図9(b)に示すように、予め準備してあった本体部40の切欠き部42にマニピュレータを利用して精度好く接合することによって、マイクロドリル38を組み立てる。ピックアップの方法は、第1及び第2の実施形態の場合と同様である。なお、接合材16Bとしては、第1及び第2の実施形態で使用したものを同様に用いることができる。
本実施形態の場合、接合方法は、接合材16Cとしてハンダ(金属系の接合材料)を使用する方法と、接着剤を利用する方法が例示される。
先ず、ハンダを使用する場合について説明する。ハンダはSnやInやAuSn合金、銀ロー材、活性銀ロー材などである。
この場合、使用する接合材16Cとしてのハンダの融点に合わせて少し高めに本体部40を真空中で加熱した状態を作り、微細な細線のハンダを押し付ける。その後、刃先としてのダイヤモンド基板44を本体部40の切欠き部42の所定位置に位置合わせして本体部40に接合する。ハンダとして活性銀ロー材を使用する場合以外ではダイヤモンド基板44はメタライズしておく。
本実施形態のようなマイクロドリル38の場合、ハンダがダイヤモンド基板44の主要部分(面42aとの接合面以外の領域、例えば、接合面と反対側の面等)に回り込んでも構わない。ハンダは柔らかいので、研磨されて除去されるからである。もし、主要部分に回りこむことを防ぐ場合はメタライズを部分的にすることなどが考えられる。上述したハンダを利用した組立方法は接合金属材料であるハンダに炭素材料が混入しにくいことになる。
次に、接着剤を用いる場合について説明する。本実施形態において、接合材16Cとしての接着剤は有機物からなる粘着物に例えばハンダを混入しておいたものとすることができる。
より具体的には、有機物からなる粘着物にSnやInやAuSun合金、銀ロー材、銅ロー材、活性銀ロー材などのいずれか一つあるいは複数が微小粉末状で混入したものを接合材16Cとすることができる。粘着物は硬化型の樹脂であっても、硬化しない粘着物であっても構わない。
この場合には、第1の実施形態の場合の接合方法と同様に、本体部40において刃先としてのダイヤモンド基板44を取り付ける所定領域に接合材16Cとしての接着剤を先端の細い針で塗布しておき、マニピュレータを利用してダイヤモンド基板44を精度よく配置し、接合材16C中の粘着物により接合する。
そして、接合材16C中のハンダの融点以上に真空中で加熱し、ハンダを溶融することで、ダイヤモンド基板44を本体部40に更に接合する。
以上のような接合に関して、取り付けるダイヤモンド基板44の体積の2倍より少ないハンダの量を使用することが重要である。5倍よりも多いと、いくらハンダがやわらかいといっても製品形状の刃先を出すまで加工し続けなければならず、非常に手間となる。また、接合界面にも余計なハンダがついてしまうので、ハンダを除去する際に、剥離しやすくなる。粘着物の量は途中で消失するので、よほど埋もれるくらいの量でもない限り、あまり関係がない。
この方法は接合金属材料にカーボンが混入することになるが、適度な精度でも容易に形成できるので、コストは比較的低くなり、量産には適している。また、ダイヤモンドとの接合のなじみがよくなる長所もある。
微小なドリルやエンドミルといった工具では硬くて、耐摩耗性に優れたダイヤモンドが非常に性能を発揮することが知られている。一般にドリルやエンドミルでは全てがダイヤモンドでできているわけではない。加工する刃先部分がダイヤモンドであればよい。
しかしながら、非常に小さいドリル等を作製する場合は、刃先も小さくなり、刃先部分を取り付けることが非常に困難になる。また、刃先の位置の精度や向きなどは非常に精度を要求される。更に、刃先は力がかかる部分なので強度が必要とされる。また、摩擦が起こるので発熱がおこることから耐熱性も必要である。
これに対して、上記製造方法を採用することにより、微細なダイヤモンド部品(特には200μm以下のサイズ)が所望の位置に精度よく(200μm以下の精度で)、強固に且つ高耐熱で接合されたダイヤモンド利用構造体としてのマイクロドリル38を作製することができる。
より具体的には、接合材16Cとしてハンダを使用する方法及びハンダを混入した有機系粘着物からなる接着剤を使用する両者の方法の何れでも針18を利用してダイヤモンド基板44をピックアップし操作するため、ダイヤモンド基板44の操作性が向上している。その結果、小さい部品でも接合が可能であると共に、より高い精度を実現できる。更に、マニピュレータを使用して接合を実施すれば、マニピュレータを利用したマニピュレーションは精度が高いので、高精度に接合することができる。更に、耐熱性に優れた接合を実現するには、有機系より金属系の接合材料を使用することが好ましいが、上記作製方法では、金属系の接合材料を少なくとも含む接合材16Cを利用してダイヤモンド基板44をダイヤモンド以外の材料からなる本体部40に接合しているので、強固に且つ高耐熱に接合することができている。このようにして、微細なダイヤモンド部品を微細な位置と高精度に所望のダイヤモンド以外の部品に強固に高耐熱に接合することができる。
なお、本実施形態では、ダイヤモンド基板44の大きさを特徴づける特徴長さLであり、特徴長さLは、約200μm以下であるとしたが、ダイヤモンド基板44の特徴長さLは、200μmより大きくても良く、その場合は、特徴長さLは約1mm以下であって、ダイヤモンド基板44の位置精度が約200μm以下である必要がある。そして、このような特徴長さLが約1mm以下のダイヤモンド基板44を位置精度が約200μm以下で接合されたマイクロ工具としてのマイクロドリルを作製する際に、本第3の実施形態で説明した作製方法が有効であることは、第1及び第2の実施形態の場合と同様である。
以上、本発明の第1〜第3の実施形態について説明したが、上記実施形態から理解されるように、接合材の選択及びダイヤモンド部品のサイズが重要である。そこで、実験結果を参照して、上述した第1〜第3の実施形態のダイヤモンド利用構造体を組み立てる時に使用する接合材の適正及びダイヤモンド部品のサイズについて説明する。接合材に関しては、ここでは特に、第1及び第2の実施形態において使用する接合材16A,16Bの適正について実験を行った。なお、本発明は、以下の実験で例示するものに限定されない。
[接合材の適正評価]
実験では、第1及び第2の実施形態のように板状の台部上に所定形状(例えば円錐形又は半球状)の突起部が形成されたダイヤモンド部品をダイヤモンド以外のシリコンあるいはタングステンからなる板に取り付けたものをダイヤモンド利用構造体とした。このダイヤモンド利用構造体の具体的な製造方法は以下のとおりである。
実験では、第1及び第2の実施形態のように板状の台部上に所定形状(例えば円錐形又は半球状)の突起部が形成されたダイヤモンド部品をダイヤモンド以外のシリコンあるいはタングステンからなる板に取り付けたものをダイヤモンド利用構造体とした。このダイヤモンド利用構造体の具体的な製造方法は以下のとおりである。
先ず、Si基板上に多結晶ダイヤモンドをCVD法によって形成し、表面を機械研磨して、ダイヤモンドの平坦基板(ダイヤモンド基板)を作製する。
次に、ダイヤモンド基板上に、Al金属を蒸着しAl金属膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィ技術によって、種々の形状の微細なパターンをAl金属膜に形成する。次にAl金属膜をマスクとしてダイヤモンド基板をエッチングして、同じ形状のダイヤモンドの微細な板を形成する。
パターニングされたダイヤモンド基板上に再度AlあるいはSiO2を蒸着し、ダイヤモンド基板の端にAlあるいはSiO2のドットパターンをフォトリソグラフィ技術で形成する。このドットパターンをマスクにダイヤモンド基板を再度エッチングすると、ダイヤモンドの突起(突部)が形成される。2度のダイヤモンド基板のエッチングによって、微小ダイヤモンドは個々に分離され、Siの基板が露出する。露出していない時は、さらにエッチングを重ねた。
基板SのSiをフッ硝酸で溶かすと、ダイヤモンドの突起を含むダイヤモンドの微小な板は液中に分散した。この液を、フィルタを使って濾すと、フィルタに突起を含む微小のダイヤモンド板が残るので、これをピックアップして、微細な素材に取り付けるダイヤモンド部品とした。ピックアップに使用したマニピュレータはドイツ、クラインディーク社製マニピュレータである。
接合材16Aと接合材16Bとしては有機系の接着剤であり図10の図表に示すように種々の樹脂を検討した。具体的には、
M1:アロンアルファ(東亞合成株式会社製、登録商標)、
M2:セメダイン(セメダイン株式会社製、登録商標)、
M3:ゴム用接着剤(ソフト99社製ゴム・革用接着剤)、
M4:紙用のり(住友スリーエム社製スプレーのり55)、
M5:アロンセラミック(東亞合成株式会社製、アロンセラミックスD)、
M6:アラルダイト(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製アラルダイトラピッド)、
M7:レジスト(粘性>24cpi)、
M8:レジスト(粘性<10cpi)、
M9:シリコングリース、
M10:硬化型シリコン樹脂、及び
M11:シリコンジェル、
を採用した。
M1:アロンアルファ(東亞合成株式会社製、登録商標)、
M2:セメダイン(セメダイン株式会社製、登録商標)、
M3:ゴム用接着剤(ソフト99社製ゴム・革用接着剤)、
M4:紙用のり(住友スリーエム社製スプレーのり55)、
M5:アロンセラミック(東亞合成株式会社製、アロンセラミックスD)、
M6:アラルダイト(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製アラルダイトラピッド)、
M7:レジスト(粘性>24cpi)、
M8:レジスト(粘性<10cpi)、
M9:シリコングリース、
M10:硬化型シリコン樹脂、及び
M11:シリコンジェル、
を採用した。
そして、図10の図表に示すように組み合わせて検討し、作製できる部品を観察し、乾燥した後に評価した。検討した結果は、図10の図表に示したとおりである。なお、図10は、接合材16A,16Bの検討結果を示す図表である。図10の図表中、◎、○、△、×は、それぞれ◎:きわめて良好、○:良好、△:何とか使える、×:不可、を表している。
接合材16Aとしては硬化型接着剤が良好であったが、速乾型のものは取り付けることは難しかった。接合材16Bとしては硬化型のものは適さなかった。また、接合材16Aの粘着力が接合材16Bの粘着力より大きい組み合わせが好適であったが、粘着力が接合材16Aの方が接合材16Bより小さい場合であっても、時間をかけて硬化させるとうまくいく場合があることがわかった。ただし、接合材16Aが持ち運び用の針18に接触しないことが重要であった。
[ダイヤモンド部品(部材)のサイズの検討]
ダイヤモンド板のみを接合材の適正評価の場合と同様に作製した。そして、ダイヤモンド以外の材料からなる基体の所定位置に接合する実験を、ダイヤモンド板のサイズを変えて行い、同様に作製したダイヤモンド部品を従来のように手で行なった場合と比べた。その結果は図11の図表に示したとおりである。図11は、ダイヤモンド部品のサイズの検討結果を示す図表である。
ダイヤモンド板のみを接合材の適正評価の場合と同様に作製した。そして、ダイヤモンド以外の材料からなる基体の所定位置に接合する実験を、ダイヤモンド板のサイズを変えて行い、同様に作製したダイヤモンド部品を従来のように手で行なった場合と比べた。その結果は図11の図表に示したとおりである。図11は、ダイヤモンド部品のサイズの検討結果を示す図表である。
図11の図表中の「本発明の手法」は、上記接合材の適正の評価実験の場合と同様に、針及びマニピュレータを使用してダイヤモンド板の基体への接合を行ったものである。使用した接合材16Aはアラルダイトであり、接合材16Bは、シリコンジェルである。また、使用したマニピュレータは上記接合材の適正の評価実験の場合と同様である。また、手で行うときは、ピンセットを使用した。また、図11の図表中の「板の最長サイズ」は、ダイヤモンド板の特徴長さLであり、長手方向の長さである。
図11の図表に示すように、本発明の手法を採用した場合、特徴長さLが1μmより大きく、200μm以下の範囲で取り扱いが可能で精度が良かった。また、本発明の手法では、1mmのような大きなサイズでも取り扱うことができ、その際、位置精度を200μm以下にすることができた。図11に示すようにダイヤモンド板の特徴長さLが1mm程度になると手での作製も可能になるが、200μm以下の位置精度を実現することはできなかった。
以上、本発明の実施形態について説明したが本発明は上記実施形態に限定されない。本発明は、微細なダイヤモンド部材を所望の位置により高い精度で固定することを実現した部品や装置などの構造物に関するものであり、ダイヤモンド部材は板状のものでも、複雑な構造物であっても構わない。微細なダイヤモンド部材は、その大きさを特徴づける特徴長さLが約200μm以下であればよく、また、特徴長さLが約200μmより大きい場合であっても上述したように位置精度が約200μm以下を要する場合には、本発明は有効である。
また、接合材としては、有機系の接着剤や、金属系の接合材料としてのハンダ、及びハンダを含む有機系の粘着物からなるものを例示したが、ダイヤモンド部材と、ダイヤモンド以外の材料からなる基体とを接合でき、ダイヤモンドの機能を発揮するダイヤモンド利用構造体として使用可能であるならば、他の材料からなる接合材も使用することができる。
また、ダイヤモンド利用構造体は、ダイヤモンドの機能や効果を利用する装置あるいは部品であり、ダイヤモンドを利用し、そのダイヤモンドがダイヤモンド以外の材料に接合させて利用する構成であり、ダイヤモンドとダイヤモンド以外の部品を接合する材料が、非晶質の炭素材料よりなる、とすることもできる。
或いは、ダイヤモンド利用構造体は、ダイヤモンドの機能や効果を利用する装置あるいは部品であり、ダイヤモンドを利用し、そのダイヤモンドがダイヤモンド以外の材料に接合させて利用する構成であり、ダイヤモンドとダイヤモンド以外の部品を接合する材料が、Tiを含む無機材料よりなる、とすること考えられる。
更に、ダイヤモンド利用構造体としては、ダイヤモンドの機能や効果を利用する装置あるいは部品であり、ダイヤモンドを利用し、そのダイヤモンドがダイヤモンド以外の材料に接合させて利用する構成であり、ダイヤモンドとダイヤモンド以外の部品に接合している材料が、FIBにより形成された無機材料よりなる、とすることもできる。
10A,10B…プローブ付きカンチレバー(ダイヤモンド利用構造体)、12…カンチレバー部(基体)、14,20…プローブ部(ダイヤモンド部材)、14a…台部、14b…ダイヤモンド突起部(突起部)、16A…接合材(第2の接合材)、16B…接合材(第1の接合材)、16C…接合材、18…針、22A,22B…マイクロレンズユニット(ダイヤモンド利用構造体)、24,36…レンズ支持体(基体)、26…マイクロレンズ(ダイヤモンド部材)、26a…台部、26b…レンズ部、38…マイクロドリル(ダイヤモンド利用構造体)、36…本体部(基体)、44…ダイヤモンド基板、L…特徴長さ。
Claims (9)
- ダイヤモンドからなるダイヤモンド部材と、
ダイヤモンド以外の材料からなり前記ダイヤモンド部材が設けられる基体と、
を有し、
前記ダイヤモンド部材は、前記基体の所定位置に接合材により接合されており、
前記ダイヤモンド部材の大きさを特徴づける長さである所定長さが約1mm以下であり、前記ダイヤモンド部材の前記基体への前記所定位置へ取付けの位置精度が約200μm以下である、
ダイヤモンド利用構造体。 - 前記所定長さが約200μm以下である、請求項1に記載のダイヤモンド利用構造体。
- 前記ダイヤモンド部材は、ダイヤモンドからなる台部上にダイヤモンドからなる突起部が形成されてなり、
前記所定長さは、前記台部を構成する各辺の長さ及び前記突起部が形成されている領域の前記ダイヤモンド部材の突起方向の長さのうちの最大の長さである、
請求項1又は2に記載のダイヤモンド利用構造体。 - ダイヤモンドからなるダイヤモンド部材であってその大きさを特徴づける長さである所定長さが約1mm以下である前記ダイヤモンド部材を、ダイヤモンド以外の材料からなる基体に接合することによって組み立てる組立工程を有し、
前記組立工程では、前記ダイヤモンド部材を、第1の接合材によって針に取り付け、前記針を操作して前記ダイヤモンド部材を前記基体の所定位置に配置して、前記ダイヤモンド部材を第2の接合材により前記基体に接合する、
ダイヤモンド利用構造体の組立方法。 - 前記ダイヤモンド部材の前記所定長さは約200μm以下である、
請求項4に記載のダイヤモンド利用構造体の組立方法。 - 前記第2の接合材の接合力は、前記第1の接合材の接合力より強力である、
請求項4又は5に記載のダイヤモンド利用構造体の組立方法。 - 前記第2の接合材は、有機系の粘着物中に金属系の接合材料が含まれたものである、
請求項4〜6の何れか一項に記載のダイヤモンド利用構造体の組立方法。 - 前記第2の接合材は、金属系の接合材料であり、
前記組立工程では、前記基体を前記第2の接合材の融点以上に加熱し、前記所定位置において前記第2の接合材を溶融させた後、前記第1の接合材により前記針に取り付けた前記ダイヤモンド部材を前記基体の前記所定位置に配置して前記基体の温度を前記融点以下に戻すことで、前記ダイヤモンド部材を前記基体に接合する、
請求項4〜6の何れか一項に記載のダイヤモンド利用構造体の組立方法。 - 前記第2の接合材の量は、前記ダイヤモンド部材の体積と同等又はそれ以下である、
請求項4〜8の何れか一項に記載のダイヤモンド利用構造体の組立方法。
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JP2021517251A (ja) * | 2018-03-26 | 2021-07-15 | ブルカー ナノ インコーポレイテッドBruker Nano,Inc. | 大きな半径のプローブ |
-
2009
- 2009-03-25 JP JP2009074208A patent/JP2010223899A/ja active Pending
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JP2021517251A (ja) * | 2018-03-26 | 2021-07-15 | ブルカー ナノ インコーポレイテッドBruker Nano,Inc. | 大きな半径のプローブ |
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