JP2010223795A - 分光装置および分光装置の校正方法 - Google Patents

分光装置および分光装置の校正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分光装置の光源がスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で、分光手段の校正を行うことで、測定用の光源と校正用の光源を併用可能にし、測定用の光源とは別に校正用の光源を用意しなくても校正作業を行うことができるようにした分光装置の校正方法を提供する。
【解決手段】分光手段2の校正を行う校正方法であって、分光装置に備えられた測定用と校正用を兼ねた1つの光源1がスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で、前記光について測光を行い、前記測光した結果に基づいて、前記分光手段2の校正を行なうようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は光源の光を分光する分光装置と分光装置の校正方法に関する。
分光装置を使用するに当たっては、正しい測定結果を得るためには使用に先立ち分光装置の波長校正を行う必要がある。しかし、分光装置の波長校正は通常の使用とは異なる特別な作業が必要であり手間がかかる。
そして、分光装置の補正法としては例えば、特許文献1には、校正用光源の光を分光素子によって分散し、アレイ検出器で検出し、スペクトル線に相当する素子のアドレスを求め、このアドレスが光源のスペクトル線の波長に合うようにアレイ素子に対する波長の割り当てを補正する校正方法が示されている。
特許2689707号公報
従来技術では分光装置の校正を行うために、測定用の光源とは別に校正用光源を用意して校正作業を行わなければならない。したがって、光源を2つ必要とするとともに、校正を行うためには校正用光源が安定するのを待たなければならず校正作業を面倒なものとしていた。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、測定用と校正用の光源を分けることなく1つの光源を用いて分光装置の校正ができるようにし、校正作業を素早く行えるとともに校正完了後にはすぐに測定が行えるようにした分光装置と分光装置の校正方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による分光装置の校正方法は、分光手段の校正を行う校正方法であって、分光装置に備えられた測定用と校正用を兼ねた1つの光源がスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で、前記光について測光を行い、前記測光した結果に基づいて、前記分光手段の校正を行なうようにしたことを特徴としている。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記光源の発光が始まってから前記スペクトル線の幅の狭い光を発している状態を維持する時間を所定の時間としたとき、前記所定の時間内に前記測光を行なう。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記所定の時間は波長毎に異なる。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記光源がスペクトル線の幅の狭い光を発するときの電圧値を所定の電圧値としたとき、前記光源に印加される電圧が前記所定の電圧値に維持している間に前記測光を行なう。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記所定の電圧値は波長毎に異なる。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記光のスペクトル線の幅を測定し、前記スペクトル線の幅の狭い状態における最大のスペクトル線の幅を閾値としたとき、測定値が前記所定の閾値を超えた場合前記測光を終了する。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記光の光強度を測定し、前記スペクトル線の幅の狭い状態における光強度の最大値を閾値としたとき、測定値が前記所定の閾値を超えた場合前記測光を終了する。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記光は互いに波長が異なる光であって、波長毎に、前記測光に続いて前記校正を行なう。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記光は互いに波長が異なる光であって、波長毎に前記測光を行ない、全ての波長の光について前記測光が終了した後に前記校正を行なう。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記測光中は、前記光源の冷却を定常の使用状態より強くする。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記スペクトル線の形状は、前記スペクトル線の半値半幅Δλを含む広がりの式で表されるとともに、前記測光を行う測光手段の分解能rと、前記分光手段の分解能wに基づいて算出される半値半幅Δλを越える前に、少なくとも前記測光を終了する。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記広がりの式は、圧力広がりの式、衝突広がりの式、ドップラー広がりの式のいずれかである。
また、本発明の分光装置の校正方法においては、前記半値半幅Δλが、
Δλ=w×[(1-r)/r]1/2
を超える前に、少なくとも前記測光を終了する。
一方、本発明による分光装置は、分光手段の校正を行う分光装置であって、測定用と校正用を兼ねた1つの光源と、測定を行うための測光手段と、前記光源からの光を、試料を介さずに前期測光側に導く切換手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の分光装置においては、前記分光手段は、前記光源と前記切換手段の間に設けられている。
また、本発明の分光装置においては、前記分光手段は、前記試料と前記測光手段の間に設けられている。
本発明では、分光装置の光源がスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で、分光手段の校正を行うことで、測定用の光源と校正用の光源を併用可能にし、測定用の光源とは別に校正用の光源を用意しなくても校正作業を行うことができるようになる。
本発明の分光装置の構成の概略を示す説明図である。 本発明の分光装置の変形例の概略を示す説明図である。 本発明の分光装置の他例の構成の概略を示す説明図である。 本発明の分光装置の校正方法の手順を示すフローチャートである。
先ず、実施例の説明に先立ち、本発明の校正方法の原理及び作用効果について説明する。
本発明による分光装置の校正方法は、分光手段の校正を行う校正方法であって、分光装置に備えられた測定用と校正用を兼ねた1つの光源がスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で、光について測光を行い、測光した結果に基づいて、分光手段の校正を行なう。
本発明で光源として使用を想定している高圧放電ランプ(例えばショートアーク型キセノンランプ)は、定常使用時において発光空間内が高圧であるため、ランプ封入物に特有のスペクトル線は比較的ブロードな状態で現れる。そのためピーク波長の検出が困難であり校正用途には向かない。しかしながら、高圧放電ランプを例えば点灯した直後は発光空間内の圧力は動作圧力よりも十分低い。そのためランプ封入物に特有のスペクトル線は幅が狭い状態で現れる。そこで、そのスペクトル線の幅の狭い状態の光を分光手段の校正に用いることができる。
本発明でいうスペクトル線の幅の狭い状態というのは、このように動作圧力よりも十分に低い状態でのスペクトル線の幅を意味する。例えば、ピークが一点に定まるようなスペクトルが線幅の狭い光であるが後述するように、スペクトル線の幅の狭いや否やは測光を行う測光手段(検出器)の分解能と分光手段の分解能により決定されるものであり、一意的には定まらないものである。
そこで、測光を行う測光手段の分解能と分光手段の分解能を考慮に入れて、点灯直後のスペクトル線の幅の狭い光を発している状態の光を校正に用いる。
なお、本出願において、発光空間内の圧力が動作圧力よりも十分低い、または低圧と呼んでいる状態は、ランプ内の動作圧力が数気圧から15気圧程度の範囲を指している。また、一般的に低圧放電ランプとは動圧が負圧のものを指している。
また、好ましくは、光源の発光が始まってからスペクトル線の幅の狭い光を発している状態を維持する時間を所定の時間としたとき、所定の時間内に測光を行なう。
点灯直後は低圧であり一定時間はスペクトル線の幅の狭い光を発している状態を維持するので、この状態を利用して分光手段の校正を行う。
また、好ましくは、所定の時間は波長毎に異なる。
複数のスペクトル線で校正をする場合、所定の時間が波長毎に異なることがあるので、波長毎に異なる所定の時間内に測光を行うようにできる。
また、好ましくは、光源がスペクトル線の幅の狭い光を発するときの電圧値を所定の電圧値としたとき、光源に印加される電圧が所定の電圧値に維持している間に測光を行なう。
光源の圧力と電圧は比例するので、電圧値を指標として校正を行うようにできる。
また、好ましくは、所定の電圧値は波長毎に異なる。
複数の輝線で校正をする場合、所定の電圧値が波長毎に異なることがあるので、波長毎に所定の電圧値を維持している間に測光を行う。
また、好ましくは、光のスペクトル線の幅を測定し、スペクトル線の幅の狭い状態における最大のスペクトル線の幅を閾値としたとき、測定値が所定の閾値を超えた場合測光を終了する。
電圧値が高くなると光源の圧力も高くなりスペクトル線の幅が広くなるので、スペクトル線の幅を指標として校正を終了させる。
また、好ましくは、光の光強度を測定し、スペクトル線の幅の狭い状態における光強度の最大値を閾値としたとき、測定値が所定の閾値を超えた場合測光を終了する。
光強度の最大値を利用し、この最大値を超えた場合に校正を終了させる。
また、好ましくは、光は互いに波長が異なる光であって、波長毎に、測光に続いて前記校正を行なう。
複数のスペクトル線について校正を行うことにより、校正精度を上げることができる。
また、好ましくは、光は互いに波長が異なる光であって、波長毎に測光を行ない、全ての波長の光について測光が終了した後に校正を行なう。
波長ごとの測光を先に行って全データを揃えた後に、校正を行う。
測光だけをまとめて先に行えば、測光だけを行うので短時間ですむ。このため、スペクトル線の幅の狭い状態の期間に、測光毎に校正を行う場合よりも多くのスペクトル線に対し測光が行える。そして、校正に多くのスペクトル線を使用することができ校正精度をさらに上げることができる。
また、好ましくは、測光中は、光源の冷却を定常の使用状態より強くする。
光源を冷却することによりランプの発光空間内の圧力が降下してスペクトル線の幅を細くできるので、点灯直後に限らず校正が可能となる。
また、好ましくは、スペクトル線の形状は、スペクトル線の半値半幅Δλを含む広がりの式で表され、測光を行う測光手段の分解能rと、分光手段の分解能wに基づいて算出される半値半幅Δλを越える前に、少なくとも測光を終了する。
また、好ましくは、広がりの式は、圧力広がりの式、衝突広がりの式、ドップラー広がりの式のいずれかである。
また、好ましくは、半値半幅Δλが、
Δλ=w×[(1-r)/r]1/2
を超える前に、少なくとも測光を終了する。
ここで上記、広がりの式を用いて、測光を行う測光手段の分解能rと、分光手段の分解能wに基づいて算出されたスペクトル線の幅を越える前に、少なくとも測光を終了する方法について説明する。
スペクトル線は、例えばランプの点灯直後は理想的なスペクトル線に近い形状である。つまり、ランプは点灯直後はスペクトル線の幅の狭い光を発している状態である。この後、ランプ内の圧力や温度などの変化に従い、スペクトル線の幅は広くなる。そして、スペクトル線の幅が広い光を発する状態とは、このスペクトル線の幅が広がって、分光手段の校正が行えない状態を指す。
広がりの式としては、圧力広がりの式、衝突広がりの式、ドップラー広がりの式を用いることができる。この他に共鳴広がりの式を用いてもよい。ここでは、圧力広がりの式について説明する。
スペクトル線はランプの動作圧力が低圧状態だと理想的なスペクトル線の形状に近く、スペクトル線の幅の狭い光を発している状態である。動作圧力が上がると圧力広がり(Pressure Broadening)によってスペクトル線の幅が広くなる。圧力広がりの式によって表現されるスペクトル線の形状は、ローレンツ分布と同じであるので、この広がったスペクトルの形状はローレンツ分布で表現される。
ローレンツ分布は半値半幅をΔλとすると、
強度 ∝ Δλ/((λ−λ0)2+Δλ2) λ0:中心波長(ピーク波長)
λ:波長
という分布になる。
分光手段の波長分解能をwとし、分光手段の通過波長がスペクトル線のピーク波長λ0の時の強度I0、その波長より波長分解能w分だけ隣の波長λ0+wの強度Iwとして、ピーク時(λ=λ0のとき)の強度が1になるように規格化すると、その規格化されたピーク波長λ0時と波長λ0+w時の強度差dIは、
dI=(I0−Iw)/I0 規格化
である。
これにローレンツ分布の式を用いると、
dI=(1/Δλ−(Δλ/[((λ0+w)−λ0)2+Δλ2])/(1/Δλ)
よって、
dI=w2/(w2+Δλ2)
このとき、測光手段(検出器)の分解能がdIよりも細かくなければピーク波長λ0の時の強度I0と、その波長より波長分解能w分だけ隣の波長λ0+wの強度Iwを検出器は切り分けることができず、一意的にピークを決定できない。したがって、測光手段(検出器)の分解能をrとすると、
dI≧r
となる必要がある。
スペクトル線の半値半幅Δλでは、
Δλ≦w×[(1−r)/r]1/2
となる。
つまり、分光手段の校正を行うための、光源のスペクトル線の幅の狭い光とは、スペクトル線の半値半幅Δλが、
Δλ=w×[(1−r)/r]1/2
を超えない光となる。
例えば、分光手段の波長分解能が1nmで、測光手段となる検出器の分解能が8bitだったとするとピーク強度1に対し、分解能r=1/256となる。
よって、Δλ≦15.97nmとなるが、分光手段の分解能は1nmなので15.97nmを超えないスペクトル線の半値半幅は15nmとなる。
つまり、分光手段の波長分解能が1nmで、検出器の分解能が8bitだった場合、スペクトル線の幅の狭い状態とはスペクトル線の半値半幅が15nm以下の状態をいう。したがって校正を行うためにはスペクトル線の半値半幅が15nmを越える前に、少なくとも測光を終了する。
このように、分光装置の光源がスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で、分光手段の校正を行うことで、測定用の光源と校正用の光源を兼用可能にし、測定用の光源とは別に校正用の光源を用意しなくても校正作業を行うことができるようになる。
また、本発明による分光装置は、分光手段の校正を行う分光装置であって、測定用と校正用を兼ねた1つの光源と、測定を行なうための測光手段と、光源からの光を試料を介さずに測光手段側に導く切換手段とを有する。
測定用と校正用を1つの光源で兼用することにより光源が1つで済むとともに、点灯直後の低圧状態を利用することにより校正ができるので、光源が定常状態になったときにはすぐに測定を行うことが可能となる。そこで、この発明の分光装置は、光源からの光を試料へと照射するための光路に光路切り換え用ミラーが設けられている。
また、好ましくは、分光手段は、光源と切換手段の間に設けられている。
分光した特定波長を試料に照射したい場合に利用できる。
また、好ましくは、分光手段は、切換手段と測光手段の間に設けられている。
試料から返ってきた光を分光して測光する場合に適用できる。
次に、この発明の分光装置の一例を図1に基づいて説明する。
分光装置は、光源1、分光手段2、測光手段3、制御手段4及び光源1の光を試料6を介さずに測光手段3側へと導くための切換手段5を備えている。分光手段2は、光源1と切換手段5の間に設けられている。測光手段3としては分光装置に通常用いられているものが使用でき、スペクトル線の幅や光強度の測光ができればよい。なお、6は試料である。
分光手段2が光源1と試料6の間に設けられているので、切換手段5は分光手段2の通過後に設けられている。分光手段2により分光した特定波長を試料6に照射したい場合に利用できる。この場合、分光手段を通った光は切換手段5によって試料を介するか、または、試料を介さない光路のいずれか一方が選択され測光手段3へと導かれる。
光源1としては高圧放電ランプが用いられる。高圧放電ランプとしては例えばショートアーク型キセノンランプ、ショートアーク型アルゴン水銀ランプ、キセノン水銀ランプ、超高圧水銀ランプなどが使用可能である。
上記したように、高圧放電ランプは定常使用時においては発光空間内が高圧であるため封入物に特有のスペクトル線は比較的ブロードな状態で得られる。そのため、定常使用時の状態ではピーク波長の検出が困難であり校正用途には向かない。しかしながら、高圧放電ランプは例えば点灯した直後は発光空間内の圧力は動作圧力よりも十分低い。そのため点灯直後はランプ封入物に特有のスペクトル線のピークが一点に定まるようなスペクトル線の幅の狭い状態が現れる。そこで、そのスペクトル線を分光手段の校正に用いる。例えば、点灯直後のスペクトルを校正に用いる。
分光手段2としては例えばエタロンを使用するが、分光手段2はエタロンに限定されるものではなく、例えばグレーティングでもよい。制御手段4は、分光手段2の通過波長の変更や切換手段5による光路の変更、並びに測光手段3により測光されたデータの保存やこのデータに基づいて分光手段2の校正を行う。また、切換手段5には例えば制御手段4により制御される光路切り換え用ミラー5’が構成として含まれる。
光源1から発せられた光は、分光手段2へ照射される。分光手段2を通過した光は切換手段5により試料6を経由して測光手段3へ、または試料6を経由せずに測光手段3へ導かれ測光手段3によってその強度が測定される。
分光手段2を通過した光が、切換手段5により試料6を経由して測光手段3に導かれる場合に、分光手段2が制御手段4によって駆動されると、通過する光の波長が分光手段2の状態によって変化する。分光された特定の波長の光を試料6へ照射できる。そして、測光手段3は試料6の分光特性を得ることができる。
また、この発明の分光装置は、分光手段2を通過した光を、試料6を経由せずに測光手段3側へと導くことができるので、試料6からの光の影響を受けずに分光手段2の校正を行うことができる。
次にこの発明の分光装置の変形例を図2に基づいて説明する。この変形例では、光路切り換え用ミラー5’のかわりに、ハーフミラー7が用いられる。また、ハーフミラー7から測光手段3側の光路にシャッター5”が設けられている。すなわち、ハーフミラー7とシャッター5”が切換手段5の構成として含まれている。この変形例では、ハーフミラー7によって分光手段2を通過した光源1からの光を測光手段側に導く。ハーフミラー7によって測光手段3側に導く光は少なくとも一部の光でもよい。さらに、シャッター5”を開くことで試料を介さない光が測光手段3に導かれる。そして、この光の強度を測光し、校正に用いる。
次に、この発明の分光装置の他例を図3に基づいて説明する。
分光装置は、光源1、分光手段2、測光手段3、制御手段4及び光源1の光を試料6を介さずに測光手段3へと導くための切換手段5を備えている。本実施例では分光手段2は、切換手段5と測光手段3の間に設けられている。
光源1から発せられた光は、試料6へと照射される。試料6から反射した光や、試料6から発せられた蛍光・発光は分光手段2へと導かれる。分光手段2を通過した光は測光手段3によってその強度が測定される。試料6から返ってきた光を分光手段2で分光して校正する場合に適用できる。また、切換手段5の構成として含まれる光路切り換え用ミラー5’を切り換え、光源1から発せられた光を試料6へ照射せず、分光手段2へ導くこともできる。
分光手段2は制御手段4によって駆動され、通過する光の波長が分光手段2の状態によって変化されるので、測光手段3により試料6の分光特性を得ることができる。
この発明の分光装置は、照射光路に切換手段5の構成として含まれる光路切り換え用ミラー5’が設けられており、制御手段4により光路切り換え用ミラー5’を光路に挿入することで、光源1からの光を試料6へ照射せず分光手段2へ導くことができるようになっている。
次に、この発明の分光装置の校正方法を図3に示す分光装置を用い、光源1としてショートアーク型キセノンランプを使用している場合を説明する。校正方法の手順を示すフローチャートを図4に示す。手順は、開始、測光、校正、終了である。
光源1の点灯直後、光源1から発せられた光は、光路切り換え用ミラー5’によって分光手段2へと導かれる(ステップS1)。
光源1の点灯から例えば5秒以内に、制御手段4によって分光手段2が駆動され(ステップS2)、光源のスペクトル線の波長近辺において、通過波長が連続的に変化される。
例えば、キセノンのスペクトル線である823.16nmに対し校正を行う場合、光源1点灯後直ちに制御手段4は分光手段2の通過波長を818nmに設定する(ステップS3)。ただし、分光手段2の分解能は1nmのものを使用したとすると設定波長は整数となる。
分光手段2を通過した光は、測光手段3へと導かれ、光強度が測光され、測光された光強度は、そのときの分光手段2の通過波長と結び付けられてメモリに格納される(ステップS4)。
続いて分光手段2の通過波長を819nmに設定し、測光、データ保存を行う。同様にして分光手段2の通過波長を1nm毎に823nmまで変化させ測光、データ保存を行う(ステップS2〜ステップS4)。
メモリに格納された一連の光強度において、最大値を探し、最大値に結び付けられた分光手段2の通過波長とキセノンのスペクトル線のピークである823nmの差分をとり、通過波長をインデックスとした分光手段2の制御信号値テーブルの通過波長リストをこの差分だけずらした値に書き換える(ステップS5)。
校正が終了したら、分光装置を測定可能な状態にする(ステップS6)。
これにより、分光装置の光源がスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で、分光手段の校正を行うことで、測定用の光源と校正用の光源を兼用可能にし、測定用の光源とは別に校正用の光源を用意しなくても校正作業を行うことができるようになる。
また、装置起動時の光源の点灯直後に校正を自動的に行うことで装置性能の持続的な保証を実現できる。
次に、光源1が互いに波長が異なる複数の光を発する場合の校正方法を、光源1としてショートアーク型アルゴン水銀ランプを使用している場合について説明する。
ショートアーク型アルゴン水銀ランプ(アルゴン静圧2atm、ランプ動圧30atm、定格:12kW、電圧:100V、電流:120A)の場合、点灯直後のランプ電圧は20Vで、最初の1分くらいまではアルゴンのスペクトル線が十分に見える。その後は水銀のスペクトル線にエネルギーを取られるため、アルゴンのスペクトル線は測定が難しくなる。そして、ランプが定常状態になるのに要する時間は約30分である。
この場合、点灯直後の最初の1分以内にショートアーク型アルゴン水銀ランプからの光を測光する。この時間は、測光が可能であれば短くすることもできる。例えば、点灯直後の5秒である。
また、アルゴンのスペクトル線の幅の狭い光を発するときの電圧値を維持している間に測光を行うこともできる。例えば、ランプ電圧が点灯直後の電圧の1.3倍以下である。上記の場合には、点灯直後のランプ電圧は20Vであるので、26V以下に維持している間である。
また、アルゴンのスペクトル線の幅を測定し、スペクトル線の幅の狭い状態における最大のスペクトル線の幅を所定の閾値としておけば、測定値が所定の閾値を超えた場合には測光を終了するようにしておくこともできる。
また、光強度を測定し、スペクトル線の幅の狭い状態における光強度の最大値を所定の閾値としておけば、測定値が所定の閾値を超えた場合には測光を終了するようにしておくこともできる。
また、上記ショートアーク型アルゴン水銀ランプの定格が1kW、50V、20Aの場合には、点灯直後のランプ電圧は15Vで、最初の10秒くらいまではアルゴンのスペクトル線が十分に見える。その後は水銀のスペクトル線にエネルギーを取られるため、アルゴンのスペクトル線は測定が難しくなる。しかし、今度は1分を超えると、十分な水銀のスペクトル線が見られるようになり、そのスペクトル線の測定が可能となる。なお、ランプが定常状態になるには約10分かかる。そして、点灯直後からこの定常状態となる間、ランプ電圧も変化している。
この場合、点灯直後の例えば5秒でアルゴンのスペクトル線で校正作業を行い、点灯後例えば5分以降に水銀のスペクトル線で校正作業を行うことができる。なお、この発明は、分光手段の校正が行える、光源のスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で、光について測光を行えればよい。上記の水銀のスペクトル線は、1分を超えると十分な水銀のスペクトル線が見られるようになる。このような場合には、アルゴンについては所定の時間以降であるが、1分を超えても水銀については測光が行えるので、この1分を超えた時間が水銀については所定の時間となる。
また、このショートアーク型アルゴン水銀ランプのように、封入物によりスペクトル線の波長とそのスペクトル線の幅の狭い光を発するときの電圧値が異なる場合には、それぞれに適した電圧値を維持している間に測光を行うことができる。
例えば、アルゴンはランプ電圧が点灯直後の電圧の1.3倍以下の間に測光を行い、水銀はランプ電圧が定格の0.8倍以上の間に測光を行う。つまり、点灯直後のランプ電圧は15Vであるので、アルゴンについては26v以下に維持している間に測光を行う。そして、水銀については、定格が50Vであるので40V以上に維持している間に測光を行う。
校正自体は、スペクトル線の波長毎のピーク検出時に行なってもよい。この時に、制御信号値を書き換える。または、校正する光の分光手段の通過波長と測光された光強度が結び付けられて、一連のデータが保存されていれば、波長ごとに測光を行い、全ての波長の光について測光が終了した後に校正を行なってもよい。
また別の例として、キセノン水銀ランプ、いわゆる超高圧水銀ランプにおいてはキセノンのスペクトル線はランプが定常状態になっても残る。この場合は、それだけスペクトル線の幅の狭い状態も長く持続できるので、前述した例えばアルゴンの例より所定の時間を長く設定することができる。
この発明は、分光手段の校正が行える、光源のスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で光について測光を行えればよい。スペクトル線の幅の狭い状態をより長い時間持続するための手段であれば、あらゆる手段が取れる。例えば、光源への印加電流を減じたり、光源の冷却を定常の使用状態より強めたりしてもよい。
本発明は、光源にいわゆる高圧放電ランプを使用している分光装置であれば、分光手段や測光手段については制限なく適用可能である。
また、校正用の専用光源として高圧放電ランプを備えている分光装置の分光手段の校正を行う場合に、本発明の校正方法と同様に校正用光源がスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で、この光について測光を行い、この測光した結果にもとづき、分光手段の校正を行うことも可能である。従来は校正用光源が定常状態にならなければ校正できなかったが、このようにすれば校正用光源が定常状態になるのを待たずの点灯直後に校正ができるので、分光手段の校正に要する時間を短縮することができる。
1 光源
2 分光手段
3 測光手段
4 制御手段
5 切換手段
5’ 光路切り換え用ミラー
5” シャッター
6 試料
7 ハーフミラー

Claims (16)

  1. 分光手段の校正を行う校正方法であって、分光装置に備えられた測定用と校正用を兼ねた1つの光源がスペクトル線の幅の狭い光を発している状態で、前記光について測光を行い、前記測光した結果に基づいて、前記分光手段の校正を行なうようにしたことを特徴とする分光装置の校正方法。
  2. 前記光源の発光が始まってから前記スペクトル線の幅の狭い光を発している状態を維持する時間を所定の時間としたとき、前記所定の時間内に前記測光を行なう請求項1に記載の分光装置の校正方法。
  3. 前記所定の時間は波長毎に異なる請求項2に記載の分光装置の校正方法。
  4. 前記光源が前記スペクトル線の幅の狭い光を発するときの電圧値を所定の電圧値としたとき、前記光源に印加される電圧が前記所定の電圧値に維持している間に前記測光を行なう請求項1に記載の分光装置の校正方法。
  5. 前記所定の電圧値は波長毎に異なる請求項4に記載の分光装置の校正方法。
  6. 前記光のスペクトル線の幅を測定し、前記スペクトル線の幅の狭い状態における最大のスペクトル線の幅を閾値としたとき、測定値が前記所定の閾値を超えた場合前記測光を終了する請求項1〜5のいずれか1項に記載の分光装置の校正方法。
  7. 前記光の光強度を測定し、前記スペクトル線の幅の狭い状態における光強度の最大値を所定の閾値としたとき、測定値が前記所定の閾値を超えた場合前記測光を終了する請求項1〜5のいずれか1項に記載の分光装置の校正方法。
  8. 前記光は互いに波長が異なる光であって、波長毎に、前記測光に続いて前記校正を行なう請求項1〜7のいずれか1項に記載の分光装置の校正方法。
  9. 前記光は互いに波長が異なる光であって、波長毎に前記測光を行ない、全ての波長の光について前記測光が終了した後に前記校正を行なう請求項1〜7のいずれか1項に記載の分光装置の校正方法。
  10. 前記測光中は、前記光源の冷却を定常の使用状態より強くする請求項1に記載の分光装置の校正方法。
  11. 前記スペクトル線の形状は、前記スペクトル線の半値半幅Δλを含む広がりの式で表されるとともに、前記測光を行う測光手段の分解能rと、前記分光手段の分解能wに基づいて算出される半値半幅Δλを越える前に、少なくとも前記測光を終了する請求項1に記載の分光装置の校正方法。
  12. 前記広がりの式は、圧力広がりの式、衝突広がりの式、ドップラー広がりの式のいずれかである請求項11に記載の分光装置の校正方法。
  13. 前記半値半幅Δλが、
    Δλ=w×[(1-r)/r]1/2
    を超える前に、少なくとも前記測光を終了する請求項11に記載の分光装置の校正方法。
  14. 分光手段の校正を行う分光装置であって、測定用と校正用を兼ねた1つの光源と、測定を行うための測光手段と、前記光源からの光を、試料を介さずに前記測光手段側に導く切換手段とを有する分光装置。
  15. 前記分光手段は、前記光源と前記切換手段の間に設けられている請求項14に記載の分光装置。
  16. 前記分光手段は、前記切換手段と前記測光手段の間に設けられている請求項14に記載の分光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013245981A (ja) * 2012-05-24 2013-12-09 Konica Minolta Inc フーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法ならびにフーリエ変換型分光計用アタッチメント
JP2014137328A (ja) * 2013-01-18 2014-07-28 Konica Minolta Inc フーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光計の波長校正方法
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