JP2010223002A - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料供給に用いる燃料ポンプを効率良く運用し、プライミング時のエンジンへの燃料移送、燃料タンク内でのサブタンクからメインタンクへの燃料移送を的確に行う。
【解決手段】イグニッションオンの際とメインタンク2bよりサブタンク2cの燃料が多い場合とリターン燃料が高温になる場合に燃料ポンプ3が運転され、燃料がフィードポンプ6に向け圧送され、流路切替バルブ12は燃料ポンプ3側からの流路に切り替えられて燃料が圧送される。ジェットポンプ15、18にも燃料が圧送されて燃料がサブタンク2cからメインタンク2bへと移送されると共にリターン通路7の背圧が低減される。またバイパス管路22を通じてリターン通路7に合流されリターン燃料の温度が低下される。燃料ポンプ3が停止されると流路切替バルブ12は分岐配管21側からの流路へと切り替わりフィードポンプ6で生じる負圧により燃料が燃料タンク2から吸い上げられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料タンク内の燃料を燃料ポンプによりディーゼルエンジンに供給するエンジンの燃料供給装置に関する。
従来より、ディーゼルエンジンにおいては、プライミング時や、サブタンクとメインタンクを有する鞍型燃料タンク内で燃料をサブタンクからメインタンクへ移送する等の場合に、燃料ポンプを作動させるものがある。また例えば、特開2008−38695号公報(以下、特許文献1)では、サブタンクとメインタンクを有する鞍型燃料タンク内にジェットポンプを配設し、エンジンからのリターン燃料を作動液として利用して、サブダンクからメインタンクへ燃料を移送できるようにしたディーゼルエンジンの燃料供給装置の技術が開示されている。
特開2008−38695号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示されるジェットポンプを配設する技術では、エンジンからのリターン燃料が少ない場合には、ジェットポンプのみではサブタンクからメインタンクへの燃料移送量が不足するという問題がある。そこで、移送用のジェットポンプ以外の燃料ポンプを別途設けることも考えられるが、たとえ、レベルセンサ等を用いて燃料ポンプの運転を制御したとしても、燃料移送用に燃料ポンプを追加することになるため、効率的ではないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、燃料供給に用いる燃料ポンプを効率良く運用し、プライミング時のエンジンへの燃料移送、及び、燃料タンク内でのサブタンクからメインタンクへの燃料移送が的確に行えるエンジンの燃料供給装置を提供することを目的としている。
本発明は、燃料タンク内の燃料を燃料ポンプによりデリバリ通路を通じてエンジンのフィードポンプに供給し、該エンジンからのリターン燃料をリターン通路を通じて上記燃料タンク内に導入するエンジンの燃料供給装置において、上記デリバリ通路の上記フィードポンプと上記燃料ポンプとの間に流路の分岐部を設けて分岐させ、上記フィードポンプにより上記燃料タンク内の燃料を吸入自在とする端部を上記燃料タンク内に臨ませた分岐配管を設け、上記分岐部に、上記燃料ポンプが作動した際には該燃料ポンプから上記フィードポンプへの燃料供給を行わせる一方、上記燃料ポンプが停止した際には上記フィードポンプが上記分岐配管を通じて上記燃料タンク内の燃料を吸入する流路切替手段を設けたことを特徴としている。
本発明によるエンジンの燃料供給装置によれば、燃料供給に用いる燃料ポンプを効率良く運用し、プライミング時のエンジンへの燃料移送、及び、燃料タンク内でのサブタンクからメインタンクへの燃料移送を的確に行うことが可能となる
本発明の実施の一形態に係る燃料供給装置の概略説明図である。 本発明の実施の一形態に係る流路切替バルブの構造説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1は燃料供給装置を示し、この燃料供給装置1は、燃料タンク2内の燃料が、燃料タンク2内に配設された燃料ポンプ3によりデリバリ通路4を通じてエンジン(ディーゼルエンジン)5のフィードポンプ6に供給され、余剰となったエンジン5からのリターン燃料がリターン通路7を通じて燃料タンク2内に戻される。尚、符号8は、燃料噴射弁等(図示せず)が配設されたエンジン5のコモンレールを示す。
燃料タンク2は、略中央に、盛り上がったタンク鞍部2aが形成され、このタンク鞍部2aを挟んでメインタンク2bとサブタンク2cが形成された鞍型のタンクとなっており、メインタンク2bとサブタンク2cとの間には、サブタンク2c内の燃料をメインタンク2b内に移送するための移送管9が配設されている。
燃料ポンプ3は、インレットフィルタ10を介して吸い込んだ燃料タンク2内の燃料を、デリバリ通路4に圧送するポンプであり、始動時、クランキング前のイグニッションオンの際と、サブタンク2cの燃料がメインタンク2bの燃料よりも多くなっている(図示しないレベルセンサ等で検出)場合と、リターン通路7からのリターン燃料の温度が高温になる運転状態を判断した(エンジン回転数、車速、燃料噴射量等から判断)場合に運転されて、燃料を圧送するようになっている。
デリバリ通路4には、燃料ポンプ3の吐出口側からフィードポンプ6までの間に順に、オリフィス11、流路切替手段としての流路切替バルブ12、フィルタ13が設けられている。
燃料ポンプ3とオリフィス11との間は、第1の分岐管14で分岐され、この第1の分岐管14の端部には、移送管9の一端部に連結されたメインタンク2b内の第1のジェットポンプ15が連結されて、燃料ポンプ3による燃料の圧送により、サブタンク2cの燃料をメインタンク2bに移送可能になっている。尚、移送管9の他端部にはフィルタ16が設けられている。
また、燃料ポンプ3とオリフィス11との間は、第2の分岐管17で分岐され、この第2の分岐管17の端部には、リターン通路7の端部に連結されたメインタンク2b内の第2のジェットポンプ18が連結されて、燃料ポンプ3による燃料の圧送により、リターン通路7の背圧が低減可能になっている。
オリフィス11は、燃料ポンプ3が作動した際に、エンジン5側に圧送される燃料量と第1、第2のジェットポンプ15、18側に圧送される燃料量を最適に分配するべく予め設定されている。
また、オリフィス11の上流側には、燃料ポンプ3から圧送された燃料圧力を所定に調圧するプレッシャレギュレータ19が設けられている。
燃料ポンプ3から圧送される燃料は、このプレッシャレギュレータ19で調圧されるため、オリフィス11上流側の圧力は、燃料ポンプ3の流量特性のばらつきに影響されることなく、一定圧力に保たれる。そして、オリフィス11を通過する流量(エンジン側に圧送される流量)は、予め設定されたオリフィス11の圧力−流量特性に基づいて、一定流量に保たれるので、燃料ポンプ3の流量特性がばらついても安定したものとなる。
流路切替バルブ12には、燃料ポンプ3とは異なる管路で、メインタンク2bの底部側から燃料を流通自在な、メインタンク2b側端部にフィルタ20を有する分岐配管21が接続されている。
流路切替バルブ12は、流路を、燃料ポンプ3側からエンジン5側への通路と、或いは、分岐配管21側からエンジン5側への通路のどちらかに切り替えるものとなっている。流路切替バルブ12は、例えば、図2に示すように、本体12a内で移動自在で、燃料ポンプ3側からの通路と分岐配管21側からの通路のどちらかを閉塞自在なボール12bと、常時、燃料ポンプ3側からの通路を閉塞する方向にボール12bを移動させて付勢するバネ12cを有して構成されている。そして、燃料ポンプ3が停止されている場合は、分岐配管21側からの通路とエンジン5側とを連通する(図2(b))一方、燃料ポンプ3が運転された場合には、燃料ポンプ3側からの通路とエンジン5側とを連通する(図2(a))。
すなわち、このような流路切替バルブ12の構成とし、分岐配管21を設けることにより、燃料ポンプ3停止時に、エンジン5側のフィードポンプ6で生じる負圧により、燃料を燃料タンク2から吸い上げることが可能となっている。また、燃料ポンプ3が運転されている際には、圧送された燃料が分岐配管21から燃料タンク2に戻ってしまうこともない。
デリバリ通路4のフィルタ13とフィードポンプ6との間にはリターン通路7と連通するバイパス管路22が設けられており、このバイパス管路22には、デリバリ通路4側からリターン通路7側への燃料の流れのみを許容する逆止弁23が設けられている。
このバイパス管路22は、燃料タンク2から圧送された低温燃料をリターン通路7に合流させることで、高温となるリターン燃料の温度を低下させるべく設けられている。また、バイパス管路22の逆止弁23により、燃料ポンプ3停止時に、エンジン5側のフィードポンプ6で生じる負圧により、燃料がバイパス管路22を逆流することが確実に防止される。
次に、上記構成の作用について説明する。
まず、エンジン5が停止されている状態からクランキング前のイグニッションオンの状態となると、燃料ポンプ3が運転され、燃料タンク2内の燃料がエンジン5のフィードポンプ6に向けて圧送される。この際、この圧力により、流路切替バルブ12は、燃料ポンプ3側からエンジン5側への通路に切り替えられて、確実に燃料がエンジン5のフィードポンプ6に向けて圧送される。
この燃料ポンプ3の運転により、第1、第2の分岐管14、17を通じて第1、第2のジェットポンプ15、18にも燃料が送出されて、これにより、サブタンク2cの燃料が移送管9を経て第1のジェットポンプ15からメインタンク2bへと移送されると共に、ジェットポンプ18の作用によりリターン通路7の背圧が低減される。
また、燃料ポンプ3の運転により、圧送された低温燃料が、バイパス管路22を通じて、リターン通路7に合流されて、高温となるリターン燃料の温度が低下させられる。
そして、エンジン5の運転が開始された後は、サブタンク2cの燃料がメインタンク2bの燃料よりも多くなっている(図示しないレベルセンサ等で検出)場合と、リターン通路7からのリターン燃料の温度が高温になる運転状態を判断した(エンジン回転数、車速、燃料噴射量等から判断)場合の少なくとも一方の場合には、燃料ポンプ3が運転されて、上述のように燃料が圧送されて、サブタンク2cからメインタンク2bへの燃料の移送、及び、リターン燃料の温度低下が行われる。
また、メインタンク2bの燃料量も十分な場合で、且つ、リターン燃料の温度も十分に低い場合には、燃料ポンプ3は停止される。
そして、燃料ポンプ3が停止されると、流路切替バルブ12は、流路を、分岐配管21側からエンジン5側へと切り替える。これにより、エンジン5側のフィードポンプ6で生じる負圧により、燃料が燃料タンク2から吸い上げられて、フィードポンプ6に十分な燃料が供給されることになる。
このように、本発明の実施の形態によれば、1つの燃料ポンプ3を、プライミング時における燃料供給用のポンプ、燃料タンク2内での燃料移送用のポンプ、リターン燃料の温度低下用のポンプとして兼用し、これらが必要無い場合は停止させることができるので、、効率が良く、コストの低減、部品点数の削減、重量の軽減に大きく寄与することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、オリフィス11とプレッシャレギュレータ19とを設けたことにより、エンジン5側への燃料の圧送量を安定化させることができ、リターン燃料の低温化を図るためのバイパス管路22を流れる燃料も安定化させることができ、リターン燃料の流量も安定化させることができる。すなわち、エンジン5側の制約条件として、リターン通路7の背圧に規定がある場合、リターン通路7の流量を安定化させることにより、リターン燃料の背圧条件を適切に満足させながら、安定したリターン燃料の温度低下を図ることができる。
更に、本発明の実施の形態によれば、第2のジェットポンプ18によりリターン通路7の背圧が低減可能になっているので、リターン燃料の背圧条件を適切に満足させながら、バイパス管路22を流れる燃料の流量を十分確保しつつ、安定したリターン燃料の温度低下を図ることができる。
尚、燃料ポンプ3は、エンジン5側への吐出と、第1、第2のジェットポンプ15、18側への吐出とをそれぞれ異なった吐出口から行えるポンプで構成するものであっても良い。
また、本実施の形態の他の実施例として、燃料の流量を調整するオリフィス11、流量圧力を一定に維持するプレッシャレギュレータ19、サブタンク2cからメインタンク2bへの燃料移送を行う第1のジェットポンプ15に関する構成、リターン通路7の背圧を低減する第2のジェットポンプ18に関する構成、リターン燃料の低温化を図るためのバイパス管路22の構成は、全て用いることなく、それぞれの何れかを、適宜、選択的に採用するものであっても良い。
更に、流路切替バルブ12の構成は、本実施の形態に限るものではなく、他の公知の切替バルブを用いることもできる。
1 燃料供給装置
2 燃料タンク
2b メインタンク
2c サブタンク
3 燃料ポンプ
4 デリバリ通路
5 エンジン
6 フィードポンプ
7 リターン通路
8 コモンレール
9 移送管
11 オリフィス
12 流路切替バルブ(流路切替手段)
13 フィルタ
15 第1のジェットポンプ
18 第2のジェットポンプ
19 プレッシャレギュレータ
21 分岐配管
22 バイパス管路
23 逆止弁

Claims (6)

  1. 燃料タンク内の燃料を燃料ポンプによりデリバリ通路を通じてエンジンのフィードポンプに供給し、該エンジンからのリターン燃料をリターン通路を通じて上記燃料タンク内に導入するエンジンの燃料供給装置において、
    上記デリバリ通路の上記フィードポンプと上記燃料ポンプとの間に流路の分岐部を設けて分岐させ、上記フィードポンプにより上記燃料タンク内の燃料を吸入自在とする端部を上記燃料タンク内に臨ませた分岐配管を設け、上記分岐部に、上記燃料ポンプが作動した際には該燃料ポンプから上記フィードポンプへの燃料供給を行わせる一方、上記燃料ポンプが停止した際には上記フィードポンプが上記分岐配管を通じて上記燃料タンク内の燃料を吸入する流路切替手段を設けたことを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  2. 上記燃料タンクは、メインタンクとサブタンクとが形成された鞍型の燃料タンクであって、
    上記サブタンクの燃料を上記メインタンクに移送する移送管を設けて該移送管の上記メインタンク側の端部には第1のジェットポンプを設け、該第1のジェットポンプと上記燃料ポンプの吐出側とを連結して上記サブタンクの燃料を上記メインタンクに移送することを特徴とする請求項1記載のエンジンの燃料供給装置。
  3. 上記リターン通路の上記燃料タンク内の端部には第2のジェットポンプを設け、該第2のジェットポンプと上記燃料ポンプの吐出側とを連結して上記リターン通路の背圧を低減することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエンジンの燃料供給装置。
  4. 上記デリバリ通路の上記流路切替手段と上記フィードポンプとの間と上記リターン通路とを連通し、上記デリバリ通路側から上記リターン通路側への燃料の流れのみを許容するバイパス管路を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載のエンジンの燃料供給装置。
  5. 上記燃料ポンプと上記デリバリ通路の上記バイパス管路との間には、燃料の流量を調整するオリフィスを設けたことを特徴とする請求項4記載のエンジンの燃料供給装置。
  6. 上記燃料ポンプと上記流路切替手段との間にはプレッシャレギュレータを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載のエンジンの燃料供給装置。
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