JP2010220433A - 太陽電池システムおよび充電制御方法 - Google Patents

太陽電池システムおよび充電制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微少な充電電流による蓄電池の劣化を防ぐことを課題とする。
【解決手段】太陽電池システムは、太陽電池1と、第1の電流値以上の充電電流で蓄電する蓄電池3と、蓄電装置4と、蓄電池3への充電電流値を検知する電流検出抵抗6と、太陽電池1の出力電流を蓄電池3と蓄電装置4との間で切り替える単極双投スイッチ5と、所定の条件によって単極双投スイッチ5を制御する制御部7とを備える。制御部7は、例えば、電流検出抵抗6によって検知された充電電流値が第1の電流値を下回ったことを条件として、太陽電池1の出力電流が蓄電装置4に充電されるように単極双投スイッチ5を制御し、制御の後、所定の時間が経過すると、再び太陽電池1の出力電流が蓄電池3に充電されるように単極双投スイッチ5を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池システムおよび充電制御方法に関する。
従来、電源インフラの確保が困難な場所において気象観測や監視を行う場合、データ収集や情報送信のための電源として、太陽電池と蓄電池とを組み合わせた太陽電池システムを利用することが可能である。太陽電池システムでは、例えば、昼間は、太陽電池によって発電された電力が負荷へ供給されるとともに、余剰電力で蓄電池が充電され、夜間は、蓄電池からの放電で必要な電力が賄われる。
かかる太陽電池システムの例として、例えば、特許文献1、2には、蓄電池と太陽電池とを組み合わせた独立型太陽光発電システムが記載されている。具体的には、特許文献1には、太陽電池の出力に接続された第一のコンバータと、第一のコンバータの出力に接続された充電器により充電されるNi−MH(ニッケル・水素)蓄電池と、第一のコンバータの出力と電気二重層コンデンサの出力に接続され、かつ、Ni−MH蓄電池に逆流阻止ダイオードを介して接続された第二のコンバータと、第二のコンバータの出力に接続された負荷とを備えた独立型太陽光発電システムが記載されている。
また、特許文献2には、太陽光により電力を発生する太陽電池と、太陽電池の出力に接続されるコンバータと、コンバータの出力に接続される電気二重層キャパシタと、コンバータの出力および電気二重層キャパシタに接続される複数の充電器と、充電器にそれぞれ対応して接続される複数のNi−MH蓄電池と、複数のNi−MH蓄電池の出力に接続される負荷とを備えた独立型太陽光発電システムが記載されている。
このように、太陽電池により蓄電池を充電する場合には、コンバータを介して充電を行うのが一般的である。コンバータは、太陽電池を入力として蓄電池に一定電圧を出力するものであり、出力電圧を蓄電池の充電電圧に一致させている。ここで、太陽電池の発電電力は日照によって大きく変動するが、その変動はコンバータの出力電流(充電電流)の増減となって表れる。つまり、発電量が低下しても、コンバータの出力電圧(充電電圧)は変化せず、出力電流(充電電流)が低下する。
特開2000−250646号公報 特開2001−069688号公報
しかしながら、通常、蓄電池の充電電流には最適値が設定されており、充電電流が微少になった場合には、充電効率が著しく低下して蓄電池が充電されなくなる。その場合、蓄電池に入力された電力のほとんどは熱に変換されるが、この発熱反応によって、蓄電池の劣化が進行してしまうという課題がある。
本発明は、上述した従来の技術による課題を解決するためになされたものであり、微少な充電電流による蓄電池の劣化を防ぐことが可能な太陽電池システム及びその充電制御方法を提供することを目的とする。
本願の開示する太陽電池システム及び充電制御方法は、一つの態様において、太陽電池と、第一の電流値以上の充電電流で蓄電する第一の蓄電手段と、第二の蓄電手段と、前記第一の蓄電手段への充電電流値を検知する第一の電流検知手段と、前記太陽電池の出力電流を前記第一の蓄電手段と前記第二の蓄電手段との間で切り替える切替手段と、所定の条件によって前記切替手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
本願の開示する太陽電池システム及び充電制御方法の一つの態様によれば、微少電流による劣化が起こりやすい蓄電池へは微少電流が充電されず、かつ微少電流を余すことなく蓄電することができるため、蓄電池の劣化を抑制し、かつ少ない発電電力でも有効利用することが可能となるという効果を奏する。
図1は、実施例1に係る太陽電池システムの構成を示すブロック図である。 図2は、実施例1における制御部7による制御手順を示すフローチャートである。 図3は、実施例2に係る太陽電池システムの構成を示すブロック図である。 図4は、実施例2における制御部7による制御手順を示すフローチャートである。 図5は、実施例4に係る太陽電池システムの構成を示すブロック図である。 図6は、実施例4における制御部7による制御手順を示すフローチャートである。
以下の実施例に係る太陽電池システムにおいては、発電電力の充電対象を蓄電池と蓄電装置とのいずれか一方とし、蓄電池への充電中に、充電電流が第1の電流値を下回ったとき充電対象を蓄電装置へ切り替える。そして、所定の条件を満たした場合に、再び充電対象を蓄電池へ切り替える。所定の条件とは、例えば、(1)第1の電流値を下回って蓄電装置に充電を切り替えてから第1の時間が経過したとき、(2)第1の電流値を下回って蓄電装置に充電を切り替えてから太陽電池の出力電流が第2の電流値に回復したとき(ただし第2の電流値≧第1の電流値)である。
すなわち、以下の実施例に係る太陽電池システムは、微少電流の充電は行えないが、高密度、高充電効率等の蓄電性能が優れた第一の蓄電手段と、微少電流の充電は可能であるものの、第一の蓄電手段よりも高密度、高充電効率等の蓄電性能が劣る第二の蓄電手段とを相補的に組み合わせ、第一の蓄電手段へ微少電流しか供給されない場合に、一旦その微少電流を第二の蓄電手段でバッファリングし、その後、第一の蓄電手段が充電可能な電流値に回復したとき等に第一の蓄電手段を充電する。また、第二の蓄電手段にバッファリングした電流を第一の蓄電手段に供給する。
以下に、本願の開示する太陽電池システムの実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。例えば、以下の実施例においては、蓄電池をニッケル水素蓄電池、蓄電装置を鉛蓄電池とする場合を例として説明するが、本発明はこれに限られるものではない。蓄電装置の具体例として鉛蓄電池とする理由は、鉛蓄電池ではフロート充電が可能であるので、ニッケル水素蓄電池に比べて微少電流による充電劣化が少ないためである。また、以下の実施例においては、蓄電池あるいは蓄電装置に充電された電力は最終的には負荷に供給されるものと想定する。
[実施例1に係る太陽電池システムの構成]
まず、図1を用いて、実施例1に係る太陽電池システムの構成を説明する。図1は、実施例1に係る太陽電池システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施例1に係る太陽電池システムは、太陽電池1と、コンバータ2と、蓄電池3と、蓄電装置4と、単極双投スイッチ5と、電流検出抵抗6と、制御部7とを備える。
実施例1に係る太陽電池システムにおいて、太陽電池1の出力は、コンバータ2を介して蓄電池3あるいは蓄電装置4へ充電される。単極双投スイッチ5は、コンバータ2を蓄電池3あるいは蓄電装置4のいずれか一方のみに接続する。すなわち、単極双投スイッチ5が、蓄電池3側の接続であるときは、太陽電池1はコンバータ2を介して蓄電池3のみへ充電が可能であり、蓄電装置4側の接続であるときは、蓄電装置4のみへ充電が可能である。
太陽電池1は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換することによって発電する。コンバータ2は、太陽電池1が最適動作点で発電できるように太陽電池1の発電電圧と電流を調整する。
蓄電池3は、ニッケル水素蓄電池セル(公称電圧1.2V、公称容量100Ah)を10セル直列接続して構成されており、その満充電電圧は16V(1.6V×10セル)、放電終止電圧は10V(1.0V×10セル)である。蓄電装置4は、鉛蓄電池セル(公称電圧2V、公称容量6Ah)を6セル直列接続して構成されており、その満充電電圧は13.2V(2.2V×6セル)、放電終止電圧は10.2V(1.7V×6セル)である。なお、コンバータ2は、蓄電池3および蓄電装置4の満充電電圧に対応して、出力電圧の最大値は16Vである。
ニッケル水素蓄電池は鉛蓄電池よりもエネルギー密度が高いため、同じエネルギー容量を蓄電池で構成するにしても、ニッケル水素蓄電池を中心とした方が小型化の効果がある。蓄電池3(ニッケル水素蓄電池)が蓄電量の大部分を占めるのはこのためであるが、ニッケル水素蓄電池には、充電電流が微少(本実施例のニッケル水素蓄電池では1A未満)となると充電効率が低下し劣化を促進するという弱点がある。このため、充電電流が微少となったときには蓄電池3(ニッケル水素蓄電池)への充電を停止し、替わりに蓄電装置4(微少電流充電による劣化が少ない小容量の鉛蓄電池)へ充電することによって微少な充電電流も有効に利用する。
そのために、実施例1に係る太陽電池システムにおいては、蓄電池3に電流検出抵抗6を接続し、電流検出抵抗6は、ここに発生する電位差を制御部7へ入力し、制御部7は、入力された電位差をもとに蓄電池3への充電電流を計算により求める。制御部7は、最初は単極双投スイッチ5を蓄電池3への接続とするが、計算した蓄電池3への充電電流が1A(第1の電流)を下回ったとき、単極双投スイッチ5に対して蓄電装置4へ切り替えさせる信号を送信する。この後、1分(第1の時間)が経過すると、制御部7は、単極双投スイッチ5に対して蓄電池3へ切り替えさせる信号を送信する。
[実施例1における制御部7による制御手順]
次に、図2を用いて、実施例1における制御部7による制御手順を説明する。図2は、実施例1における制御部7による制御手順を示すフローチャートである。
図2において、制御部7は、制御を開始すると、ステップS101において、単極双投スイッチ5を蓄電池3側へ接続し、ステップS102へ進む。ステップS102において、制御部7は、蓄電池3の充電電流が第1の電流以上であるか否かを判定する。具体的には、制御部7は、電流検出抵抗6から入力された電位差をもとに蓄電池3への充電電流を計算により求め、計算した蓄電池3への充電電流が1A(第1の電流)以上であるか否かを判定する。
ステップS102において、蓄電池3の充電電流が第1の電流以上であるときは(ステップS102肯定)、ステップS102へ戻り、そうでないときは(ステップS102否定)、ステップS103へ進む。ステップS103において、制御部7は、単極双投スイッチ5を蓄電装置4側へ接続してステップS104へ進む。ステップS104において、制御部7は、第1の時間待機してステップS101へ戻る。
[実施例1の効果]
上記してきたように、実施例1に係る太陽電池システムは、太陽電池1と、第1の電流値以上の充電電流で蓄電する蓄電池3と、蓄電装置4と、蓄電池3への充電電流値を検知する電流検出抵抗6と、太陽電池1の出力電流を蓄電池3と蓄電装置4との間で切り替える単極双投スイッチ5と、所定の条件によって単極双投スイッチ5を制御する制御部7とを備える。
また、実施例1における制御部7は、電流検出抵抗6によって検知された充電電流値が第1の電流値を下回ったことを条件として、太陽電池1の出力電流が蓄電装置4に充電されるように単極双投スイッチ5を制御し、該制御の後、所定の時間が経過すると、再び太陽電池1の出力電流が蓄電池3に充電されるように単極双投スイッチ5を制御する。
以上のように、通常は蓄電池3(ニッケル水素蓄電池)へ充電し、充電電流が微少となるときは充電対象を蓄電装置4(微少電流による劣化が少ない小容量の鉛蓄電池)へ切り替えることにより、蓄電池3の劣化を抑制し、かつ少ない発電電力でも有効に利用することが可能となる。
以下、実施例1に係る太陽電池システムによって生じる効果について改めて説明する。従来、太陽電池と蓄電池とを組み合わせた太陽電池システムにおいては、発電電力は日照によって大きく変動するため、蓄電池への充電電流も大きく増減し、充電電流が微少となる場合、充電効率が著しく低下し、蓄電池は充電されず、電池に入力された電力のほとんどは熱に変換され、この発熱反応により蓄電池の劣化が進行するという課題があった。実施例1に係る太陽電池システムにより、微少電流による劣化が起こりやすい蓄電池へは微少電流が充電されず、かつ微少電流を余すことなく蓄電することができるため、蓄電池の劣化を抑制し、かつ少ない発電電力でも有効利用することが可能となる。
実施例1においては、充電対象の切替を単極双投スイッチによって行う例を説明してきたが、実施例2では、スイッチング素子によって行う例を説明する。
[実施例2に係る太陽電池システムの構成]
まず、図3を用いて、実施例2に係る太陽電池システムの構成を説明する。図3は、実施例2に係る太陽電池システムの構成を示すブロック図である。
実施例2に係る太陽電池システムにおいて、太陽電池1の出力は、コンバータ2を介して蓄電池3あるいは蓄電装置4へ充電される。蓄電池3および蓄電装置4には、それぞれスイッチング素子8a、8bが接続され、8a、8bのいずれか一方のみがONとなることによって充電対象の切替を行う。すなわち、スイッチング素子8aがON、8bがOFFであるときは、太陽電池1はコンバータ2を介して蓄電池3のみへ充電が可能であり、スイッチング素子8aがOFF、8bがONであるときは、蓄電装置4のみへ充電が可能である。
太陽電池1は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換することによって発電する。コンバータ2は、太陽電池1が最適動作点で発電できるように太陽電池1の発電電圧と電流を調整する。
蓄電池3は、ニッケル水素蓄電池セル(公称電圧1.2V、公称容量100Ah)を10セル直列接続して構成されており、その満充電電圧は16V(1.6V×10セル)、放電終止電圧は10V(1.0V×10セル)である。蓄電装置4は、鉛蓄電池セル(公称電圧2V、公称容量6Ah)を6セル直列接続して構成されており、その満充電電圧は13.2V(2.2V×6セル)、放電終止電圧は10.2V(1.7V×6セル)である。なお、コンバータ2は、蓄電池3および蓄電装置4の満充電電圧に対応して、出力電圧の最大値は16Vである。
実施例1と同様に、充電電流が微少となったときには蓄電池3(ニッケル水素蓄電池)への充電を停止し、替わりに蓄電装置4(微少電流充電による劣化が少ない小容量の鉛蓄電池)へ充電することによって微少な充電電流も有効に利用する。
そのために、実施例2に係る太陽電池システムにおいては、蓄電池3に電流検出抵抗6を接続し、電流検出抵抗6は、ここに発生する電位差を制御部7へ入力し、制御部7は、入力した電位差をもとに蓄電池3への充電電流を計算により求める。制御部7は、最初はスイッチング素子8aをON、8bをOFFとするが、計算した蓄電池3への充電電流が1A(第1の電流)を下回ったとき、スイッチング素子8aをOFF、8bをONとする。この後、1分(第1の時間)が経過すると、制御部7は、スイッチング素子8aをON、8bをOFFとする。
[実施例2における制御部7による制御手順]
次に、図4を用いて、実施例2における制御部7による制御手順を説明する。図4は、実施例2における制御部7による制御手順を示すフローチャートである。
図4において、制御部7は、制御(以下、適宜「微少電流切替制御」と呼ぶ)を開始すると、ステップS201において、スイッチング素子8aをON、8bをOFFとし、ステップS202へ進む。ステップS202において、制御部7は、蓄電池3の充電電流が第1の電流以上であるか否かを判定する。具体的には、制御部7は、電流検出抵抗6から入力された電位差をもとに蓄電池3への充電電流を計算により求め、計算した蓄電池3への充電電流が1A(第1の電流)以上であるか否かを判定する。
ステップS202において、蓄電池3の充電電流が第1の電流以上であるときは(ステップS202肯定)、ステップS202へ戻り、そうでないときは(ステップS202否定)、ステップS203へ進む。ステップS203において、制御部7は、スイッチング素子8aをOFF、8bをONとしてステップS204へ進む。ステップS204において、制御部7は、第1の時間待機してステップS201へ戻る。
[実施例2の効果]
上記してきたように、実施例2に係る太陽電池システムは、太陽電池1と、第1の電流値以上の充電電流で蓄電する蓄電池3と、蓄電装置4と、蓄電池3への充電電流値を検知する電流検出抵抗6と、太陽電池1の出力電流を蓄電池3と蓄電装置4との間で切り替えるスイッチング素子8と、所定の条件によってスイッチング素子8を制御する制御部7とを備える。
また、実施例2における制御部7は、電流検出抵抗6によって検知された充電電流値が第1の電流値を下回ったことを条件として、太陽電池1の出力電流が蓄電装置4に充電されるようにスイッチング素子8を制御し、該制御の後、所定の時間が経過すると、再び太陽電池1の出力電流が蓄電池3に充電されるようにスイッチング素子8を制御する。
以上のように、通常は蓄電池3(ニッケル水素蓄電池)へ充電し、充電電流が微少となるときは充電対象を蓄電装置4(微少電流充電による劣化が少ない小容量の鉛蓄電池)へ切り替えることにより、蓄電池3の劣化を抑制し、かつ少ない発電電力でも有効に利用することが可能となる。
ところで、実施例2に係る太陽電池システムにおいては、蓄電装置4が満充電となったときには、微少電流による充電が不可能にならざるを得なかった。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。実施例3では、このような場合に、満充電となった蓄電装置4から蓄電池3へ充電を行うことにより、再び微少電流を充電できるようにする構成例を説明する。
具体的には、実施例3における制御部7は、蓄電装置4が満充電であること、また、蓄電装置4が放電したことを検知する機能をさらに有する。実施例3における制御部7は、蓄電装置4が満充電であることを検知すると、前述の微少電流切替制御を停止し、スイッチング素子8aおよび8bの双方をONとし、蓄電装置4から蓄電池3へ充電電流が流れるように制御する。制御部7は、蓄電装置4がある程度放電したことを検知すると、前述の微少電流切替制御を再開すればよい。例えば、制御部7は、蓄電装置4の放電残容量を検知し、蓄電装置4の放電残容量が所定の閾値まで低下したと検知すると、微少電流切替制御を再開する。
なお、制御部7が満充電であることを検知する手法を例示すると、例えば、制御部7は、蓄電装置4の電圧値が上限値に達した場合に、満充電であると判定する。
[実施例3の効果]
以上のように、微少電流切替制御をスイッチング素子8a、8bによって行っているので、蓄電装置4が満充電となったときに蓄電装置4から蓄電池3へ充電電流供給が可能となり、蓄電池3へは充電されるのに十分な充電電流が流れ、蓄電装置4は放電するため、再び微少電流による充電が可能となる。
ところで、実施例1〜3においては、蓄電装置4へ電流が切り替えられると蓄電池3へは充電されないので電流検出抵抗6の電流値は0となる。その後、第1の時間(例えば1分)経過後に蓄電池3へ切り替える。この時、コンバータ2の出力電流値が所定の第1の電流値を超えていなければ、電流切替手段(実施例1においては単極双投スイッチ5、実施例2および3においてはスイッチング素子8)は、再び蓄電装置4へ電流を切り替える。以下、このスイッチング動作を繰り返すこととなっていた。
しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。実施例4では、太陽電池システムが電流検知部9をさらに備え、電流検知部9によって検知された出力電流に応じて制御部7が蓄電装置4から蓄電池3へ電流を切り替える例を説明する。
[実施例4に係る太陽電池システムの構成]
まず、図5を用いて、実施例4に係る太陽電池システムの構成を説明する。図5は、実施例4に係る太陽電池システムの構成を示すブロック図である。
実施例4に係る太陽電池システムは、実施例1〜3に係る太陽電池システムと異なり、コンバータ2から電流切替手段(実施例1においては単極双投スイッチ5、実施例2および3においてはスイッチング素子8)の間に電流検知部9を付加する構成である(図1、図3を参照)。電流検知部9は、コンバータ2の出力電流を検知して、制御部7に伝達する。
具体的には、実施例4に係る太陽電池システムにおいては、電流検知部9で検知された電流値が制御部7に伝達され、制御部7によって蓄電装置4に電流が切り替えられた後、電流検知部9で検知された電流値が第1の電流値以上の値の第2の電流値になった場合に、制御部7が、指令信号により電流切替手段(実施例1においては単極双投スイッチ5、実施例2および3においてはスイッチング素子8)を制御して、蓄電池3へ電流を供給するように切り替える。一方、電流検知部9の電流値が、第2の電流値未満であれば、蓄電装置4への接続はそのままである。
上記構成により、コンバータ2の出力電流が第1の電流値を超えていれば蓄電池3が充電され、コンバータ2の出力電流が第1の電流値よりも小さく、蓄電装置4が充電された状態において、コンバータ2の出力電流値が第2の電流値以上に回復した時点で、再び蓄電池3の充電に切り替わる。
[実施例4における制御部7による制御手順]
次に、図6を用いて、実施例4における制御部7による制御手順を説明する。図6は、実施例4における制御部7による制御手順を示すフローチャートである。
図6において、制御部7は、制御を開始すると、ステップS301において、単極双投スイッチ5を蓄電池3側へ接続し、ステップS302へ進む。ステップS302において、制御部7は、蓄電池3の充電電流が第1の電流以上であるか否かを判定する。具体的には、制御部7は、電流検出抵抗6から入力された電位差をもとに蓄電池3への充電電流を計算により求め、計算した蓄電池3への充電電流が1A(第1の電流)以上であるか否かを判定する。
ステップS302において、蓄電池3の充電電流が第1の電流以上であるときは(ステップS302肯定)、ステップS302へ戻り、そうでないときは(ステップS302否定)、ステップS303へ進む。ステップS303において、制御部7は、単極双投スイッチ5を蓄電装置4側へ接続してステップS304へ進む。
ステップS304において、制御部7は、電流検知部9で検知された電流値が第2の電流(第2の電流≧第1の電流)以上であるか否かを判定する。具体的には、制御部7は、電流検知部9から伝達された電流値が第2の電流以上であるか否かを判定する。
ステップS304において、電流検知部9で検知された電流値が第2の電流以上でないときは(ステップS304否定)、ステップS304へ戻り、第2の電流以上であるときは(ステップS304肯定)、ステップS301へ戻る。
[実施例4の効果]
上記してきたように、実施例4における制御部7は、電流検出抵抗6によって検知された充電電流値が第1の電流値を下回ったことを条件として、太陽電池1の出力電流が蓄電装置4に充電されるように切替手段を制御し、該制御の後、電流検知部9によって第1の電流値以上の第2の電流値が検知されると、再び太陽電池1の出力電流が蓄電池3に充電されるように切替手段を制御する。
以上のように、実施例4によれば、一旦蓄電池3から蓄電装置4へと切り替えられた後、第1の時間(例えば1分)経過後に蓄電池3に再び切り替えるのではなく、電流検知部9で検知された電流値が第2の電流以上であるときに初めて蓄電池3に再び切り替える。このため、実施例1〜3のようなスイッチング動作(第1の時間経過後に一旦蓄電池3に切り替えたが、未だ微少電流であったために再び蓄電装置4に切り替える、といったスイッチング動作)がなくなり、微少電流による充電を効率的に行うことができる。
これまで本発明の実施例1〜4について説明してきたが、本発明は上記の実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
まず、本発明の各実施例においては、蓄電池3をニッケル水素蓄電池としているが、他の種類の蓄電池により構成することも可能である。どの種類の蓄電池であっても、程度の差こそあれ、微少電流充電により劣化が促進されるからである。
また、本発明の各実施例においては、蓄電装置4を微少電流充電による劣化が少ない小容量の鉛蓄電池としているが、他の種類の蓄電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスを用いることが可能である。蓄電池3に比べて微少電流充電による劣化が十分小さい蓄電手段を適宜選択して利用すればよい。
なお、実施例3においては、蓄電装置4が鉛蓄電池であることを想定し、制御部7が、蓄電装置4の電圧値が上限値に達した場合に満充電であると判定する手法を説明したが、例えば、蓄電装置4が電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスである場合にも、実施例3と同様、蓄電装置4の電圧値が上限値に達した場合に満充電であると判定する手法を適用することができる。また、例えば、蓄電装置4がニッケル水素蓄電池などの蓄電デバイスである場合には、この手法の他に、蓄電装置4の電圧値が低下に転じた場合に満充電であると判定する手法や、蓄電装置4の温度によって満充電であると判定する手法、あるいは複数の満充電判定条件を用いて満充電と判定する手法などを適用することもできる。
1 太陽電池
2 コンバータ
3 蓄電池
4 蓄電装置
5 単極双投スイッチ
6 電流検出抵抗
7 制御部

Claims (6)

  1. 太陽電池と、
    第一の電流値以上の充電電流で蓄電する第一の蓄電手段と、
    第二の蓄電手段と、
    前記第一の蓄電手段への充電電流値を検知する第一の電流検知手段と、
    前記太陽電池の出力電流を前記第一の蓄電手段と前記第二の蓄電手段との間で切り替える切替手段と、
    所定の条件によって前記切替手段を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする太陽電池システム。
  2. 前記第二の蓄電手段が所定の充電量まで充電された場合に、該第二の蓄電手段から前記第一の蓄電手段に充電電流を供給する供給手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池システム。
  3. 太陽電池の出力電流値を検知する第二の電流検知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池システム。
  4. 前記制御手段は、前記第一の電流検知手段によって検知された充電電流値が前記第一の電流値を下回ったことを条件として、前記太陽電池の出力電流が前記第二の蓄電手段に充電されるように前記切替手段を制御し、該制御の後、所定の時間が経過すると、再び前記太陽電池の出力電流が前記第一の蓄電手段に充電されるように前記切替手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池システム。
  5. 前記制御手段は、前記第一の電流検知手段によって検知された充電電流値が前記第一の電流値を下回ったことを条件として、前記太陽電池の出力電流が前記第二の蓄電手段に充電されるように前記切替手段を制御し、該制御の後、前記第二の電流検知手段によって前記第一の電流値以上の第二の電流値が検知されると、再び前記太陽電池の出力電流が前記第一の蓄電手段に充電されるように前記切替手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池システム。
  6. 太陽電池によって発電された電力を蓄電手段に充電する太陽電池システムにおいて充電を制御する充電制御方法であって、
    前記太陽電池システムは、
    太陽電池と、第一の電流値以上の充電電流で蓄電する第一の蓄電手段と、第二の蓄電手段と、前記第一の蓄電手段への充電電流値を検知する第一の電流検知手段と、前記太陽電池の出力電流を前記第一の蓄電手段と前記第二の蓄電手段との間で切り替える切替手段と、所定の条件によって前記切替手段を制御する制御手段とを備えるものであり、
    前記制御手段が、
    前記第一の電流検知手段によって検知された充電電流値が前記第一の電流値を下回ったことを条件として、前記太陽電池の出力電流が前記第二の蓄電手段に充電されるように前記切替手段を制御し、該制御の後、所定の条件を満たした場合に、再び前記太陽電池の出力電流が前記第一の蓄電手段に充電されるように前記切替手段を制御する制御工程を含んだことを特徴とする充電制御方法。
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