JP2010217853A - 液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速応答性、広視野角特性、高コントラスト特性を同時に実現することができる実用的な液晶パネルを提供する。
【解決手段】液晶パネル2は、一対の基板10・20間に挟持されたp型液晶材料と、p型液晶材料に、基板面に平行な電界を印加する櫛歯状電極13・14とを備えている。p型液晶材料は、電界無印加時に基板面に垂直に配向する。櫛歯状電極13・14の電極幅は5μm以下、電極間隔は15μm以下であり、p型液晶材料の誘電率異方性Δεと屈折率異方性Δnとの積は、1.3以上、3.1以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶パネルおよび液晶表示装置に関するものであり、より詳しくは、電圧印加により液晶層をベンド変形させることにより光の透過を制御する液晶パネルおよび液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力を特徴とし、様々な分野で広く用いられている。液晶表示装置の表示性能は、年月の経過に伴って格段に進歩してきており、いまやCRT(陰極線管)を凌ぐほどまでになってきている。
液晶表示装置の表示方式は、液晶セル内で液晶をどのように配列させるかによって決定される。従来、液晶表示装置の表示方式としては、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、MVA(Multi-domain Vertical Alignment)モード、IPS(In-Plain Switching)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード等の各種表示方式が知られている。従来、このような表示方式を用いた液晶表示装置は大量に生産されている。
特開昭57−618号公報(1982年1月5日公開) 特開平10−186351号公報(1998年7月14日公開) 特開平10−333171号公報(1998年12月18日公開) 特開平11−24068号公報(1999年1月29日公開) 特開2000−275682号公報(2000年10月6日公開) 特開2002−55357号公報(2002年2月20日公開)
K. Ohmuro, S. Kataoka, T. Sasaki, and Y. Koike, "Development of Super-High-Image-Quality Vertical-Alignment-ModeLCD", SID 1997 Digest, No.33.3, p.845-848, 1997. H.Yoshida, T.Kamada, K.Ueda, R.Tanaka, Y.Koike, K.Okamoto, P.L.Chen and J.Lin, "Multi-domain Vertically Aligned LCDs with Super-wide Viewing Range for Gray-scale Images", Asia Display/IMID’04 Digest, No. 12.2, (2004). R. A. Soref, "Field Effects in Nematic Liquid Crystals Obtained with Interdigital Electrodes", J. Appl. Phys., Vol. 45, No. 12, p.5466-5468, 1974. R. Kiefer, B. Weber, F. Windschield, and G. Baur, "In-Plane Switching of Nematic Liquid Crystals", Proc. The 12th Int’l Disp. Res. Conf. (Japan Display’92), No.P2-30, p.547-550, 1992. P. L. Bos and J. A. Rahman, "An Optically "Self-Compensating" Electro-Optical Effect with Wide Angle of View", Technical Digest of SID Symp., p.273-276, 1993. Y. Yamaguchi, T. Miyashita, and T. Uchida, "Wide-Viewing-Angle Display Mode for the Active-Matrix LCD Using Bend-Alignment Liquid-Crystal Cell", Technical Digest of SID Symp., p.277-280, 1993.
前記した各種表示方式のなかでも、例えば、TNモードの液晶表示装置は、広く一般的に用いられている。
しかしながら、TNモードの液晶表示装置は、応答が遅い、視野角が狭い等の欠点を有している。
また、MVAモード(例えば、非特許文献1〜2参照)は、アクティブマトリクス基板の画素電極にスリットを設けるとともに、対向基板の対向電極に液晶分子配向制御用の突起(リブ)を設け、これによって形成されるフリンジフィールド(Fringe Field)によって液晶分子の配向方向を複数方向に配設させる方式である。
MVAモードの液晶表示装置は、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向を複数に分割(Multi-domain)することによって、広視野角を実現している。また、垂直配向モードであるため、TNモード、IPSモード、OCBモード等の各モードに比べて高コントラストを得ることができる。しかしながら、製造工程が複雑であり、TNモードと同様、応答が遅いという欠点を有している。
IPSモード(例えば、非特許文献3〜4参照)は、上記した各種表示方式のなかでも、より簡単な構成で広視野角を実現する表示方式として知られている。IPSモードは、液晶分子を面内でスイッチングさせることから、視野角が非常に広い。しかしながら、IPSモードもまた、TNモード、MVAモードと同様、応答が遅いという欠点を有している。また、低温での高速性が要求される携帯機器や車載機器には適していない。
一方、上記した各種表示方式のなかでも、OCBモード(例えば、非特許文献5〜6参照)は、平行に配向処理された2枚の基板間にネマチック液晶を挟持しただけの簡単な構成で高速応答が実現できる唯一の表示方式である。このため、OCBモードは、低温の応答特性が問題となる車載用途等において特に注目されている。
しかしながら、OCBモードは、高速な応答性を示す一方で、電源投入時に、初期配向であるスプレイ配向から駆動時のベンド配向への転移操作が必要である。このため、通常駆動回路の他に初期転移用駆動回路が必要となるため、コストアップ要因を内在している。また、視野角特性が、MVAモードやIPSモードに比べて劣るといった問題点を有している。
また、上記以外の表示方式として、MVAモードのプロセス課題を解決すべく、垂直配向モードにおいて、液晶材料としてp型ネマチック液晶を使用し、横電界により駆動させる表示方式が提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。
上記表示方式では、垂直配向による高コントラスト性を保ちながら横電界により駆動させることで液晶分子の配向方位を規定する。上記表示方式は、MVAモードのような突起物による配向制御が不要であるため、画素構成が単純であり、優れた視野角特性を有している。
また、上記特許文献3および特許文献4には、電界印加によりベンド状の電界が形成され、液晶ダイレクタの方位が180度異なる2つのドメインが形成されることや、これに伴い、広い視野角特性が得られることが開示されている。
しかしながら、上記表示方式は、上記したように高いコントラスト並びに優れた視野角特性を有する反面、駆動電圧が高く、光透過率が低いという大きな課題を有している。また、MVAモードと同様に、その応答特性は、動画表示に対して十分なものであるとは言えない。このため、これまで実用化がなされていない。
したがって、高速応答性、広視野角特性、高コントラスト特性を同時に実現することができる液晶パネルおよび液晶表示装置は未だ知られていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速応答性、広視野角特性、高コントラスト特性を同時に実現することができる実用的な液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することにある。
上記した状況のもと、本願出願人らは、鋭意検討した結果、パネル構成や液晶材料の物性値を適正な条件にすることによりベンド配列の程度(ベンド配列したp型液晶分子の曲げの度合い)を制御することができるとともに、ベンド配列の程度を制御することで、実用的な駆動電圧で高い光透過率を得ることができることを見出して本発明を完成させるに至った。そして、この結果、実用的な駆動電圧で初めて高い光透過率を得ることができた。
本発明にかかる液晶パネルは、上記課題を解決するために、一対の基板間に挟持された液晶材料と、上記液晶材料に、基板面に平行な電界を印加する電極とを備え、上記液晶材料はp型液晶材料を含み、電界無印加時に上記p型液晶材料が基板面に垂直に配向する液晶パネルにおいて、上記電極の電極幅が5μm以下、電極間隔が15μm以下であり、上記p型液晶材料の誘電率異方性Δεと屈折率異方性Δnとの積(Δε・Δn)が、1.3以上、3.1以下であることを特徴としている。
なお、本発明において、「基板面に平行な電界を印加する」とは、「少なくとも、基板面に平行な成分を有する電界を印加する」ことを示す。また、「上記p型液晶材料が基板面に垂直に配向する」とは、「上記p型液晶材料が、少なくとも、基板面に垂直な配向成分を有している」ことを示す。すなわち、上記「平行」および「垂直」には、「略平行」、「略垂直」も含まれる。
上記液晶パネルは、垂直配向による高コントラスト性を保ちながら、基板面に平行な、いわゆる横電界により駆動させることで、単純な画素構成によって、広視野角特性並びに高コントラスト特性を実現することができる。また、初期ベンド転移操作が不要であり、実用的なベンド配向を実現することができる。
上記液晶パネルでは、OCBモードと同様に、液晶分子が動こうとする時、それをアシストする方向に液晶分子のフローが働くため、高速な応答が可能となる。このような高速応答性は、ベンド配列の程度に対応する。上記液晶パネルにおいて、ベンド配列の程度は、液晶材料の物性(特にΔε・Δn)に依存するが、上記電極の電極幅、電極間隔によっても変化する。これらの値を上記範囲内とすると、従来構成に比べて液晶配列の変形の程度が大きな液晶パネルを得ることができる。
そして、特に、上記電極の電極幅を5μm以下とし、電極間隔を15μm以下とすることで、実用的な駆動電圧で、高い透過率を得ることができる。また、上記Δε・Δnを1.3以上、3.1以下の範囲内とすることで、実用的に高い透過率と高速応答性とを得ることができる。したがって、上記の構成によれば、MVAモードやIPSモードと同等の広視野角特性と、OCBモード並、あるいはそれ以上の高速応答性と、高コントラスト特性とを同時に実現することができる実用的な液晶パネルを提供することができる。
上記液晶パネルにおいて、上記液晶材料の層厚dと屈折率異方性Δnとの積(Δnd)は、0.3μm以上、0.7μm以下であることが好ましい。
上記Δndが大きくなると最大透過率が大きくなる傾向にある。しかしながら、液晶セル面内には位相差分布があり、Δndが半波長を越えた領域では、液晶材料の層厚dの増加とともに透過率が低下する傾向にある。このため、上記Δndを上記範囲内とすることで、高透過率、高速応答をより確実に実現することができる。
また、上記液晶材料の弾性定数k33は15pN以上であることが好ましい。
1フレーム内に立ち下がりを完結させるためには、立ち下がり応答をほぼ10ms以下にする必要がある。上記したように弾性定数k33が15pN以上の液晶材料を用いることで、1フレーム内に立ち下がりを完結させることができる。したがって、透過率と立ち下がり応答速度とを共に満足させることができる。
さらに、上記液晶材料は、四環系液晶材料を10%以上含むことが好ましい。
上記液晶材料が四環系液晶材料を含むことで、弾性定数k33が大きくなる。特に、上記液晶材料が四環系液晶材料を10%以上含むことで、1フレーム内に立ち下がりを完結させることができる。したがって、上記の構成によれば、実用的価値が極めて高い液晶パネルを提供することができる。
上記液晶パネルとしては、具体的には、上記p型液晶材料がp型ネマチック液晶材料であり、上記電極が、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板に設けられた櫛歯状電極であり、上記p型ネマチック液晶材料は、電界無印加時にホメオトロピック配向する液晶パネルが挙げられる。
また、上記液晶材料は、アルケニル基を有する化合物を含むことが好ましい。
アルケニル基を有する化合物は、Δεがほぼゼロの材料であり、減粘剤として機能する。したがって、上記液晶材料がアルケニル基を有する化合物を含むことで、上記液晶材料の粘性を下げることができ、応答時間を大幅に低減させることができる。
また、上記液晶パネルは、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板における上記液晶材料からなる液晶層との対向面に、シロキサン系無機材料からなる配向膜を有することが好ましい。
シロキサン系無機材料からなる配向膜は、ポリイミド系配向膜等の有機系配向膜と比べて膜抵抗が低く、電荷が逃げ易い。このため、上記液晶材料に、相対的にイオン性不純物の含有割合が高く、焼き付きが起こり易い、誘電率異方性Δεが高い液晶材料を用いた場合であっても、焼き付きの発生を抑制することができる。
また、上記液晶パネルは、上記一対の基板のうち一方の基板に上記電極が配設されているとともに、他方の基板に、表示領域全域を覆う電極膜が配設されていることが好ましい。
このように、基板面に平行な電界を上記液晶材料に印加する電極が設けられた基板と対向する基板に、表示領域全域を覆う電極膜が配設されていることで、該電極膜が配設されていない場合と比較して、電圧−透過率特性を向上させることができる。このため、上記の構成によれば、上記電極膜を配設しない場合よりも低い電圧で、上記電極膜を配設しない場合と同じ透過率を得ることができる。したがって、駆動電圧を低減させることができる。
また、本発明にかかる液晶表示装置は、上記課題を解決するために、本発明にかかる上記液晶パネルを備えていることを特徴としている。
したがって、本発明によれば、高速応答性、広視野角特性、高コントラスト特性を同時に実現することができる実用的な表示装置を提供することができる。
本発明にかかる液晶パネルおよび液晶表示装置は、以上のように、垂直配向による高コントラスト性を保ちながら、基板面に平行な、いわゆる横電界により駆動させることで、単純な画素構成によって、広視野角特性並びに高コントラスト特性を実現することができる。また、初期ベンド転移操作が不要であり、実用的なベンド配向を実現することができる。
そして、特に、上記液晶パネルおよび液晶表示装置において電極の電極幅を5μm以下とし、電極間隔を15μm以下とすることで、実用的な駆動電圧で、高い透過率を得ることができる。また、上記Δε・Δnを1.3以上、3.1以下の範囲内とすることで、実用的に高い透過率と高速応答性とを得ることができる。したがって、本発明によれば、MVAモードやIPSモードと同等の広視野角特性と、OCBモード並、あるいはそれ以上の高速応答性と、高コントラスト特性とを同時に実現することができる実用的な液晶パネルを提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態にかかる液晶パネルの要部の概略構成を模式的に示す分解斜視図である。 図1に示す液晶パネルの要部の概略構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の一形態にかかる液晶表示装置の概略構成を模式的に示す分解断面図である。 図1に示す液晶パネルの偏光板の透過軸方位と電界印加方向との関係を示す図である。 (a)・(b)は、図1に示す液晶パネルにおけるp型液晶分子の回転の様子を示す図であり、(a)は、電界無印加時における上記液晶パネルの要部の斜視図であり、(b)は、電界印加時における上記液晶パネルの要部の斜視図である。 本発明の実施の一形態にかかる液晶セルの等電位曲線を示すグラフである。 図6に示す液晶セル内のp型液晶分子のダイレクタ分布を示す図である。 本発明の実施の一形態にかかる液晶セル内のp型液晶分子のダイレクタ分布を示す図である。 図8で用いた液晶セル内の透過率分布を示すグラフである。 本発明の実施の一形態にかかるセル内の透過率分布と位相差分布とを示すグラフである。 図10とは電極間隔が異なる液晶セル内の透過率分布と位相差分布とを示すグラフである。 実施例1で作製した液晶パネルの電圧−透過率特性を示すグラフである。 実施例1で作製した液晶パネルの応答特性の温度依存性を示すグラフである。 実施例1で作製した液晶パネルにおける液晶層中の液晶分子の流れを示す図である。 実施例5で作製した液晶パネルの最大透過率と立ち下がり応答時間との関係を示すグラフである。 実施例6で作製した液晶パネルにおける四環系液晶材料の含有率と立ち下がり応答時間との関係を示すグラフである。 (a)は、焼き付きの評価に用いたテストセルの要部の概略構成を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)に示すテストセルの要部の概略構成を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の他の形態にかかる液晶表示装置で用いられる液晶セルの要部の概略構成を模式的に示す断面図である。 実施例9で作製した液晶パネルの電圧−透過率特性を示すグラフである。 実施例9で作製した液晶パネルに7Vの電圧を印加したときの液晶セル内の電界分布と液晶ダイレクタ分布とを示す図である。 本発明の実施のさらに他の形態にかかる液晶パネルの要部の概略構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図17(a)・(b)に基づいて説明すれば以下の通りである。
図3は、本実施の形態にかかる液晶表示装置の概略構成を模式的に示す分解断面図である。
本実施の形態にかかる液晶表示装置1は、図3に示すように、液晶パネル2、駆動回路3、およびバックライト4(照明装置)を備えている。上記駆動回路3およびバックライト4の構成は従来と同じである。したがって、これらの構成については、その説明を省略する。
本実施の形態にかかる上記液晶パネル2の一例として、典型的なパネル構成を図1および図2に示す。
図1は、上記液晶パネル2の要部の概略構成を模式的に示す分解斜視図である。また、図2は、上記液晶パネル2の要部の概略構成を模式的に示す断面図である。
なお、以下の説明においては、表示面側(観察者側の基板)を上側の基板とし、他方の基板を下側の基板として説明する。
図1〜図3に示すように、本実施の形態にかかる液晶パネル2は、電極基板(アレイ基板、素子基板)および対向基板として、互いに対向して設けられた一対の基板10・20を備えている。これら一対の基板10・20間には、表示用の媒質層として、p型液晶材料を含む液晶層30が挟持されている。
上記一対の基板10・20のうち少なくとも一方の基板は、ガラス基板等の透明基板を備えている。また、上記一対の基板10・20における他方の基板との対向面には、いわゆる垂直配向膜と称される配向膜12・22がそれぞれ設けられている。
垂直配向膜は、電界無印加時に液晶層の液晶分子を基板面に垂直に配向させる配向膜である。なお、上記「垂直」には、「略垂直」も含まれる。
このため、上記液晶層30におけるp型液晶分子31は、図1に示すように、電圧無印加時に、ホメオトロピック配向を示している。
また、上記基板10・20のうち一方の基板は、上記液晶層30に、いわゆる横電界と称される、基板面に平行な電界を印加するための電界印加手段を備えている。なお、上記「平行」には「略平行」も含まれる。
本実施の形態では、上記基板10・20は、それぞれガラス基板11・21を備えている。そのうち、上記基板10におけるガラス基板11上には、上記電界印加手段として、一対の櫛歯状電極13・14(画素電極、共通電極)が設けられている。
上記櫛歯状電極13・14は、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明電極材料からなっていてもよく、アルミニウム等の金属からなっていてもよい。上記櫛歯状電極13・14の材質は、特に限定されるものではない。
配向膜12は、上記櫛歯状電極13・14を覆うように設けられている。なお、上記配向膜12・22の材料並びに形成方法は特に限定されるものではない。上記配向膜12・22は、例えば、上記櫛歯状電極13・14上に、垂直配向規制力を有する公知の配向膜材料を塗布することで形成することができる。
なお、上記電極基板および対向基板としては、例えば、TFTアレイ基板等のアレイ基板や、カラーフィルタ基板等を用いることができるが、本実施の形態は、これに限定されるものではない。
また、図1〜図3に示すように、これら一対の基板10・20における上記液晶層30との対向面とは反対側の面には、偏光板35・36がそれぞれ設けられている。
また、上記基板10・20と偏光板35・36との間には、図3に示すように、必要に応じて位相差板37・38がそれぞれ設けられている。但し、上記位相差板37・38は、上記液晶パネル2の一方の面にのみ設けられていてもよい。また、正面透過光のみを利用する表示装置の場合には、位相差板37・38は必ずしも必須ではない。
上記液晶パネル2における液晶セル5は、例えば、図2に示すように、上記基板10と基板20とを、スペーサ33を介してシール剤34によって貼り合わせ、両基板10・20間の空隙に、液晶材料としてp型液晶材料を含む媒質を封入することにより形成される。上記p型液晶材料としては、例えばp型ネマチック液晶材料が挙げられる。
上記液晶パネル2は、液晶セル5に、上記したように位相差板37・38および偏光板35・36を貼り合わせることにより形成される。
上記偏光板35・36の透過軸方位と電界印加方向との関係を図4に示す。図4に示すように、上記偏光板35・36は、上記偏光板35・36の透過軸方位が互いに直交し、かつ、電界印加方向と45度をなすように配置した。
次に、上記液晶パネル2の表示方式(以下、「本モード」と記す)について説明する。
図5の(a)・(b)に、電界印加によるp型液晶分子31の回転の様子を、液晶ダイレクタの方向により示す。図5の(a)は、電界無印加時における上記液晶パネル2の要部の斜視図であり、図5の(b)は、電界印加時における上記液晶パネル2の要部の斜視図である。
本モードは、前記したように、櫛歯状電極13・14を用いることで基板面に平行な電界を印加する表示方式の一種である。
本モードは、図5の(a)に示すように、電界無印加時には、p型液晶分子31は基板面に垂直に配向している。一方、電界印加時には、櫛歯状電極13・14間の電気力線が半円状に湾曲し、p型液晶分子31は、図5の(b)に示すように、基板厚み方向に弓なりにベンド配列する。この結果、基板面に垂直な方向に進行する光に対して複屈折性を示す。
本モードでは、このように、垂直配向による高コントラスト性を保ちながら横電界駆動することで、p型液晶分子31の配向方位を規定している。このため、MVAモードのような突起物による配向制御が不要であり、単純な画素構成で優れた視野角特性を有している。
また、上記したように垂直配向モードにおいてp型液晶材料を使用し、横電界駆動を行うことで、電界印加によりベンド状(弓なり状)の電界が形成され、互いにダイレクタ方位が180度異なる2つのドメインが形成されるとともに、これに伴い、広い視野角特性を得ることができる。
本発明は、パネル構成および使用する液晶材料の物性を変更することで、上記ベンド配列の程度を任意に制御することができることを見出したことに基づいている。なお、上記「ベンド配列の程度」とは、図5の(b)に示すようにベンド配列したp型液晶分子31の曲げの度合い(以下、「曲率」と記す)を示す。
本発明により、ベンド配列の程度を大きくすることができ、高い光透過率を得ることができる。また、本発明によれば、上記したようにベンド配列の程度を任意に制御することができることから、OCBモードと同様にフロー効果を利用して高速な応答特性を達成することができる。このため、本発明の実用的価値は極めて高い。
OCBモードでは、臨界駆動電圧よりも少し高い電圧でスプレイ配向からベンド配向に転移する。このときのベンド配向が最大の曲率を示す。このため、OCBモードでは、この最大の曲率を示すベンド配向と、高電圧印加時の緩やかなベンド配向との間で階調表示が行われる。
これに対して、本モードでは、高電圧印加時の曲率の大きなベンド配向と、電圧無印加時の垂直配向との間で階調表示が行われる。この時の最大曲率は、印加電圧に依存し、電界強度が大きければ大きいほど大きくなる。すなわち、ベンド配列の程度並びにその最大曲率は、電極幅L、電極間隔(電極間距離)S、セルギャップ(液晶材料の層厚、液晶層30の厚み)dにより任意に制御可能であり、OCBモード以上の最大曲率を得ることができ、OCBモード以上の高速応答を達成することができる。
図6は、櫛歯状電極13・14の電極幅L=3μm、電極間隔S=4μm、セルギャップd=4μmの液晶セル5に、7Vの電圧が印加されたときの液晶セル5の等電位曲線を示している。つまり、図6は、上記櫛歯状電極13・14間に、7Vの電圧(矩形波)が印加されたときの液晶セル5の等電位曲線を示している。
このとき、上記p型液晶分子31は、この電界強度分布、および界面からの束縛力に応じて配列する。このときの上記液晶セル5内のp型液晶分子31のダイレクタ分布を図7に示す。電圧印加により液晶分子はホメオトロピック配向からベンド配列へと連続的に変化する。すなわち、通常の駆動においては、液晶層30は常にベンド配列を呈し、階調間応答で高速応答が可能となる。
また、図7より、櫛歯状電極13・14上よりも、櫛歯状電極13・14が存在しない領域の方がベンド変形の程度が大きく、光変調率が大きいことが判る。以下に、より詳細に検討する。
図8は、櫛歯状電極13・14の電極幅L=2.6μm、電極間隔S=7.8μm、セルギャップd=4μmの液晶セル5に3.5Vの電圧を印加した時の液晶セル5内のp型液晶分子31のダイレクタ分布を示す。なお、上記p型液晶材料には、誘電率異方性(Δε)=20.8、屈折率異方性(Δn)=0.14のp型液晶材料を用いた。
本モードが、基板面に平行な電界を印加するIPSモードやOCBモード等の他の表示モードと異なる大きな点は、図8に示すように、電極中央、および電極間の中央のp型液晶分子31が常に垂直に配向している点である。
また、図9に、図8で用いた液晶セル5に6Vの電圧を印加した時の液晶セル5内の透過率分布を示す。なお、図9は、図8に示す領域と同じ領域における透過率分布を示している。なお、以下の各図および各表において、透過率は、電圧無印加時の液晶パネル2の光透過率を透過率100%とし、透過率100%を1(基準)としたときの透過率を示す。
図9に示すように、液晶セル5内の場所によっては90%以上の透過率が得られるが、電極中央および電極間中央では光が透過しない。このため、液晶セル5全体としては、65%程度の透過率しか得られない。
図10は、p型液晶材料として「MLC−6262」(商品名、メルク株式会社製、Δε=18.5、Δn=0.1450)を使用し、電極幅L=4μm、電極間隔S=4μm、セルギャップd=4μmの液晶セル5に電界を印加した時の液晶セル5内の透過率分布と位相差分布とを示すグラフである。また、図11は、電極間隔S=12μmとした以外は、図10と同じ条件で測定した液晶セル5内の透過率分布と位相差分布とを示すグラフである。
なお、これら測定には、波長550nmの測定光を使用し、櫛歯状電極13・14間には、12Vの電圧を印加した。また、図10および図11に、測定位置に対する櫛歯状電極13・14の位置を、二点鎖線にて示す。
図10および図11に示すように、電圧の印加により位相差(Δnd)が大きくなり、透過率も上昇する。しかしながら、位相差がλ/2(本測定では275nmに相当)を越えた部分は透過率が減少する。
以上の結果から、透過率を高めるためには、電圧の印加により位相差をできるだけ大きくする必要があるが、位相差を必要以上に大きくするとλ/2を越えてしまい、却って透過率が下がることが判る。
位相差は電圧の印加によって液晶分子が回転することによって発現する。しかしながら、上記したように位相差に最適な範囲が存在するということは、液晶物性値(具体的にはΔε、Δn)にも最適な範囲が存在することを意味する。
図10と図11との比較から判るように、電極間隔Sを大きくすることにより光透過率は向上する。しかしながら、電界強度が小さくなるため、応答特性は低下する。なお、本モードそのものは高速な表示モードであるため、実用的には、応答特性と透過率とのバランスを考慮して電極幅Lおよび電極間隔Sを決定する必要がある。以下に、実施例を用いて具体的に検証する。
〔実施例1〕
まず、電極幅L=4μm、電極間隔S=4μm、電極厚み=1000AのITO製の櫛歯状電極13・14が設けられたガラス基板11上に、JSR社製の配向膜塗料「JALS−204」(商品名、5wt.%(固形分)、γ−ブチロラクトン溶液)を、スピンコート法にて塗布した。その後、200℃にて2時間焼成することにより、基板10を形成した。得られた配向膜12の膜厚は、600Å(60nm)であった。
次に、上記櫛歯状電極13・14が設けられていないことを除けば、上記基板10と同様にして、ガラス基板21上に、上記配向膜12と同じ配向膜22を成膜した。これにより、基板20を形成した。
その後、上記基板10上に、スペーサ33として、直径4μmの樹脂ビーズ「ミクロパールSP」(商品名、積水化学工業株式会社製)を分散させた。一方、基板20上に、シール剤34として、シール樹脂「ストラクトボンドXN−21−S」(商品名、三井東圧化学工業株式会社製)を印刷した。
次に、上記基板10・20を貼り合わせ、250℃で3時間焼成することにより、液晶セル5を作製した。
その後、上記液晶セル5に、液晶材料として、「ZLI−2293」(商品名、メルク株式会社製、p型ネマチック液晶材料、Δε=10、Δn=0.136)を真空注入法にて封入することにより、液晶層30を形成した。続いて、上記液晶セル5の表裏面に各々、偏光板35・36を貼合し、図2に示す構成を有する液晶パネル2を作製した。この時の電界印加方向と偏光板35・36の透過軸方位との関係は図4に示した通りである。
図12に、このようにして作製した上記液晶パネル2の、室温(25℃)での電圧−透過率特性を示す。
図12から、上記液晶パネル2の最大透過率(Tmax)は0.5(つまり50%)を越えており、従来(例えば特許文献4)と比べて、実用的な駆動電圧で、透過率を大幅に向上させることができたことが判る。
すなわち、特許文献4では、例えば40Vで約14%の透過度(透過率)しか得ることができない(特許文献4の図10参照)。これに対し、上記液晶パネル2によれば、図12に示すように、約6V〜10Vで約50%の透過率を得ることができるとともに、約7V〜8Vで、50%を越える最大透過率(Tmax)を得ることができる。
なお、上記したように横電界駆動においては、現在、最も一般的には、6V〜7Vの駆動電圧が用いられている。駆動電圧が9Vを越えると、耐圧が高いドライバを必要とする。このため、実用的には、駆動電圧は、9V未満、好適には7V以下とすることが好ましい。したがって、本実施の形態では、実用的な駆動電圧で高い光透過率を得ることができることから、駆動電圧は、約6V〜7Vとすることが好ましい。
なお、以下の各測定において、特に言及しない限り、測定は室温(25℃)にて行うものとし、応答時間は、最大透過率Tmaxが示されている場合は、後述するように最大透過率Tmaxを示す駆動電圧(実質的には7V)での応答時間を示し、特に言及しない場合は、最大透過率の観点から、7Vの駆動電圧を印加するものとする。
また、上記液晶パネル2は、基本的に配向制御が不要であり、同じ垂直配向モードである例えばMVAモードで従来用いられてきた突起(リブ)は不要である。このため、開口率を向上させることができる。
また、図13に、上記液晶パネル2に7Vの電圧を印加したときの応答特性の温度依存性を示す。なお、図13中、τriseは立ち上がりを示し、τdeceyは立ち下がりを示す。
図13から明らかなように、上記液晶パネル2は低温時においても高速な応答を示し、その実用的価値は極めて大きい。
なお、上記液晶パネル2が高速応答を示す理由は、以下の通りである。
上記櫛歯状電極13・14によって上記液晶材料に横電界を印加すると、上記液晶材料は、回転とベンド変形とを行う。このとき、図14に示すように、液晶層30中に、液晶分子の流れ(フロー)が発生するが、ディスクリネーションラインを対称に逆回りの回転がおこり、ディスクリネーションライン付近では同一方向のトルクが作用する。
つまり、上記液晶パネル2では、TNモードやMVAモードのように液晶層中のフローがお互いの動きを阻害しない。逆に、図14に示すように、OCBモードと同様に、液晶分子が動こうとする時、それをアシストする方向に液晶分子のフローが働くため、高速な応答が可能となる。
このような高速応答性は、ベンドの程度(曲率)に対応する。このベンドの程度は液晶材料の物性(誘電率異方性Δεと屈折率異方性Δnとの積、弾性定数k33)に依存するが、櫛歯状電極13・14の電極幅L、電極間隔S、あるいはセルギャップdによっても変化する。
すなわち、上記液晶パネル2によれば、上記液晶セル5内の電界強度の分布によって、ベンドの程度を任意に制御することができ、OCBモード以上の高速応答を達成することができる。また、表示原理上、IPSモードと同等の広視野角特性を達成することができる。
〔実施例2〕
実施例1において、液晶材料として「MLC−6269−000」(商品名、メルク株式会社製、p型ネマチック液晶材料、Δε=17.7、Δn=0.0984)を使用し、電極幅L、電極間隔S、セルギャップdを種々変更した以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成を有する40個の液晶パネル2を作製した。
次に、25℃において、印加電圧を0Vから20Vまで変化させながら、上記した各液晶パネル2の電圧−透過率特性を測定した。上記測定では、30Hz矩形波を印加し、測定光波長は550nmとした。なお、この時の電界印加方向と偏光板35・36の透過軸方位との関係は図4に示した通りである。セルギャップd=4μmの液晶パネル2における電極幅Lと、電極間隔Sと、最大透過率Tmaxとの関係を、表1にまとめて示す。また、セルギャップd=6μmの液晶パネル2における電極幅Lと、電極間隔Sと、最大透過率Tmaxとの関係を、表2にまとめて示す。
表1・2に示す結果から、櫛歯状電極13・14の電極幅Lは小さければ小さいほど、電極間隔Sは大きければ大きいほど、最大透過率Tmaxが大きくなることが判る。また、セルギャップd(より厳密には液晶セル5の位相差Δnd)が大きくなると最大透過率Tmaxも大きくなる傾向にある。しかしながら、液晶セル5面内には位相差分布があり、前記したように、Δndが半波長を越えた領域では却ってセルギャップdの増加とともに透過率が低下する。このため、必ずしも液晶セル5全体の透過率と液晶セル厚との間に相関はない。
また、表1・2から、電極幅Lは5μm以下、電極間隔Sは15μm以下において高い透過率を得ることができることが判る。なお、パネル製造の観点からは、電極幅L、電極間隔Sともに2μm以上が好ましい。
〔実施例3〕
実施例1において、電極幅L=4μm、電極間隔S=6μm、セルギャップd=4μmの液晶セル5を使用し、液晶材料に、誘電率異方性Δεあるいは屈折率異方性Δnの異なる種々の液晶材料を用いた以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成を有する9個の液晶パネル2を作製した。これら液晶パネル2の最大透過率Tmax、およびそのときの立ち下がり応答時間(τdecay)と、誘電率異方性Δεと屈折率異方性Δnとの積Δε・Δnとの関係を、表3にまとめて示す。
表3に示す結果から、Δε・Δnが、1.3以上、3.1以下の範囲において、実用的に高い透過率と高速応答性とが得られることが判る。また、Δε・Δnが3.1よりも大きくなると、液晶セル5内での位相差変化が大きな領域の位相差が半波長よりも大きくなり、却って透過率が小さくなることが判る。
〔実施例4〕
実施例1において、液晶材料として5CB(4’−シアノ−4−ペンチルビフェニル、p型ネマチック液晶材料、Δε=13.2、Δn=0.189)、あるいは「MLC−6269−000」(商品名、メルク株式会社製)91.7重量部と、「MLC−6267−000」(商品名、メルク株式会社製)8.3重量部との混合物(以下、「混合物A」と記す;p型ネマチック液晶材料、Δε=17.6、Δn=0.098)を使用し、電極幅L=4μm、電極間隔S=6μmとし、セルギャップdを種々変更した以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成を有する10個の液晶パネル2を作製した。上記液晶パネル2の最大透過率Tmaxおよびそのときの立ち下がり応答時間を表4に示す。なお、上記立ち下がり応答時間は、印加電圧を、V50(最小透過率と最大透過率を0−100%で規格化したとき、50%の透過率を示す電圧値)の状態から電圧無印加の状態に変化させた時、透過光量が90%変化するに要する時間で定義した。
表4から、用いた液晶材料の屈折率異方性Δnとセルギャップdとの積Δnd(位相差)が0.3〜0.7の範囲において、高透過率、高速応答が得られることが判る。
以上の結果から、上記櫛歯状電極13・14の電極幅は5μm以下、電極間隔は15μm以下であることが望ましく、上記液晶材料のΔε・Δnは、1.3以上、3.1以下の範囲内であることが望ましいことが判る。また、上記の結果から、Δndは、0.3μm以上、0.7μm以下の範囲内であることがより好ましいことが判る。
なお、一般的なp型液晶は、Δε=4〜9、Δn=0.07〜0.12程度である。また、従来、誘電率異方性Δεと屈折率異方性Δnとは各々別個に議論されており、その積Δε・Δnについては議論されていない。本発明は、このΔε・Δnが、ベンド配列の程度に関係し、このΔε・Δnを最適化することで、高透過率および高速応答を実現することができることを見出したものである。
つまり、本発明は、従来構成に比べて液晶配列のベンドの程度が大きな液晶パネル2および液晶表示装置1を提供するものである。上記液晶パネル2におけるベンド配列の程度は、実施例1〜4に示したように、パネル構成および使用する液晶材料の物性を変更することで任意に制御することができる。
したがって、上記したように、パネル構成および使用する液晶材料の物性を上記範囲内に設定することで、高い光透過率を得ることができる。
また、上記液晶パネル2は、特有のベンド状配列により、OCB並、あるいはそれ以上の高速応答を得ることができる。
なお、液晶表示装置においては、オーバードライブ方式のように、立ち上がりに関しては所定の電圧よりも大きな電圧を印加し、見かけ上、高速な応答は容易に得られる。しかしながら、立ち下がりに関しては、液晶材料、パネル構成にのみ依存するため、粘度の低い液晶材料、あるいは高速応答を示すパネル構成が重要である。
上記したように、上記液晶パネル2において、液晶層30はベンド配列を示しており、電界応答時に液晶フローにより応答特性を阻害することがないため、高速な応答を実現することができる。
なお、このようなベンド配向はOCBモードの液晶表示装置において採用されているが、初期配向であるスプレイ配向からベンド配向への転移操作を、毎回電源投入時に行わなければならず、改善が望まれていた。
しかしながら、上記液晶パネル2によれば、初期配向転移用回路が不要であり、低コスト化を図ることができるとともに、低温操作時の転移不良が発生しない。
したがって、本発明によれば、IPSモードと同等の広視野角特性と、OCBモード並、あるいはそれ以上の高速応答性とを同時に実現することができるとともに、初期ベンド転移操作が不要な液晶パネル2および液晶表示装置1を提供することができる。
なお、上記実施例4では、上記液晶材料の一つとして5CBを単独で用いた。5CBはp型ネマチック液晶の一種であり、電気光学特性を測定する意味では適格な材料である。しかしながら、5CBは、液晶相を示す温度範囲が22.5℃〜35℃の範囲内であり、実用的な材料ではない。このため、実用的には、上記液晶材料としては、少なくとも0℃〜60℃の範囲内は液晶相を示す材料を用いることが望ましい。このため、上記液晶材料として5CBを使用する場合、前記した条件に加えて、上記条件を満足するように他の液晶材料と混合して用いることが好ましい。なお、上記実施例1〜4および後述する実施例5・6で使用した各液晶材料は、上記実施例4における5CB単独使用を除き、全て、少なくとも0℃〜60℃の範囲内では液晶相を示していた。
また、これまで、液晶配列を曲げる(ベンド状の配列を容易に形成する)ためには、弾性定数k33をできるだけ小さくすることが良いと考えられてきた(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、ベンド配列における曲率を大きくする(高速応答化)という視点で本願発明者らが鋭意検討した結果、高速応答化を達成するためには、k33はむしろ大きいほうが良いことが判った。以下に、実施例を用いて具体的に実証する。
〔実施例5〕
実施例1において、電極幅L=4μm、電極間隔S=12μm、セルギャップd=4μmの液晶セル5を使用し、この液晶セル5に、「5CB」と「ZLI−4792」(商品名、メルク株式会社製)との混合液晶を、各液晶材料の混合割合を種々変更して封入した以外は、実施例1と同様にして、図2に示す構成を有する7個の液晶パネル2を作製した。
これら液晶パネル2の室温における最大透過率Tmaxと、このときの立ち下がり応答時間τdecayと上記混合液晶の弾性定数k33との関係をまとめて表5および図15に示す。
1フレーム(16.6ms)内に立ち下がりを完結させるためには、立ち下がり応答をほぼ10ms以下にすることが望ましい。このことから、表5に示すように、弾性定数k33が15pN以上の液晶材料を用いることで、最大透過率Tmaxが高いのみならず、応答速度が速い液晶パネル2を得ることができることが判る。
この理由は定かではないが、k33が大きな液晶材料では、電界印加による液晶材料の歪みエネルギーが大きく、これにより立ち下がり応答速度が速くなると推察できる。
つまり、τdecayの観点からは、歪みが大きいほど(k33が大きいほど)高速である。k33が小さい場合には相対的に低電圧で分子変形が起こるものの、画素全体を考えた時の最大透過率は、k33が大きいほうが高い。
このように、通常はk33が小さい方が分子変形が大きく、高透過率になると考えられるが、実際は、表5および図15に示すように逆になる。これらの結果から判るように、弾性定数k33が15pN以上の液晶材料を用いることで、透過率と立ち下がり応答速度とを共に満足することができる。
なお、表5および図15に示すように、弾性定数k33は、15pN以上であれば、1フレーム内に立ち下がりを完結させることができ、透過率および立ち下がり応答速度は、弾性定数k33が大きければ大きいほど、高透過率、高速応答性を得ることができる。したがって、電界無印加時に液晶材料が基板面に垂直に配向するような液晶パネルを構成する液晶材料としては、弾性定数k33の上限は特に限定されるものではない。しかしながら、あえてその上限を限定するとすれば、「液晶材料が、常温で液晶相を維持している」(言い換えれば、常温で液晶相を維持できる分子長サイズを有している)という条件を満足することが、上記上限を規定することになると言える。なお、上記条件を満足しないものは、本発明の液晶パネルからは除かれることは言うまでもない。
〔実施例6〕
実施例1において、電極幅L=3μm、電極間隔S=8μm、セルギャップd=3.2μmの液晶セル5を使用し、この液晶セル5に、下記構造式(1)
で示される四環系液晶材料と、「E−7」(BDH社製、p型ネマチック液晶材料)との混合液晶を、該混合液晶中の上記四環系液晶材料の含有率(wt.%)を種々変更して封入した以外は、実施例1と同様にして、図2に示す液晶パネル2を作製した。これら6個の液晶パネル2における上記四環系液晶材料の含有率と、上記液晶パネル2に7Vの電圧を印加したときの、室温における立ち下がり応答時間τdecayとをまとめて表6および図16に示す。
表6および図16に示す結果から、立ち下がり応答速度を向上させるためには、上記液晶材料中の四環系液晶材料の含有率を5wt.%以上とすることが好ましく、10wt.%以上とすることがより好ましいことが判る。
但し、前記したように、1フレーム内に立ち下がりを完結させるためには、立ち下がり応答をほぼ10ms以下にすることが望ましい。このため、上記効果を得るためには、四環系液晶材料の含有率は、10wt.%以上とすることが望ましい。
すなわち、四環系液晶材料を10wt.%以上含有する液晶材料は優れた応答特性を示し、その実用的価値は極めて高い。これは、四環系液晶を混合することにより、k33が大きくなることによるものと推察される。
上記四環系液晶材料の含有割合の上限は、上記液晶材料(混合液晶)がp型液晶材料を含むとともに、液晶相を維持することができさえすれば、特に限定されるものではない。
四環構造の液晶材料の添加割合が多いと、液晶粘度が上昇するため、通常は、その使用を最小限にする必要がある。しかしながら、本表示モードは、VAモードやTNモードと異なり、液晶の流れが応答を阻害することがない。このため、VAモードやTNモードと比較して、相対的に多くの四環系液晶を使うことができる。
但し、上記四環構造の液晶材料の添加割合が多いと、液晶粘度が上昇するとともに、図16に示すように、上記液晶材料中の四環系液晶材料の含有割合が15wt.%〜25wt.%において効果がほぼ飽和することが判る。したがって、この点から、上記四環構造の液晶材料の添加割合は、25wt.%以下としてもよく、20wt.%以下としてもよく、15wt.%以下としてもよい。これにより、液晶粘度を上昇を抑え、かつ、立ち下がり応答速度を向上させることができる。
なお、本実施例では、四環系液晶材料として、構造式(1)で示される化合物を用いたが、本発明は、これに限定されるものではない。
上記四環系液晶材料としては、全ての環がフェニル基であってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよく、ナフタレン環のように縮合していてもよい。
上記四環系液晶材料の他の例としては、例えば、下記構造式(2)〜(7)
で示される化合物が挙げられる。
また、上記実施の形態では、p型液晶材料としてp型ネマチック液晶材料を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
前記したように、上記液晶パネル2および液晶表示装置1は、電界の印加により、液晶セル5内に電界強度の分布を形成し、液晶材料のベンド配列を実現するものである。本実施の形態では、屈折率異方性Δnの大きな液晶材料や誘電率異方性Δεの大きな液晶材料が好適に使用される。このようなp型液晶材料としては、CN(シアノ)系液晶材料(カイラルネマチック系液晶材料)の他、F(フッ素)系液晶材料が挙げられる。
但し、パネル位相差Δndを大きくすると視野角特性が悪くなるので、実用的には、Δnを大きくするよりも、信頼性が低下しない範囲でΔεを大きくすることが望ましい。
また、誘電率異方性Δεおよび屈折率異方性Δnが両方ともに大きくなると、液晶粘性が上昇し、応答特性が低下する傾向にある。このため、誘電率異方性Δεおよび屈折率異方性Δnが両方ともに大きくなりすぎると、信頼性が低下する。
したがって、上記した各実施例の結果から、p型液晶材料の誘電率異方性Δεと屈折率異方性Δnとの積は、前記したように1.3以上、3.1以下の範囲内が好ましく、1.3以上、2.4未満の範囲内であることがより好ましい。特に、上記積を1.3以上、2.4未満の範囲内とすることで、液晶粘性の上昇を抑制し、上記各実施例に示したようにp型液晶材料を種々変更したとしても、ほぼ1フレーム内に立ち下がりを完結させることが可能であり、確実に高速応答を実現することができる。
なお、上記実施例1〜6では、前記したように、最大透過率Tmaxが得られる6V〜7V(具体的には7V)の電圧を液晶パネル2に印加したときの検証結果を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記したように6V〜7Vの電圧を液晶パネル2に印加する場合を基準として、それよりも低電圧駆動を行う場合や、液晶材料が異なる場合でも、前記実施例1〜6で用いた各パラメータと最大透過率Tmaxまたは応答時間τdecayとの関係は、具体的な値は異なるにしても前記実施例1〜6に示す結果と同じ傾向を示す結果が得られる。
しかしながら、低電圧駆動化を図るとき(すなわち、例えば6Vよりも低い電圧を液晶パネル2に印加するとき)には、その分、必然的に液晶材料の誘電率異方性Δが大きくならざるを得ない。
そして、このように液晶材料の誘電率異方性Δεが大きくなると、一般的には、液晶材料の粘性の増大を引き起こす。
このため、本発明が前提とする前記した表示方式は高速応答性を特徴とするものではあるが、低電圧駆動を行う場合、前記したように例えば6V〜7Vにて駆動する場合と比較して応答に時間がかかり、本来の高速応答性を阻害してしまう。
そこで、以下では、低電圧駆動を行う場合に高速応答を行うための好適な条件について、実施例を用いて具体的に検証する。
〔実施例7〕
本実施例では、低電圧駆動を行う場合に好適な液晶材料の組成について検証した結果について説明する。
本実施例では、実施例1において、電極幅L=3.0μm、電極間隔S=8.0μm、セルギャップd=3.4μmの液晶セル5を使用し、この液晶セル5に、表7に示す組成を有する液晶材料を封入した以外は実施例1と同様にして、液晶セル5としてセル(1)またはセル(2)を備えた、図2に示す構成を有する2個の液晶パネル2を作製した。
なお、本実施例でも、実施例1同様、ガラス基板11・21上に、JSR社製の配向膜塗料「JALS−204」(商品名、5wt.%(固形分)、γ−ブチロラクトン溶液)をスピンコート法にて塗布し、200℃にて2時間焼成することにより配向膜12・22を形成した。得られた配向膜12・22の乾燥膜厚は、実施例1同様、60nmであった。
これら2個の液晶パネル2で用いた各セル(1)・(2)における液晶材料の組成、Δε、Δn、回転粘性(γ1)と、これら液晶パネル2に4.5Vの電圧を印加したときの、室温における立ち上がり応答時間τriseおよび立ち下がり応答時間τdecayとをまとめて表7に示す。
なお、表7に示すアルケニル化合物には、下記構造式(8)
で示されるアルケニル化合物を使用した。
また、液晶材料の主成分には、チッソ石油化学株式会社製のp型液晶材料である「SD−5674」(商品名)を用いた。
セル(2)に0V〜7Vまでの電圧を印加したときの最大透過率Tmaxは68%と高い値を示した。また、このときの印加電圧(つまり、上記した最大透過率Tmaxが得られる駆動電圧)は7Vであった。
一方、セル(1)を用いた液晶パネル2に7Vの電圧を印加したときの上記液晶パネル2の透過率は65.2%であった。
表7に示す結果から、上記したように液晶材料がアルケニル化合物を含むことで、応答時間を大幅に低減させることができることが判る。
アルケニル化合物は、ニュートラルな(Δεがほぼゼロの)材料であり、減粘剤として機能する。したがって、上記したようにアルケニル化合物を含有する液晶組成物は、粘性が低く、高速応答が可能である。
なお、上記アルケニル化合物としては、アルケニル基を有していれば特に限定されるものではない。上記アルケニル化合物としては、例えば市販されているあらゆるアルケニル化合物を用いることが可能であり、表7に示すように一種類のみ用いてもよく、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
そのなかでも、本発明で用いられるアルケニル化合物の適格な材料としては、例えば、下記一般式(9)または一般式(10)
で示されるアルケニル化合物が挙げられる。
なお、上記一般式(9)において、Rはアルキル基またはアルコキシ基を表し、Rはアルキル基、アルコキシ基、または水素原子を表す。また、上記一般式(10)において、Rは、−(CH−基を表し、nは、0または1以上の自然数を表し、Rは、アルキル基またはアルコキシ基を表す。
上記アルケニル化合物としては、入手が容易であること等から、上記R、Rが、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜7のアルコキシ基であり、Rが、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜7のアルコキシ基、または水素原子である化合物が好ましい。なお、一般式(10)で示されるアルケニル化合物の具体例としては、例えば、前記構造式(8)で示されるアルケニル化合物が挙げられる。
アルケニル化合物の含有割合としては、液晶材料のΔεや駆動電圧に応じて、所望の効果が得られるように適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
しかしながら、減粘剤としてのアルケニル化合物は、前記構造式(8)で示す化合物のごとく、ニュートラルな(Δεがほぼゼロの)材料であり、含有割合に応じて系全体のΔεが低下してしまう。このため、アルケニル化合物の含有割合が多いと、液晶表示素子の駆動電圧が高くなる。特に、アルケニル化合物の含有割合が30wt.%を越える場合には、Δεが大幅に低下してしまうため、実用的ではない。
一方、アルケニル化合物の含有割合が少なすぎると、減粘材としての効果を得ることができない。このため、アルケニル化合物の含有割合としては、3wt.%〜30wt.%の範囲内とすることが好ましい。
本実施例では、表7に示すように、構造式(8)で示されるアルケニル化合物の含有割合が5wt.%のとき、Δε=23.0であったが、同じアルケニル化合物を30wt.%含有させた混合液晶では、Δε=16.5となり、駆動電圧は、現行ドライバICの耐圧上限7.0Vであった。
なお、アルケニル化合物の添加は、液晶粘性の低減を目的としたものであり、前記構造式(8)で示される液晶化合物以外の化合物でも上記した本発明の効果を得ることができることは言うまでもない。
〔実施例8〕
前記したように低電圧駆動を行う場合、液晶材料の誘電率異方性Δεが大きくなると、高速応答性を阻害するという問題以外にも、イオン性不純物の割合が増し、表示焼き付きが起こり易くなるという問題が生じる。そこで、本実施例では、焼き付きが起こり難い条件について検証した結果を以下に示す。
まず、図17(a)・(b)に、焼き付きの評価に用いたテストセル(液晶セル)を示す。図17(a)は、焼き付きの評価に用いたテストセルの要部の概略構成を模式的に示す断面図であり、図17(b)は、図17(a)に示すテストセルの要部の概略構成を模式的に示す平面図である。
なお、図17(a)・(b)において、図2に示す液晶パネル2における液晶セル5と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図17(a)・(b)に示すように、本実施例で焼き付きの評価に用いたテストセル5Aは、基板10・20の周囲のシール剤34で囲まれた表示領域の左右半分ずつが独立に駆動可能であることを除けば、図2に示す液晶セル5と同様の構成を有している。
本実施例では、上記したように表示領域の左右半分ずつを独立して駆動可能に形成するとともに、以下に示すセル条件にて各テストセル5Aを作成したことを除けば、実施例1と同様にして、液晶セル5の代わりにテストセル5Aとしてセル(3)またはセル(4)を備えた、図2と同様の構成を有する2個の液晶パネル2を作製した。
本実施例で作製したセル(3)およびセル(4)における電極幅L、電極間隔S、セルギャップdは、それぞれ、L=3.0μm、S=8.0μm、d=3.4μmとした。また、セル(3)およびセル(4)の液晶層30には、それぞれ、チッソ石油化学株式会社製のp型液晶材料である「SD−5674」(商品名)を用いた。
また、セル(3)では、実施例1同様、ガラス基板11・21上に、JSR社製の配向膜塗料「JALS−204」(商品名、5wt.%(固形分)、γ−ブチロラクトン溶液)をスピンコート法にて塗布し、200℃にて2時間焼成することにより、ポリイミド系の配向膜12・22を形成した。得られた配向膜12・22の乾燥膜厚は、実施例1同様、60nmであった。
一方、セル(4)では、ガラス基板11・21上に、日産化学工業製の配向膜塗料「OA−044」(商品名、4wt.%(固形分)、NMP(N−メチルピロリドン)溶液)を、スピンコート法により回転数1000rpmにて10秒間塗布後、回転数3500rpmにて30秒間塗布した。その後、このガラス基板11・21を、ホットプレート上で、90℃にて5分間乾燥した後、200℃で90分間焼成することにより、配向膜12・22として、シロキサン系の無機配向膜を形成した。得られた配向膜12・22の乾燥膜厚は、セル(3)同様、60nmであった。
また、焼き付きの評価は、以下のようにして行った。まず、図17(b)に示すテストセル5Aにおける表示領域の左半分の領域Aには電圧を印加せずに黒表示を行い、表示領域の右半分の領域Bには8Vを印加して白表示として所定時間点灯した。その後、表示領域全域(つまり、表示領域Aおよび表示領域B)に、4Vの中間調輝度を3時間表示させ、表示領域中央に焼き付きが観察されるか否かで、焼き付きの有無を判断した。この結果を、セル条件並びに白表示の点灯時間と併せて表8に示す。
本実施例で用いたようにΔεが高い液晶材料(高Δε液晶)では、相対的にイオン性不純物の含有割合が高く、焼き付きが起こり易い。しかしながら、表8に示すように、配向膜12・22として、無機系配向膜、特にシロキサン系配向膜を用いることで、焼き付きの発生を抑制することができる。これは、シロキサン系配向膜は、ポリイミド系配向膜に比べて膜抵抗が低いため、電荷が逃げ易く、焼き付きが起こり難いためである。
〔実施の形態2〕
本実施の形態について、図18ないし図20に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1との相違点について説明するものとし、前記実施の形態1と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図18は、本実施の形態にかかる液晶パネル2の要部の概略構成を模式的に示す断面図である。
本実施の形態にかかる液晶パネル2は、櫛歯状電極13・14が設けられた基板10(アレイ基板、素子基板)に対向する対向基板として、図2に示す基板20に代えて、図18に示すように、電極41(共通電極、電極膜)および誘電体層42が設けられた基板40を備えていることを除けば、図2に示す液晶パネル2と同様の構成を有している。
つまり、本実施の形態でも、上記基板10は、ガラス基板11上に、基板面に平行な電界を印加する櫛歯状電極13・14(画素電極および共通電極)が設けられ、これら櫛歯状電極13・14を覆うように、配向膜12が設けられた構成を有している。
一方、上記電極41はベタ状の電極であり、ガラス基板21上に、上記基板40における表示領域(すなわち、シール剤34で囲まれた領域)を覆うように、ガラス基板21のほぼ全面(すなわち、ガラス基板21における一方の主面のほぼ全域)に渡って形成されている。
上記電極41の材質は特に限定されるものではなく、前記実施の形態1において櫛歯状電極13・14の材料として例示した電極材料と同様の電極材料を用いることができる。なお、図18に示す液晶パネル2では、上記基板40を上側の基板として用いている。この場合、上記電極41としては、ITO等の透明電極膜が用いられる。
図18に示す基板40は、ガラス基板21上に、上記電極41、誘電体層42、配向膜22が、この順に設けられた構成を有している。
本実施の形態によれば、上記したように櫛歯状電極13・14が設けられた基板10に対向する基板40に、上面のほぼ全域(具体的には、表示領域全域)を覆うベタ状の電極41を配設することにより、駆動電圧の低減を図ることができる。以下に、実施例を用いて具体的に検証する。
〔実施例9〕
まず、一方の主面全体にITO製の透明な電極41が設けられたガラス基板21上に、誘電率ε=3.7、膜厚3.2μmのアクリルレジストを成膜して、上記電極41を覆う誘電体層42を形成した。
次に、上記誘電体層42上に、JSR社製の配向膜塗料「JALS−204」(商品名、固形分5wt.%、γ−ブチロラクトン溶液)を、スピンコート法にて塗布した。その後、180℃にて2時間焼成して乾燥することにより、上記誘電体層42上に配向膜22が設けられた基板40を形成した。得られた配向膜22の乾燥膜厚は60nmであった。
一方、電極幅L=3μm、電極間隔S=8μmのITO製の櫛歯状電極13・14が設けられたガラス基板11上に、配向膜22と同様にして、配向膜22と同じ配向膜12を成膜した。これにより、基板10を形成した。なお、電極41および櫛歯状電極13・14の厚みは1000Aとした。
その後、上記基板10・40を、スペーサ33としてビーズスペーサを介して、前記実施例1と同様にして貼り合わせることにより、セルギャップd=3.4μmの液晶セル5を作製した。
その後、上記液晶セル5に、液晶材料として、チッソ石油化学株式会社製の「SD−5674」(商品名、Δε=23.6、Δn=0.10)を封入することにより、液晶層30を形成した。続いて、上記液晶セル5の表裏面に、偏光板35・36を、前記図4同様、それぞれの透過軸が直交するように貼合して、図18に示す構成を有する液晶パネル2を作製した。
このようにして作製した液晶パネル2において、共通電極(V=0V)である櫛歯状電極14および電極41と、画素電極である櫛歯状電極13との間に印加する電圧(矩形波)を、0〜8Vの間で変更することにより、このようにして作製した上記液晶パネル2の、室温(25℃)での電圧−透過率特性を測定した。この結果を、図19に示す。
図19に示すように、上記液晶パネル2に7Vの電圧を印加したとき(すなわち、櫛歯状電極13の電位を7V、櫛歯状電極14および電極41の電位を0Vとしたとき)の上記液晶パネル2の透過率は70.9%であった。
一方、前記実施例7に示したように、前記実施例7のセル(1)を用いた図2に示す液晶パネル2に7Vの電圧を印加したとき(すなわち、櫛歯状電極13の電位を7V、櫛歯状電極14の電位を0Vとしたとき)の上記液晶パネル2の透過率は65.2%であった。
このことから、上記基板40に電極41を設けることで、電極41を設けない場合と比較して電圧−透過率特性を向上させることができることが判る。
本実施の形態によれば、上記したように、上記基板40に電極41を設けることで、電極41を設けない場合よりも低い電圧で、電極41を設けない場合と同じ透過率を得ることができるので、駆動電圧の低減を図ることができる。
図20に、本実施例9で用いた材料物性値およびセル構成をもとに、本実施例9で作製した液晶パネル2に7Vの電圧を印加したときの液晶セル5内の電界分布と該液晶セル5内の液晶ダイレクタ分布とを計算した結果を示す。なお、図20において、櫛歯状電極13・14、電極41、配向膜12・22については図示を省略している。
図20に示す結果から、本実施例9で作製した液晶パネル2では、p型液晶分子31の回転が、対向基板である基板40の表面近傍まで起こっていることが判る。
すなわち、本実施例9で作製した液晶パネル2の透過率が高いのは、対向基板である基板40側に配設された誘電体層42と電極41(V=0)との影響で電気力線が変形され、上側基板である上記基板40近傍の液晶が基板と平行な方向(水平方向)により大きく傾斜するためであると考えられる。
なお、本実施の形態では、図18に示すように、ガラス基板21上に、上記電極41、誘電体層42、配向膜22が、この順に設けられた構成を有している場合を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
上記電極41は、図20に示すように、対向基板である基板40近傍のp型液晶分子31が、液晶層30の中央付近のp型液晶分子31よりも水平方向により大きく傾斜するように液晶セル5内の電界分布(電気力線)を変更することができるように設けられてさえいればよい。
したがって、上記電極41は、櫛歯状電極13・14が設けられた基板10とは反対側の基板40に設けられてさえいればよく、基板40におけるガラス基板21の少なくとも一方の面に設けられてさえいればよい。
例えば、上記基板40は、ガラス基板21における液晶層30との対向面上に、誘電体層42、配向膜22が、この順に設けられ、ガラス基板21における液晶層30との対向面とは反対面上に上記電極41が設けられた構成を有していても構わない。
なお、何れの場合にも、上記したように、誘電体層42は、ガラス基板21と配向膜22との間に設けられる。これにより、図20に示すように、液晶セル5内の電気力線を、誘電体層42において、ガラス基板21の近傍(液晶層30側から見てガラス基板21の手前)で弧を描くように大きくカーブさせることができる。この結果、基板40近傍のp型液晶分子31を、液晶層30の中央付近のp型液晶分子31よりも水平方向により大きく傾斜させることができる。
〔実施の形態3〕
本実施の形態について、図21に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1、2との相違点について説明するものとし、前記実施の形態1、2と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1、2では、一方の基板10におけるガラス基板11上に、櫛歯状電極13・14(すなわち、画素電極および共通電極)が同層に設けられている場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
図21は、本実施の形態にかかる液晶パネル2の要部の概略構成を模式的に示す断面図である。
本実施の形態にかかる上記液晶パネル2は、上記基板10における液晶層30との対向面側に、液晶層30に電界を印加するための電界印加手段である櫛歯状電極13・14(画素電極および共通電極)が、間に誘電体層51を介して配置されていることを除けば、図2に示す液晶パネル2と同様の構成を有している。
すなわち、上記基板10は、ガラス基板11上に、共通電極としてITO等により櫛歯状電極14が設けられており、該櫛歯状電極14を覆うようにガラス基板11上に誘電体層51が設けられ、その上に、画素電極としてITO等により櫛歯状電極13が設けられており、該櫛歯状電極13を覆うように誘電体層51上に配向膜12が設けられた構成を有している。
上記櫛歯状電極13・14は、図21に示すように、間に誘電体層51を介して、平面視で(つまり、上記基板10を基板に垂直な方向から見たときに)、互いの櫛歯部分が平行になるように交互に配置されている。
本実施の形態では、櫛歯状電極13・14の電極間隔Sを、セルギャップdよりも短く設定することで、上記櫛歯状電極13・14間に、フリンジ電界を発生させている。
なお、図21では、上記基板10に対向する対向基板として、図2に示す基板20が設けられている場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施の形態はこれに限定されるものではなく、上記対向基板として、図18に示す基板40を用いてもよいことは、言うまでもない。
本実施の形態によれば、前記実施の形態1、2と比較して歩留りを向上させることができる。したがって、本実施の形態によれば、高速応答性、広視野角特性、高コントラスト特性を同時に実現することができる液晶パネル2および該液晶パネル2を備えた液晶表示装置1を、安価かつ安定して作製することができる。
なお、上記櫛歯状電極13・14は、V字状あるいはジグザグ状に形成されていてもよい。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明にかかる液晶パネルおよび液晶表示装置は、初期ベンド転移操作が不要であり、実用的な駆動電圧で、高い透過率を有し、MVAモードやIPSモードと同等の広視野角特性と、OCBモード並、あるいはそれ以上の高速応答性と、高コントラスト特性とを同時に実現することができる。したがって、アウトドアユースの公共掲示板や、携帯電話、PDA等のモバイル機器等に特に好適に用いることができる。
1 液晶表示装置
2 液晶パネル
3 駆動回路
4 バックライト
5 液晶セル
5A テストセル
10 基板
11 ガラス基板
12 配向膜
13 櫛歯状電極(電極)
14 櫛歯状電極(電極)
20 基板
21 ガラス基板
22 配向膜
30 液晶層
31 p型液晶分子
33 スペーサ
34 シール剤
35 偏光板
36 偏光板
37 位相差板
38 位相差板
40 基板
41 電極
42 誘電体層
51 誘電体層

Claims (9)

  1. 一対の基板間に挟持された液晶材料と、上記液晶材料に、基板面に平行な電界を印加する電極とを備え、上記液晶材料はp型液晶材料を含み、電界無印加時に上記p型液晶材料が基板面に垂直に配向する液晶パネルにおいて、
    上記電極の電極幅が5μm以下、電極間隔が15μm以下であり、
    上記p型液晶材料の誘電率異方性Δεと屈折率異方性Δnとの積が、1.3以上、3.1以下であることを特徴とする液晶パネル。
  2. 上記液晶材料の層厚dと屈折率異方性Δnとの積が、0.3μm以上、0.7μm以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶パネル。
  3. 上記液晶材料の弾性定数k33が15pN以上であることを特徴とする請求項1または2記載の液晶パネル。
  4. 上記液晶材料が、四環系液晶材料を10%以上含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の液晶パネル。
  5. 上記p型液晶材料がp型ネマチック液晶材料であり、上記電極が、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板に設けられた櫛歯状電極であり、上記p型ネマチック液晶材料は、電界無印加時にホメオトロピック配向することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の液晶パネル。
  6. 上記液晶材料が、アルケニル基を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の液晶パネル。
  7. 上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板における上記液晶材料からなる液晶層との対向面に、シロキサン系無機材料からなる配向膜を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の液晶パネル。
  8. 上記一対の基板のうち一方の基板に上記電極が配設されているとともに、他方の基板に、表示領域全域を覆う電極膜が配設されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の液晶パネル。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の液晶パネルを備えていることを特徴とする液晶表示装置。
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