JP2010217297A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ローラ等の製造コストを低減でき、かつ、定着ローラ等の耐久性の低下を防止でき、かつ、記録紙のシワを抑え、後端部の跳ね上げを防止できる定着装置および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】定着ローラ52は、外周面が円筒形の芯金52aの上に、順次、シリコーンゴム層52bとシリコーンスポンジ52cを設けている。上記シリコーンスポンジ層52cは、芯金52aの軸方向の中央部側から軸方向の両端部側に行くに従って厚くなり、かつ、シリコーンゴム層52bよりも硬度が低い。
【選択図】図4

Description

この発明は、電子写真方式の複写機、プリンタやファクシミリなどの定着装置、および、この定着装置を有する画像形成装置に関する。
従来より、定着装置は、定着ローラと加圧ローラとを備え、この定着ローラと加圧ローラとを互いに圧接してニップ部を形成するようにしている(特許文献1(特開平9−152803号公報)図1参照)。そして、このニップ部に未定着画像を有する記録紙を通過させて、この記録紙に熱と圧力を加えて画像を定着させるようにしている。上記加圧ローラは、クラウン形状の芯金と外周が円筒面であるゴム層を有し、この芯金は軸方向の中央部が最大径で軸方向端部に向かってテーパー状に小径になっていて、芯金を覆うゴム層の厚みを変えることにより、中央部と両端部で搬送速度をかえて記録紙にシワが発生するのを抑制するようにしている。
しかしながら、上記従来の加圧ローラは、記録紙のシワの発生を防止するために、芯金の外形がクラウン形状であるため、芯金の加工が容易ではなく、コストアップを招くという問題があった。
また、上記従来の加圧ローラでは、ゴム層が一層なので、ゴム層に永久ひずみが生じて、上記加圧ローラの耐久性が低下するという問題があった。
特開平9−152803号公報
そこで、この発明の課題は、加圧ローラや定着ローラの加工を容易にして製造コストを低減できると共に、加圧ローラや定着ローラの耐久性を向上できる定着装置および画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の定着装置は、
定着ローラと、
上記定着ローラと共にニップ部を形成する加圧ローラと
を備え、
上記定着ローラと上記加圧ローラのうち少なくとも一方は、
外形が円筒形の芯金と、
上記芯金の外周に設けられると共に上記芯金の軸方向の両端部側から軸方向の中央部側に行くに従って厚くなる下弾性層と、
上記下弾性層の周りに設けられると共に、上記芯金の軸方向の中央部側から軸方向の両端部側に行くに従って厚くなり、かつ、上記下弾性層の硬度よりも硬度が低い上弾性層と
を有することを特徴としている。
この発明の定着装置によれば、上記定着ローラと加圧ローラとのうち少なくとも一方の芯金は外周面が円筒形であるので、この円筒形の芯金は、クラウン形状の芯金の加工に比べて加工が容易で、安価に製造できる。
また、上記定着ローラと加圧ローラとのうち少なくとも一方は、上記芯金の外周に設けられると共に上記芯金の軸方向の両端部側から軸方向の中央部側に行くに従って厚くなる下弾性層と、上記下弾性層の周りに設けられると共に、上記下弾性層の硬度よりも硬度が低い上弾性層とを有して、ニップ部を形成する定着ローラおよび加圧ローラの少なくとも一方の下弾性層の厚さを軸方向の中央部に対し両端部を薄くし、かつ、上弾性層の厚さを軸方向の中央部の厚さに対して両端部を厚くして、定着ローラや加圧ローラの表面の硬度が中央部に対し両端部が低くなっているから、軸方向の両端部で上、下弾性層の全体のひずみ量が軸方向の中央部での上、下弾性層全体のひずみ量よりも増大する。そのため、定着ローラおよび加圧ローラのニップ部を形成するローラ軸方向の中央部よりも両端部の方が記録紙を保持するニップ部の幅が広がる。そのため、定着ローラおよび加圧ローラの軸方向の中央部よりも両端部において記録紙の搬送量が多くなって、記録紙を両端部方向に広げる作用が働き、ニップ部前の中央部にできる記録紙のたるみを伸ばし、記録紙にシワが発生するのを防止することができる。
また、上記定着ローラおよび加圧ローラの少なくとも一方において、軸方向の両端部よりも、軸方向の中央部の硬度が高くなるため、中央部のニップ部の幅が狭くなっていても、中央部のニップ部の圧力は両端部のニップ部の圧力よりも高いため、定着性能を悪化させることがない。
また、上記硬度の低い上弾性層と芯金との間に、硬度の高い下弾性層を設けているので、上弾性層の機械的ダメージを緩和して、耐久性能を向上できる。
一実施形態では、
上記上弾性層は軸方向の中央部における最小厚さに対して両端部における最大厚さが20%〜40%厚い。
上記実施形態によれば、上記上弾性層は軸方向の中央部における厚さに対して両端部における厚さが20%〜40%厚いので、軸方向中央部のニップ部の幅よりも両端部のニップ部の幅の広さが適切な程度に広くなって、記録紙を両端部方向に広げる力が適切に働いて、記録紙のシワの発生を防止できて、良好に定着処理ができ、かつ、記録紙の後端部の跳ね上げを防止できる。
もし、上記上弾性層の軸方向の中央部における最小厚さに対して、両端部における最大厚さが20%以上厚くなければ、記録紙にシワが発生する。一方、上記上弾性層の軸方向の中央部における最小厚さに対して、両端部における最大厚さが40%を超えて厚くなると、記録紙の後端部の跳ね上げが発生する。
一実施形態では、
上記下弾性層はシリコーンゴム層であり、上記上弾性層はシリコーンスポンジ層である。
上記実施形態によれば、シリコーンスポンジ層である上弾性層と、芯金との間にシリコーンゴム層である下弾性層が存在するので、芯金と、シリコーンスポンジ層との間に生じるひずみを下弾性層であるシリコーンゴム層で緩和して耐久性を向上できる。
また、上記下弾性層としてシリコーンゴム層を用い、上弾性層にシリコーンスポンジ層を用いているので、容易に適切な硬度を選定できる。
また、この発明の画像形成装置では、上述の定着装置を備えることを特徴としている。
この発明の画像形成装置によれば、安価で良好な定着処理ができる上記定着装置を備えるので、製造コストを低減できる上に、記録紙のシワの発生を防止でき、記録紙の後端部の跳ね上げを防止でき、かつ、耐久性を向上できる。
この発明の定着装置によれば、定着ローラや加圧ローラの製造コストを低減できると共に、記録紙のシワの発生を防止でき、記録紙の後端部の跳ね上げを防止でき、かつ、定着ローラや加圧ローラの耐久性を向上できる。
この発明の画像形成装置によれば、上述の定着装置を備えるので、定着ローラや加圧ローラの製造コストを低減できると共に、記録紙のシワの発生を防止でき、記録紙の後端部の跳ね上げを防止でき、かつ、定着ローラや加圧ローラの耐久性を向上できる。
この発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。 この発明の定着装置の一実施形態の断面模式図である。 定着ベルトの構成を示す断面図である。 定着ローラの構成を示す断面図である。 ニップ部を通過する際の記録紙に働く力を示す模式図である。 軸方向中央部の上弾性層の最大厚さを基準に、両端部の上弾性層の最小厚さを変化させた場合の記録紙のシワの発生状況を示す図である。 軸方向中央部の上弾性層の厚さを基準に、両端部の上弾性層の厚さを変化させた場合の記録紙の後端部の跳ね上げの発生状況を示す図である。
以下、この発明を図示の実施形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態であるカラープリンタの概略構成を示す図である。
上記カラープリンタ内には、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー画像を形成する各色の画像形成ユニット1、1、・・・(Bk、Y、M、Cでも表す。)が、矢印Aで示す方向に循環する中間転写ベルト11に沿って、上流からBk→Y→M→Cの順に配置されている。
上記画像形成ユニット1は、感光体ドラム2を一様に帯電させるための帯電部3と、帯電した感光体ドラム2に画像の露光を行うための露光部9と、露光によって形成された静電潜像に各色のトナーで現像を行うための現像部4とを備えている。
また、このカラープリンタは全体を制御する制御装置18を備える。この制御装置18から、露光制御装置19に画像に応じた信号が送られる。上記露光制御装置19は各色に応じて露光部9、9、・・・のそれぞれを駆動する。
上記画像形成ユニット1内の感光体ドラム2上に現像されたトナー画像は、中間転写ベルト11との接触位置で、1次転写ローラ12によって中間転写ベルト11上に転写される。この1次転写後、上記感光体ドラム2に残留したトナーは下流に配置されたクリーニング部5によって除去されて回収される。
上記中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、各画像形成ユニット1、1、・・・のそれぞれを通過するごとに各色がその上に重ねられる。最終的に、フルカラーのトナー画像が中間転写ベルト11上に形成される。
その後、上記中間転写ベルト11上のフルカラーのトナー画像は、更に下流において、2次転写ローラ13によって記録紙14に一括して転写される。
この記録紙14は、カラープリンタの最下部に設けられた記録紙カセット17に納められている。この記録紙カセット17から1枚ずつ記録紙14が2次転写ローラ13へ搬送される。
その後、上記記録紙14は、定着装置50を通過することによって、フルカラーのトナー画像が定着されて、排紙トレー16上に排紙される。
一方、上記2次転写ローラ13による2次転写後に、上記中間転写ベルト11上に残留したトナーは、ベルトクリーニング部15によって、中間転写ベルト11上から除去されて、図示しない搬送スクリューで搬送され、図示しない廃トナー容器に回収される。
なお、上記各部分の配置は、カラープリンタ、複写機、ファクシミリ等の各画像形成装置に応じて適宜変更してもよい。
次に、上記定着装置50について詳細に説明する。
図2に示すように、上記定着装置50は、加熱ローラ51と、定着ローラ52と、加圧ローラ54とを備え、定着ベルト53が加熱ローラ51と定着ローラ52に巻き掛けられている。上記加圧ローラ54と定着ローラ52とで定着ベルト53を挟んだ状態で、上記定着ローラ52に向けて上記加圧ローラ54が押圧される。これにより、上記定着ベルト53と加圧ローラ54との接触部にニップ部が形成される。
上記加熱ローラ51は、熱源である加熱ヒータ55を内部に有し、この加熱ローラ51によって定着ベルト53が加熱される。なお、上記加圧ローラ54の内部に熱源を配置する構成にしてもよい。上記加熱ローラ51の外周にサーミスター56を対向するように配置して、加熱ローラ51の温度を検出し、このサーミスター56が検出した温度に応じて、制御装置18で加熱ヒータ55のオンオフを制御することにより、加熱ローラ51を所定の温度になるように制御している。
上記加圧ローラ54は図示しない駆動モータにより回転させられ、これに伴って、定着ベルト53と、定着ローラ52が従動する。上記定着ベルト53は回転されるうちに加熱ローラ51によって全周が加熱されて、所定の温度まで昇温する。
上記定着ベルト53が所定の温度に加熱された後、表面に未定着トナー画像14aが形成された記録紙14が、ニップ部に突入する。上記記録紙14が定着ローラ52と加圧ローラ54と定着ベルト53とによって形成されたニップ部を通過する間に、未定着トナー画像14aが記録紙14に定着されて、定着処理が終了する。
上記加熱ローラ51は、厚さ0.5mm、外径は25mmのアルミ製の芯金を有し、この芯金の表面は、耐熱性および耐摩耗性に優れたポリテトラフルオロエチレン(PTF)が塗装されている。
上記加圧ローラ54は、芯金54a、弾性層54bおよび離型層(表層)54cから構成されている。上記芯金54aは厚さ2.5mmの鉄からなり、上記弾性層54bは厚さ2.5mm、外径35mmのシリコーンゴムからなり、上記離型層54cは、厚さ30μm のテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブからなる。
上記定着ベルト53は、図3に示すように、基層53a、弾性層53bおよび離型層(表層)53cから構成されている。上記基層53aは、真円にしたときの内径が60mm、幅330mm、厚さ70μmのポリイミドフィルムからなり、弾性層53bは厚さ150μmのシリコーンゴムからなり、離型層53cは、厚さ30μmのフッ素コートからなる。
上記定着ローラ52は、図4に示すように、芯金52aと、その上の上下2層の弾性層52c、52bを有する。詳しくは、上記定着ローラ52は、芯金52aの周りに下弾性層の一例としてのシリコーンゴム層52bを設け、このシリコーンゴム層52bの上に、上弾性層の一例としてのシリコーンスポンジ層52cを設けている。
上記定着ローラ52の芯金52aは、鉄製で、本体部52a−1の外周面は外径18mmの円筒形であり、本体部52a−1の両端にジャーナル部52a−2を有する。上記下弾性層としてのシリコーンゴム層52bは、軸方向の中央部から両端部側に行くに従って徐々に厚さが薄くなっており、中央部の最大厚さが4mmであり、平均厚さが3mmである。上記上弾性層としてのシリコーンスポンジ層52cは、軸方向の中央部側から軸方向の両端部側に行くに従って徐々に厚さが厚くなっており、軸方向の中央部の最小厚さt1が2mmであり、平均厚さが3mmである。上記シリコーンスポンジ層52cの軸方向の中央部の最小厚さt1に対して両端部の最大厚さt2を厚くする比率は、20%〜40%である。
上記構成の定着装置によれば、上記定着ローラ52の芯金52aの本体部52a−1の外周面は、円筒形なので、従来のクラウン形状の如き、難しい高精度の加工が不要で、簡単、安価に加工できる。
図2および4に示すように、上記定着ローラ52の下弾性層であるシリコーンゴム層52bよりも柔らかい上弾性層であるシリコーンスポンジ層52cは、軸方向の中央部側から軸方向の両端部側に行くに従って厚くなっているので、定着ローラ52において、軸方向の中央部よりも両端部の表面の硬度を小さくすることができて、中央部よりも両端部においてシリコーンスポンジ層52cのひずみ量が増大し、中央部のニップ部の幅よりも両端部のニップ部の幅が広くなって、両端部の記録紙14の搬送量が多くなる。このため、図5において矢印Bに示すように、記録紙14を両端部方向に広げる作用が働き、ニップ部を通過する前にできた記録紙14のたるみを伸ばし、記録紙14にシワが発生するのを防止することができる。より詳しくは、図5に示すように、記録紙14には、軸方向の中央部では記録紙14の搬送方向Cと平行方向Dに力が働くと共に、軸方向の両端部では、搬送方向Cに対して斜め方向Bに、すなわち、記録紙14を両端部へ広げる方向Bに力が働いて、記録紙14のシワの発生を防止できるのである。
上記定着ローラ52は、軸方向の両端部のニップ部の幅よりも中央部のニップ部の幅が狭いが、中央部の表面硬度が両端部よりも高いので、中央部において良好な定着が行える。つまり、上記定着ローラ52は、2層構造の弾性層、つまり、シリコーンゴム層(下弾性層)52bとシリコーンスポンジ層(上弾性層)52cとを有して、芯金52aと柔らかいシリコーンスポンジ層52cとの間に、硬いシリコーンゴム層52bを設けているので、芯金52aとシリコーンスポンジ層52cとの間に生じるひずみをシリコーンゴム層52bで緩和できて耐久性を向上できる。
上記定着ローラ52のシリコーンスポンジ層52cは、軸方向の中央部における厚さに対して両端部における厚さが20%〜40%厚いので、軸方向の両端部のニップ部の幅が、中央部のニップ部の幅よりも適切な程度に広くなって、記録紙14の搬送量が適切に多くなって、記録紙14を両端部方向に広げる力が適切に働いて、記録紙14のシワの発生を防止できるとともに、記録紙14の後端部の跳ね上げを防止できる。ここで、後端部の跳ね上げとは、記録紙14のうち、ニップ部を通過する前の部分(ニップ部に対して上流側の部分)が定着ローラ52側に反り、記録紙14上の未定着トナー画像14aがニップ部を通過する前に、定着ローラ52と接触してしまう現象をいう。
上記定着装置50を用いて実験を行った結果について説明する。
実験には、高湿環境(温度30℃、湿度85%)に8時間調湿した記録紙を使用し、記録紙のシワおよび記録紙の後端部の跳ね上げの有無の確認を行った。
図6は、上弾性層としてのシリコーンスポンジ層52cの軸方向中央部の最小厚さt1を基準に、両端部の最大厚さt2を厚くする比率を変化させた場合の、記録紙14のシワの発生状況を示す。なお、図6において、「○」はシワの未発生を示し、「×」はシワの発生を示す。
図6に示すように、上記シリコーンスポンジ層52cの軸方向中央部の最小厚さt1を基準に、両端部の最大厚さt2を厚くする比率を20%以上にした場合、記録紙14にシワは発生せず、良好に定着処理が行えることが分かる。一方、上記比率を10%にした場合は、記録紙14にシワが発生した。
図7は、上弾性層としてのシリコーンスポンジ層52cの軸方向中央部の最小厚さt1を基準に、両端部の最大厚さt2を厚くする比率を変化させた場合の、記録紙14の後端部の跳ね上げの発生状況を示す。なお、図7において、「○」は後端部の跳ね上げの未発生を示し、「×」は後端部の跳ね上げの発生を示す。
図7から、上記シリコーンスポンジ層52cの軸方向中央部の最小厚さt1を基準に、両端部の最大厚さt2を厚くする比率を40%以下にした場合、上記記録紙14の後端部跳ね上げが発生せず、良好に定着処理が行えることが分かる。一方、上記比率を50%にすると、記録紙14の後端部の跳ね上げが発生した。
このことから、上記シリコーンスポンジ層52cの軸方向中央部の厚さt1に対して、両端部の最大厚さt2が20%〜40%厚いと、記録紙14にシワが発生しなく、かつ、後端部の跳ね上げが生じないことが分かる。
この傾向は、この実施形態の外径が18mmの芯金52aと、平均厚さが3mmのシリコーンゴム層52bと、平均厚さが3mmのシリコーンスポンジ層52cとの組み合わせからなる外径30mmの定着ローラ52に限らず、プリンタ、複写機、ファクシミリ等に通常使用される定着装置の外径20mm〜40mmの定着ローラについても見られた。
なお、上記シワの発生および後端部の跳ね上げの検討は、比率を、バラツキを少なくするため、10%単位で変動させたものである。
この実施形態の定着装置50では、定着ローラ52の芯金52aの外周面がクラウン形状ではなくて、円筒形であるので、芯金52aの加工を簡単に精度高くでき、かつ、安価に加工でき、したがって、定着ローラ52を安価に製造できる。ひいては、定着装置50およびカラープリンタを安価に製造できる。
また、上記実施形態の定着装置50では、定着ローラ52の上弾性層であるシリコーンスポンジ層52cは、外周面が円筒形であり、かつ、芯金52aの軸方向の中央部側から軸方向の両端部側に行くに従って厚くなり、かつ、シリコーンスポンジ層52cの中央部の最小厚さt1に対し両端部の最大厚さt2が20%〜40%厚くなっており、かつ、シリコーンスポンジ層52cの硬度が下弾性層であるシリコーンゴム層52bの硬度よりも低いから、軸方向の両端部のニップ部の幅が中央部のニップ部の幅よりも適切な広さになって、記録紙14のシワの発生を防止でき、かつ、記録紙14の後端部の跳ね上げを防止して、良好な定着処理を行うことができる。
また、上記定着ローラ52では、芯金52aとシリコーンスポンジ層52cとの間に、シリコーンゴム層52bが存在するので、シリコーンゴム層52bによって、シリコーンスポンジ層52cのひずみを緩和できて、定着ローラ52の耐久性を向上できる。
また、上記シリコーンゴム層52bの軸方向の中央部が厚く、両端部側に行くに従って薄くなる形状は、断面において、クラウン形状、楕円形状、頂点が滑らかな三角形等の種々の形状が可能である。また、上記シリコーンゴム層52bの断面の輪郭曲線において変曲点を有していても良く、また、軸心と平行部分を有していてもよい。要は、シリコーンゴム層は、広義において、軸方向の中央部から両端部に行くに従って徐々に薄くなればよい。
また、上記実施形態では、シリコーンスポンジ層52cの外周面は円筒形であるが、シリコーンスポンジ層の外径は、軸方向の中央部から軸方向の両端部に行くに従って大きくなる形状でもよい。
また、上記実施形態では、定着ローラ52の下弾性層としてシリコーンゴム層52bを用い、上弾性層としてシリコーンスポンジ層52cを用いたが、これに限らず、上弾性層が下弾性層よりも硬度が低ければ、他の合成ゴム、弾性プラスティック等のエラストマーの組み合わせを用いてもよい。
また、上記実施形態では、定着ローラ52を芯金52aの上に2層の硬軟の弾性層52b、52cを設けたが、加圧ローラのみを、上記定着ローラ52と同様に、2層の硬軟の弾性層を有するようにしてもよい。また、定着ローラと加圧ローラの両方とも、2層の硬軟の弾性層を有するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、定着装置50は、定着ローラ52と加圧ローラ54との間に定着ベルト53を配置したが、定着ローラと加圧ローラとが直接接触するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、画像形成装置の例としてカラープリンタについて説明したが、この発明はカラー複写機、モノクロ複写機、モノクロプリンタ、ファクシミリ等にも用いることができるのは勿論である。
50 定着装置
52 定着ローラ
52a 芯金
52b シリコーンゴム層
52c シリコーンスポンジ層
54 加圧ローラ

Claims (4)

  1. 定着ローラと、
    上記定着ローラと共にニップ部を形成する加圧ローラと
    を備え、
    上記定着ローラと上記加圧ローラとのうち少なくとも一方は、
    外形が円筒形の芯金と、
    上記芯金の外周に設けられると共に上記芯金の軸方向の両端部側から軸方向の中央部側に行くに従って厚くなる下弾性層と、
    上記下弾性層の周りに設けられると共に、上記芯金の軸方向の中央部側から軸方向の両端部側に行くに従って厚くなり、かつ、上記下弾性層の硬度よりも硬度が低い上弾性層と
    を有することを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記上弾性層は軸方向の中央部における最小厚さに対して両端部における最大厚さが20%〜40%厚いことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2に記載の定着装置において、
    上記下弾性層はシリコーンゴム層であり、
    上記上弾性層はシリコーンスポンジ層であることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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