JP2010217157A - 被保管物質を包埋保管する行程に用いられるカバー - Google Patents

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Abstract

【課題】角型のトレー内にパラフィン等を流入させ、組織片や細胞のような被保管物質を包埋保管する行程にあって、上記トレーに記述等された保管者情報メモ部分を損傷させることがないように工夫された保護カバーである。
【解決手段】有底角型の皿状トレー本体で、少なくともその正面には保管者の氏名や、保管時の年齢や、血液型、その他の理学的症候的所見などが記載され文字や図形あるいはバーコードなどが貼装あるいは直接彫刻して描かれた保管者情報部位があり、かつ該トレー本体内に細胞などの被保管物質を置き、次いでパラフィン等を流入させ被保管物質を保管する行程に用いられるカバー本体であって、かかるカバー本体は上記保管者情報部位を密に覆い、トレー本体に取り付け取り外し出来るように設けたこと。
【選択図】図4

Description

本発明はトレー内にパラフィンなどを流入させ、組織片や細胞のような被保管物質をパラフィンなどの中に埋め込む「包埋、保管」行程に用いられるカバーに関する。
例えば、若い時の肌組織片や細胞を包埋保管しておき、将来何らかの事情で行う肌の再生治療の際必要となる組織片や細胞の包埋保管技術が、最近目覚ましい進歩を遂げている。
而してその包埋保管技術としては、培地が漏出することの無いガス透過膜を有した容器を用い、この容器内において密閉状態にて組織片や細胞を付着培養した後、培地に凍結保護剤を加え、容器内において培養されたままの組織片や細胞を断熱容器に収容し、この断熱容器を−150℃以下の庫内温度環境を実現する冷凍庫の庫内に収納して、組織片や細胞を緩慢に凍結させると、組織片や細胞が二次元で培養した状態で凍結保管することができる発明など、冷凍処理する方法(特許文献1参照)が一般的であるが、この方法は包埋保管を継続する技術が難しいことおよび包埋保管費用が嵩む欠点がある。
そこで、ホルマリンやパラフィンを用いた技術がもて囃される(特許文献2,3)ようになった。しかし前者は組織学研究のための組織サンプルを調整および提供するための方法および装置の発明であり、後者はサンプルに由来する核酸の定量方法に関するものでああって、特に組織片や細胞など被保管物質をパラフィンなどで包埋保管する技術に関しては皆無に等しい。
特開2004−057031号明細書 特開2004−538484号明細書 特開2008−043332号明細書
而して本発明は、角型のトレー内にパラフィン等を流入させ、組織片や細胞のような被保管物質を包埋保管する行程にあって、上記トレーに記述等された保管者情報メモ部分を損傷させることがないように工夫された保護カバーを提供することにある。
である。
具体的には本発明を実施する場合、上記トレー枠体の特に正面や外側面には、当該トレーの「包埋保管番号」や、包埋保管者の「氏名」や、包埋保管時の「年齢」や、「血液型」その他の包埋保管者情報や、理学、症候的所見などが記載された文字や図形あるいはバーコードが彫刻されている。ところが上記パラフィンなどをトレーに流入させた際、当該パラフィンなどがトレーの外周面に流出してしまい、これを剥ぎ取る作業の際上記包埋保管者情報などを傷つけこの情報を読み取ることができない状態になる恐れがあった。而して本発明はこれらの情報メモが貼付されていたとしても、それらはパラフィンなど処理の行程で該パラフィンなどが直接上記の包埋保管者情報メモなどに接触することなく、したがってかかるメモやレッテルが剥がされたり傷つけられ若くは汚れてしまう恐れを未然に防止した、被保管物質を包埋保管する行程に用いられるカバーを提供することにある。
而して本発明の被保管物質を包埋保管する行程に用いられるカバーは、角型のトレー内にパラフィン等を流入させ、組織片や細胞のような被保管物質を包埋保管する行程に用いられるものである。
そして請求項1の発明は、有底角型の皿状トレー本体で少なくともその正面には保管者の氏名や、保管時の年齢や、血液型、その他の理学的症候的所見などが記載され文字や図形あるいはバーコードなどが貼装あるいは直接彫刻して描かれた保管者情報部位があり、かつ該トレー本体内に細胞などの被保管物質を置き、次いでパラフィン等を流入させ被保管物質を保管する行程に用いられるカバー本体であって、かかるカバー本体は上記保管者情報部位を密に覆い、トレー本体に取り付け取り外し出来るように設けたことを特徴とするものである。
次いで請求項2の発明の特徴は、上記請求項1に示すトレー本体の正面が傾斜面となった保管者情報部位を有し、この上記保管者情報部位を覆うカバー本体は、その先端辺の内面に上記トレー本体の先端辺に嵌合できる凹溝部を有し、かつその上辺の内側はトレー本体の上面に密に重ね合わせられるようにしたことである。
さらに請求項3の発明の特徴は、上記カバー本体の側内面がトレー本体の側面に密に重ね合わせられるようにしたことであり、請求項4の発明上記カバー本体が、50C°乃至150C°に耐える耐熱樹脂を含む各種樹脂材料であることである。
而して本発明は、カバー本体をトレーの外側正面あるいは外側周囲に記載または刻設あるいは貼設された、保管者情報部位にカバー本体を密に重ね合わせ、しかる後トレー内に被保管物質を置き、パラフィンなどを上方よりトレー内に注ぎ込み被保管物質を、パラフィンなど内に封じ込め凝固するのをまってカバー本体をトレーから外して包埋保管作業を完了するものである。
よって本発明によればトレーの保管者情報部位がカバー本体で覆われトレーのかかる面にピッタリ密着させることができ、結果トレーとカバー本体との間にパラフィンなどが浸入せず、上記保管者情報が記載等された部分にパラフィンなどが接触する恐れがないのである。
従って仮令上記トレーの外側面に「包埋保管番号」や、包埋保管者の「氏名」や、包埋保管時の「年齢」や、「血液型」その他の包埋保管者情報や、理学、症候的所見などが記載された文字や図形あるいはバーコードが彫刻されあるいは、これらの情報メモが貼付されていたとしても、これらを損傷させたり剥がしたりするおそれがなくなったのである。
なお、本発明を実施するに当たって上記トレーにパラフィン等を流入する際、かかるパラフィンの急速な冷えを防ぐため、金属質の熱プレート上で行われる。さらにかかるパラフィンはその流動性を得ることから比較的高温でそのため本発明カバー本体は、50C°乃至150C°に耐える耐熱樹脂から選ぶことが肝要である。
さらに上記トレーは、その正面が下方を突出させた傾斜面になっているのが通常である。これはこの傾斜面に多くの包埋保管者情報を刻設あるいは貼着できることと、その表示が読み易くするためである。
しかし本発明請求項2発明のカバー本体は、その先端辺の内面に上記トレー本体の先端辺に嵌合できる凹溝部を設けたから、カバー本体のかかる傾斜面への取り付けが容易でパラフィンの侵入を防ぎ、かつカバー本体の上辺の内側はトレー本体の上面に密に重ね合わせられるようにした発明のものは、このカバー本をトレーの正面から後方に差し込むだけの所謂ワンタッチで確実に装填できるようになったのである。
被保管物質を包埋保管するトレーの斜視図 被保管物質を包埋保管する行程に用いられるカバー本体の平面拡大図 同カバー本体の拡大断面図 カバー本体をトレーの周囲に装着した状態の斜視図 トレー内に被保管物質を載置した状態の斜視図 カバー本体を取り外した状態の断面説明図
本発明の一実施例として、組織片や細胞組織の包埋保管で述べるも先ず被保管物質を包埋保管するトレーの形状を図で説明する。
図で(1)は横幅30mm奥行き40mm高さ5mm程度の浅い皿状の四角型トレーで、その底面(2)は網状(3)となっている。そしてその正面(4)は下辺(5)が前方に突出した傾斜面(6)となっており、ここには「包埋保管番号」や、包埋保管者の「氏名」や、包埋保管時の「年齢」や、「血液型」その他の、理学、症候的所見などが記載された文字や図形あるいはバーコードなどの包埋保管者情報(7)のメモが貼装あるいは直接彫刻して描かれている。
(8)は、上記トレー本体(1)の網状(3)となっている面とは小間隔を置いて設けた受け皿で、その上辺はトレー本体(1)の下辺周囲に溶着なされている。
図2で(9)は、本発明カバー本体の一例で上記トレー本体(1)の正面の傾斜面(6)のとほぼ同じ形状であり、50℃乃至150℃の耐熱樹脂材料で造られたフラットな平板である。
この保管者情報部位(7)を覆う、カバー本体(9)は、その先端辺の内面(14)に上記トレー本体(1)の先端辺に嵌合できる凹溝部(15)を有し、かつその上辺の内側(16)はトレー本体の上面(17)に密に重ね合わせられるようになっている。そして上記カバー本体(9)の側内面(18)は、トレー本体(1)の側面に密に重ね合わせられるようになっている。
多くのトレー本体(1)の先端部上面にはその左右に小さな凹欠溝(19)が設けられている。この為本発明の特に図3でみられる実施例のものは、カバー本体(9)の上内面に上記凹欠溝(19)に密に嵌合できる突起(20)を設けている。
次に本発明の作用を説明すると、本発明カバー本体(9)を適当な冶具あるいは手で押し広げ、図4,5のようにトレー本体(1)の先端部に嵌め込む。この作業はカバー本体(9)の先端辺内面(14)に設けた凹溝部(15)を、トレー本体(1)の先端辺に押し込むだけで、上辺内側(16)に設けた突起(20)が、トレー本体(1)の上面凹溝部(15)に嵌合して確実にカバー本体(9)をトレー本体(1)に密着させることができるので、以下のパラフィン等注入作業の際該パラフィンがトレー本体(1)とカバー本体(9)との間に侵入するおそれなく、保護者情報の記載部署など傷つける不祥事を未然に防止できたのである。
続いて図5に示すように、上記トレー本体(1)内即ち網状(3)の底内面に被保管物質(11)を置く。ただこの場合トレー本体(1)等は後述のパラフィン(12)の溶融状態を持続させるため、十分な温度に設定された金属製プレート(13)に載置するのが重要である。
しかる後パラフィン(12)をトレー本体(1)内に流し込むのであるが、この場合上記のパラフィンに限らず非水系物質を溶解し得る溶媒であれば、イソパラフィン系、ナフテン系、直鎖状パラフィン系などを用いることができる。このうち、イソパラフィン系溶媒は毒性、刺激臭がないという点において、特に好適である。また、ナフテン系溶媒は、石油や石炭原料から抽出されたものであってもよく、また、芳香族化合物を人工的に水素添加したナフテン系溶媒を用いてもよい。
而して溶融状態にパラフィン(12)は、被保管物質(11)の上方から被保管物質(11)に注がれ、さらにトレー本体(1)の底面の網状(3)から受け皿(8)に入り被包埋保管物質(11)を確実に包んで包埋保管状態にするのであり、以下かかるトレー本体(1)を運んで冷却させ、図6のようにカバー本体(9)を外し包埋保管するものである。
なお上記本発明カバー本体(9)は、透明乃至半透明の樹脂材料で作れば保管時と雖もカバー本体(9)を外す必要なくその作業が省けるとともに、かかるカバー本体(9)は反復利用することもできる。
本発明は、特に組織片や細胞保管などの被保管物質を包埋保管する行程に用いられるカバーについて述べたが、これに限らず生物学的サンプルのRNAの発現プロファイリングのためなどの、多重測定法などの行程でも用いられる可能性がある。
1 トレー
2 底面
3 網状
4 正面
5 下辺
6 傾斜面
7 包埋保管者情報
8 受け皿
9 カバー本体
10傾斜部
11被保管物質
12パラフィン
13金属製プレート
14先端辺内面
15凹溝部
16上辺内側
17トレー本体の上面
18両側面
19トレー本体上面の凹欠溝
20突起

Claims (4)

  1. 有底角型の皿状トレー本体で、少なくともその正面には保管者の氏名や、保管時の年齢や、血液型、その他の理学的症候的所見などが記載され文字や図形あるいはバーコードなどが貼装あるいは直接彫刻して描かれた保管者情報部位があり、かつ該トレー本体内に細胞などの被保存物質を置き、次いでパラフィン等を流入させ被保存物質を保存する行程に用いられるカバー本体であって、かかるカバー本体は上記保管者情報部位を密に覆い、トレー本体に取り付け取り外し出来るように設けたことを特徴とする被保存物質を包埋保管するトレーの保管者情報保護カバー。
  2. 上記請求項1に示すトレー本体は、正面が傾斜面となった保管者情報部位を有し、この上記保管者情報部位を覆うカバー本体は、その先端辺内面に上記トレー本体の先端辺に嵌合できる凹溝部を有し、かつその上辺の内側はトレー本体の上面に密に重ね合わせられるようにしたことが特徴の被保存物質を包埋保管する行程に用いられるカバー。
  3. 上記請求項2に示すカバー本体は、その側内面がトレー本体の側面に密に重ね合わせられるようにしたことが特徴の被保存物質を包埋保管する行程に用いられるカバー。
  4. 上記請求項1乃至3に示カバー本体は、50C°乃至150C°に耐える耐熱ゴムを含む各種樹脂材料であることが特徴とする被保存物質を保管するトレーの保管者情報保護カバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112067413A (zh) * 2020-08-17 2020-12-11 佛山科学技术学院 一种包埋框

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