JP2010216802A - 石化遺骨灰の製造方法及び真空溶融炉 - Google Patents

石化遺骨灰の製造方法及び真空溶融炉 Download PDF

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Abstract

【課題】遺骨または骨灰のみしか含まない石化遺骨灰を製造することのできる石化遺骨灰の製造方法を提供すること。
【解決手段】火葬した人または愛玩動物の遺骨灰を粉砕する粉砕工程S1と、粉砕した遺骨灰のみが投入された溶融坩堝21が取り付けられた外筒坩堝22の周囲雰囲気を減圧雰囲気とする減圧工程S4と、減圧雰囲気に配置された溶融坩堝21内の遺骨灰27を溶融させる溶融工程S5と、溶融工程にて溶融することで一体化した石化遺骨灰27を徐冷する徐冷工程S7と、を含む石化遺骨灰の製造方法であって、徐冷工程S7にて、溶融坩堝21と外筒坩堝22との間に介在される断熱材により溶融坩堝21と外筒坩堝22との間が断熱される。
【選択図】図6

Description

本発明は、火葬した人骨や愛玩動物の骨灰のみを含む石化遺骨灰の製造方法に関する。
従来、亡くなられた人や愛玩動物(ペット)を追悼する手法としては、生前の写真等を写真立て等に入れて飾ることが一般的になされているが、近年にあっては、これら亡くなられた人や愛玩動物(ペット)をより身近に感じていられるようにと、これら火葬に付された遺骨または骨灰の一部を身につけていられるように、高温にて焼成して石状の焼成体としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−167135号公報
これら焼成体の製造を依頼する遺族等にとってみれば、得られる焼成体に、ほんど微量の遺骨または骨灰が含まれているのみでは、その焼成体から亡くなられた人や愛玩動物(ペット)を感じることが希薄となることから、より多くの遺骨または骨灰が含まれていること、好ましくは、遺骨または骨灰のみ(100%)から成るものを望む遺族が多いものの、特許文献1の方法によっては、これら構成材料の半分以上を遺骨または骨灰とした場合においては、焼成したものがばらばらに崩れたり、割れてしまい、溶融した遺骨灰を一体化した石状にすることができず、これら遺骨または骨灰のみを含む石化遺骨灰を良好に製造できないという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遺骨または骨灰のみしか含まない石化遺骨灰を製造することのできる石化遺骨灰の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の石化遺骨灰の製造方法は、
火葬した人または愛玩動物の遺骨灰を粉砕する粉砕工程と、粉砕した遺骨灰のみが投入された溶融坩堝が取り付けられた外筒坩堝の周囲雰囲気を減圧雰囲気とする減圧工程と、減圧雰囲気に配置された溶融坩堝内の遺骨灰を溶融させる溶融工程と、該溶融工程にて溶融することで一体化した石化遺骨灰を徐冷する徐冷工程と、を含む石化遺骨灰の製造方法であって、
前記徐冷工程にて、前記溶融坩堝と前記外筒坩堝との間に介在される断熱材により該溶融坩堝と該外筒坩堝との間が断熱されることを特徴としている。
この特徴によれば、粉砕した遺骨灰のみを、減圧雰囲気において加熱することで、湿度等を含む通常雰囲気において分解しやすい物質に、粉砕された遺骨灰が変化してしまうことを抑えつつ、これら遺骨灰を溶融させることができ、遺骨灰のみしか含まない石化遺骨灰を製造することができ、かつ遺骨灰の各部位に温度低下速度の差が生じることによる石化遺骨灰の変形や割れ(かけ)等の発生を低減できる。
本発明の真空溶融炉は、
火葬した人または愛玩動物の粉砕した遺骨灰のみが投入された溶融坩堝が取り付けられた外筒坩堝の周囲雰囲気を減圧雰囲気とする減圧工程にて用いる真空チェンバと、減圧雰囲気に配置された溶融坩堝内の遺骨灰を溶融させる溶融工程にて用いる加熱手段と、を備える真空溶融炉であって、
前記溶融坩堝と前記外筒坩堝との間に介在される断熱材をさらに備えることを特徴としている。
この特徴によれば、粉砕した遺骨灰のみを、減圧雰囲気において加熱することで、湿度等を含む通常雰囲気において分解しやすい物質に、粉砕された遺骨灰が変化してしまうことを抑えつつ、これら遺骨灰を溶融させることができ、遺骨灰のみしか含まない石化遺骨灰を製造することができ、かつ遺骨灰の各部位に温度低下速度の差が生じることによる石化遺骨灰の変形や割れ(かけ)等の発生を低減できる。
本発明の真空溶融炉は、
前記断熱材は、セラミックウールで構成されることを特徴としている。
この特徴によれば、セラミックウールという溶融工程における高温にも耐えうる材質で断熱材を構成して、溶融工程と徐冷工程の両工程で断熱材を使用することができる。
ボールミル、真空溶融炉、振動ふるい機を示す正面図である。 ボールミル、真空溶融炉、振動ふるい機を示す側面図である。 真空溶融炉の内部構造を示す縦断正面図である。 真空溶融炉の内部構造を示す縦断側面図である。 (a)、(b)は、高密度炭素坩堝内での遺骨灰を溶融状況を示す図である。 石化遺骨灰の製造方法を示すフローチャートである。 石化遺骨灰を示す斜視図である。
本発明に係る石化遺骨灰の製造方法を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、ボールミル、振動ふるい機、真空溶融炉を示す正面図であり、図2は、ボールミル、振動ふるい機、真空溶融炉を示す側面図であり、図3は、真空溶融炉の内部構造を示す縦断正面図であり、図4は、真空溶融炉の内部構造を示す縦断側面図であり、図5(a)、(b)は、高密度炭素坩堝内での遺骨灰を溶融状況を示す図であり、図6は、石化遺骨灰の製造方法を示すフローチャートであり、図7は得られた石化遺骨灰を示す斜視図である。
図1に示したのは、本発明の石化遺骨灰の製造方法を実施するために必要なボールミル1と、振動ふるい機3、真空溶融炉2である。尚、ボールミル1は遺骨を粉砕するために用いられ、振動ふるい機は、粉砕した遺骨灰を分級するために用いられ、真空溶融炉2は遺骨を加熱溶融するために用いられる。
尚、本実施例では、遺骨灰(遺骨)を粉砕するための手段として、ボールミル1を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら粉砕するための手段はとしては、粉砕機、例えば、特開2003−201514号公報に記載されている骨粉砕機等を使用しても良い。
また、振動ふるい機は一般的な卓上型の振動ふるい機を使用することができる他、音波ふるい機等も使用することが可能である。
尚、振動ふるい機には、3段のナイロンメッシュふるいを用いて分級を実施しており、1段目は、投入した遺骨灰をふるい面の前面に拡散させて効率良くふるいを行うとともに、遺骨灰中に混入している夾雑物を取り除くための非常に粗いメッシュ(30メッシュ)のふるいを配置し、その下方(2段目)に、100メッシュのふるいを配置し、さらにその下方(3段目)に、150メッシュのふるいを配置して、150メッシュを通過した遺骨灰を外部に取り出せるようになっている。
この粉砕された遺骨灰の粒度としては、その粒径が比較的小さい方が、加熱溶融時における溶融が均一で、その溶融に必要とされる時間もやや短いことから好ましいが、これが小さすぎると、飛散し易く、取り扱いが難しくなるので、200μm以下(約100メッシュ以下)で、好ましくは、120ミクロン以下(150メッシュ)以下とすることが好ましい。
図1に示すように、真空溶融炉2には、略円筒体状の真空チェンバ4と、真空チェンバ4に接続されて真空チェンバ4内の気圧を低減させて真空状態にするための真空ポンプ5と(図2参照)、真空チェンバ4と真空ポンプ5を支持し、かつ真空チェンバ4全体に振動を与えることができる加振動台6とが設けられている。これら真空チェンバ4と真空ポンプ5と加振動台6が電気ケーブル7,8,9を介して制御ユニット10に接続され、作業者は制御ユニット10を操作することにより真空溶融炉2の制御が行えるようになっている。
図2に示すように、真空チェンバ4の正面には、作業者が真空チェンバ4内部の様子を監視するための監視窓11が形成された開閉可能な蓋体13が設けられている。真空チェンバ4の上部には接続部14が形成され、この接続部14に監視窓12や温度センサ(図示略)等が設けられたアダプタ15が接続されている。
また、真空チェンバ4と真空ポンプ5とを連結する連結管16には、リークバルブ17が設けられており、該リークバルブ17を開放することにより真空チェンバ4内の減圧状態を解除できる。
図3及び図4に示すように、真空チェンバ4は二重壁のデュワー瓶構造をなしており、真空チェンバ4の内部と外部とを断熱できる。真空チェンバ4の内部には、真空チェンバ4の内面に設けられた枢軸18を中心として垂直方向に揺動可能な揺動台19が設けられており、この揺動台19は真空チェンバ4の側部に取り付けられた駆動モータ20の駆動によって揺動される。
揺動台19上には、高密度炭素坩堝21を保持するための坩堝ソケット22が取り付けられており、坩堝ソケット22の周囲には、高周波コイル23が捲きつけられている。高周波コイル23は駆動モータ20の軸心を貫通して設けられた同軸電極24に接続されており、同軸電極24には電気ケーブル7を介して制御ユニット10から電力が供給されるようになっている(図1参照)。
図5に示したのは、本実施例に用いた高密度炭素坩堝21であり、高密度炭素坩堝21は、有底円筒状とされて、その内部に遺骨灰が投入される。
これら遺骨灰を投入して、該遺骨灰を溶融させる炭素坩堝としては、その炭素密度が低いと、坩堝の熱伝導率が比較的低く、加熱による温度ムラが生じ易くなることから、熱伝導率の良い高密度炭素坩堝を使用することが好ましい。
また、これら高密度炭素坩堝21の厚みとしては、これが薄いと、後述する高周波加熱コイルからの熱が、局部的に遺骨灰に加わり、遺骨灰内での温度ムラによる過度の対流発生による変形や、溶融物の突沸現象による飛散等を生じ易くなる一方、これが厚いと、原因は定かではないが、溶融物が部分的に飛散する現象が頻発するので、この厚みとしては3mm前後のものを使用することが好ましい。
次に、前述した本実施例におけるボールミル1、振動ふるい機3、真空溶融炉2を用いて、遺骨(遺骨灰)から石化遺骨灰を製造するための工程を図6に示すフローチャートに基づいて以下に説明する。
図6に示すように、先ず、火葬場で火葬された遺骨灰のみをボールミル1内に投入し、遺骨が粉末状になるまで粉砕する(S1、粉砕工程)。
ボールミル1としては、個体粉体の粉砕力に優れる遊星型ボールミルを好適に使用することができ、その処理時間は、遺骨灰の状況等により、適宜に選択すれば良く、本実施例では、該粉砕した遺骨灰が、ナイロンメッシュふるい(#150)を適宜に通過できる粉体となるまで実施した。
このように粉砕を実施することは、骨にも、部分的に異なる成分が含まれており、これらの成分が偏在すること等により、溶融時の対流による形状変形や、突沸等による飛散等を極力防止して、安定して石化遺骨灰(焼結体)を得ることができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遺骨灰も自然物であり、動物や人間等の種別や、固体によってもその組成が異なるので、これら粉砕工程の処理時間や、処理粉体の性状等は、適宜に決定すれば良い。
尚、本実施例では、ボールミル1を用いることで、遺骨の粉砕と均一化(混合)とを同時に行うことができるようになっており、このようにすることは、これら粉砕・混合工程を効率良く実施できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、後述する振動ふるい機3に金属ボール等を投入して、分級とともに粉砕をも実施できるようにし、得られた粉砕、分球された遺骨灰の粉砕物を、別途、均一に混合したり、或いは、繰返し振動ふるい機3に投入して、組成が均一となるようにしても良い。
そして、これらボールミル1にて粉砕、均一化した遺骨灰粉体を振動ふるい機3の上部投入口から投入して分級する(S2、分級工程)。
具体的には、上述したように、150メッシュ(約120ミクロン)を通過した遺骨灰粉体が振動ふるい機3の下方から排出される。
このように分級を実施することは、150メッシュ(約120ミクロン)を通過した小径の遺骨灰に比較して溶融し難い、突出して大きな粒度の遺骨灰が高密度炭素坩堝21内に存在することを回避できるので、遺骨灰粉体27の溶融時期のずれが生じ難く、これら溶融時期のずれにより、得られる石化遺骨灰28が変形したり、割れ(かけ)等が発生したりすることを低減でき、安定して石化遺骨灰28を製造できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの分級工程を、適宜実施しないようにしても良い。
次に、分級後の遺骨灰粉体27を高密度炭素坩堝21内に投入し(図5(a)参照)、真空チェンバ4の蓋体13を開放して真空チェンバ4内の坩堝ソケット22に坩堝21を取り付ける(S3)。
この際、坩堝ソケット22(外筒坩堝ともいう)と坩堝21との間に、セラミックウール等の耐熱性断熱材を介在させるようにしても良い。
そして、真空チェンバ4の蓋体13を閉塞して真空ポンプ5を稼動させ、真空チェンバ4内を減圧して真空状態(減圧雰囲気状態)にする(S4、減圧工程)。
この真空チェンバ4内の真空度としては、本発明のように、遺骨灰が100%であって、融点降下剤や結剤等を何も含んでいない場合には、遺骨灰を溶融させるために、後述するように摂氏1500度(1500℃)以上の超高温が必要となり、これら1500℃以上の温度においては、遺骨灰の周囲に空気、特には酸素が存在すると、湿度等を含む通常雰囲気において分解しやすい物質に、粉砕された遺骨灰の組成が変化し易く、得られた石化遺骨灰を通常雰囲気中に放置しておくと、亀裂や、割れ、白化、更には粉体化して崩れてしまい、良好な石化遺骨灰とならないので、これら酸素が少ない比較的低い圧力、具体的には、100パスカル(Pa)以下の減圧雰囲気とすれば良く、より好ましくは、安定して石化遺骨灰を得るために、10パスカル(Pa)以下の減圧雰囲気とすれば良い。
真空チェンバ4内が上記した所定圧力の真空状態(減圧状態)になったら高周波コイル23に電流を流し、高密度炭素坩堝21内の遺骨灰粉体27の加熱を開始する(S5)。
高密度炭素坩堝21内の遺骨灰粉体27の温度は、ファイバ型放射温度計(ジャパンセンサー製FTZ6−A600−50K22)を用いて測定した。
測定方法としては、ファイバ型放射温度計の測定ヘッドを、監視窓11に設置し、高密度炭素坩堝21を水平から約20度程度傾けた状態(直立から約70度傾斜させた状態)、つまり、高密度炭素坩堝21の底面とファイバ型放射温度計が向く方向とがほぼ直交して、高密度炭素坩堝21の内部を監視窓11から良好に覗くことができる状態で、高密度炭素坩堝21内の下方隅部に集まった遺骨灰粉体27の表面(溶融時には液表面)の温度を測定した。この時、遺骨灰粉体27の表面(溶融時には液表面)とファイバ型放射温度計の測定ヘッドとの距離は、約400mmである。
本実施例の真空溶融炉2では、約15〜20分程度で1400℃程度に到達する。そして、遺骨灰の種類等にも依るが、一般的に、約1420℃近傍において粉体の軟化が始まり、約1480℃近傍で、一部の粉体の溶融が認められるようになる。
この1480℃の温度以降は、高密度炭素坩堝21内の遺骨灰粉体27の状況を目視にて良く注視しながら、突沸等を生じないように、徐々に温度を上げていき、遺骨灰粉体全体が溶融する1550〜1650℃の範囲の温度まで、約3〜5分程度をかけて上昇させる。
この際、加振動台6を稼動させて真空チェンバ4に振動を与えることで、局部的に溶融が生じて突沸等が発生しないようにしても良い。
これら加熱により、1480℃近傍で溶融を開始した遺骨灰粉体27は、低いものでは1550℃程度で均一に溶融するものもあれば、高いものであれば1650℃近傍まで、均一に溶融しないものもあるが、その殆どが摂氏1550度〜1650度の範囲において均一に溶融するので、遺骨灰粉体27の溶融温度としては、摂氏1550度〜1650度の範囲とすれば良い。
尚、これら摂氏1550度〜1650度の範囲においても、上述したように、遺骨灰粉体27の種類によっては、均一に溶融する温度が異なるので、高密度炭素坩堝21内の遺骨灰粉体27の溶融状況を確認して、これら温度範囲における、均一に溶融する温度よりやや高い温度に加熱を留め、これら摂氏1550度〜1650度の範囲であって、できるだけ均一に石化できる温度に溶融温度を抑えることが好ましい。
これら均一溶融までは、図5(a)に示すように、高密度炭素坩堝21が立設されており、遺骨灰粉体27は高密度炭素坩堝21の底部に溜まっている。作業者は真空チェンバ4の上部に設けられた監視窓12から高密度炭素坩堝21内を監視し、遺骨灰粉体27が充分に溶融されたら、加振動台6を稼動させて真空チェンバ4に振動を与えることで、真空チェンバ4内部に配置された高密度炭素坩堝21に振動を与える(S6,加振工程)。
このように高密度炭素坩堝21に振動を印加、すなわち、均一溶融した遺骨灰粉体27に振動を印加することは、溶融遺骨灰粉体27内部に含まれるガス等が外部に排出され易くなるととともに、溶融した溶融遺骨灰粉体27の比重差により、比重の重い物質が下方に集中することで、組成のムラが発生することによる割れやかけ、並びに形状不良の発生を低減でききることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜、これら加振工程を省くようにしても良い。
次いで、加振動台6の稼働による高密度炭素坩堝21の振動を停止させた後、図7(b)に示すように、揺動台19を斜めに傾けることで高密度炭素坩堝21を傾斜させると、底部と内周側壁とに亘って、溶融遺骨灰粉体27が溜まった状態となり、この状態で加熱を停止して徐冷に移行する(S7、徐冷工程)。尚、徐冷としては、例えば、自然冷却により行えば良く、温度低下速度が大きければ、固化(石化)した溶融遺骨灰粉体27が割れ等を生じないように、適宜、再加熱を実施しても良い。
そして、徐冷により溶融遺骨灰粉体27が固化(石化)し、十分に温度が低下したことを確認した後、リークバルブ17を開放して減圧状態を解除した後、真空チェンバ4の蓋体13を開放して高密度炭素坩堝21を取り出す(S8)。
この取り出された高密度炭素坩堝21内から、固化(石化)した遺骨灰粉体である石化遺骨灰28を取り出せば良く、該石化遺骨灰28の表面29が、溶融した液面であり、鏡面となる。
また、必要であれば表面29にYAGレーザ等を用いて文字30等を飾刻しても良い。
以上、本実施例における石化遺骨灰の製造方法によれば、遺骨灰粉体27のみを、100パスカル以下の減圧雰囲気である10パスカルにおいて、摂氏1550〜1650度の温度範囲に加熱することで、湿度等を含む通常雰囲気において分解しやすい物質に、遺骨灰粉体27が変化してしまうことを抑えつつ、これら遺骨灰粉体27を溶融させることができ、遺骨灰粉体27のみしか含まない石化遺骨灰28を製造することができる。
また、前記実施例によれば、減圧雰囲気を10パスカル以下とすることで、更に、遺骨灰粉体27の分解性物質への変性が抑えられるので、安定して遺骨灰粉体27のみしか含まない石化遺骨灰28を製造することができる。
また、前記実施例によれば、遺骨灰粉体27の粒径を、200μm以下の150メッシュ以下(120μm以下)となるように分級しており、該分級により、小径の遺骨灰に比較して溶融し難い、突出して大きな粒度の遺骨灰が高密度炭素坩堝21内に存在しないので、溶融時期のずれが生じ難く、これら溶融時期のずれによる石化遺骨灰の変形や割れ(かけ)等の発生を低減できる。
また、前記実施例によれば、高周波加熱により加熱することで、溶融坩堝内の遺骨灰を摂氏1550〜1650度の温度範囲となるように、他の加熱方法に比較して、加熱状況を綿密にコントロールすることができるばかりか、高密度炭素坩堝21を用いることで、坩堝内の遺骨灰の温度ムラを低減でき、これら温度ムラによる石化遺骨灰の変形や割れ(かけ)等の発生も低減できる。
また、前記実施例によれば、溶融した遺骨灰粉体27に振動を印加することで、溶融時の温度ムラや、比重差等による物質濃度の濃度ムラを加振することで低減でき、これらムラによる石化遺骨灰の変形や割れ(かけ)等の発生を低減でき、結果として、より安定して遺骨または骨灰のみしか含まない石化遺骨灰28を製造することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、本発明の石化遺骨灰の製造方法が、故人の遺骨を焼成して石化遺骨灰28を製造するときに用いられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、犬や猫などの愛玩動物等を火葬にした際の骨灰を焼成して石化遺骨灰28を製造するときに用いてもよい。
また、前記実施例では実施していないが、これら得られた石化遺骨灰28の表面に釉薬等を塗布し、2次焼成工程を行うことで、得られる石化遺骨灰28表面を着色、或いは改質するようにしても良い。
また、前記実施例では、真空チェンバ4内の遺骨灰粉体27を加熱焼成する際に、高周波コイル23を用いた高周波加熱を行っているが、遺骨灰粉体27を加熱焼成する際に用いる加熱手段は高周波加熱に限らず、レーザ光線を用いた光加熱によって遺骨灰粉体27を加熱焼成してもよいし、電気抵抗による発熱を利用した電気加熱によって遺骨灰粉体27を加熱焼成してもよい。
更に、加熱溶融工程における遺骨灰粉体27の加熱焼成を全て高周波加熱によって行う必要はなく、例えば、加熱溶融工程の初めに電気加熱を用いて遺骨灰粉体27を所定の温度になるまで加熱し、その後、高周波加熱による加熱に切り替えることで、遺骨灰粉体27をより高温になるまで加熱してもよい。尚、加熱溶融工程中に複数の加熱手段を交互に切り替えて使用したり、同時に使用したりしてもよい。
また、前記実施例では、石化遺骨灰28を図7に示すように、おむすび状のプレート(置物)としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら石化遺骨灰28の形状を、種々の形状の炭素鋳型内に溶融した遺骨灰粉体27を導入することで、例えば、勾玉状としたり、ペンダント、ブレスレット、指輪、イヤリング、ピアス、数珠、厨子、携帯電話等のストラップ、キーホルダー、オブジェなどの装飾品を形成してもよい。
また、本発明における遺骨灰とは、火葬して収骨した骨(実際には火葬時の灰分をその表面に含む)のみを粉砕したものでも良いし、収骨後に残存する未収骨の骨と灰分とが混合されたものであっても良く、遺骨が100%のもの(灰分が0%のもの)をも含むものである。
1 ボールミル
2 真空溶融炉
3 振動ふるい機
4 真空チェンバ
5 真空ポンプ
6 加振動台
7,8,9 電気ケーブル
10 制御ユニット
11,12 監視窓
13 蓋体
14 接続部
15 アダプタ
16 連結管
17 リークバルブ
18 枢軸
19 揺動台
20 駆動モータ
21 高密度炭素坩堝
22 坩堝ソケット
23 高周波コイル
24 同軸電極
28 石化遺骨灰
29 表面
30 飾刻文字

Claims (3)

  1. 火葬した人または愛玩動物の遺骨灰を粉砕する粉砕工程と、粉砕した遺骨灰のみが投入された溶融坩堝が取り付けられた外筒坩堝の周囲雰囲気を減圧雰囲気とする減圧工程と、減圧雰囲気に配置された溶融坩堝内の遺骨灰を溶融させる溶融工程と、該溶融工程にて溶融することで一体化した石化遺骨灰を徐冷する徐冷工程と、を含む石化遺骨灰の製造方法であって、
    前記徐冷工程にて、前記溶融坩堝と前記外筒坩堝との間に介在される断熱材により該溶融坩堝と該外筒坩堝との間が断熱されることを特徴とする石化遺骨灰の製造方法。
  2. 火葬した人または愛玩動物の粉砕した遺骨灰のみが投入された溶融坩堝が取り付けられた外筒坩堝の周囲雰囲気を減圧雰囲気とする減圧工程にて用いる真空チェンバと、減圧雰囲気に配置された溶融坩堝内の遺骨灰を溶融させる溶融工程にて用いる加熱手段と、を備える真空溶融炉であって、
    前記溶融坩堝と前記外筒坩堝との間に介在される断熱材をさらに備えることを特徴とする真空溶融炉。
  3. 前記断熱材は、セラミックウールで構成されることを特徴とする請求項2に記載の真空溶融炉。
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