JP2010214415A - 熱延鋼帯のデスケーリング用研削ブラシロール及びブラッシング装置 - Google Patents

熱延鋼帯のデスケーリング用研削ブラシロール及びブラッシング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱延鋼帯のスケールを、冷間圧延機からなるメカニカルデスケーラーで破砕剥離した後、鋼帯表面から除去するための熱延鋼帯の上下両側に配置される耐久性及びスケール除去効果に優れた研削ブラシロール及びブラッシング装置を提供する。
【解決手段】熱延鋼帯のC反り変形の腹側CAに配置される研削ブラシロール4Aは、左右両側域のブラシ45E,45Eが、中間域のブラシ45Mより耐減耗性の高いブラシ毛で形成されている一方、熱延鋼帯のC反り変形の背側CBの研削ブラシロール4Bは、中間域のブラシ45Mが、左右両側域のブラシ45E,45Eより耐減耗性の高いブラシ毛で形成されている。ブラシの耐減耗性は、ブラシ毛の基材樹脂や糸径の選択等により調整される。ブラシの耐減耗性のバランス効果としてブラシ45の平坦性が安定保持され、耐用寿命及びデスケーリング効果が高められる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱延鋼帯のメカニカルデスケーリング工程で使用される研削ブラシロール及びブラッシング装置に関する。
熱延鋼帯の表面に生成した酸化物を主体とするスケール(熱延スケール)を鋼帯表面から除去する方法として、従来より酸洗処理が実施されている。酸洗処理は、酸液(塩酸,硫酸等の溶液)を処理液として熱延スケールを化学的に溶解除去するものであり、酸液を収容した複数の酸洗槽に鋼帯を順次通板することにより行われる。近年、酸洗効率の向上、酸洗設備のメンテナンスの軽減等を目的として、酸洗工程の上流側で、熱延鋼帯に冷間圧延(所謂、黒皮圧延)を施し、ロールの高圧下力の作用で熱延スケールを機械的に破砕剥離するメカニカルデスケーリングが実施されている。
図7に、冷間圧延によるデスケーリング工程と酸洗処理工程とを有する熱延鋼帯のデスケーリング処理ラインの基本構成を示す。(2)は冷間圧延機からなるメカニカルデスケーラー、(3)は研削ブラシロール(4)(4A,4B)を備えたブラッシング装置、(6)は酸洗装置である。ペイオフリール(1)の鋼帯コイルから連続的に巻き出される熱延鋼帯(S)は、メカニカルデスケーラー(2)で熱延スケールが破砕され、スケール破砕片はブラッシング装置(3)で鋼帯表面から除去される。熱延鋼帯は、ついで洗浄装置(5)で表面の残留付着物を、洗浄水のスプレーとブラシの掃除作用で除去されたうえ、酸洗装置(6)に導入されて所定の処理を受け、テンションリール(7)に巻き取られる。
冷間圧延機からなるメカニカルデスケーラー(2)の出側にブラッシング装置(3)を配置しているのは、冷間圧延機の高圧下力で熱延スケールを破砕剥離しただけでは、破砕片を鋼帯表面から完全に離脱除去することができないからであり、研削ブラシロール(4)によるブラッシング処理は重要である。研削ブラシロール(4)は、鋼帯表面に押付けられ高速回転摺接による研削作用をなすものであるから、ブラシは高度の耐摩耗性・耐熱性等を必要とする。この研削ブラシロールとして、ナイロン等の樹脂(基材樹脂)に砥粒(例えば炭化珪素等)を混入したブラシ毛でブラシを構成したものが知られている(特許文献1〜4)。
特許第3407844号公報 特許第3406749号公報 実開平6−17867号公報 特開2006−272481公報
上記ブラッシング工程において、研削ブラシロール(4)のブラシ(45)に局所的な減耗が生じ易いという問題がある。これは、被処理材の熱延鋼帯(S)が、通常図4のように板幅方向の湾曲変形(以下「C反り変形」)を有するため、ブラシロール(4)を鋼帯表面に押付けると、鋼帯に対するブラシの押し込み量が、ロール軸方向の位置により異なることによる。これを、図5により説明すると、鋼帯(S)の腹側(CA)に押付けられる下側のブラシロール(4A)では、鋼帯の左右端縁部(SE,SE)に対向する両側域のブラシ(45E,45E)の押し込み量が大く、一方鋼帯の腹側(CA)に押付けられる上側のブラシロール(4B)では、鋼帯中央部(SM)に対向する中間域のブラシ(45M)の押し込み量が大きくなる。このように押し込み量の大きい領域においてブラシの減耗(D45)が進み易い。
ブラシロール(4)の減耗現象を仔細に観察すると、ブラシの劣化損傷は、
(i)鋼帯のスケール表面に押付けられた高速摺接による擦り減り(以下「摩耗」)、
(ii)スケールとの摺接界面の摩擦熱によるブラシ毛の昇温と熱的劣化ないし溶損(以下「焼付き」)、
(iii)スケール表面への押付け荷重の作用による塑性変形の曲がり及び押付け荷重の変動に因る疲れ変形としての曲りくせ(以下「毛折れ」)、
等を要因とし、これらの要因の単独及び相乗作用として進行すると考えられる。
本明細書にいうブラシの“減耗”とは、このような諸要因の単独及び相乗作用の結果として生じるブラシ毛の劣化損傷を指している。上記要因のうち、毛折れは、摩耗および焼付きとはブラシの劣化損傷の様子が異なる現象であるが、ブラシのスケール除去機能の低下に直接結びつく現象であり、摩耗及び焼付きに毛折れを含めて減耗と定義している。
研削ブラシロール(4)に生じる上記の減耗現象によりブラシ(45)の平坦性が損なわれると、鋼帯の幅方向全体に亘って熱延スケールを確実・均一に除去することが困難となり、酸洗処理の負担増大・効率低下となる。この不具合を回避するには、ブラシの減耗の進行に応じてブラシロール(4)を頻繁に取替えることが必要となり、結果としてデスケーリングのライン効率が著しく阻害されることになる。なお、C反り変形は、熱延鋼帯をコイルに巻き取る際の塑性変形量が板厚の分だけ、おもて面と裏面とで異なることに起因する現象であり、その変形の程度は、鋼帯の材種・サイズ等により異なるが、広範囲の鋼材種及びサイズに亘って観察される不可避的な現象である。従って、C反り変形に付随する上記研削ブラシロール(4)の減耗対策は、メカニカルデスケーリングの確実・安定な操業を維持し達成するための重要な課題である。
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、ブラシの局所的な減耗を軽減緩和してロールの平坦性を安定保持することにより改良された耐用寿命を有する研削ブラシロール及びブラッシング装置を提供するものである。
本発明に係る研削ブラシロール(請求項1)は、
熱延鋼帯の表面の酸化物を主体とするスケールを、冷間圧延機からなるメカニカルデスケーラーのロールの圧下力で破砕剥離した後、鋼帯表面から除去するための熱延鋼帯を挟んで上下両側に対向配置されるデスケーリング用研削ブラシロールにおいて、
熱延鋼帯のC反り変形の腹側(CA)に配置される研削ブラシロール(4A)は、
該熱延鋼帯の左右の端縁部(SE,SE)に押付けられる左右両側域のブラシ(45E,45E)が、中間域のブラシ(45M)より耐減耗性の高いブラシ毛からなる一方、
熱延鋼帯のC反り変形の背側(CB)に配置される研削ブラシロール(4B)は、
該熱延鋼帯の中間面域(SM)に押付けられる中間域のブラシ(45M)が、左右両側域のブラシ(45E,45E)より耐減耗性の高いブラシ毛からなる
ことを特徴としている。
本発明のブラッシング装置(請求項4)は、
熱延鋼帯の表面の酸化物を主体とするスケールを冷間圧延機からなるメカニカルデスケーラーのロールの圧下力で破砕剥離した後、鋼帯表面から除去するための研削ブラシロールが熱延鋼帯を挟さむ上下両側に対向配置されているデスケーリング用研削ブラッシング装置において、
該熱延鋼帯の左右の端縁部(SE,SE)に押付けられる左右両側域のブラシ(45E,45E)が、中間域のブラシ(45M)より耐減耗性の高いブラシ毛からなるブラシロール(4A)を、熱延鋼帯のC反り変形の腹側(CA)に配置する一方、
該熱延鋼帯の中間面域(SM)に押付けられる中間域のブラシ(45M)が、左右両側域のブラシ(45E,45E)より耐減耗性の高いブラシ毛からなる研削ブラシロール(4B)を、熱延鋼帯のC反り変形の背側(CB)に配置していることを特徴としている。
熱延鋼帯の上下に対向配置される研削ブラシロール(4)(4A,4B)のそれぞれに生じる不均一な減耗現象は、前記のように熱延鋼帯のC反り変形に対応し、具体的にはC反り変形の腹側(CA)のブラシロール(4A)における左右両側域のブラシ(45E,45E)、および背側(CB)のブラシロール(4B)における中間域のブラシ(45M)に生じ易い摩耗、焼付き、毛折れ等の単独及び相乗作用として発現する。
本発明は、このようなブラシ減耗の発生進行状況に対応して、各研削ブラシロール(4A,4B)におけるブラシの押し込み量が大きい各領域のブラシ(45E,45E)およびブラシ(45M)に、耐減耗性の高低の差異を持たせている。この耐減耗性は、後記のようにブラシ毛の耐熱性、硬さ、耐摩耗性、強靭性、曲げ剛性、耐屈曲疲労性等の諸特性の総合的評価によるものであり、その諸特性は、ブラシ毛の樹脂材種や砥粒材種及びその含有量、ブラシ毛の糸径およびその糸条タイプ(単糸状又は束糸状)などの選択設計により任意に調整される。本発明は、ブラシの耐減耗性のバランス調整により、その局部的な減耗の発生進行を抑制緩和し、ブラシ(45)の平坦性の安定保持及び研削ブラシロールの耐用寿命の改善効果を実現している。
図1は、熱延鋼帯(S)を挟さんで上下に対向配置される研削ブラシロールの構成例を示している。研削ブラシロール(4)(4A,4B)は、ロール軸体(41)とそのロール胴部に嵌装された多数枚のブラシディスク(42)とで構成されている。
ブラシディスク(42)は、図2に示すように、ディスク本体(43)とブラシ毛(45a)とからなる。ディスク本体(43)は、板面中心にロール軸体挿通孔(43a)を有し、外周縁部にブラシ毛装着孔(43b)が円周方向に略等間隔に形成されている。そのブラシ毛装着孔(43b)のそれぞれにブラシ毛(45a)が固定金具(43c)を介して装着固定されている。ブラシディスク(42)をロール軸体(41)の胴部に嵌装し、軸方向に密着積層して両端を固定リング(47)で固定することにより研削ブラシロール(4)のブラシ(45)が形成される。
ブラシ毛(45a)は、従来のそれと同様に、耐熱性の樹脂を基材とし、これに砥粒が適量配合された複合材料からなる。 基材樹脂は、代表的にはポリアミド系合成樹脂、例えばナイロン6,ナイロン612等のナイロン樹脂であり、これに配合される砥粒は、炭化珪素(SiC),アルミナ(Al2O3),コランダム,窒化珪素(Si3N4),ダイヤモンド(C)等である。樹脂への配合量は、好ましくは約25〜35wt%である。
ブラシ毛の好ましい具体例として、ナイロン樹脂(ナイロン6,ナイロン610,ナイロン612等)に砥粒として炭化珪素(粒度:♯80,♯100等)を適量(例えば約30%)配合したものが挙げられる。
ブラシ毛(45a)は、図3に示すように単糸条タイプ(同図[I])と、束糸条タイプ(同図[II])とに大別される。単糸条タイプ(同図[I])のブラシ毛(45a)は、比較的大きい糸径(例えば、φ2mm,φ3mm)の糸条体であり、束糸条タイプ(同図[II])のそれは、通常やや細径の糸条体(45b)(糸径は例えばφ1.5mm)の複数本(図は7本の例)をカバーリング(45c)(ナイロン樹脂フィルム等)で被包結束した形態を有している。
本発明は、研削ブラシロールのブラシ(45)の不均一な減耗現象が、熱延鋼帯(S)のC反り変形に因るものであることにかんがみ、鋼帯に対するブラシの押し込み量の大きさを基に、ブラシ(45)をロール軸方向の複数の領域に分け、各領域のブラシ毛の耐減耗性に高低の差を持たせている。図1の例でいえば、鋼帯の腹側(CA)に押付けられる下側のブラシロール(4A)における押し込み量の大きい左右両側域(45E,45E)、および背側(CB)に押付けられる上側のブラシロール(4B)における押し込み量の大きい中間域(45M)に、より高い耐減耗性をもたせることにより、ブラシの局所的な減耗の進行を抑制し、熱延鋼帯の板幅方向の全体に対する均一なブラッシング効果を得るようにしている。
研削ブラシロールのブラシの耐減耗性を高めるためのブラシ設計として、例えば、
(i)糸径を大きくしブラシ毛の面密度を高める。ブラシ毛のそれぞれに掛かる押し込み荷重の軽減効果として、その領域のブラシの減耗が緩和される。またブラシ毛の熱容量の増加に伴い摩擦熱による昇温が少なくなり、硬さ,耐摩耗性,剛性等の諸特性の低下も緩和されるので、ブラシの減耗の抑制に奏効する、
(ii)束糸状タイプ(図3[II])の使用により、単糸状タイプ(図3[I])に比しブラシ毛の面密度の増加の効果として上記と同様にブラシの摩耗を抑制緩和する、
(iii)ブラシ毛の基材樹脂として、融点、軟化点、硬さ、耐摩耗性、強靭性、曲げ剛性、耐屈曲疲労性等の高い材種を適用する、
(iv)基材樹脂に対する砥粒の配合率を高める、
等の方策が挙げられる。
ブラシ毛の糸径、糸条タイプ、基材樹脂の材種、砥粒配合量等の上記の各事項は、研削ブラシロールの実機使用における減耗現象の偏りの程度に応じて、その1つ又は複数項を適宜選択して複合的に(複数の組合せとして)採用すればよい。
なお、研削ブラシロールの所定領域の耐減耗性を高め、ロール軸方向の耐減耗性のバランスを図るためのブラシ設計において、その所定領域の耐減耗性を高くし過ぎると、過研削(鋼帯の素地表面に疵が付く)あるいは研削ムラ(該所定領域とそれ以外の領域との間のスケール除去効果の差が過度に大きくなる)等の不具合をきたす。それゆえ、耐減耗性のバランス設計には、かかる不具合が回避されるように両者間のバランスに留意することを要する。
研削ブラシロールの耐減耗性のバランスを改善するためのブラシ毛材の種類及び組み合せの具体例を表1に示す。表中、「上側ロール4B」及び「下ロール4A」は、図1における鋼帯背側(CB)および鋼帯腹側(CA)の各ブラシロールを指している。
No.1のブラシ毛材の組み合せは、耐減耗性のバランス及び耐用寿命の改善に優れた効果を示す。 No.2は、No.1のブラシ毛材に比べ、糸径の細いものを使用してコストを削減しながら、耐減耗性のバランスの改良効果を得るものである。 No.3の耐減耗性のバランス及び耐用寿命の改善効果は顕著であり、その耐用寿命は上記No.1を凌ぐほどである。 No.4及びNo.5は、No.3のブラシ毛材に比べ、糸径の細いものを使用してコストを削減しながら、耐減耗性のバランス改善効果を得るものである。
Figure 2010214415
本発明の研削ブラシロール(4)は、望ましくは、ロール軸体(41)に、軸心を貫通する冷媒流通路(411)を有する内部水冷構造が与えられる。その水冷効果として、ブラシの摩擦熱による昇温および熱的劣化が抑制緩和される。具体例を挙げれば、ナイロン−砥粒(ナイロン612-砥粒SiC30%)のブラシ毛(融点215℃)の研削ブラシロールを用いたデスケーリング操業において、約110〜140℃(ディスク本体43での測定値)に保持する冷却効果として、焼付きや毛折れ等の低減緩和に有効なことが観察される。
上記冷却作用はロール軸方向の全体に亘って一様であるが、ブラシ押し込み量の大きい領域(図1の例では、ロール4Aの45E,45E、ロール4Bの45M)に対する昇温抑制とブラシ毛の劣化(焼付き,毛折れ,磨耗等)の緩和効果は、他の領域のそれより相対的に大きく、従ってブラシ毛の減耗の軸方向における不均一さを軽減しブラシの平坦性の保持と耐久性の改善に奏効する。
ブラシ(45)の中間域(45M),両側域(45E,45E)のそれぞれの広さ(軸方向長さ)は、熱延鋼帯(S)の板幅サイズの種類、鋼帯の蛇行の大きさ等を勘案して適宜設計される。
また図1では、デスケーリングラインを移送される熱延鋼帯のC反り変形が上向きに凸の状態を示しているが、湾曲の向きが図とは逆の場合もある。ペイオフリール(1)からの鋼帯巻き出しは、図6のように、上解き巻き出し(オーバーパス)(同図[I])のほか、下解き巻き出し(アンダーパス)(同図[II])があり、下解き巻き出し(同図[II])の場合の鋼帯は下向きに凸となるので、研削ブラシロール(4A)と(4B)の鋼帯(S)に対する上下位置関係は、図1のそれとは逆になる。
なお、ブラッシング装置(3)を構成する研削ブラシロール(4)の配列数は任意であるが、通常1列ないし2〜5列の複数列(図7は3列の例)であり、必要に応じて増減配置される。
デスケーリング処理ライン(図7)において、熱延鋼帯の連続移送下に、メカニカルデスケーラー(2)の圧延ロールの圧下作用による熱延スケールの破砕剥離、およびブラシロール(3)による処理を施したうえ、洗浄処理(5)し、酸洗装置(6)に送給する。
[1]熱延鋼帯
材種:熱延軟鋼帯SPHC(JIS G3131)
板幅:600〜1350mm
[2]ライン運転
(1)ライン内鋼帯移送速度:MAX420mpm
(2)ブラッシング ブラシロール回転速度:1200rpm
ブラシ押し込み量:2.0mm
[3]研削ブラシロール
図2のように、ドーナツ盤状ディスク本体(43)の外周縁にそってブラシ毛(45a)を装着したブラシディスク(42)を、図1のようにロール軸体(41)に嵌装し、軸方向に密着積層して供試研削ブラシロール(4)(4A,4B)を組み立てた。
・ロール胴部の軸方向長さ:1350mm
・内部水冷構造:ロール軸体の冷媒流通路(411)の冷却水送給によりブラシ(基材樹脂の融点215℃)を120〜130℃に保持。
・ブラシ(45):左右両側(45E)の幅400mm
:中間域(45M)の幅550mm(=1350mm−400mm×2)
・初期ロール外径:410mm
・基準取替え外径:350mm(基準取替えブラシ残存長さ=8mm)
<ブラシの構成>
ブラシ毛は「ナイロン612−SiC」(樹脂:融点215℃、砥粒:粒度♯80,含有量30wt%)の単糸条タイプ(図3[I])。糸径:2.0mmと3.0mmの2種を、表1に示すように使い分けてブラシ(45)を構成。
Figure 2010214415
[4]デスケーリング結果
上記供試研削ブラシロールのデスケーリング試験(初期ロール外径:410mm、基準取替え外径:350mm)において、発明例の研削ブラシロールは、従来例の研削ブラシロールに比し、2倍の耐用寿命(鋼帯通板重量比)を示した。
なお、発明例と従来例の研削ブラシロールについて、下式により算出される脱スケール率を比較すると、発明例の研削ブラシロールは、0.15±0.05%と、従来の研削ブラシロールと同等の高い脱スケール効果を示す。すなわち、発明例の研削ブラシロールは、高度の脱スケール効果を保持しつつ、従来の研削ブラシロールを大幅に上回る卓抜した耐用寿命を得ることを可能にしている。
脱スケール率=β/α ×100(%)
[α:冷間圧延機の入り側でのスケール付着鋼帯(=鋼帯+スケール)の重量
β:鋼帯表面から剥落したスケールの重量 ]
本発明によれば、研削ブラシロールの局所的なブラシ損耗が効果的に抑制回避され、ブラシの平坦性が安定に保持される。これによりメカニカルデスケーリングにおける脱スケール品質の安定化、研削ブラシロールの寿命改善及びコスト負担の軽減、デスケーリングラインの生産性の向上等が可能となり、またメカニカルデスケーリング工程につづく酸洗処理工程での負担軽減とその処理効率の向上等により、熱延鋼帯の表面品質の向上・安定化、および製品冷延鋼帯の表面品質の向上・安定化等の諸効果を奏するものである。
研削ブラシロールの局所的なブラシ損耗につながる熱延鋼帯のC反り変形は、既に述べたように、鋼帯の材種・サイズ等のいかんに拘らず、広範に観察される不可避的な現象であり、C反り変形のブラシに対する影響を効果的に抑制緩和し、研削ブラシロールの機能の安定維持を可能にした本発明の研削ブラシロールは高い実用価値を有するもである。
本発明の研削ブラシロールのブラシの構成例を示す軸方向断面図。 ブラシディスクを示す正面説明図。 ブラシ毛の例を示す断面説明図。 熱延鋼帯のC反り変形の正面説明図。 研削ブラシロールのブラシの局部損傷を示す正面説明図。 熱延鋼帯のペイオフリールからの巻き出し方式の説明図(同図[I]上解き巻き出し(オーバーパス)方式、同図[II]下解き巻き出し(アンダーパス)方式)。 メカニカルデスケーリングと酸洗処理とを有する熱延鋼帯のデスケーリングライン工程の説明図。
1:ペイオフリール
2:メカニカルデスケーラー
3:ブラッシング装置
4(4A,4B):研削ブラシロール
41:ロール軸体
411:冷却水流通路
42:ブラシディスク
43:ディスク本体 43a:軸体挿通孔 43b:ブラシ毛装着孔 43c:ブラシ毛固定金具
45:ブラシ 45a:ブラシ毛 45b:糸条体(束糸条タイプの芯糸)
45c:カバーリング
45E:ロール軸方向の左右両側域のブラシ
45M:ロール軸方向の中間域のブラシ
47:固定用リング
5:洗浄装置
6:酸洗装置
7:テンションリール
S:熱延鋼帯
SE:鋼帯の左右端縁部
SM:鋼帯の中間面域
CA :C反り変形の鋼帯腹側
CB :C反り変形の鋼帯背側
45:ブラシ損傷部
W:冷却水

Claims (4)

  1. 熱延鋼帯表面の酸化物を主体とするスケールを、冷間圧延機からなるメカニカルデスケーラーのロール圧下力で破砕した後、破砕されたスケールを鋼帯表面から除去するための、熱延鋼帯を挟んで上下両側に対向配置されるデスケーリング用研削ブラシロールにおいて、
    熱延鋼帯のC反り変形の腹側(CA)に配置される研削ブラシロール(4A)は、
    該熱延鋼帯の左右の端縁部(SE,SE)に押付けられるロール軸方向の左右両側域のブラシ(45E,45E)が、中間域のブラシ(45M)より耐減耗性の高いブラシ毛からなる一方、
    熱延鋼帯のC反り変形の背側(CB)に配置される研削ブラシロール(4B)は、
    該熱延鋼帯の中間面域(SM)に押付けられる中間域のブラシ(45M)が、左右両側域のブラシ(45E,45E)より耐減耗性の高いブラシ毛からなることを特徴とする熱延鋼帯のデスケーリング用研削ブラシロール。
  2. 板面中心にロール軸挿通孔(43a)を有する円板状ディスク本体(43)の外周縁に、ブラシ毛(45a)が径方向外側に突出する向きに取付けられている複数枚のブラシディスク(42)を、ロール軸体(41)に嵌装しロール軸方向に積層固定することによりブラシ(45)が形成されている請求項1に記載のデスケーリング用研削ブラシロール。
  3. ロール軸体(41)にその軸心を貫通する冷媒流通路(411)を設け、冷媒の流通による伝導伝熱作用でブラシ(45)を冷却する内部水冷構造を有する請求項2に記載のデスケーリング用研削ブラシロール。
  4. 熱延鋼帯の表面の酸化物を主体とするスケールを、冷間圧延機からなるメカニカルデスケーラーのロールの圧下力で破砕剥離した後、鋼帯表面から除去するための研削ブラシロールが熱延鋼帯を挟さむ上下両側に対向配置されているデスケーリング用研削ブラッシング装置において、
    該熱延鋼帯の左右の端縁部(SE,SE)に押付けられる左右両側域のブラシ(45E,45E)が、中間域のブラシ(45M)より耐減耗性の高いブラシ毛からなるブラシロール(4A)を、熱延鋼帯のC反り変形の腹側(CA)に配置する一方、
    該熱延鋼帯の中間面域(SM)に押付けられる中間域のブラシ(45M)が、左右両側域のブラシ(45E,45E)より耐減耗性の高いブラシ毛からなる研削ブラシロール(4B)を、熱延鋼帯のC反り変形の背側(CB)に配置していることを特徴とする熱延鋼帯のデスケーリング用研削ブラッシング装置。
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