JP2010213688A - 植物育成培地および土壌改良資材 - Google Patents

植物育成培地および土壌改良資材 Download PDF

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Abstract

【課題】高度浄水処理工程に用いた使用済み活性炭を用いた、従来の植物育成培地または土壌改良資材がもつ欠点を有しないか、または欠点の程度が低くなった植物育成培地または土壌改良資材を作製し、もって高度浄水処理工程に用いた使用済み活性炭の処理に資すること。
【解決手段】高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、植物育成培地または土壌改良資材。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物育成培地および土壌改良資材に関し、とくに高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、植物育成培地および土壌改良資材ならびに同培地または資材を用いた植物の育成方法に関する。
植物の育成(育苗、栽培)には培養土が広く用いられているところ、多くの培養土の原料は軽量で保水性の高いものが求められている。しかしながら、多くの培養土の原料は、過湿になりやすく、とくに夏場の高温期には根腐れが問題となる。
このような問題を解決するための手段として、炭の使用が知られている。たとえば、木炭や活性炭等は、農業分野において土壌改良資材として用いられ、とくに植物の地下部環境の改善に有効であることが報告されている。
木炭は花壇苗用土において、透水性の改善や肥料成分保持機能を有することが知られている(非特許文献1)。また、木炭には通気性を改善する作用があることも知られている。
活性炭は、土壌改良資材に利用した商品が既に数種販売されているし、セル成型苗用の培養土に用いられる素材として知られている(非特許文献2)。活性炭の培養土における機能は、典型的には根腐れ防止、pH調整、微生物担持、有用成分吸着等である。
また、活性炭は、培養土以外においても吸着剤としても用いられている。たとえば活性炭を用いた自動植物栽培装置においては、肥料分などを吸着した使用済み活性炭が肥料として再利用できることが報告されている(特許文献1)。
一方、活性炭の吸着能が利用されるのは、植物の培土に留まらず、たとえば活性炭を利用した高度浄水処理においても活性炭が用いられている。
高度浄水処理は、凝集沈殿ろ過等の従来の浄水処理に、オゾン処理および粒状活性炭吸着処理工程等を加えた処理である。オゾン処理では、かび臭原因物質やトリハロメタンのもととなる物質などが、オゾンの強力な酸化力で分解される。また、生物活性炭吸着処理においては、活性炭の吸着作用と活性炭に繁殖した微生物の分解作用とを併用して汚濁物質が処理される。
かかる高度浄水処理においては、原水水質が悪い首都圏では、より安心、安全な水を供給するため、オゾン・活性炭による高度浄水処理の採用が増えている。高度浄水処理された水は、通常の浄水処理(沈でん、ろ過及び消毒)では、十分に対応できないかび臭の原因となる物質やカルキ臭のもととなるアンモニア態窒素などを取り除き、トリハロメタンのもととなる物質(トリハロメタン生成能)などを減少させることができ(非特許文献3)、生成された水の品質が高い。したがって、高度浄水処理の採用は、今後も増加することが見込まれている。
しかしながら、高度浄水処理を行う浄水場においては、活性炭をたとえば5、6年に1回交換しなければならないため、使用済み活性炭が毎年排出されている。また、その排出量は、高度浄水処理の採用の増加が見込まれる中、さらに増加することが見込まれる。
使用済み活性炭の多くは、従来はサーマル利用されていたが、現在では処理費用の削減およびCO排出量削減の観点から、より有効な利用方法が探索されている。たとえば、特許文献2には、特定の組成を有する使用済み活性炭をコークス原料石炭と共にコークス炉に装入してコークスとして再利用する、使用済み活性炭の処理方法が報告されている。
しかしながら、首都圏を中心として、浄水場では活性炭を利用した高度浄水処理の採用が増えており、排出される使用済み活性炭を処分する必要がある一方、適切な処分方法の確立や引き取り先の確保は、必ずしも十分になされているとはいえない。したがって、使用済み活性炭の適切な処理方法の確立は急務である。
特開2001−320989号公報 特開2002−38161号公報 特開平11−225572号公報 特開平10−210855号公報
培養土の種類と特徴 花壇苗用土での木炭の利用 東京都水道局ホームページhttp://www.waterworks.metro.tokyo.jp/pp/hakken/h07.htm 報道発表資料http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/06/20i6p300.htm
本発明の課題は、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を用いた、従来の植物育成培地または土壌改良資材がもつ欠点を有しないか、または欠点の程度が低くなった植物育成培地または土壌改良資材を作製し、もって高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭の処理に資することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明者らは、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭の植物育成培地または土壌改良資材としての利用可能性を検討したところ、驚くべきことに、高度浄水処理における使用済み活性炭は、通常の活性炭に比べて植物に対する生育を顕著に促進する作用を有することを見出し、さらに鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、植物育成培地または土壌改良資材に関する。
さらに、本発明は、粒径が4mm以下である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、前記植物育成培地または土壌改良資材に関する。
さらにまた、本発明は、粒径が2mm以下である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭が、前記活性炭全体の80%容量以上である、前記植物育成培地または土壌改良資材に関する。
またさらに、本発明は、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を植物育成培地または土壌改良資材の全体に対して5〜50%容量含む、前記植物育成培地または土壌改良資材に関する。
また、本発明は、陽イオン交換容量が110me/100g以上である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、前記植物育成培地または土壌改良資材に関する。
さらに、本発明は、交換性石灰含有量(CaO)が700mg/100g以上である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、前記植物育成培地または土壌改良資材に関する。
また、本発明は、植物の生育に有用な微生物を含む、前記植物育成培地または土壌改良資材に関する。
さらに、本発明は、シバ類の生育に用いられる、前記植物育成培地または土壌改良資材に関する。
さらにまた、本発明は、植物の生育に有用な微生物を含む微生物資材であって、該微生物の担持体として高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を用いる、微生物資材に関する。
そして、本発明は、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む植物育成培地または土壌改良資材を添加した土壌で植物を生育せしめる工程を含む、植物を育成する方法に関する。
さらに、本発明は、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を植物育成培地または土壌に添加する工程を含む、土壌の肥料保持力を高める方法に関する。
上記のとおり本発明は、本質的に、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、植物育成培地または土壌改良資材にかかる発明であるところ、高度浄水処理に用いられた活性炭は、
・粒径バランス、
・吸着された肥料成分(とくにN、Ca)、
・増大した肥料保持力、
・好適なpH等
により、植物の育成に適したものとなっている可能性がある。しかしながら、本発明にかかる植物育成培地または土壌改良資材、活性炭についての上記特性から予測される効果をはるかに上回る格別な効果を奏するのである。
なお、本発明は高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含むものであって、浄水場発生土を用いる従来の発明(特許文献2および3)とは、構成が明らかに異なるものである。
また、使用済み活性炭の一部が植物育成培地にすでに用いられているとされ、使用済み活性炭を利用した植物育成培地および土壌改良資材の開発も指向されている(非特許文献4)。しかしながら、これらの植物育成培地や土壌改良資材は、その構成や効果については明らかにされていない。
本発明の植物育成培地または土壌改良資材によれば、たとえば下記のような効果が奏される:
・浄水処理過程で吸着したミネラルが植物に効果的に吸収され生育を促進する。
・混合割合を5〜50%容量にすることにより培地の保水、透水性のバランスを良好にし、植物の安定的な生育を確保する。
・肥料保持力が高く、肥料の流ぼうを抑え、長期の育苗でも肥料不足の問題を解消する。
・高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭の多くは埋立て処分あるいは化石燃料として再利用されており、植物育成培地、土壌改良資材の成分として利用することにより炭酸ガス固定を増大せしめ、温暖化の解消にも貢献できる。
また、本発明の植物育成培地または土壌改良資材のうち、粒径が4mm以下である高度浄水処理に用いられた活性炭を含むものによれば、培地の透水性・保水性がより良好であるといった効果が奏される。
また、本発明の植物育成培地または土壌改良資材のうち、粒径が2mm以下である高度浄水処理に用いられた活性炭が、高度浄水処理に用いられた活性炭全体の80%容量以上であるものによれば、培地の透水性・保水性がさらにより良好であるといった効果が奏される。
また、本発明の植物育成培地または土壌改良資材のうち、高度浄水処理に用いられた活性炭を植物育成培地または土壌改良資材の全体に対して5〜50%容量含むものによれば、植物の育成をより高い効率で行えるといった効果が奏される。
さらに、本発明の植物育成培地または土壌改良資材のうち、陽イオン交換容量が110me/100g以上である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含むものまたは交換性石灰含有量(CaO)が700mg/100g以上である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含むものによれば、植物の育成をより一層高い効率で行えるといった効果が奏される。
また、本発明の植物育成培地または土壌改良資材のうち、植物の生育に有用な微生物を含むものによれば、植物の生育に有用な微生物を従来の担持体より高い効率で繁殖・維持せしめることができるため、植物の育成を高い効率で行うことを可能ならしめるといった効果が奏される。
さらに、本発明の植物育成培地または土壌改良資材は、シバ類の生育に良好に用いることがといった効果を奏する。
また、本発明の植物育成培地のうち、さらに育苗培養土を含むものによれば、植物の育成をさらにより高い効率で行えるといった効果が奏される。
本発明の植物の生育に有用な微生物を含む微生物資材であって、該微生物の担持体として高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を用いる微生物資材によれば、植物の生育に有用な植物の生育に有用な微生物を従来の担持体より高い効率で繁殖・維持せしめることができるため、植物の育成を促進する微生物を高い効率で提供できるといった効果が奏される。
また、本発明の高度浄水処理に用いられた活性炭を含む植物育成培地または土壌改良資材を添加した土壌で植物を生育せしめる工程を含む、植物を育成する方法によれば、植物の生育を従来の資材より高めることができるといった効果が奏される。
そして、本発明の土壌の肥料保持力を高める方法によれば、当該土壌の肥料保持力をより効率的に高めることができる。
本発明の植物(地上部)に対する生育促進効果の例を、他の処理と比較して示す写真図である。 処理は、図の左から使用済炭(三郷)、使用済炭(金町)、未使用炭、木炭、籾殻薫炭、ゼオライトおよびパーライトである。 本発明の植物(地上部および地下部)に対する生育促進効果の例を、他の処理と比較して示すグラフである。 本発明の植物(地下部)に対する生育促進効果の例を、他の処理と比較して示す写真図である。左の写真が本発明処理区を表すものであり、右の写真が対照区を表すものである。 本発明の植物(キャベツ、地上部)に対する生育促進効果の例を、他の処理と比較して示す写真図である。 本発明の植物(レタス、地上部)に対する生育促進効果の例を、他の処理と比較して示す写真図である。 マサ土および黒ボク土における、本発明の土壌改良資材の効果を示す写真図である。 本発明の土壌改良資材の土壌への混合割合と効果との関係を示す写真図である。 供試植物(コマツナ)の生体重により、本発明の土壌改良資材の土壌への混合割合と効果との関係を示す写真図である。 本発明の植物育成培地のシバ類に対する生育促進効果の例を示す写真図である(植え付け35日後)。 本発明の植物育成培地のシバ類に対する生育促進効果の例を示す写真図である(植え付け55日後および86日後)。 本発明の植物育成培地のシバ類に対する生育促進効果の例を示す写真図である(植物育成培地160日後)。 本発明の植物育成培地のシバ類に対する生育促進効果の例を示すグラフである。 本発明の植物育成培地の、シバ類に対する、少雨高温下における生育促進効果の例を示す写真図である(植え付け129日後および160日後)。 本発明の植物育成培地の、シバ類に対する、少雨高温下における生育促進効果の例を示すグラフである。
(定義)
本明細書において「高度浄水処理」とは、粒状活性炭とオゾンとを利用する浄水処理を意味する。
本明細書において「高度浄水処理に用いられた活性炭」または「高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭」とは、高度浄水処理を目的とする処理に用いられ、廃棄される段階にある活性炭を意味し、用いられた時間、程度等は限定されない。なお、「高度浄水処理に用いられた活性炭」または「高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭」は、以下において「使用済み活性炭」または「使用済炭」と表記することもある。
また、本明細書において「未使用炭」とは、高度浄水処理に使用される活性炭で、高度浄水処理に使用される前のものを意味する。
なお、本明細書において示される地名は(「三郷」、「金町」)、本発明の使用済み活性炭が採取された浄水場の名称を示すものである。
本明細書中において、他に記載がない限り、「%」は「%容量」を表す。
本発明につき、より詳細に以下に説明する。
本発明の植物育成培地または土壌改良資材は、高度浄水処理に用いられた活性炭を含む植物育成培地または土壌改良資材であれば、他の成分、組成等に制限はない。
高度浄水処理に用いられた活性炭の、高度浄水処理に用いられた時間はとくに制限されないが、典型的には2年〜12.5年程度であり、3年〜12年が好ましく、6年〜10年がより好ましい。
本発明において用いられる活性炭の種類はとくに限定されない。活性炭として、植物質炭化物を賦活させた植物系活性炭、および亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭、オイルカーボン、フェノール樹脂、石灰ピッチ、石油ピッチなどを原料として高温下700〜800℃で蒸し焼きした石炭系炭化物等が例示される。
本発明において用いられる活性炭の陽イオン交換容量はとくに限定されないが、本発明の植物育成培地または土壌改良資材のうち、陽イオン交換容量が110me/100g以上である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含むものは好ましく、同容量が140me/100g以上である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含むものはより好ましい。
また、本発明において用いられる活性炭の交換性石灰含有量(CaO)はとくに限定されないが、同含有量が700mg/100g以上である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含むものは好ましく、同含有量が740mg/100g以上である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含むものはより好ましい。
本発明の植物育成培地または土壌改良資材は、pHについての制限はなく、高度浄水処理に用いられた活性炭のpHを調整することなくそのまま用いることができる。
植物の生育に対する影響を考慮すると、本発明の植物育成培地または土壌改良資材におけるpHは5.0〜7.5が好ましく、5.5〜7.0がより好ましい。
本発明の植物育成培地または土壌改良資材は、粒径についての制限はなく、高度浄水処理に用いられた活性炭を、粒径を調整することなくそのまま用いることができる。
水分保持機能を考慮すると、本発明の植物育成培地または土壌改良資材における粒径としては4mm以下のものを含むものが好ましく、2mm以下のものを含むものはより好ましい。
また、粒径が2mm以下である高度浄水処理に用いられた活性炭が、高度浄水処理に用いられた活性炭全体の80%容量以上であるものは好ましい。
本発明の植物育成培地または土壌改良資材は、高度浄水処理に用いられた活性炭のみからなるものであってもよい。
また、本発明の植物育成培地には、適宜他の成分、たとえば肥料、腐葉土、土壌改良資材等を添加することができる。かかる他の成分として、さらに育苗培養土を含むものは、植物の生育をより効率的に行うことができるため好ましい。
かかる培養土に含まれる原料資材も限定されないが、たとえばピートモス、バーミキュライト、パーライト、土壌、肥料、ヤシ殻、その他の素材(砂、粘土、ゼオライト、堆肥、ロックウール、発泡スチロール粒、軽石、赤玉土等)を例示することができる。
本発明の土壌改良資材にも、用いられる土壌の性状に応じて、他の資材を適宜添加することができる。かかる他の資材として、バーク堆肥、腐葉土、泥炭、もみがら等の有機質系土壌改良資材、パーライト、バーミキュライト、ゼオライト、ベントナイト、けいそう土等無機質系土壌改良資材、ポリエチレンイミン系およびポリビニルアルコール系等の高分子系土壌改良資材等、さらに植物の生育に有用な微生物が挙げられる。
これらの土壌改良資材のうち、植物の生育に有用な微生物を本発明の植物育成培地または土壌改良資材に含まれる高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭に担持して処理することは好ましい。かかる担持処理によって、該微生物の増殖が促進されるからである。
かかる微生物としては、細菌類、放線菌類、糸状菌類等が挙げられるところ、細菌類および糸状菌類が好ましく、とくに植物の病原菌に対する拮抗作用を有する、糸状菌であるトリコデルマ属菌、アスペルギルス属菌およびペニシリウム属菌ならびに細菌であるバチルス属菌からなる菌群がとくに好ましい。
また、植物の生育に有用な微生物を本発明の植物育成培地または土壌改良資材に含有せしめる場合、該微生物は高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭に担持させてもよく、この場合、該担持体(使用済み活性炭)に栄養成分を添加して得られる培地に微生物を培養処理して含有せしめてもよい。したがって、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭は、適宜通常の微生物担持体に含まれる栄養成分を配合することによって、微生物資材の成分、すなわち微生物担持体として良好に用いることができる。前記栄養成分としては、米ぬかが例示される。
微生物担持体に用いられる使用済み活性炭にとくに制限はないところ、本発明の植物育成培地または土壌改良資材に用いられるものと同様なものを好適に用いることができる。
また、本発明の微生物資材において、微生物を微生物担持体に担持させる方法や各成分の量等はとくに制限されず、通常の方法および量を用いて行うことができる。たとえば上記他の成分として米ぬかを用いる場合、米ぬかの添加量として、使用済み活性炭:米ぬかとして2:1〜5:1の容積の割合は好ましく、3:1〜4:1はより好ましい。また、微生物の培養条件を好適にするために水を用いることができるところ、水としては蒸留水を用いてよい。水の添加割合は使用済み活性炭:水として10:1〜5:1の容積の割合が好ましく、8:1〜6:1の割合はより好ましい。
また、本発明の土壌改良資材は、植物の栽培に好適な土壌の性質の変化を付与することを目的として土壌に施用されるものであるところ、その用途は制限されず、農業、園芸、緑化等の種々の用途に用いることができる。
さらに、本発明の植物育成培地または土壌改良資材は、その使用目的に応じて、セル成型苗用またはポット育苗用等の制限されない用途に用いることができる。
高度浄水処理に用いられた活性炭を他の成分とともに用いて本発明の植物育成培地とする場合、同活性炭の植物育成培地における割合はとくに制限されない。かかる割合は、5〜50%容量が好ましく、10〜40%容量がより好ましい。
また、本発明の植物育成培地または土壌改良資材の成分のうち、高度浄水処理に用いられた活性炭が土壌に添加される量はとくに制限されない。かかる量は、3〜50%容量が好ましく、10〜40%容量がより好ましく、20〜35%容量がさらにより好ましい。
本発明の植物育成培地または土壌改良資材の製造方法は、最終物が高度浄水処理に用いられた活性炭を含むものであればとくに制限はない。すなわち、本発明の植物育成培地または土壌改良資材は、高度浄水処理に用いられた活性炭を採取し、かかる活性炭自体を培地または土壌改良資材としたり、適宜他の資材を添加して製造することができる。
他の資材を添加する場合、それらの添加時期は、とくに制限されない。たとえば、植物育成培地を製造する際には、本発明の使用済み活性炭に当該他の資材添加混合したり、あるいは予め本発明の使用済み活性炭に他の資材を添加混合した後数カ月間放置し、最終的な植物育成培地として製造することが例示される。
なお、本発明の使用済み活性炭として、浄水場から排出・回収後にフレコン等の包装資材に収納し、運搬・保存したものを用いることができる。
本発明は、植物を育成する方法として、高度浄水処理に用いられた活性炭を含む植物育成培地または土壌改良資材を含む土壌で植物を生育せしめる工程を含む方法も提供する。当該植物育成培地または土壌改良資材は、それぞれ本発明にかかる植物育成培地または土壌改良資材に相当する。
本発明の植物を育成する方法は、高度浄水処理に用いられた活性炭を含む植物育成培地または土壌改良資材を含む土壌で植物を生育せしめる工程を含むものであればとくに制限はなく、他の工程は通常のとおりに行うことができる。
本発明の植物育成培地または土壌改良資材および/または植物を育成する方法を用いる対象とする植物種もとくに限定されない。かかる対象となる植物種として、以下を例示することができる:
園芸作物(例えば、野菜、花卉、果樹等)、食用作物(例えば、禾穀類、豆類、芋類等)、飼料作物(例えば、牧草類、青刈飼料作物類、根菜類、緑肥類等)、工芸作物(例えば、繊維料、油料、糖料、デンプン、嗜好料、ゴム・樹脂料、香料、香辛料、染料、薬料等)などが挙げられる。
より具体的には、たとえばトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、トウガラシ、オクラ、イチゴ、キュウリ、スイカ、メロン、カボチャ、ラッカセイ等の果菜類、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、カリフラワー、メキャベツ、ホウレンソウ、レタス、シュンギク、セルリー、ニラ、アスパラガス、ウド、カイワレダイコン、ミツバ、パセリ、シソ、クレソン、ネギ類、コマツナ等のツケナ類、ハーブ類等の葉茎菜類、ダイコン、ラディッシュ、ニンジン、カブ、タマネギ、ゴボウ、ショウガ、ニンニク等の根菜類、チンゲンサイ等の中国野菜、温州ミカン等の柑橘、リンゴ、ナシ、ブドウ、モモ、カキ、クリ、ウメ、オウトウ、ビワ、パイナップル、バナナ等の果樹類、イネ、麦類、トウモロコシ等の穀類、ダイズ、エンドウ等の豆類、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ等の芋類等などの食用植物、ナタネ、タバコ、チャ等の工芸作物、その他飼料作物等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、キク類、クリサンセマム類、デージー、アゲラタム、コスモス、ガーベラ、マリーゴールド等のキク科草花、アリッサム、ハボタン等のアブラナ科草花、クロッカス、アイリス類等のアヤメ科草花、アマリリス、アリストロメリア等のヒガンバナ科草花、ヒアシンス、チューリップ等のユリ科草花、アネモネ、シャクヤク等のキンポウゲ科草花、カーネーション、ナデシコ類等のナデシコ科草花、トレニア等のゴマノハグサ科草花、ロベリア等のキキョウ科草花、ポインセチア等のトウダイグサ科草花、プリムラ、シクラメン等のサクラソウ科草花、ゴデチア等のアカバナ科草花、ペチュニア等のナス科草花、アサガオ等のヒルガオ科草花、サルビア、コリウス等のシソ科草花、シバザクラ等のハナシノブ科草花、インパチェンス等のツリフネソウ科草花、トルコギキョウ等のリンドウ科草花、ポピー等のケシ科草花、マツバギク等のツルナ科草花、ヘチマ等のウリ科草花、ゼラニウム等のフウロソウ科草花、スイートピー等のマメ科草花、セントポーリア等のイワタバコ科草花、ゼニアオイ等のアオイ科草花、ヒマラヤユキノシタ等のユキノシタ科草花、ケイトウ等のヒユ科草花、スターチス等のイソマツ科草花、パンジー等のスミレ科草花、バーベナ等のクマツヅラ科草花、ベゴニア等のシュウカイドウ科草花、マツバボタン等のスベリヒユ科草花、ニチニチソウ等のキョウチクトウ科草花、
カランコエ、シラン、ネモフィラ、ワスレナグサ、オシロイバナ、カラー、カンナ、クレオメ、コキア、セイヨウマツムシソウ、トケイソウ、ホテイアオイ、ムラサキツユクサ、オキザリス、ブバルディア、スイレン等の草花、イチリンソウ類、コザクラ類、カタクリ、スミレ等の山野草、アジアンタム、オリヅルラン、ガジュマル、カラジウム、クンシラン、ゴールドクレスト、ゴムノキ、サボテン類、スパティフィラム、ドラセナ、パキラ、ハイビスカス、ヘデラ、ベンジャミン、ポトス、ヤシ類等の観葉植物、
シンビジウム、ファレノプシス、エビネ等のラン類、ウメ、サクラ、バラ、カナメモチ等のバラ科樹木、シャクナゲ、ドウダンツツジ、ツツジ、サツキ等のツツジ科樹木、マンサク等のマンサク科樹木、エニシダ、フジ、ハギ等のマメ科樹木、サンゴジュ等のスイカズラ科樹木、キンモクセイ、ヒイラギ等のモクセイ科樹木、ハナミズキ、アオキ等のミズキ科樹木、モクレン等のモクレン科樹木、ジンチョウゲ等のジンチョウゲ科樹木、ツバキ、サザンカ等のツバキ科樹木、アジサイ等のユキノシタ科樹木、ロウバイ等のロウバイ科樹木、エゴノキ等のエゴノキ科樹木、ムベ等のアケビ科樹木、マサキ等のニシキギ科樹木、ムクゲ等のアオイ科樹木、キンポウジュ等のフトモモ科樹木、ヒノキ等のヒノキ科樹木、コウヤマキ、スギ等のスギ科樹木、カシ類等のブナ科樹木、キョウチクトウ等のキョウチクトウ科樹木、キンシバイ等のオトギリソウ科樹木、クチナシ等のアカネ科樹木、イヌツゲ等のモチノキ科樹木、マツ類等のマツ科樹木、ヤツデ等のウコギ科樹木、ユズ等のミカン科樹木、ヤブコウジ等のヤブコウジ科樹木、
ゲッケイジュ、ベニバナトチノキ、トベラ、ヒイラギナンテン、ボタン、グミ、ザクロ、サルスベリ、シコンノボタン、ノウゼンカズラ、ブッドレア、ヤマモモ、リョウブ、キウイ、センリョウ、ナンテン、ムラサキシキブ、イヌマキ、カエデ類、クヌギ、ケヤキ、シラカバ、ツゲ、チョウセンマキ、ナツツダ、ユズリハ、タケ、ササ等の観賞用園芸植物、芝草類(ギョウギシバ属、シバ属、イヌシバ属、コヌカグサ属、ウシノケグサ属、イチゴツナギ属、ゾクグギ属)等、その他グランドカバーに用いられる植物(イワダレソウ、シバザクラ、リュウノヒゲ等)等を例示することもできる。
これらの植物のうち、本発明には、トマト、ナス、ピーマン、シシトウ、トウガラシ、オクラ、イチゴ、キュウリ、スイカ、メロン、カボチャ、ラッカセイ等の果菜類、キュウリ、ハクサイ、ブロッコリー、カリフラワー、メキャベツ、ホウレンソウ、レタス、シュンギク、セルリー、ニラ、アスパラガス、ウド、カイワレダイコン、ミツバ、パセリ、シソ、クレソン、ネギ類、コマツナ等のツケナ類が好ましく、トマト、ナス、キュウリ、キュウリ、レタスおよびコマツナがとくに好ましい。
また、本発明植物育成培地または土壌改良資材はシバ類にも好ましく用いられ、とくにコウライシバ(オアシスフィールド等)およびイワダレソウまたはそれらの改良種(クラピア等)等にとくに好ましく用いられる。
本発明の植物育成培地または土壌改良資材は、少雨高温条件下においても、その優れた保水性等の特性により好ましく用いられる。したがって、本発明の植物育成培地または土壌改良資材は、かかる条件下にさらされやすい屋上緑化用植物等の栽培にとくに好ましく用いられる。かかる屋上緑化用植物として、シバ類を挙げることができる。
さらに、節水効果および灌水の手間を軽減する効果がある、いわゆる薄層緑化システム(たとえば草かんむり(登録商標。以下同様。))との併用においても、本発明の植物育成培地または土壌改良資材は好ましく用いられる。
本発明は、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を植物育成培地または土壌に添加する工程を含む、土壌の肥料保持力を高める方法も提供する。当該土壌改良資材は、本発明にかかる土壌改良資材に相当する。
本発明の土壌の肥料保持力を高める方法において当該土壌改良資材を土壌に添加する方法はとくに限定されず、従来の土壌改良資材を方法に従い、十分に土壌に混合するなどすればよい。
当該土壌改良資材を配合する割合は、とくに限定されないところ、好ましくは土壌に対して5〜30%であり、より好ましくは10〜25%であり、最も好ましくは15〜20%である。
次に、実施例および/または試験例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例および/または試験例は単なる例示であって、いかなる意味においても本発明を制限するものではない。
(実施例1)
・資材の調製
高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭(三郷浄水場および金町浄水場から排出されたもの。表中では、それぞれ「使用済炭(三郷)」および「使用済炭(金町)」と表記)、未使用活性炭(表中では「未使用炭」と表記)、籾殻薫炭、木炭、パーライト、ゼオライトを調製した。
「(三郷)」および「(金町)」の各使用済炭は、それぞれ10年間および8年間高度浄水処理に供されたものであり、排出・回収が2008年に複数回にわたり行われたものを区別せずに用いた。また、当該使用済炭は、排出・回収後、フレコン(1m)で包装された状態で天日在庫にて保存した。
各資材の化学性、物理性および粒度分布は、それぞれ表1〜3に示すとおりであった。
表中、「EC」は電気伝導率を表し、「CEC」は陽イオン交換容量を表す。
・供試植物
コマツナを用いた。
・試験・調査方法
各対象資材にコマツナを直接播種し、発芽・初期生育への影響、生育障害の有無を調査した。
・試験結果・考察
図1に示すとおり、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む本発明の植物育成培地を用いると、未使用炭および他の鉱物系資材を用いた場合に比較して、コマツナの生育が著しく促進された。
とくに未使用炭処理区に比べて生育が良好であったことから、高度浄水処理を経ることにより、活性炭に生育促進効果が付加されたといえる。また、生育障害は生じなかった。
なお、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭は、化学性において、CECが高く、また、無機態窒素およびCaOの量が多い傾向にあった(表1)。また、物理性については、同使用済み活性炭と未使用炭の間に顕著な差異はなかった(表2)。
上記使用済み活性炭の粒径は、2−1mmの範囲のものが極めて多かった(表3)。
(実施例2)
・資材の調製
通常の育苗培養土に高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭(三郷浄水場から排出されたもの)を10%添加または添加しないものを調製した。
当該使用済炭は、10年間高度浄水処理に供されたものであり、排出・回収が2004年に複数回にわたり行われたものを区別せずに用いた。また、当該使用済炭は、排出・回収後、フレコン(1m)で包装された状態で天日在庫にて保存した。
・供試植物
トマトおよびキュウリを用いた。
・試験・調査方法
各対象資材にトマトおよびキュウリをそれぞれ直接播種し、その後の生育を葉数、胚軸長、地上部重、地下部重、草丈について調査した。
・試験結果・考察
上記使用済み活性炭の添加により、トマト、キュウリ共に生育が高まり、特に根張りが良好になった(表4および5、図2〜4)。
(実施例3)
・資材の調製
セル用培養土の原料としての利用可能性の調査を目的とした。
基本組成(ピートモス+バーミキュライト50%容量ずつ。以下「PV」と略記)をベースに供試資材を規定量混合し(表6)、さらに添加する肥料はすべての処理区で同量(N:P:KO=120:1,200:150mg/L)として調製した。
「(三郷)」および「(金町)」の各使用済炭は、それぞれ10年間および8年間高度浄水処理に供されたものであり、排出・回収が2004年に複数回にわたり行われたものを区別せずに用いた。また、当該使用済炭は、排出・回収後、フレコン(1m)で包装された状態で天日在庫にて保存した。
・供試植物
キャベツ(品種:彩里)およびレタス(品種:しずか)を用いた。
・試験・調査方法
播種日:2008年7月29日に128穴トレイに播種し、同年8月6日、8月12日および8月20日に、植物の生育(地上部の生体重および乾物重ならびに地下部の乾物重)、培養土の物理・化学性の調査を行った。
・試験結果・考察
上記使用済み活性炭の添加により、キャベツおよびレタス共に生育が高まった(表7、図4および5)。
各培養土の物理・化学性は表8に示すとおりであった。
(実施例4)
・資材の調製
育苗培土(土太郎、登録商標)に使用済み活性炭(「使用済炭」。金町浄水場にて高度浄水処理に用いられた活性炭)を下記表9に示す割合で添加して資材(培土)を調製した。
当該使用済炭は、8年間高度浄水処理に用いられたものであり、排出・回収が2004年に複数回にわたり行われたものを区別せずに用いた。また、当該使用済炭は、排出・回収後、フレコン(1m)で包装された状態で天日在庫にて保存した。
・供試植物
トマトを用いた。
・試験・調査方法
8月24日にトマト苗を各処理区に移植し(9cmポリポット)、9月16日に、植物の生育(葉数、草丈、地上部重および地下部重)の調査を行った。また、用いた資材の化学性の調査も行った。
・試験結果・考察
土太郎(登録商標)への使用済炭の添加により、カルシウムが増加し、カリウムとマグネシウムは減少した(表10)。
栽培試験では、使用済炭5%以上の添加で地上部、地下部共に若干生育がよくなった。特に地下部の生長がよくなった(表11)。
以上の結果より、本発明の植物育成培地は、各種植物の生育を促進する効果があることが明らかになった。同植物育成培地は、とくに地下部の生長に対して好ましい影響を及ぼすことが明らかになった。
また、本発明の植物育成培地においては、無機態窒素およびCaOの量が多い傾向にあり、またpHが弱塩基性で植物にとって適正である。しかしながら、本発明の植物育成培地による植物の生育を促進する効果は、これらの因子が組み合わさった場合に一般に予測される効果をはるかに上回る驚くべきものである。
(実施例5)
(1)実験方法
高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭が添加された土壌における当該土壌についての改良効果を調査するために、以下の各試料を用い、栽培・調査を行った。
・供試土壌:マサ土
・供試資材:バーク堆肥に次の資材を20%容量混合したものを供試資材とした(表12):
高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭(金町)、未使用炭、木炭、籾殻薫炭、比較対照として無添加
・供試植物:ホウレンソウ、コマツナ
・栽培方法:供試資材はバーク堆肥2t(4m)/10aを基準に供試土壌と混合しプランターで試験を行った。また化成肥料を全ての区に慣行に従い施用した(施肥量:N:P:KO=10:10:10kg/10a相当)。
・調査項目:生育調査、土壌の化学性
(2)実験結果
土壌の化学性については、EC、無機態窒素は、使用済炭区(高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を用いた区)が他区に比べて高く、交換性無機成分は使用済炭区のカルシウムが他区に比べて顕著に高く、CECは使用済炭区が他区に比べて顕著に高かった(表13)。
植物の生育については、ホウレンソウ、コマツナともに使用済炭区が他区に比べて生育が良好であった(表14および15)。
これらの結果から、本発明の土壌改良資材は、従来の土壌改良資材であるバーク堆肥を上回る土壌改良効果があることが明らかになった。とくに、CEC(肥料保持力の指標)の改善が顕著であった。
(実施例6)
(1)試験方法
各種土壌に対する本発明の土壌改良資材の効果を明らかにすることを目的として、下記試験を行った。
・供試土壌:黒ボク土(千葉大学柏農場内畑土)およびマサ土(愛知県内のマサ土)
・供試資材:高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭(金町浄水場で8年間使用され、平成20年度に発生したもの)、未使用炭、木炭、籾殻薫炭、ゼオライト
・供試植物:コマツナ
・栽培方法:上記供試土壌に各供試資材を表16に記載の割合で添加した。また、化成肥料8-8-8を全ての処理区に施用し(施肥量:N:P:KO=20:20:20kg/10a相当)、その後通常の管理を行った(播種日:平成21年3月28日、調査日:平成21年4月15日)。
・調査項目:播種17日後におけるコマツナの生育調査、および各処理区において用いられた培養土の物理化学性
(2)試験結果
高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を処理した区においては、いずれにおいてもコマツナの生育は良好であり、とくにマサ土を用いた場合の生育は他の処理区より顕著に良好であった(図6)。
すなわち、本発明の土壌改良資材は、植物の生育を促進する効果があり、肥料分の乏しい土壌においてその効果がとくに顕著であることが明らかになった。
(実施例7)
(1)試験方法
使用済み活性炭の混合割合の違いが土壌改良効果に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、下記試験を行った。
・供試土壌:マサ土(愛知県内のマサ土)
・供試資材(改良資材):高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭(金町浄水場で8年間使用され、平成20年度に発生したもの)、木炭、籾殻薫炭
・供試植物:コマツナ
・栽培方法:上記供試土壌に各供試資材を1、3、5、10、20または40%v/vの割合で添加・混合した。また、化成肥料8-8-8を全ての処理区に施用し(施肥量:N:P:KO=20:20:20kg/10a相当)、通常の栽培管理を行った(播種日:平成21年10月15日、調査日:平成21年10月30日)。
・調査項目:播種15日後におけるコマツナの生育調査、および各培養土の物理化学性
(2)試験結果
高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を処理した区においては、いずれの混合割合においてもコマツナの生育は良好であり、3%v/v以上の割合で混合した場合には、とくに明りょうな生育促進効果が認められた(図7および8)。
1、3、5、10、20または40%v/vの割合の中では、20%v/vの場合に最も顕著な生育促進効果が認められた(図8)。したがって、本試験においては、本発明の土壌改良資材の最も適した混合割合は、土壌に対して20%v/v〜40%v/vであると考えられた。
(実施例8)
(1)試験方法
屋上緑化用培地の原料としての使用済み活性炭の利用可能性を検討することを目的として、下記試験を行った。とくに、今後需要の増大が期待されるグランドカバー植物を対象とした薄層緑化システムを用いて検討を行った。
1)屋外試験:薄層緑化システム「草かんむり」(住友林業緑化株式会社製)を用いた試験
・供試培地:造粒ケーキ(浄水ケーキを造粒・乾燥したもの)、剪定枝堆肥(剪定枝葉を堆肥化したもの)およびココピート(ヤシ殻の解砕物)からなる従来の培地に、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭(金町浄水場で平成20年度に発生したもの)を0または20%v/v混合したもの(表17)
・供試植物:コウライ、オアシスフィールド(品種名)およびクラピア(品種名)
・栽培方法:各処理区に上記供試植物を栽植した後、屋外にて通常の栽培管理を行った(栽植日:平成21年4月23日)。
・調査項目:各培地の物理・化学性を調査するとともに、供試植物の生育調査を、平成21年10月下旬まで目視にて行った。
生育調査は、供試植物の状態を、下記の指標を含む0〜10の11段階にて評価して行った。6〜9および1〜4の段階については、5および10ならびに0および5に相当する状態を考慮して判断した。
10 :正常
5 :緑色であるが、葉が細く乾燥している
0 :枯死
2)屋内試験:屋上に生じやすい少雨高温条件における、培地性能試験
・供試培地:造粒ケーキ、剪定枝堆肥およびココピートからなる従来の培地に、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭(金町浄水場で平成20年度に発生したもの)を0、10、20または40%v/v混合したもの(表17)
・供試植物:コウライ
・栽培方法:各処理区にコウライを小規模の容器(大きさ:0.3m×0.3m×0.1m)に栽植した後、灌水制御ができる屋内にて栽培および灌水の管理を行った(栽植日:平成21年4月23日)。なお、5月25日〜6月18日まで、および8月31日〜試験終了まで、それぞれ第1回および第2回の灌水停止を行い、乾燥条件を創出した。
・調査項目:コウライの生育調査を平成21年10月中旬まで、目視にて上記指標に基づき行った。

(2)試験結果
(2−1)各培地の物理・化学性
各培地の化学性は、表18〜19に示すとおりであった。
すなわち、pH、ECについては各処理区間に有意な差はなく、無機態窒素については使用済み活性炭の添加量が増加するに従って、アンモニア態のものは減少し、硝酸態のものは増加した(表18)。また、全窒素量は、各処理区間に差はなかった(表18)。
有効態リン酸の量は各処理区間に差はなく、交換性無機成分については、使用済み活性炭の添加量が増加するに従って、カリウム、カルシウム、マグネシウムはいずれも増加し、とくにカルシウムの増大が顕著であった(表19)。CECも、使用済み活性炭の添加量が増加するに従って増大した(表19)。
各供試培地の物理性は表20に示した。これらのうち、易有効水分量は、使用済み活性炭の添加量が増加するに従って減少した。全孔隙率は、使用済み活性炭の添加量が増加するに従って増加し、三相分布は、使用済み活性炭の添加量が増加するに従って、気相および液相がやや増加し、固相はやや減少した。
また、飽和透水係数は、使用済み活性炭の添加量が増加するに従って顕著に高まった。
(2−2)シバの生育
1)屋外試験における生育
いずれのシバ類においても、本発明の植物育成培地において管理した区ではシバ類の生育が促進された(図9〜図12)。とくに、クラピアおよびオアシスフィールドでは、全試験期間にわたり、生育が顕著に促進された(図12)。
2)屋内試験(少雨高温条件下)における生育
いずれの処理区においても、本発明の植物育成培地において管理した区ではシバ類の生育が促進された(図13〜図14)。とくに、栽培中期(9月前半)までは20%混合区および40%混合区における生育がより良好であり、それ以降は20%混合区において、シバ類の生育は最も良好に促進されていた(図14)。
これらの結果から、本発明の植物育成培地は、高温少雨の、過酷な環境となりやすい屋上における屋上緑化用のものとしても用い得ることが示された。
(実施例9)
(1)試験方法
使用済み活性炭の有用微生物(トリコデルマ属菌、アスペルギルス属菌、ペニシリウム属菌およびバチルス属菌)の担持体としての有効性を明らかにすることを目的として、下記試験を行った。
(a)表21に示した各担持体と米ぬかとを約8:2の割合で混合し、調製された混合物に蒸留水を添加した。蒸留水の添加量は、表21に示すとおりであった。使用済み活性炭(金町浄水場で8年間使用され、平成20年度に発生したもの)は水分含量が大きいため、水分添加量を他の処理区の1/2とし、水分条件を調整した。
(b)(a)で得られた混合物を121℃、1時間で高圧滅菌して供試培地を得た。
(c)放冷後、上記供試培地に各供試菌を植え付けた。
(d)(c)で得られた、各供試菌を植え付けた供試培地を28℃で2週間培養した。
(e)希釈平板法により、各培地における菌密度を測定した。
(2)結果
表22に示すとおり、使用済み活性炭を用いた微生物担持体は、いずれの細菌についても他の担持体を上回る菌密度を示した。とくに、現在微生物担持体として汎用されているバーミキュライトと比較しても、有用微生物(トリコデルマ属菌、アスペルギルス属菌、ペニシリウム属菌およびバチルス属菌)に対する使用済み活性炭を用いた微生物担持体の増殖促進活性は優れていた。
本発明によれば、各種植物の生育を促進することができる。また、本発明は、高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭の効率的な処理に資する。したがって、本発明は、植物栽培関連産業および水質浄化産業の発展に寄与するところ大である。

Claims (11)

  1. 高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、植物育成培地または土壌改良資材。
  2. 粒径が4mm以下である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、請求項1に記載の植物育成培地または土壌改良資材。
  3. 粒径が2mm以下である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭が、前記活性炭全体の80%容量以上である、請求項2に記載の植物育成培地または土壌改良資材。
  4. 高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を植物育成培地または土壌改良資材の全体に対して5〜50%容量含む、請求項1〜3のいずれかに記載の植物育成培地または土壌改良資材。
  5. 陽イオン交換容量が110me/100g以上である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の植物育成培地または土壌改良資材。
  6. 交換性石灰含有量(CaO)が700mg/100g以上である高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の植物育成培地または土壌改良資材。
  7. 植物の生育に有用な微生物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の植物育成培地または土壌改良資材。
  8. シバ類の生育に用いられる、請求項1〜7のいずれかに記載の植物育成培地または土壌改良資材。
  9. 植物の生育に有用な微生物を含む微生物資材であって、該微生物の担持体として高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を用いる、微生物資材。
  10. 高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を含む植物育成培地または土壌改良資材を含む土壌で植物を生育せしめる工程を含む、植物を育成する方法。
  11. 高度浄水処理に用いられた使用済み活性炭を植物育成培地または土壌に添加する工程を含む、土壌の肥料保持力を高める方法。
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