JP2010213443A - 電力調整器 - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷の電力線の本数および電力調整器の数を削減するとともに、位相制御などの早い制御を可能にする。
【解決手段】3本の第1の電力線L1−1〜L1〜3と3本の第2の電力線L2−1〜L2−3とを、仮想的にそれぞれ横(行)方向と縦(列)方向とに平行に配列したときの各交差部分に、熱板1を加熱する9個の第1〜第9のヒータ2−1〜2−9を接続し、第1〜第6の電力調整器3−1〜3−6を制御して、各ヒータ2−1〜2−9を選択して駆動し、各電力調整器3−1〜3−6は、第1の電力調整器3−1の同期信号生成手段7で生成される同期信号に同期して各開閉手段10の開閉を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】3本の第1の電力線L1−1〜L1〜3と3本の第2の電力線L2−1〜L2−3とを、仮想的にそれぞれ横(行)方向と縦(列)方向とに平行に配列したときの各交差部分に、熱板1を加熱する9個の第1〜第9のヒータ2−1〜2−9を接続し、第1〜第6の電力調整器3−1〜3−6を制御して、各ヒータ2−1〜2−9を選択して駆動し、各電力調整器3−1〜3−6は、第1の電力調整器3−1の同期信号生成手段7で生成される同期信号に同期して各開閉手段10の開閉を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヒータなどの負荷へ供給する電力を調整する電力調整器に関する。
従来、例えば、被加熱物を、熱板上に載置して加熱処理するような温度制御においては、温度調節器は、熱板に配設された温度センサからの検出温度に基づいて、熱板の温度が設定温度になるように、熱板に配設されたヒータの通電を制御することにより行なわれる(例えば、特許文献1参照)。
前記熱板に、複数のヒータおよび複数の温度センサを配設して複数の制御点、すなわち、複数チャンネルの温度制御を行なう場合には、各ヒータを個別に駆動できるように、各ヒータと電源とを、スイッチング素子を内蔵した電力調整器を介してそれぞれ接続し、前記電力調整器のスイッチング素子の開閉を制御して各ヒータを独立に駆動できるようにしている。
このため、チャンネル数が多くなる程、電力調整器の個数およびヒータの電力線の本数が増大し、電力線は、熱板とスイッチング素子との間を長く引き回されることになり、空間設計や配線作業が煩雑になるといった課題がある。
更に、負荷がランプヒータなどの場合には、常温の立ち上げ時には、抵抗値が非常に低いために、過大な電流が流れるのを防止するために、位相制御などの高速な電力制御を行う必要がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みて為されたものであって、負荷の電力線の本数および電力調整器の個数を削減できるとともに、位相制御などの高速な電力制御が可能な電力調整器を提供することを目的とする。
(1)本発明の電力調整器は、複数の第1の電力線と複数の第2の電力線との間に、複数の負荷が接続され、前記複数の第1の電力線が、複数の第1の開閉手段をそれぞれ介して電源に接続される一方、前記複数の第2の電力線が、複数の第2の開閉手段をそれぞれ介して前記電源に接続され、前記複数の第1の電力線と前記複数の第2の電力線とを、それぞれ仮想的に横方向と縦方向とに平行に配列したときに、両電力線が交差する部分で、前記複数の各負荷の一端が前記第1の電力線に接続されるとともに、他端が前記第2の電力線に接続され、前記複数の第1の開閉手段および前記複数の第2の開閉手段の少なくとも1個の開閉手段の開閉を制御する電力調整器であって、同期信号に基づいて、前記少なくとも1個の開閉手段の開閉を制御するものである。
負荷としては、例えば、ヒータ、ランプ、あるいはモータなどがある。
電源は、直流電源であってもよいし、交流電源であってもよい。
開閉手段は、リレーであってもよいし、トランジスタ、サイリスタあるいはトライアック等の半導体素子であってもよい。
開閉手段は、当該電力調整器に内蔵されてもよいし、当該電力調整器とは別であってもよい。
「前記複数の第1の電力線と前記複数の第2の電力線とを、それぞれ仮想的に横方向と縦方向とに平行に配列」とは、複数の第1の電力線、複数の第2の電力線および複数の負荷の実際の物理的な配列に拘らず、両電力線と負荷との接続状態を定義するための仮想的な配列をいう。したがって、この仮想的な配列は、両電力線および負荷の実際の物理的な配列を制約するものではない。
また、「横方向と縦方向とに平行に配列」とは、複数の第1の電力線を横方向(行方向)に平行に配列し、複数の第2の電力線を縦方向(列方向)に平行に配列することをいい、したがって、両電力線が交差する部分が生じる。
「両電力線が交差する部分で、前記複数の各負荷の一端が前記第1の電力線に接続されるとともに、他端が前記第2の電力線に接続され」とは、仮想的に配列された両電力線が交差する部分に対応して、各負荷が両電力線間に電気的に接続されることをいう。
複数の第1の電力線および複数の第2の電力線は、それぞれ横方向(行方向)および縦方向(列方向)に平行に仮想的に配列され、それらの交点に対応して各負荷が、両電力線間に接続されるので、複数の各負荷は、行方向の複数の第1の電力線と列方向の複数の第2の電力線との間に、マトリックス接続されることになる。
両電力線が交差する部分の全てに、負荷をそれぞれ接続して完全なマトリックス接続とするのが好ましいが、前記交差する部分の全てに負荷をそれぞれ接続するのではなく、負荷が接続されない前記交差する部分があってもよい。すなわち、不完全なマトリックス接続であってもよい。また、前記交差する部分に、負荷を接続しない場合には、前記両電力線とは別の電力線に接続される負荷を、前記交差する部分に対応して設けてもよい。
開閉手段の開閉量を制御して負荷に供給する電力を制御するのであるが、この電力制御は、位相制御、サイクル制御、あるいは、ON/OFF制御などが好ましい。
本発明の電力調整器によると、第1,第2の開閉手段の開閉を制御することによって、仮想的に横方向(行方向)に平行に配列された複数の第1の電力線と、仮想的に縦方向(列方向)に平行に配列された複数の第2の電力線との交差部分に接続された負荷、すなわち、行方向の複数の第1の電力線と、列方向の複数の第2の電力線との間に、マトリックス接続された負荷を選択して駆動することができ、負荷毎に、電力調整器を介して電源に個別に接続して駆動する従来例に比べて、電力線の本数および電力調整器の個数を削減することができる。
しかも、電力調整器は、同期信号に基づいて、開閉手段の開閉を制御するので、横方向(行方向)の第1の開閉手段を制御する電力調整器の開閉のタイミングと、縦方向列方向の第2の開閉手段を制御する電力調整器の開閉のタイミングとを、同期信号によって同期させることができ、これによって、位相制御などの制御周期の早い制御が可能となる。
(2)本発明の他の実施形態では、前記電源のゼロクロス点を検出して前記同期信号を生成する同期信号生成手段を備え、生成した同期信号を基準に前記少なくとも1個の開閉手段の開閉のタイミングを決定する一方、生成した同期信号を、当該電力調整器が制御する開閉手段以外の開閉手段を制御する他の電力調整器に、同期信号線を介して与えるものである。
複数の電力調整器のいずれの電力調整器で同期信号を生成するかは、ユーザによる設定で行うのが好ましく、更に、同期信号の周期などを設定できるようにするのが好ましい。
同期信号線は1本差動結線の場合は2本であるのが好ましい。
この実施形態によると、同期信号を基準に開閉手段の開閉のタイミングを決定することができ、また、ゼロクロス点を検出して同期信号を生成するので、例えば、交流電源の半波単位で同期させることができる。
(3)本発明の一つの実施形態では、前記同期信号は、当該電力調整器が制御する開閉手段以外の開閉手段を制御する他の電力調整器から同期信号線を介して与えられ、与えられる同期信号を基準に前記少なくとも1個の開閉手段の開閉のタイミングを決定するものである。
この実施形態によると、他の電力調整器から与えられる同期信号に基づいて、他の電力調整器による開閉手段の開閉のタイミングと、当該電力調整器による開閉手段の開閉のタイミングとの同期をとることができる。
(4)本発明の他の実施形態では、当該電力調整器によって制御される開閉手段が、いずれの電力線に接続されているかを示す電力線情報および該電力線に接続されている前記負荷の接続状態を示す接続状態情報の少なくとも一方の情報が記憶される記憶部を有している。
記憶部に記憶される情報は、予めユーザによって設定入力されるのが好ましい。
電力線情報は、当該電力調整器が制御する開閉手段が接続されている電力線を示すものであり、例えば、横方向(行方向)の複数の第1の電力線のいずれの電力線、あるいは、縦方向(列方向)の複数の第2の電力線のいずれの電力線であるかを示す情報である。なお、他の電力調整器によって制御される開閉手段が゛いずれの電力線に接続されているかの情報を併せて記憶してもよい。
かかる電力線情報に基づいて、当該電力調整器は、制御する開閉手段が、いずれの行、あるいは、いずれの列を制御するのかを認識することができる。
負荷の接続状態を示す接続状態情報は、電力線に接続されている負荷を示す情報を含み、更に、その負荷が、いずれの行あるいはいずれの列の負荷であるかを示す情報を含むのが好ましい。なお、他の電力調整器が制御する開閉手段が接続されている電力線についての接続状態情報を併せて記憶してもよい。
かかる接続状態情報に基づいて、当該電力調整器は、制御する開閉手段が、いずれの行あるいは列のいずれの負荷を制御するのかを認識することができる。
この実施形態によると、電力線情報や接続状態情報に基づいて、当該電力調整器が制御する開閉手段によって制御される行や列の負荷を認識することができる。
(5)本発明の更に他の実施形態では、前記複数の負荷の駆動を制御する制御装置から与えられる複数の操作量から、前記同期信号、前記電源のゼロクロス点、および、前記記憶部の情報に基づいて、当該電力調整器が制御する開閉手段に対応する操作量を求めるものである。
複数の負荷は、従来のように、電力調整器を介してそれぞれ個別に電源に接続されるのではなく、複数の第1の電力線と複数の第2の電力線との間に、マトリックス接続されているので、制御装置からの複数の操作量によって、各負荷を独立に駆動することはできす、複数の負荷を選択して駆動する必要がある。
例えば、列毎あるいは行毎に順番に駆動したり、複数の負荷を順番に駆動するといった必要があり、その駆動形態に応じて、制御装置からの複数の操作量を振り分ける必要がある。
この場合、同期信号を基準として、ゼロクロス点が検出される半波を単位として、駆動する負荷を順番に選択するのが好ましい。
この実施形態によると、負荷を選択して、例えば、列毎に順番に駆動するような場合に、記憶部には、上述の電力線情報や接続状態情報が記憶されているので、これらの情報に基づいて、同期信号を基準として、当該電力調整器が制御すべき負荷の駆動のタイミングを把握することができるので、負荷を駆動すべきタイミングで、制御装置からの複数の操作量の内、負荷に対応する操作量に応じて開閉手段の開閉量を制御することができる。
(6)本発明の他の実施形態では、前記複数の負荷の内の1個の負荷の駆動を制御する制御装置からの前記1個の負荷に対応する操作量を、予め設定されている設定値で調整して、当該電力調整器が制御する開閉手段に対応する操作量を求めるものである。
設定値は、所望の制御状態が得られるように予め設定されるのが好ましい。
この実施形態によると、制御装置は、1個の負荷に対応する操作量を出力すればよいので、負荷の状態を検出するセンサは、1個で済むことになり、複数の負荷に個別的に対応させて複数のセンサを設ける必要がなく、また、制御装置も1チャンネルの制御で済むことになり、コストを低減することができる。また、複数チャンネルの制御では、相互の干渉が強く、制御できない場合にも有効である。
本発明によれば、複数の電力線を複数の負荷で共用化しているので、従来例に比べて、電力線の本数および電力調整器の個数を削減することができ、電力線を引き回すための空間設計や配線作業が容易になるとともに、コストを低減することができる。
しかも、電力調整器による開閉手段の開閉のタイミングを、同期信号によって同期させることができ、位相制御などの高速な制御が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一つの実施形態に係る電力調整器を備える温度制御システムの概略構成図である。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る電力調整器を備える温度制御システムの概略構成図である。
この温度制御システムは、熱板1の9つの制御点の温度を制御する、9チャンネルの制御を行うものであり、熱板1には、負荷として9個の第1〜第9のヒータ2−1〜2−9および図示しない9個の温度センサが配設されている。
この実施形態では、第1〜第9のヒータ2−1〜2−9は、行方向の3本の第1の電力線L1−1〜L1〜3と、列方向の3本の第2の電力線L2−1〜L2−3との間に、マトリックス接続される。
すなわち、第1〜第3のヒータ2−1〜2−3の各一端が、上側の行方向の第1の電力線L1−1に接続され、各他端が、3本の列方向の第2の電力線L2−1〜L2−3にそれぞれ接続される。また、第4〜第6のヒータ2−4〜2−6の各一端が、中間の行方向の第1の電力線L1−2に接続され、各他端が、3本の列方向の第2の電力線L2−1〜L2−3にそれぞれ接続される。更に、第7〜第9のヒータ2−7〜2−9の各一端が、下側の行方向の第1の電力線L1−3に接続され、各他端が、3本の列方向の第2の電力線L2−1〜L2−3にそれぞれ接続される。
つまり、3本の第1の電力線L1−1〜L1−3を行方向に平行に配列し、3本の第2の電力線L2−1〜L2−3を列方向に平行に配列したときに、両電力線L1−1〜L1−3,L2−1〜L2−3が交差する部分、すなわち、9箇所の交差部分で、第1〜第9のヒータ2−1〜2−9の各一端が第1の電力線L1−1〜L1−3にそれぞれ接続されるとともに、各他端が第2の電力線L2−1〜L2−3にそれぞれ接続されている。
なお、3本の第1の電力線L1−1〜L1−3を行方向に平行に配列し、3本の第2の電力線L2−1〜L2−3を列方向に平行に配列しているが、かかる配列は、必ずしも両電力線L1−1〜L1−3,L2−1〜L2−3の実際の物理的配列を示すものではなく、両電力線L1−1〜L1−3,L2−1〜L2−3と各ヒータ2−1〜2−9との接続状態を明確に示すための仮想的な配列である。
熱板1から引き出された3本の行方向の第1の電力線L1−1〜L1−3の各接続用端子X1〜X3は、第1〜第3の電力調整器3−1〜3−3を介して交流電源4の一端に接続される。また、熱板1から引き出された3本の列方向の第2の電力線L2−1〜L2−3の各接続用端子Y1〜Y3は、第4〜第6の電力調整器3−4〜3−6を介して交流電源4の他端に接続される。
このように9個のヒータ2−1〜2−9は、3本の行方向の第1の電力線L1−1〜L1−3と3本の列方向の第2の電力線L2−1〜L2−3との間に、マトリックス接続されているので、行方向に対応する第1〜第3の電力調整器3−1〜3−3と、列方向に対応する第4〜第6の電力調整器3−4〜3−6とを制御することにより、いずれかのヒータ2−1〜2−9を選択して交流電源4からの電力によって駆動することができる。
この温度制御システムは、熱板1に配設された9個の図示しない温度センサからの検出温度(PV1〜PV9)と設定温度目標温度とに基づいて、PID演算等を行って算出される9チャンネル分の操作量(MV1〜MV9)を第1〜第6の電力調整器3−1〜3−6に出力する温度調節器5と、この温度調節器5からの操作量に基づいて、9個のヒータ2−1〜2−9への交流電力を位相制御する上述の第1〜第6の電力調整器3−1〜3−6とを備えている。
温度調節器5は、熱板1に配設された図示しない9個の温度センサからの検出温度(PV1〜PV9)と目標温度とに基づいて、PID演算等を行って9チャンネル分の操作量(MV1〜MV9)を出力するものであり、従来と同様の構成である。
この実施形態では、各電力調整器3−1〜3−6は、温度調節器5からの操作量MV1〜MV9に基づいて、第1〜第9のヒータ2−1〜2−9を、1列ずつ順番に時分割で駆動する、いわゆる、列スキャン(走査)を行う。
この列スキャンでは、先ず、第1の列のヒータ2−1,2−4,2−7が選択されて対応する操作量MV1,MV4,MV7に応じて駆動され、次に、第2の列のヒータ2−2,2−5,2−8が選択されて対応する操作量MV2,MV5,MV8に応じて駆動され、更に、第3のヒータ2−3,2−6,2−9が選択されて対応する操作量MV3,MV6,MV9に応じて駆動され、以下、再び、第1の列から順番にスキャンされる。
各電力調整器3−1〜3−6は、交流電源4の電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路6と、このゼロクロス検出回路6の出力に基づいて、後述のように同期信号を生成する同期信号生成手段7と、ヒータ2−1〜2−9の配置状態等が記憶される負荷配置記憶部8と、同期信号に基づいて、温度調節器5からの操作量を選択する操作量選択手段9と、選択された操作量に応じて開閉されるスイッチング素子等を有する開閉手段10とを備えている。
なお、図1では、第1の電力調整器3−1が同期信号を生成して他の電力調整器3−2〜3−56に出力するように設定されている例を示しているので、第1の電力調整器3−1のみ同期信号生成手段7を図示しているが、設定によって、別の電力調整器で同期信号を生成するようにしてもよい。
図2は、各電力調整器3−1〜3−6の負荷配置記憶部8の記憶内容を説明するための図である。
各電力調整器3−1〜3−6の負荷配置記憶部8には、各電力調整器3−1〜3−6が接続されている接続用端子X1〜X3,Y1〜Y3にそれぞれ対応する行あるいは列を示すIDと、このIDが示す行あるいは列に接続されているヒータの番号およびそのヒータに対応する列あるいは行の番号がそれぞれ設定記憶され、更に、各電力調整器3−1〜3−6には、自らがどのIDであるかが設定記憶される。すなわち、各電力調整器3−1〜3−6が、第1の電力線L1−1〜L1−3と第2の電力線L2−1〜L2−3のいずれの電力線に接続されているかの情報と、その電力線に接続されているヒータの接続状態の情報が記憶される。
これによって、各電力調整器3−1〜3−6は、全てのヒータ2−1〜2−9のマトリックス接続の状態を把握することができるとともに、どの行あるいはどの列のどのヒータの制御を担当しているかを認識することができる。
例えば、第1の行に対応する接続用端子X1に接続されている第1の電力調整器3−1のIDは、「ROW1」であり、第1の行を担当し、この第1の行には、ヒータ番号「1」〜「3」の第1〜第3のヒータ2−1〜2−3が接続され、各ヒータ2−1〜2−3が、列番号「1」〜「3」の第1の列〜第3の列に対応することを示している。また、例えば、第1の列に対応する接続用端子Y1に接続されている第4の電力調整器3−4のIDは、「COL1」であり、第1の列を担当し、この第1の列には、ヒータ番号「1」,「4」,「7」の第1,第4,第7のヒータ2−1,2−4,2−7が接続され、各ヒータ2−1,2−4,2−7が、行番号「1」〜「3」の第1の行〜第3の行に対応することを示している。
かかる負荷配置記憶部8に対する設定は、各電力調整器3−1〜3−6の設定キーなどで行なってもよいし、通信によって行ってもよい。
図3は、第1の電力調整器3−1の同期信号生成手段7の動作を説明するためのフローチャートであり、図4(a),(b),(c)は、同期信号、選択された列および交流電源4の波形をそれぞれ示す図である。
同期信号生成手段7では、図3に示すように、負荷配置記憶部8の情報から最大の列数、この例では、3を求める(ステップn1)。次に、ユーザの設定による列スキャンの周期、この例では、交流電源4の2半波(交流電源4の1周期)を取得する(ステップn2)。更に、3列を順番にスキャンするのに要する全スキャン周期を6半波として求める(ステップn3)。
次に、スキャン周期を計測するために、交流電源4のゼロクロス点を計数する経過カウンタの値を初期化し(ステップn4)、交流電源4のゼロクロス点が到来するのを待つ(ステップn5)。ゼロクロス点が到来すると、選択列を決め(ステップn6)、経過カウンタに1を加算し(ステップn7)、経過カウンタの値が、全スキャン周期である6より大きくなったか否かを判断する(ステップn8)。
ステップn8で、経過カウンタの値が、全スキャン周期である6より大きくなるまでは、ステップn5に戻り、ゼロクロス点が到来する度に、すなわち、図4(c)の電源の半波毎に、選択列として、図4(b)に示すように、1列目、1列目、2列目、2列目、3列目、3列目を選択する。
そして、ステップn8で経過カウンタの値が6より大きくなって全スキャン周期である6半波になると、ゼロクロス点から1/2半波(1/4波)経過したタイミングで図4(a)に示すように、同期信号の出力を開始し(ステップn9)、ステップn4戻る。同期信号は、ゼロクロス点を跨いで半波の期間出力する。
このようにして、同期信号生成手段7では、交流電源4のゼロクロス点を検出して、設定された全スキャン周期である6半波毎に、ゼロクロスを跨ぐように同期信号を生成して他の電力調整器3−2〜3−6に出力する。
図5は、上記の同期信号に基づいて、操作量を選択する操作量選択手段9の選択動作を示す図である。同図(a)〜(c)は、接続用端子X1〜X3に接続された行方向の操作量を選択する第1〜第3の各電力調整器3−1〜3−3の操作量選択手段9の選択動作を、同図(d)〜(f)は、接続用端子Y1〜Y3にされた列方向の操作量を選択する第4〜第6の各電力調整器3−4〜3−6の操作量選択手段9の選択動作を、同図(g)は同期信号を、同図(h)は交流電源4の波形をそれぞれ示す図である。
この実施形態では、上述のように、第1の列、第2の列、第3の列というように順番に列を選択して駆動する列スキャンであって、そのスキャン周期は、交流電源4の2半波としている。
このため、同図(g)の同期信号がアクティブ(ハイレベル)な期間に、同図(h)の電源のゼロクロス点が検出された以降の2半波の期間は、第1の列が選択され、第1の列に対応する接続用端子Y1に接続された第4の電力調整器3−4の操作量選択手段9は、同図(d)に示すように、100%の操作量を選択し、その開閉手段10は、ON状態となる。
このとき、第1の行に対応する接続用端子X1に接続された第1の電力調整器3−1の操作量選択手段9は、同図(a)に示すように、第1の列に対応する第1のチャンネルの操作量MV1を選択し、第1の電力調整器3−1の開閉手段10によって、第1のチャンネルの操作量MV1に応じた位相制御が行われる。同様に、第2の行に対応する接続用端子X2に接続された第2の電力調整器3−2の操作量選択手段10は、同図(b)に示すように第1の列に対応する第4のチャンネルの操作量MV4を選択し、第2の電力調整器3−2の開閉手段10によって、第4のチャンネルの操作量MV4に応じた位相制御が行われる。更に、第3の行に対応する接続用端子X3に接続された第3の電力調整器3−3の操作量選択手段10は、同図(c)に示すように、第1の列に対応する第7のチャンネルの操作量MV7を選択し、第3の電力調整器3−3の開閉手段10によって、第7のチャンネルの操作量MV7に応じた位相制御が行われる。
次の2半波の期間は、第2の列が選択され、第2の列に対応する接続用端子Y2に接続された第5の電力調整器3−5の操作量選択手段9は、同図(e)に示すように、100%の操作量を選択し、その開閉手段10は、ON状態となる。
このとき、第1の行に対応する接続用端子X1に接続された第1の電力調整器3−1の操作量選択手段9は、同図(a)に示すように、第2の列に対応する第2のチャンネルの操作量MV2を選択し、第1の電力調整器3−1の開閉手段10によって、第2のチャンネルの操作量MV2に応じた位相制御が行われる。同様に、第2の行に対応する接続用端子X2に接続された第2の電力調整器3−2の操作量選択手段10は、同図(b)に示すように、第2の列に対応する第5のチャンネルの操作量MV5を選択し、第2の電力調整器3−2の開閉手段10によって、第5のチャンネルの操作量MV5に応じた位相制御が行われる。更に、第3の行に対応する接続用端子X3に接続された第3の電力調整器3−3の操作量選択手段10は、同図(c)に示すように、第2の列に対応する第8のチャンネルの操作量MV8を選択し、第3の電力調整器3−3の開閉手段10によって、第8のチャンネルの操作量MV8に応じた位相制御が行われる。
次の2半波の期間は、第3の列が選択され、第3の列に対応する接続用端子Y3に接続された第6の電力調整器3−6の操作量選択手段9は、同図(f)に示すように、100%の操作量を選択し、その開閉手段10は、ON状態となる。
このとき、第1の行に対応する接続用端子X1に接続された第1の電力調整器3−1の操作量選択手段9は、同図(a)に示すように、第3の列に対応する第3のチャンネルの操作量MV3を選択し、第1の電力調整器3−1の開閉手段10によって、第3のチャンネルの操作量MV3に応じた位相制御が行われる。同様に、第2の行に対応する接続用端子X2に接続された第2の電力調整器3−2の操作量選択手段10は、同図(b)に示すように、第3の列に対応する第6のチャンネルの操作量MV6を選択し、第2の電力調整器3−2の開閉手段10によって、第6のチャンネルの操作量MV6に応じた位相制御が行われる。更に、第3の行に対応する接続用端子X3に接続された第3の電力調整器3−3の操作量選択手段10は、同図(c)に示すように、第3の列に対応する第9のチャンネルの操作量MV9を選択し、第3の電力調整器3−3の開閉手段10によって、第9のチャンネルの操作量MV9に応じた位相制御が行われる。
図6は、上述の操作量選択手段9の動作を説明するためのフローチャートであり、基本的には、上述の図3および図4の同期信号生成手段7の動作と同様である。
先ず、負荷配置記憶部8の情報から最大の列数、この例では、3を求める(ステップn1)。次に、ユーザの設定による列スキャンの周期、この例では、交流電顕4の2半波を取得する(ステップn2)。次に、最初の同期信号が到来するのを待つ(ステップn3)。
次に、交流電源4のゼロクロス点が到来するのを待つ(ステップn4)。ゼロクロス点が到来すると、同期信号がアクティブであるか否か判断し(ステップn5)、アクティブであるときには、スキャン周期を計測するために、交流電源4のゼロクロス点を計数する経過カウンタの値を初期化し(ステップn6)、選択列を求め(ステップn7)、操作量を決定する(ステップn8)。この操作量の決定では、上述のように、行方向の第1〜第3の電力調整器3−1〜3−3では、選択された列のヒータの操作量とし、列方向の第4〜第6の電力調整器3−4〜3−6では、選択された列は100%の操作量(ON)とし、選択されていない列は0%の操作量(OFF)とする。その後、経過カウンタを加算し(ステップn9)、ステップn4に戻る。
上記ステップn5で、同期信号がアクティブでないときには、経過カウンタを初期化することなく、ステップn7に移る。
ステップn7では、上述の図3のステップn6と同様に、同期信号がアクティブな状態でゼロクロス点が到来すると、次に同期信号が到来するまでに、選択列として、半波毎に、1列目、1列目、2列目、2列目、3列目、3列目を選択する。
以上のようにして、操作量選択手段9では、同期信号およびゼロクロス点に基づいて、列スキャンを行う。
図7は、位相制御の電源波形を示すものであり、同図(a)は、第1の行に対応する接続用端子X1に接続された第1の電力調整器3−1によって位相制御された波形を、同図(b)は、第1の電力調整器3−1の操作量選択手段9の操作量を、同図(c)は、第1の列に対応する接続用端子Y1に接続された第4の電力調整器3−4の操作量選択手段9の操作量を、同図(d)は第2の列に対応する接続用端子Y2に接続された第5の電力調整器3−5の操作量選択手段9の操作量を、同図(e)は第3の列に対応する接続用端子Y3に接続された第6の電力調整器3−6の操作量選択手段9の操作量を、同図(f)は同期信号をそれぞれ示している。
同図(f)の同期信号がアクティブな期間のゼロクロス点以降の2半波の期間は、第1の列が選択され、第1の列に対応する第4の電力調整器3−4は、同図(c)に示すように100%の操作量を選択して開閉手段10をONにする。
一方、第1の行に対応する第1の電力調整器3−1では、同図(b)に示すように、第1の列である第1チャンネルの操作量MV1=50%が選択されて、開閉手段10が位相制御されて、同図(a)に示されるように、50%に位相制御された電力が供給される。
また、次の2半波の期間は、第2の列が選択され、第2の列に対応する第5の電力調整器3−5は、同図(d)に示すように100%の操作量を選択して開閉手段10をONする。
また、次の2半波の期間は、第2の列が選択され、第2の列に対応する第5の電力調整器3−5は、同図(d)に示すように100%の操作量を選択して開閉手段10をONする。
一方、第1の行に対応する第1の電力調整器3−1では、第2の列である第2チャンネルの操作量MV2=25%が選択されて、開閉手段10が位相制御されて、同図(a)に示されるように、25%に位相制御された電力が供給される。
更に、次の2半波の期間は、第3の列が選択され、第3の列に対応する第6の電力調整器2−6は、同図(e)に示すように100%の操作量を選択して開閉手段10をONする。
一方、第1の行に対応する第1の電力調整器3−1では、第3の列である第3チャンネルの操作量MV3=75%が選択されて、開閉手段10が位相制御されて、同図(a)に示されるように、75%に位相制御された電力が供給される。
以上のようにして、行方向の第1〜第3の電力調整器3−1〜3−3と、列方向の第4〜第6の電力調整器3−4〜3−6との開閉手段10の開閉のタイミングを、同期信号生成手段7からの同期信号によって同期させることができる。
更に、この実施形態では、各電力調整器3−1〜3−6を、ビィルディングブロック形態としており、例えば、図8に示すように、第1の電力調整器3−1の突出部20を有する接合面と、第2の電力調整器3−2の凹入部を有する接合面とを、破線矢符で示すように嵌合連結することにより、内蔵のコネクタによって、正負の操作量用のシリアル信号端子21、正負の同期信号端子22およびFGを含む電源端子23を接続するようにしており、これによって、従来のように電力調整器間を配線接続する必要がなく、配線工数を削減できる。
上述の実施形態では、位相制御に適用して説明したけれども、本発明の他の実施形態として、図9に示すように、サイクル制御に適用してもよい。
同図(a)は、第1の行に対応する接続用端子X1に接続された第1の電力調整器3−1によってサイクル制御された波形を、同図(b)は、第1の電力調整器3−1の操作量選択手段9の操作量を、同図(c)は、第1の列に対応する接続用端子Y1に接続された第4の電力調整器3−4の操作量選択手段9の操作量を、同図(d)は第2の列に対応する接続用端子Y2に接続された第5の電力調整器3−5の操作量選択手段9の操作量を、同図(e)は第3の列に対応する接続用端子Y3に接続された第6の電力調整器3−6の操作量選択手段9の操作量を、同図(f)は同期信号をそれぞれ示している。
(実施形態2)
図10は、本発明の他の実施形態の係る電力調整器を備える温度制御システムの概略構成図であり、上述の図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
図10は、本発明の他の実施形態の係る電力調整器を備える温度制御システムの概略構成図であり、上述の図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
上述の実施形態の温度調節器5は、9点の制御を行ったけれども、この実施形態の温度調節器5Aは、1点の制御を行うものであり、熱板1に配設された第1〜第9のヒータ2−1〜2−9の内の、例えば、第1のヒータ2−1の温度を一つの温度センサで検出し、この検出温度(PV1)と目標温度とに基づいて、PID演算等を行って1チャンネルの操作量MV1を出力する。
この実施形態も上述の実施形態と同様に、列スキャンを行うものであり、各列に対応する第4〜第6の電力調整器3−4〜3−6は、上述の実施の形態と同様である。
これに対して、各行のヒータ2−1〜2−3,2−4〜2−6,2−7〜2−9に対する電力を位相制御する第1〜第3の電力調整器3−1A〜3−3Aは、温度調節器5Aからの操作量MV1に対して勾配量を設定する勾配量設定手段11と、温度調節器5Aからの操作量MV1に、この勾配量を乗じた操作量を算出する操作量算出手段9Aとを備えている。
図11は、各電力調整器3−1A〜3−3Aの勾配量設定手段11に設定される勾配量の例を示す図である。
第1の行の接続用端子X1に接続される第1の電力調整器3−1Aには、選択される列に応じた勾配量、例えば、第1の列は100%、第2の列は90%、第3の列は100%が設定される。同様に、第2の行の接続用端子X2に接続される第2の電力調整器3−2Aには、選択される列に応じた勾配量、例えば、第1の列は90%、第2の列は80%、第3の列は90%が設定され、また、第3の行の接続用端子X3に接続される第3の電力調整器3−3Aには、選択される列に応じた勾配量、例えば、第1の列は100%、第2の列は90%、第3の列は100%が設定される。
各電力調整器3−1A〜3−3Aの操作量算出手段9Aは、温度調節器5Aからの操作量MV1に、各勾配量をそれぞれ乗じた操作量を開閉手段10に与えて、各行のヒータ2−1〜2−3,2−4〜2−6,2−7〜2−9に対する電力を位相制御する。
図12は、この実施形態の操作量算出手段9Aの動作を説明するためのフローチャートであり、上述の図6に対応する図である。
先ず、負荷配置記憶部8の情報から最大の列数、この例では、3を求める(ステップn1)。次に、ユーザの設定による列スキャンの周期、この例では、2半波(電源の1周期)を取得する(ステップn2)。次に、最初の同期信号が到来するのを待つ(ステップn3)。
次に、交流電源4のゼロクロス点が到来するのを待つ(ステップn4)。ゼロクロス点が到来すると、同期信号がアクティブであるか否か判断し(ステップn5)、アクティブであるときには、スキャン周期を計測するために、交流電源4のゼロクロス点を計数する経過カウンタの値を初期化し(ステップn6)、選択列を求め(ステップn7)、操作量を決定する(ステップn8)。この操作量の決定では、上述のように、行方向の第1〜第3の電力調整器3−1A〜3−3Aでは、選択された列の勾配量を勾配量設定手段11から取得し、操作量MV1に乗じて操作量とする。また、列方向の第4〜第6の電力調整器3−4〜3−6では、選択された列は100%の操作量(ON)とし、選択されていない列は0%の操作量(OFF)とする。その後、経過カウンタを加算し(ステップn9)、ステップn4に戻る。上記ステップn5で、同期信号がアクティブでないときには、経過カウンタを初期化することなく、ステップn7に移る。
このように予め設定した勾配量に基づいて、各ヒータ2−1〜2−9を分配制御するので、例えば、温度を非接触で検出する温度センサの個数を1個にすることができるとともに、温度調節器5Aも多点制御の必要がないので、コストの低減を図ることができる。しかも、干渉が強いために、多点で制御できない場合に有効である。
(実施形態3)
上述の各実施形態では、列スキャンを行なったけれども、本発明の他の実施形態として、第1〜第9のヒータ2−1〜2−9を順番にスキャンする、いわゆる逐次スキャンを行ってもよい。
上述の各実施形態では、列スキャンを行なったけれども、本発明の他の実施形態として、第1〜第9のヒータ2−1〜2−9を順番にスキャンする、いわゆる逐次スキャンを行ってもよい。
図13は、この逐次スキャンの場合に、各電力調整器3−1〜3−6の負荷配置記憶部8に記憶される情報を示すものである。
この負荷配置記憶部8には、図13(a)に示すように、各電力調整器3−1〜3−6が接続されている接続用端子X1〜X3,Y1〜Y3にそれぞれ対応する行あるいは列を示すIDと、図13(b)に示す行および列に接続されているヒータの番号を示すヒータ情報が設定記憶される。
図14は、第1の電力調整器3−1の同期信号生成手段7の動作を説明するためのフローチャートであり、図15(a),(b),(c),(d)は、同期信号、選択された行、選択された列および交流電源4の波形をそれぞれ示す図である。
同期信号生成手段7では、図14に示すように、負荷配置記憶部8の情報から最大の行数、この例では3、および、最大の列数、この例では3を求める(ステップn1)。次に、ユーザの設定によるヒータスキャンの周期、この例では、2半波(電源の1周期)を取得する(ステップn2)。更に、3行×3列を順番に逐次スキャンするのに要する全スキャン周期を18半波(電源の9周期)として求める(ステップn3)。
次に、スキャン周期を計測するために、交流電源4のゼロクロス点を計数する経過カウンタの値を初期化し(ステップn4)、交流電源4のゼロクロス点が到来するのを待つ(ステップn5)。ゼロクロス点が到来すると、選択行および選択列を求め(ステップn6)、経過カウンタに1を加算し(ステップn7)、経過カウンタの値が、全スキャン周期である18より大きくなったか否かを判断する(ステップn8)。
ステップn8で、経過カウンタの値が、全スキャン周期である18より大きくなるまでは、ステップn5に戻り、選択行については、図15(b)に示すように、6半波毎に、第1の行、第2の行、第3の行を順番に選択し、選択列については、図15(c)に示すように、2半波毎に、第1の列、第2の列、第3の列を順番に選択する。これによって、2半波毎に、第1の行の第1の列、第1の行の第2の列、第1の行の第3の列、第2の行の第1の列、第2の行の第2の列、第2の行の第3の列、第3の行の第1の列、第3の行の第2の列、第3の行の第3の列を選択する。
そして、ステップn8で経過カウンタの値が18より大きくなって全スキャン周期である18半波になると、ゼロクロス点から1/2半波(1/4波)経過したタイミングで図15(a)に示すように、同期信号の出力を開始し(ステップn9)、ステップn4戻る。
このようにして、同期信号生成手段7では、交流電源4のゼロクロス点を検出して、設定された全スキャン周期である18半波毎に、ゼロクロスを跨ぐように同期信号を生成して他の電力調整器3−2〜3−6に出力する。
図16は、同期信号に基づいて、操作量を選択する操作量選択手段9の動作を説明するためのフローチャートであり、基本的には、上述の図15の同期信号生成手段7の動作と同様である。
先ず、負荷配置記憶部8の情報から負荷配置記憶部8の情報から最大の行数、この例では3、および、最大の列数、この例では3を求める(ステップn1)。次に、ユーザの設定によるヒータスキャンの周期、この例では、2半波(電源の1周期)を取得する(ステップn2)。更に、3行×3列を順番に逐次スキャンするのに要する全スキャン周期を18半波(電源の9周期)として求める(ステップn3)。
次に、交流電源4のゼロクロス点が到来するのを待つ(ステップn4)。ゼロクロス点が到来すると、同期信号がアクティブであるか否か判断し(ステップn5)、アクティブであるときには、スキャン周期を計測するために、交流電源4のゼロクロス点を計数する経過カウンタの値を初期化し(ステップn6)、選択行および列を求め(ステップn7)、選択した行および列の操作量を選択したヒータの操作量とする(ステップn8)。その後、経過カウンタを加算し(ステップn9)、ステップn4に戻る。
上記ステップn5で、同期信号がアクティブでないときには、経過カウンタを初期化することなく、ステップn7に移る。
以上のようにして、操作量選択手段9では、同期信号およびゼロクロス点に基づいて、逐次スキャンを行う。
その他の実施形態
上述の各実施形態では、各電力調整器3−1〜3−6は、開閉手段10を内蔵していたけれども、本発明の他の実施形態として、図17に示すように、外部のSSR等の開閉手段10を制御するようにしてもよく、更に、1個の電力調整器によって、複数の開閉手段10を制御するようにしてもよい。この図17では、行に対応する電力調整器3Rによって各行に対応する開閉手段10を制御し、列に対応する電力調整器3Cによって、各列に対応する開閉手段10を制御するようにしている。その他の構成は、上述の実施形態1と同様である。
上述の各実施形態では、各電力調整器3−1〜3−6は、開閉手段10を内蔵していたけれども、本発明の他の実施形態として、図17に示すように、外部のSSR等の開閉手段10を制御するようにしてもよく、更に、1個の電力調整器によって、複数の開閉手段10を制御するようにしてもよい。この図17では、行に対応する電力調整器3Rによって各行に対応する開閉手段10を制御し、列に対応する電力調整器3Cによって、各列に対応する開閉手段10を制御するようにしている。その他の構成は、上述の実施形態1と同様である。
また、上述の各実施形態では、同期信号は、1種類であったけれども、本発明の他の実施形態として、図18に対応するように、同期信号生成手段7Aでは、各列に対応する3種類の同期信号を生成し、行に対応する第1〜第3の電力調整器3−1〜3−3には、3種類の同期信号を与える一方、列方向に対応する第4〜第6の電力調整器3−4〜3−6には、各列に対応する同期信号を与えるようにしてもよい。
本発明は、複数の負荷を駆動するシステムなどに有用である。
1 熱板
2−1〜2−9 ヒータ
3−1〜3−6 電力調整器
4 交流電源
5 温度調節器
7 同期信号生成手段
8 負荷配置記憶部
9 操作量選択手段
10 開閉手段
2−1〜2−9 ヒータ
3−1〜3−6 電力調整器
4 交流電源
5 温度調節器
7 同期信号生成手段
8 負荷配置記憶部
9 操作量選択手段
10 開閉手段
Claims (6)
- 複数の第1の電力線と複数の第2の電力線との間に、複数の負荷が接続され、前記複数の第1の電力線が、複数の第1の開閉手段をそれぞれ介して電源に接続される一方、前記複数の第2の電力線が、複数の第2の開閉手段をそれぞれ介して前記電源に接続され、前記複数の第1の電力線と前記複数の第2の電力線とを、それぞれ仮想的に横方向と縦方向とに平行に配列したときに、両電力線が交差する部分で、前記複数の各負荷の一端が前記第1の電力線に接続されるとともに、他端が前記第2の電力線に接続され、前記複数の第1の開閉手段および前記複数の第2の開閉手段の少なくとも1個の開閉手段の開閉を制御する電力調整器であって、
同期信号に基づいて、前記少なくとも1個の開閉手段の開閉を制御することを特徴とする電力調整器。 - 前記電源のゼロクロス点を検出して前記同期信号を生成する同期信号生成手段を備え、生成した同期信号を基準に前記少なくとも1個の開閉手段の開閉のタイミングを決定する一方、生成した同期信号を、当該電力調整器が制御する開閉手段以外の開閉手段を制御する他の電力調整器に、同期信号線を介して与える請求項1に記載の電力調整器。
- 前記同期信号は、当該電力調整器が制御する開閉手段以外の開閉手段を制御する他の電力調整器から同期信号線を介して与えられ、与えられる同期信号を基準に前記少なくとも1個の開閉手段の開閉のタイミングを決定する請求項1に記載の電力調整器。
- 当該電力調整器によって制御される開閉手段が、いずれの電力線に接続されているかを示す電力線情報および該電力線に接続されている前記負荷の接続状態を示す接続状態情報の少なくとも一方の情報が記憶される記憶部を有する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電力調整器。
- 前記複数の負荷の駆動を制御する制御装置から与えられる複数の操作量から、前記同期信号、前記電源のゼロクロス点、および、前記記憶部の情報に基づいて、当該電力調整器が制御する開閉手段に対応する操作量を求める請求項4に記載の電力調整器。
- 前記複数の負荷の内の1個の負荷の駆動を制御する制御装置からの前記1個の負荷に対応する操作量を、予め設定されている設定値で調整して、当該電力調整器が制御する開閉手段に対応する操作量を求める請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電力調整器。
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