JP2010213425A - コアレスリニアモータ - Google Patents

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JP2010213425A
JP2010213425A JP2009055600A JP2009055600A JP2010213425A JP 2010213425 A JP2010213425 A JP 2010213425A JP 2009055600 A JP2009055600 A JP 2009055600A JP 2009055600 A JP2009055600 A JP 2009055600A JP 2010213425 A JP2010213425 A JP 2010213425A
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Toru Shikayama
透 鹿山
Akihito Toyoda
昭仁 豊田
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Abstract

【課題】 剛性が高く、熱変形を抑制でき、さらに電機子コイルの熱抵抗を低減できるコアレスリニアモータを提供する。
【解決手段】 界磁は永久磁石201の磁石列を2列対向させるように構成してあり、電機子は2列の磁石列間に電機子コイル102a、103aを2列並べるように配置してあり、2列の電機子コイル102a、103aは磁石列間の磁気的空隙方向と直交する方向における少なくとも一方の端部を二又状に分岐させると共に、この二又状に分岐したコイル列間の空隙と電機子コイル102a、103aの空心に高剛性・高熱伝導率部材110aを挿入してあり、電機子コイル102a、103aと高剛性・高熱伝導率部材110aをモールド樹脂105により固着してある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体製造装置や工作機械のテーブル送りに使用されているコアレスリニアモータの中で、特に高速かつ高頻度な位置決め動作が求められるコアレスリニアモータに関する。
従来、半導体製造装置や工作機械のテーブル送りに用いられるコアレスリニアモータとして、例えば、特許文献1〜特許文献4に示されたものがある。以下、特許文献1〜特許文献4をそれぞれ、第1従来技術〜第4従来技術と呼び、順に説明する。
図13は第1従来技術を示すコアレスリニアモータの全体斜視図、図14は図13におけるA−A線に沿う正断面図、図15は図14における可動子の側面図である。これら図において、100wは可動子、101wは電機子取付板、102wと103wは電機子コイル、104wは基板、105はモールド樹脂、106は取付穴、200は固定子、201は永久磁石、202は界磁ヨークである。
固定子200は略コ字状の界磁ヨーク202と、界磁ヨーク202上に交互に極性が異なるように一定ピッチごとに直線状に配置してなる複数の永久磁石201からなり、該永久磁石の磁石列を2列対向させた界磁として構成されている。また、永久磁石201は対向する左右の永久磁石201の極性とも異極になるように配置されている。
可動子100wは電機子取付板101wと、2列からなる界磁を構成する永久磁石201の磁石列の内側に磁気的空隙を介して平行に配置された電機子コイル102w、103wと、を備えている。そして、電機子コイル102wと103wの間に基板104が配置され、モールド樹脂105によりこれらが一体に成型されている。ここで、電機子コイル102w、103wと基板104wは電機子取付板101とモールド樹脂105によって固着されている。また、電機子コイル102w、103wは、例えば集中巻された複数個のコイル群により構成されている。さらに、基板104wは例えばガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の板に銅箔のパターンを施したものであり、電機子コイル102w、103wの複数個のコイル群を結線するために用いられている。図示しないテーブルと可動子100wとの取り付けには、電機子取付板101wに設けられた取付穴106により行われている。可動子100wはテーブルに取り付けられた図示しないリニアガイド等によって固定子200との間で所定の空隙を介して支持されている。
このような構成のコアレスリニアモータにおいて、電機子コイル102w、103wに所定の電流を流すと、永久磁石201の作る磁界との作用により、可動子100wに推力が発生し、可動子100wは矢印で示す進行方向に移動するようになっている。
次に、第2従来技術におけるコアレスリニアモータについて説明する。
図16は第2従来技術を示すコアレスリニアモータの可動子の側面図である。なお、以下、第1従来技術と同一のものについては同一の符号を付して説明する。図において、100xは可動子、101xは電機子取付板、102xと103xは電機子コイル、107は支持部材である。
第2従来技術が第1従来技術と異なる点は、電機子コイル102x、103xの周囲に支持部材107が設けられた点である。支持部材107は略コ字状となっており、その開口部分から電機子コイル102x、103xが挿入され、閉口部分が電機子取付板101xに挿入してあり、全体をモールド樹脂105によって成型および固着されている。支持部材107には例えばアルミニウム合金や合成樹脂のような非磁性材が用いられている。
次に、第3従来技術におけるコアレスリニアモータについて説明する。
図17は第3従来技術を示すコアレスリニアモータの可動子の側面図である。図において、100yは可動子、101yは電機子取付板、102yと103yは電機子コイル、108は熱変形防止部材である。
第3従来技術が第1および第2従来技術と異なる点は、可動子100yの進行方向の両端面に熱変形防止部材108が設けられた点である。熱変形防止部材108は可動子100yの断面形状とほぼ同じ形状をなしている。
次に、第4従来技術におけるコアレスリニアモータについて説明する。
図18は第4従来技術を示すコアレスリニアモータの正断面図である。図において、100zは可動子、101zは電機子取付板、102zと103zは電機子コイル、104zは基板である。
第4従来技術が第1〜第3従来技術と異なる点は、2列の電機子コイル102zと103zが磁気的空隙方向と直交する方向における一方の端部を二又状に分岐してあるとともに、この二又状に分岐したコイル列間の空隙に基板104zを挿入して構成された点である。基板104zには例えば熱伝導率の良いアルミ基板が用いられている。
特開2001−197718号公報(第3−4頁、図1) 特開2005−333799号公報(第3−4頁、図3) 特開2006−304451号公報(第4−5頁、図2) 特開2005−210775号公報(第3−4頁、図2)
しかしながら、従来技術のコアレスリニアモータには次のような問題があった。まず、第1従来技術(特許文献1)の問題点は以下のとおりである。
(1)2列の永久磁石で挟まれた電機子コイル部分に剛性の高い部材がなく、さらに、電機子コイルがモールド樹脂によって電機子取付板に固着される構造となっているため、可動子の電機子コイル部分の剛性が極めて低い。そのため、可動子の固有振動数が低くなり、機械共振が起こりやすかった。特に、高速な位置決めを行う用途では、この機械共振によって位置決め性能が悪化した。
(2)例えばテーブルに可動子の電機子取付板の片面が取り付けられた場合、電機子取付板の片面からテーブルへ放熱されるので、可動子の左右で熱的アンバランスが生じた。電流の通電にともない電機子コイルが発熱すると、この熱的アンバランスによって、電機子コイル部分で熱変形(可動子の取り付け箇所からの倒れ)が生じた。特に、電機子コイルは電機子取付板とモールド樹脂によって固着されているだけであり、熱変形量が大きくなった。その結果、高頻度な位置決めを行う用途では、この熱変形にともない位置決め性能が変動する問題が生じた。
(3)GFRP製の基板の熱伝導率が悪いだけでなく、基板と電機子取付板との間の熱抵抗も大きかった。その結果、高頻度な位置決めを行う用途では、電機子コイルの発熱が大きくなり、焼損する恐れがあった。
上記(1)の問題を解決するため、第2従来技術(特許文献2)では支持部材が用いられている。しかし、支持部材は電機子コイルの周囲に挿入されるだけであり、電機子コイルは何ら支持されていない。そのため、可動子の電機子コイル部分の剛性はそれほど上がらず、可動子の固有振動数を大幅に向上することができなかった。その結果、位置決め性能を改善するまでには至らなかった。
上記(2)の問題を解決するため、第3従来技術(特許文献3)では熱変形防止部材が用いられている。しかし、熱変形防止部材は可動子の両端面に配置されているだけであり、電機子コイルのコイル群中心付近では電機子コイルの発熱に伴う温度上昇が大きく、熱変形を防止することが困難であった。特に、可動子が進行方向に長く構成されたコアレスリニアモータの場合、コイル群中心の温度上昇が大きくなり、熱変形防止部材による熱変形の抑制効果が低下してしまった。さらに、上記(1)と(3)の問題に対して、何ら解決することができなかった。
上記(3)の問題を解決するため、第4従来技術(特許文献4)では2列の電機子コイルの端部を二又状に分岐させ、この二又状に分岐したコイル列間の空隙に熱伝導率の良いアルミ基板を挿入している。しかし、電機子コイルとアルミ基板との接触面積が小さく、電機子コイルの熱抵抗を大幅に低減するまでには至らなかった。よって、高頻度な位置決めを行う用途では、電機子コイルの発熱にともなう温度上昇の増大によって焼損する恐れがあった。さらに、上記(1)と(2)の問題に対して、何ら解決することができなかった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、コアレスリニアモータにおいて、剛性が高く、熱変形を防止でき、さらに電機子コイルの熱抵抗を低減できるコアレスリニアモータを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、請求項1に記載の発明は、交互に極性が異なるように複数の永久磁石を直線状に並べて配置した界磁と、前記永久磁石の磁石列と磁気的空隙を介して平行に対向配置されると共に複数個のコイル群を並べて成形したコアレス型の電機子コイルを有する電機子を備え、前記界磁と前記電機子の何れか一方を固定子に、他方を可動子として、前記界磁と前記電機子を相対的に走行するようにしたコアレスリニアモータにおいて、前記界磁は、前記永久磁石の磁石列を2列対向させるように構成してあり、前記電機子は、前記2列からなる界磁の間に前記電機子コイルを2列並べるように配置してあり、前記2列の電機子コイルは、前記磁石列間の磁気的空隙方向と直交する方向における少なくとも一方の端部を二又状に分岐させると共に、この二又状に分岐したコイル列間の空隙と前記電機子コイルの空心に高剛性・高熱伝導率部材を挿入してあり、前記電機子コイルと前記高剛性・高熱伝導率部材をモールド樹脂により固着して構成したことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載のコアレスリニアモータにおいて、前記電機子コイルの一方の端部を二又状に分岐させるとともに、前記高剛性・高熱伝導率部材を櫛状に形成してあり、前記電機子コイルの空心に前記高剛性・高熱伝導率部材の櫛の歯部分を挿入して構成したことを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1に記載のコアレスリニアモータにおいて、前記電機子コイルの両方の端部を二又状に分岐させるとともに、前記高剛性・高熱伝導率部材を梯子状に形成してあり、前記電機子コイルの空心に前記高剛性・高熱伝導率部材の段部分を挿入して構成したことを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項2または3に記載のコアレスリニアモータにおいて、前記電機子コイル間に、前記高剛性・高熱伝導率部材の櫛の歯部分もしくは段部分を挿入して構成したことを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載のコアレスリニアモータにおいて、前記高剛性・高熱伝導率部材は、前記磁石列の磁気的空隙方向と直交する方向における少なくとも一方の端部を、該磁石列の磁気的空隙方向に厚くして構成したことを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、5に記載のコアレスリニアモータにおいて、前記高剛性・高熱伝導率部材をカーボン繊維強化プラスチックもしくはセラミックスとしたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によると、電機子コイルの空心に高剛性・高熱伝導率部材を挿入する構成としたことで、可動子の電機子コイル部分の剛性を高くすることができる。また、テーブルとの取り付けを高剛性・高熱伝導率部材に直接できるようにしたことで、電機子コイルに大きな温度上昇が生じても、電機子コイル空心には高剛性・高熱伝導率部材が挿入されているので、熱変形(可動子の取り付け箇所からの倒れ)を防ぐことができる。さらに、電機子コイルで発生した熱が電機子コイル空心の側面から高剛性・高熱伝導率部材に伝導するので、高剛性・高熱伝導率部材が熱流路となり、テーブル側へ放熱することができる。その結果、電機子コイルの熱抵抗が大幅に低減され、ひいては電機子コイルの焼損を防ぐことができる。よって、半導体製造装置や工作機械のテーブル送りに要求される高速かつ高頻度な位置決め動作を実現することができる。
請求項2に記載の発明によると、電機子コイルの一方の端部を二又状に分岐させるとともに、高剛性・高熱伝導率部材を櫛状に形成し、電機子コイル空心にこの櫛の歯部分を挿入しているので、上記した請求項1記載の効果を得ることができる。
また、請求項3に記載の発明によると、電機子コイルの両方の端部を二又状に分岐させ、高剛性・高熱伝導率部材を梯子状に形成し、電機子コイル空心にこの段部分を挿入しているので、上記した請求項1記載の効果を得ることができる。さらに、請求項2のものに比べより剛性を高くすることができる。
また、請求項4に記載の発明によると、電機子コイルの間にも高剛性・高熱伝導率部材の櫛の歯部分もしくは段部分を挿入しているので、請求項2や3のものに比べ、より剛性を高くすることができる。さらに、電機子コイルと高剛性・高熱伝導率部材の接触面積が増えることで、電機子コイルの熱抵抗をより低減できる。
また、請求項5に記載の発明によると、高剛性・高熱伝導率部材は、磁石列の磁気的空隙方向と直交する方向における少なくとも一方の端部を、磁石列の磁気的空隙方向に厚くしているので、より剛性を高くすることができる。
また、請求項6に記載の発明によると、高剛性・高熱伝導率部材を剛性と熱伝導率が高いカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)もしくはセラミックスを使用しているので、請求項1で記載した効果を十分に発揮することができる。さらに、CFRPやセラミックスは熱膨張係数も小さいため、熱変形をさらに抑制することができる。
本発明の第1実施例を示すコアレスリニアモータの全体斜視図 図1におけるコアレスリニアモータのA−A線に沿う正断面図 図2における可動子の側面図 図3における高剛性・高熱伝導率部材の側面図 本発明の第2実施例を示すコアレスリニアモータの正断面図 図5における可動子の側面図 図6における高剛性・高熱伝導率部材の形状図 本発明の第3実施例を示すコアレスリニアモータ可動子の側面図 図8における高剛性・高熱伝導率部材の形状図 本発明の第4実施例を示すコアレスリニアモータの正断面図 図10における可動子の側面図 図11における高剛性・高熱伝導率部材の形状図 第1従来技術を示すコアレスリニアモータの全体斜視図 図13におけるコアレスリニアモータの正断面図 図14における可動子の側面図 第2従来技術を示すコアレスリニアモータ可動子の側面図 第3従来技術を示すコアレスリニアモータ可動子の側面図 第4従来技術を示すコアレスリニアモータの正断面図
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施例を示すコアレスリニアモータの全体斜視図、図2は図1におけるコアレスリニアモータのA−A線に沿う正断面図、図3は図2における可動子の側面図である。以下、従来技術と同一のものについては同一符号を付して説明する。これら図において、100aは可動子、102a、103aは電機子コイル、110aは高剛性・高熱伝導率部材である。
本発明の第1実施例が従来技術と基本的に異なる点は、可動子100aにある。すなわち、可動子100aは、2列からなる界磁を構成する永久磁石201の磁石列の内側に磁気的空隙を介して平行に配置された電機子コイル102a、103aを備えており、電機子コイル102a、103aは磁気的空隙方向と直交する方向における一方の端部を二又状に分岐させている点である。そして、更なる特徴としては、この二又状に分岐したコイル列間の空隙と、電機子コイル102a、103aの空心に高剛性・高熱伝導率部材110aを挿入した点である。図4は図3における高剛性・高熱伝導率部材の側面図であって、電機子コイル102a、103aとモールド樹脂105を取り除いたものである。電機子コイル102a、103aが二又状に分岐して形成されるとともに、高剛性・高熱伝導率部材110aが櫛状に形成されていることから、前記したように電機子コイル102a、103aの空心に高剛性・高熱伝導率部材110aの櫛の歯を挿入することができるようになっている。このように形成された電機子コイル102a、103aと高剛性・高熱伝導率部材110aはモールド樹脂105によって成型かつ固着されている。
なお、電機子コイル102a、103aである複数個のコイル群の結線は、電機子コイル102a、103aの上側のスペースを使ってモールド樹脂105内で行っている(図示なし)。
また、高剛性・高熱伝導率部材110aには非磁性材であることはもちろんのこと、剛性が高く、熱伝導率の高い部材として、例えばアルミ合金やオーステナイト系ステンレス、チタン合金などの金属、さらにはカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)、セラミックスなどを用いる。
また、図示しないテーブルと可動子100aとの取り付けには、高剛性・高熱伝導率部材110aに設けられた取付穴106により行われる。可動子100aはテーブルに取り付けられた図示しないリニアガイド等によって固定子200との間で所定の空隙を介して支持されている。
このような構成のコアレスリニアモータにおいて、従来技術と同様に、電機子コイル102a、103aに所定の電流を流すと、永久磁石201の作る磁界との作用により、可動子100aに推力が発生し、可動子100aは矢印で示す進行方向に移動することができる。
以上のように構成されたコアレスリニアモータは、電機子コイルの空心に高剛性・高熱伝導率部材を挿入する構成としたことで、電機子コイル部分の剛性を高くすることができる。
また、テーブルとの取り付けを高剛性・高熱伝導率部材に直接できるようにしたことで、電機子コイルに大きな温度上昇が生じても、電機子コイル空心には高剛性・高熱伝導率部材が挿入されているので、熱変形(可動子の取り付け箇所からの倒れ)を防ぐことができる。
さらに、電機子コイルで発生した熱が電機子コイル空心の側面から高剛性・高熱伝導率部材に伝導するので、高剛性・高熱伝導率部材が熱流路となり、テーブル側へ放熱することができる。その結果、電機子コイルの熱抵抗が大幅に低減され、ひいては電機子コイルの焼損を防ぐことができる。特に、高剛性・高熱伝導率部材にカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)、セラミックスを用いた場合、上記の効果を十分に発揮することができるとともに、熱膨張係数が小さいために熱変形をさらに抑制することができる。
次に本発明の第2の実施例について説明する。
図5は本発明の第2実施例を示すコアレスリニアモータの正断面図、図6は図5における可動子の側面図、図7は図6における高剛性・高熱伝導率部材の形状を示す図である。これら図において、100bは可動子、102bと103bは電機子コイル、110bは高剛性・高熱伝導率部材である。
第2実施例が第1実施例と異なる点は、可動子100bを構成する電機子コイル102b、103bと、高剛性・高熱伝導率部材110bの形状が異なる点である。すなわち、電機子コイル102b、103bを両方の端部を二又状に分岐させるとともに、高剛性・高熱伝導率部材110bを梯子状に形成している。そして、電機子コイル102b、103bの空心に高剛性・高熱伝導率部材110bの段部分を挿入している。
以上のように構成されたコアレスリニアモータは、第1実施例と同様に、可動子の電機子コイル部分の剛性向上と熱変形抑制を実現でき、さらに、電機子コイルの熱抵抗を低減できる。さらに、高剛性・高熱伝導率部材の形状を第1実施例では櫛状としていたのに対し、第2実施例では梯子状としているので、高剛性・高熱伝導率部材そのものの剛性を高くすることができる。つまり、可動子の電機子コイル部の剛性をさらに高くすることができる。
次に本発明の第3の実施例について説明する。
図8は本発明の第3実施例を示すコアレスリニアモータ可動子の側面図、図9は図8における高剛性・高熱伝導率部材の形状を示す図である。
図において、100cは可動子、102cと103cは電機子コイル、110cは高剛性・高熱伝導率部材である。
第3実施例が第2実施例と異なる点は、可動子100cを構成する電機子コイル102b、103bのコイル群の位置をずらすと共に、高剛性・高熱伝導率部材110cの形状を変更した点である。電機子コイル102c、103cは、第2実施例と同様に両方の端部を二又状に分岐させると共に、複数のコイル群の位置をずらして電機子コイル間にも隙間を設けている。そして、高剛性・高熱伝導率部材110cは梯子状に形成するとともに、電機子コイル間に設けた隙間にも段部が入るように、段部を追加して形成している。
以上のように構成されたコアレスリニアモータは、第2実施例と同様に、可動子の電機子コイル部分の剛性向上と熱変形抑制を実現でき、電機子コイルの熱抵抗も低減できる。さらに、高剛性・高熱伝導率部材の段部を第2実施例では電機子コイルの空心のみに設けていたのに対し、第3実施例では電機子コイル間にも設けているので、高剛性・高熱伝導率部材そのものの剛性を高くすることができ、可動子の電機子コイル部の剛性を大幅に高くすることができる。さらに、電機子コイルと高剛性・高熱伝導率部材の接触面積も増えるので、高剛性・高熱伝導率部材へ伝わる熱量が大きくなり、電機子コイルの熱抵抗をさらに低減することができる。
次に、本発明の第4の実施例について説明する。
図10は本発明の第4実施例を示すコアレスリニアモータの正断面図、図11は図10における可動子の側面図、図12は図11における高剛性・高熱伝導率部材の形状を示す図である。これら図において、100dは可動子、102dと103dは電機子コイル、110dは高剛性・高熱伝導率部材である。
第4実施例が第3実施例と異なる点は、可動子100dを構成する電機子コイル102d、103dと高剛性・高熱伝導率部材110dの形状が異なる点である。すなわち、電機子コイル102d、103dは両方の端部を二又状に分岐させると共に、第1〜第3実施例とは異なり、分岐させた端部が外側に開いたままの形状としている。さらに、高剛性・高熱伝導率部材110dの端部を磁石列の磁気的空隙方向に厚くして形成している。
以上のように構成されたコアレスリニアモータは、第3実施例と同様に、可動子の電機子コイル部分の剛性向上と熱変形抑制を実現でき、さらに、電機子コイルの熱抵抗を低減できる。さらに、高剛性・高熱伝導率部材の端部を磁石列の磁気的空隙方向に厚くしているので、高剛性・高熱伝導率部材そのものの剛性を高くすることができ、可動子の電機子コイル部の剛性を大幅に高くすることができる。
以上の実施例では、電機子を可動子とし界磁を固定子として説明したが、界磁を可動子とし電機子を固定子とした逆の構成であって良い。また、電機子の冷却手段については何も触れなかったが、電機子コイルの周囲に空冷や液冷するための手段を設けても、本発明の効果が得られることは言うまでもない。また、高剛性・高熱伝導率部材としてアルミ合金やオーステナイト系ステンレス、チタン合金などの金属、カーボン繊維強化プラスチック(CFRP)、セラミックスといった材料を例に説明したが、モールド樹脂よりも剛性が高い材料、例えばガラス繊維強化プラスチック(GFRP)やポリカーボネイトなどであれば、本発明の効果を得ることができる。
本発明のコアレスリニアモータは剛性が高く、熱変形がなく、さらに電機子コイルの熱抵抗も小さいので、半導体製造装置などに搭載されている高速かつ高頻度な位置決め機構に適用できる。
100a、100b、100c、100d 可動子
100w、100x、100y、100z 可動子
101w、101x、101y、101z 電機子取付板
102a、102b、102c、102d 電機子コイル
102w、102x、102y、102z 電機子コイル
103a、103b、103c、103d 電機子コイル
103w、103x、103y、103z 電機子コイル
104w、104z 基板
105 モールド樹脂
106 取付穴
107 支持部材
108 熱変形防止部材
110a、110b、110c、110d 高剛性・高熱伝導率部材

Claims (6)

  1. 交互に極性が異なるように複数の永久磁石を直線状に並べて配置した界磁と、
    前記永久磁石の磁石列と磁気的空隙を介して平行に対向配置されると共に複数個のコイル群を並べて成形したコアレス型の電機子コイルを有する電機子を備え、
    前記界磁と前記電機子の何れか一方を固定子に、他方を可動子として、前記界磁と前記電機子を相対的に走行するようにしたコアレスリニアモータにおいて、
    前記界磁は、前記永久磁石の磁石列を2列対向させるように構成してあり、
    前記電機子は、前記2列からなる界磁の間に前記電機子コイルを2列並べるように配置してあり、
    前記2列の電機子コイルは、前記磁石列間の磁気的空隙方向と直交する方向における少なくとも一方の端部を二又状に分岐させると共に、この二又状に分岐したコイル列間の空隙と前記電機子コイルの空心に高剛性・高熱伝導率部材を挿入してあり、
    前記電機子コイルと前記高剛性・高熱伝導率部材をモールド樹脂により固着してあることを特徴とするコアレスリニアモータ。
  2. 前記電機子コイルの一方の端部を二又状に分岐させるとともに、
    前記高剛性・高熱伝導率部材を櫛状に形成してあり、前記電機子コイルの空心に高剛性・高熱伝導率部材の櫛の歯部分を挿入してあることを特徴とする請求項1記載のコアレスリニアモータ。
  3. 前記電機子コイルの両方の端部を二又状に分岐させるとともに、
    前記高剛性・高熱伝導率部材を梯子状に形成してあり、前記電機子コイルの空心に高剛性・高熱伝導率部材の段部分を挿入してあることを特徴とする請求項1記載のコアレスリニアモータ。
  4. 前記電機子コイル間に、前記高剛性・高熱伝導率部材の櫛の歯部分もしくは段部分を挿入して構成したことを特徴とする請求項2または3記載のコアレスリニアモータ。
  5. 前記高剛性・高熱伝導率部材は、前記磁石列の磁気的空隙方向と直交する方向における少なくとも一方の端部を、該磁石列の磁気的空隙方向に厚くして構成したことを特徴とする請求項1記載のコアレスリニアモータ。
  6. 前記高剛性・高熱伝導率部材をカーボン繊維強化プラスチックもしくはセラミックスとしたことを特徴とする請求項1、2、3、5に記載のコアレスリニアモータ。
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