JP2010210917A - 現像装置及びプロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置及びプロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トナーの凝集体形成を減少させることが可能な現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】2成分現像剤Gを担持する現像剤担持体51と、現像剤担持体51に対向配置され現像剤担持体51の長手方向の一方に向けて現像剤Gを搬送する第1の現像剤搬送経路53と、第1の現像剤搬送経路53に対向配置され現像剤担持体51の長手方向の他方に向けて現像剤Gを搬送する第2の現像剤搬送経路54と、各現像剤搬送経路53,54の長手方向両端部にそれぞれ設けられ各現像剤搬送経路53.54間を連通する連通部92,93とを具備し、各現像剤搬送経路53,54間において現像剤Gが循環する循環経路を形成する現像装置5において、循環経路に対してトナー供給装置60からトナーを補給搬送するトナー搬送経路91を循環経路の外部に設け、トナー搬送経路91に対し循環経路内の現像剤Gを所定のタイミングで搬送する構成とした。
【選択図】図6

Description

本発明は電子写真方式の画像形成装置に使用可能な現像装置及びプロセスカートリッジに関する。
複写装置やプリンタ等の画像形成装置において、トナーと磁性キャリアとからなる2成分現像剤を収容した現像装置が多用されている。このような2成分現像方式の現像装置において、装置の小型化を目的として2つの互いに平行した現像剤搬送経路内に設けられた搬送スクリュによって現像剤を現像装置の長手方向に循環させながら現像剤担持体である現像ローラに現像剤を供給する技術が知られている。
このような現像装置では、現像装置内でのトナー消費に応じて現像装置の端部に設けられたトナー補給口から適宜トナーが補給される。補給されたトナーは、現像装置内の現像剤と共に2つの搬送スクリュによって装置内を長手方向に循環しながら混合される。混合された現像剤は、その一部が一方の搬送スクリュに対向する現像ローラ上に担持されドクターブレードによって適量に規制された後、そのうちのトナーが像担持体である感光体ドラムとの対向位置において感光体ドラム上に形成された静電潜像に付着する。
上述のような搬送スクリュを搭載した現像装置は、現像剤を装置の長手方向に向けて積極的に搬送しているため、装置内の長手方向の一部に現像剤の偏りが発生するという不具合は生じ難い。これによりトナー補給口を長手方向の全域に設ける必要がなく、装置の一端に設けることができる。また、搬送スクリュは長手方向に直交する短手方向の設置スペースをそれほど必要としないため、現像装置及び画像形成装置を小型化することができる。ところが近年においてはさらなる装置小型化の要求から、現像剤搬送経路の容量が小さくなる傾向にある。しかし長寿命及び均一画質を達成するためには現像剤容量を減らすことが難しいため、搬送経路全体に占める現像剤の割合が大きくなってきている。
上述した現像装置では、現像剤搬送経路上に設けられたトナー補給口から必要量のトナーを供給する構成であるが、現像剤搬送経路が現像剤で満たされていると比重の軽いトナーは現像剤搬送経路の現像剤上を這うように搬送され、撹拌が不十分の状態で現像ローラに供給されて画像濃度ムラやトナー帯電不足によるトナー飛散等の不具合が生じてしまう。そこで、現像剤搬送経路と同じ平面上の外部にトナー搬送経路を設け、供給されたトナーを現像剤搬送経路の上方からではなく現像剤搬送経路の側方から供給する技術が開示されている。この技術により、現像剤搬送経路が現像剤である程度満たされた状態であっても、現像剤の上を這うことなく安定したトナー供給を達成することができる。
しかし、上述したようにトナー搬送経路はほぼトナーで満たされた状態であり、現像剤搬送及びトナー搬送のために現像装置運転中において搬送スクリュが常時回転しているため、この回転の影響によりトナー搬送経路上に残っているトナーはストレスを受けることとなる。これは、供給されたトナーは通常そのまま現像剤搬送経路に送られるが、現像ケースと搬送スクリュとのクリアランスがあるためにそこに介在しているトナーは動き難いためである。
トナー補給装置に設けられた搬送スクリュ等は必要な場合にのみ駆動されるが、上述したように現像装置に設けられた搬送スクリュは現像装置運転中において常時回転しているため、ストレスを受けたトナーは劣化してトナー同士が互いに付着し合ういわゆる凝集体を形成し易くなる。トナーの凝集体が形成されると、その凝集体が崩れることなくそのまま現像ローラ上に供給され、現像ローラとドクターブレードとの間に挟まってしまうことがある。このような場合には、像担持体との対向位置における現像ローラ上の現像剤量が不足してしまい、出力画像上に白スジ(白スジ画像)が生じたり現像装置の駆動トルクが上昇したりする不具合が生じてしまう。また、現像ローラ上に担持された凝集体がドクターブレードをすり抜けて像担持体上の静電潜像に付着してしまうこともある。この場合には像担持体上に付着した凝集体が被転写材上に転写されず、出力画像上に白抜け(白抜け画像)やポチ点(ポチ点画像)が生じる虞がある。
一方近年においては、出力画像の画質を向上させるために小粒径のトナーを用いたり、省エネルギ化を達成するために低融点のトナーを用いたりすることが多くなっている。このような小粒径や低融点のトナーは、トナー同士やキャリアとの間で凝集体を形成し易いために上述した問題点は特に無視できないものとなっている。
本発明は上述した問題点を解決し、現像装置内に設置されたトナー搬送経路に適時現像剤を循環させ、これによりトナー搬送経路で滞留しているトナーを減少させてトナーに対するストレスを軽減することによりトナーの凝集体形成を減少させることが可能な現像装置及びこれを用いた画像形成装置の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、トナーとキャリアとを有する2成分現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対向配置され前記現像剤担持体の長手方向の一方に向けて現像剤を搬送する第1の現像剤搬送部材を有する第1の現像剤搬送経路と、第1の現像剤搬送経路に対向配置され前記現像剤担持体の長手方向の他方に向けて現像剤を搬送する第2の現像剤搬送部材を有する第2の現像剤搬送経路と、前記各現像剤搬送経路の長手方向両端部にそれぞれ設けられ前記各現像剤搬送経路間を連通する連通部とを具備し、前記各現像剤搬送経路間において現像剤が循環する循環経路を形成する現像装置において、前記循環経路に対してトナー供給装置からトナーを補給搬送するトナー搬送経路を前記循環経路の外部に有し、前記トナー搬送経路に対し前記循環経路内の現像剤を所定のタイミングで搬送することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の現像装置において、さらに前記循環経路から前記トナー搬送経路への現像剤の搬送は前記トナー供給装置から前記トナー搬送経路に供給されたトナー量に基づいて行われることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の現像装置において、さらに前記トナー搬送経路内のトナー濃度を検出するトナー濃度検知手段を有し、前記循環経路から前記トナー搬送経路への現像剤の搬送は前記トナー濃度検知手段の検知結果に基づいて行われることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の現像装置において、さらに前記トナー搬送経路が前記循環経路を形成する前記各現像剤搬送経路の何れか一方に接続され、前記循環経路から前記トナー搬送経路への現像剤の搬送は前記トナー搬送経路が接続された側の現像剤搬送部材のみを駆動させて行われることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の現像装置において、さらに前記循環経路から前記トナー搬送経路への現像剤の搬送後に濃度調整動作を行うことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか1つに記載の現像装置を有するプロセスカートリッジであることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1ないし5の何れか1つに記載の現像装置を有する画像形成装置であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項6ないし8の何れか1つに記載の画像形成装置において、さらに画像形成用のトナーとして、少なくとも窒素原子を含む官能基を有するポリエスエルプレポリマとポリエステルと着色剤と離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/または伸長反応させて得られるものが用いられることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項6ないし8の何れか1つに記載の画像形成装置において、さらに画像形成用のトナーとして、平均円形度が0.93〜1.00のものが用いられることを特徴とする。
本発明によれば、トナー搬送経路内にトナーが長時間滞留することを防止することができ、トナーの凝集体が生成されることを防止できるので、異常画像の発生を防止して良質な画像品質を得ることが可能な画像形成動作を継続して行うことができる。
本発明の一実施形態を採用した画像形成装置の概略正面図である。 本発明の一実施形態に用いられる作像部の概略図である。 本発明の一実施形態に用いられる現像装置内における現像剤及びトナーの流れを説明する概略図である。 本発明の一実施形態に用いられるトナー搬送経路のトナー補給時における概略断面図である。 本発明の一実施形態に用いられるトナー搬送経路のトナー非補給時における概略断面図である。 本発明の第1の実施形態における現像剤搬送動作を説明する現像装置要部の概略図である。 本発明の第1の実施形態における現像剤搬送動作を説明する現像装置要部の概略図である。 本発明の第3の実施形態に用いられるトナー搬送経路の概略断面図である。 本発明の一実施形態における画像面積を変化させて画像形成を行った際の画像形成枚数とトナー凝集体発生量との相関関係を示す線図である。
図1は、本発明の一実施形態を採用した画像形成装置を示している。同図において装置本体100の上方には、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを収容した4つのトナー容器32Y,32M,32C,32Kを着脱自在に支持するトナー容器収容部31が配設されており、その下方には中間転写ベルト8を有する中間転写ユニット15が配設され、中間転写ベルト8と対向して各色に対応した作像部6Y,6M,6C,6Kが並設されている。トナー容器32Y,32M,32C,32Kの下方には、各トナー容器32Y,32M,32C,32Kに対応してトナー供給装置60Y,60M,60C,60Kが配設されており、各トナー容器32Y,32M,32C,32K内に収容されたトナーは各トナー供給装置60Y,60M,60C,60Kによって各作像部6Y,6M,6C,6K内の現像装置内部に供給される。
図2は、イエロに対応した作像部6Yを示している。プロセスカートリッジである作像部6Yは、感光体ドラム1Y、この周囲に配設された帯電装置4Y、現像装置5Y、クリーニング装置2Y、図示しない除電装置等を有しており、装置本体100に対して着脱自在に構成されている。そして感光体ドラム1Y上で帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程からなる作像プロセスが行われ、感光体ドラム1Y上にイエロ画像が形成される。なお、他の3つの作像部6M,6C,6Kも使用されるトナーの色が異なる以外は作像部6Yと同様の構成であり、各感光体ドラム1M,1C,1K上にそれぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M,6C,6Kの説明を省略して作像部6Yについてのみ説明を行う。
感光体ドラム1Yは図示しない駆動モータの作動により図2において時計回り方向に回転駆動され、帯電装置4Yの位置においてその表面を一様に帯電された(帯電工程)後、帯電された表面は図1に示す露光装置7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達し、この位置において露光走査によりイエロに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。静電潜像が形成された感光体ドラム1Yの表面は現像装置5Yとの対向位置に達し、この位置において静電潜像が顕像化されてイエロのトナー像が形成された(現像工程)後、トナー像が形成された表面は中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達し、この位置において感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程)。このとき感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存している。1次転写を終えた感光体ドラム1Yの表面はクリーニング装置2Yとの対向位置に達し、この位置において感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。その後感光体ドラム1Yの表面は図示しない除電装置との対向部に達し、この位置において感光体ドラム1Y上の表面電位が除去される。このようにして感光体ドラム1Y上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
上述の作像プロセスは、他の作像部6M,6C,6Kにおいても同様に行われる。各作像部6M,6C,6Kに対応した露光装置7に設けられた光源から画像情報に基づいたレーザ光Lが発せられ、このレーザ光Lが回転駆動されるポリゴンミラーによって走査されながら複数の光学素子を介して各感光体ドラム1M,1C,1K上に照射される。その後、現像工程を経て各感光体ドラム1M,1C,1K上に形成されたトナー像が中間転写ベルト8上に重畳転写される。これにより中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
図1に示すように中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y,9M,9C,9K、2次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部等を有している。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架及び支持されると共に、2次転写バックアップローラ12の回転により図1に矢印で示す方向に走行する。
4つの1次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kは、それぞれ中間転写ベルト8を各感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。各1次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kにはトナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。中間転写ベルト8が走行して各1次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kの1次転写ニップを順次通過することにより、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に形成された各色のトナー像が中間転写ベルト8上に重畳転写される。
中間転写ベルト8上のカラー画像は、中間転写ベルト8の走行により2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成しており、中間転写ベルト8上に形成された4色のカラー画像は2次転写ニップの位置に搬送された被転写材P上に転写される。このとき中間転写ベルト8上には、被転写材Pに転写しきれなかった未転写トナーが残存している。その後中間転写ベルト8は図示しない中間転写クリーニング部に達し、この位置において中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。このようにして中間転写ベルト8上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
2次転写ニップの位置に搬送される被転写材Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26に複数枚重ねて収納されているものである。給紙部26に設けられた給紙ローラ27が図1において反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の被転写材Pがレジストローラ対28に向けて給送される。給送された被転写材Pはレジストローラ対28において一時停止された後、中間転写ベルト8上に形成されたカラー画像と合致するタイミングでレジストローラ対28が回転することにより2次転写ニップに向けて搬送される。これにより被転写材P上に所望のカラー画像が転写される。
2次転写ニップの位置においてカラー画像が転写された被転写材Pは定着装置20に向けて搬送され、定着装置20において定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより表面に転写されたカラー画像を定着される。画像が定着された被転写材Pは排紙ローラ対29を介して装置外部へと排出され、出力画像としてスタック部30上に順次スタックされる。このようにして本実施形態の画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。
次に本発明の特徴部である、作像部6Yにおける現像装置5Yの構成及び動作について説明する。図2に示すように現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向配置された現像剤担持体である現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向配置されたドクターブレード52Y、第1の現像剤搬送経路を構成する現像剤収容部53Y、第2の現像剤搬送経路を構成する現像剤収容部54Y、各現像剤収容部53Y,54Y内に設けられた第1及び第2の現像剤搬送部材としての搬送スクリュ55Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Y等を有している。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネット、マグネットの周囲を回転するスリーブ等を有している。現像剤収容部53Y,54Y内にはトナーとキャリアとを有する2成分現像剤Gが収容されている。現像剤収容部54Yは、その上方にトナー補給口64Yに連通する開口を有しており、その開口の下方には図3に示すようにトナー搬送経路を構成するトナー収容部91が設けられている。また、現像剤収容部53Yと現像剤収容部54Yとの両端部は、図3に示すように連通部92,93によって互いに連通されている。
上述した現像装置5Yの動作を説明する。現像ローラ51Yを構成するスリーブは図2に矢印で示す方向に回転しており、マグネットにより形成された磁界により現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gはスリーブの回転に伴い現像ローラ51Y上を移動する。現像装置5Y内に収容された現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内となるように調整される。これは、現像装置5Y内のトナー消費に応じてトナー容器32Yに収容されているトナーがトナー補給装置60Y及びトナー収容部91を介して現像剤収容部54Y内に補給されることにより行われる。
図3を用い、現像装置5Y内における現像剤及びトナーの流れを説明する。現像装置5Y内を循環する現像剤の流れは、図3に矢印Z1で示す現像剤収容部53Yでの流れ、矢印Z3で示す現像剤収容部54Yでの流れ、矢印Z2で示す連通部92での流れ,及び矢印Z4で示す連通部93での流れにより形成される現像剤循環経路と、矢印Z5で示すトナー収容部91での流れとにより構成されている。トナー収容部91の上流部にはトナー補給口64Yが設けられており、トナー補給口64Yにはトナー供給装置60Yからのトナーが補給される。トナー補給口64Yから補給されたトナーは現像剤収容部54Yに設けられた搬送スクリュ55Yの回転によりトナー収容部91を矢印Z5の向きに搬送され、連通部92にて現像剤収容部54Yの流れZ3に合流する。この構成では、現像剤循環経路の上方ではなく側方から補給トナーを合流させる構成であるので、比重の低いトナーであっても現像剤Gとの混合及び撹拌を安定して行うことができる。現像ローラ51Y及び各搬送スクリュ55Yは、図示しない駆動手段からの駆動力をギヤ57Y,58Y,59Yにより伝達されることでそれぞれ回転駆動される。
補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって現像剤Gと共に混合及び撹拌されながら各現像剤収容部53Y,54Y間を循環する。現像剤G中のトナーはキャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着し、現像ローラ51Y上に形成された磁力によってキャリアと共に現像ローラ51Y上に担持される。担持された現像剤Gは図2に矢印で示す方向に搬送されてドクターブレード52Yの位置に達し、ドクターブレード52Yによって適量化された後に感光体ドラム1Yとの対向位置である現像領域に運ばれ、現像領域に形成された電界によって感光体ドラム1Y上に形成された静電潜像に対してトナーを吸着させる。その後、現像ローラ51Y上に残存した現像剤Gはスリーブの回転に伴い現像剤収容部53Yの上方に達し、この位置で現像ローラ51Yから離脱する。
トナー容器収容部31に設置された各トナー容器32Y,32M,32C,32K内のトナーは、各色の現像装置5Y,5M,5C,5K内のトナー消費に応じてトナー色毎に設けられたトナー補給装置60Y,60M,60C,60Kにより適宜に各現像装置5Y,5M,5C,5K内に補給される。各トナー補給装置60Y,60M,60C,60Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除いて同一の構成である。
上述したように、作像により使用されたトナーはトナー補給口64Yからトナー収容部91を介して現像剤循環経路へと投入される。このときトナー収容部91は図4に示すようにほぼトナーで満たされており、現像装置5Yが作動している間はトナーが補給されていない場合にも搬送スクリュ55Yは回転を継続している。トナー補給がしばらく行われていない場合には、トナーが現像ケースと搬送スクリュ55Yとの間に溜まり、トナー搬送経路Z5は図5に示す状態となる。トナーは空気を含ませることで流動化させることができるが、一般的に空気が抜けてしまうと流動性が非常に悪くなる。つまり、補給された直後にはある程度流動性を保っていたトナーであってもしばらく放置されることにより流動性が悪化してしまう。この流動性が悪化した不動トナーは、搬送スクリュ55Yの回転によるストレスと圧力とにより劣化が促進され、やがて凝集体となる虞がある。これを防止すべく現像ケースと搬送スクリュ55Yとのクリアランスを低減させることが考えられるが、接触してしまうとさらに凝集体を発生させてしまうため、ある程度のクリアランスは必要となる。このクリアランスに存在するトナーは、図5に示すようにほとんど動くことができない。このように、トナー補給とトナー搬送とを繰り返すことにより、ほとんど動くことのできないトナーは流動性がさらに悪化し、凝集が加速されてしまう。
そこで本発明の第1の実施形態では、上述した問題点を解決すべく所定のタイミングで各搬送スクリュ55Yを逆回転させることにより図6に示すように現像剤Gの流れをそれぞれZ1’,Z2’,Z3’,Z4’(図示せず)、Z5’に変え、連通部92からの現像剤を現像剤収容部53Yへと送り、現像剤収容部53Yからの現像剤を連通部93を介して現像剤収容部54Yへと送り、現像剤収容部54Yの現像剤をトナー収容部91に対して流入させることにより不動状態となっているトナーに対して現像剤Gを混合し、トナーを流動可能とさせて搬送可能な状態としている。その後、図7に示すように搬送スクリュ55Yを通常回転に戻すことにより、トナー収容部91のトナーは流入した現像剤Gと共に現像剤循環経路に運ばれ、作像プロセスに使用されることとなる。
上述の構成によれば、トナー収容部91内にトナーが長時間滞留することを防止することができ、トナーの凝集体が生成されることを防止できるので、異常画像の発生を防止して良質な画像品質を得ることが可能な画像形成動作を継続して行うことができる。
上述した第1の実施形態では、所定のタイミングでトナー収容部91への現像剤Gの搬送動作を行う構成とした。この所定のタイミングを特定すべく画像面積を変化させ、これに伴いトナー収容部91に補給するトナー量を変化させてトナーの凝集体が発生する量を調査した。トナー凝集体の発生量がある閾値を超えると異常画像が発生することが判っている。調査の結果を図9に示す。本実施形態では、画像面積が大きく補給するトナー量が多い場合であっても、画像形成100枚毎にトナー収容部91への現像剤Gの搬送動作を行うことにより、トナー凝集体の発生を抑え長期にわたり高密度高精細な画像を出力できることが確認された。
上述したトナー収容部91への現像剤Gの搬送動作は、生産性の低下やダウンタイム縮小のために作像プロセス終了後あるいは電源オン時等に実行することが好ましい。しかし、作像プロセス毎に実行すると生産性の低下に繋がりかねない。また、現像剤Gの撹拌が実行されるため、無駄な撹拌により現像剤寿命にも影響を与えかねない。
上述の構成において、トナー補給口64Yから供給されるトナーは現像剤Gのトナー濃度が狙いの値となるように供給される。単位時間当たりの補給量には狙いの値があるため、トナー収容部91に供給されたトナー量は見積もることができる。従って、トナー収容部91の状態はトナー収容部91に供給されたトナー量によって把握することができる。
そこで、本発明の第2の実施形態として、トナー収容部91に供給されたトナー量に基づいて上述した各搬送スクリュ55Yの逆転動作を行うことにより、必要な時間のみトナー収容部91への現像剤Gの搬送動作を行うことができる。この構成により無駄な撹拌や動作を防止でき、ダウンタイムの縮小を図ることができると共に現像剤寿命への影響を低減することができる。
図8は、本発明の第3の実施形態におけるトナー収容部91の概略断面図を示している。この第3の実施形態は、第1の実施形態と比較するとトナー収容部91の底部にトナー濃度検知手段としての濃度検知センサ90を有する点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。濃度検知センサ90としては透磁型のセンサ等が用いられる。この構成により、第2の実施形態に比してより正確にトナー収容部91の状態を把握することができ、より正確に無駄な撹拌や動作を防止でき、ダウンタイムの縮小を図ることができると共に現像剤寿命への影響を低減することができる。
上述した構成におけるトナー収容部91への現像剤Gの搬送動作時において、図6に示すように矢印Z3’方向に流れる現像剤Gは、連通部92において矢印Z2’方向への流れと矢印Z5’方向への流れとに分かれる。また、通常の作像プロセス時においては、図7に示すようにトナー収容部91から送られてきたトナーは矢印Z5方向へと流れ、矢印Z2方向に流れる現像剤収容部53Yから送られてきた現像剤Gと合流して矢印Z3方向へと流れていく。従って現像剤収容部54Yの上流付近に存在する現像剤Gはトナー濃度が高く撹拌及び分散が不十分な現像剤となっている。この状態の現像剤Gが矢印Z2及び矢印Z1方向に流れて次の作像プロセスが実行されると、撹拌不足による濃度ムラ及びトナー飛散が発生する虞がある。
そこで本発明の第4の実施形態では、現像剤収容部53Yに設けられた搬送スクリュ55Yにワンウェイクラッチを介装し、トナー収容部91への現像剤Gの搬送動作時において現像剤収容部54Yに設けられた搬送スクリュ55Yのみを作動させ、現像剤Gの流れとして矢印Z3’方向の流れと矢印Z5’方向の流れのみを発生させる。この構成により、現像剤収容部53Y内に高トナー濃度の現像剤が流入することを防止することができ、画像不良の発生を防止することができる。
上記各実施形態において、トナー収容部91内の不動トナーを現像剤Gへと混合させる際に、トナー収容部91内の現像剤はトナー濃度が通常の画像形成プロセスでの補給時よりも高い状態となっている。この状態では、濃度検知センサ56Yが検知している実行前の現像剤Gのトナー濃度と比較して、現像装置5Yのトナー濃度が変化してしまったり現像装置5Y内に部分的にトナー濃度が高い箇所が発生したりして濃度ムラ等の不具合が発生する虞がある。
そこで本発明の第5の実施形態では、トナー収容部91内に現像剤Gを搬送する動作を行った後に濃度調整動作を合わせて実行する。この構成により、現像剤の撹拌が実施されるだけでなく、たとえ現像剤の濃度が高くなってしまった場合であっても作像条件等を変化させることにより濃度ムラの発生を防止でき、良好な画像形成動作を行うことができる。
ここで、上述した画像形成装置において良好な画像形成動作を行うために好適に使用されるトナーについて説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)及び3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)及び3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、及び(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸等);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等公知のエステル化触媒の存在下で150〜280℃に加熱し、必要により減圧しながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となり易く、さらには記録紙への定着時において記録紙とトナーとの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量は1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマ(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/または伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]との当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合にそのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマ(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では耐ホットオフセット性が悪化すると共に耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマ(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は通常1個以上、好ましくは平均1.5〜3個、さらに好ましくは平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満ではウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマ(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等が挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)等が挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物等が挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマ(A)中のイソシアネート基[NCO]とアミン類(B)中のアミノ基[NHx]との当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えた場合あるいは1/2未満の場合では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量とのモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法等により製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)とをテトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等公知のエステル化触媒の存在下で150〜280℃に加熱し、必要により減圧しながら生成する水を留去して水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマ(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際及び(A)と(B)とを反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)及びエーテル類(テトラヒドロフラン等)等のイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマ(A)とアミン類(B)との架橋及び/または伸長反応には必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)等が挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性及びフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。なお未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでもよい。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性及び耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化すると共に耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較してガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエロS、ハンザイエロ(10G、5G、G)、カドミュウムイエロ、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロ、オイルイエロ、ハンザイエロ(GR、A、RN、R)、ピグメントイエロL、ベンジジンイエロ(G、GR)、パーマネントイエロ(NCG)、バルカンファストイエロ(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエロBGL、イソインドリノンイエロ、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させて現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスがバインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルのごとき離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド、及び低分子量の結晶性高分子樹脂であるポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えばn−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。荷電制御剤及び離型剤は、マスターバッチ、バインダ樹脂と共に溶融混練することもでき、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えてもよい。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。中でも流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子とを併用することが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力及びファンデルワールス力が格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によってもトナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタル等が発生しない良好な画像品質が得られ、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性及び画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性が悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなるとこの副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち画像形成を繰り返し行っても安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマ、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマ100重量部に対し通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させ
る。
水系媒体は、水単独でもよいし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等の有機溶媒を含むものであってもよい。トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等のアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を上げることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級若しくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このため、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸等の酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の含窒素化合物、またはその複素環を有するもの等のホモポリマまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波等の公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は通常0.1〜5分である。分散時の温度としては通常0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時にアミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマ(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/または伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマ(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は通常0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等が挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄及び乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後に水洗する等の方法により、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解等の操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に荷電制御剤を打ち込み、次いでシリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させてトナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み及び無機微粒子の外添は、ミキサ等を用いた公知の方法によって行われる。これにより、小粒径であって粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに表面のモフォロジも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
小粒径であって粒径分布がシャープであると高画像かつ高繊細な画像が得られるだけでなく、使用トナー量の低減を図ることができる。また、小粒径トナーは放置により流動性が悪化し易くトナー凝集も発生し易いため、本発明によりトナー凝集の生成を防止できる。
円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。ここで円形度の測定方法について説明する。
円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状を測定する。
平均円形度が0.93〜1.00の範囲ではトナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体との接触面積が小さいために転写性に優れる。またトナー粒子に角がないため、現像装置内での現像剤の攪拌トルクが小さく、攪拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。さらにドットを形成するトナーの中に角張ったトナー粒子がないため、転写で転写媒体に圧接する際にその圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じ難い。またトナー粒子が角張っていないことからトナー粒子そのものの研磨力が小さく、感光体や帯電部材等の表面を傷つけたり磨耗させたりしない。これらの理由により、長期にわたり高密度かつ高繊細な画像を得ることができる。
上述した構成では、画像形成装置として複写機を用いた例を示したが、本発明が適用可能な画像形成装置はこれに限られず、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらの複合機等の他の画像形成装置にも本発明は適用可能である。
5 現像装置
6 プロセスカートリッジ(作像部)
51 現像剤担持体(現像ローラ)
53 第1の現像剤搬送経路(現像剤収容部)
54 第2の現像剤搬送経路(現像剤収容部)
55 第1及び第2の現像剤搬送部材(搬送スクリュ)
60 トナー供給装置
90 トナー濃度検知手段(濃度検知センサ)
91 トナー搬送経路(トナー収容部)
92,93 連通部
G 2成分現像剤
特開2006−171038号公報

Claims (10)

  1. トナーとキャリアとを有する2成分現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対向配置され前記現像剤担持体の長手方向の一方に向けて現像剤を搬送する第1の現像剤搬送部材を有する第1の現像剤搬送経路と、第1の現像剤搬送経路に対向配置され前記現像剤担持体の長手方向の他方に向けて現像剤を搬送する第2の現像剤搬送部材を有する第2の現像剤搬送経路と、前記各現像剤搬送経路の長手方向両端部にそれぞれ設けられ前記各現像剤搬送経路間を連通する連通部とを具備し、前記各現像剤搬送経路間において現像剤が循環する循環経路を形成する現像装置において、
    前記循環経路に対してトナー供給装置からトナーを補給搬送するトナー搬送経路を前記循環経路の外部に有し、前記トナー搬送経路に対し前記循環経路内の現像剤を所定のタイミングで搬送することを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1記載の現像装置において、
    前記循環経路から前記トナー搬送経路への現像剤の搬送は前記トナー供給装置から前記トナー搬送経路に供給されたトナー量に基づいて行われることを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1記載の現像装置において、
    前記トナー搬送経路内のトナー濃度を検出するトナー濃度検知手段を有し、前記循環経路から前記トナー搬送経路への現像剤の搬送は前記トナー濃度検知手段の検知結果に基づいて行われることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の現像装置において、
    前記トナー搬送経路が前記循環経路を形成する前記各現像剤搬送経路の何れか一方に接続され、前記循環経路から前記トナー搬送経路への現像剤の搬送は前記トナー搬送経路が接続された側の現像剤搬送部材のみを駆動させて行われることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の現像装置において、
    前記循環経路から前記トナー搬送経路への現像剤の搬送後に濃度調整動作を行うことを特徴とする現像装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか1つに記載の現像装置を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項6記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1ないし5の何れか1つに記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項6ないし8の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    画像形成用のトナーとして、少なくとも窒素原子を含む官能基を有するポリエスエルプレポリマとポリエステルと着色剤と離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/または伸長反応させて得られるものが用いられることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項6ないし8の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    画像形成用のトナーとして、平均円形度が0.93〜1.00のものが用いられることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017111330A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 富士ゼロックス株式会社 現像器および画像形成装置

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