JP2010210497A - 液体クロマトグラフィー用充填剤、及び生体高分子の分離精製方法 - Google Patents

液体クロマトグラフィー用充填剤、及び生体高分子の分離精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充填剤及びそれを用いた生体高分子の分離精製乃至捕集回収方法。
【解決手段】基材がアルコール性水酸基を基材表面に有し、スペーサーがアルコール性水酸基を有する合成高分子又は多糖類であり、リガンドが下記式(1)
Figure 2010210497

(Rは芳香族基又は炭素数5〜7個の非イオン性脂肪族基)で示されるα−アミノ酸及びアミノメチル安息香酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、基材に直接固定化されたリガンドが上記式(1)で示されるα−アミノ酸又はアミノメチル安息香酸に含まれるアミノ基を介してアミド結合又はウレタン結合で上記基材に固定化されており、スペーサーを介して基材に固定化されたリガンドが上記式(1)で示されるα−アミノ酸又はアミノメチル安息香酸に含まれるアミノ基を介してアミド結合又はウレタン結合で上記スペーサーに固定化されている液体クロマトグラフィー用充填剤。
【選択図】なし

Description

本発明は水溶液に溶解したイオン性物質、特に、タンパク質、ペプチド等の生体高分子を吸着・脱着作用及び/又は液体クロマトグラフィー法により分離精製乃至捕集回収するために好適な充填剤、及びそれを用いた生体高分子の分離精製乃至捕集回収方法に関する。
更に詳しくは、酸性水溶液条件下、充填剤の疎水性基と、タンパク質、ペプチド等の生体高分子の表面疎水性基との相互作用を利用して溶質高分子を吸着し、溶離液のpHを中性又は弱アルカリ性に変更することにより充填剤を親水性に変化させて、吸着したタンパク質、ペプチド等の生体高分子を脱着・溶出することにより回収し、分離精製するための液体クロマトグラフィー用充填剤及びそれを用いた生体高分子の分離精製乃至捕集回収方法に関する。
タンパク質、ペプチド等の生体高分子を吸着・脱着して分離精製する液体クロマトグラフィー用充填剤は、多くの場合、水溶液中でタンパク質及びペプチドを吸着しない親水性充填剤を基材として、その表面にタンパク質と相互作用する官能基を固定化した構造になっている。このような親水性の基材としては、例えば、生体高分子が浸透できる大きさの細孔を持つ多孔性粒子であって、親水性表面を有するものが使用され、官能基を導入しなければ、ほぼ分子サイズの大きい順に、各溶質は溶出する。
基材に親水性を付与しているのはアルコール性水酸基、又はアミド基等の非イオン性極性基である。特に水酸基は特定の官能基を固定化するための反応基点として利用されている。
官能基として疎水基を導入した場合が疎水クロマトグラフィー用充填剤又は逆相クロマトグラフィー用充填剤である。
逆相クロマトグラフィー用充填剤はタンパク質等を溶出する際に、有機溶媒を含む溶出液が必要でタンパク質を変性することが多く、分析には用いられるが精製手段としてはあまり利用されない。
一方、疎水クロマトグラフィーは、高濃度塩溶液中でタンパク質等を吸着し、有機溶媒を添加しなくとも塩濃度を下げることによりタンパク質等を溶出できる分離精製法である。疎水クロマトグラフィーは、生体高分子の複雑な生理活性を保持して目標物質を分離精製する手段としてイオン交換法に次ぐ頻度で広く利用され、イオン交換法と組合わせて使用されることが多い。その主な理由としては、例えば、タンパク質が安定な溶媒(組成、pH)及び温度で分離操作ができること、また、再生洗浄、滅菌処理、エンドトキシン除去処理等に対し比較的に安定性が良く、性能寿命が長いこと、更には、生体高分子とは疎水的相互作用に基づき吸着・脱着を行うものであり、汎用されているイオン交換法とは分離機構が異なること等が挙げられる。
疎水クロマトグラフィー用充填剤に用いられる官能基としては、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基等の非イオン性基が例示される。
近年、特定タンパク質(ペプタイドを含む。)を効率良く産生する方法として、遺伝子組換え技術を利用して、遺伝子組換え細胞を培養し、細胞内又は細胞外にタンパク質を造らせる方法が開発され利用されている。培養上清やホモジネート液中のタンパク質濃度は、多い場合でもリットル当たり数グラム程度であり、通常は更に低い。したがって、多量のタンパク質を製造する場合、数百から数千倍の培養液を迅速に処理し、目的タンパク質を含む粗精製品を捕集することが要求される。そのため、どのようなクロマトグラフィーを用いる場合でも、単位容積当たりの目標物質の負荷容量を多くすることが、操作の時間短縮と設備のコンパクト化によるコスト低減に役立ち、タンパク質(ペプタイドを含む。)の精製技術には重要な因子となる。
ここで、疎水クロマトグラフィーは、タンパク質を吸着するために、吸着緩衝液中に高濃度(一般に1.5モル/リットル以上)の硫酸アンモニウムや硫酸ナトリウム等を含有させる必要がある。したがって、多量の培養上清やホモジネート液を処理するためには、多量の塩を必要とし、その廃棄も課題となり、精製コストを押し上げることになる。
一方、イオン交換法は、低塩濃度の溶液からタンパク質を吸着するには適しているが、上記細胞培養液には、一般に生理食塩水程度(約0.15モル/リットル)以上の塩を含む場合が多く、イオン交換体で捕集するには、塩濃度が高すぎるため、脱塩又は希釈により共存する塩濃度を下げる必要がある。したがって一工程増やして透析又は脱塩用カラムにより前処理するか、希釈により培養液容量を増やすことが必要となり、どちらにしても迅速に目的のタンパク質を細胞培養液から捕集するためには適さない。
近年、V.Kascheら(非特許文献1参照)や、S.C.Burtonら(特許文献1、特許文献2、非特許文献2参照)、W.Schwarzら(非特許文献3参照)によって、弱アニオン交換基と疎水性基を併せ持つリガンドを上記親水性基材に固定化した充填剤を用いて、中性乃至弱塩基性pH条件にて、吸着溶液の塩濃度にあまり影響されないでタンパク質を吸着し、溶出液pHを弱酸性とし、リガンドのアニオン交換基をイオン化することにより、充填剤を親水性に変え、吸着したタンパク質を溶出回収することができることが報告された。しかしながら、これらの充填剤は等電点がpH=8.5以上のタンパク質は吸着しないか、又は吸着しても吸着量が数ミリグラム/ミリリットル以下に限定される。
また、A.Groenbergら(特許文献3参照)により、弱カチオン交換基と炭素、イオウ、酸素で構成されるヘテロ芳香族環を併せ持つリガンドを親水性充填剤に固定化した充填剤を用いて、弱酸性pH条件で抗体を選択的に吸着し、弱塩基性pH条件で溶出することが報告されている。
しかしながら、弱アニオン交換基と疎水性基を併せ持つリガンド固定化充填剤の場合、中性乃至弱塩基性条件でタンパク質等を吸着するため、塩基性タンパク質はイオン排除力を受け、逆に酸性タンパク質の大部分のアニオン基はイオン化するため表面親水性が高く、疎水的吸着力が弱まり、吸着容量が少ない。一方、特許文献3に記載の弱カチオン交換基とヘテロ芳香族環を併せ持つリガンドを親水性充填剤に固定化したリガンド固定化充填剤の場合、特定のタンパク質(抗体)への特異性は強く吸着するが、タンパク質全般への適用は困難であり、適用範囲が狭い。
そこで、吸着に関しては、タンパク質の等電点や吸着溶液の塩濃度にあまり影響されないで、タンパク質全般への広い適用範囲を持ち、溶出時にpH条件を制御することで溶出する溶質(例えば、タンパク質、ペプチド等)を制御可能な充填剤と吸脱着法の開発が望まれている。
すなわち、従来の充填剤では、タンパク質の物性(例えば、等電点)やタンパク質等生体高分子の溶解する溶媒の塩濃度により吸着量が変化してしまい、又、希薄で多量な細胞培養液から目標とするタンパク質等生体高分子を広く濃縮回収することが困難であった。
例えば、イオン交換用充填剤の場合、イオン強度の低い溶液中に限定されるものの、分子量1万〜7万程度の粒状タンパク質であれば、約100グラム/リットル程度(湿潤容量)のタンパク質吸着容量が得られる。また、イオン交換用充填剤では、充填剤表面に親水性グラフトポリマーを固定化し、そのグラフトポリマー上にイオン交換基を導入することにより、更にタンパク質吸着容量が増加することができる(例えば、特許文献4参照)。
一方、疎水クロマトグラフィー及び逆相分配クロマトグラフィーにおいては、疎水性リガンドをスペーサーなし又は通常のアフィニティー・クロマトグラフィーで用いる短鎖スペーサー(炭素−炭素結合で、炭素鎖の炭素数が3〜10程度の長さのスペーサー)を介して、充填剤に固定化した場合、適切な細孔径及び空孔率の基材を用いても、分子量1万〜十数万のタンパク質の場合、その吸着容量は、最大でも65ミリグラム/ミリリッター以下である。
また、疎水クロマトグラフィー及び逆相分配クロマトグラフィーにおいても、上記したイオン交換用充填剤のように、グラフトポリマー上に疎水性基を導入することはできるが、タンパク質(ペプタイドを含む。)を保持する溶媒条件では、疎水性基を導入したグラフトポリマーが凝集し、収縮するため、タンパク質吸着容量はほとんど増加せず、むしろ減少することもある。したがって、この種の充填剤を用いた疎水結合に基づく吸脱着又はクロマトグラフィーでは、吸着容量の増加はできていないのが現状である(例えば、特許文献5参照)。
米国特許第5,652,348号明細書 米国特許第5,945,520号明細書 国際公開第2005/082483号パンフレット 特開2008−232,764公報 特許第3,059,443号明細書
Journal of Chromatography,510(1990)p.149−154 Journal of Chromatography A,814(1998)p.71−81 Journal of Chromatography A,908,1−2(2001)p.251−263
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、タンパク質の等電点や、タンパク質、ペプチド等の生体高分子の溶解する溶媒の塩濃度に影響されず、pHの変化でタンパク質等生体高分子の吸脱着により、分離精製・捕集回収できる新規な液体クロマトグラフィー用充填剤を提供すること、及びその充填剤を使用して、希薄で多量な細胞培養液から目標とするタンパク質等生体高分子を濃縮回収する方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、基材に直接固定化された特定のリガンドと、特定のスペーサーを介して基材に固定化された特定のリガンドとを有する液体クロマトグラフィー用充填剤、及びそれを用いたタンパク質の分離精製及び捕集回収方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下に示すとおりの疎水性アミノ酸類を固定化した液体クロマトグラフィー用充填剤、及びそれを用いた生体高分子の分離精製乃至捕集回収方法である。
[1]基材に直接固定化されたリガンドと、スペーサーを介して基材に固定化されたリガンドとを有する液体クロマトグラフィー用充填剤であって、
(1)基材が、アルコール性水酸基を基材表面に有する親水性の基材であり、
(2)スペーサーが、アルコール性水酸基を有する合成高分子又は多糖類であり、
(3)リガンドが、下記式(1)
Figure 2010210497
(上記式中、Rは芳香族基又は炭素数5〜7個の非イオン性脂肪族基を表す。)
で示されるα−アミノ酸、及びアミノメチル安息香酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、
(4)基材に直接固定化されたリガンドが、上記式(1)で示されるα−アミノ酸又はアミノメチル安息香酸に含まれるアミノ基を介して、アミド結合又はウレタン結合で、上記基材に固定化されており、
(5)スペーサーを介して基材に固定化されたリガンドが、上記式(1)で示されるα−アミノ酸又はアミノメチル安息香酸に含まれるアミノ基を介して、アミド結合又はウレタン結合で、上記スペーサーに固定化されており、かつ
(6)基材に固定化されたリガンドの量が、液体クロマトグラフィー用充填剤1リットル(湿潤容量)当たり30ミリモル以上である、液体クロマトグラフィー用充填剤。
[2]α−アミノ酸が、フェニルアラニン、トリプトファン、ロイシン、ノルロイシン及びα−アミノオクタン酸からなる群より選択されることを特徴とする上記[1]に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[3]基材が、天然高分子系担体、合成高分子系担体、及び無機系担体からなる群より選択されるクロマトグラフィー用担体であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤
[4]基材が多孔性粒子であって、その排除限界分子量がプルラン換算で10万以上であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[5]多糖類が、アニオン交換基を有しない重量平均分子量1万以上の多糖類又はその誘導体であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[6]基材中のアルコール性水酸基及びスペーサー中のアルコール性水酸基を、有機溶媒中、1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾールで活性化した後、有機溶媒又は含水有機溶媒中でリガンド中のアミノ基と反応させ、ウレタン結合によりリガンドを、直接前記基材に導入するとともに、前記スペーサーを介して基材に導入することを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法。
[7]基材及びスペーサーにカルボキシル基を導入後、カルボジイミド類を触媒として、それとリガンド中のアミノ基とを反応させ、アミド結合により前記リガンドを、直接前記基材に導入するとともに、前記スペーサーを介して基材に導入することを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法。
[8]上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤を用い、pH5以下の酸性水溶液条件で生体高分子を吸着し、その後、中性乃至pH9以下の弱塩基性条件で吸着した生体高分子を脱着することを特徴とする、液体クロマトグラフィーによる生体高分子の分離精製乃至捕集回収方法。
なお、本発明において、リガンドとは、目的とするタンパク質、ペプチド等の生体高分子が特異的に結合する化学物質をいう。
また、本発明において、スペーサーとは、基材とリガンドとの距離を調整するために用いられる化学結合部位をいう。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、疎水性基とカルボキシル基とを有するリガンドが親水性の基材に固定化されており、酸性水溶液条件ではタンパク質等の生体高分子を吸着し、中性〜弱塩基性条件では吸着した生体高分子を脱着するため、これら生体高分子の疎水性及びイオン性に応じてこれらを溶出回収することができる。
また、本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、特定のスペーサー(アルコール性水酸基を有する合成高分子又は多糖類)を介して基材に固定化された上記リガンドを有するため、このようなスペーサーを介してリガンドが基材に固定化されていない充填剤と比較して、充填剤の単位容積当たりの、タンパク質、ペプチド等の生体高分子の吸着容量を増加することができ、迅速・効率的に生体高分子を分離精製又は濃縮回収することができる。
また、本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、タンパク質等の生体高分子が溶解する溶媒の塩濃度に影響されず、pHの変化で生体高分子の吸脱着により、それらを分離精製乃至捕集回収することができる分離材料である。
さらに、本発明の液体クロマトグラフィーによる生体高分子の分離精製乃至捕集回収方法によれば、例えば、生理食塩水又はそれ以上の塩を含有する細胞培養上清を、pH調整等の簡便な前処理の後、脱塩操作等をすることなく、そのまま本発明の充填剤に接触させることで、タンパク質等の生体高分子を疎水性に基づく吸脱着により、希薄で多量な細胞培養液から比較的不安定なタンパク質等の生体高分子を、よりコンパクトな設備で、多量に迅速に分離精製又は濃縮回収することができる。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、基材に直接固定化されたリガンドと、スペーサーを介して基材に固定化されたリガンドとを有する液体クロマトグラフィー用充填剤であって、
(1)基材が、アルコール性水酸基を基材表面に有する親水性の基材であり、
(2)スペーサーが、アルコール性水酸基を有する合成高分子又は多糖類であり、
(3)リガンドが、下記式(1)
Figure 2010210497
(上記式中、Rは芳香族基又は炭素数5〜7個の非イオン性脂肪族基を表す。)
で示されるα−アミノ酸、及びアミノメチル安息香酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、
(4)基材に直接固定化されたリガンドが、上記式(1)で示されるα−アミノ酸又はアミノメチル安息香酸に含まれるアミノ基を介して、アミド結合又はウレタン結合で、上記基材に固定化されており、
(5)スペーサーを介して基材に固定化されたリガンドが、上記式(1)で示されるα−アミノ酸又はアミノメチル安息香酸に含まれるアミノ基を介して、アミド結合又はウレタン結合で、上記スペーサーに固定化されており、かつ
(6)基材に固定化されたリガンドの量が、液体クロマトグラフィー用充填剤1リットル(湿潤容量)当たり30ミリモル以上である、液体クロマトグラフィー用充填剤である。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤に用いる基材は、アルコール性水酸基をその表面に有する親水性の基材であって、特に限定するものではないが、例えば、クロマトグラフィー用担体として一般に使用される、天然高分子系担体、合成高分子系担体、無機系担体等を挙げることができる。
本発明において、天然高分子系担体としては、例えば、セルロース、アガロース、デキストラン等の多糖類が挙げられる。合成高分子系担体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体を、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の架橋性単量体と混合し、重合開始剤の存在下に重合することにより調製したもの等が挙げられる。無機系担体としては、例えば、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。
また、本発明において、基材の形態としては、例えば、球状粒子、非球状粒子、膜、モノリス(連続体)等が挙げられるが、特に制限されない。
本発明においては、これらのうち、水溶性高分子(例えば、タンパク質、ペプチド等)の分子サイズ排除クロマトグラフィー用充填剤として利用可能な液体クロマトグラフィー用担体であって、アルコール性水酸基がその表面にある担体が好適に使用できる。
具体的には、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマーに代表されるモノマーを架橋性モノマーと共重合して粒子化したもの[例えば、(メタ)アクリル酸エステル系充填剤、(メタ)アクリルアミド系充填剤等]や、酢酸ビニルと各種架橋剤(2官能以上のモノマー)とを共重合して粒子化し、酢酸ビニルモノマー単位を加水分解したもの、アガロース、デキストラン、セルロース等に代表される多糖類を架橋したもの(多糖系充填剤)が好適に使用できる。
さらに具体的には、(メタ)アクリル酸エステル系充填剤としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの共重合粒子、グリシジルメタアクリレートとエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの共重合粒子を水又は多価アルコールでグリシジル基を開環付加した粒子等が例示される。
また、(メタ)アクリルアミド系充填剤としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドとN,N’−メチレンジ(メタ)アクリルアミドの共重合粒子等が例示される。
さらに、多糖系充填剤としては、アガロース、デキストラン、セルロース等の多糖類をエピハロヒドリン又は炭素数2〜8のポリメチレンジハロゲン等で多糖類の水酸基同士間を架橋した充填剤等が例示される。
本発明において、充填剤として十分な吸着容量を確保するには、使用される基材は、多孔性粒子であって、その細孔径が分離対象とする生体高分子(例えば、タンパク質、ペプチド等)の分子サイズより大きいことが好ましく、その排除限界分子量がプルラン換算で10万以上であることが好ましい。
また、試料溶液及び溶離液を実用的な流速で流す場合の通液性を考慮すると、充填剤には物理的な強度が要求される。多孔性充填剤の場合、純水での膨潤度は12.5ミリリットル/グラム以下が好ましい。
本発明において、スペーサーは、アルコール性水酸基を有する合成高分子又は多糖類であり、アニオン交換基を含有しないものが好ましい。具体的には、プルラン、デキストラン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が例示される。これらスペーサーの分子量は、小さ過ぎれば、基材の細孔内壁に固定化されたとき、細孔内を満たすことはできず、生体高分子の吸着容量の拡大効果は限定的である。一方、大き過ぎれば、基材の細孔内に進入できず、基材の外部表面にしか固定化できなくなり、吸着容量の拡大効果は極めて少ない。したがって、スペーサーの重量平均分子量は、1万以上が好ましい。重量平均分子量の上限は基材細孔の排除限界分子量に依存するが、一般的にこれら高分子の分子量分布は広いため、重量平均分子量の上限は特に限定されない。
本発明において、アルコール性水酸基を有する合成高分子又は多糖類を基材に固定化する方法としては、例えば、まずエピハロヒドリン又はポリアルコールのポリグリシジルエーテルと基材を、強アルカリ性水媒体中で、付加及び/又は脱ハロゲン化水素して、基材をエポキシ活性化した後、残留するエピハロヒドリン又はポリアルコールのポリグリシジルエーテルを洗浄除去後、水に溶解したアルコール性水酸基を有する合成高分子又は多糖類と混合し、強アルカリ性条件で付加反応して、固定化する方法等が挙げられる。
上記した方法において、エピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が使用でき、また、ポリアルコールのポリグリシジルエーテルとしては、例えば、エチレングリコール、ブタンジオール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジグリセロール等のポリグリシジルエーテルが使用できる。
本発明において、リガンドは、疎水性基とカルボキシル基とを有するものであって、具体的には、上記式(1)で示される疎水性基を有するα−アミノ酸、又はアミノメチル安息香酸である。疎水性基を有するα−アミノ酸としては、芳香族基を有するα−アミノ酸や、炭素数5個〜7個の非イオン性脂肪族基を有するα−アミノ酸が、本発明の機能を発揮するリガンドとなる。芳香族基を有するα−アミノ酸としては、具体的には、フェニルアラニン、トリプトファン等が例示される。非イオン性脂肪族基を有するα−アミノ酸としては、具体的には、ロイシン、ノルロイシン、α−アミノオクタン酸等が例示される。これらのα−アミノ酸類には光学異性体があるが、L−体、D−体及びラセミ体に関係なく、本発明の機能を発揮する。
本発明において、使用するリガンドの種類によっては、リガンド密度が高すぎる場合に疎水性が強くなりすぎ、対象とする水溶性高分子(例えば、タンパク質、ペプチド等)を吸着したときにそれを変性させてしまい、回収率が低下するおそれがある。このような場合には、疎水性のリガンドとしては機能しないが、疎水性の調節用に中性乃至酸性アミノ酸や、親水性アミンを、本発明のリガンドと共に導入することができる。
中性乃至酸性アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、β−アラニン、プロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、チロシン等が挙げられる。
また、親水性アミンとしては、例えば、エタノールアミン、2−アミノ−(2−ヒドロキシメチル),1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
本発明において、これらリガンドの基材への導入方法としては、疎水結合でタンパク質等を保持できるようにリガンド密度が十分に高くできること、及びアニオン交換基が実質的に共存しないことが必要条件となる。これは、得られる充填剤にアニオン交換基が共存すると、酸性pHでイオンに解離し、充填剤の親水性を高め、疎水結合を妨害することになるからである。本発明におけるリガンド導入方法は、これらの条件を満たすものであればよく、特に限定するものではないが、具体例として、以下に2つの方法を示す。
第一の合成方法は、基材中のアルコール性水酸基及びを有機溶媒中、1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール(以下、CDIと略す。)で活性化した後、有機溶媒又は含水有機溶媒中でリガンドのアミノ基と反応させ、ウレタン結合により上記リガンドを上記基材に導入する方法である。
第二の合成方法は、基材にカルボキシル基を導入した後、カルボジイミド類を触媒として、それとリガンドのアミノ基とを反応させ、アミド結合により上記リガンドを上記基材に導入する方法である。
第二の合成方法において、基材にカルボキシル基を導入する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、基材のアルコール性水酸基に対して、ハロゲン化カルボン酸類をアルカリ性条件で反応させる方法、ハロヒドリンをアルカリ性条件で付加し、エポキシ基を導入し、メルカプトカルボン酸(例えば、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸など)を中性又は弱アルカリ性条件で反応させる方法、又はアリルグリシジルエーテルを付加し、アリル基を導入し、メルカプトカルボン酸を酸性条件で反応させる方法などが挙げられる。
また、第二の合成方法において、カルボジイミドとしては、有機溶媒系用には、例えば、ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド等を使用することができ、水系又は水と有機溶媒混合系用には、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N−シクロヘキシル−N’−(2−モルフォリノエチル)カルボジイミド・メソ−p−トルエンスルホン酸塩等を使用することができる。なお、基材にカルボキシル基を導入した後、カルボジイミド類でカルボキシル基を活性化するときに、N−ヒドロキシコハク酸イミド(以下、NHSと略す場合がある。)や1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを共存させ、アミノ基を有するリガンドと反応させることにより、副反応を抑制することができる。
ところで、B.H.J.Hofsteeら,Biochemical and Biophysical research communications, 63(1975)p.618−624や、M.Kimら,Journal of Chromatography, 585(1991)p.45−51で報告されているように、上記以外の方法で、疎水性アミノ酸を基材に導入することは既に知られている。しかしながら、上記B.H.J.Hofsteeらの報告にもあるように、臭化シアン活性化法では十分な疎水性アミンを導入できず、溶離液に高濃度の塩溶液中でないとタンパク質を吸着することはできない。
また基材にエポキシ基やホルミル基を導入した後、2級アミン結合によりアミノ酸を導入することはできる。しかしながら、この方法では、酸性条件ではアミノ基がイオン解離し、中性条件ではアミノ基とカルボキシル基が共に部分的にイオン解離し、塩基性条件ではカルボキシル基がイオン解離する。よって、上記M.Kimらの報告に記載されているように、低イオン強度の溶離液ではタンパク質を静電的相互作用により吸着保持できるが、疎水性相互作用は強く働かず、溶離液のイオン強度を増すことによりタンパク質は放出される。したがって、リガンドの固定化によってアニオン交換基が生ずる上記したリガンドの導入方法は、本発明においては採用されない。
上記第一及び第二の合成方法によって得られた本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、基材に直接固定化されたリガンドと、スペーサーを介して基材に固定化されたリガンドとを有する液体クロマトグラフィー用充填剤となる。
そして、上記充填剤において、基材に直接固定化されたリガンドは、上記式(1)で示されるα−アミノ酸又はアミノメチル安息香酸に含まれるアミノ基を介して、アミド結合又はウレタン結合で、上記基材に固定化されており、スペーサーを介して基材に固定化されたリガンドは、上記式(1)で示されるα−アミノ酸又はアミノメチル安息香酸に含まれるアミノ基を介して、アミド結合又はウレタン結合で、上記スペーサーに固定化されている。
また、本発明において、基材に固定化されたリガンドの量は、本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤1リットル(湿潤容量)当たり通常30ミリモル以上である。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤を液体クロマトグラフィー用カラムに充填し、pHが5以下(好ましくは、pHが3〜5の範囲)の溶離液を流すと、カラム内のpHが下がり、カルボキシル基のイオン解離が減少し、上記した充填剤表面の疎水性が上がった状態になる。ここで、この充填剤と、疎水表面を持つ溶質(例えば、タンパク質、ペプチド等)が溶解した試料溶液とを接触させると、溶質は充填剤に吸着する。なお、本発明においては、試料溶液に酸又はアルカリを添加して、そのpHを5以下の酸性水溶液とすることが好ましい。
次いで、非吸着成分を上記した溶離液と同一のpHの溶離液で洗浄後、溶離液のpHを徐々に上げていくと、充填剤中のカルボキシル基のイオン解離(イオン化比率)が増加し、逆に充填剤表面の疎水性が減少してくる。そして、中性乃至pH9以下の弱塩基性条件で、吸着していた溶質がその表面疎水性に応じて、充填剤から脱着し溶出してくる。
このように、本発明においては、溶質と充填剤間の疎水的相互作用を弱めることにより、溶質の疎水性及びイオン性に基づき個々の溶質を分離精製して溶出回収することができる。また、ここで、急激に溶離液のpHを中性又は弱塩基性まで上げれば、吸着していた溶質を濃縮された溶液として溶出回収することもできる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で用いる基材は、いずれもアルコール性水酸基をその表面に有する担体(親水化基材)である。当該基材の水系での多孔性に関する物性を排除限界分子量及び空孔率で評価した。それらの測定方法は以下のとおりである。
排除限界分子量及び空孔率の測定:
親水化基材のゲルスラリー水溶液を用い、内径10.7mm、長さ150mmのステンレス製カラムに最密充填になるように当該基材を充填した。次に、RI−8020検出器(東ソー社製)を装備したHPLCシステム(東ソー社製)に当該充填カラムを装着した。
引き続き、標準物質として分子量4000万のデキストラン、表1に記載した各分子量のプルラン及びポリエチレングリコールを用い、0.5ml/min.の流速で種々の分子量の標準物質を注入し、その溶出容量から排除限界分子量を求めた。また、デキストランとエチレングリコールの溶出容量及びカラム容積から空孔率を求めた。
測定に使用した親水化基材は、メタクリル酸エステル系多孔性充填剤[トヨパール HW−65C、HW−55C、及びHW−50C(以上、東ソー社製)]、架橋アガロース系充填剤[セファローズ6・ファストフロー(GEヘルスケアー社製)]、並びに架橋デキストラン系充填剤[セファデックスG−25(GEヘルスケアー社製)]の5充填剤である。得られた結果を表1に示す。
Figure 2010210497
製造例1.
その表面にアルコール性水酸基を有するメタクリル酸エステル系多孔性充填剤[トヨパール HW−65C(東ソー社製)]を、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、当該基材スラリーの純水を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
このゲルケーキ200グラムと純水300ミリリットル及び100グラムのクロロメチルオキシランを1リットルのセパラブルフラスコに入れ、反応温度を45℃に保ち攪拌しながら85グラムの48%水酸化ナトリウムを2時間かけて滴下した。滴下後さらに1時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、エポキシ活性化基材のサクションドライ・ゲルケーキを得た。このエポキシ活性化ゲルケーキ全部と重量平均分子量50万のデキストラン130グラム及び純水350ミリリットルを入れ、温度を25℃に保ち攪拌しながらデキストランを溶解した。その後10グラムの48%水酸化ナトリウムを投入し、投入後さらに16時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、デキストラン固定化基材のサクションドライ・ゲルケーキを得た。これを中間基材1とする。中間基材1のデキストラン固定化量は以下の方法で測定した。
多糖固定化量の測定1:
中間基材1(サクションドライ・ゲルケーキ)10グラムを15ミリリットルの純水に懸濁し、グラスフィルター付内径20ミリメートルのガラスカラムに注ぎ、吸引ろ過で溶媒を除去した。形成したベット(カラムに堆積した充填剤部分)の高さから基材の容積を測定しておいた。これとは別に中間基材1(サクションドライ・ゲルケーキ)を5グラム取り、50℃で減圧乾燥し、重量を測定した。この乾燥ゲルと2モル/リットルの塩酸20ミリリットルを還流冷却器付きの100ミリリットルの三角フラスコに入れ、90℃150分間デキストランを加水分解した。反応後基材をグラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、再び50℃で減圧乾燥し、重量を測定した。加水分解前後の基材の乾燥重量の差からデキストラン固定化量を求めた。測定結果を表2に示す。
Figure 2010210497
次に、中間基材1(サクションドライ・ゲルケーキ)50グラムをN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す。)溶媒で懸濁とろ過を繰返し、含有水分を除去し、当該充填剤スラリーの分散溶媒を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
このゲルケーキ50グラムとDMF100ミリリットルを300ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、攪拌した。CDI 60ミリモルをジオキサン30グラムに溶解し、30℃一定でCDI溶液を上記セパラブルフラスコに滴下した。滴下後1時間攪拌を継続した。その後、スラリーをグラスフィルターでろ過し、DMF溶媒でゲルを洗浄し、未反応CDIや副生成物を除去し、CDI活性化サクションドライ・ゲルケーキを合成した。
得られたゲルケーキ全量を再び300ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、100ミリリットルのジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す。)を加えて攪拌した。L−フェニルアラニン24ミリモルとグリシン6ミリモルを1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液25ミリリットルに溶解し、50ミリリットルのDMFを加えて混合した。このアミノ酸溶液を一度に上記セパラブルフラスコに投入し、室温下16時間攪拌し、反応した。
反応終了後、再びグラスフィルター上で、DMF、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、純水の順に得られたゲルを洗浄した。この反応で得られたゲルを充填剤1とする。
イオン交換容量の測定:
洗浄済の充填剤1(サクションドライ・ゲルケーキ)10グラムを15ミリリットルの純水に懸濁し、グラスフィルター付内径20ミリメートルのガラスカラムに注ぎ、吸引ろ過で溶媒を除去した。形成したベット(カラムに堆積した充填剤部分)のうち、10ミリリットル以上の充填剤部分を除去し(すなわち、カラム内の充填剤を10ミリリットルとし)、0.5モル/リットル塩酸30ミリリットルで2回洗浄し、その後純水40ミリリットルでろ液のpHが5以上になるまで洗浄を繰り返した。洗浄済みの充填剤を取り出し、200ミリリットルのビーカーに移し、100ミリリットルの0.5モル/リットルの食塩水に懸濁し、自動滴定装置(COM−450、平沼産業(株)製)を用い、0.5モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液で滴定した。終点はpH8.5であった。終点までの滴定液量から、そのイオン交換容量を算出すると、125ミリ当量/リットルであった。充填剤1のフェニルアラニンとグリシン合計のリガンド導入量は、充填剤1のイオン交換容量に対応し、115ミリモル/リットルである。
製造例2.
製造例1と同様に、トヨパール HW−65Cを用い、同一条件下、エポキシ活性化基材サクションドライ・ゲルケーキを合成した。このエポキシ活性化ゲルケーキ全部と重量平均分子量20万のデキストラン150グラム及び純水350ミリリットルを入れ、温度を25℃に保ち攪拌しながらデキストランを溶解した。その後10グラムの48%水酸化ナトリウムを投入し、投入後さらに16時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、デキストラン固定化基材のサクションドライ・ゲルケーキを得た。これを中間基材2とする。中間基材2のデキストラン固定化量は製造例1と同様の方法で測定した。測定結果を表2にあわせて示す。
次に中間基材2を用い、製造例1と同様にして、CDI活性化サクションドライ・ゲルケーキを合成した。得られたCDI活性化ゲルケーキ全量を用い、製造例1と同様にして、L−フェニルアラニンとグリシンを室温下16時間攪拌し、反応した。
反応終了後、再びグラスフィルター上で、DMF、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、純水の順に得られたゲルを洗浄した。この反応で得られたゲルを充填剤2とする。
製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると110ミリ当量/リットルであった。充填剤2のフェニルアラニンとグリシン合計のリガンドの導入量は、充填剤2のイオン交換容量に対応し、110ミリモル/リットルであった。
製造例3.
製造例1と同様に、トヨパール HW−65Cを用い、同一条件下、エポキシ活性化基材のサクションドライ・ゲルケーキを合成した。このエポキシ活性化ゲルケーキ全部と重量平均分子量20万のプルラン150グラム及び純水350ミリリットルを入れ、温度を25℃に保ち攪拌しながらプルランを溶解した。その後10グラムの48%水酸化ナトリウムを投入し、投入後さらに16時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、プルラン固定化基材のサクションドライ・ゲルケーキを得た。これを中間基材3とする。中間基材3のプルラン固定化量は製造例1と同様の方法で測定した。測定結果を表2にあわせて示す。
次に中間基材2を用い、製造例1と同様にして、CDI活性化サクションドライ・ゲルケーキを合成した。得られたCDI活性化ゲルケーキ全量を用い、製造例1と同様にして、L−フェニルアラニンとグリシンを室温下16時間攪拌し、反応した。
反応終了後、再びグラスフィルター上で、DMF、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、純水の順に得られたゲルを洗浄した。この反応で得られたゲルを充填剤3とする。
製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると135ミリ当量/リットルであった。充填剤3のフェニルアラニンとグリシン合計のリガンドの導入量は、充填剤2のイオン交換容量に対応し、135ミリモル/リットルである。
製造例4.
その表面にアルコール性水酸基を有するメタクリル酸エステル系多孔性充填剤[トヨパール HW−55C(東ソー社製)]を、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、当該基材スラリーの純水を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
製造例1と同一条件下、エポキシ活性化基材のサクションドライ・ゲルケーキを合成した。このエポキシ活性化ゲルケーキ全部と重量平均分子量7万のデキストラン150グラム及び純水350ミリリットルを入れ、温度を25℃に保ち攪拌しながらデキストランを溶解した。その後10グラムの48%水酸化ナトリウムを投入し、投入後さらに16時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、デキストラン固定化基材のサクションドライ・ゲルケーキを得た。これを中間基材4とする。中間基材4のデキストラン固定化量は製造例1と同様の方法で測定した。測定結果を表2にあわせて示す。
次に中間基材4を用い、製造例1と同様にして、CDI活性化サクションドライ・ゲルケーキを合成した。得られたCDI活性化ゲルケーキ全量を用い、製造例1と同様にして、L−フェニルアラニンとグリシンを室温下16時間攪拌し、反応した。
反応終了後、再びグラスフィルター上で、DMF、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、純水の順に得られたゲルを洗浄した。この反応で得られたゲルを充填剤4とする。
製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると145ミリ当量/リットルであった。充填剤4のフェニルアラニンとグリシン合計のリガンドの導入量は、充填剤2のイオン交換容量に対応し、145ミリモル/リットルであった。
製造例5.
その表面にアルコール性水酸基を有するメタクリル酸エステル系多孔性充填剤[トヨパール HW−50C(東ソー社製)]を、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、当該基材スラリーの純水を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
製造例1と同一条件下、エポキシ活性化基材のサクションドライ・ゲルケーキを合成した。このエポキシ活性化ゲルケーキ全部と重量平均分子量1万のデキストラン150グラム及び純水350ミリリットルを入れ、温度を25℃に保ち攪拌しながらデキストランを溶解した。その後10グラムの48%水酸化ナトリウムを投入し、投入後さらに16時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、デキストラン固定化基材のサクションドライ・ゲルケーキを得た。これを中間基材4とする。中間基材4のデキストラン固定化量は製造例1と同様の方法で測定した。測定結果を表2にあわせて示す。
次に中間基材2を用い、製造例1と同様にして、CDI活性化サクションドライ・ゲルケーキを合成した。得られたCDI活性化ゲルケーキ全量を用い、製造例1と同様にして、L−フェニルアラニンとグリシンを室温下16時間攪拌し、反応した。
反応終了後、再びグラスフィルター上で、DMF、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、純水の順に得られたゲルを洗浄した。この反応で得られたゲルを充填剤5とする。
製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると188ミリ当量/リットルであった。充填剤5のフェニルアラニンとグリシン合計のリガンドの導入量は、充填剤2のイオン交換容量に対応し、188ミリモル/リットルであった。
製造例6.
架橋アガロース系充填剤[セファローズ6・ファストフロー(GEヘルスケアー社製)]を、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、当該基材スラリーの純水を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
製造例1と同様な方法で、ゲルケーキ120グラムと純水180ミリリットル及び60グラムのクロロメチルオキシランを0.5リットルのセパラブルフラスコに入れ、反応温度を45℃に保ち攪拌しながら51グラムの48%水酸化ナトリウムを2時間かけて滴下した。滴下後さらに1時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、エポキシ活性化基材のサクションドライ・ゲルケーキ126.9グラムを得た。このエポキシ活性化ゲルケーキ全量の5/6、即ち105.75グラムと重量平均分子量20万のデキストラン75グラム及び純水175ミリリットルを入れ、温度を25℃に保ち攪拌しながらデキストランを溶解した。その後5グラムの48%水酸化ナトリウムを投入し、投入後さらに16時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、デキストラン固定化基材のサクションドライ・ゲルケーキを114.7グラムを得た。これを中間基材6とする。中間基材6のデキストラン固定化量は基材も酸で加水分解されるため、以下に示す多糖固定化量の測定2の方法で測定した。
多糖固定化量の測定2:
まずエポキシ活性化基材のサクションドライ・ゲルケーキ10グラムを50℃で減圧乾燥し重量を測定し、デキストラン固定化反応に用いたゲルケーキ重量との積より乾燥重量を測定した。次に中間基材6(サクションドライ・ゲルケーキ)10グラムを50℃で減圧乾燥し重量を測定し、中間基材6のゲルケーキ重量との積より乾燥重量を測定した。中間基材6の乾燥重量と反応に用いたエポキシ活性化基材の乾燥重量の差が、固定化デキストランの重量である。(中間基材6の乾燥重量)グラム当たりの(固定化デキストランの重量)ミリグラムとして算出した。測定結果を表2にあわせて示す。
次に中間基材6を用い、製造例1と同様にして、CDI活性化サクションドライ・ゲルケーキを合成した。得られたCDI活性化ゲルケーキ全量を用い、製造例1と同様にして、L−フェニルアラニンとグリシンを室温下16時間攪拌し、反応した。
反応終了後、再びグラスフィルター上で、DMF、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、純水の順に得られたゲルを洗浄した。この反応で得られたゲルを充填剤6とする。
製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると85ミリ当量/リットルであった。充填剤6のフェニルアラニンとグリシン合計のリガンドの導入量は、充填剤2のイオン交換容量に対応し、85ミリモル/リットルであった。
製造例7.
架橋デキストラン系充填剤[セファデックスG−25(GEヘルスケアー社製)]をグラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、当該基材スラリーの純水を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
製造例1と同様な方法で、このゲルケーキ120グラムと純水180ミリリットル及び60グラムのクロロメチルオキシランを0.5リットルのセパラブルフラスコに入れ、反応温度を45℃に保ち攪拌しながら51グラムの48%水酸化ナトリウムを2時間かけて滴下した。滴下後さらに1時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、エポキシ活性化基材サクションドライ・ゲルケーキ123.6グラムを得た。このエポキシ活性化ゲルケーキ全量の5/6、即ち103.0グラムと重量平均分子量20万のデキストラン75グラム及び純水175ミリリットルを入れ、温度を25℃に保ち攪拌しながらデキストランを溶解した。その後5グラムの48%水酸化ナトリウムを投入し、投入後さらに16時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、デキストラン固定化基材のサクションドライ・ゲルケーキを103.5グラムを得た。これを中間基材7とする。中間基材7のデキストラン固定化量は基材も酸で加水分解されるため、上記した多糖固定化量の測定2の方法で測定した。測定結果を表2にあわせて示すが、重量増加は測定誤差範囲内であった。
次に中間基材6を用い、製造例1と同様にして、CDI活性化サクションドライ・ゲルケーキを合成した。得られたCDI活性化ゲルケーキ全量を用い、製造例1と同様にして、L−フェニルアラニンとグリシンを室温下16時間攪拌し、反応した。
反応終了後、再びグラスフィルター上で、DMF、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、純水の順に得られたゲルを洗浄した。この反応で得られたゲルを充填剤6とする。
製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると163ミリ当量/リットルであった。充填剤6のフェニルアラニンとグリシン合計のリガンドの導入量は、充填剤2のイオン交換容量に対応し、163ミリモル/リットルであった。
製造例1〜製造例7で調製した中間基材の多糖固定化量について、表2にあわせて示す。
製造例8.
トヨパール HW−65Cを、グラスフィルター上で、ジオキサン溶媒で懸濁とろ過を繰返し、含有水分を除去し、当該充填剤スラリーの分散溶媒を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
このゲルケーキ50グラムとジオキサン100ミリリットルを300ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、攪拌した。CDI 60ミリモルをジオキサン30グラムに溶解し、30℃一定でCDI溶液を上記セパラブルフラスコに滴下した。滴下後1時間攪拌を継続した。その後、スラリーをグラスフィルターでろ過し、ジオキサン溶媒でゲルを洗浄し、未反応CDIや副生成物を除去し、CDI活性化サクションドライ・ゲルケーキを合成した。
得られたゲルケーキ全量を再び300ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、100ミリリットルのDMFを加えて攪拌した。L−フェニルアラニン24ミリモルとグリシン6ミリモルを1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液25ミリリットルに溶解し、50ミリリットルのDMFを加えて混合した。このアミノ酸溶液を一度に上記セパラブルフラスコに投入し、室温下16時間攪拌し、反応した。
反応終了後、再びグラスフィルター上で、DMF、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、純水の順に得られたゲルを洗浄した。この反応で得られたゲルを充填剤8とする。製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると、80ミリ当量/リットルであった。充填剤8のフェニルアラニンとグリシン合計のリガンド導入量は、充填剤8のイオン交換容量に対応し、80ミリモル/リットルであった。
製造例9.
架橋アガロース系充填剤[セファローズ6・ファストフロー(GEヘルスケアー社製)]をグラスフィルター上で、ジオキサン溶媒で懸濁とろ過を繰返し、含有水分を除去し、当該充填剤スラリーの分散溶媒を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
このゲルケーキ50グラムを用いて、製造例8と同様に反応・処理して得られたゲルを充填剤9とする。製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると、100ミリ当量/リットルであった。充填剤9のフェニルアラニンとグリシン合計のリガンド導入量は、充填剤5のイオン交換容量に対応し、100ミリモル/リットルであった。
製造例10.
製造例1で合成した中間基材1(サクションドライ・ゲルケーキ)50グラムを用い、製造例1と同様にCDI活性化サクションドライ・ゲルケーキを合成した。
得られたゲルケーキの半分量を100ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、50ミリリットルのDMFを加えて攪拌した。4−アミノメチル安息香酸12ミリモルとグリシン3ミリモルを1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液12.5ミリリットルに溶解し、25ミリリットルのDMFを加えて混合した。このアミノ酸溶液を一度に上記セパラブルフラスコに投入し、室温下16時間攪拌し、反応した。
反応終了後、再びグラスフィルター上で、DMF、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、純水の順に得られたゲルを洗浄した。この反応で得られたゲルを充填剤10とする。
製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると、115ミリ当量/リットルであった。充填剤10の4−アミノメチル安息香酸とグリシン合計のリガンド導入量は、充填剤10のイオン交換容量に対応し、115ミリモル/リットルであった。
製造例11.
製造例10で合成したCDI活性化サクションドライ・ゲルケーキの残りの半分量を100ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、50ミリリットルのDMFを加えて攪拌した。α−アミノオクタン酸15ミリモルを1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液12.5ミリリットルに溶解し、25ミリリットルのDMFを加えて混合した。このアミノ酸溶液を一度に上記セパラブルフラスコに投入し、室温下16時間攪拌し、反応した。
反応終了後、再びグラスフィルター上で、DMF、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液、純水の順に得られたゲルを洗浄した。この反応で得られたゲルを充填剤11とする。
製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると、105ミリ当量/リットルであった。充填剤11のα−アミノオクタン酸のリガンド導入量は、充填剤11のイオン交換容量に対応し、105ミリモル/リットルであった。
製造例1〜製造例11で調製した各充填剤の基材、活性化剤、リガンド、イオン交換容量について、表3にあわせて示す。
Figure 2010210497
製造例12.
製造例2で合成した中間基材2のゲルケーキ120グラムとクロロ酢酸ナトリウム0.8モル、純水240ミリリットルを500ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら、反応温度50℃で48%水酸化ナトリウム水溶液を1.1モルの水酸化ナトリウム相当を1時間かけて上記セパラブルフラスコに滴下した。滴下終了後3時間反応を継続し、得られたゲルを純水で洗浄した。この反応で得られた、イオン交換基としてカルボキシメチル基を有するゲルをCM化中間基材2とする(ここで、CMはカルボキシメチルの略である。以下同じ。)。製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると、160ミリ当量/リットルであった。
得られたCM化中間基材2のゲルケーキ60グラムをグラスフィルター上で、0.5モル/リットルの塩酸、次に純水でろ液が中性になるまで洗浄した。更にDMF溶媒で懸濁とろ過を繰返し、含有水分を除去し、当該充填剤スラリーの分散溶媒を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
このゲルケーキ60グラムとDMF150ミリリットルを300ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、N−ヒドロキシコハク酸イミド(以下、NHSと略す。)35ミリモルとジイソプロピルカルボジイミド(以下、DICと略す。)30ミリモルを投入し攪拌した。30℃で2時間攪拌を継続して、スラリーをグラスフィルターでろ過し、ジオキサン溶媒でゲルを洗浄し、未反応物や副生成物を除去し、ジオキサン・サクションドライ・ゲルケーキ63.5グラムを得た。この反応で得られたゲルケーキをNHS活性化充填剤1とする。
このNHS活性化充填剤1を20グラム取り、100ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、10ミリリットルのジオキサンと0.1モル/リットルのリン酸緩衝液(pH6.9)40ミリリットルとL−トリプトファン6ミリモルを加えて攪拌した。25℃で16時間反応後、反応液をろ過して除去し、50%アセトン、0.1モル/リットル塩酸、純水、0.1モル/リットル水酸化ナトリウムの順に、得られたゲルを洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られた充填剤を充填剤12とする。製造例1と同様にして、充填剤12のイオン交換容量を測定すると、152ミリ当量/リットルであった。また充填剤12の膨潤度を測定すると、4.0ミリリットル/グラムであった。
膨潤度の測定:
CMイオン交換充填剤1を0.5モル/リットル水酸化ナトリウム30ミリリットルで2回洗浄し、その後、純水40ミリリットルでろ液のpHが8.5以下になるまで洗浄を繰り返した。洗浄済の充填剤(サクションドライ・ゲルケーキ)10グラムを15ミリリットルの純水に懸濁し、グラスフィルター付内径20ミリメートルのガラスカラムに注ぎ、吸引ろ過して溶媒を除去した。形成したベットのうち、10ミリリットル以上の充填剤を除去し、残った10ミリリットルの充填剤をグラスフィルターに移し、0.5モル/リットル塩酸30ミリリットルで2回洗浄した。その後、純水40ミリリットルでろ液のpHが5以上になるまで充填剤の洗浄を繰り返した。40ミリリットルのアセトンで2回洗浄した後、洗浄済みの充填剤を取り出し、40℃で減圧乾燥して、充填剤10ミリリットルの重量を測定し、膨潤度を算出した[膨潤度(ml/g)=体積(ml)/重量(g)]。この充填剤の膨潤度は、5.2ミリリットル/グラムであった。
また、この乾燥充填剤を元素分析の試料として、CHN全自動分析装置(パーキンエルマー社製、2400II型)を用い、窒素重量百分率を測定した。なお、製造例12以降も同様にして乾燥充填剤の元素分析を実施している。
製造例13.
製造例3で合成した中間基材3のゲルケーキ120グラムを用い、製造例12と同様にして、イオン交換基としてカルボキシメチル基を有するゲルCM化中間基材3を合成した。製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると、180ミリ当量/リットルであった。
得られたCM化中間基材3のゲルケーキ60グラムをグラスフィルター上で、0.5モル/リットルの塩酸、次に純水でろ液が中性になるまで洗浄した。更にDMF溶媒で懸濁とろ過を繰返し、含有水分を除去し、当該充填剤スラリーの分散溶媒を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
このゲルケーキ60グラムを用いて製造例12と同様にNHSを反応し、NHS活性化充填剤を合成した。
反応後のスラリーをグラスフィルターでろ過し、ジオキサン溶媒でゲルを洗浄し、未反応物や副生成物を除去し、ジオキサン・サクションドライ・ゲルケーキ63.3グラムを得た。
この反応で得られたゲルケーキNHS活性化充填剤を20グラム取り、再び製造例12と同様にL−トリプトファンを付加反応した。得られたゲルを同様に洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られた充填剤を充填剤13とする。製造例1と同様にして、充填剤13のイオン交換容量を測定すると、172ミリ当量/リットルであった。また充填剤13の膨潤度を測定すると、4.0ミリリットル/グラムであった。
製造例14.
製造例4で合成した中間基材4のゲルケーキ120グラムを用い、製造例12と同様にして、イオン交換基としてカルボキシメチル基を有するゲルCM化中間基材4を合成した。製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると、185ミリ当量/リットルであった。
得られたCM化中間基材4のゲルケーキ60グラムをグラスフィルター上で、0.5モル/リットルの塩酸、次に純水でろ液が中性になるまで洗浄した。更にDMF溶媒で懸濁とろ過を繰返し、含有水分を除去し、当該充填剤スラリーの分散溶媒を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。この反応で得られたゲルケーキNHS活性化充填剤をNHS活性化充填剤2とする。
NHS活性化充填剤2のゲルケーキを20グラム取り、再び製造例12と同様にL−トリプトファンを付加反応した。得られたゲルを同様に洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られた充填剤を充填剤14とする。製造例1と同様にして、充填剤14のイオン交換容量を測定すると、178ミリ当量/リットルであった。また充填剤14の膨潤度を測定すると、4.2ミリリットル/グラムであった。
製造例15.
製造例6で合成した中間基材6のゲルケーキ120グラムを用い、製造例12と同様にして、イオン交換基としてカルボキシメチル基を有するゲルCM化中間基材4を合成した。製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると、115ミリ当量/リットルであった。
得られたCM化中間基材4のゲルケーキ60グラムをグラスフィルター上で、0.1モル/リットルの塩酸、次に純水でろ液が中性になるまで洗浄した。更にDMF溶媒で懸濁とろ過を繰返し、含有水分を除去し、当該充填剤スラリーの分散溶媒を吸引ろ過により除去して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。この反応で得られたゲルケーキNHS活性化充填剤をNHS活性化充填剤3とする。
NHS活性化充填剤3のゲルケーキを20グラム取り、再び製造例12と同様にL−トリプトファンを付加反応した。得られたゲルを同様に洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られた充填剤を充填剤15とする。製造例1と同様にして、充填剤15のイオン交換容量を測定すると、103ミリ当量/リットルであった。また充填剤15の膨潤度を測定すると、4.5ミリリットル/グラムであった。
製造例16.
製造例12で合成したCM化中間基材2のゲルケーキを30グラム(35ミリリットルに相当)と35ミリリットルの純水を300ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、0.5モル/リットル塩酸を徐々に添加して、pHを5.2に調整した。次にジオキサン30ミリリットルとNHS10.9ミリモル及び4−アミノメチル安息香酸6ミリモルを加えて攪拌溶解した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、EDCと略す場合がある。)10.9ミリモルを3.5ミリリットルの純水に溶解し、上記セパラブルフラスコに25℃で添加し、25℃で16時間反応後、反応液をろ過して除去し、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム、純水の順に、得られたゲルを洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られたゲルを充填剤16とする。製造例1と同様にして、充填剤16のイオン交換容量を測定すると、151ミリ当量/リットルであった。また、製造例12と同様にして、充填剤16の膨潤度を測定すると、4.0ミリリットル/グラムであった。
製造例17.
製造例12で合成したCM化中間基材2のゲルケーキを30グラム(35ミリリットルに相当)と35ミリリットルの純水を100ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、0.5モル/リットル塩酸を徐々に添加して、pHを5.2に調整した。次にジオキサン30ミリリットルとNHS10.9ミリモル及びDL−フェニルアラニン6ミリモルを加えて攪拌溶解した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩10.9ミリモルを3.5ミリリットルの純水に溶解し、上記セパラブルフラスコに25℃で添加し、25℃で16時間反応後、反応液をろ過して除去し、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム、純水の順に、得られたゲルを洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られたゲルを充填剤17とする。製造例1と同様にして、充填剤17のイオン交換容量を測定すると、153ミリ当量/リットルであった。また、製造例12と同様にして、充填剤16の膨潤度を測定すると、4.0ミリリットル/グラムであった。
製造例18.
製造例14で合成したCM化中間基材4のゲルケーキを30グラム(35ミリリットルに相当)と35ミリリットルの純水を100ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、0.5モル/リットル塩酸を徐々に添加して、pHを5.2に調整した。次にジオキサン30ミリリットルとNHS 10.9ミリモル及びDL−フェニルアラニン6ミリモル及び2−エタノールアミンを加えて攪拌溶解した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩10.9ミリモルを3.5ミリリットルの純水に溶解し、上記セパラブルフラスコに25℃で添加し、25℃で16時間反応後、反応液をろ過して除去し、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム、純水の順に、得られたゲルを洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られたゲルを充填剤17とする。製造例1と同様にして、充填剤17のイオン交換容量を測定すると、130ミリ当量/リットルであった。また、製造例12と同様にして、充填剤16の膨潤度を測定すると、4.2ミリリットル/グラムであった。
製造例19.
製造例13で合成したCM化中間基材3 のゲルケーキを30グラム(35ミリリットルに相当)と35ミリリットルの純水を100ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、0.5モル/リットル塩酸を徐々に添加して、pHを5.2に調整した。次にジオキサン30ミリリットルとNHS10.9ミリモル及びL−トリプトファン6ミリモルを加えて攪拌溶解した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩10.9ミリモルを3.5ミリリットルの純水に溶解し、上記セパラブルフラスコに25℃で添加し、25℃で16時間反応後、反応液をろ過して除去し、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム、純水の順に、得られたゲルを洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られたゲルを充填剤19とする。製造例1と同様にして、充填剤19のイオン交換容量を測定すると、170ミリ当量/リットルであった。また、製造例12と同様にして、充填剤19の膨潤度を測定すると、4.0ミリリットル/グラムであった。
製造例20.
製造例15で合成したCM化中間基材6 のゲルケーキを30グラム(35ミリリットルに相当)と35ミリリットルの純水を100ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、0.5モル/リットル塩酸を徐々に添加して、pHを5.2に調整した。次にジオキサン30ミリリットルとNHS 10.9ミリモル及びL−トリプトファン6ミリモルを加えて攪拌溶解した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩10.9ミリモルを3.5ミリリットルの純水に溶解し、上記セパラブルフラスコに25℃で添加し、25℃で16時間反応後、反応液をろ過して除去し、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム、純水の順に、得られたゲルを洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られたゲルを充填剤20とする。製造例1と同様にして、充填剤20のイオン交換容量を測定すると、105ミリ当量/リットルであった。また、製造例12と同様にして、充填剤20の膨潤度を測定すると、4.2ミリリットル/グラムであった。
製造例21.
CM−トヨパール650M(東ソー社製)はHW−65Cを基材とするCMイオン交換充填剤でイオン交換容量は110ミリ当量/リットルであった。これをグラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し、純水置換した後、吸引ろ過して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
このゲルケーキを30グラム(35ミリリットルに相当)と35ミリリットルの純水を100ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、0.5モル/リットル塩酸を徐々に添加して、pHを5.2に調整した。次にジオキサン30ミリリットルとNHS 10.9ミリモル及びL−トリプトファン6ミリモルを加えて攪拌溶解した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩10.9ミリモルを3.5ミリリットルの純水に溶解し、上記セパラブルフラスコに25℃で添加し、25℃で16時間反応後、反応液をろ過して除去し、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム、純水の順に、得られたゲルを洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られたゲルを充填剤21とする。製造例1と同様にして、充填剤21のイオン交換容量を測定すると、102ミリ当量/リットルであった。また、製造例12と同様にして、充填剤21の膨潤度を測定すると、4.0ミリリットル/グラムであった。
製造例22.
架橋アガロース系弱カチオン交換ゲル[CM−セファローズ・ファストフロー(GEヘルスケアー社製)]のイオン交換容量を測定すると、105ミリ当量/リットルであった。
この架橋アガロース系弱カチオン交換ゲルをグラスフィルター上で純水で懸濁とろ過を繰返し、純水置換した後、吸引ろ過して、サクションドライ・ゲルケーキを用意した。
このゲルケーキを17グラム(20ミリリットルに相当)と36ミリリットルの純水を100ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、0.5モル/リットル塩酸を徐々に添加して、pHを5.0に調整した。次にジオキサン20ミリリットルとNHS 4.2ミリモルとDL−フェニルアラニン2.1ミリモルとを上記セパラブルフラスコに加えて攪拌混合し、溶解した。EDC 4.2ミリモルを2ミリリットルの純水に溶解し、上記セパラブルフラスコに25℃で添加し、16時間攪拌を継続して反応を行った。反応液をグラスフィルターでろ過して除去し、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム、純水の順に、得られたゲルを洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られたゲルを充填剤22とする。製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると、98ミリ当量/リットルであった。また、製造例12と同様にして、その膨潤度を測定すると、10.6ミリリットル/グラムであった。
製造例23.
製造例1と同様に、トヨパール HW−65Cを用い、同一条件下エポキシ活性化基材のサクションドライ・ゲルケーキを合成した。このエポキシ活性化ゲルケーキ全部と重量平均分子量40万のヒドロキシエチルセルロース100グラムを純水350ミリリットルに溶解した溶液を加え混合した。その後温度を25℃に保ち攪拌しながら、10グラムの48%水酸化ナトリウムを投入し、投入後さらに16時間反応し、グラスフィルター上で、純水で懸濁とろ過を繰返し洗浄し、ヒドロキシエチルセルロース固定化基材サクションドライ・ゲルケーキを得た。これを中間基材23とする。中間基材23のヒドロキシエチルセルロース固定化量は製造例1と同様の方法で測定した。測定結果を表2にあわせて示す。
合成した中間基材23のゲルケーキ120グラムを用い、製造例12と同様にして、イオン交換基としてカルボキシメチル基を有するゲルCM化中間基材23を合成した。製造例1と同様にして、そのイオン交換容量を測定すると、86ミリ当量/リットルであった。
CM化中間基材23 のゲルケーキを30グラム(35ミリリットルに相当)と35ミリリットルの純水を100ミリリットルのセパラブルフラスコに入れ、0.5モル/リットル塩酸を徐々に添加して、pHを5.2に調整した。次にジオキサン30ミリリットルとNHS 10.9ミリモル及びL−トリプトファン6ミリモルを加えて攪拌溶解した。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩10.9ミリモルを3.5ミリリットルの純水に溶解し、上記セパラブルフラスコに25℃で添加し、25℃で16時間反応後、反応液をろ過して除去し、50%アセトン、0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム、純水の順に、得られたゲルを洗浄して、未反応物や副生成物を除去した。この反応で得られたゲルを充填剤23とする。製造例1と同様にして、充填剤23のイオン交換容量を測定すると、86ミリ当量/リットルであった。また、製造例12と同様にして、充填剤23の膨潤度を測定すると、4.2ミリリットル/グラムであった。
製造例12〜製造例23で調製した各充填剤の基材、活性化剤、リガンド、イオン交換容量、元素分析結果について、表4にあわせて示す。
Figure 2010210497
実施例1.
製造例1〜製造例7で得られた充填剤1〜充填剤7について、各充填剤ごとに各タンパク質サンプルの主ピークの溶出時間、ウシ血清アルブミン(以下BSAと略す。)吸着量、及びヒトγ−グロブリン(以下IgGと略す。)吸着量を測定した。それらの結果を表3にあわせて示す。
なお、pHグラジェント溶出法によるタンパク質の吸着及び溶出、BSA及びIgG吸着容量の測定及び回収率の測定は以下のとおり行った。
(1)pHグラジェント溶出法によるタンパク質の吸着及び溶出:
表2に示す充填剤を、内径7.5ミリメートル長さ75ミリメートルのステンレスカラムにそれぞれ充填した。送液ポンプ(CCPM−II)、オートサンプラー(AS−8020)、紫外・可視吸光度計(UV−8020)、及びシステムコントローラー(SC−8020)からなる液体クロマトグラフシステム(東ソー社製)にこれら充填カラムを装着した。以下のクロマトグラフィー条件で操作し、各サンプルの主ピークの溶出時間を測定した。
クロマトグラフィー条件1:
溶離液1:50ミリモル/リットル酢酸緩衝液(0.15モル/リットル塩化ナトリウム含有、pH4.5),
溶離液2:50ミリモル/リットル燐酸緩衝液(0.15モル/リットル塩化ナトリウム含有、pH7.2),
溶出法:溶離液1:100%から溶離液2:100%への60分間リニアーグラジェント溶出、続いて溶離液2:100%で5分間溶出、最後に溶離液1:100%で15分間再生平衡化,
溶離液の流速:1.0ミリリットル/分,
サンプル:大豆トリプシンインヒビター(以下、STIと略す。)、ウシ血清アルブミン(以下、BSAと略す。)、ヒトγ−グロブリン(以下、IgGと略す。)、ウシα−キモトリプシノーゲンA(以下、CHYと略す。),
サンプル濃度:各2.0グラム/リットル(溶離液1に溶解),
サンプル注入量:0.2ミリリットル,
温度:25℃,
検出:紫外線吸収、波長:280ナノメートル。
(2)BSA吸着容量の測定及び回収率の測定:
200ミリリットルの三角フラスコに、30ミリリットルの吸着用緩衝液と、表3、表4に示す充填剤1.0ミリリットルを投入した。吸着用緩衝液にBSAを15グラム/リットルの濃度に溶解した溶液10ミリリットルを上記三角フラスコに添加し、温度25℃、3.0時間振盪し、BSAを吸着させた後、その上清を吸着用緩衝液で2.5倍に希釈して、吸光度を測定した。充填剤を入れないブランクも上記と同様に希釈し、吸光度測定した。両者の差より、BSA吸着量を求めた。
吸光度の差:ΔI=Ib−W×Is
Ib:2.5倍希釈ブランクの吸光度、
Is:2.5倍希釈上清の吸光度、
W:充填剤持込水分の関する係数(全ての充填剤でW=1.015であった。)。
BSA吸着量:A=80×F(ΔI)
F(ΔI):吸光度とBSA濃度関係の関数。
なお、BSA吸着量を求めるに当たって、濃度が0.75/リットル及び1.5グラム/リットルのBSA溶液を調製し、予め波長280nmでそれらの吸光度を測定しておき、BSA濃度と紫外280ナノメートルでの吸光度の関係式を作成しておいた。
次いで、BSAを吸着した充填剤を吸着用緩衝液30ミリリットルで洗い流し、フィルター付カラム(内径10ミリメートル)に移し、吸着してないBSAを更に吸着用緩衝液10ミリリットルで流し出した。次に溶出用緩衝液をカラムに流し、溶出液を50ミリリットルのメスフラスコに45ミリリットル以上採取回収し、溶出用緩衝液でメスアップし、吸光度を測定する。吸光度とBSA濃度関係の関数からBSA回収量を算出した。算出した吸着量と回収量より回収率を算出した。
吸着用緩衝液:50ミリモル/リットル酢酸緩衝液(0.15モル/リットル塩化ナトリウム含有、pH4.0),
溶出用緩衝液:0.1モル/リットル トリス塩酸緩衝液(0.3モル/リットル塩化ナトリウム含有、pH8.5)。
(3)IgG吸着容量の測定及び回収率の測定:
200ミリリットルの三角フラスコに、30ミリリットルの吸着用緩衝液と、表3、表4に示す充填剤1.0ミリリットルを投入した。ヒト血清γ−グロブリン(化学及血清療法研究所製)約150ミリグラム/ミリリットルの濃度を5ミリリットルを吸着用緩衝液で溶解し、50ミリリットルにメスアップした溶液10ミリリットルを上記三角フラスコに添加し、温度25℃、3.0時間振盪し、IgGを吸着させた後、その上清を吸着用緩衝液で5倍に希釈して、吸光度を測定した。充填剤を入れないブランクも上記と同様に希釈し、吸光度測定した。両者の差より、IgG吸着量を求めた。
吸光度の差:ΔI=Ib−W×Is
Ib:5倍希釈ブランクの吸光度、
Is:5倍希釈上清の吸光度、
W:充填剤持込水分の関する係数(全ての充填剤で、W=1.015であった。)。
IgG吸着量:A=200×ΔI/1.4
(IgG 1.0ミリグラム当たりの吸光度は1.4である)。
次いで、IgGを吸着した充填剤を吸着用緩衝液30ミリリットルで洗い流し、フィルター付カラム(内径10ミリメートル)に移し、吸着してないBSAを更に吸着用緩衝液10ミリリットルで流し出した。次に溶出用緩衝液をカラムに流し、溶出液を50ミリリットル以上採取回収し、200ミリリットルのメスフラスコに溶出用緩衝液でメスアップし、吸光度を測定した。吸光度からIgG回収量を算出した。算出した吸着量と回収量より回収率を算出した。
IgG回収量:R=200×Ir/1.4
Ir:回収IgG溶液の吸光度
なお吸着用緩衝液及び溶出用緩衝液はBSA吸着容量の測定と同じ溶液を用いた。
表3に示した充填剤1〜7は、プルランによる排除限界分子量1万〜210万、又はポリエチレングリコールによる排除限界分子量3千の基材に、非イオン性多糖を固定化した中間基材を用いて、CDI活性化後、L−フェニルアラニンとグリシンを導入した充填剤である。表3から明らかなとおり、これらが、各種タンパク質を弱酸性条件で吸着保持し、pH上昇により溶出できることが確認された。
また、プルランによる排除限界分子量30万以上の基材から誘導された充填剤1〜充填剤4及び充填剤6のBSA及びIgG吸着容量はいずれも85ミリグラム/ミリリットル以上と、非常に高吸着容量であることが確認された。
また、排除限界分子量の大きい基材から誘導された充填剤1〜充填剤3は、分子量の大きいIgG(分子量:15.5万)吸着容量の増加効果が大きく、それらより少し排除限界分子量の小さい基材から誘導された充填剤4と充填剤6は、BSA(分子量:6.6万)吸着容量の増加効果は大きいが、IgG吸着容量の増加効果は比較的少なかった。
一方、排除限界分子量が1万以下の充填剤5と充填剤7のBSA及びIgG吸着容量の増加効果は共に大きくはなかった。ただし、充填剤5では、BSAよりも分子量の小さいタンパク質(分子量5万以下のタンパク質)又はペプチドでは、これらの吸着容量が増加する可能性が推測される。また、充填剤7では、タンパク質に対して粒子の外部表面しか使われないため、吸着容量の絶対値の増加は大きくはなかった。
さらに、タンパク質回収率はいずれの充填剤も94パーセント以上の高回収率であった。
比較例1.
製造例8と製造例9で得られた充填剤8と充填剤9は、プルランによる排除限界分子量40万又は210万の基材を用いて、CDI活性化後、L−フェニルアラニンとグリシンを導入した充填剤である。実施例1と同様にして、これらの充填剤ごとに各タンパク質サンプルの主ピークの溶出時間及びBSA及びIgG吸着容量を測定した。それらの結果を表3にあわせて示す。
表3から明らかなように、これらの充填剤は、各種タンパク質を弱酸性条件で吸着保持し、pH上昇により溶出できることが確認された。しかしながら、細孔物性がこれらタンパク質吸着容量に適した充填剤9でも、BSA及びIgG吸着容量は65ミリグラム/ミリリットルに達しなかった。排除限界分子量が大きく、有効表面積がより少ない充填剤8の場合、更に吸着容量は少なく、多糖を固定化した中間基材を用いて合成した充填剤1〜充填剤4及び充填剤6の吸着容量の約3分の1であり、性能が全く及ばなかった。
なお、タンパク質回収率はいずれの充填剤も94パーセント以上の高回収率であった。
実施例2.
製造例10と製造例11で得られた充填剤10と充填剤11は、プルランによる排除限界分子量210万の基材を用いて、CDI活性化後、それぞれ4−アミノ安息香酸又はα−アミノオクタン酸を導入した充填剤である。実施例1と同様にして、これらの充填剤ごとに各タンパク質サンプルの主ピークの溶出時間及びBSA吸着量を測定した。それらの結果を表3にあわせて示す。
表3から明らかなように、これらの充填剤は、各種タンパク質を弱酸性条件で吸着保持し、pH上昇により溶出できることが確認された。また、両充填剤とも、BSA及びIgG吸着容量は95ミリグラム/ミリリットル以上と非常に高吸着容量であることが確認された。さらに、回収率はいずれも92%以上で、高回収率であった。
実施例3.
製造例12〜製造例15で得られた充填剤12〜充填剤15は、プルランによる排除限界分子量30万又は210万の基材を用いて、非イオン性多糖を固定化した中間基材を合成し、カルボキシル基を導入後、有機溶媒系でカルボジイミドを用いて、NHS活性化後、L−トリプトファンを導入した充填剤である。実施例1と同様にして、これらの充填剤ごとに各タンパク質サンプルの主ピークの溶出時間及びBSA吸着量及びIgG吸着量を測定した。それらの結果を表4にあわせて示す。
表4から明らかなとおり、これらの充填剤は、各種タンパク質を弱酸性条件で吸着保持し、pH上昇により溶出できることが確認された。また、いずれの充填剤も、BSA及びIgG吸着容量が85ミリグラム/ミリリットル以上と、非常に高吸着容量であることが確認された。排除限界分子量の大きい基材から誘導された充填剤12及び充填剤13では、分子量の大きいIgG吸着容量の増加効果が大きく、それらより少し排除限界分子量の小さい基材から誘導された充填剤14と充填剤15では、BSA吸着容量の増加効果は大きいものの、IgG吸着容量の増加効果は比較的少なかった。さらに、タンパク質回収率はいずれの充填剤も94パーセント以上の高回収率であった。
実施例4.
製造例16〜製造例18で得られた充填剤16〜充填剤18は、プルランによる排除限界分子量30万又は210万の基材を用いて、非イオン性多糖を固定化した中間基材を合成し、カルボキシル基を導入後、有機溶媒と水の混合系で水溶性カルボジイミドを用いて、NHS活性化とリガンドを同時に導入した充填剤である。実施例1と同様にして、これらの充填剤ごとに各タンパク質サンプルの主ピークの溶出時間及びBSA吸着量及びIgG吸着量を測定した。それらの結果を表4にあわせて示す。
表4から明らかなとおり、これらの充填剤は、各種タンパク質を弱酸性条件で吸着保持し、pH上昇により溶出できることが確認された。また、いずれの充填剤も、BSA及びIgG吸着容量が100ミリグラム/ミリリットル以上と、非常に高吸着容量であることが確認された。排除限界分子量の大きい基材から誘導された充填剤16及び充填剤17では、分子量の大きいIgG吸着容量の増加効果が大きく、それらより少し排除限界分子量の小さい基材から誘導された充填剤18では、BSA吸着容量の増加効果は大きいものの、IgG吸着容量の増加効果は比較的少なかった。さらに、タンパク質回収率はいずれの充填剤も93パーセント以上の高回収率であった。
実施例5.
製造例19、製造例20及び製造例23で得られた充填剤19、充填剤20及び充填剤23は、プルランによる排除限界分子量40万又は210万の基材を用いて、非イオン性多糖又は多糖誘導体を固定化した中間基材を合成し、カルボキシル基を導入後、有機溶媒と水の混合系で水溶性カルボジイミドを用いて、NHS活性化とリガンド(L−トリプトファン)を同時に導入した充填剤である。実施例1と同様にして、これらのに充填剤ごとに各タンパク質サンプルの主ピークの溶出時間及びBSA吸着量及びIgG吸着量を測定した。それらの結果を表4にあわせて示す。
表4から明らかなとおり、これらの充填剤は、各種タンパク質を弱酸性条件で吸着保持し、pH上昇により溶出できることが確認された。また、いずれの充填剤も、BSA及びIgG吸着容量が92ミリグラム/ミリリットル以上と、非常に高吸着容量であることが確認された。排除限界分子量の大きい基材から誘導された充填剤19及び充填剤23では、分子量の大きいIgG吸着容量の増加効果が大きく、それらより少し排除限界分子量の小さい基材から誘導された充填剤20では、BSA吸着容量の増加効果は大きいものの、IgG吸着容量の増加効果は比較的少なかった。さらに、タンパク質回収率はいずれの充填剤も94パーセント以上の高回収率であった。
比較例2.
製造例21と製造例22で得られた充填剤21と充填剤22は、基材の排除限界分子量はそれぞれ充填剤19と充填剤20に対応するが、多糖のスペーサーの固定化はされていない。すなわち、基材に直接カルボキシル基が導入されたイオン交換充填剤であり、有機溶媒と水の混合系で水溶性カルボジイミドを用いて、NHS活性化とリガンド(L−トリプトファン)を同時に導入した充填剤である。実施例1と同様にして、これらの充填剤ごとに各タンパク質サンプルの主ピークの溶出時間及びBSA吸着量及びIgG吸着量を測定した。それらの結果を表4にあわせて示す。
表4から明らかなとおり、これらの充填剤は、各種タンパク質を弱酸性条件で吸着保持し、pH上昇により溶出できることが確認された。しかしながら、細孔物性がこれらタンパク質吸着容量に適した充填剤22でも、BSA及びIgG吸着容量は65ミリグラム/ミリリットルに達しなかった。排除限界分子量が大きく、有効表面積がより少ない充填剤21の場合、更に吸着容量は少なく、多糖を固定化した中間基材を用いて合成した充填剤19及び充填剤20の吸着容量の約3分の1で、性能は全く及ばなかった。なお、タンパク質回収率はいすれの充填剤も93パーセント以上の高回収率であった。

Claims (8)

  1. 基材に直接固定化されたリガンドと、スペーサーを介して基材に固定化されたリガンドとを有する液体クロマトグラフィー用充填剤であって、
    (1)基材が、アルコール性水酸基を基材表面に有する親水性の基材であり、
    (2)スペーサーが、アルコール性水酸基を有する合成高分子又は多糖類であり、
    (3)リガンドが、下記式(1)
    Figure 2010210497
    (上記式中、Rは芳香族基又は炭素数5〜7個の非イオン性脂肪族基を表す。)
    で示されるα−アミノ酸、及びアミノメチル安息香酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、
    (4)基材に直接固定化されたリガンドが、上記式(1)で示されるα−アミノ酸又はアミノメチル安息香酸に含まれるアミノ基を介して、アミド結合又はウレタン結合で、上記基材に固定化されており、
    (5)スペーサーを介して基材に固定化されたリガンドが、上記式(1)で示されるα−アミノ酸又はアミノメチル安息香酸に含まれるアミノ基を介して、アミド結合又はウレタン結合で、上記スペーサーに固定化されており、かつ
    (6)基材に固定化されたリガンドの量が、液体クロマトグラフィー用充填剤1リットル(湿潤容量)当たり30ミリモル以上である、液体クロマトグラフィー用充填剤。
  2. α−アミノ酸が、フェニルアラニン、トリプトファン、ロイシン、ノルロイシン及びα−アミノオクタン酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
  3. 基材が、天然高分子系担体、合成高分子系担体、及び無機系担体からなる群より選択されるクロマトグラフィー用担体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤
  4. 基材が多孔性粒子であって、その排除限界分子量がプルラン換算で10万以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
  5. 多糖類が、アニオン交換基を有しない重量平均分子量1万以上の多糖類又はその誘導体であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
  6. 基材中のアルコール性水酸基及びスペーサー中のアルコール性水酸基を有機溶媒中、1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾールで活性化した後、有機溶媒又は含水有機溶媒中でリガンド中のアミノ基と反応させ、ウレタン結合によりリガンドを、直接前記基材に導入するとともに、前記スペーサーを介して基材に導入することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法。
  7. 基材及びスペーサーにカルボキシル基を導入後、カルボジイミド類を触媒として、それとリガンド中のアミノ基とを反応させ、アミド結合により前記リガンドを、直接前記基材に導入するとともに、前記スペーサーを介して基材に導入することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤を用い、pH5以下の酸性水溶液条件で生体高分子を吸着し、その後、中性乃至pH9以下の弱塩基性条件で吸着した生体高分子を脱着することを特徴とする、液体クロマトグラフィーによる生体高分子の分離精製乃至捕集回収方法。
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