JP2010210360A - クズイソフラボン量の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クズ茎または根に含まれるイソフラボン量を迅速かつ簡便に測定する方法を提供すること。
【解決手段】イソフラボン量既知のクズ茎または根に1000〜2500nmの波長の近赤外線を照射して得られる近赤外スペクトルデータと前記クズ茎または根中のイソフラボン量との相関に基づき、イソフラボン量未知のクズ茎または根の近赤外スペクトルデータからイソフラボン量を迅速かつ簡便に測定する方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、近赤外分光分析法によるクズ茎または根に含まれるイソフラボン量を迅速かつ簡便に測定する方法に関する。
クズ(葛;Pueraria lobata)は、日本各地及び東〜東南アジアに広く分布する蔓性植物で、生育期には一日で1mも伸びると言われ、その旺盛な繁殖力から、近年は雑草として問題となっており、また、他の樹木などに巻きつき生育の障害となっている。しかし、生薬として使用される葛根に加えて、植物全体に種々の栄養分や機能性成分を多く含むことが報告されている。例えば、葛根成分のイソフラボンによる骨粗鬆症予防治療効果が報告されている(特許文献1、非特許文献1)。さらにクズの多年生茎には、多くのイソフラボンを含有し、その抽出物に骨粗鬆症予防治療効果があること、ならびに多年生茎と一年生茎とではイソフラボン含量に差があること等が報告されている(特許文献2)。
一方では、プエラリン、ダイゼイン、ゲニステインなどのイソフラボン類の骨粗鬆症予防治療効果が報告されており(非特許文献2、3)、骨粗鬆症予防治療機能を目的とする場合、これらイソフラボン類の総量が重要となる。
他方、試料に近赤外線を照射し、その透過吸収スペクトルや拡散反射スペクトルなどを測定する近赤外分光法は、試料の形態を問わず、非破壊且つ迅速にその測定が可能であることから、医薬品、化成品、食品等の分野において広く利用されている技術である(非特許文献4)。
また、近赤外分光分析法による大豆のイソフラボン含量の非破壊測定法について報告されているが(非特許文献5)、青い茎、木質化した茎ならびに根などのように外見や形状が大きく異なり、さらに含有されるイソフラボンの種類が異なるクズイソフラボン量の測定法については、これまで報告がない。
特開2003−95971号公報 国際公開第2005/105125号パンフレット
X.Wangら、メタボリズム(Metabolism)、54巻、1536−41頁、2005年 Y.Zhangら、プランタ メディカ(Planta Med.)、73巻、341−7頁、2007年 山口正義ら、薬学雑誌、126巻、1117−1137頁、2006年 「近赤外分光法」、尾崎幸洋、河田聡 編、5〜16頁、学会出版センター発行(1996年) 佐藤哲生ら、第223回日本作物学会講演会、296−7頁、2007年
上述のごとくクズ茎および根には、イソフラボン類が多く含有されているが、その含有量は、植物の常として季節により変動し、特に茎の場合、季節変動が激しいことが判明している。また、根および木質化した茎は、外見上何年ものか不明であり、そのイソフラボン量および構成成分が大きく変化する。さらに、大豆イソフラボンと異なりクズイソフラボンの主成分はプエラリンであり、また青い茎、木質化した茎ならびに根のように、測定対象により外見上の形状、水分、含量も大きく異なる。これまで、クズ茎および根のイソフラボン含量測定は、クズ茎および根を粉末化し溶媒等で抽出し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて、その含量を測定する方法が採られていた。HPLC法は含量測定には正確であるが、測定用試料調製に手間と時間がかかるため、迅速さや簡便さが要求される製造現場における品質管理等のための測定には適していない場合がある。特にクズ茎自体およびその抽出物を素材として食品に混ぜて健康食品を作るに際し、イソフラボン含量にバラツキが生じると製品規格に問題が生じる。上記のようにクズ茎ならびに根は、植物であるため成分に差があり、かつ外見上では何年ものかなど不明であり、その多様な原材料を工業規格製品にするためには、出来るだけ多くのサンプルのイソフラボン量を迅速及び簡便に測定する方法の確立が望まれている。
本発明の目的は、クズ茎および根の多様な原材料中のイソフラボン量を迅速にかつ簡便に測定する方法を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明は、近赤外分光光度計を用いて、イソフラボン量既知のクズ茎または根の近赤外スペクトルデータを測定し、この近赤外スペクトルデータと前記クズ茎または根に含まれるイソフラボン量との相関に基づき、検量線を作成し、イソフラボン含量未知のクズ茎または根の近赤外スペクトルデータからイソフラボン量を算出することを特徴とするものである。
即ち、本発明は、
[1]イソフラボン量既知のクズ茎または根に1000〜2500nmの波長の近赤外線を照射して得られる近赤外スペクトルデータと前記クズ茎または根中のイソフラボン量との相関に基づき、イソフラボン量未知のクズ茎または根の近赤外スペクトルデータからイソフラボン量を算出することを特徴とするクズ茎または根中のイソフラボン量の測定方法、
[2]前記イソフラボン量が、プエラリン、ダイゼイン、ダイジン、マロニルダイジン、アセチルダイジン、ゲニステイン、ゲニスチン、マロニルゲニスチン、アセチルゲニスチン、グリシテイン、グリシチン、マロニルグリシチン、アセチルグリシチン、ホルモノネチン等のイソフラボン類の総量である[1]記載の測定方法、
[3]前記クズ茎または根が0.5mm以下の篩を通した粉末状物である[1]記載の測定方法、
[4]イソフラボン量が既知の複数の標準試料に近赤外線を照射し標準試料の近赤外スペクトルを測定する工程と、得られた標準試料の近赤外スペクトルデータを多変量解析し、検量線を作成する工程と、イソフラボン量未知の対象試料に近赤外線を照射し得られた近赤外スペクトルデータと前記検量線から対象試料のイソフラボン量を算出する工程、を有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のクズ茎または根中のイソフラボン量の測定方法、
[5]前記近赤外線の波長が1000〜2500nmである[4]記載の測定方法、
[6]前記多変量解析がPLS回帰分析である[4]または[5]記載の測定方法、
などを提供する。
本発明により、クズ茎または根に近赤外線を照射し、その近赤外スペクトルデータから、クズ茎または根に含まれるイソフラボン量を、迅速かつ簡便に測定することが可能となる。さらに、多様な形状・多様なイソフラボン含量のクズの原材料のイソフラボン量を迅速かつ簡便に算出でき、製品規格化ならびに品質管理が容易となり、食品工業用原料として用いることが可能となる。特に、その多くが不要物として処理されてきたクズ茎を食品工業用原料として用いることが可能となる。
2006年7、9、11月、2007年1、4月、および2007年8、9、10、11月、2008年1、2月に収穫した新芽萌芽時期から生育1年以内の茎、ならびに2007年4月に収穫した生育1年以上(越年)の茎1g中に含まれるイソフラボン総量(mg)を示した図である。 2006年7、9、11月および2007年1、4月、4月(越年)の各月茎についてフーリエ変換型近赤外分光(FT−NIR)測定結果から求めたイソフラボン総量の予測値とHPLC法で測定したイソフラボン総量の実測値との相関性を示した予測モデルの図である。 2007年1、4月、4月(越年)ならびに2007年10、11月、2008年1、2月の各月茎についてFT−NIR測定結果から求めたイソフラボン総量の予測値とHPLC法で測定したイソフラボン総量の実測値との相関性を示した予測モデルの図である。
以下において、本発明を詳細に説明する。本明細書におけるクズ茎、根とは、Pueraria lobataの一年生茎および多年生茎、ならびに根であり、これらの茎、根は、何年ものでも良い。本発明では、一年生茎とは発芽から翌年の発芽までの間に生育した部分の茎をいい、発芽から一年以上経過した部分の茎を多年生(越年生)茎という。
本発明にて用いられるクズ茎は、青いつる状の茎、木質化した茎、ならびに多年生茎いずれも用いられる。茎および根ともに、採取し一定の大きさに細断し、そのまま近赤外分光光度計で測定することができるが、細断・乾燥後粉末として測定するのが好ましく、特に0.5mm以下、好ましくは0.3mmの篩を通過する程度に粉末化し、粒径をそろえて測定することが好ましい。さらに、粒径をそろえた粉末を、シリンジのプランジャー等を用いて、近赤外分光光度計の測定用バイアル瓶の底面に押し付け圧着させて測定するのが好ましい。
本明細書におけるクズイソフラボンとは、クズ茎ならびに根において、その存在が既に報告されているイソフラボン類であり、プエラリン、ダイゼイン、ダイジン、マロニルダイジン、アセチルダイジン、ゲニステイン、ゲニスチン、マロニルゲニスチン、アセチルゲニスチン、グリシテイン、グリシチン、マロニルグリシチン、アセチルグリシチン、ホルモネチンなどがあげられる。本明細書におけるイソフラボン総量とは、これらのイソフラボン類の量を合計した量を意味し、成分の比率は問わない。
クズ茎または根の標準試料のイソフラボン総量は、HPLCで測定する。即ち、標準試料を乾燥後、粉砕機にて粉末とし、水、エタノール、または水―エタノールの混合溶媒にて抽出し、その抽出液をろ過し、必要に応じて濃縮したものに含まれるイソフラボン量をHPLCで測定する。
近赤外分光光度計とは、近赤外線(800〜2500nm)を用いる分光光度計をいい、試薬不要、前処理不要、多成分同時分析、定性および定量分析可能である。使用する近赤外分光光度計には、光源からの光を波長ごとに分ける分散子を用いる方式(分散形)と、光の干渉を用いる方式(フーリエ変換近赤外分光光度計:FT−NIR)があり、本発明ではどちらのタイプでもよいが、特にFT−NIRが好ましい。また、近赤外スペクトルの測定に用いる近赤外線の波長は、測定波長範囲において所定の一定波長間隔または可変波長間隔毎の波長とすることができる。例えば、測定に用いる波長範囲が1000〜2500nmである場合において1〜5nm程度の一定間隔毎の波長である。
この近赤外スペクトルを用いて定量分析を行うには、目的特性の値(濃度或いは特性値)とスペクトルデータとを関係づける関係式(検量線)が必要となる。通常検量線は、目的特性値が既知の試料のスペクトルを測定し、そのスペクトルデータと目的特性値に基づいて、多変量解析の手法により作成することができる。検量線作成における「検量線」とは、前記近赤外線を照射してクズ茎または根のスペクトルデータ(y)とイソフラボン総量(x)の相関関係を、多変量解析を用いて、例えば一次方程式(y=ax+b)に表したものである。x軸のイソフラボン総量は、HPLCを用いて予め測定し、算出した値を用いている。検量線の精度は、実測値と予測値の相関係数(R)やステップバリデーションにより求められた予測的決定係数(Q)を用いて評価する。
前記多変量解析とは、分光データなどの化学的な特性と物性などの特性値との関係を計量学的な処理によって関係づけ、解析する手法であり、重回帰分析、主成分分析、PLS(partial least squares )分析などが知られている。このうちPLS回帰分析法は、特定の試料に於ける波長などの連続的な因子の変化に対して、吸光度などの変数の出現する分光スペクトルパターンと当該試料のある示性値の間の関係を分析する場合において、各示性値と因子ごとの変数の変化を分析する手技として確立されているものであり、好ましい。このようなPLS回帰分析と言った、多変量解析は、市販されているソフトウェアを使用して行うことができる。この様な多変量解析用のソフトウェアとしては、例えば、Infometrix社製のピロエット(PIROUETTE)、Umetrics社製のSIMCA−P+等のソフトウェアがある。これらのソフトウェアを利用して、近赤外スペクトルを解析し、その結果を本発明の定量法で用いる場合、大凡の処理ステップは次に示す手順による。この時、使用する近赤外スペクトルは測定して得られた原スペクトルでも良いし、前記原スペクトルをデータ加工したものでも良い。
即ち、PLS回帰分析の手順としては、例えば、
(1)イソフラボン量既知の標準試料の近赤外スペクトルデータを所望により、一次または二次微分等データ加工を行い、波長とその波長における拡散反射光強度もしくはその加工データとの行列を作成する。
(2)前記行列と標準試料に含有されるイソフラボン量との行列を作成し、イソフラボン量の動きに対して、動きの大きい近赤外スペクトルもしくはその加工データを抽出し、その波長を特定する。
(3)抽出した近赤外スペクトルもしくはその加工データと示性値より検量線を作成する。同時に、イソフラボン量ごとに検量線上へのプロットを作成しておく。
(4)イソフラボン量未知試料の近赤外スペクトルを測定し、所望により一次または二次微分等のデータ加工する。
(5)(4)のデータより(2)で特定された波長のデータを抽出する。
(6)(5)で抽出されたデータを検量線上への写像を作成する。あるいは、データを検量線上へプロットする。
(7)(3)の示性値ごとのプロットと(5)の写像もしくはプロットとを比較し、測定試料のイソフラボン量を推測する。
などの手順による。なお、(2)以下の作業はコンピューターソフトウェアを利用することにより行うことができる。
このように、近赤外分光光度計にてイソフラボン含量が判明したクズ茎ならびに根の粉末あるいは溶媒抽出物は、サプリメントや種々の加工用素材として用いられる。特にクズ茎の粉末ならびにその溶媒抽出物は、イソフラボン総量を特定でき、種々の食品の素材として用いられる。例えばうどん、そば、パン、菓子類などに練り込むことにより、機能性成分を増強した食品を作ることが出来る。
以下に、本発明を参考例および実施例に基づいて説明する。本発明は以下の参考例および実施例によってなんら限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の変更を加えて実施することが出来ることは言うまでもない。
HPLCによりイソフラボン量を測定する際に標品として用いるプエラリン、ダイゼイン、ダイジン、マロニルダイジン、アセチルダイジン、ゲニステイン、ゲニスチン、マロニルゲニスチン、アセチルゲニスチン、グリシテイン、グリシチン、マロニルグリシチン、アセチルグリシチン、ホルモネチンの各種イソフラボンは、試薬会社(LKT Laboratories,Inc,和光純薬株式会社、ナカライテスク株式会社、メルク社)より購入した。
実施例1(2006年度季節変動)
2006年7,9,11月および翌年1,4月に、2006年4月新芽発芽時期から1年以内に生育した茎、ならびに2007年4月新芽発芽後に生育1年以上経過した茎を収穫した。収穫した茎を約3〜5cm幅に切断し、凍結乾燥した後、全量をワンダーブレンダーWB−1(大阪ケミカル株式会社製)にて30秒間破砕し粉末とした。粉末を0.3mmの篩いにかけ粒径を揃えた。各月粉末サンプル200mgを2mLエッペンドルフチューブに入れ、1mLのエタノール、ジルコニアビーズ1粒を加えて、QIAGEN製のミキサーミルMM310で5分間、20Hzの条件で振盪抽出をした後、15000rpm、4℃、10分間遠心分離を行った。上清をツベルクリン用シリンジで吸い上げた後、フィルター(MILLIPORE社、Millex−LH)でろ過した。ろ液をHPLC分析用サンプルとした。HPLCの測定条件はウォーターズ社製HPLC、GLサイエンス株式会社製カラム、Inertsil ODS−3、4.6×250mm、Solvent A:アセトニトリル、Solvent B:0.1%ギ酸、カラム温度、40℃、流速、0.8mL/min、グラジェント条件、0min:12%A、17min:20%A、47min:25%A、70min:100%A、85min:100%A)で分析を行った。この条件で各種イソフラボン標品の検量線を作成し、クズ茎エタノール抽出物中の各種イソフラボン量およびイソフラボン類の総和量を求めた。各月茎1g当たりのイソフラボン総量(mg)を図1に示す。
実施例2(2007年度季節変動)
同じ圃場にて栽培したクズ茎のうち、2007年4月新芽発芽時期から同年8、9、10、11月および翌年1、2月までに生育したクズ茎を収穫し、実施例1と同様にして、各月のクズ茎中に含まれる各種イソフラボン量およびイソフラボン類の総和量を求めた。
各月茎1g当たりのイソフラボン総量(mg)を図1に示す。
実施例3(フーリエ変換型近赤外拡散反射スペクトルの測定用サンプルの調製)
2006年7、9、11月および翌年1、4月、4月(越年)ならびに2007年8、9、10、11月および翌年1、2月に収穫したイソフラボン量既知のクズ茎を凍結乾燥後、ワンダーブレンダーWB−1で粉砕した。粉末を0.3mmの篩いにかけ粒径を揃え、200mgを秤量し、1mLシリンジのプランジャーを用いて、測定用2mLバイアル瓶に加えた乾燥粉末を瓶の底面に押し付け圧着させた後、近赤外拡散反射スペクトルを測定した。測定条件はなお、各月サンプルにつき、4本の分析用バイアルを作成し、各バイアルは4回測定を行った。FT−NIRの測定条件はサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製のNicolet6700 FT−IR(近赤外アップドリフト、CaFビームスプリッター、冷却InGaAs検出器)を用い、近赤外拡散反射スペクトルを測定した。スペクトルは1000nmから2500nmまでを走査して記録した。可動鏡の移動速度は秒速1.2659cm、分解能は8cm−1、積算64回で測定した。得られた拡散反射スペクトルデータをSPCファイル形式で保存し、統計解析に用いた。
実施例4(クズイソフラボン総量予測モデル(1))
実施例1で求めたHPLC測定によるイソフラボン総量と実施例3で得られた近赤外拡散反射スペクトルデータをPLS回帰分析し、PLSモデル(イソフラボン総量予測モデル)を求めた。データ解析にはInfoMetrix社製統計解析ソフトPirouetteを用いた。PLS回帰分析には全スペクトルデータを標準正規変量に変換後、平均中央化したデータを用いた。検証法として1か月分のデータをとりのぞいて残りのデータで検証するstep validationを用いた。このようにして求められたPLSモデルの相関係数(R値)は0.98であり、step validationによって求められたQ値は0.69であった。結果を図2に示す。
実施例5(クズイソフラボン総量予測モデル(2))
実施例1、実施例2で求めた2007年1、4月、4月(越年)ならびに2007年10、11月、2008年1、2月のクズ茎のFT−NIRスペクトルデータとHPLC測定によるイソフラボン総量データとをPLS回帰分析し、イソフラボン総量予測モデルを求めた。実施例4と同様にInfoMetrix社製統計解析ソフトPirouetteを用いた。FT−NIR分析は各月サンプルにつき、4本の分析用バイアルを作成し、各バイアルは4回測定を行った。各バイアルにつき得られた4つの拡散反射光強度データをサンプリングポイントごとに平均値化した。PLS回帰分析には平均値化したデータ(各月サンプル×4データ)を標準正規変量に変換後1次微分を行い、平均中央化したデータを用いた。検証法として1か月分のデータをとりのぞいて残りのデータで検証するstep validationを用いた。このようにして求められたPLSモデルの相関係数(R値)は0.94であり、step validationによって求められたQ値は0.69であった。結果を図3に示す。
実施例6(クズイソフラボン総量予測モデルの評価)
2008年1月に収穫した棚栽培クズ茎を、それぞれ室内乾燥および屋外乾燥を1ヶ月したサンプル、2ヶ月室内乾燥サンプル、ならびに2月に収穫した平地栽培クズ茎を実施例3と同様にして、FT−NIRスペクトルデータと実施例5で得られた予測モデルから各サンプル中のイソフラボン総量を予測した。一方、各サンプルのHPLC分析によりイソフラボン総量の実測値を求めた。各サンプルのイソフラボン総量の予測値と実測値の結果を表1に示す。この結果から、実施例5で得られたイソフラボン総量予測モデルの予測精度が高いことが示された。
本発明により、多様な形状・多様なイソフラボン含量のクズの原材料のイソフラボン総量を迅速かつ簡便に測定することができ、製品規格化ならびに品質管理が容易となり、食品工業用原料として用いることが可能となる。特に、その多くが不要物として処理されてきたクズ茎が食品工業用原料として用いることが可能となる。

Claims (6)

  1. イソフラボン量既知のクズ茎または根に1000〜2500nmの波長の近赤外線を照射して得られる近赤外スペクトルデータと前記クズ茎または根中のイソフラボン量との相関に基づき、イソフラボン量未知のクズ茎または根の近赤外スペクトルデータからイソフラボン量を算出することを特徴とするクズ茎または根中のイソフラボン量の測定方法。
  2. 前記イソフラボン量が、プエラリン、ダイゼイン、ダイジン、マロニルダイジン、アセチルダイジン、ゲニステイン、ゲニスチン、マロニルゲニスチン、アセチルゲニスチン、グリシテイン、グリシチン、マロニルグリシチン、アセチルグリシチン、ホルモノネチン等のイソフラボンの総量である請求項1記載の測定方法。
  3. 前記クズ茎または根が0.5mm以下の篩を通した粉末状物である請求項1記載の測定方法。
  4. イソフラボン量が既知の複数の標準試料に近赤外線を照射し標準試料の近赤外スペクトルを測定する工程と、得られた標準試料の近赤外スペクトルデータを多変量解析し、検量線を作成する工程と、イソフラボン量未知の対象試料に近赤外線を照射し得られた近赤外スペクトルデータと前記検量線から対象試料のイソフラボン量を算出する工程、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のクズ茎または根中のイソフラボン量の測定方法、
  5. 前記近赤外線の波長が1000〜2500nmである請求項4記載の測定方法。
  6. 前記多変量解析がPLS回帰分析である請求項4または5記載の測定方法。
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