JP2010209809A - 農作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディーゼルエンジン70の燃費を向上できるものでありながら、過負荷によるエンジントラブルを防止できるようにした農作業車両を提供するものである。
【解決手段】コモンレール120付きディーゼルエンジン70を搭載し、ディーゼルエンジン70の出力によって高負荷作業部2,5又は低負荷作業部8のいずれか一方又は両方を駆動するように構成してなる農作業車両において、低負荷作業部8を作動させるときには、高負荷作業部2,5を作動させるコモンレール120のプレ噴射制御が中止されるように構成している。
【選択図】図12

Description

本発明は、作業部として脱穀装置等を備えたコンバイン、又は作業部として耕耘作業機を備えたトラクタ等の農作業車両に係り、より詳しくは、吸気マニホールドと、排気マニホールドと、複数の多気筒用インジェクタと、各インジェクタに燃料を供給するコモンレールとを有するディーゼルエンジンが搭載された農作業車両に関するものである。
従来、コモンレールを有するディーゼルエンジンが搭載された農作業車両において、エンジンの回転数を複数段階に設定し、高速段階の変速伝動中、ディーゼルエンジンの回転数を低速から高速に切換えたときの回転増加率を、低速段階の変速伝動のときよりも小さくする技術がある(特許文献1)。また、路上走行モード又は作業モードに、コモンレールの燃料噴射制御モードを切換える技術も公知である(特許文献2参照)。
特開2008−185009号公報 特開2008−8208号公報
前記従来技術では、脱穀部や走行部等の高負荷作業部と、排出オーガ等の低負荷作業部を備えたコンバイン等の農作業車両において、コモンレール付きエンジンがコンバインに搭載された場合、コモンレールのプレ噴射によって、低負荷作業のときでも不必要にエンジンから高出力され、エンジンの燃費を向上できない等の問題がある。また、ディーゼルエンジンの高出力によって穀粒排出オーガ等の低負荷作業部を作動させるには、脱穀装置等の高負荷作業部と同様に、低負荷作業部の伝動構造を高剛性に構成する必要があるから、製造コストを低減できない等の問題がある。例えば、コモンレール付きディーゼルエンジンが搭載されたコンバインにおいて、穀粒排出又は脱穀等の作業内容(低負荷作業、高負荷作業)に応じてディーゼルエンジンの出力の上限が変更されないから、穀粒排出オーガ等の低負荷出力の穀粒排出オーガの伝動部でも、脱穀装置の伝動構造と同様に、高出力に耐える強度を確保する必要があり、製造コストを簡単に削減できなかった。
本発明の目的は、エンジンの燃費を向上できるものでありながら、過負荷によるエンジントラブルを防止できるようにした農作業車両を提供するものである。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明の農作業車両は、コモンレール付きエンジンを搭載し、前記エンジンの出力によって高負荷作業部又は低負荷作業部のいずれか一方又は両方を駆動するように構成してなる農作業車両において、前記低負荷作業部を作動させるときには、前記高負荷作業部を作動させる前記コモンレールのプレ噴射制御が中止されるように構成したものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の農作業車両において、前記コモンレールのプレ噴射制御ありの通常モード、又は前記コモンレールのプレ噴射制御なしの燃費モードに、前記コモンレールの燃料噴射制御モードを切換える選択スイッチを設けたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の農作業車両において、農作業条件の変更操作によって、前記コモンレールのプレ噴射制御ありの通常モード、又は前記コモンレールのプレ噴射制御なしの燃費モードに、前記コモンレールの燃料噴射制御モードを切換可能に構成したものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の農作業車両において、穀稈を脱穀する脱穀装置を備える構造であって、前記エンジンによって駆動する脱穀装置の速度を略一定に維持するように、前記コモンレールの燃料噴射制御を実行可能に構成したものである。
請求項1に記載の発明によれば、コモンレール付きエンジンを搭載し、前記エンジンの出力によって高負荷作業部又は低負荷作業部のいずれか一方又は両方を駆動するように構成してなる農作業車両において、前記低負荷作業部を作動させるときには、前記高負荷作業部を作動させる前記コモンレールのプレ噴射制御が中止されるように構成したものであるから、前記コモンレールのプレ噴射の有無によって前記エンジンの出力を制限し、前記エンジンの高出力によって低負荷作業部が作動するのを阻止できる。前記エンジンの燃費を向上できるものでありながら、エンスト等のエンジントラブルを簡単に防止できる。また、高負荷出力の前記作業部を作動させる前記エンジンの高出力によって、低負荷出力の前記作業部が作動するのを阻止できる。低負荷出力の前記作業部が過負荷によって損傷するのを防止できる。低負荷出力の前記作業部の伝動構造を、低負荷出力の前記作業部の負荷に耐える剛性で低コストに構成でき、低負荷出力の前記作業部の伝動構造の製造コストを簡単に低減できる。
請求項2に記載の発明によれば、前記コモンレールのプレ噴射制御ありの通常モード、又は前記コモンレールのプレ噴射制御なしの燃費モードに、前記コモンレールの燃料噴射制御モードを切換える選択スイッチを設けたものであるから、オペレータが前記選択スイッチを操作して、高負荷作業又は低負荷作業に、前記コモンレールの制御を簡単に適応させることができる。例えば、前記通常モードの選択によって前記エンジンの騒音を低減できる。前記燃費モードの選択によって前記エンジンの燃費を向上できる。作業負荷に適応させて前記エンジンを作動できるから、低負荷出力の前記作業部の作動状況、又は高負荷出力の前記作業部の作動状況に適応した前記コモンレールの燃料噴射制御を簡単に実行できる。複数作業の同時進行又は作業の追加や変更等の運転操作性を向上できる。例えば、コンバインの穀粒タンクからトラック荷台等に穀粒を排出しながら、コンバインを移動させてトラック荷台等に穀粒を均一に排出できる。
請求項3に記載の発明によれば、農作業条件の変更操作によって、前記コモンレールのプレ噴射制御ありの通常モード、又は前記コモンレールのプレ噴射制御なしの燃費モードに、前記コモンレールの燃料噴射制御モードを切換可能に構成したものであるから、農作業条件が変更されても、その農作業条件に追従して、前記コモンレールの制御における作業負荷の基準値が変更され、農作業内容に適応した前記コモンレールの制御を簡単に実行できる。前記エンジンの騒音を低減でき、且つ前記エンジンの燃費を向上できる。例えば、前記低負荷作業部の作動に必要な前記エンジンの最高出力、又は前記高負荷作業部の作動に必要な前記エンジンの最高出力を簡単に設定できる。過負運転荷等によるエンジントラブルを防止できる。
請求項4に記載の発明によれば、穀稈を脱穀する脱穀装置を備える構造であって、前記エンジンによって駆動する前記脱穀装置の速度を略一定に維持するように、前記コモンレールの燃料噴射制御を実行可能に構成したものであるから、走行負荷の変動等に関係なく脱穀性能を維持できる。過負運転荷等による脱穀駆動トラブルを防止できる。例えば、走行負荷の変動が大きい湿田での収穫作業であっても、前記脱穀装置に設ける扱胴での穀稈詰りを低減できる。また、前記脱穀装置に設ける選別機構の選別損失を低減できる。
コンバインの左側面図である。 コンバインの平面図である。 ディーゼルエンジンの吸気マニホールド設置側の側面図である。 ディーゼルエンジンの外観斜視図である。 ディーゼルエンジンの平面図である。 コモンレールシステムの平面説明図である。 ディーゼルエンジンの上側部分の断面説明図である。 走行機体の前側から見た斜視図である。 走行機体の後側から見た斜視図である。 走行機体の右側半部の背面図である。 走行機体の右側半部の背面図である。 ディーゼルエンジンの燃料系統説明図である。 コモンレールシステムの燃料噴射制御のフローチャートである。
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1は農作業車両としてのコンバインの左側面図、図2はコンバインの平面図である。図1及び図2を参照しながら、コンバインの全体構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。
本実施形態のコンバインは、左右一対の走行クローラ2にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、穀稈を刈り取りながら取り込む6条刈り用の刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着されている。走行機体1には、フィードチェン6を有する脱穀装置5と、脱穀後の穀粒を貯留する穀粒タンク7とが横並び状に搭載されている。本実施形態では、脱穀装置5が走行機体1の進行方向左側に、穀粒タンク7が走行機体1の進行方向右側に配置されている。走行機体1の後部に旋回可能な穀粒排出オーガ8が設けられている。穀粒タンク7の内部の穀粒が、穀粒排出オーガ8の籾投げ口9からトラックの荷台またはコンテナ等に排出されるように構成されている。刈取装置3の右側方で、穀粒タンク7の前側方には、運転キャビン10が設けられている。
運転キャビン10内に操縦ハンドル11及び運転座席12を配置している。なお、図8乃至図11に示されるように、運転キャビン10には、オペレータが搭乗するステップ13と、操縦ハンドル11を設けたハンドルコラム14と、運転座席12の左側方のレバーコラム15に設けた走行主変速レバー16、及び走行副変速レバー17、刈取クラッチ及び脱穀クラッチ等の作業クラッチ(図示省略)を入り切り操作する作業クラッチレバー18とが、配置されている。運転座席12の下方の走行機体1には、動力源としてのディーゼルエンジン70が配置されている。
図1及び図2、図8乃至図11に示されるように、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にエンジン70の動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24と、走行クローラ2の非接地側を保持する中間ローラ25とを設けている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持し、中間ローラ25によって走行クローラ2の非接地側を支持する。ディーゼルエンジン70の出力がミッションケース19に伝達され、ミッションケース19によってディーゼルエンジン70の出力が変速され、ミッションケース19の変速出力によって走行クローラ2が駆動される。
図1及び図2に示されるように、刈取装置3の刈取回動支点軸4aに連結した刈取フレーム221の下方には、圃場の未刈り穀稈の株元を切断するバリカン式の刈刃装置222が設けられている。刈取フレーム221の前方には、圃場の未刈り穀稈を引起す6条分の穀稈引起装置223が配置されている。穀稈引起装置223とフィードチェン6の前端部(送り始端側)との間には、刈刃装置222によって刈取られた刈取り穀稈を搬送する穀稈搬送装置224が配置されている。なお、穀稈引起装置223の下部前方には、圃場の未刈り穀稈を分草する6条分の分草体225が突設されている。ディーゼルエンジン70にて走行クローラ2を駆動して圃場内を移動しながら、刈取装置3を駆動して圃場の未刈り穀稈を連続的に刈取る。
図1及び図2に示されるように、脱穀装置5には、穀稈脱穀用の扱胴226と、扱胴226の下方に落下する脱粒物を選別する揺動選別盤227及び唐箕ファン228と、扱胴226の後部から取出される脱穀排出物を再処理する処理胴229と、揺動選別盤227の後部の排塵を排出する排塵ファン230とを備えている。なお、扱胴226の回転軸はフィードチェン6による穀稈の搬送方向(換言すると走行機体1の進行方向)に沿って延びている。刈取装置3から穀稈搬送装置224によって搬送された穀稈の株元側はフィードチェン6に受け継がれて挟持搬送される。そして、この穀稈の穂先側が脱穀装置5の扱室内に搬入されて扱胴226にて脱穀される。
図1及び図2に示されるように、揺動選別盤227の下方側には、揺動選別盤227にて選別された穀粒(一番物)を取出す一番コンベヤ231と、枝梗付き穀粒等の二番物を取出す二番コンベヤ232とが設けられている。本実施形態の両コンベヤ231,232は、走行機体1の進行方向前側から一番コンベヤ231、二番コンベヤ232の順で、側面視において走行クローラ2の後部上方の走行機体1の上面側に横設されている。なお、揺動駆動軸240によって、略一定速度で前後及び上下方向に揺動選別盤227を往復揺動させる。その結果、扱胴226の下方に張設された受網237から漏下した脱穀物が、揺動選別盤227のフィードパン238及びチャフシーブ239によって揺動選別(比重選別)される。
前記揺動選別盤227によって脱穀物が揺動選別されることによって、脱穀物中の穀粒が、揺動選別盤227のグレンシーブ240から下方に落下する。グレンシーブ240から落下した穀粒は、その穀粒中の粉塵が唐箕ファン228からの選別風によって除去され、一番コンベヤ231に落下する。一番コンベヤ231のうち脱穀装置5における穀粒タンク7寄りの一側壁(実施形態では右側壁)から外向きに突出した終端部には、上下方向に延びる揚穀筒233が連通接続されている。一番コンベヤ231から取出された穀粒は、揚穀筒233を介して穀粒タンク7に搬入され、穀粒タンク7に収集される。なお、穀粒タンク7の後面の傾斜に沿わせて、揚穀筒233の上端側が後方に傾斜する後傾姿勢で、穀粒タンク7の後方に揚穀筒233が立設されている。
また、図1及び図2に示されるように、揺動選別盤227は、揺動選別(比重選別)によってチャフシーブ239から枝梗付き穀粒等の二番物を二番コンベヤ232に落下させるように構成している。チャフシーブ239の下方に落下する二番物を風選する唐箕ファン228を備える。チャフシーブ239から落下した二番物は、その穀粒中の粉塵及び藁屑が選別ファン241からの選別風によって除去され、二番コンベヤ232に落下することになる。二番コンベヤ232のうち脱穀装置5における穀粒タンク7寄りの一側壁から外向きに突出した終端部は、揚穀筒233と交差して前後方向に延びる還元筒236を介して、フィードパン238の上面側に連通接続され、二番物をフィードパン238の上面側に戻して再選別するように構成している。
一方、フィードチェン6の後端側(送り終端側)には、排藁チェン234が配置されている。フィードチェン6の後端側から排藁チェン234に受け継がれた排藁(穀粒が脱粒された稈)は、長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、又は脱穀装置5の後方側に設けた排藁カッタ235にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体1の後方下方に排出される。
次に、図1及び図2、図3乃至図7を参照しながら、ディーゼルエンジン70の構造について説明する。図1及び図2に示す如く、ディーゼルエンジン70の排気機構はテールパイプ33等を有する。ディーゼルエンジン70の排気マニホールド71に、図示しないフロントパイプや消音器等を介して、テールパイプ33を連結している。ディーゼルエンジン70の排気ガスは、排気マニホールド71を介してテールパイプ33に移動し、テールパイプ33の排気口から外部に排出される。
また、図3はディーゼルエンジン70の吸気マニホールド設置側の側面図、図4はディーゼルエンジン70の外観斜視図、図5はディーゼルエンジン70の平面図、図6はコモンレールシステム117の平面説明図、図7はコモンレールシステム117の断面説明図、図12はディーゼルエンジンの燃料系統説明図である。なお、以下の説明では、走行機体1に対して後向きになるディーゼルエンジン70の吸気マニホールド73設置側を単にディーゼルエンジン70の後側と称し、同じく走行機体1に対して前向きになるディーゼルエンジン70の排気マニホールド71設置側を単にディーゼルエンジン70の前側と称する。
図3乃至図7に示す如く、ディーゼルエンジン70のシリンダヘッド72の左側面に排気マニホールド71が配置されている。シリンダヘッド72の右側面には吸気マニホールド73が配置されている。シリンダヘッド72は、エンジン出力軸74(クランク軸)とピストン(図示省略)が内蔵されたシリンダブロック75に上載されている。シリンダブロック75の前面と後面からエンジン出力軸74の前端と後端を突出させている。シリンダブロック75の前面側には冷却ファン76が設けられている。エンジン出力軸74の前端側からVベルト77を介して冷却ファン76に回転力を伝達するように構成している。
図3に示す如く、シリンダブロック75の後面側にフライホイール79を設ける。エンジン出力軸74の後端側にフライホイール79を軸支させている。走行部(高負荷作業部)としての走行クローラ2、高負荷作業部としての刈取装置3や脱穀装置5、低負荷作業部としての穀粒排出オーガ8等の駆動部に、フライホイール79を介してディーゼルエンジン70の動力を取り出すように構成している。
また、シリンダブロック75の下面にはオイルパン81が配置されている。シリンダブロック75の左右側面とフライホイールハウジング78の左右側面とには、機関脚取付部82がそれぞれ設けられている。各機関脚取付部82には、防振ゴムを有する機関脚体83がボルト締結されている。ディーゼルエンジン70は、各機関脚体83を介して、走行機体1に一体形成されたエンジン支持シャーシ84に防振支持される。
図3乃至図5に示すように、吸気マニホールド73の入口側には、EGR装置(排気ガス再循環装置)91を介して図示しないエアクリーナが連結される。エアクリーナ88にて除塵・浄化された外気は、EGR装置91を介して、吸気マニホールド73に送られ、そして、ディーゼルエンジン70の各気筒に供給される。
図3及び図4などに示すように、EGR装置91は、ディーゼルエンジン70の再循環排気ガス(排気マニホールド71からのEGRガス)と新気(エアクリーナからの外部空気)とを混合させて吸気マニホールド73に供給するEGR本体ケース(コレクタ)92と、排気マニホールド71にEGRクーラ94を介して接続する再循環排気ガス管95と、再循環排気ガス管95にEGR本体ケース92を連通させるEGRバルブ96とを有する。
上記の構成により、エアクリーナ(図示省略)からEGR本体ケース92内に外部空気を供給する一方、排気マニホールド71からEGRバルブ96を介してEGR本体ケース92内にEGRガス(排気マニホールド71から排出される排気ガスの一部)を供給する。エアクリーナ(図示省略)からの外部空気と、排気マニホールド71からのEGRガスとが、EGR本体ケース92内で混合された後、EGR本体ケース92内の混合ガスが吸気マニホールド73に供給される。即ち、ディーゼルエンジン70から排気マニホールド71に排出された排気ガスの一部が、吸気マニホールド73からディーゼルエンジン70に還流されることによって、高負荷運転時の最高燃焼温度が下がり、ディーゼルエンジン70からのNOx(窒素酸化物)の排出量が低減される。
図3乃至図5に示す如く、シリンダヘッド72の右側面には、ターボ過給機100が取付けられている。ターボ過給機100は、タービンホィール(図示省略)を内蔵したタービンケース101と、ブロアホィール(図示省略)を内蔵したコンプレッサケース102とを有する。
タービンケース101の排気ガス取入れ管105に排気マニホールド71が接続されている。タービンケース101の排気ガス排出管103には、マフラー106(又はディーゼルパティキュレートフィルタ等)を介してテールパイプ107が接続される。即ち、ディーゼルエンジン70の各気筒から排気マニホールド71に排出された排気ガスは、ターボ過給機100等を経由して、テールパイプ107から外部に放出される。
一方、コンプレッサケース102の給気取入れ側に給気管104を介してエアクリーナ(図示省略)の給気排出側が接続される。コンプレッサケース102の給気排出側に過給管108を介して吸気マニホールド73が接続される。即ち、エアクリーナによって除塵された外気は、コンプレッサケース102から過給管108を介してディーゼルエンジン70の各気筒に供給される。
次に、図3乃至図7、図12を参照して、コモンレールシステム117とディーゼルエンジン70の燃料系統構造を説明する。図3、図6、図11に示す如く、ディーゼルエンジン70に設けられた四気筒分の各インジェクタ115に、燃料ポンプ116とコモンレールシステム117とを介して、燃料タンク118が接続されている。各インジェクタ115は、電磁開閉制御型の燃料噴射バルブ119を有する。コモンレールシステム117は、円筒状のコモンレール120を有する。
図3、図6、図12に示す如く、燃料ポンプ116の吸入側には、燃料フィルタ121及び低圧管122を介して燃料タンク118が接続される。燃料タンク118内の燃料が燃料フィルタ121及び低圧管122を介して燃料ポンプ116に吸込まれる。一方、燃料ポンプ116の吐出側には、高圧管123を介してコモンレール120が接続される。円筒状のコモンレール120の長手方向の中間に高圧管コネクタ124を設け、高圧管コネクタ124に高圧管123の端部が高圧管コネクタナット125の螺着にて連結されている。
また、コモンレール120には、4本の燃料噴射管126を介して四気筒分の各インジェクタ115がそれぞれ接続されている。円筒状のコモンレール120の長手方向に四気筒分の燃料噴射管コネクタ127を設け、燃料噴射管コネクタ127に燃料噴射管126の端部が燃料噴射管コネクタナット128の螺着にて連結されている。
上記の構成により、燃料タンク118の燃料が燃料ポンプ116によってコモンレール120に圧送され、高圧の燃料がコモンレール120に蓄えられる。各燃料噴射バルブ119がそれぞれ開閉制御されることによって、コモンレール120内の高圧の燃料が各インジェクタ115からディーゼルエンジン70の各気筒に噴射される。即ち、各燃料噴射バルブ119を電子制御することによって、各インジェクタ115から供給される燃料の噴射圧力、噴射時期、噴射期間(噴射量)を高精度にコントロールできる。したがって、ディーゼルエンジン70から排出される窒素酸化物(NOx)を低減できる。ディーゼルエンジン70の騒音振動を低減できる。
なお、燃料タンク118にポンプ燃料戻り管129を介して燃料ポンプ116を接続する。円筒状のコモンレール120の長手方向の端部に、コモンレール120内の燃料の圧力を制限する圧力調整バルブ付き戻り管コネクタ130を介して、コモンレール燃料戻り管131を接続する。即ち、燃料ポンプ116の余剰燃料とコモンレール120の余剰燃料が、ポンプ燃料戻り管129とコモンレール燃料戻り管131を介して、燃料タンク118に回収される。
さらに、図3及び図7に示す如く、エンジンブロック75の一側方に設けたオイルクーラハウジング132に締結台を一体的に形成する。また、コモンレール120に締結ボスを一体的に形成する。レール取付ボルト135によって前記締結台に前記締結ボスが固着されている。エンジンブロック75の一側方にオイルクーラハウジング132を介してコモンレール120が着脱可能に締結されている。即ち、エンジンブロック75の一側方にコモンレール120が設けられている。吸気マニホールド73の斜め下方の角隅部に近接させてコモンレール120が配置されている。
図3及び図7に示す如く、吸気マニホールド73の斜め下方にコモンレール120を並設している。コモンレール120の上面側に配置された燃料噴射管コネクタ127が斜め上方外向きになる姿勢に、コモンレール120を傾倒させるように構成している。したがって、吸気マニホールド73によってコモンレール120の上面側の一部がカバーされるから、ディーゼルエンジン70等の組立分解作業中に、コモンレール120に向けて上方から工具等を落としても、吸気マニホールド73によってコモンレール120の衝突等による損傷を低減できる。また、燃料噴射管コネクタ127に燃料噴射管126を接続させる燃料噴射管コネクタナット128の螺着操作等が簡単に実行できる。燃料噴射管126の配管等の組立分解作業性を向上できる。
図8乃至図11に示す如く、ディーゼルエンジン70は、運転座席12の下方のエンジンルーム20内に配置されている。ディーゼルエンジン70の冷却ファン76に対向させてラジエータ85を設けている。エンジンルームフレーム211にエンジンルーム背面板212を複数のボルト213にて締結する。エンジンルーム背面板212にメンテナンス窓214を開設する。メンテナンス窓214に蓋板215を複数のボルト216にて締結する。穀粒排出オーガ7のうち縦排出オーガ回りにグレンタンク7の前側を機体外側方に移動させ、エンジンルーム背面板212の後方を開放させることによって、エンジンルーム背面板212の後方から、蓋板215を着脱操作し、ディーゼルエンジン70のメンテナンス作業を行えるように構成している。
即ち、メンテナンス窓214に燃料フィルタ121を介してコモンレール120を対向配置させる。その結果、エンジンルーム20内のディーゼルエンジン70の付属部品うち、コモンレール120や燃料フィルタ121やオイルフィルタ140、又はラジエータ85等が、保守点検者によってメンテナンス窓214から目視可能に配置される。したがって、蓋板21を取外すことによって、メンテナンス窓214を介して燃料フィルタ121の交換等を実行できるように構成している。
次に、図12及び図13を参照して、コモンレール120の燃料噴射制御について説明する。図12に示す如く、ディーゼルエンジン70の各気筒の燃料噴射バルブ119を作動させる燃料噴射コントローラ311を備える。燃料噴射コントローラ311は、マイクロコンピュータによって形成されている。燃料噴射コントローラ311の入力側には、コモンレール120内の燃料圧力を検出するレール圧センサ312と、燃料ポンプ116を回転又は停止させる電磁クラッチ313と、ディーゼルエンジン70の回転数(エンジン出力軸74のクランク型カムシャフト位置)を検出するエンジン回転センサ314と、インジェクタ115の燃料噴射回数(1行程の燃料噴射期間中の燃料噴射回数)を検出及び設定する噴射設定器315と、アクセルレバー又はアクセルペダル等のアクセル操作具(図示省略)の操作位置を検出するアクセルセンサ316と、ターボ過給機100の圧力を検出するターボ昇圧センサ317と、吸気マニホールド73の吸気温度を検出する吸気温度センサ318と、ディーゼルエンジン70の冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ319とが接続されている。
また、燃料噴射コントローラ311の出力側には、4気筒分の各燃料噴射バルブ119の電磁ソレノイドがそれぞれ接続されている。即ち、コモンレール120に蓄えた高圧燃料が、燃料噴射圧力又は燃料噴射時期又は燃料噴射期間を制御しながら、1行程中に複数回に分けて燃料噴射バルブ119から噴射され、窒素酸化物の発生を抑え、且つすす又は二酸化炭素等の発生も低減した完全燃焼を実行でき、燃費を向上できるように構成している。
さらに、図12に示す如く、燃料噴射コントローラ311の入力側には、作業クラッチレバー18の入り又は切り操作(脱穀装置5の駆動又は停止)を検出する作業クラッチセンサ331と、穀粒排出オーガ8の作動操作(穀粒タンク7の穀粒排出作業)を検出する穀粒排出センサ332と、操向ハンドル11の旋回操作(圃場枕地の方向転換動作)を検出する操舵角センサ333と、走行機体1の移動速度を検出する車速センサ334と、作業内容(走行、穀粒排出、脱穀など)に分けてディーゼルエンジン70の最高出力基準値を初期設定するエンジン出力設定器335と、脱穀装置5の回転速度(回転数)を検出する脱穀回転センサ336と、通常モード(プレ噴射制御あり)又は燃費モード(プレ噴射制御なし)に切換えるモード選択スイッチ337がそれぞれ接続されている。高負荷出力の作業部としての脱穀装置5(走行クローラ2)を作動させるときには、コモンレール120のプレ噴射制御ありの通常モードにモード選択スイッチ337を切換える。一方、低負荷出力の作業部としての穀粒排出オーガ8を作動させるときには、コモンレール120のプレ噴射制御なしの燃費モードにモード選択スイッチ337を切換え、脱穀装置5(走行クローラ2)を作動させるときよりも低出力側に、ディーゼルエンジン70の出力が制限されるように構成している。
例えば、脱穀装置5(走行クローラ2)を作動させるときよりも、ディーゼルエンジン70の各気筒のプレ噴射回数(1行程の燃料噴射回数)を減少させ、穀粒排出オーガ8を作動させるように構成している。穀粒排出オーガ8の作動状況、又は脱穀装置5の作動状況に適応したコモンレール120の燃料噴射制御を簡単に実行できる。穀粒排出オーガ8の作動に必要なディーゼルエンジン70の出力、又は脱穀装置5の作動に必要なディーゼルエンジン70の出力を簡単に設定できる。
なお、コモンレール式燃料噴射装置117は、上死点(TDC)を挟む付近でメイン噴射を実行するように構成されている。また、コモンレール式燃料噴射装置117は、メイン噴射以外に、上死点よりも以前の大きいクランク角度の時期に、NOx及び騒音の低減を目的として少量のパイロット噴射を実行したり、上死点直前の小さいクランク角度の時期に、騒音低減を目的としてプレ噴射を実行したり、上死点後の適宜クランク角度の時期に、粒子状物質の低減や排気ガスの浄化促進を目的としてアフタ噴射を実行するように構成されている。
また、燃料噴射コントローラ311の出力側には、走行クローラ2の駆動速度を無段階に変更させる走行変速機328が接続されている。即ち、穀粒排出オーガ8を作動させる低負荷作業中、高負荷出力の作業部としての走行クローラ2を作動させる操作具(主変速レバー等)の操作によって、ディーゼルエンジン70の最高出力の制限を解除する。ディーゼルエンジン70の出力不足(過負荷)を防止可能に構成している。
一方、作業クラッチレバー等を入り操作して脱穀装置5を作動させているときに、ディーゼルエンジン70の負荷が所定以上の負荷になった場合、ディーゼルエンジン70の負荷が所定以下のときの最高車速基準値よりもさらに遅い最高車速基準値に基づき、車速制御手段としての走行変速機328によって制御される走行機体1の最高車速が制限される。即ち、走行クローラ2又は脱穀装置5を作動させる高負荷作業中、ディーゼルエンジン70の出力負荷が所定以上に増大したとき、又は操舵角センサ333によって圃場枕地の方向転換動作(操向ハンドル11の旋回操作)が検出されたとき、走行機体1の最高移動速度(最高車速)が制限される。ディーゼルエンジン70の出力負荷を所定以下に維持して、脱穀装置5の駆動速度を略一定に維持可能に構成している。例えば、ディーゼルエンジン70の出力負荷が増減しても、扱胴226、揺動選別盤227、唐箕ファン228の回転数が初期設定された所定回転数に維持される。
上記の構成により、図13に示す如く、ディーゼルエンジン70を始動させることによって、作業クラッチレバーの切り操作(脱穀装置5の停止)が作業クラッチセンサ331によって検出されていて、オーガクラッチオフ状態(穀粒排出オーガ8の停止)が穀粒排出センサ332によって検出されていて、走行変速レバー16の移動位置操作(走行機体1の移動速度)が車速センサ334によって検出されているときには(S1;yes)、エンジン出力設定器335によって初期設定された走行最高出力値が入力される(S2)。前記走行最高出力値に基づいて、ディーゼルエンジン70の各気筒のインジェクタ115の燃料噴射バルブ119を開作動させるインジェクタ制御が実行された場合、路上又は圃場内を移動中、ディーゼルエンジン70の出力が不足するのを抑制でき、ディーゼルエンジン70によって走行クローラ2を駆動する高負荷作業の作業効率の極端な低下を防止できる。
また、作業クラッチレバーの切り操作(脱穀装置5の停止)が作業クラッチセンサ331によって検出されていて、オーガクラッチオン状態(穀粒排出オーガ8の作動)が穀粒排出センサ332によって検出されていて、走行変速レバー16の中立位置操作(走行機体1の停止)が車速センサ334によって検出されているときには(S3;yes)、エンジン出力設定器335によって初期設定された穀粒排出最高出力値が入力される(S4)。前記穀粒排出最高出力値に基づいてインジェクタ制御が実行された場合、ディーゼルエンジン70の各気筒のインジェクタ115の燃料噴射バルブ119が開作動する。又は脱穀装置5を作動させているときよりもディーゼルエンジン70の燃料噴射気筒数が減少する。その結果、ディーゼルエンジン70を比較的低回転で作動させて、穀粒排出オーガ8を作動できる。
即ち、収穫作業中、穀粒タンク7内に穀粒が充填された場合、低負荷作業部としての穀粒排出オーガ8を走行機体1の側方に向けて旋回させ、トラックの荷台またはコンテナ等に籾投げ口9を対向させる。そして、穀粒排出オーガ8を作動させて、トラックの荷台またはコンテナ等に穀粒排出オーガ8の籾投げ口9から穀粒タンク7内の穀粒を排出させる。低負荷作業としての穀粒タンク7内の穀粒排出作業中、穀粒排出センサ332によって穀粒排出作業が検出され、ディーゼルエンジン70を比較的低回転で作動させ、ディーゼルエンジン70の燃費を向上できる。
作業クラッチレバーの入り操作(脱穀装置5の作動)が作業クラッチセンサ331によって検出されているときには(S5;yes)、エンジン出力設定器335によって初期設定された作業最高出力値が入力される(S6)。前記作業最高出力値に基づいて、ディーゼルエンジン70の各気筒のインジェクタ115の燃料噴射バルブ119を開作動させるインジェクタ制御が実行された場合、ディーゼルエンジン70の出力が不足するのを抑制して収穫作業を連続的に続行でき、ディーゼルエンジン70によって走行クローラ2又は脱穀装置5等を駆動する高負荷作業の作業効率の極端な低下を防止できる。
ステップ2の走行最高出力値、又はステップ4の穀粒排出最高出力値、又はステップ6の作業最高出力値が入力された場合、モード選択スイッチ337の切換位置が読込まれる(S7)。モード選択スイッチ337は、オペレータによって操作されて、プレ噴射ありの通常モードのインジェクタ制御、又はプレ噴射なしの燃費モードのインジェクタ制御に切換えられる。脱穀装置5の作動が作業クラッチセンサ331によって検出されていないときには(S8;no)、ステップ2の走行最高出力値、又はステップ4の穀粒排出最高出力値に基づき、高負荷出力の走行クローラ2又は低負荷出力の穀粒排出オーガ8の作動状況に適応したインジェクタ制御(コモンレール120の燃料噴射制御)が実行される(S9)。
高負荷作業部の走行クローラ2(脱穀装置5)が駆動される場合、プレ噴射ありの通常モードのインジェクタ制御(S9)によって、コモンレール120のプレ噴射制御が実行される。一方、低負荷作業部の穀粒排出オーガ8が駆動される場合、プレ噴射なしの燃費モードのインジェクタ制御(S9)によって、コモンレール120のプレ噴射制御が実行されない。コモンレール120のプレ噴射がない状態で穀粒排出オーガ8が作動する。なお、モード選択スイッチ337の切換は、オペレータの熟練度、又は揺動選別盤227の選別条件の変更、走行機体1の左右又は前後方向の傾斜調節、穀稈の性状(湿材)等の各種作業条件によって判断される。揺動選別盤227の選別条件の変更、走行機体1の左右又は前後方向の傾斜調節等に連動させて、モード選択スイッチ337を自動的に切換ることもできる。
さらに、脱穀装置5の作動が作業クラッチセンサ331によって検出されているときには(S8;yes)、脱穀回転センサ336値が読込まれ(S10)、脱穀装置5が初期設定された所定回転数ではないときに(S11;yes)、インジェクタ制御(コモンレール120の燃料噴射制御)が実行され(S12)、初期設定された所定回転数で脱穀装置5を作動させる。即ち、走行負荷の増減等に影響されることなく、脱穀装置5が所定回転数で駆動されることによって、脱穀装置5におけるトラブル、例えば、扱胴226周辺等の穀稈詰り、揺動選別盤227の選別損失等を低減できる。
なお、収穫作業中、ディーゼルエンジン70の負荷が所定以上に増大して過負荷状態になるときに、作業負荷が所定以下のときよりも低速の変速範囲で、走行変速機328が変速作動するように、ステップ2の走行最高出力値の入力によって、最高車速(最高移動速度)が制限された状態下で、ディーゼルエンジン70の各気筒のインジェクタ115の燃料噴射バルブ119を開作動させるインジェクタ制御が実行される。したがって、湿田での収穫作業、又は圃場の枕地での方向転換等の高負荷状態のときにも、ディーゼルエンジン70の出力が充分に確保される。また、高負荷出力のインジェクタ制御は、低負荷出力のインジェクタ制御よりもプレ噴射回数(1行程の燃料噴射回数)が多くなり、1行程の燃料噴射量が多くなる。即ち、高負荷出力のインジェクタ制御は、低負荷出力のインジェクタ制御よりも、ディーゼルエンジン70の出力トルクが大きくなる。
図1、図3、図12、図13に示す如く、コモンレール120付きディーゼルエンジン70を搭載し、ディーゼルエンジン70の出力によって高負荷作業部としての走行クローラ2や脱穀装置5又は低負荷作業部としての穀粒排出オーガ8のいずれか一方又は両方を駆動するように構成してなる農作業車両において、穀粒排出オーガ8を作動させるときには、走行クローラ2や脱穀装置5を作動させるコモンレール120のプレ噴射制御が中止されるように構成している。したがって、コモンレール120のプレ噴射の有無によってディーゼルエンジン70の出力を制限し、ディーゼルエンジン70の高出力によって穀粒排出オーガ8が作動するのを阻止できる。ディーゼルエンジン70の燃費を向上できるものでありながら、エンスト等のエンジントラブルを簡単に防止できる。また、高負荷出力の走行クローラ2や脱穀装置5を作動させるディーゼルエンジン70の高出力によって、低負荷出力の穀粒排出オーガ8が作動するのを阻止できる。穀粒排出オーガ8が過負荷によって損傷するのを防止できる。穀粒排出オーガ8の伝動構造を、穀粒排出オーガ8の負荷に耐える剛性で低コストに構成でき、穀粒排出オーガ8の伝動構造の製造コストを簡単に低減できる。
図12及び図13に示す如く、コモンレール120のプレ噴射制御ありの通常モード、又はコモンレール120のプレ噴射制御なしの燃費モードに、コモンレール120の燃料噴射制御モードを切換える選択スイッチ337を設けている。したがって、オペレータが選択スイッチ337を操作して、高負荷作業又は低負荷作業に、コモンレール120の制御を簡単に適応させることができる。例えば、前記通常モードの選択によってディーゼルエンジン70の騒音を低減できる。前記燃費モードの選択によってディーゼルエンジン70の燃費を向上できる。作業負荷に適応させてディーゼルエンジン70を作動できるから、穀粒排出オーガ8の作動状況、又は走行クローラ2や脱穀装置5の作動状況に適応したコモンレール120の燃料噴射制御を簡単に実行できる。複数作業の同時進行又は作業の追加や変更等の運転操作性を向上できる。例えば、コンバインの穀粒タンク7からトラック荷台等に穀粒を排出しながら、トラックに沿わせてコンバインを移動させて、トラック荷台等に穀粒を均一に排出できる。
図12及び図13に示す如く、農作業条件の変更操作によって、コモンレール120のプレ噴射制御ありの通常モード、又は前記コモンレールのプレ噴射制御なしの燃費モードに、コモンレール120の燃料噴射制御モードを切換可能に構成している。したがって、農作業条件が変更されても、その農作業条件に追従して、コモンレール120の制御における作業負荷の基準値が変更され、農作業内容に適応したコモンレール120の制御を簡単に実行できる。ディーゼルエンジン70の騒音を低減でき、且つディーゼルエンジン70の燃費を向上できる。例えば、穀粒排出オーガ8の作動に必要なディーゼルエンジン70の最高出力、又は走行クローラ2や脱穀装置5の作動に必要なディーゼルエンジン70の最高出力を簡単に設定できる。過負運転荷等によるエンジントラブルを防止できる。
図1、図12及び図13に示す如く、穀稈を脱穀する脱穀装置5を備える構造であって、ディーゼルエンジン70によって駆動する脱穀装置5の速度を略一定に維持するように、コモンレール120の燃料噴射制御を実行可能に構成している。したがって、走行負荷の変動等に関係なく脱穀性能を維持できる。過負運転荷等による脱穀駆動トラブルを防止できる。例えば、走行負荷の変動が大きい湿田での収穫作業であっても、脱穀装置5に設ける扱胴226での穀稈詰りを低減できる。また、脱穀装置5に設ける選別機構(揺動選別盤227)の選別損失を低減できる。
2 走行クローラ(高負荷出力の作業部、走行部)
5 脱穀装置(高負荷出力の作業部)
8 穀粒排出オーガ(低負荷出力の作業部)
70ディーゼルエンジン
120コモンレール
337モード選択スイッチ

Claims (4)

  1. コモンレール付きエンジンを搭載し、前記エンジンの出力によって高負荷作業部又は低負荷作業部のいずれか一方又は両方を駆動するように構成してなる農作業車両において、
    前記低負荷作業部を作動させるときには、前記高負荷作業部を作動させる前記コモンレールのプレ噴射制御が中止されるように構成したことを特徴とする農作業車両。
  2. 前記コモンレールのプレ噴射制御ありの通常モード、又は前記コモンレールのプレ噴射制御なしの燃費モードに、前記コモンレールの燃料噴射制御モードを切換える選択スイッチを設けたことを特徴とする請求項1に記載の農作業車両。
  3. 農作業条件の変更操作によって、前記コモンレールのプレ噴射制御ありの通常モード、又は前記コモンレールのプレ噴射制御なしの燃費モードに、前記コモンレールの燃料噴射制御モードを切換可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の農作業車両。
  4. 穀稈を脱穀する脱穀装置を備える構造であって、前記エンジンによって駆動する脱穀装置の速度を略一定に維持するように、前記コモンレールの燃料噴射制御を実行可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の農作業車両。
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