JP2010209584A - 水力発電制御方法 - Google Patents

水力発電制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010209584A
JP2010209584A JP2009056668A JP2009056668A JP2010209584A JP 2010209584 A JP2010209584 A JP 2010209584A JP 2009056668 A JP2009056668 A JP 2009056668A JP 2009056668 A JP2009056668 A JP 2009056668A JP 2010209584 A JP2010209584 A JP 2010209584A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
dam
turbidity
power generation
river
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009056668A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5442280B2 (ja
Inventor
Shohei Izumiya
昌平 泉谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2009056668A priority Critical patent/JP5442280B2/ja
Publication of JP2010209584A publication Critical patent/JP2010209584A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5442280B2 publication Critical patent/JP5442280B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

Landscapes

  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

【課題】 発電設備から河川に濁水を流すことの影響を確認しながら、支障のない範囲で効率的な運転を実施できる水力発電制御方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る水力発電制御方法は、ダム1の貯水の濁度が増加するのに伴い、ダム1の貯水からの取水抑制を行い、濁度がさらに所定の設定値を超えた場合に、ダム1の貯水からの取水停止及び/又は発電機の停止を行う。あるいは、ダム1の貯水の濁度と該ダム1の貯水と同一水系の河川の濁度との差が所定の設定値を超えた場合に、ダム1の貯水からの取水停止及び/又は発電機の停止を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ダムの貯水から取水して発電を行う水力発電システムにおける水力発電制御方法に関するものである。
従来より、ダムの貯水から取水して発電を行う水力発電システムにおいて、貯水中の水中浮遊物質の濃度が上昇して貯水の濁度が大きくなった場合、濁水を下流の河川に流さないことや発電設備における水車等の磨耗を防ぐことを目的として、取水を停止することがある。特に、濁水を下流の河川に流してしまうと、漁業者や水道水・灌漑用水等の摂取に関わる者に影響を与えることがあるので、十分に配慮する必要がある。
貯水中の水中浮遊物質の濃度が上昇して貯水の濁度が大きくなる原因として、貯水の水位が下がり、底に堆積した土砂が貯水の流動性による影響を受けやすくなってしまうことや、藻等の水中植物が繁殖してしまうこと等がある。また、豪雨により多量の濁水が発生した場合にも、貯水の濁度が大きくなってしまうことになる。
上記のような状況の際に、発電設備から濁水を流してしまわないように、貯水中の水中浮遊物質を計測し、計測した濃度や粒径に基づいて取水を停止する水力発電方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−213659号公報
しかしながら、貯水の濁度があまり大きくはない場合、取水を完全に停止せずとも、取水量を抑制した状態で発電を継続できるときがある。このような場合にも、取水を停止して発電機を停めていたのでは、必要な発電量を確保することができなくなるという問題が生じ得る。また、豪雨により貯水の濁度が増加した場合には、同一水系の河川においても濁度が大きくなっていることが多く、濁水を河川に流しても問題はないから、必ずしも取水を停止して発電機を停める必要はない。即ち、貯水の濁度が増加した場合に、常に取水を停止して発電機を停めていたのでは効率的な運転ができないという問題点があった。
そこで、本発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、発電設備から濁水を河川に流すことの影響を確認しながら、支障のない範囲で効率的な運転を実施できる水力発電制御方法を提供することを課題とする。
本発明に係る水力発電制御方法は、上記課題を解決するためになされたものであり、ダムの貯水中の水中浮遊物質の濃度に基づいてダムの貯水の濁度を算出する算出手段と、該算出手段により算出されたダムの貯水の濁度に基づいてダムの貯水からの取水及び発電機の運転を制御するか否かを判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいてダムの貯水からの取水及び発電機の運転を制御する制御手段とを備える水力発電システムであって、ダムの貯水の濁度が増加するのに伴い、ダムの貯水からの取水抑制を行い、濁度がさらに所定の設定値を超えた場合に、ダムの貯水からの取水停止及び/又は発電機の停止を行うことを特徴とするものである。
上記構成の水力発電制御方法によれば、算出されたダムの貯水の濁度に基づいた最適な処理が行われる。即ち、濁度の増加が許容量以内である場合には、通常の取水及び発電機の運転が行われ、濁度があるレベルを超えるとダムの貯水からの取水抑制を行う。この間、電力量は抑えられるが、発電は継続される。また、濁度が次のレベルを超えると、ダムの貯水からの取水停止及び/又は発電機の停止を行うようにする。
また、本発明に係る別の水力発電制御方法は、ダムの貯水中の水中浮遊物質の濃度に基づいてダムの貯水の濁度を算出すると共に、ダムの貯水と同一水系の河川の水中浮遊物質の濃度に基づいて該河川の濁度を算出する算出手段と、該算出手段により算出されたダムの貯水の濁度及び該ダムの貯水と同一水系の河川の濁度に基づいてダムの貯水からの取水及び発電機の運転を制御するか否かを判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいてダムの貯水からの取水及び発電機の運転を制御する制御手段とを備える水力発電システムであって、ダムの貯水の濁度と該ダムの貯水と同一水系の河川の濁度との差が所定の設定値を超えた場合に、ダムの貯水からの取水停止及び/又は発電機の停止を行うことを特徴とする。
上記構成の水力発電制御方法によれば、算出されたダムの貯水の濁度及び該ダムの貯水と同一水系の河川の濁度に基づいた最適な処理が行われる。即ち、両濁度の差が許容量以内である場合には、通常の取水及び発電機の運転が行われ、両濁度の差があるレベルを超えると、ダムの貯水からの取水停止及び/又は発電機の停止を行うようにする。
以上のように、本発明に係る水力発電制御方法によれば、発電設備から濁水を河川に流すことの影響を確認しながら、支障のない範囲で効率的な運転を実施できるという優れた効果を奏し得る。
本発明の一実施形態に係る水力発電システムの全体を示す図である。 同実施形態において、実施例1の制御の流れを示すフローチャートである。 同実施形態において、実施例2の制御の流れを示すフローチャートである。 同実施形態において、実施例3の制御の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る水力発電制御方法の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、ダムの貯水から取水して発電を行う水力発電システムの全体を示す図である。
ダム1の取水口2のゲート3から取り込まれた取水は、大きな落差(数十m程度)のある水路4を流れ、発電機5に導入される。この導入された取水が、発電機5の水車を駆動して発電する。発電に使用された取水は、放水口6から河川に戻される。この戻される場所に対する同一水系の上流域を上流河川7、下流域を下流河川8と称する。なお、ゲート3は開閉が可能となっており、ダム1の貯水からの通常の取水、取水抑制、取水停止等の状態を設定するものである。
ダム1の取水口2付近には、ダム1の貯水中の水中浮遊物質の濃度を検知する検知器9が設置されている。水中浮遊物質とは、水中を漂う固体の物質(土砂等)である。検知器9は、計測する水を取り込む採水部と水中浮遊物質の濃度を計測する計測部とから構成されている。計測結果(検知された濃度)は、電気通信回線等を介して判定手段へ送られる。
また、実施例によっては、上流河川7に検知器11を、又は下流河川8に検知器12を設置する場合がある。また、前記ゲート3と発電機5との間の水路4にも、同様の検知器13を設置する場合がある。検知器11〜13による計測結果(検知された濃度)も、電気通信回線等を介して判定手段へ送られるようになっている。
判定手段は、前記検知された濃度のデータが所定の時間間隔で送られ、検知器が設置されている各場所における水の濁度を算出する算出手段を備える。この判定手段は、ダム1の貯水の濁度と設定値との比較や、各場所間の濁度の差と設定値との比較を行い、制御手段14が制御対象に指令を行う基となる判定を行う。制御手段14は、ゲート3を開閉させる指令や発電機5を運転・停止させる指令を行う他、ダム1の濁度が設定値以上になった場合に警報を発生させる指令等を行う。
本実施形態に係る水力発電システムは以上の構成からなる。次に、本実施形態に係る水力発電制御方法について説明する。
[実施例1]
本実施形態に係る実施例1について、図に基づいて説明する。本実施例では、図1で示す検知器9を使用する。図2は、ダム1の貯水の濁度を判定対象とする発電制御を行う方法を示すフローチャートである。
制御フローとして、まず、ダム1の貯水から取水して発電機5を運転させる処理が行われる(ステップS101)。初期においては、ダム1の貯水の濁度は十分小さく、通常の取水と発電機5の運転が行われているとする。
次に、検知器9によりダム1の貯水の濃度が検知され(ステップS102)、計測結果が判定手段に送られる。前述のように、計測結果のデータは所定の時間間隔で送られるということで、適宜のタイミングでダム1の貯水の濁度が算出される(ステップS103)。この濁度に対する比較値としては、A1〜A4(A1<A2<A3<A4)が用いられる。
まず、判定手段は濁度がA1より大きいか否かを比較し(ステップS104)、A1以下であれば問題のないレベルであると判断し、警報を発生させる指令は行われず、通常の取水が行われる。この場合、現時点で警報を発生させているか否かを確認し(ステップS105)、警報を発生させていれば、警報解除指令を行う(ステップS106)。また、現時点で通常の取水をしているか否かを確認し(ステップS107)、通常の取水をしていなければ、通常取水指令を行う(ステップS108)。
一方、ダム1の貯水の濁度がA1より大きければ、現時点で警報を発生させているか否かを確認し(ステップS109)、警報を発生させていなければ、制御手段14は警報を発生させる指令を行う(ステップS110)。そして、この警報は発電設備の関係者に伝達され、濁水の発生に関する注意が喚起される。
次に、判定手段はダム1の貯水の濁度がA2より大きいか否かを比較し(ステップS111)、A2以下であれば通常の取水が行われる。この場合、現時点で通常の取水をしているか否かを確認し(ステップS112)、通常の取水をしていなければ、通常取水指令を行う(ステップS113)。
一方、ダム1の貯水の濁度がA2より大きければ、現時点で取水を抑制しているか否かを確認し(ステップS114)、取水を抑制していなければ、制御手段14は取水抑制指令を行う(ステップS115)。即ち、ゲート3が絞られ、ダム1の貯水からの取水が抑制される。この濁度がA2より大きいということは、通常の取水を継続すると下流河川8に影響を与えるレベルであることを示している。したがって、この場合、取水量に応じて電力量を抑えた発電が実施される。
取水を完全に停止させるか否かについては、ダム1の貯水の濁度がA3より大きいか否かで判断される(ステップS116)。即ち、ダム1の貯水の濁度がA3より大きければ、制御手段14は、取水停止中でないことを確認して(ステップS117)、ゲート3をさらに絞り、ダム1の貯水からの取水を完全に停止させる(ステップS118)。この濁度がA3より大きいということは、取水を抑制しても下流河川8に影響を与えるレベルであることを示している。したがって、この場合、水路4に残っている取水の量に応じた発電が実施された後に発電機5は停止する。
さらに、判定手段はダム1の貯水の濁度がA4より大きいか否かを比較し(ステップS119)、該当すれば、制御手段14は発電機5の運転を停止させる(ステップS120)。この濁度がA4より大きいということは、水路4に残っている取水が発電後に放出されるだけでも下流河川8に影響を与えてしまうレベルであり、即座に発電機5の運転を停止させる必要があることを示している。なお、発電機5の運転が停止すると放水口6から濁水が放出されることはなくなり、本実施例ではこの状態はロックされ、一連の制御フローは終了に至る。
一方、ダム1の貯水の濁度がA4以下であれば、制御フローはダム1の貯水の濃度検知(ステップS102)に戻り、以降、同様に判定・制御が行われる。ここで、例えば、一時的にダム1の貯水の濁度がA3より大きくなり取水が停止されていても、その後にダム1の状態が回復して濁度が小さくなった場合、通常の取水が行われるようになる(濁度がA2以下になった場合)。また、さらにダム1の状態が回復し、濁度がA1以下になった場合、通常の取水が行われることに加えて警報も解除されるようになる(ステップS106)。
以上のように、本実施例に係る水力発電制御方法によれば、ダム1の貯水の濁度に応じて、各処理を行うようにするので、発電設備から許容量以上の濁水を流してしまうことがなく、且つ電力量を抑えつつも可能な限り発電を続けるという効率的な運転を実施することができる。
[実施例2]
本実施形態に係る実施例2について、図に基づいて説明する。本実施例では、図1で示す検知器9と検知器11とを使用する。図3は、ダム1の貯水の濁度に加えて、ダム1の貯水の濁度と該ダム1の貯水と同一水系の河川の濁度との差を判定対象として発電制御を行う方法を示すフローチャートである。
制御フローとして、まず、ダム1の貯水から取水して発電機5を運転させる処理が行われる(ステップS201)。初期においては、ダム1の貯水の濁度は十分小さく、通常の取水と発電機5の運転が行われているとする。
次に、検知器9によるダム1の貯水の濃度検知及び検知器11による上流河川7の濃度検知が行われ(ステップS202)、計測結果が判定手段に送られる。前述のように、検知された濃度のデータが所定の時間間隔で送られるということで、適宜のタイミングで各濁度が算出される(ステップS203)。
ダム1の貯水の濁度に対する比較値としては、前述のA1が用いられる。まず、判定手段はダム1の貯水の濁度がA1より大きいか否かを比較し(ステップS204)、A1以下であれば問題のないレベルであると判断し、警報を発生させる指令は行われない。この場合、現時点で警報を発生させているか否かを確認し(ステップS205)、警報を発生させていれば、警報解除指令を行う(ステップS206)。
一方、ダム1の貯水の濁度がA1より大きければ、現時点で警報を発生させているか否かを確認し(ステップS207)、警報を発生させていなければ、制御手段14は警報を発生させる指令を行う(ステップS208)。そして、この警報は、前述のように発電設備の関係者に伝達され、濁水の発生に関する注意が喚起される。
次に、判定手段はダム1の貯水の濁度と河川の濁度との差が設定値Bより大きいか否かを比較する(ステップS209)。例えば、豪雨によりダム1の貯水の濁度が大きくなってしまった場合には、同一水系の河川においても濁度が大きくなっていることが多い。この場合には、発電設備からの濁水による河川への影響は小さいので、発電を継続することができる。本実施例では、ダム1の貯水の濁度と河川の濁度との差がB以下であれば通常の取水と発電機5の運転を継続する。
一方、ダム1の貯水の濁度と河川の濁度との差が設定値Bより大きくなると、制御手段14は、ゲート3を絞り、ダム1の貯水からの取水を停止させると共に発電機5を停止させる(ステップS210)。この差が設定値Bより大きいということは、発電を継続すると下流河川8に影響を与えるレベルであることを示している。なお、発電機5の運転が停止すると放水口6から濁水が放出されることはなくなり、本実施例ではこの状態はロックされ、一連の制御フローは終了に至る。
以上のように、本実施例に係る水力発電制御方法によれば、ダム1の貯水の濁度に加えて、ダム1の貯水の濁度と該ダム1の貯水と同一水系の河川の濁度との差を判定対象として、各処理を行うようにするので、下流河川8に影響を与えることがなく、且つ可能な限り発電を継続できる効率的な運転を実施することができる。
なお、本実施例では、同一水系の河川の濁度判定用として検知器11を使用するとしたが、検知器12を使用するようにしてもよい。この場合には、ダム1の貯水が流された下流河川8の濁度を基に判定することができる。
[実施例3]
本実施形態に係る実施例3について、図に基づいて説明する。本実施例では、図1で示す検知器9と検知器11と検知器13とを使用する。図4は、ダム1の貯水の濁度に加えて、ダム1の貯水の濁度と該ダム1の貯水と同一水系の河川の濁度との差、及び、水路4を流れる取水の濁度とダム1の貯水と同一水系の河川の濁度との差を判定対象として発電制御を行う方法を示すフローチャートである。
制御フローとして、まず、ダム1から取水して発電機5を運転させる処理が行われる(ステップS301)。初期においては、ダム1の貯水の濁度は十分小さく、通常の取水と発電機5の運転が行われているとする。
次に、検知器9によるダム1の貯水の濃度検知、検知器11による上流河川7の濃度検知及び検知器13による水路4を流れる取水の濃度検知が行われ(ステップS302)、計測結果が判定手段に送られる。前述のように、検知された濃度のデータが所定の時間間隔で送られるということで、適宜のタイミングで各濁度が算出される(ステップS303)。
ダム1の貯水の濁度に対する比較値としては、前述のA1が用いられる。まず、判定手段はダム1の貯水の濁度がA1より大きいか否かを比較し(ステップS304)、A1以下であれば問題のないレベルであると判断し、警報を発生させる指令は行われない。この場合、現時点で警報を発生させているか否かを確認し(ステップS305)、警報を発生させていれば、警報解除指令を行う(ステップS306)。また、現時点で通常の取水をしているか否かを確認し(ステップS307)、通常の取水をしていなければ、通常取水指令を行う(ステップS308)。
一方、ダム1の貯水の濁度がA1より大きければ、現時点で警報を発生させているか否かを確認し(ステップS309)、警報を発生させていなければ、制御手段14は警報を発生させる指令を行う(ステップS310)。そして、この警報は、前述のように発電設備の関係者に伝達され、濁水の発生に関する注意が喚起される。
次に、判定手段はダム1の貯水の濁度と河川の濁度との差が設定値Bより大きいか否か比較する(ステップS311)。前述のように、豪雨によりダム1の貯水の濁度が大きくなってしまった場合には、同一水系の河川においても濁度が大きくなっていることが多い。この場合には、発電設備からの濁水による河川への影響は小さいので、発電を継続することができる。本実施例では、ダム1の貯水の濁度と河川の濁度との差がB以下であれば通常の取水と発電機5の運転を継続する。この際、現時点で通常の取水をしているか否かを確認し(ステップS312)、通常の取水をしていなければ、通常取水指令を行う(ステップS313)。
一方、ダム1の貯水の濁度と河川の濁度との差が設定値Bより大きければ、現時点で取水を停止しているか否かを確認し(ステップS314)、取水を停止していなければ、制御手段14は取水を停止させる(ステップS315)。即ち、ゲート3が絞られ、ダム1の貯水からの取水が停止される。ダム1の貯水の濁度と河川の濁度との差が設定値Bより大きいということは、発電を継続すると下流河川8に影響を与えるレベルであることを示している。したがって、この場合、水路4に残っている取水の量に応じた発電が実施された後に発電機5は停止する。
さらに、判定手段は水路4を流れる取水の濁度と河川の濁度との差が設定値Cより大きいか否かを比較し(ステップS316)、該当すれば、制御手段14は発電機5の運転を停止させる(ステップS317)。この差が設定値Cより大きいということは、水路4に残っている取水が発電後に放出されるだけでも下流河川8に影響を与えてしまうレベルであり、即座に発電機5の運転を停止させる必要があることを示している。なお、前述のように発電機5の運転が停止すると放水口6から濁水が放出されることはなくなり、本実施例ではこの状態はロックされ、一連の制御フローは終了に至る。
一方、水路4を流れる取水の濁度と河川の濁度との差が設定値C以下であれば、制御フローは濃度検知(ステップS302)に戻り、以降、同様に判定・制御が行われる。ここで、例えば、一時的に取水が停止されていても、その後にダム1の状態が回復し濁度が小さくなった場合、通常の取水が行われるようになる(ダム1の貯水の濁度と河川の濁度との差が設定値B以下になった場合)。また、さらにダム1の状態が回復し、ダム1の貯水の濁度がA1以下になった場合、通常の取水が行われることに加えて警報も解除されるようになる(ステップS306)。
以上のように、本実施例に係る水力発電制御方法によれば、ダム1の貯水の濁度に加えて、ダム1の貯水の濁度と該ダム1の貯水と同一水系の河川の濁度との差を判定対象として、各処理を行うようにするので、下流河川8に影響を与えることがなく、且つ可能な限り発電を継続できる効率的な運転を実施することができる。また、水路4を流れる取水の濁度とダム1の貯水と同一水系の河川の濁度との差を判定対象として含めているので、下流河川8に影響を与えるレベルであるか否かを正確に判定することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
判定対象と処理の組合せとして、例えば、上記実施形態における実施例2、実施例3についても、ダム1の貯水の濁度を、警報指令を行う以外に、取水抑制や取水停止を行うための判定対象としてもよい。また、ダム1の貯水の濁度と該ダム1の貯水と同一水系の河川の濁度との差を、取水抑制を行うための判定対象としてもよい。
また、実施例2、実施例3において、ダム1の貯水からの取水停止(上記の如く、取水抑制がある場合もある)や発電機1の停止の判定対象として、ダムの貯水の濁度と該ダムの貯水と同一水系の河川の濁度、及び、ダムから発電機までの水路を流される取水の濁度とダムの貯水と同一水系の河川の濁度の両方を使うようにしてもよい。
また、上記実施形態における何れの実施例でも、ダム1の貯水の濁度を、警報を指令するための判定対象としていたが、ダム1の貯水の濁度と該ダム1の貯水と同一水系の河川の濁度との差を、警報を指令するための判定対象としてもよい。
また、上記実施形態における何れの実施例でも、発電機5の運転が停止すると状態がロックされるようになっていたが、再度繰り返してダム1の濃度等の検知を行い、以降、同様の判定・制御を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、適宜のタイミングで濁度を算出していたが、特定の濃度以上となる頻度に基づき、濁度を算出するようにしてもよい。
1…ダム、2…取水口、3…ゲート、4…水路、5…発電機、6…放水口、7…上流河川、8…下流河川、9…検知器、10…判定手段、11〜13…検知器、14…制御手段

Claims (3)

  1. ダムの貯水中の水中浮遊物質の濃度に基づいてダムの貯水の濁度を算出する算出手段と、該算出手段により算出されたダムの貯水の濁度に基づいてダムの貯水からの取水及び発電機の運転を制御するか否かを判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいてダムの貯水からの取水及び発電機の運転を制御する制御手段とを備える水力発電システムであって、ダムの貯水の濁度が増加するのに伴い、ダムの貯水からの取水抑制を行い、濁度がさらに所定の設定値を超えた場合に、ダムの貯水からの取水停止及び/又は発電機の停止を行うことを特徴とする水力発電制御方法。
  2. ダムの貯水中の水中浮遊物質の濃度に基づいてダムの貯水の濁度を算出すると共に、ダムの貯水と同一水系の河川の水中浮遊物質の濃度に基づいて該河川の濁度を算出する算出手段と、該算出手段により算出されたダムの貯水の濁度及び該ダムの貯水と同一水系の河川の濁度に基づいてダムの貯水からの取水及び発電機の運転を制御するか否かを判定する判定手段と、該判定手段による判定結果に基づいてダムの貯水からの取水及び発電機の運転を制御する制御手段とを備える水力発電システムであって、ダムの貯水の濁度と該ダムの貯水と同一水系の河川の濁度との差が所定の設定値を超えた場合に、ダムの貯水からの取水停止及び/又は発電機の停止を行うことを特徴とする水力発電制御方法。
  3. 前記判定対象とする濁度に、ダムから発電機までの水路を流される取水の濁度とダムの貯水と同一水系の河川の濁度との差を含めることを特徴とする請求項2に記載の水力発電制御方法。
JP2009056668A 2009-03-10 2009-03-10 水力発電制御方法 Expired - Fee Related JP5442280B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009056668A JP5442280B2 (ja) 2009-03-10 2009-03-10 水力発電制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009056668A JP5442280B2 (ja) 2009-03-10 2009-03-10 水力発電制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010209584A true JP2010209584A (ja) 2010-09-24
JP5442280B2 JP5442280B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=42970022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009056668A Expired - Fee Related JP5442280B2 (ja) 2009-03-10 2009-03-10 水力発電制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5442280B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6070210A (ja) * 1983-09-28 1985-04-22 Fujitsu Ltd 表面取水ゲート制御装置
JP2004232432A (ja) * 2003-02-03 2004-08-19 Chubu Electric Power Co Inc 水中浮遊物質検出装置及び水中浮遊物質検出方法並びに取水口の制御方法
JP2006037354A (ja) * 2004-07-22 2006-02-09 Hokuriku Electric Power Co Inc:The 流込み式水力発電所の取水制御方法と取水制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6070210A (ja) * 1983-09-28 1985-04-22 Fujitsu Ltd 表面取水ゲート制御装置
JP2004232432A (ja) * 2003-02-03 2004-08-19 Chubu Electric Power Co Inc 水中浮遊物質検出装置及び水中浮遊物質検出方法並びに取水口の制御方法
JP2006037354A (ja) * 2004-07-22 2006-02-09 Hokuriku Electric Power Co Inc:The 流込み式水力発電所の取水制御方法と取水制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5442280B2 (ja) 2014-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105888041B (zh) 一种截流井排水控制方法
Xue et al. Development of integrated catchment and water quality model for urban rivers
EP3408462A1 (en) Method for controlling a vacuum sewage system for a building or for a marine vessel
JP4488970B2 (ja) 合流式下水設備の運転管理システム
JP4339199B2 (ja) 流込み式水力発電所の取水制御方法と取水制御装置
JP5442280B2 (ja) 水力発電制御方法
JP2020109233A (ja) 越流量調整装置および越流量調整方法
JP2007146423A (ja) 雨水貯留施設運用システム
JP2007120362A (ja) 発電電力予測装置
JP4739293B2 (ja) 雨水ポンプの制御装置
JP6763745B2 (ja) 水力発電システム、水力発電方法及び水力発電プログラム
CN113063910B (zh) 一种跌水井在线监测预警系统
CN112483903B (zh) 一种管网入流检测方法、装置及系统
CN209280195U (zh) 一种用于污水管网节点的水压监测系统
JP2005248484A (ja) 雨水・下水処理水の送排水システム
CN107774018A (zh) 旋流沉砂池排砂方法及排砂系统
JP2008057392A (ja) 水力発電機の運転管理システム及びその運転管理方法
JP4741971B2 (ja) 取水制御装置
JP2009168464A (ja) 汚染監視システム及び方法
CN104266536A (zh) 一种空冷塔液位控制方法及装置
JP2013151891A (ja) 流れ込み式発電制御システム
CN110176318B (zh) 百万千瓦级核电站冷却水源异常应急处理系统及方法
JP7273275B2 (ja) 取水制御システム
JP7493896B2 (ja) 油分検出システム
JP2012172320A (ja) 流入排水制御装置、流入排水制御方法および流入排水制御プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130726

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20130809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5442280

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees