JP2010208692A - 容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮力(あるいはトルク)の付加により容積が減少した状態を、圧縮力(あるいはトルク)の除荷後においても確実に維持することのできる容器を提供する。
【解決手段】容器1の胴部3には、内容物が内在しない状態において、径方向内側に凹む凹部9が形成されている。凹部9は、容器1に軸方向の圧縮力が加えられることで、径方向内側に突出する山折り形状になるとともに、山折りの付根9bをヒンジとして軸方向一端側に折り返される。そして、山折り形状部9が折り返された後では、山折り形状部9は、付根9b近傍の胴部3の壁によって内向きに押さえられることにより、軸方向他端側に反転する復元が抑え込まれる。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸方向の圧縮力(あるいはトルク)が加えられることで容積が減少するとともに、容積が減少した状態を圧縮力(あるいはトルク)の除荷後においても確実に維持することのできる容器に関する。
従来より、飲料や食料の容器としてペットボトルなどの合成樹脂製容器やアルミ缶などの筒状容器が使用されている。
この筒状容器が、そのままの形状で回収ボックスなどに廃棄された場合には、回収ボックスがすぐに一杯になってあふれてしまうとともに、運搬の際の回収効率の悪化を招く。
このため、人力にて容積を減少させることが可能な筒状容器が開発されている。例えば特許文献1には、胴部に座屈パターン事前体が設けられた円筒状容器が開示されている。この円筒状容器では、円筒状容器の両端部を把持して捩ることで、前記座屈パターン事前体が座屈パターンに変化した結果、円筒状容器が軸方向に潰されて、容積を減少させることができるようになっている。
特開2008−100724号公報
ところで、筒状容器が完全な塑性材料によって構成されていない場合には、圧縮力を除荷すると、復元力によって筒状容器は弾性的に圧縮前の初期状態に近い状態まで回復してしまう。これを回避する技術については、特許文献1には開示されていない。このため、特許文献1の容器は、該容器に加えていた圧縮力(あるいはトルク)を除荷した結果、復元が生じて容積が拡大する虞れがある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、圧縮力(あるいはトルク)の付加により容積が減少した状態を、圧縮力(あるいはトルク)の除荷後においても確実に維持することのできる容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる容器は、筒状の胴部を備えた容器であって、前記胴部には、内容物が内在しない状態において、径方向内側に凹む凹部が形成され、前記凹部は、前記容器に軸方向の圧縮力が加えられることで、径方向内側に突出する山折り形状になるとともに、前記山折りの付根をヒンジとして軸方向一端側に折り返され、前記山折り形状部が折り返された後では、前記山折り形状部は、付根近傍の胴部の壁によって内向きに押さえられるため、軸方向他端側に反転する復元が抑え込まれることを特徴とする。
好ましくは、前記凹部は、前記胴部の全周に延びることを特徴とする。
好ましくは、前記凹部は、前記容器の軸方向に複数設けられることを特徴とする。
好ましくは、前記山折り形状部が折り返される過程において、相対する前記山折り形状部の頂部の間には隙間が存在することを特徴とする。
好ましくは、前記胴部には、該胴部に軸回りの捩りが加えられることで、座屈パターンに変化する座屈パターン事前体が設けられ、前記凹部は、前記座屈パターンによって構成されることを特徴とする。
好ましくは、前記座屈パターン事前体は、谷線と、峰線と、谷線および峰線の一方および他方の間にそれぞれ形成された凸面および凹面とを、容器の全周または一部に有することを特徴とする。
好ましくは、前記胴部への捩りの付加時において、前記胴部に生じる変形パターンが、弾性限界の荷重が最小となる変形パターンに比して、径方向変位の進行に伴う付加荷重の低下度合いが大きくなるように、前記谷線及び峰線の数や傾斜角度は設定されることを特徴とする。
好ましくは、前記座屈パターン事前体の谷線及び峰線は、前記胴部の周方向の一方側に凸となるように屈曲することを特徴とする。
好ましくは、前記谷線及び峰線の屈曲点は、前記胴部の同一の高さ位置に設けられることを特徴とする。
好ましくは、前記座屈パターン事前体は、胴部の中央に形成される凹凸面部と、当該凹凸面部の軸方向一端側に隣接して形成される平坦面部とから構成され、前記凹凸面部は、谷線と、峰線と、谷線および峰線の一方および他方の間にそれぞれ形成された凸面および凹面とを、容器の全周または一部に有し、前記平坦面部は、前記凹部との境界を軸方向他端側の縁とし、該軸方向他端側の縁から軸方向一端側に所定距離ほど離隔する前記胴部の高さ位置を軸方向一端側の縁とするものであって、前記軸方向他端側の縁と前記軸方向一端側の縁との間に挟まれる範囲の略全体が平坦に形成され、前記胴部に軸回りの捩りが加えられて、前記座屈パターン事前体が前記座屈パターンに変化することによって、前記凹凸面部と前記平坦面部とを合わせた範囲が径方向内側に凹んだ凹部が形成され、前記容器に軸方向の圧縮力が加えられることで、前記凹部は、前記平坦面部における軸方向一端側の縁が山折りの付根となる山折り形状になるとともに、前記軸方向一端側の縁をヒンジとして軸方向一端側に折り返され、前記山折り形状部が形成された後では、前記山折り形状部は、前記平坦面部における軸方向一端側の縁近傍における前記胴部の壁によって内向きに押さえられることで、軸方向他端側に反転する復元が抑え込まれることを特徴とする。
好ましくは、前記平坦面部における軸方向一端側の縁には、前記胴部の径方向内側に凹む溝が形成されることを特徴とする。
好ましくは、前記溝は、前記座屈パターン事前体の谷線又は峰線の延長線上に沿って設けられることを特徴とする。
好ましくは、前記溝は、前記胴部の周方向に間隔をあけて複数形成されることを特徴とする。
好ましくは、前記胴部の材料は、プラスチック樹脂、アルミニウム、スチール、又は紙によって構成されることを特徴とする。
本発明の容器は、軸方向の圧縮力が加えられることで、胴部に設けられた凹部が、径方向内側に突出する山折り形状になって、軸方向一端側に折り返される機能を有する。これにより、容器は、その容積が減少する。そして、山折り形状部が折り返された後では、山折り形状部は、付根近傍の胴部の壁によって内向きに押さえられるため、軸方向他端側に反転する復元が抑え込まれる。これにより、圧縮力の除荷後においても、容器は、容積が減少した状態が確実に維持される。
本発明の実施の形態1における容器の概略図である。 実施の形態1における容器の減容化手順を示す概略図である。 略楕円状の横断面を有するシェル構造を示す概略図である。 図3に示すシェル構造が外力の付加により変形していく状態を示す概略図である。 図3に示すシェル構造が外力の付加により変形していく状態を示す概略図である。 図3に示すシェル構造に加えられる外力と、シェル構造に生じる変位量との関係を示す図である。 略菱形の横断面を有するフレーム構造を示す概略図である。 中空のボールを示す写真である。 本発明の実施の形態2における容器を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態3における容器を示す概略図である。 実施の形態3における容器の減容化手順を示す概略図である。 本発明の実施の形態4における容器を示す概略図である。 実施の形態4における容器の減容化手順を示す概略図である。 実施の形態4における容器の供試体が潰されていく過程を示す写真である。 図13(b)から(c)に移行する過程における容器の内部の状態を示す斜視図である。 円筒体の軸圧縮力xと軸方向変位zとの関係を示す図である。 円筒体に与える軸方向回りの捩り力と、円筒体の径方向の変位との関係を示す図である。 円筒体に加える捩りトルクと、円筒体の径方向の変位との関係を示す図である。 本発明の実施の形態5における容器を示す概略図である。 実施の形態5における容器の減容化手順を示す概略図である。 実施の形態5における容器の減容化手順を示す概略図である。 本発明の実施の形態6における容器を示す概略図である。 実施の形態6における容器の減容化手順を示す概略図である。 実施の形態6における容器の減容化手順を示す概略図である。 図24の(c)から(d)に移行する過程における容器の内部の状態を示す斜視図である。 胴部における平坦面部の縁近傍を拡大して示す概略斜視図である。 胴部における平坦面部の縁近傍を拡大して示す概略斜視図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態1における容器1の概略図である。
容器1は、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料によりブロー成形にて成形されたプラスチック容器であって、断面円形の筒状を呈する胴部3と、胴部3よりも小径の筒状を呈し、胴部3の一端に連なる口部5とを備えている。この容器1では、口部5の先端に形成された開口7から胴部3内に飲料(内容物)を流入させたり、胴部3内の飲料を流出させることができるようになっている。
胴部3には、飲料が内在しない状態において、径方向内側に凹む凹部9が、全周にわたって形成されている。胴部3は、飲料が内在する状態では、飲料の内圧によって凹部9の存在しない外郭(破線A)を有しており、凹部9は、飲料が流出した後、胴部3の側壁を内方(矢印Bの方向)に押し込むことで形成される。
次に、図2を参照して、実施の形態1における容器1の減容化手順について説明する。
まず、容器1の両端部を把持して容器1をその軸方向に圧縮する。その結果、図2(a)に示すように、凹部9は、径方向内側に突出する山折り形状になる(以下では、この山折り形状となった部分の符号として、凹部の符号9を用いる)。ここで本実施の形態では、上述の山折り形状部9が形成された時点において、山折り形状部9の頂部9aから付根9bまでの長さL1が胴部3の半径Rよりも小さくなるように、凹部9の形状が設定されている。この結果、径方向に相対する頂部9aの間には、隙間Dが存在している。
そして、さらに容器1に軸方向の圧縮力を加える。この際には、山折り形状部9が付根9b近傍の胴部3の壁によって内向きに押えられるので、山折り形状部9には一方の付根9bをヒンジとして反転しようとする力が働く。これにより、図2(b)に示すように、山折り形状部9は、その頂部9aが一端側に移動するように傾いていき、最終的には図2(c)に示すように、軸方向の一端側に折り返される。この折り返された状態では、山折り形状部9は、付根9b近傍の胴部3の壁によって内向きに押さえられるため、折り返されたまま復元することなく、安定的に固定される。
次に、上述の折り返しが生じる原理について説明する。
図3には、略楕円状の横断面を有するシェル構造11が示されている。このシェル構造11は、プラスチックなどの弾性材料によって構成されたものであって、前記楕円の長軸Cを介して相対する上半部13・下半部15の両端は、ヒンジ17によって接続されている。
図4,5は、下半部15の中央位置を上半部13側に向けて徐々に力を強めながら押し込んでいった際に、シェル構造11が変形していく状態を示し、図6は、上記押し込みの過程において、下半部15に加えられる外力Pと、下半部15の中央位置に生じる変位量vとの関係を示している。
上記押し込みの初期段階では、下半部15の中央位置に上半部13側に凸となる変位が生じる。図4(b)は、上記押し込みの初期段階におけるシェル構造11の状態を示しており、大きさP1の外力Pが加えられた結果、下半部15の中央位置は、外力P付加前の初期位置(図4(a)参照)から上半部13側にv1ほど変位している。この初期段階では、下半部15の両端からヒンジ17に対して外向きの力F1(以下、作用力F1と記す)が作用し、ヒンジ17から下半部15に対して、前記外向きの作用力F1に抗する内向きの反力F2が作用する。この反力F2は、長軸方向の成分S1と短軸方向の成分S2とに分解でき、長軸方向の成分S1によって、下半部15にはひずみが生じる。
そして、下半部15に加える外力Pがある値(P2)に達したことで、下半部15に、ある大きさの変位(v2)が生じると、図4(c)に示すように、反力F2では長軸方向の成分S1が支配的となる。この結果、下半部15には高い弾性ひずみエネルギーが蓄積されるために、下半部15は、その形状が安定しない不安定な状態になる。そしてこの直後において、下半部15は、変位量vがある値(v3)になるまで、急激に湾曲していく。
図5(d)は、変位量vがv3に達して、下半部15が、外力P付加前の初期状態(図4(a)の状態)と対称の湾曲状を呈するようになった状態を示している。この状態では、作用力F1及び反力F2の向きは反転して、作用力F1は内向きとなり、反力F2は外向きとなる。
そして、図5(d)に示す状態において、下半部15に加えていた外力Pを除荷すると、作用力F1・反力F2は、小さくなっていく。この結果、下半部15に蓄積されている弾性ひずみエネルギーが小さくなって、下半部15の変位量vは縮小する。
図5(e)は、外力Pの除荷により、作用力F1・反力F2が0となった際のシェル構造11の状態を示している。この状態では、下半部15の変位量vはv4に縮小しており、下半部15に蓄積されている弾性ひずみエネルギーが小さくなることで、下半部15は、安定している。
なお、外力Pの除荷後において、下半部15にひずみが残留することで、作用力F1・反力F2が0にならない場合がある。この場合には、残留ひずみの大きさに応じた変位が下半部15に生じる。図5(f)は、残留ひずみが生じた場合のシェル構造11の状態を示している。図5(f)に示す状態では、作用力F1・反力F2は0よりも大きく外力P2よりも小さな値を示しており、下半部15では、上述の残留ひずみが生じた結果、v5の変位が生じている。この状態においても、下半部15に蓄積される弾性ひずみエネルギーの小ささから、下半部15は安定している。
上述のような不安定状態から安定状態に移行する現象は、スナップスルー現象と呼ばれており、上記とは逆に上半部13を下半部15側に押し込むことでも同様に生じ得る。
また、スナップスルー現象は、図7に示すフレーム構造21においても、同様に生じ得る。図7に示すフレーム構造21は、略菱形の横断面を有しており、相対する屈曲部25,27の両端は、ヒンジ23によって接続されている。そして、屈曲部25,27のうち、一方の屈曲部を他方の屈曲部に向けて押し込むことで上述のスナップスルー現象が生じる。例えば、屈曲部25を屈曲部27に向けて押し込んだ場合には、屈曲部25は、ヒンジ23を支点として破線に示す状態に折り返されて、安定的に固定される。
なお、図3に示したシェル構造11や、図7に示したフレーム構造21において、容器の形状・厚さ・剛性に応じてヒンジ17,23が固定点として機能する場合は、拘束度が増加し、弾性ひずみエネルギーが蓄積されるので、スナップスルー現象の発現は高まる。
また、シェル構造11においては、上半部13の剛性が下半部15の剛性よりも大きければ、下半部15を上半部13側に押し込んだ際に、下半部15は変形しやすくなるため、上述のスナップスルー現象は生じやすくなる。このことは、フレーム構造21においても同様のことが言え、屈曲部27の剛性を屈曲部25の剛性よりも大きくすることで、屈曲部25を屈曲部27側に押し込んだ際に、屈曲部25は変形しやすくなり、スナップスルー現象の発現が高まる。
ここでスナップスルー現象は、図3,7に示したシェル構造11・フレーム構造21において、これらを構成する壁体に、シェルの内外を連通させる貫通孔や、起伏が形成されている場合にも生じ得る。図8は、これを確認すべく行った実験を示す写真である。
図8には、外郭の壁がプラスチックによって形成された中空のボール29が示されている。ボール29は、外力の付加により凹みなどの変形を生じさせるものであって、ボール29の壁には、ボール29内外を連通させる貫通孔31(図8(c)参照)が形成されている。
図8(a)は、外力付加前のボール29の状態を示す写真であり、図8(b),(c)は、貫通孔31近傍の部位を内方に押し込む外力を付加した結果、ボール29が変形した状態を示している。
図8(b),(c)の写真では、貫通孔31近傍の部位33は、内方に凸となって、復元が生じない安定した状態になっている。これは、外力が付加される際において、貫通孔31近傍の部位33と、これに相対する部位34とが、図3に示すシェル構造を構成する壁体として機能して、貫通孔31近傍の部位33が裏返るスナップスルー現象が生じた結果である。このボール29におけるスナップスルー現象は、卓球で使用されるピン球に外力が付加されることで、ピン球が凹む座屈現象に類似した現象である。
実施の形態1における容器1は、図8に示すボール29のように、貫通孔が形成されたシェル構造を有するものと捉えることができる。すなわち、容器1では、山折り形状部9と、これに連続する肩部30(図2(a)参照)とによってシェル構造が構成され、径方向に相対する山折り形状部9の間には、貫通孔に相当する隙間Dが構成されるようになっている。そして容器1に軸方向の圧縮力が与えられることで、山折り形状部9と肩部30とに構成されるシェル構造に、スナップスルー現象が生じる。すなわち、山折り形状部9は、付根9bをヒンジとして、頂部9aが徐々に他端側に向くように傾いていくことで不安定な状態となった後、軸方向一端側に折り返されることで安定状態に移行して、軸方向他端側に反転する復元が生じないものとなる。
以上のように本実施の形態によれば、容器1に軸方向の圧縮力が加えられることで、胴部3に設けられた凹部9は山折り形状になって、軸方向一端側に折り返される。これにより、容器1の容積は減少する。そして、山折り形状部9が折り返された後では、山折り形状部9は復元が抑え込まれるため、圧縮力の除荷後においても、容器1は、容積が減少した状態が確実に維持される。
また、山折り形状部9が折り返される過程では、図2(a)に示すように、相対する山折り形状部9の間に、隙間Dが存在するために、相対する山折り形状部9が接触することがない。これにより、山折り形状部9は、スムーズ且つ容易に折り返される。
また、飲料が内在する状態では、飲料の内圧により、容器1の形状を維持させることができるので、凹部9を胴部3に設けることによる変形異常などの弊害が生じることを防止することができる。
次に、実施の形態1とは異なる態様の実施の形態2〜4について説明する。なお以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一の構成については同一の符号を図に付して、その説明を省略する。
図9は、実施の形態2における容器35の概略斜視図である。本実施の形態の容器35では、胴部37の横断面は、四角状を呈するものとなっている。
本実施の形態においても、容器35に軸方向の圧縮力が加えられることで、胴部37に形成された凹部9は、径方向内側に突出する山折り形状になる。そして、山折り形状部9は、さらに圧縮力が加えられることで、図9の破線Hに示すように、山折りの付根9bをヒンジとして軸方向一端側に折り返されて、復元の生じない安定状態になる。 本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果が発揮され得る。
図10は、実施の形態3における容器39を示す概略図であり、図11は、実施の形態3の容器39の減容化手順を示す概略図である。
本実施の形態の容器39において、胴部41には、容器39の軸方向に間隔をおいて3つの凹部9が設けられている。
容器39では、圧縮力が付加される初期段階では、図11(a)に示すように、各凹部9が山折り形状となり、これら山折り形状部9のうち、最も一端側に位置する山折り形状部9Aと、山折り形状部9Aの一端側に連続する肩部43とによってシェル構造が構成される。そして、さらに容器39に軸方向の圧縮力が与えられることで、シェル構造においてスナップスルー現象が生じ、この現象により山折り形状部9A,9B,9Cは、軸方向一端側に折り返される。具体的には、まず図11(b)に示すように、最も一端側に位置する山折り形状部9Aは、その付根9bをヒンジとして、その頂部9aが徐々に一端側に向くように傾いていく。この際には、他の山折り形状部9B,9Cも、一端側に隣接する山折り形状部9(9Bに対しては9A,9Cに対しては9B)の動きに導かれて、その頂部9aが徐々に一端側に向くように傾いていく。そして、この後、図11(c)に示すように、山折り形状部9A,9B,9Cは、軸方向一端側に折り返される。この結果、山折り形状部9A,9B,9Cは、安定状態に移行して復元の生じないものとなる。
本実施の形態によれば、胴部41に複数の凹部9を設けるようにしたことで、各凹部9の深さを小さく設定した場合でも、軸方向一端側に折り返される部分の長さL2(図11(c)参照:3つの山折り形状部9A,9B,9Cの長さの合計に相当)を、容器39の減容化を図る上で充分確保することができる。これにより、凹部9の設置による変形異常などの弊害を防止する上で有利になる。
次に、本発明の実施の形態4について図を参照して説明する。図12は、本発明の実施の形態4における容器45を示す概略図である。
本実施の形態において、容器45の胴部47は、一端側になるにつれて径が拡大する筒状に形成されている。また、胴部47には、その中央部に座屈パターン事前体49が形成されている。この座屈パターン事前体49は、容器45の軸線Gに対して傾斜させて平行に形成された谷線51と、隣接する谷線51の上下端に掛け渡すようにして形成された峰線53と、谷線51および峰線53の一方の間(峰線53の捩り方向前方)に形成された凸面55と、他方の間(峰線53の捩り方向後方)に形成された凹面57とを、胴部47の全周または一部に有している。なお、座屈パターン事前体49は、飲料が内在する状態においては、内圧によって起伏が目立たず、飲料が流出された後において、起伏が顕著に現れるようになっている。
図13は、実施の形態4における容器45の減容化手順を示す概略図である。図14は、実施の形態4における容器45の供試体が潰されていく過程を示す写真であり、(a)の写真は図13(a)に、(b)の写真は図13(b)に、(c)の写真は図13(c)にそれぞれ対応する。図15は、図13(b)から(c)に移行する過程における容器45の内部の状態を示す斜視図である。以下、図13〜15を参照して、容器45が潰されていく過程について説明する。
まず、容器45の両端部を把持して、容器45を軸回り(軸線G回り)に捩る。その結果、容器45は、図13(a)及び図14(a)に示す状態から図13(b)及び図14(b)に示す状態に変化する。図13(b)及び図14(b)に示す状態では、座屈パターン事前体49は、径方向内側に凹む座屈パターンに変化しており、この座屈パターンにより凹部9が構成される。
そして、捩りにより凹部9が構成された後においては、胴部47の他端側を一端側に向けて押し込む。この結果、胴部47に圧縮力が付加されて、凹部9は、図15(a)に示すように、径方向内側に突出する山折り形状になる。この際には、山折り形状部9は、谷線51と、峰線53とが容器45の軸中心に向けて伸びて、谷線51および峰線53の間の凸面55および凹面57によって軸方向(軸線Gの延伸方向)に蛇腹状の凹凸を生じるものとなっている。
そして、さらに胴部47の他端側を一端側に向けて押し込むと、山折り形状部9は、その頂部9aが徐々に一端側に移動するように傾いていく。図15(b)は、この傾斜の進行により、山折り形状部9の傾きが胴部47の径方向と略平行になった状態を示している。この状態では、山折り形状部9に高い弾性ひずみエネルギーが蓄積されるために、山折り形状部9は、その形状が安定しない不安定な状態になる。
そして、さらに胴部47の他端側を一端側に向けて押し込むと、山折り形状部9は、図13(c),14(c),15(c)に示すように、山折の付根9bをヒンジとして軸方向一端側に折り返される。これにより、容器45は、容積が減少する。
そして、山折り形状部9が折り返された後では、山折り形状部9は、付根9b近傍の胴部47の壁によって内向きに押さえられるため、折り返されたまま復元することなく、その状態が維持される。これにより、容器45は、容積が減少した状態が確実に維持される。
なお、胴部47の他端側を一端側に押し込む際には、胴部47の径が一端側になるにつれて拡大しているので径差のギャップによって、胴部47の他端側を一端側の内部の奥深くまで挿入することができる。これにより、山折り形状部9は、確実に軸方向一端側に折り返される。
ここで本実施の形態では、捩りを解除した後において、座屈パターンに復元が生じて、凹部9が消滅することを防止すべく、座屈パターン事前体49の形状は設定されている。以下、この形状の設定方法について説明する。
図16は、円筒体の軸圧縮力xと軸方向変位zとの関係を示す図である。
図16において縦軸に示される「軸圧縮力x」は、円筒体に与える圧縮荷重を円筒体の断面積で除したものである。まず、軸圧縮力xが小さいときは、円筒体は、軸方向変位zが軸圧縮力xに比例する弾性変形が生じる。この弾性変形時には、円筒体への荷重を除荷することで、円筒体は元の形状に復元する。
そして、ある程度軸圧縮力xが大きくなると、軸方向変位zが軸圧縮力xに比例しなくなる。この限界の状態が弾性限界と呼ばれ、この際には、円筒体は不安定なつりあい状態となる。そして、その弾性限界からさらに荷重が付与されると、円筒体は塑性変形する。この塑性変形が生じた際には、円筒体は、弾性変形時に比して、荷重除荷後における復元が生じにくくなる。
図16のL線は、断面が真円で初期不整がない完全系の円筒体に対して軸方向の圧縮力が加えられた際の変形挙動を示している。これに対して図16のM線は、初期不整が与えられることで、断面が完全な真円ではない不完全系の円筒体の変形挙動を示しており、この変形挙動Mでは、変形挙動Lに比して、弾性限界の荷重が小さくなっている。このことから明らかなように、円筒体では、初期不整によって弾性限界点が変化する。
図17は、円筒体に与える軸方向回りの捩り力と、円筒体の径方向の変位との関係を示す図である。図17において、X線よりも左側の範囲は、径方向外側に突出する変位の挙動を示し、X線よりも右側の範囲は、径方向内側に凹む変位の挙動を示している。
円筒体に軸回りの捩りを加えると、円筒体には径方向の凹凸変位(しわ)が現れる。捩りが付加される初期段階では、上記の凹凸変位は、弾性変形として生じるものであって、円筒体への荷重を除荷することで、円筒体は元の形状に復元する。
そして、弾性限界の荷重を越える捩り力が付加されることで、円筒体に塑性変形としての径方向の凹凸変位が生じるようになる。この塑性変形時には、径方向の変位が進行するにつれて、単位変位量を与える付加荷重は、低下するようになる。そして、捩り力を除荷した後では、円筒体は捩り方向とは逆向きの復元に対する抵抗を示し、この抵抗の大きさは、除荷直前に与えていた荷重と弾性限界の荷重とのギャップに比例する(例えば、図17において、ひずみεの塑性変形が生じた際には、上述のギャップは、除荷直前に与えていた荷重Tと弾性限界の荷重Tとの差分Sとなる)。
図18は、壁厚・半径・長さは同一であるが、初期不整が異なる複数の円筒体に対して、捩りを与えたときの各円筒体に加える捩り力(トルク)と、各円筒体の径方向の変位との関係を示す図である。
円筒体の壁厚・半径・長さが同一である条件下では、初期不整毎に変形パターンが異なっており、これらの初期不整には、弾性限界の荷重を与える初期不整が存在する。図18に示される変形パターンのうち、変形パターンQ1は、弾性限界の荷重が最も小さなものである。また、変形パターンQ2は、変形パターンQ1に比して、弾性限界の荷重が大きく、変位の進行に伴い、単位変位量ΔRあたりの付加荷重が低下する度合いΔTが大きな変形パターンである。
本実施の形態では、容器45に捩りを加えた際に、容器45に生じる変形パターンが、弾性限界の荷重が最小となる変形パターンに比して、前記付加荷重の低下度合いΔTが大きくなるように、初期形状としての座屈パターン事前体49の谷線51及び峰線53の数や傾斜角度α・β(図12参照)が設定されている(傾斜角度α・βは、胴部47の周方向に対して、谷線51及び峰線53が傾斜する角度)。
このようにすることで、荷重を除荷した際には、除荷直前に与えていた荷重と弾性限界の荷重とのギャップが大きくなるため、容器45は、復元に対して大きな抵抗を示すようになる。この結果、捩りによって生じた凹部9は確実に残留するようになる。なお、上述の変形パターンを生じさせることが可能な座屈パターン事前体49の谷線51及び峰線53の数や傾斜角度α・βは、胴部47の壁厚・半径・長さに応じて異なる。このため、座屈パターン事前体49の谷線51及び峰線53の数や傾斜角度α・βは、胴部47の壁厚・半径・長さに応じて任意に設定される。
本実施の形態の容器45によれば、捩りを加えることで凹部9を構成することができ、また、凹部9は、捩りの解除後においても、その形状が維持される。このため、捩り後において、凹部9を山折り形状にして折り返すための圧縮操作を、スムーズ且つ容易に行うことができる。
また、本実施の形態の容器45では、捩りにより凹部9を生じさせた際には、凹部9の大きさに応じた容積の減少が生じる。ここで、上述のように凹部9は捩りの解除後においても、その形状が維持されることから、捩りによって生じた容器45の容積の減少は、その後の圧縮を行わなくとも維持される。
また、胴部47の他端側を一端側に押し込む際には、胴部47の径が一端側になるにつれて拡大しているため、径差のギャップによって、胴部47の他端側を一端側の内部の奥深くまで挿入することができる。これにより、山折り形状部9は、確実に軸方向一端側に折り返される。
次に、本発明の実施の形態5について説明する。図19は、実施の形態5における容器60を示す概略図である。容器60は、実施の形態4の容器45(図12参照)から、座屈パターン事前体の形状を変更したものである。以下では、この相違点を中心に説明し、実施の形態4と共通する点については、同一の符号を付して説明を省略する。
容器60の座屈パターン事前体61は、谷線51及び峰線53が、胴部47の周方向の一方側(図19の例では、軸線G回りの矢印が示す胴部47の左回り側)に凸となるように屈曲するように形成され、これら谷線51及び峰線53の間に、凸面55や凹面57が設けられている。また、谷線51及び峰線53の屈曲点51a,53aは、胴部47における同一の高さ位置に設けられており、谷線51及び峰線53の屈曲点51a,53aの下側は、初期ねじりによる一次座屈パターンの形状を形成し、屈曲点51a,53aの上側は、さらに絞られて内側で重なる(巻きつく)ことによって、二次座屈パターンの形状を形成している。
図20,21は、容器60の減容化手順を示す概略図である。以下、図20,21を参照して、容器60が潰されていく過程について説明する。
まず、容器60の両端部を把持して、胴部47を軸線G回り(すなわち胴部47の左回り)に捩ると、容器60は、図20(a)に示す状態から、図20(b)に示す状態に変化する。図20(b)に示す状態では、谷線51及び峰線53が鋭角に折れ曲がって、凸面55・凹面57による起伏が大きくなることで、座屈パターン事前体61は異なる座屈パターンに変化している。この結果、胴部47の周方向に凹部9が形成されており、この凹部9では、その底が、谷線51及び峰線53の屈曲点51a,53aとなっている。
そして、凹部9が形成された後では、胴部47の他端側を一端側に向けて押し込む。この結果、胴部47に圧縮力が付加されることで、容器60は、図21(c)に示す状態に変化する。図21(c)に示す状態では、凹部9は、屈曲点51a,53aが頂点となる山折り形状に変形している。
ここで本実施の形態では、山折り形状部9の相対する頂部の間に隙間D(図21(c)参照)が存在するように、谷線51の両端から屈曲点51aに至る距離L3(図19参照)の長さや、峰線53の両端から屈曲点53aに至る距離L4(図19参照)の長さが調整されている。
そして図21(c)に示す状態から、胴部47の他端側を一端側に向けて押し込む。この結果、胴部47に圧縮力が付加されることで、図21(d)に示すように、山折り形状部9は、山折の付根9bをヒンジとして軸方向一端側に折り返される。この結果、容器60の減容化が図られる。
本実施の形態によれば、図19に示したように、座屈パターン事前体61の谷線51及び峰線53が、胴部47の周方向の一方側に凸となるように屈曲しているため、胴部47に捩りを加えた際には、図21(b)に示したように、座屈パターン事前体61は、谷線51及び峰線53が鋭角に折れ曲って、凹凸の起伏が大きくなる変形を生じる。このため、座屈パターン事前体61における隣り合う部分の重なりがなじみ、また、図21(c)に示したように、凹部9の底となる箇所が谷線51及び峰線53の屈曲点51a,53aに位置決めされる。これにより、凹部9がスムーズに形成されて、凹部9が形成された後では、胴部47は、復元しにくく凹部9が形成された状態を安定して維持する。
また図19に示したように、屈曲点51a,53aが同一の高さ位置に設けられていることで、屈曲点51a,53aの各々により構成される凹部9の底は、高さ位置にずれなく、胴部47の周方向に生じるようになる(図20(b)参照)。このため、容器60に圧縮力を付加した際には、凹部9は、図21(d)に示したように、屈曲点51a,53aを頂点とする山折り形状にスムーズに変形する。
また図21(c)に示したように、山折り形状部9が折り返される過程では、相対する山折り形状部9の間に隙間Dが存在するために、相対する山折り形状部9が接触することがない。これにより、山折り形状部9は、スムーズ且つ容易に折り返される。
次に、本発明の実施の形態6について説明する。図22は、実施の形態6における容器70を示す概略図である。容器70は、実施の形態4の容器45(図12参照)から、座屈パターン事前体の形状を変更したものである。以下では、この相違点を中心に説明し、実施の形態4と共通する点については同一の符号を付して説明を省略する。
容器70の座屈パターン事前体71は、胴部47の中央に形成される凹凸面部72と、凹凸面部72の軸方向一端側に隣接して形成される平坦面部73とから構成されている。
凹凸面部72は、図12に示す座屈パターン事前体49と同様の構成を有するものであって、谷線51と、峰線53と、谷線51および峰線53の一方および他方の間にそれぞれ形成された凸面55および凹面57とを、容器70の全周または一部に有している。
平坦面部73は、凹凸面部72との境界73aを軸方向他端側の縁(以下、縁73aと適宜記す)とし、この縁73aから一端側へ所定距離ほど離隔する胴部47の高さ位置73bを軸方向一端側の縁(以下、縁73bと適宜記す)とするものであって、これら縁73a,73bに挟まれる範囲のほぼ全体が、谷線51や峰線53の無い平坦な状態に形成されている。この平坦面部73は、胴部47への外力(捻り力)の付加によって変形を許容する部分であり、この変形により、実施の形態5に示した屈曲点51a,53aの上側範囲における二次座屈パターンの如き形状を呈するようになる。
また、平坦面部73の縁73bには、径方向内側に凹む溝73cが形成されている。溝73cは、胴部47の周方向に間隔をあけて複数形成されており、これら溝73cの各々は、凹凸面部72の谷線51の延長線S上に沿って傾斜して設けられている。なお、溝73cは、凹凸面部72の峰線53の延長線上に沿って設けられてもよい。また、平坦面部73の縁73bには、溝73cに代えて、径方向外側に凸となる突起が形成されてもよい。なお、溝73cや突起は、胴部47が折り畳まれやすく、さらに折り畳まれた後では胴部47が復元しにくいように、大きさ・形・数・位置・延伸方向が設定される。またさらに、溝73cや突起は、胴部47が折り畳まれて径方向内側に突出する変形を生じる際に、胴部47のひずみを適当に吸収可能な凹凸形状に設けられる。
図23,24は、容器70の減容化手順を示す概略図であり、図25は、図24の(c)から(d)に移行する過程における容器70の内部の状態を示す斜視図である。以下、図23〜25を参照して、容器70が潰されていく過程について説明する。
まず、容器70の両端部を把持して、胴部47を軸回り(軸線G回り)に捩る。この結果、容器70は、図23(a)に示す状態から、図23(b)に示す状態に変化する。図23(b)に示す状態では、座屈パターン事前体71が座屈パターンに変化することで、胴部47の周方向に凹部9が形成されており、この凹部9は、凹凸面部72と平坦面部73とを合わせた範囲が径方向内側に凹んだものとなっている。
この凹部9では、その一端側において、平坦面部73の縁73bから凹みが生じるが、これは、胴部47の壁が、平坦面部73の縁73bを境として、平坦面部73の平坦な状態から異なる状態へと変化すること、またさらには、平坦面部73の縁73bに溝73cが形成されていることを原因とする。なお、平坦面部73の縁73bから確実に凹みが生じるように、平坦面部73の縁73bに沿って、谷線或いは峰線を胴部47の周方向に形成してもよい。
そして、図23(b)に示したように凹部9が形成された後においては、胴部47の他端側を一端側に向けて押し込む。これにより、胴部47に圧縮力が付加されて、図24(c),図25(a)に示すように、凹部9は山折り形状になる。
この際に形成される山折り形状部9は、図24(c)に示すように、平坦面部73によって一端側の範囲が構成され、蛇腹凹凸状を呈する凹凸面部72によって他端側の範囲が構成される。このため、図25(a)に示すように、山折り形状部9の一端側の付け根となる折り目は、蛇腹凹凸状の凹凸面部72には形成されずに、平坦面部73に形成される(具体的には平坦面部73の縁73bに形成される)。
ここで本実施の形態では、山折り形状部9の相対する頂部の間に隙間D(図24(c)参照)が存在するように、凹凸面部72や平坦面部73の幅H1,H2(図22参照)の長さが調整されている。
そして図25(a)に示す状態から、さらに胴部47の他端側を一端側に向けて押し込むと、山折り形状部9は、その頂部9aが徐々に一端側に移動するように傾いていく。図25(b)は、この傾斜の進行により、山折り形状部9の傾きが胴部47の径方向と略平行になった状態を示している。この状態では、山折り形状部9に高い弾性ひずみエネルギーが蓄積されるために、山折り形状部9は、その形状が安定しない不安定な状態になる。
そして、さらに胴部47の他端側を一端側に向けて押し込むと、山折り形状部9は、図24(d),図25(c)に示すように、スナップスルー現象により、平坦面部73の縁73bをヒンジとして軸方向一端側に折り返されることで、容器70は、容積が減少する。
そして、山折り形状部9が折り返された後では、山折り形状部9は、平坦面部73の縁73b近傍の胴部47の壁によって内向きに押さえられることで、軸方向他端側に反転する復元が抑え込まれることで、折り返された状態が安定して維持される。これにより、容器70は、容積が減少した状態が維持される。
本実施の形態によれば、図25(a)に示したように、山折り形状部9の一端側の付け根となる折り目が、蛇腹凹凸状を呈する凹凸面部72には形成されずに、平坦な状態の平坦面部73に形成される。このため、小さな圧縮力で山折り形状部9をスムーズに一端側に折り返すことができる。
また、図24(c)に示したように、山折り形状部9が折り返される過程では、相対する山折り形状部9の間に、隙間Dが存在するために、相対する山折り形状部9が接触することがない。これにより、山折り形状部9は、スムーズ且つ容易に折り返される。
次に、図26,図27を用いて、溝73cを設けたことにより得られる効果について説明する。図26,図27は、胴部47における平坦面部73の縁73b近傍を拡大して示す概略斜視図であり、図26(a)は、容器70が図23(b)の状態にあるときの溝73cの状態を示し、図26(b)は、容器70が図24(c)の状態にあるときの溝73cの状態を示し、図27(c),(d)は、容器70が図24(d)の状態にあるときの溝73cの状態を示している。
胴部47への圧縮力の付加により、図23(b)から図24(c)へと、凹凸面部72と平坦面部73とが山折り形状に変化する際には、平坦面部73の縁73bには、外向きの膨張力F3(図26(b)参照)が生じる。膨張力F3は形状変化が進行する過程で拡大していき、この拡大に応じて、平坦面部73の縁73bに蓄積されるひずみエネルギーが増大していく。そして、ひずみエネルギーがあるレベルに達すると、溝73cは、ひずみエネルギーを吸収することで、図26(a)に示す凹みが存在する状態から、図26(b)に示す凹みが消滅する状態へと変化する。この結果、平坦面部73の縁73bが径方向外側に膨張するため、凹凸面部72と平坦面部73とは、スムーズに山折り形状になる。
そして、図24(c)から図24(d)へと、山折り形状部9が折り返される際には、平坦面部73の縁73bには、内向きの収縮力F4(図27(c)参照)が生じる。収縮力F4は山折り形状部9の折り返しが進行する過程で拡大していき、この拡大に応じて、平坦面部73の縁73bに蓄積されるひずみエネルギーは、増大傾向から一転して減少していく。これに伴い、溝73cに吸収されていたひずみエネルギーが減少することで、溝73cは、図27(c)に示すように、凹みを復元させる変形を生じる。この結果、平坦面部73の縁73bが径方向内側に収縮するため、山折り形状部9の折り返しがスムーズに行われる。
そして、山折り形状部9が折り返された後では、平坦面部73の縁73bには、山折り形状部9を反転させる外向きの膨張力F5(図27(d)参照)が生じる。これに対して、溝73cは、凹んだ状態を維持することで、膨張力F5に抗する反力を生じさせる。これにより、山折り形状部9は、反転することが抑えられて、折り返された状態が釣り合って安定維持される。
本発明は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
例えば、上記実施の形態1〜6の容器1,35,39,45,60,70の胴部3,37,41,47の材料は、アルミニウム、スチール、あるいは紙によって構成されてもよい。この場合においても、容器1,35,39,45,60,70に軸方向の圧縮力が付加されることで、胴部3,37,41,47に形成された凹部9は、径方向内側に突出する山折り形状となって、スナップスルー現象により折り返される。これにより、圧縮力の付加により容器1,35,39,45,60,70の容積を減少させることができるとともに、該容積が減少した状態は圧縮力の除荷後においても確実に維持される。
また、実施の形態1〜3の容器1,35,39(図1,9,10参照)において、胴部3,37,41は、実施の形態4の容器45の胴部47と同様、一端側になるにつれて径が拡大する筒状に形成されてもよい。このようにすることで、山折り形状部9を一端側に折り返す操作を容易且つスムーズに行うことができる。
また、実施の形態4,5,6の容器45,60,70では、座屈パターン事前体49,61,71は、容器45,60,70の軸方向に複数設けられてもよい。このようにすれば、容器45,60,70に捩りを加えることによって、実施の形態3の容器39(図10参照)のように、胴部47に複数の凹部9が構成される。これにより、実施の形態3と同様の効果が得られる。
また、実施の形態6の容器70(図22参照)では、溝73cの形状や溝73cが延伸する方向は、任意に設定され得る。また、溝73cの数や、隣り合う溝73cの間隔についても、任意に設定され得る。
また、本発明の容器は、上記実施形態で述べた飲料用容器の他、菓子等の食料を収容する容器としても適用され得る。
本発明は、飲料や食料を収容する容器としてのペットボトル、アルミ缶、スチール缶、紙缶に適用できる。
1,35,39,45,60,70 容器
3,37,41,47 胴部
5 口部
7 開口
9 凹部(山折り形状部)
9a 頂部
9b 付根
11 シェル構造
13 上半部
15 下半部
17,23 ヒンジ
21 フレーム構造
25,27 屈曲部
29 ボール
30,43 肩部
31 貫通孔
49,61,71 座屈パターン事前体
51 谷線
51a 谷線の屈曲点
53 峰線
53a 峰線の屈曲点
55 凸面
57 凹面
72 凹凸面部
73 平坦面部
73a 平坦面部における軸方向他端側の縁
73b 平坦面部における軸方向一端側の縁
73c 溝
D 隙間
F1 作用力
F2,F6 反力
F3,F5 膨張力
F4 収縮力
G 軸線
P 外力
R 胴部の半径
v シェル構造に生じる変位量
x 軸圧縮力
z 軸方向変位

Claims (14)

  1. 筒状の胴部を備えた容器であって、
    前記胴部には、内容物が内在しない状態において、径方向内側に凹む凹部が形成され、
    前記凹部は、前記容器に軸方向の圧縮力が加えられることで、径方向内側に突出する山折り形状になるとともに、前記山折りの付根をヒンジとして軸方向一端側に折り返され、
    前記山折り形状部が折り返された後では、前記山折り形状部は、付根近傍の胴部の壁によって内向きに押さえられるため、軸方向他端側に反転する復元が抑え込まれることを特徴とする容器。
  2. 前記凹部は、前記胴部の全周に延びることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 前記凹部は、前記容器の軸方向に複数設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
  4. 前記山折り形状部が折り返される過程において、相対する前記山折り形状部の頂部の間には隙間が存在することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器。
  5. 前記胴部には、該胴部に軸回りの捩りが加えられることで、座屈パターンに変化する座屈パターン事前体が設けられ、
    前記凹部は、前記座屈パターンによって構成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の容器。
  6. 前記座屈パターン事前体は、谷線と、峰線と、谷線および峰線の一方および他方の間にそれぞれ形成された凸面および凹面とを、容器の全周または一部に有することを特徴とする請求項5に記載の容器。
  7. 前記胴部への捩りの付加時において、前記胴部に生じる変形パターンが、弾性限界の荷重が最小となる変形パターンに比して、径方向変位の進行に伴う付加荷重の低下度合いが大きくなるように、前記谷線及び峰線の数や傾斜角度は設定されることを特徴とする請求項6に記載の容器。
  8. 前記座屈パターン事前体の谷線及び峰線は、前記胴部の周方向の一方側に凸となるように屈曲することを特徴とする請求項6に記載の容器。
  9. 前記谷線及び峰線の屈曲点は、前記胴部の同一の高さ位置に設けられることを特徴とする請求項8に記載の容器。
  10. 前記座屈パターン事前体は、胴部の中央に形成される凹凸面部と、当該凹凸面部の軸方向一端側に隣接して形成される平坦面部とから構成され、
    前記凹凸面部は、谷線と、峰線と、谷線および峰線の一方および他方の間にそれぞれ形成された凸面および凹面とを、容器の全周または一部に有し、
    前記平坦面部は、前記凹部との境界を軸方向他端側の縁とし、該軸方向他端側の縁から軸方向一端側に所定距離ほど離隔する前記胴部の高さ位置を軸方向一端側の縁とするものであって、前記軸方向他端側の縁と前記軸方向一端側の縁との間に挟まれる範囲の略全体が平坦に形成され、
    前記胴部に軸回りの捩りが加えられて、前記座屈パターン事前体が前記座屈パターンに変化することによって、前記凹凸面部と前記平坦面部とを合わせた範囲が径方向内側に凹んだ凹部が形成され、
    前記容器に軸方向の圧縮力が加えられることで、前記凹部は、前記平坦面部における軸方向一端側の縁が山折りの付根となる山折り形状になるとともに、前記軸方向一端側の縁をヒンジとして軸方向一端側に折り返され、
    前記山折り形状部が形成された後では、前記山折り形状部は、前記平坦面部における軸方向一端側の縁近傍における前記胴部の壁によって内向きに押さえられることで、軸方向他端側に反転する復元が抑え込まれることを特徴とする請求項5に記載の容器。
  11. 前記平坦面部における軸方向一端側の縁には、前記胴部の径方向内側に凹む溝が形成されることを特徴とする請求項10に記載の容器。
  12. 前記溝は、前記座屈パターン事前体の谷線又は峰線の延長線上に沿って設けられることを特徴とする請求項11に記載の容器。
  13. 前記溝は、前記胴部の周方向に間隔をあけて複数形成されることを特徴とする請求項11又は12に記載の容器。
  14. 前記胴部の材料は、プラスチック樹脂、アルミニウム、スチール、又は紙によって構成されることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の容器。
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