JP2010205895A - フレア計測方法及び露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長距離フレアのように広い範囲にわたるフレアの情報を正確に計測する。
【解決手段】投影光学系のフレア情報を計測する方法において、その投影光学系を介して、L&Sパターンの像2Pをレジストが塗布されたウエハW2に露光する工程と、その投影光学系を介して、照明領域の形状のパターンの像27RPをウエハW2上に重ね合わせて露光する工程と、露光後のウエハW2上のL&Sパターンの像2Pの複数の位置におけるライン部又はスペース部の像の線幅を計測する工程と、その線幅の計測結果からそのフレア情報を求める工程と、を含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、投影光学系のフレア情報を計測するフレア計測方法及びそのフレア計測方法を使用する露光方法に関する。
半導体デバイス等の各種デバイス(電子デバイス)を製造するためのフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置において、投影光学系を構成する光学部材の表面の粗さによって発生する散乱光が、本来の光束によって結像される像の周囲に像のにじみとしてのフレアを形成すると、像のコントラストが低下して結像特性が影響を受ける。そこで、投影光学系の結像特性を評価する際には、そのフレアを計測しておく必要がある。また、露光光として波長が100nm程度以下の極端紫外光(Extreme Ultraviolet Light:以下、EUV光という)を用いる露光装置(EUV露光装置)では、レチクルを含むほぼ全部の光学部材が反射部材となり、フレアが生じ易くなる一方で、要求される解像度が高くなるため、フレアを高精度に計測する必要がある。
従来のフレア計測方法として、例えば輪帯状の透過部(又は反射部)を含む評価用パターンの像を投影光学系を介して露光し、その透過部の像が感光されるときの露光量と、その内側の遮光部の像の中心が感光されるときの露光量との比からフレアを評価するカーク法(Kirk法)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−234716号公報
フレアには狭い範囲に広がる短距離フレアと、投影光学系の像面の露光領域の外側に広がるような長距離フレアとがあり、従来のフレア計測方法は短距離フレアは容易に計測できるが、長距離フレアは小さい光量の領域が遠くまで広がっているため、その計測は困難であった。また、長距離フレアは露光中の基板上の隣接するショット領域にも影響を与える恐れがある。そのため、今後、露光精度をさらに高めるためには、長距離フレアについても正確に評価する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑み、長距離フレアのように広い範囲にわたるフレアの情報を正確に計測できるフレア計測技術、及びそのフレア計測技術を用いる露光技術を提供することを目的とする。
本発明によるフレア計測方法は、投影光学系のフレア情報を計測する方法において、その投影光学系を介して、ライン部及びスペース部が周期的に形成された第1パターンの像、又はその第1パターンとは異なる形状の第2パターンの像の一方を第1の感光性基板に露光する工程と、その投影光学系を介して、その第1パターンの像又はその第2パターンの像の他方を、その第1の感光性基板に露光されたその第1パターンの像又はその第2パターンの像の一方に重ね合わせて露光する工程と、その第1の感光性基板のその第1パターンの像の複数の位置におけるそのライン部又はそのスペース部の像の線幅を計測する工程と、その線幅の計測結果からそのフレア情報を求める工程と、を含むものである。
また、本発明による露光方法は、投影光学系を介して物体上にパターンを形成する露光方法において、本発明のフレア計測方法を用いてその投影光学系のフレア情報を計測し、そのフレア情報の計測結果に応じた処理を行うものである。
本発明のフレア計測方法によれば、例えば第1パターンの像を露光し、その第1パターンの像の一部に第2パターンの像を露光すると、その第2パターンの像の外側のその第1パターンの像中にフレアの影響が現れて、その第1パターンの像のライン部又はスペース部の像の線幅が変化する。従って、この線幅の変化からフレアを評価できる。
本発明の実施形態の一例の露光装置の概略構成を示す断面図である。 (A)はテストレチクルR1上のパターンを示す底面図、(B)は図2(A)中のL&Sパターンの一部を示す拡大図、(C)はテストレチクルR2のパターンを示す底面図である。 投影光学系のフレアの計測動作の一例を示すフローチャートである。 (A)はウエハW1上の複数のショット領域に露光されたテストレチクルR1のパターンの像を示す平面図、(B)はウエハW1上に現像後に形成されるレジストパターンを示す平面図である。 (A)はウエハW2上に露光されたテストレチクルR1のパターンの像を示す平面図、(B)はウエハW2上に露光されるテストレチクルR2のパターンの像を示す平面図、(C)はウエハW2上に二重露光によって形成される像を示す平面図である。 二重露光後のウエハW2上に現像によって形成されるレジストパターンを示す拡大平面図である。 電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
本発明の実施形態の一例につき図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の露光装置100の全体構成を概略的に示す断面図である。露光装置100は、露光光(露光用の照明光又は露光ビーム)ELとして波長が100nm程度以下で3〜50nm程度の範囲内で例えば11nm又は13nm等のEUV光(Extreme Ultraviolet Light)を用いるEUV露光装置である。図1において、露光装置100は、露光光ELをパルス発生するレーザプラズマ光源10と、露光光ELでレチクルR(マスク)のパターン面(ここでは下面)を照明領域27Rで照明する照明光学系ILSと、レチクルRを移動するレチクルステージRSTと、レチクルRの照明領域27R内のパターンの像をレジスト(感光材料)が塗布されたウエハW(感光基板)上に投影する投影光学系POとを備えている。さらに、露光装置100は、ウエハWを移動するウエハステージWSTと、装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータを含む主制御系31等とを備えている。
本実施形態では、露光光ELとしてEUV光が使用されているため、照明光学系ILS及び投影光学系POは、特定のフィルタ等(不図示)を除いて複数のミラー等の反射光学部材より構成され、レチクルRも反射型である。その反射光学部材は、例えば、石英(又は高耐熱性の金属等)よりなる部材の表面を所定の曲面又は平面に高精度に加工した後、その表面にモリブデン(Mo)とシリコン(Si)との多層膜(EUV光の反射膜)を形成して反射面としたものである。なお、その多層膜は、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)等の物質と、Si、ベリリウム(Be)、4ホウ化炭素(B4C)等の物質とを組み合わせた他の多層膜でもよい。また、レチクルRは例えば石英の基板の表面に多層膜を形成して反射面(反射膜)とした後、その反射面に、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、又はクロム(Cr)等のEUV光を吸収する材料よりなる吸収層によって転写用のパターンを形成したものである。なお、レチクルRの基板としては、金属も使用可能である。
また、EUV光の気体による吸収を防止するため、露光装置100はほぼ全体として箱状の真空チャンバ1内に収容され、真空チャンバ1内の空間を排気管32Aa,32Ba等を介して真空排気するための大型の真空ポンプ32A,32B等が備えられている。さらに、真空チャンバ1内で露光光ELの光路上の真空度をより高めるために複数のサブチャンバ(不図示)も設けられている。一例として、真空チャンバ1内の気圧は10-5Pa程度、真空チャンバ1内で投影光学系POを収納するサブチャンバ(不図示)内の気圧は10-5〜10-6Pa程度である。
以下、図1において、ウエハステージWSTが載置される面(真空チャンバ1の底面)の法線方向にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面(本実施形態ではほぼ水平面に平行な面)内で図1の紙面に垂直にX軸を、図1の紙面に平行にY軸を取って説明する。本実施形態では、レチクルRに露光光ELが照射されると、レチクルR上には、照明領域27Rが形成される。照明領域27Rは、図2(B)に示すように、X方向(非走査方向)に細長い円弧状であり、通常の露光時には、レチクルR及びウエハWは投影光学系POに対してY方向(走査方向)に同期して走査される。
先ず、レーザプラズマ光源10は、高出力のレーザ光源(不図示)と、このレーザ光源から真空チャンバ1の窓部材15を介して供給されるレーザ光を集光する集光レンズ12と、キセノン等のターゲットガスを噴出するノズル14と、回転楕円面状の反射面を持つ集光ミラー13とを備えた、ガスジェットクラスタ方式の光源である。レーザプラズマ光源10から例えば数kHzの周波数でパルス発光された露光光ELは、集光ミラー13の第2焦点に集光する。レーザプラズマ光源10の出力(露光光ELの単位時間当たりの照射エネルギー)は、主制御系31の制御のもとにある露光量制御系33によって制御される。
その第2焦点に集光した露光光ELは、凹面ミラー(コリメータ光学系)21を介してほぼ平行光束となり、複数のミラーよりなる第1フライアイ光学系22に入射し、第1フライアイ光学系22で反射された露光光ELは複数のミラーよりなる第2フライアイ光学系23に入射する。この一対のフライアイ光学系22及び23からオプティカルインテグレータが構成されている。フライアイ光学系22,23の各ミラー素子の形状及び配置等については、例えば米国特許第6,452,661号明細書に開示されている。
図1において、第1フライアイ光学系22の各ミラー素子の反射面はレチクルRのパターン面とほぼ共役であり、第2フライアイ光学系23の反射面の近傍(オプティカルインテグレータの射出面の近傍)には、所定形状を有する実質的な面光源(多数の微小な二次光源の集合)が形成される。即ち、その実質的な面光源が形成される面は、照明光学系ILSの瞳面であり、この瞳面又はこの近傍の位置に、照明条件を通常照明、輪帯照明、2極照明、又は4極照明等に切り換える開口絞り28が配置されている。
開口絞り28を通過した露光光ELは、曲面ミラー24に入射し、曲面ミラー24で反射された露光光ELは、凹面ミラー25で反射された後、レチクルRのパターン面の円弧状の照明領域27Rを下方から斜めに均一な照度分布で重畳的に照明する。曲面ミラー24と凹面ミラー25とからコンデンサ光学系が構成されている。凹面ミラー21、フライアイ光学系22,23、開口絞り28、曲面ミラー24、及び凹面ミラー25を含んで照明光学系ILSが構成されている。この場合、レーザプラズマ光源10からの露光光ELは、第1フライアイ光学系22、ひいてはレチクルRのパターン面をケーラー照明している。なお、照明光学系ILSは図1の構成には限定されず、他の種々の構成が可能である。
また、円弧状の照明領域27Rを規定するために、露光光ELの−Y方向のエッジ部の外側を遮光する第1のY軸ブラインド26Y1と、照明領域27Rで反射された露光光ELの+Y方向のエッジ部の外側を遮光する第2のY軸ブラインド26Y2と、露光光ELのX方向の位置及び幅を規定する第1及び第2のX軸ブラインド(不図示)とを含むレチクルブラインド(可変視野絞り)が設けられている。レチクルブラインドの開閉動作は、主制御系31の制御のもとにあるブラインド制御系34によって制御される。
次に、レチクルRは、レチクルステージRSTの底面に静電チャックRHを介して吸着保持されている。レチクルステージRSTは、レーザ干渉計(不図示)の計測値及び主制御系31の制御情報に基づいて、ステージ制御系35によって、真空チャンバ1の外面のXY平面に平行なガイド面に沿って、例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータよりなる駆動系(不図示)を介してY方向に所定ストロークで駆動されるとともに、X方向及びZ軸回りの回転方向(θz方向)等にも微小量駆動される。レチクルRは、真空チャンバ1の上面の開口を通して真空チャンバ1で囲まれた空間内に設置されている。レチクルステージRSTを真空チャンバ1側に覆うようにパーティション8が設けられ、パーティション8内は不図示の真空ポンプによって大気圧と真空チャンバ1内の気圧との間の気圧に維持されている。
レチクルRの照明領域27Rで反射された露光光ELが、物体面(第1面)のパターンの縮小像を像面(第2面)に形成する投影光学系POに向かう。投影光学系POは、一例として、6枚のミラーM1〜M6を不図示の鏡筒で保持することによって構成され、物体面(レチクルRのパターン面)側に非テレセントリックで、像面(ウエハWの表面)側にほぼテレセントリックの反射光学系であり、投影倍率は1/4倍等の縮小倍率である。レチクルRの照明領域27Rで反射された露光光ELが、投影光学系POを介してウエハW上の露光領域27W(照明領域27Rと共役な領域)に、レチクルRのパターンの一部の縮小像を形成する。
投影光学系POにおいて、レチクルRからの露光光ELは、第1のミラーM1で上方(+Z方向)に反射され、続いて第2のミラーM2で下方に反射された後、第3のミラーM3で上方に反射され、第4のミラーM4で下方に反射される。次に第5のミラーM5で上方に反射された露光光ELは、第6のミラーM6で下方に反射されて、ウエハW上にレチクルRのパターンの一部の像を形成する。一例として、投影光学系POは、ミラーM1〜M6の光軸が共通に光軸AXと重なる共軸光学系であり、ミラーM2の反射面の近傍の瞳面又はこの近傍に開口絞りASが配置されている。また、ミラーM6とウエハWとの間に、投影光学系PO内で散乱により発生するフレア等を遮光するためのY方向の一対の遮蔽板30Y1,30Y2及びX方向の一対の遮蔽板(不図示)を含む遮蔽機構が備えられている。なお、投影光学系POは共軸光学系でなくともよく、その構成は任意である。
また、ウエハWは、静電チャックWHを介してウエハステージWST上に吸着保持されている。ウエハステージWSTは、XY平面に沿って配置されたガイド面上に配置されている。ウエハステージWSTは、レーザ干渉計(不図示)の計測値及び主制御系31の制御情報に基づいて、ステージ制御系35により例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータよりなる駆動系(不図示)を介してX方向及びY方向に所定ストロ−クで駆動され、必要に応じてθz方向等にも駆動される。
ウエハステージWST上のウエハWの近傍には、例えばフォトダイオード等のEUV光に対して感度を有する光電センサよりなる照射量モニタ29が設置され、照射モニタ29の検出信号が主制御系31に供給されている。一例として、照射モニタ29の計測結果に基づいて、通常の露光時に主制御系31は、ウエハW上の各点で走査露光後の積算露光量が許容範囲内に収まるように、露光量制御系33を介してレーザプラズマ光源10の発振周波数及びパルスエネルギーを制御し、ステージ制御系35を介してレチクルステージRST(及びウエハステージWST)の走査速度等を制御する。また、主制御系31には、フレア計測に関するデータの処理を行うデータ処理系36が連結されている。
露光の際には、ウエハW上のレジストから生じるガスが投影光学系POのミラーM1〜M6に悪影響を与えないように、ウエハWはパーティション7の内部に配置される。パーティション7には露光光ELを通過させる開口が形成され、パーティション7内の空間は、主制御系31の制御のもとで真空ポンプ(不図示)により真空排気されている。
ウエハWの露光時には、照明光学系ILSにより、円弧状の照明領域でレチクルRを照明し、照明領域27R内のパターンの像が投影光学系POを介してウエハW上の一つのショット領域(ダイ)上に露光された状態で、レチクルRとウエハWとは投影光学系POに対して投影光学系POの縮小倍率に従った速度比でY方向に同期して移動する(同期走査される)。このようにして、レチクルRのパターンの像はウエハW上の当該ショット領域に露光される。その後、ウエハステージWSTを駆動してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動した後、ウエハW上の次のショット領域に対してレチクルRのパターンの像が走査露光される。このようにステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の複数のショット領域に対して順次レチクルRのパターンの像が露光される。
次に、本実施形態の投影光学系POのフレアにつき説明する。投影光学系POのフレアの要因である散乱光は、ミラーM1〜M6の面粗さに起因するものであり、そのフレアには投影光学系POの像面上のほぼ露光領域27W内で例えば数μmから1mm程度までの範囲で広がる短距離フレアと、その像面上で例えば1mm程度以上の距離にわたって広がる長距離フレアとがある。また、本実施形態では、図1の投影光学系POとウエハWとの間に遮蔽板30Y1,30Y2等が設置されている。そのため、投影光学系POの最もウエハWに近いミラーM6の+Y方向及び−Y方向の端部で発生する散乱光(フレア)のうち、Y方向の遮蔽板30Y1,30Y2のエッジ部に接する散乱光ELa及びELbの内側の散乱光のみがウエハW上に到達する。同様に、ミラーM6の±X方向の端部で発生する散乱光(フレア)のうち、X方向の遮蔽板(不図示)のエッジ部に接する散乱光の内側の散乱光のみがウエハW上に到達する。従って、Y方向の散乱光ELa,ELb及びX方向の散乱光(不図示)による遮蔽板30Y1,30Y2等のエッジの像を像30Pとすると、像30Pは露光領域27Wを囲む領域であるとともに、投影光学系POで発生する長距離フレアは、その遮蔽板のエッジ部の像30Pの外側には広がらない。
そこで、本実施形態では、ウエハW上で露光領域27Wの外側で、かつ遮蔽板のエッジ部の像30Pの内側に広がる長距離フレアを含むフレアを計測対象とする。そのフレア計測時には、図1のレチクルステージRSTにレチクルRの代わりに、図2(A)の第1のテストレチクルR1又は図2(C)の第2のテストレチクルR2がロードされる。図2(A)及び図2(B)の座標系(X,Y)は、図1のレチクルステージRSTの底面上での座標系である。
図2(A)の底面図で示すように、テストレチクルR1のパターン領域(ウエハ上の一つのショット領域に対応する領域)の全面には、X方向に周期Prのライン・アンド・スペースパターン(以下、L&Sパターンという。)2が形成されている。L&Sパターン2は、露光光の吸収層PAB(暗部)によって囲まれている。図2(B)の拡大図で示すように、L&Sパターン2は、X方向の幅がPr/2でY方向に伸びた反射膜よりなるライン部2Aと、X方向の幅がPr/2でY方向に伸びた吸収層よりなるスペース部2BとをX方向に周期Prで配置したものである。ライン部2Aおよびスペース部2Bの幅Pr/2は、一例として投影光学系POによる像の段階で50〜60nm程度である。なお、図2(A)及び後述の図4(A)等では、分かり易いように、L&Sパターン2及びその像の周期を実際よりもかなり大きく描いている。
また、図2(C)の底面図で示すように、テストレチクルR2のパターン領域の中央の吸収層PABで囲まれた例えばX方向に細長い矩形の領域は、反射膜よりなる反射パターン4である。反射パターン4は、X方向およびY方向に露光光ELによる照明領域27Rよりも広い領域であり、フレア計測時には、反射パターン4は照明領域27Rを覆うように設定される。一例として、照明領域27Rと共役なウエハ上の露光領域27WのY方向(走査方向)の幅は数mm程度、X方向の長さは20〜30mm程度である。なお、反射パターン4の形状は、照明領域27Rよりも広い形状であればどのような形状でもよく、テストレチクルR2のパターン領域の全面を反射膜として、その全面を反射パターン4として使用してもよい。
次に、上記のテストレチクルR1,R2を用いて露光装置100の投影光学系POのフレアを評価する動作の一例につき、図3のフローチャートを参照して説明する。この際の露光装置100側の動作は主制御系31によって制御される。先ず、図3のステップ101において、図1のレチクルステージRSTに図2(A)の第1のテストレチクルR1がロードされ、テストレチクルR1のアライメントマーク(不図示)を用いてテストレチクルR1のアライメントが行われる。次のステップ102において、ウエハステージWST上にポジ型のレジストが塗布された未露光のウエハ(W1とする)がロードされる。次のステップ103において、主制御系31は、ウエハに対する露光量をテストレチクルR1のL&Sパターン2と同じデューティ比(ライン部の幅とスペース部の幅との比)の像が感光されるときの露光量(レジスト感度)よりも僅かに低いアンダー気味の露光量(所定値)EPに設定し、制御用のパラメータiの値を1とする。
次のステップ104において、露光装置100によって、図4(A)のウエハW1上の1番目のショット領域(基準ショット)38Aの全面に走査露光方式で、テストレチクルR1のL&Sパターン2の像2Pを、その設定された露光量EPで露光する。像2Pは、ライン部2A(明部)の像2APとスペース部2B(暗部)の像2BPとをX方向に周期Pr・β(βは投影光学系POの投影倍率)で配列したものである。ただし、説明の便宜上、テストレチクルR1のパターンのX方向、Y方向に正立の像がウエハW1上に形成されるものとしている。なお、図2(A)はテストレチクルR1の底面図であり、図4(A)はウエハW1の平面図であるため、両者はX方向に反転している。これはテストレチクルR2についても同様である。
次のステップ105で、設定された露光量が所定の上限値(露光量EPに長距離フレアの予想される最大露光量を加算したレベルよりも高い値)に達しているかどうかを判定する。この段階では露光量はその上限値に達していないため、動作はステップ106に移行して、主制御系31はウエハの露光量EPiを次式に基づいて所定量ΔEPだけ増加させる。所定量ΔEPはフレアの計測精度に応じて設定される。
EPi=EP+i・ΔEP …(1)
その後、ステップ107でパラメータiの値に1を加算した後、ステップ104に戻り、ウエハW上のi番目(ここではi=2)のショット領域38Bに、設定された露光量EP1で、テストレチクルR1のL&Sパターン2の像2Pを露光する。ウエハW上の設定された露光量EPiと対応するショット領域の順序(位置)との情報はデータ処理系36に記憶される。その後、設定された露光量EPiがその上限値を超えるまで、図4(A)のウエハW上のショット領域38C,38D及び他のショット領域(不図示)には、それぞれ次第に増加する露光量EP2,EP3,…でテストレチクルR1のL&Sパターン2の像2Pが露光される。なお、露光すべきショット領域の個数が1枚のウエハでは足りない場合には、複数枚のウエハ上の多数のショット領域に次第に増加する露光量でテストレチクルR1のL&Sパターン2の像を露光してもよい。
その後、設定された露光量EPiがその上限値を超えると、動作はステップ105からステップ108に移行して、ウエハW1は露光装置100からアンロードされて不図示のコータ・デベロッパに搬送され、このコータ・デベロッパにおいてウエハW1のレジストの現像が行われる。現像後のウエハW1上の各ショット領域38A〜38D等では、図4(B)に示すように、L&Sパターン2の像2Pに対応するレジストパターン2Rが形成される。レジストパターン2Rは、図4(B)のB1部の拡大図で示すように、ライン部の像2Aに対応する凹部(溶解部)よりなる複数のラインパターン2ARと、スペース部の像2BPに対応する凸部(残存部)よりなる複数のスペースパターン2BRとから形成されている。
次のステップ109において、現像後のウエハW1を不図示の走査型電子顕微鏡(SEM)にセットして、図4(B)のウエハW1上で露光及び現像された1番目のショット領域38A(露光量EPの基準ショット)内に、X方向、Y方向に周期SX及びSY(=SY)で、X方向の幅ΔXでY方向の幅ΔY(=ΔX)の正方形の多数の計測領域MTij(i=1,…,I;j=1,…,J)を設定する。なお、一例として、計測領域MTijの幅ΔX(ΔY)は5μm程度、計測領域MTijの配列の周期SX(SY)は200μm程度であり、この場合、ショット領域38内の計測領域MTijのX方向の個数Iは100〜150程度、Y方向の個数Jは150〜200程度である。そして、ショット領域38Aの各計測領域MTij内の複数の位置で、拡大されたB1部で示すように、SEMによってレジストパターン2R中のラインパターン2ARのX方向の線幅dxijを計測し、この計測値の平均値(これもdxijとする)を求める。なお、ラインパターン2ARの線幅を計測する代わりに、後述のようにスペースパターン2BRの線幅を計測してもよい。
ショット領域38A内の多数の計測領域MTij内のラインパターン2ARの平均線幅dxijの情報は、データ処理系36に供給される。データ処理系36では、そのショット領域38A内の各計測領域MTijの平均線幅dxijの情報を、露光量EPと対応させて表した表である基準CD(critical dimension)マップを作成し、この基準CDマップを記憶部に記憶する。さらに、図4(B)のウエハW1上の他のショット領域38B〜38D等についても、SEMによってそれぞれ内部の多数の計測領域MTij内のラインパターン2ARの平均線幅dxijが計測され、計測結果がデータ処理系36に供給される。データ処理系36では、ショット領域38B〜38D等の各計測領域MTijの平均線幅dxijの、対応するショット領域38A内の計測領域MTijの平均線幅dxijからの差分Δdxijを求め、各計測領域MTij毎にその差分Δdxijと露光量の差分δEPi(=EPi−EP)とを対応させて配置したCDマップを作成し、このCDマップも記憶部に記憶する。
この場合、後に露光するショット領域ほど露光量EPi(露光量の差分)が大きいため、平均線幅dxij(差分Δdxij)が次第に大きくなる。例えば4番目のショット領域38Dの計測領域MTij内の平均線幅dxijは、拡大図であるB2部に示すように、ショット領域38A内の平均線幅dxijよりも大きくなる。従って、ウエハW1上の各ショット領域内の各計測領域MTijのレジストパターンの平均線幅の差分Δdxijからそれに対応する露光量の差分、ひいてはその露光量EPiを求めることができる。
なお、このステップ109のSEMにおける計測を含む工程は、後述のSEMにおける計測を含む工程であるステップ118の直前等に実行してもよい。
次のステップ111において図1のレチクルステージRSTに図2(A)の第1のテストレチクルR1がロードされる。なお、本実施形態のように、ステップ108(又はステップ109)に続いてステップ111に移行する場合には、レチクルステージRST上には既にテストレチクルR1がロードされているため、ステップ111は省略できる。次のステップ112において、ウエハステージWST上にポジ型のレジストが塗布された未露光のウエハ(W2とする)がロードされる。次のステップ113において、露光装置100によって、図5(A)のウエハW1上の一つのショット領域38の全面に走査露光方式で、テストレチクルR1のL&Sパターン2の像2Pを、基準CDマップを作成したときの露光量EPで露光する。ショット領域38の周囲は露光光が照射されない非露光部40Aである。
次のステップ114において、レチクルステージRSTからテストレチクルR1をアンロードして、レチクルステージRST上に図2(C)の第2のテストレチクルR2をロードし、テストレチクルR2のアライメントマーク(不図示)を用いてそのアライメントを行う。次のステップ115において、ウエハステージWSTをX方向(非走査方向)に駆動して、図5(B)に示すように、ウエハW2上のショット領域38をそれまでの位置B3に対して、ショット領域38のX方向の幅の1/2であるHX/2だけ+X方向に移動する。次のステップ116において、ウエハW2上のショット領域38を含む領域に、テストレチクルR2の反射パターン4の像(この場合には照明領域27R自体の像27RP)を静止状態で所定の露光量で重ねて露光する。この場合、照明領域27Rの像27RPとは、露光領域27Wの全体に露光光ELが均一な光量分布で照射されたものであり、露光領域27W以外の領域は非露光部40Bである。しかしながら、非露光部40Bにも投影光学系POからのフレアは照射される。
この露光によって、ウエハW2上のショット領域38には、図5(C)に示すように、テストレチクルR1のL&Sパターン2の像2Pと、テストレチクルR2の反射パターン4の像(照明領域27Rの像27RP又は露光領域27W)とが、X方向に横ずれして二重露光されたことになる。
その後のステップ117において、ウエハW2は露光装置100からアンロードされて不図示のコータ・デベロッパに搬送され、このコータ・デベロッパにおいてウエハW2のレジストの現像が行われる。現像後のウエハW2上のショット領域38には、図6に示すように、L&Sパターン2の像2Pに対応するレジストパターン2Rと、照明領域27Rの像27RPに対応するレジストパターン27RR(又は露光領域27Wに対応するレジストパターン27WR)とが重ねて形成される。また、レジストパターン27RRの周囲で、かつ図1の遮蔽板30Y1,30Y2等のエッジ部の像30Pの内側には、投影光学系POからの長距離フレアが照射されているため、レジストパターン27RRのうちのラインパターン2ARの線幅が、レジストパターン27RRに近い位置ほど太くなっている。この線幅の相違から露光量の増加分である長距離フレアを求めることができる。
そこで、次のステップ118において、現像後のウエハW2を不図示の走査型電子顕微鏡(SEM)にセットして、図6のウエハW2のショット領域38において、レジストパターン27RRの中心43を基準として、X方向に距離Xm及び±Y方向に距離Ymの多数の評価点Fm(m=1,2,3,…)を設定し、これらの評価点Fmでラインパターン2ARの線幅dxmを計測する。この場合、レジストパターン27RRに対してX方向の外側でかつ像30Pの内側の複数の評価点Fkにおいてもラインパターン2ARの線幅dxkを計測する。即ち、計測点Fmは、レジストパターン27RRと像30Pとの間にX方向、Y方向に所定周期(例えば図4(B)の計測時の周期SXと同じ程度)で均等に多数設定される。この各評価点Fmの位置及び線幅dxmの計測結果の情報はデータ処理系36に供給される。
次のステップ119において、データ処理系36は、図6のショット領域38内の各評価点Fmで計測されたラインパターン2ARの線幅dxmの、ステップ109で記憶した基準CDマップ中の最も近い計測領域MTijの平均線幅dxij(又はその近傍の値からの補間値でもよい)に対する差分Δdxmを求める。その後、その差分Δdxmとステップ109で記憶したCDマップとを比較して、その差分Δdmxに対応する露光量の差分δEPm(基準CDマップ作成時の露光量EPからの差分)を求める。この差分δEPmが、評価点Fmにおけるフレアの露光量であり、データ処理系36は、この露光量δEPmと図5(B)の照明領域27Rの像を露光したときの露光量EPFとから次のように、評価点Fmにおけるフレアを計算する。
フレア=(δEPm/EPF)×100(%)…(2)
また、各評価点Fmのフレアを求めることで、露光領域27Wの外側に広がるフレア(長距離フレア)の分布を求めることができる。このフレアの分布の計測結果は主制御系31に供給される。次のステップ120において、主制御系31は、一例としてその長距離フレアの分布に応じて遮蔽板30Y1,30Y2等の位置を調整する。即ち、長距離フレアが多いと、ウエハWのあるショット領域の走査露光時に隣接するショット領域も僅かに露光されるため、このような不要な露光を軽減するために、X方向の遮蔽板(不図示)の間隔を狭くしてもよい。これによって、投影光学系POの長距離フレアの計測が終了する。
このように、L&Sパターン2の像と反射パターン4(照明領域27R)の像とをウエハ上に二重露光して、L&Sパターン2の像に対応するレジストパターンの線幅を計測することによって、投影光学系POの長距離フレア等を正確に計測できる。
本実施形態の作用効果等は以下の通りである。
(1)本実施形態の露光装置100の投影光学系POのフレアの計測方法は、投影光学系POを介して、テストレチクルR1のL&Sパターン2の像2Pをレジストが塗布されたウエハW2に露光するステップ113と、投影光学系POを介して、L&Sパターン2とは異なるテストレチクルR2の反射パターン4(照明領域27R)の像を、ウエハW2上に像2Pに一部を重ね合わせて露光するステップ116と、ウエハW2上の像2Pに対応するレジストパターン2Rの複数の評価点Fmにおけるラインパターン2ARの線幅を計測するステップ118と、その線幅の計測結果から投影光学系POのフレアを求めるステップ119とを含んでいる。
このフレアの計測方法によれば、ウエハW2上のL&Sパターン2の像2Pの一部に反射パターン4(照明領域27R)の像が露光され、この像の外側のその像2P中に長距離フレアが照射されて、その像2Pのライン部の像の線幅が変化する。従って、この線幅の変化からその長距離フレアを評価できる。
なお、L&Sパターン2の像2Pにおいては、ライン部2Aの像の線幅とスペース部2Bの像の線幅との和は一定(像2Pの周期)であるため、ステップ118ではライン部2Aの像(ラインパターン2AR)の線幅を計測する代わりに、スペース部2Bの像の線幅を計測し、この計測結果からフレアを求めてもよい。
また、本実施形態では、ウエハW2上に先ずテストレチクルR1のL&Sパターン2の像を露光してから、その上にテストレチクルR2の反射パターン4の像を重ねて露光している。しかしながら、ウエハW2上に先ずテストレチクルR2の反射パターン4(照明領域27R)の像を露光してから、その上にその像を覆うようにテストレチクルR1のL&Sパターン2の像を重ねて露光してもよい。この場合でも、同様に投影光学系POのフレアを計測できる。
また、テストレチクルR1,R2は必ずしも別体にする必要はなく、テストレチクルR1のパターン領域の一部にテストレチクルR2の反射パターン4を形成しておいてもよい。
(2)また、本実施形態においては、テストレチクルR1のL&Sパターン2の像2Pをレジストが塗布されたウエハW1上に露光するステップ102〜107と、ウエハW1に露光された像2Pのライン部の像の線幅を計測するステップ109とを含み、ステップ110では、ウエハW2上で計測された像2Pのライン部の像の線幅と、ウエハW1上で計測された像2Pのライン部の線幅との比較により、フレアを求めている。従って、線幅の計測結果のみからフレアを求めることができる。
なお、ステップ118でL&Sパターン2の像のスペース部の像の線幅を計測する場合には、ステップ109においても、L&Sパターン2の像のスペース部の像の線幅を計測してもよい。
(3)この場合、ステップ104〜107では、L&Sパターン2の像2Pを露光量を変えながらウエハW1上の異なるショット領域38A〜38D等に露光し、ステップ109では、L&Sパターン2の像について計測される線幅と露光量とを対応させて基準CDマップ及びCDマップを作成し、ステップ119では、計測された線幅とそれらのCDマップとを用いて線幅が計測された位置でのフレアによる露光量を求めている。従って、予め基準CDマップ及びCDマップを作成しておくことで、その後はそれらのCDマップを用いて投影光学系POのフレアを効率的に計測できる。
従って、図3のステップ101〜109までの動作は、投影光学系POのフレア計測毎に実行する必要はなく、例えば露光装置の稼働開始後等に1回、又は少ない頻度で定期的に実行するのみでもよい。
(4)また、テストレチクルR2の反射パターン4は照明領域27Rよりも広く、反射パターン4を用いることによって、ステップ116では、ウエハW2上には露光光ELの露光領域27Wの全面で露光が行われている。即ち、反射パターン4を用いることによって、照明領域27Rの全面の形状又は露光領域27Wの全面の形状が照射領域として規定される。従って、露光領域27Wの外側に出る長距離フレアの計測を行うことができる。
なお、テストレチクルR2の反射パターン4は、照明領域27Rと同じ形状又はそれよりも小さいパターンでもよい。この場合には、上記の二重露光によって、その矩形パターンの像の外に出るフレアを計測できる。
また、本実施形態では、照明領域27Rの形状を円弧状を例に説明したが、矩形状であってもよい。
(5)また、本実施形態では、テストレチクルR1のL&Sパターン2の周期方向はX方向(非走査方向)であるが、その周期方向はY方向(走査方向)でもよい。さらに、L&Sパターン2のデューティ比(ライン部とスペース部との幅の比)は1:1でなくともよい。
また、テストレチクルR1には一様な周期のL&Sパターン2が形成されているが、テストレチクルR1には例えば周期が次第に変化するL&Sパターン、又は多数の独立した小さいL&Sパターン等を形成しておいてもよい。この場合でも、二重露光後のライン部又はスペース部の像の線幅の変化を計測することでフレアを計測できる。
(6)また、本実施形態では、ステップ113とステップ116との間のステップ115でウエハW2を+X方向にショット領域38の幅の1/2の距離だけ移動し、ステップ118では、照明領域27Rの像に対応するレジストパターン27RRに対してX方向側の評価点Fk等でもラインパターン2ARの線幅を計測している。従って、露光領域27Wに対して非走査方向に広がるフレアの広がりの範囲及び量を計測できる。
なお、ステップ115では、ウエハW2を−X方向に移動してもよい。これによって、露光領域27Wから−X方向に広がるフレアを計測できる。さらに、ウエハW2のX方向への移動量はショット領域38のX方向の幅の1/2でなくともよい。
また、ステップ115を省略して、L&Sパターン2の像の中央部に照明領域27Rの像を露光してもよい。この場合には、露光領域27Wから+Y方向及び−Y方向に広がるフレアを計測できる。
(7)また、本実施形態では、ウエハW1,W2上のL&Sパターン2の像のライン部の像の線幅の計測は、ウエハW1,W2上のレジストの現像後に形成されるレジストパターンに対して行っている。その線幅は走査型電子顕微鏡等で高精度に計測できる。
なお、エハW1,W2上のL&Sパターン2の像のライン部(又はスペース部)の像の線幅の計測は、レジスト層の潜像の段階で行ってもよい。
(8)また、上記の実施形態ではEUV露光装置が使用されているため、テストレチクルR1,R2は反射型であり、そのパターンはEUV光の反射膜及び吸収膜から形成されている。
なお、テストレチクルR1,R2を例えば波長193nm等の露光光を用いる露光装置の透過型レチクルとして使用する場合には、そのテストレチクルは、一例として、露光光を透過する基板と、その基板の表面に設けられた遮光膜とを有し、L&Sパターン2又は反射パターン4に対応するパターンは、その遮光膜の一部を除去した周期的な透過パターン又は所定形状の透過パターンとして形成される。
(9)また、本実施形態の露光方法は、露光光ELでレチクルRのパターンを照明し、露光光ELでそのパターン及び投影光学系POを介してウエハWを露光する露光方法において、本実施形態のフレア計測方法によって、投影光学系POのフレア情報を計測するステップ101〜119と、そのフレア情報の計測結果に基づいて遮蔽板30Y1,30Y2等の位置を調整するステップ120とを含んでいる。従って、投影光学系POのフレアが存在しても、その影響を抑制してウエハW上に目標とするパターンを形成できる。
なお、遮蔽板30Y1,30Y2等の位置を調整する代わりに、遮蔽板30Y1、30Y2によって形成される開口の大きさを変更してもよい。
また、Y方向の遮蔽板30Y1,30Y2、及びX方向の遮蔽板を含む遮蔽機構を備える構成について説明したが、この遮蔽機構を省略することも可能である。
そうすることによって、遮蔽板30Y1,30Y2、及びX方向の遮蔽板で遮られない広い範囲のフレアを計測することが可能になる。
また、遮蔽板30Y1,30Y2等の位置を調整する代わりに、又はそれとともに、投影光学系POのフレアの計測結果に応じて、そのフレアの影響を低減させて、ウエハW上に所望のパターンが形成されるように、レチクルRに形成されるパターンの線幅等の形状を補正しても良い。即ち、光学的近接効果を考慮して、レチクルデザインを変更してもよい。
なお、図1の実施形態では、露光ビームとしてEUV光を用い、6枚のミラーのみから成るオール反射の投影光学系を用いる場合について説明したが、これは一例である。例えば、4枚等のミラーのみから成る投影光学系を備えた露光装置は勿論、光源に波長100〜160nmのVUV光源、例えばAr2 レーザ(波長126nm)を用い、4〜8枚等のミラーを有する投影光学系を備えた露光装置などにも本発明を適用することができる。
さらに、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)等を用いる屈折系からなる投影光学系を用いる場合にも本発明を適用可能である。
また、上記の実施形態の露光方法又は露光装置を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図7に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンを基板(感応基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
従って、このデバイス製造方法は、上記の実施形態の露光方法又は露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理すること(ステップ224)とを含んでいる。その露光方法又は露光装置によれば、投影光学系のフレアの影響を軽減できるため、電子デバイスを高精度に製造できる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイス、さらにはマスク自体の製造プロセスにも広く適用できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
ILS…照明光学系、R…レチクル、R1,R2…テストレチクル、PO…投影光学系、W…ウエハ、M1〜M6…ミラー、2…L&Sパターン、2P…L&Sパターンの像、2R…レジストパターン、4…反射パターン、27R…照明領域、27W…露光領域、30Y1,30Y2…遮蔽板

Claims (9)

  1. 投影光学系のフレア情報を計測する方法において、
    前記投影光学系を介して、ライン部及びスペース部が周期的に形成された第1パターンの像、又は前記第1パターンとは異なる形状の第2パターンの像の一方を第1の感光性基板に露光する工程と、
    前記投影光学系を介して、前記第1パターンの像又は前記第2パターンの像の他方を、前記第1の感光性基板に露光された前記第1パターンの像又は前記第2パターンの像の一方に重ね合わせて露光する工程と、
    前記第1の感光性基板の前記第1パターンの像の複数の位置における前記ライン部又は前記スペース部の像の線幅を計測する工程と、
    前記線幅の計測結果から前記フレア情報を求める工程と、
    を含むことを特徴とするフレア計測方法。
  2. 前記第1パターンの像を第2の感光性基板上に露光する工程と、
    前記第2の感光性基板に露光された前記第1パターンの像の前記ライン部又は前記スペース部の像の線幅を計測する工程とを含み、
    前記フレア情報を求める工程は、前記第2の感光性基板で計測された線幅と前記第1の感光性基板で計測された線幅との比較により、前記フレア情報を求めることを特徴とする請求項1に記載のフレア計測方法。
  3. 前記第1パターンの像を第2の感光性基板上に露光する工程は、前記第1パターンの像を露光量を変えながら前記第2の感光性基板の異なる位置に露光し、
    前記第2の感光性基板に露光された前記ライン部又は前記スペース部の像の線幅を計測する工程は、前記線幅と露光量との関係を求める工程を含み、
    前記フレア情報を求める工程は、前記第1の感光性基板で計測された線幅と、前記線幅と露光量との関係に基づいて、前記第1の感光性基板の前記複数の位置における露光量を求める工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のフレア計測方法。
  4. 前記第2パターンは、前記投影光学系の物体面又は前記投影光学系の像面に照射される照明光の照射領域を規定する形状を有し、
    前記フレア情報を求める工程は、前記照射領域の外側のフレア情報を求めることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフレア計測方法。
  5. 前記第1パターンの像を前記第1の感光性基板に露光する工程は、前記第1パターンと前記第1の感光性基板とを前記投影光学系に対して走査方向に移動して、前記第1パターンの像で前記第1の感光性基板を走査露光し、
    前記第2パターンの像を前記第1の感光性基板に露光する工程は、前記第2パターンと前記第1の感光性基板とを静止させて、前記第2パターンの像で前記第1の感光性基板を露光することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフレア計測方法。
  6. 前記第1パターンの像を前記第1の感光性基板に露光する工程と、前記第2パターンの像を前記第1の感光性基板に露光する工程との間で、前記第1の感光性基板を前記投影光学系に対して前記走査方向に直交する方向に移動する工程を含み、
    前記第1の感光性基板に露光された前記ライン部又は前記スペース部の前記線幅が計測される前記複数の位置の少なくとも一つは、前記第2パターンの像に対して前記走査方向に直交する方向の外側にあることを特徴とする請求項5に記載のフレア計測方法。
  7. 前記第1の感光性基板に露光された前記ライン部又は前記スペース部の像の線幅を計測する工程は、前記第1の感光性基板を現像する工程と、現像後に前記第1の感光性基板上に形成される感光パターンの線幅を計測する工程とを含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のフレア計測方法。
  8. 前記投影光学系は、照明光としてEUV光を用いる反射系であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のフレア計測方法。
  9. 投影光学系を介して物体上にパターンを形成する露光方法において、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のフレア計測方法を用いて前記投影光学系のフレア情報を計測し、
    前記フレア情報の計測結果に応じた処理を行うことを特徴とする露光方法。
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