JP2010205790A - サセプタ及びプラズマ処理装置 - Google Patents

サセプタ及びプラズマ処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低熱膨張で機械的強度が高く、耐食性に優れたサセプタを提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置10の内部には、サセプタ105が設けられている。サセプタ105は、基板Gを載置する基材110を有する。基材110の形成には、チタンの母材110aとニッケル又はアルミニウムの合材110bとから形成されたクラッド材が複数用いられる。複数のクラッド材は、母材110aが合材110bにより覆われるように接合されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、被処理体を載置するサセプタ及び当該サセプタを設置したプラズマ処理装置に関する。
従来から、ガスを励起させて生成されたプラズマにより基板上に成膜やエッチング等のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。たとえば、図8に示したプラズマ処理装置90では、内部中央にサセプタ900が配設されている。サセプタ900は、基板Gを載置する基材905を有している。基材905は、カーボンやアルミニウムから形成され、アルミナ(Al)やイットリア(Y)等で溶射910され、アルミナインシュレータ912により覆われている。サセプタ900を支持する支持体990は、ベローズ995を介して処理容器Chと連結され、接地されている。
基材905には、給電棒915が接続されるとともにヒータ920が埋設されている。また、給電棒915には、整合器925を介して高周波電源930が接続されている。高周波電源930から出力された高周波電力は、給電棒915を通って給電点915aから下部電極として機能するサセプタ900に印加される。ヒータ920にはヒータ源935が接続されている。ヒータ源935から出力された交流電力は、ヒータ920に印加され、これにより、サセプタ900が温度調節される。基材内部には温度センサ940が取り付けられていて、センサ値に応じた温調器945の制御により、サセプタ900の内部を200〜450℃程度の高温に維持する。また、高圧直流電源955から静電チャック950に直流電圧を供給することにより、基板Gをサセプタ900に静電吸着するようになっている。ガス供給源960から供給されたガスは、ガスシャワーヘッド965を経て処理室内に供給される。供給されたガスは、高周波電力のエネルギーによりプラズマ化され、そのプラズマにより基板Gに所望の処理が施される。サセプタ900には、複数の貫通口970が貫通している。貫通口970の下方にはリフトピン975が取り付けられた昇降機構980が設けられていて、リフトピン975を昇降させることにより基板Gを搬送するようになっている。
特開2008−42116号公報
たとえば、図9には、図8に示した従来のプラズマ処理装置のサセプタ部分の拡大図が示されている。プロセス中、サセプタ上の基板Gの温度を約350℃に設定するために、ヒータ920によりサセプタ900を450℃程度まで昇温する必要がある。しかしながら、加熱の際、基材905に用いるアルミニウムやニッケルは線膨張係数が大きいため、伸縮が大きい。たとえば、20℃〜350℃のとき、アルミニウムの平均線熱膨張係数は約25×10−6/K、ニッケルの平均線熱膨張係数は約15×10−6/Kである。これに対して、アルミナの平均線熱膨張係数は7.8×10−6/Kである。このように、アルミニウムやニッケルの線熱膨張係数は、アルミナの線熱膨張係数の2〜3倍も大きい。基材905の中心から端部までの長さは1600mmであるため、この状態で、アルミニウムからなる基材905を室温の25℃からプロセス温度の450℃まで昇温すると、基材905の中心から端部までの長さは約17mmも伸びる。これに対して、アルミナの伸びは5mm程度にとどまる。
このように、基材905のアルミニウムとその周りのアルミナとの熱膨張差が大きい場合、加熱及び冷却の繰り返しにより基材905とアルミナ溶射910との接合面にて特に大きな応力が生じ、アルミナ溶射910にひびが入ったり、剥がれたりする場合があった。また、基板905とアルミナインシュレータ912とが接触し、いずれかの材質が損傷や割れが生じるおそれがあった。また、複数の貫通口970の位置及び寸法も変わり、リフトピン975の昇降動作に支障が出たり、貫通口970を貫通したリフトピン975が基板Gの外側にずれて突出し、基板Gを上昇できずに基板Gの搬送に不都合が生じたりする場合があった。
高周波電源930から出力された高周波の電流がサセプタ900の金属表面を流れる際、図9に示した支持体990とアルミナインシュレータ912との隙間αを0.5mm以下に管理することにより、隙間αで異常放電が発生することを防止する必要がある。しかし、従来の装置では、基材905のアルミニウムとその周囲のアルミナとの熱膨張差が大きいため、アルミナインシュレータ912と支持体990との隙間αが0.5mm以上になってしまい、この隙間αにプラズマが入り込んで異常放電が生じる場合があった。
さらに、近年の基板Gの大型化に伴いサセプタ900も大型化の要請が高くなっている。現時点では、G8,G10の基板サイズに合わせてサセプタ900を大型化しなければならない。そのため、3000mm×3000mmの基板では、サセプタ900のサイズを3100mm×3100mm程度にする必要がある。これをたとえばカーボンで実現しようとすると、カーボンは機械的強度が弱いため、板が反ってしまう。これに対して、複数枚のカーボンを接着して大型サイズのサセプタに対応することも考えられるが、接着部分からゴミが生じたり、接着面で機械的強度が保てなくなる等、カーボンによるサセプタの大型化には限界がある。
そこで、本発明は、低熱膨張で機械的強度が高く、耐食性に優れたサセプタ及び当該サセプタを設置したプラズマ処理装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、プラズマ処理装置の内部に設けられたサセプタであって、前記サセプタは、被処理体を載置する基材を有し、前記基材は、チタンの母材とニッケル又はアルミニウムの合材とから形成されたクラッド材を複数用いて、前記母材が前記合材により覆われるように前記複数のクラッド材を接合させて形成されるサセプタが提供される。
これによれば、サセプタの基材には複数のクラッド材が用いられる。クラッド材は、チタンを母材とし、ニッケル又はアルミニウムを合材とする。各クラッド材は、図3(a)〜図3(c)に示したように、爆発接合(爆着)により製造される。具体的には、チタン上にアルミニウム又はニッケルの板を間隔を空けて重ね、その上に爆薬をセットする。爆薬の爆発時の高エネルギーにより、合材は母材面に高速駆動され、合材と母材との衝突面から液化した金属(メタルジェット)が発生する。メタルジェットは、母材表面の付着物や吸着ガスを除去し、母材及び合材表面を活性化する。これを圧着すると、母材及び合材の両金属の原子間力によって引き寄せられ、接合される。爆発圧着は瞬時に行われるため、冷間圧着であり、その接合面は、図3(c)のさざ波状Paであって所々にカルマンうずPbが生じている。
チタンの平均線熱膨張係数は、200℃〜500℃のとき9.6×10−6/K〜10.0×10−6/Kであり、アルミニウムの平均線熱膨張係数やニッケルの平均線熱膨張係数より小さく、アルミナの平均線熱膨張係数に近い。よって、チタンを母材とし、これにアルミニウムやニッケルを合材とし、アルミニウムやニッケルの合材にアルミナを溶射した場合、溶射されたアルミナとサセプタとの熱膨張差を低減することができる。これにより、サセプタを20℃の室温から450℃のプロセス温度まで加熱したり、冷却しても応力が集中しにくい構造を作り上げることができる。これにより、溶射されたアルミナがひび割れたり、剥がれたりしてコンタミの原因となることを抑止できる。さらに、上述したように、接合面にて基材と合材とが強固に接合されているクラッド材を用いることにより、さらに剥離やひび割れを防止するとともにサセプタの機械的強度を高めることができる。
ここで、チタンとニッケル又はチタンとアルミニウムのクラッド材を用いる替わりに、チタンにアルミニウムを溶射した場合、アルミニウムがポーラス状になるため、アルミニウムがプラズマ処理に用いられるガスを通し、チタンが腐食されるおそれがある。また、チタンにアルミニウムを溶接した場合、アルミニウムがチタンの腐食によりチタンから剥離するという課題が残る。しかしながら、本発明に係るサセプタによれば、チタンからなる母材表面は、ニッケル又はアルミニウムからなる合材により覆われ、外側に露出していない。また、クラッド材ではチタンをカバーするアルミニウムやニッケルはガスを通さない。このため、チタンの腐食を防止した耐食性に優れたサセプタを提供することができる。さらに、母材が低熱膨張であるため、異部材間に生じる隙間も管理することができ、異常放電を防止することができる。
前記合材の厚みは、母材の厚みの1/10倍〜3/2倍であれば好ましい。耐食性、溶接強度、温度分布等を考慮したものである。
前記基材の表面に露出した合材には、アルミナ又はイットリアのいずれかが溶射されていてもよい。また、表面処理としてサンドブラストやアルマイト処理を行えば放射率が高くなりより好ましい。材料的にはアルミナの放射率が高く、熱を効率的に放出することができるため、アルミナをはじめとするセラミックスを溶射することは特に有効である。
前記基材には、リフトピンが貫通する貫通口が設けられ、前記貫通口には、ニッケルにより形成されたパイプ状の管が嵌着されていてもよい。
前記基材には、リフトピンが貫通する貫通口が設けられ、前記貫通口の両端の開口部には、ニッケルにより形成された2つのリング状部材がそれぞれ接合されるとともに、ニッケルにより形成されたベローズの両端部が前記2つのリング状部材に接合されていてもよい。
前記複数のクラッド材は、ねじ止めされ、ねじ穴にはニッケルが充填されていてもよい。
前記複数のクラッド材は、クラッド材同士が接合される際、互いに連通する位置に接合用の貫通口を有し、前記連通した貫通口を、接合されたクラッド材の母材及び合材と同じ厚さ及び同じ物質からなる閉塞部材により塞いでもよい。
上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、プラズマ源のエネルギーによりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理する処理室と、前記処理室の内部に設けられたサセプタと、を備えたプラズマ処理装置であって、前記サセプタは、被処理体を載置する基材を有し、前記基材は、チタンの母材とニッケル又はアルミニウムの合材とから形成されたクラッド材を複数用いて、前記母材が前記合材により覆われるように前記複数のクラッド材を接合させて形成されるプラズマ処理装置が提供される。
これによれば、サセプタにチタンの母材とニッケル又はアルミニウムの合材とから形成された複数のクラッド材が用いられる。このため、低熱膨張であって機械的強度が高いサセプタを構築できる。また、複数のクラッド材は、合材により母材の表面が露出しないように接合されている。このため、かかる構成のサセプタは、耐食性にも優れている。この結果、被処理体の大型化に合致した大型のサセプタを製造することができる。これにより、大型の被処理体上にプラズマ処理することが可能なプラズマ処理装置を提供することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、低熱膨張であって機械的強度及び耐食性の高いサセプタ及び当該サセプタを設置したプラズマ処理装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の縦断面図である。 同実施形態に係るサセプタ近傍の縦断面図である。 クラッド材の製造方法を示した図である。 同実施形態に係る複数のクラッド材を用いた基材の製造方法を示した図である。 図5(a)(b)は、同実施形態に係る基材に設けられた貫通口の縦断面図である。 図6(a)(b)は、同実施形態に係る複数のクラッド材の接合方法を示した図である。 他のプラズマ処理装置の縦断面図を示したである。 従来のプラズマ処理装置の縦断面図を示したである。 従来のプラズマ処理装置に係るサセプタ近傍の縦断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の構成及び機能を有する構成要素については、同一符号を付することにより、重複説明を省略する。
(マイクロ波プラズマ処理装置の概略)
まず、本発明の一実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は本装置の縦断面図を模式的に示す。
マイクロ波プラズマ処理装置10は、ガラス基板(以下、「基板G」という。)をプラズマ処理するための処理容器100を有している。処理容器100は、容器本体200と蓋体300とから構成される。容器本体200は、その上部が開口された有底立方体形状を有していて、その開口は蓋体300により閉塞されている。蓋体300は、上部蓋体300aと下部蓋体300bとから構成されている。容器本体200と下部蓋体300bとの接触面にはOリング205が設けられていて、これにより容器本体200と下部蓋体300bとが密閉され、処理室が画定される。上部蓋体300aと下部蓋体300bとの接触面にもOリング210及びOリング215が設けられていて、これにより上部蓋体300aと下部蓋体300bとが密閉されている。容器本体200及び蓋体300は、たとえば、アルミニウム合金等の金属からなり、電気的に接地されている。
処理容器内の中央には、基板Gを載置するためのサセプタ105が設けられている。サセプタ105の基材110にはクラッド材が用いられている。サセプタ105に用いられるクラッド材については後述する。基材110の表面はアルミナ溶射(図2のアルミナ溶射110c参照)され、アルミナインシュレータ115にて覆われている。アルミナ溶射の替わりにイットリアを溶射してもよい。サセプタ105は、アルミニウムにより形成された支持体120によって支持されている。サセプタ105の周囲には処理室のガスの流れを好ましい状態に制御するためのバッフル板125が設けられている。
基材110の下部中央には中空の導電部材130が設けられ、容器の外部に突出している。導電部材130には、マッチングボックス185内の整合器140aを介して高周波電源140が接続されている。高周波電源140からの高周波電力が導電部材130に印加されると、高周波の電流は、導電部材130の表面からサセプタ105の表面へ伝搬する。これにより、サセプタ105にバイアス電圧が印加される。基材110にはヒータ135が埋設され、ヒータ135には高周波カットフィルタFを介してヒータ源145が接続されている。ヒータ135としては、たとえばシースヒータや面状ヒータが用いられる。ヒータ源145から出力された交流電力は、ヒータ135に印加され、これにより、サセプタ105は加熱される。基材内部には温度センサ150が取り付けられていて、センサ値に応じた温調器155の制御により、サセプタ105の内部は、200〜450℃程度の高温に維持されるようになっている。温度センサ150と温調器155の間には、高周波カットフィルタFが設けられている。
支持体120に連結された連結部175aと処理容器100の底面との間はベローズ175bにて連結されていて、これにより、処理容器内の真空領域を容器外部の大気領域や支持体120内の大気空間S1やマッチングボックス185内の大気空間S2から遮断する。連結部175aとマッチングボックス185との接面にはシールドスパイラル195aが設けられている。導電部材130とサセプタ105とはメタルシール195bにより封止されている。シール部材195bに替えて溶接によりシールしたり、300℃以下の低温であればOリングを用いても良い。ベローズ175bの連結部分には、Oリング195dが配設されている。
サセプタ105には、複数の貫通口160が貫通している。貫通口160の下方にはリフトピン165及びリフトピン165を昇降する昇降機構170が設けられている。昇降機構170によりリフトピン165が上昇し、貫通口160を貫通して基板Gを支持する。これにより、基板Gをサセプタ上に載置したり、サセプタ上から搬送する。処理容器100の底部にはガス排出管180が設けられていて、処理容器100の外部に設けられた真空ポンプ(図示せず)を用いて処理容器100内のガスが排出される。
処理容器100の天井面には、誘電体板305、金属電極310及び金属カバー320が規則的に配置されている。金属電極310及び金属カバー320の周囲には、サイドカバー350が設けられている。誘電体板305、金属電極310及び金属カバー320は、僅かに角が削られた略正方形のプレートである。なお、菱形であってもよい。本明細書において、金属電極310は、金属電極310の外縁部から誘電体板305が概ね均等に露出するように誘電体板305に隣接して設けられた平板をいう。これにより、誘電体板305は、蓋体300の内壁と金属電極310によりサンドイッチされる。金属電極310は、処理容器100の内壁と電気的に接続されている。
誘電体板305及び金属電極310は、基板Gや処理容器100に対して概ね45°傾いた位置に等ピッチで8枚配置される。ピッチは、一つの誘電体板305の対角線の長さが、隣り合う誘電体板305の中心間の距離の0.9倍以上になるように定められている。これにより、誘電体板305のわずかに削られた角部同士は隣接して配置される。
金属電極310と金属カバー320は、誘電体板305の厚さ分、金属カバー320の方が厚い。かかる形状によれば、天井面の高さがほぼ等しくなると同時に、誘電体板305が露出した部分やその近傍のねじ穴の形状もすべてほぼ同じパターンになる。誘電体板305はアルミナにより形成され、金属電極310、金属カバー320及びサイドカバー350はアルミニウム合金により形成されている。
誘電体板305及び金属電極310は、ねじ325により蓋体300に支持されている。金属カバー320及びサイドカバー350も同様に蓋体300の本体部分にねじ325で取り付けられている。上部蓋体300aと下部蓋体300bとの間には、紙面に垂直な方向に格子状に形成された主ガス流路330が設けられている。主ガス流路330は、複数のねじ325内に設けられた第3のガス流路325aにガスを分流する。第3のガス流路325aの入口には、流路を狭める細管335が嵌入されている。細管335は、セラミックスや金属からなる。金属電極310と誘電体板305との間には第1のガス流路310aが設けられている。金属カバー320と誘電体板305との間及びサイドカバー350と誘電体板305との間にも第2のガス流路320a1,320a2が設けられている。ねじ325の先端面は、プラズマの分布を乱さないように、金属電極310、金属カバー320及びサイドカバー350の下面と面一になっている。金属電極310に開口された第1のガス放出穴345a、金属カバー320及びサイドカバー350に開口された第2のガス放出穴345b1、345b2は均等なピッチで配設されている。
ガス供給源700から出力されたガスは、主ガス流路330から第3のガス流路325a(枝ガス流路)を通過し、金属電極310内の第1のガス流路310a及び金属カバー320及びサイドカバー350内の第2のガス流路320a1,320a2を通って第1のガス放出穴345a及び第2のガス放出穴345b1、345b2から処理室内に供給される。第1の同軸管610の外周近傍の下部蓋体300bと誘電体板305との接触面にはOリング220が設けられていて、第1の同軸管610内の大気が処理容器100の内部に入らないようになっている。
冷媒供給源705は、蓋体内部の冷媒配管710に接続されていて、冷媒供給源705から供給された冷媒が蓋体内部の冷媒配管710内を循環することにより処理容器100を所望の温度に保つようになっている。第4の同軸管の内部導体640aの内部には、その長手方向に冷媒配管715が貫通している。この流路に冷媒を通すことにより、内部導体640aの加熱を抑止するようになっている。
蓋体300を掘り込んで形成された第1の同軸管の外部導体610bには、内部導体610aが挿入されている。同様にして掘り込んで形成された第2〜第4の同軸管の外部導体620b〜640bには、第2〜第4の同軸管の内部導体620a〜640aが挿入され、その上部は蓋体カバー660で覆われている。各同軸管の内部導体は熱伝導のよい銅で形成されている。
誘電体板305の表面は、第1の同軸管610から誘電体板305にマイクロ波が入射する部分と誘電体板305からマイクロ波が放出される部分を除いて金属膜305aにて被覆されている。これにより、誘電体板305とそれに隣接する部材間に生じた空隙によってもマイクロ波の伝搬が乱されず、安定してマイクロ波を処理容器内に導くことができる。
この結果、誘電体板305から放出されたマイクロ波は、表面波となって電力を半分に分配しながら金属電極310、金属カバー320及びサイドカバー350の表面を伝搬する。処理容器内面の金属面とプラズマとの間を伝搬する表面波を、以下、導体表面波(金属表面波:Metal Surface Wave)という。これにより、天井面全体に、導体表面波が伝搬し、本実施形態に係るプラズマ処理装置10の天井面下方にて、均一なプラズマが安定的に生成され、そのプラズマにより基板Gに所望の処理が施される。プラズマ処理の一例としては、マイクロクリスタル、アモルファスシリコン、SiO、SiNの成膜が挙げられる。
(サセプタの内部構成)
次に、サセプタ105の内部構成について、図2を参照しながら説明する。前述したように、サセプタ105の基材110には複数枚のクラッド材が用いられている。クラッド材の製造方法は、図3(a)に示したように、母材であるチタン(Ti)上に合材であるニッケル(Ni)の板を、間隔を空けて重ね、その上に爆薬Bmpをセットする。爆薬Bmpの爆発時の高エネルギーにより、図3(b)に示したように、合材Niは母材面に高速駆動され、母材と合材との衝突面から液化した金属(メタルジェット)が発生する。メタルジェットは、母材Tiの表面の付着物や吸着ガスを除去し、母材Tiの表面及び合材Niの表面を活性化する。これを圧着すると、母材Ti及び合材Niの当接部分は両金属の原子間力によって引き寄せられ、接合される。爆発圧着は瞬時に行われるため、冷間圧着であり、母材Ti及び合材Niの接合面は、図3(c)に示したようにさざ波状Paであって所々にカルマンうずPbが生じている。
このようにして製造されたクラッド材では、母材と合材とが強固に接合されている。よって、クラッド材をサセプタ105に用いるとサセプタ105の機械的強度を高めることができる。特に、近年の基板Gの大型化に伴いサセプタ105も大型化が必要になっている。現時点では、G8,G10の基板サイズに合わせてサセプタ105を大型化しなければならない。そのため、たとえば基板サイズ3000mm×3000mmの基板では、サセプタ105のサイズを3100mm×3100mm程度にする必要がある。これをたとえばカーボンで実現しようとすると、カーボンは強度が弱いため、基材が反ってしまサセプタとしての機械的強度が保てなくなる。これに対して、複数枚のカーボンを接着して基材を形成し、大型サイズのサセプタに対応することも考えられる。しかしながら、接着部分にゴミが生じたり、接着面で機械的強度が保てなくなる等、カーボンによるサセプタ105の大型化には限界がある。これに対して、本実施形態によれば、前述したようにチタンとアルミニウム又はニッケルのクラッド材を用いることによりサセプタ105の機械的強度を高め、サセプタ105の大型化に柔軟に対応することができる。
チタンは熱拡散率が小さい。このため、発熱体であるヒータ135は基材110の中心に配置する。また、ヒータ135を挟む2枚のクラッド材の厚みは同一であるか、異なる場合でも、ヒータ135の厚みである2mm以内に収められている。
次に、複数のクラッド材を用いたサセプタの製造方法について、図4を参照しながら説明する。基材110は、4枚のクラッド材を用いて矩形上に成形されている。図4(a)に示したように、まず、基材110の中心部分となる二枚のクラッド材KA、KBを接合する。クラッド材KA、KBは、間にヒータ135を挟んだ状態にてチタンの母材側を合わせてニッケルの合材側がサセプタの表面側にくるように配置する。この状態にて、クラッド材KB側に設けられた複数のねじ穴にねじSを挿入し、クラッド材KA,KBをねじ止めする。
次に、図4(b)に示したように、ねじSが挿入されたねじ穴に合材と同じ材質のニッケルを埋め込み、溶接によりクラッド材KBの合材のニッケルと接合する。また、クラッド材KA、KBの母材の側部を母材の厚み分削り落とす。削られた部分には、図4(c)に示したように、クラッド材KC、KDの母材が嵌入され、前述した方法と同様に、複数のねじSでクラッド材KA,KBにねじ止めされる。最後に、ねじSが挿入されたねじ穴に合材と同じ材質のニッケルを埋め込み、溶接によりクラッド材KC、KDの合材のニッケルと接合する。クラッド材KA,KBの合材のニッケルとクラッド材KC、KDの合材のニッケルも溶接する。このようにして、図2に示したように、基材110は、複数のクラッド材を用いて、母材110aが合材110bにより覆われるように各クラッド材を接合させて形成される。なお、各クラッド材の接合は電子ビーム溶接(EBW:Electron Beam Welding)により行われる。合材がアルミニウムの場合には、電子ビーム溶接(EBW)に替えて摩擦攪拌接合(FSW:Friction Stir Welding)を用いることができる。合材にニッケルを用いた場合には、ニッケルは融点が高いため、摩擦攪拌接合(FSW)は使えない。
合材110bの厚みは、母材110aの厚みの1/10倍〜3/2倍が好ましい。たとえば、電子ビーム溶接(EBW:Electron Beam Welding)を行う際、ビームが母材に達すると合材と母材との界面にて合金層が形成され、割れの原因となる。よって、電子ビーム溶接は合材の厚みの範囲内で行わなければならない。電子ビーム溶接に必要な合材の最小限の厚みは3mmである。これに合金層形成を防止するためのマージンを1mm取って、クラッド材1枚の合材の厚みは4mmに設定されることが好ましい。
サセプタ全体の厚さを薄くすると、重量が軽く、熱膨張に有利で、熱膨張による変形のおそれも減り、コストも安くなるが、温度分布の面からするとサセプタ全体の厚さはある程度厚くする必要がある。これらを考慮して、サセプタの厚さを30mm〜40mmに設計する。本実施形態では、クラッド材1枚の合材110bの厚みを4mm、クラッド材2枚のトータルの厚みを30mmとした。よって、クラッド材1枚の厚み15mmに対して母材の厚みは、11mm(=15−4)となる。たとえば、クラッド材2枚のトータルの厚みを40mmとした場合には、クラッド材1枚の厚み20mmに対して母材の厚みは、16mm(=20−4)となる。
合材の厚さと母材の厚さの比率について考える。たとえばヤング率ε(=σ:応力/E:歪み)を考えると、チタンはアルミニウムの1.5倍であり、ニッケルの1/2倍である。このことから、アルミニウムを合材とする場合、合材は母材より厚くすることが可能であり、合材の厚さは母材の厚さの最大1.5倍とすることができる。
次に、母材に対して合材をどの程度まで薄くできるかについて考える。一般的な電力供給でサセプタを450℃まで昇温させるためには2時間程度かかる。サセプタを構成する母材及び合材の厚みが増えると、当然昇温に必要な電力を増加するか、昇温時間を長くする必要が生じる。また、稼働中(プロセス中)の応答性も悪化する。たとえば、サセプタの厚みを90mm程度にすると、昇温や応答性が悪化し、機械的強度や内部温度の均一性に対してもディメリットが大きい。これを考慮すると、合材の厚さは薄い方が好ましい。しかしながら、サセプタ105のトータルの厚みの適正化は、温度分布(厚い方が有利:特に合材が厚いと有利)、応答性(薄い方が有利)、高温強度(厚い方が有利)、重量(薄い方が軽くて有利)、溶接強度(合材が厚い方が有利)、熱膨張(合材は薄い方が有利)を考慮して決定する必要がある。これらを考慮した結果、発明者らは合材の厚さは母材の厚さの1/10以上が好ましいと結論付けた。この場合、合材の厚さが1mm程度になることも考えられるが、摩擦攪拌溶接FSWであれば、溶接は可能である。
チタンの平均線熱膨張係数は、200℃〜500℃のとき9.6×10−6/K〜10.0×10−6/Kであり、アルミニウムの平均線熱膨張係数ややニッケルの平均線熱膨張係数より小さく、アルミナの平均線熱膨張係数に近い。よって、チタンを母材とし、これにアルミニウムやニッケルを合材とし、アルミニウムやニッケルの合材にアルミナを溶射した場合、溶射されたアルミナとサセプタとの熱膨張差を低減することができる。これにより、サセプタを20℃の室温から450℃のプロセス温度まで加熱したり、冷却しても応力が集中しにくい構造を作り上げることができる。これにより、溶射されたアルミナがひび割れたり、剥がれたりしてコンタミの原因となることを抑止できる。さらに、上述したように、接合面にて基材と合材とが強固に接合されているクラッド材を用いることにより、さらに剥離やひび割れを防止するとともにサセプタの機械的強度を高めることができる。
また、本実施形態に係るサセプタ105は、耐食性にも優れている。たとえば、チタンとニッケルとのクラッド材を用いる替わりに、チタンにアルミニウムを溶射した場合、アルミニウムがポーラス状になるため、アルミニウムがプラズマ処理に用いられるガスを通し、チタンが腐食されるおそれがある。また、チタンにアルミニウムを溶接した場合、アルミニウムがチタンの腐食によりチタンから剥離するという課題が残る。しかしながら、本発明に係るサセプタ105では、チタンからなる母材はアルミニウムやニッケルからなる合材により覆われ、外側に露出していない。このため、プラズマが、母材であるチタンと接触しない。また、クラッド材では合材のアルミニウム又はニッケルは、溶射のようにポーラス状でない。よって、合材のアルミニウム又はニッケルはプラズマ耐性及びガス耐性に優れる。よって、ガスがアルミニウム又はニッケルを通してチタンを腐食することがない。これらの理由から、本実施形態によれば、耐食性に優れたサセプタ105を構築することができる。
また、高周波電源140から出力された高周波の電流は、サセプタ105のニッケル又はアルミニウムの表層を流れる。その際、支持体120とアルミナインシュレータ115との隙間を0.5mm以下に管理すると、隙間にて異常放電が発生することを防止できる。しかし、図9に示した従来の装置では、基材110のアルミニウムとその周りを形成するアルミナの熱膨張差が大きいため、アルミナインシュレータ910と支持体990との隙間αが0.5mm以上になってしまい、この隙間αにプラズマが入り込んで異常放電が生じる場合があった。
一方、チタンの線熱膨張係数は、アルミニウムやニッケルの線熱膨張係数より小さい。よって、本実施形態に係るサセプタ105によれば、アルミナインシュレータ115と支持体120との隙間を0.5mm以下に管理することができる。この結果、隙間にて異常放電が生じることを防止できる。
図2に戻り、サセプタの内部構成について説明を続ける。クラッド材110には、100μm〜400μm程度の厚さのアルミナが溶射され、これにより、アルミナインシュレータ115が形成されている。これにより、アルミナの放射熱で基板Gを温めることができる。このように、基材110の表面に、アルミナやイットリアを溶射したり、アルマイト処理を行うことによりサセプタ105の耐食性や放射率を高めている。また、チタンとニッケルとから形成されたクラッド材の場合、チタンとニッケルとの熱膨張差が小さいため、基板110の反りを防止するために有効である。
このようにして、本実施形態のサセプタ105は、チタン、ニッケル、アルミナの順に隣接して形成されている。チタンにアルミナを直接溶射しないのは、アルミナには耐食性があるが、溶射ではアルミナインシュレータ115がポーラス状に形成されるので、チタンにアルミナを直接溶射するとポーラスの気孔間からガスが通され、内部のチタンを腐食させてしまうからである。これに対して、本実施形態にかかるサセプタ105では、チタンをニッケル又はアルミニウムで覆うことにより、アルミナ溶射のポーラスの気孔間からガスが通されても、ニッケルの耐食性により内部のチタンが腐食することからガードされる。
基材110にアルミナを溶射する替わりにイットリアを溶射してもよい。ただし、イットリアの場合、フッ素系ガスに弱く剥がれる危険性があるため、フッ素系ガスを用いないプロセスに好適である。
(リフトピンの貫通口)
次に、サセプタ105に設けられたリフトピンの貫通口160について、図2及び図5を参照しながら説明する。図2に示したように、基材110には、複数の貫通口160が設けられている。前述したように、リフトピン165は、貫通口160を貫通して基板Gの裏面に当接し、基板Gを持ち上げる。貫通口160の内壁面に母材110aのチタンが露出していると、プラズマが貫通口160の内部に入り込んだ際に腐食されたり、異常放電を生じさせるおそれがある。よって、図5(a)に示したように、基材110の貫通口160には、ニッケルのスリーブ110c(パイプ状の管)が嵌着される。スリーブ110cとクラッド材の合材110bとは溶接される。また、摺動性を向上させるために、ニッケルのスリーブ110cの内側にさらにアルミナ又はジルコニアのスリーブ110hが嵌着される。なお、スリーブ110cとクラッド材の合材110bとは溶接により接合されている。
サセプタ上の基板Gの温度を350℃程度にするためには、ヒータ135によりサセプタ105を450℃程度まで昇温する必要がある。加熱の際、基材110にアルミニウムやニッケルを用いるとこれらの材質は線膨張係数が大きいため、伸縮が大きい。たとえば、20℃〜350℃のとき、アルミニウムの平均線熱膨張係数は25×10−6/K、ニッケルの平均線熱膨張係数は15×10−6/K程度である。これに対して、アルミナの平均線熱膨張係数は7.8×10−6/Kである。このように、アルミニウムやニッケルの線熱膨張係数は、アルミナの線熱膨張係数の2〜3倍も大きい。基材905の中心から端部までの長さは1500mmであるため、この状態で、アルミニウムからなる基材905を室温の25℃からプロセス温度の450℃まで昇温すると、基材905の中心から端部までの長さは約16mmも伸びる。これに対して、ガラスの線熱膨張係数は、200℃〜300℃のとき、3.8×10−6/Kである。よって、ヒータ135の温度を450℃に設定した場合のガラス基板Gの伸びは約2mmである。この結果、貫通口160を貫通したリフトピン165は、基板Gの側部より外側に突出してしまい基板Gの裏面に当接せず、基板Gをリフトできない場合がある。
しかしながら、本実施形態によれば、基材110が、チタンとニッケル又はアルミニウムのクラッド材により形成されていればよいため、チタンの低熱膨張により基板Gを搬送するためのリフトピン165の位置決め誤差を小さくすることができる。また、図5(a)では、貫通口160にニッケルのスリーブ110c及びアルミナ又はジルコニアのスリーブ110hが嵌着されている。これにより、貫通口160の内壁にチタンが露出しないため、プラズマによるチタンの腐食を防ぎ、異常放電の発生を防止することができる。
ただし、図5(a)では、スリーブ110c、110hとこれらのスリーブに密着したニッケル及びチタンの組み合わせからなる基材110との間にて高さ方向に熱膨張差が生じる。これに対して、図5(b)に示したように、貫通口160の両端部にてニッケルにより形成された2つのリング状部材110d,110eをクラッド材の合材110bにそれぞれ接合し、ニッケルにより形成されたベローズ110fの両端部を2つのリング状部材110d,110eの開口周辺に接合する。クラッド材の母材110aとベローズ110fとの間は空間になっている。これにより、クラッド材の母材110aのチタンはリング状部材110d,110eとベローズ110fによりプラズマ側に露出しない。この結果、プラズマによりチタンが腐食されることを防止することができるとともに、母材110aの熱膨張をベローズ110fにて吸収することができる。
以上に説明したように、本実施形態によれば、ニッケルとチタンとから形成されたクラッド材を複数用いて基材110を構成することにより、低熱膨張で機械的強度が高く、プラズマ耐性、ガス耐性等の耐食性に優れたサセプタ105を提供することができる。その際、主に低熱膨張及び機械的強度はチタンで担保し、耐食性はニッケルで担保する。
合材110bの厚みは、母材110aの厚みの1/10倍〜3/2倍が好ましい。たとえば、電子ビーム溶接(EBW:Electron Beam Welding)を行う際、ビームが母材に達すると合材と母材との界面にて合金層が形成され、割れの原因となる。よって、電子ビーム溶接は合材の厚みの範囲内で行わなければならない。電子ビーム溶接に必要な合材の最小限の厚みは3mmである。これに合金層形成を防止するためのマージンを1mm取って、クラッド材1枚の合材の厚みは4mmに設定されることが好ましい。
サセプタ全体の厚さを薄くすると、重量が軽く、熱膨張に有利で、熱膨張による変形のおそれも減り、コストも安くなるが、温度分布の面からするとサセプタ全体の厚さはある程度厚くする必要がある。これらを考慮して、サセプタの厚さを30mm〜40mmに設計する。本実施形態では、クラッド材1枚の合材110bの厚みを4mm、クラッド材2枚のトータルの厚みを30mmとした。よって、クラッド材1枚の厚み15mmに対して母材の厚みは、11mm(=15−4)となる。たとえば、クラッド材2枚のトータルの厚みを40mmとした場合には、クラッド材1枚の厚み20mmに対して母材の厚みは、16mm(=20−4)となる。
合材の厚さと母材の厚さの比率について考える。たとえばヤング率ε(=σ:応力/E:歪み)を考えると、チタンはアルミニウムの1.5倍であり、ニッケルの1/2倍である。このことから、アルミニウムを合材とする場合、合材は母材より厚くすることが可能であり、合材の厚さは母材の厚さの最大1.5倍とすることができる。
次に、母材に対して合材をどの程度まで薄くできるかについて考える。一般的な電力供給でサセプタを450℃まで昇温させるためには2時間程度かかる。サセプタを構成する母材及び合材の厚みが増えると、当然昇温に必要な電力を増加するか、昇温時間を長くする必要が生じる。また、稼働中(プロセス中)の応答性も悪化する。たとえば、サセプタの厚みを90mm程度にすると、昇温や応答性が悪化し、機械的強度や内部温度の均一性に対してもディメリットが大きい。これを考慮すると、合材の厚さは薄い方が好ましい。しかしながら、サセプタ105のトータルの厚みの適正化は、温度分布(厚い方が有利:特に合材が厚いと有利)、応答性(薄い方が有利)、高温強度(厚い方が有利)、重量(薄い方が軽くて有利)、溶接強度(合材が厚い方が有利)、熱膨張(合材は薄い方が有利)を考慮して決定する必要がある。これらを考慮した結果、発明者らは合材の厚さは母材の厚さの1/10以上が好ましいと結論付けた。この場合、合材の厚さが1mm程度になることも考えられるが、摩擦攪拌溶接FSWであれば、溶接は可能である。
従来のプラズマ処理装置では、図9に示したように、給電棒915は、基材905の内部に埋め込まれた絶縁材985を貫通し、給電点915aに電極に接続される。基材905の表面をアルミニウムにより溶射した後、その上にアルミナを溶射してアルミナ溶射910を形成し、その上に電極となるタングステンを溶射し、さらにその上にアルミナを再溶射する。このような4層溶射の構造により、タングステンの電極はポーラス状に形成される。このため、電極棒915と電極との密着性が悪い。よって、高周波電流が基材表面を流れる際、給電点915aにて電力の損失が生じて発熱したり、異常放電が生じたりする場合があった。
しかしながら、本実施形態に係るサセプタ105では、高周波電源140から出力された高周波電力は、導電部材130の表面を伝わってサセプタ105の表面へ伝搬する。これにより、従来のように給電点915aにて電力が損失して発熱が生じることがなく、異常放電も生じない。この結果、本実施形態に係るサセプタ105によれば、電気特性に優れ、電力供給効率の高い下部電極を実現することができる。
なお、上述した複数のクラッド材から基材110を製造する方法では、図6の上部に示したように、複数のクラッド材を接合させるためにねじSを用いた。これに替えて、図6の下部に示したように、複数のクラッド材同士を接合する際、互いに連通する位置に接合用の貫通口190を有し、その連通した貫通口190を、隣接する母材及び合材と同じ厚さの同一物質からなるボス110gにより塞いでもよい。すなわち、ボス110gは、母材と同じ材質、同じ厚みのチタンを合材と同じ材質、同じ厚みのニッケルにて挟んだ構成となる。ボス110gのニッケル部分と合材110bとは溶接される。なお、ボス110gは、接合用の貫通口を塞ぐ閉塞部材の一例である。また、複数のクラッド材同士を接合する際、図6の上下部に示した接合方法の両方を用いてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、本発明に係るプラズマ処理装置は、平行平板型プラズマ処理装置(容量結合型:Capacitive Coupled Plasma)、ICP(Inductive Coupled Plasma)、ECR(Electron Cyclotron Resonance)等、あらゆるプラズマ処理装置に適用できる。その際のプラズマ源としては高周波電源、マイクロ波源等いずれであってもよい。
また、たとえば、本発明に係るプラズマ処理装置は、図7に示したCMEPプラズマ処理装置(CMEP:Cellular Microwave Excitation Plasma)であってもよい。
CMEPプラズマ処理装置10は、処理容器100と蓋体200とを有している。処理容器内の中央には、基板Gを載置するためのサセプタ105が設けられている。サセプタ105の基材110にはクラッド材が用いられている。基材110の表面には、アルミナやイットリアが溶射されている。
蓋体200には、6本の方形導波管205、スロットアンテナ210および複数枚の誘電体板215が設けられている。6本の方形導波管205は、その断面形状が矩形状であり、蓋体200内にて等間隔に配置されている。各方形導波管205の内部は、フッ素樹脂(たとえばテフロン(登録商標))、アルミナ(Al)、石英などの誘電部材205aにより充填されている。なお、各方形導波管205は、図示しないマイクロ波源と連結している。
スロットアンテナ210は、アルミニウムなどの金属であって非磁性体により形成されている。スロットアンテナ210には、各方形導波管205の下面にてスロット210a(開口)がそれぞれ等間隔に開けられている。各スロット210aの内部には、フッ素樹脂、アルミナ(Al)、石英などの誘電部材210a1が充填されている。各誘電体板215はタイル状に形成されていて、格子状の金属梁220に支持されている。各誘電体板215は、石英ガラス、AlN、Al、サファイア、SiN、セラミックスなどの誘電材料を用いて形成されている。
以上に説明した構成により、マイクロ波源から出力された、たとえば、2.45GHzのマイクロ波は、各方形導波管205、各スロット210aから各誘電体板215を透過して処理室に放射される。放射されたマイクロ波は、ガス供給源700から供給されたガスを励起させ、これにより、生成されたプラズマによりサセプタ105に載置された大型基板Gに所望のプラズマ処理が施される。
本発明に係るプラズマ処理装置は、成膜処理、拡散処理、エッチング処理、アッシング処理、プラズマドーピング処理など、プラズマにより被処理体を微細加工する各種プロセスを実行することができる。
また、本発明にかかるプラズマ処理装置のサセプタには、ガラス基板の他、円形のシリコンウエハや角型のSOI(Silicon On Insulator)基板を載置することができる。
10 プラズマ処理装置
100 処理容器
105 サセプタ
110 基材
110a 母材
110b 合材
110c スリーブ
110d,e リング
110f、175b ベローズ
110g ボス
115 アルミナインシュレータ
120 支持体
130 導電部材
135 ヒータ
140 高周波電源
145 ヒータ源
160 貫通口
165 リフトピン
KA,KB,KC,KD クラッド材
S ねじ

Claims (8)

  1. プラズマ処理装置の内部に設けられたサセプタであって、
    前記サセプタは、被処理体を載置する基材を有し、
    前記基材は、チタンの母材とニッケル又はアルミニウムの合材とから形成されたクラッド材を複数用いて、前記母材が前記合材により覆われるように前記複数のクラッド材を接合させて形成されるサセプタ。
  2. 前記合材の厚みは、前記母材の厚みの1/10倍〜3/2倍である請求項1に記載されたサセプタ。
  3. 前記基材の表面に露出した合材には、アルミナ又はイットリアのいずれかが溶射されている請求項1又は請求項2のいずれかに記載されたサセプタ。
  4. 前記基材には、リフトピンが貫通する貫通口が設けられ、前記貫通口には、ニッケルにより形成されたパイプ状の管が嵌着されている請求項1〜3のいずれかに記載されたサセプタ。
  5. 前記基材には、リフトピンが貫通する貫通口が設けられ、前記貫通口の両端の開口部には、ニッケルにより形成された2つのリング状部材がそれぞれ接合されるとともに、ニッケルにより形成されたベローズの両端部が前記2つのリング状部材に接合されている請求項1〜3のいずれかに記載されたサセプタ。
  6. 前記複数のクラッド材は、ねじ止めされ、ねじ穴にはニッケルが充填されている請求項1〜5のいずれかに記載されたサセプタ。
  7. 前記複数のクラッド材は、クラッド材同士が接合される際、互いに連通する位置に接合用の貫通口を有し、前記連通した貫通口を、接合されたクラッド材の母材及び合材と同じ厚さ及び同じ物質からなる閉塞部材により塞ぐ請求項1〜6のいずれかに記載されたサセプタ。
  8. プラズマ源のエネルギーによりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理する処理室と、前記処理室の内部に設けられたサセプタと、を備えたプラズマ処理装置であって、
    前記サセプタは、被処理体を載置する基材を有し、
    前記基材は、チタンの母材とニッケル又はアルミニウムの合材とから形成されたクラッド材を複数用いて、前記母材が前記合材により覆われるように前記複数のクラッド材を接合させて形成されるプラズマ処理装置。
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