JP2010205503A - 封止された素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】端面からの水分や酸素の浸入がより抑制された封止された素子を提供する。
【解決手段】素子と、該素子を狭持して、端部において互いに接している一対のフレキシブルなガスバリアフィルムと、バリア性部材とを有し、前記一対のガスバリアフィルムの互いに接している領域の少なくとも一部に、凹部が設けられており、前記バリア性部材は、少なくとも、前記ガスバリアフィルムの端面と、前記ガスバリアフィルムであって、凹部が設けられている部分とを覆っている、封止された素子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスバリアフィルムを用いて封止された素子に関する。
従来から、ガスバリアフィルムを用いて、表示素子への水分や酸素の浸入を封止することが行われている。例えば、一対のガスバリアフィルムに表示素子を狭持し、該表示素子を狭持したガスバリアフィルム同士の端部を接着剤で貼り合せることにより、表示素子を封止する。しかしながら、かかる方法では、ガスバリアフィルム同士の接合部分から接着剤を介して水分や酸素が侵入してしまう。
特に、近年、ガスバリアフィルムの性能が向上しており、これによって覆われている表示素子の上下方向からの水分や酸素の侵入は、格段に抑えられるようになっているため、端面方向からの水分や酸素の浸入が相対的に無視できない大きさになりつつある。
そこで、特許文献1および特許文献2では、ガスバリアフィルムを折り返して、ガスバリアフィルム端面からの水分や酸素の侵入を防ぐことが行われている。かかる方法を採用すると、水分や酸素の浸入がある程度抑制されるが、折り返した部分の端面からの水分や酸素の侵入が問題となる場合がある。また、折り返し部分を長くする方が、ガスバリア性能は向上するが、素子の非発光領域の部分が大きくなってしまうという問題がある。特に、大型のパネルであれば多少大きくても問題はないが、携帯電話用ディスプレイなど小型ディスプレイである場合、十分な封止能を付与するための端面封止スペースを確保すると表示面積に対する端面封止エリアが膨大なものとなる。さらに、折り返す場合、角の部分からの水分や酸素の浸入を検討する必要がある。加えて、封止に用いるガスバリアフィルムを折り曲げるに際し、ガスバリア層が割れてしまう場合もある。
また、特許文献1では、端部に水分や酸素の透過性が低い材料を用いているが、透過性の低い材料は表面にアルミニウムなどの無機層を蒸着したフィルムなど特定のものに限られている。
特開2008−103254号公報 特開2008−107438号公報
本発明は上記課題を解決することを目的としたものであって、ガスバリアフィルムで封止された表示素子であって、端面からの水分や酸素の浸入がより抑制された封止された素子に関する。
上記課題のもと、本願発明者が鋭意検討を行った結果、ガスバリアフィルムの端部に凹部を設け、さらに、該凹部を含む端部をバリア性部材で封止することにより、端部を短くしたり、透過性の低い材料を用いなくても、端面からの水分や酸素の浸入を抑制することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下の手段により、達成された。
(1)素子と、該素子を狭持して、端部において互いに接している一対のフレキシブルなガスバリアフィルムと、バリア性部材とを有し、前記一対のガスバリアフィルムの互いに接している領域の少なくとも一部に、凹部が設けられており、前記バリア性部材は、少なくとも、前記ガスバリアフィルムの端面と、前記ガスバリアフィルムであって、凹部が設けられている部分とを覆っている、封止された素子。
(2)前記バリア性部材は、前記凹部の形状に嵌合する形状である、(1)に記載の封止された素子。
(3)前記一対のガスバリアフィルムの互いに接している領域の外側の最表層少なくとも一部に凹部が設けられている、(1)または(2)に記載の封止された素子。
(4)前記凹部が、複数設けられている(1)〜(3)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(5)前記最表層の厚みの60%以上の深さを有する凹部の面積が、ガスバリアフィルムのうちバリア性部材によって覆われている領域の表面の面積の5%〜50%である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(6)前記凹部が、35μm以上連続した溝である(1)〜(5)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(7)前記ガスバリアフィルムの、上記バリア性部材によって覆われている領域の面積に対し、凹部が設けられた面積の比率が5〜50%である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(8)前記凹部が、ガスバリアフィルムのフィルム断面から見て、V字形、U字形および角形から選択されるいずれかの形状である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(9)上記ガスバリアフィルム端面上の任意の点と、素子上の任意の点とを結ぶ線分のうちバリア性部材に覆われている線分上に、前記凹部が少なくとも2つ以上設けられていることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(10)前記最表層の厚みの60%以上の深さを有する凹部の面積が、ガスバリアフィルムのうちバリア性部材によって覆われている領域の表面の面積の5%〜50%である、(1)〜(9)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(11)前記ガスバリアフィルムが、基材フィルムと、少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機層とを有する、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(12)前記凹部に、吸水剤を設けた、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(13)前記バリア性部材が、少なくとも1層以上の保護層で覆われている、(1)〜(12)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(14)前記保護層が、有機材料を含む、(13)に記載の封止された素子。
(15)前記素子が、光電変換素子である、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の封止された素子。
(16)前記素子が、発光素子または発電素子である、(15)に記載の封止された素子。
(17)前記素子が、有機EL素子または太陽電池である、(15)に記載の封止された素子。
(18)(1)〜(15)のいずれか1項に記載の素子で情報を表示することを特徴とするディスプレイパネル。
本発明により、ガスバリアフィルムの端部を短くくしたり、透過性の低い材料を用いなくても、ガスバリアフィルムの端面からの水分や酸素の浸入を抑制することが可能になった。
本発明の封止された表示素子の好ましい一例の概略図を示す。 図1の部分拡大図を示す。 従来の封止された素子および本発明の封止された素子の概略図を示す。 ガスバリアフィルムの両面に凹部を設ける場合のガスバリアフィルムの概略図を示す。 本発明における凹部を設ける位置の第一の例を示す。 本発明における凹部を設ける位置の第二の例を示す。 本発明における凹部を設ける位置の第三の例を示す。 図7(a)の部分拡大図を示す。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本発明の封止された素子は、素子と、該素子を狭持して、端部において互いに接している一対のフレキシブルなガスバリアフィルムと、バリア性部材とを有し、前記一対のガスバリアフィルムの互いに接している領域の少なくとも一部に、凹部が設けられており、前記バリア性部材は、少なくとも、前記ガスバリアフィルムの端面と、前記ガスバリアフィルムであって、凹部が設けられている領域とを覆っていることを特徴とする。
ここで、一対のガスバリアフィルムの端部において互いに接しているとは、一対のガスバリアフィルムの間に素子が存在し、かつ、該素子が露出しないように、ガスバリアフィルム同士が接している態様を広く含む趣旨である。通常は、素子を包含した耳の領域が端部に該当する。尚、フレキシブルなガスバリアフィルムとは、素子を狭持可能な程度の柔軟性を持つガスバリアフィルムを意味する。そして、本発明では、端部に、凹部を設けることにより、この端部を短くしても、高いバリア性能を確保できる点で有為である。
以下、図面に従って、本発明の封止された素子を説明する。本発明は、図示されたものに限定されるものではないことは言うまでもない。
図1は、本発明の封止された素子の実施形態の一例を示した概略図であって、1は素子を、2はガスバリアフィルムを、3はバリア性部材をそれぞれ示している。図2は、図1の部分拡大図であって、まるで囲んだ部分を拡大したものである。
本実施形態では、バリア性部材3は、ガスバリアフィルムの端面21および凹部を含む端部22を覆っている。このようにガスバリアフィルムの端面21および凹部を含む端部22を覆うことにより、ガスバリアフィルムの端面、特に接着剤同士の接合部分からの水分や酸素の浸入を減少させることができる。ガスバリアフィルムは、通常、基材フィルム23側が外側に、バリア性積層体24側が内側になるよう、構成される。バリア性部材は、さらに、保護層で覆われていても良い。保護層の詳細は、後述する。
凹部は、一対のガスバリアフィルムの互いに接している領域の少なくとも一部に設けられる。このような位置に、凹部を設けることにより、ガスバリアフィルムのフィルム端面から侵入した水分や酸素が素子に到達するまでの流路が長くなり、長期間に渡って水分や酸素の浸入を抑制することが可能になる。この点について、図3を用いて説明する。図3は、従来の封止された素子(a)と本発明の封止された素子(b)の概略図をそれぞれ示したものである。符号は、図1および図2と共通である。ここで、従来の封止された素子(a)では、水分が最表層中を容易に移動する。これは、ガスバリアフィルムの最表層の水分が、端面21側へ移動し、該端面から内部に浸透することによる。これに対し、本発明の封止された素子(b)では、凹部を設けているため、この部分の水分の移動が抑制され、その流路の先に再び流路幅が拡がる部分があることにより内部に向かって直進する水分量はさらに抑えられる。結果として、端面からの水分の浸入が抑制される。尚、ここでいう、最表層とは、ガスバリアフィルムの最も表面に設けられた層やフィルムをいう。従って、最表層は、通常は、基材フィルムやバリア性積層体の一番上の層となる。また、本発明のガスバリアフィルムは、バリア性積層体の表面または基材フィルムの表面にさらに機能性層を有していてもよく、この場合は、該機能性層が最表層となる。
また、凹部は、通常、ガスバリアフィルムの外側の最表層の少なくとも一部に設けられるが、内表の最表層に設けられていてもよい。ここで、外側とは、ガスバリアフィルムの素子から遠い側をいう。内側は外側の反対側の面である。本実施形態では、バリア性部材は、凹部に嵌合する形状となっている。このようにバリア性部材と凹部の形状が追従する形状とすることにより、より水分や酸素が浸入しにくくなり、本発明の効果をより一層高めることが可能になる。
本実施形態では、さらに、凹部に吸湿剤4が設けられている。吸湿剤についての詳細は後述する。
ここで、バリア性部材としては、延展性のある金属箔が好ましい。延展性のある金属箔を採用することにより、バリア性部材を凹部に嵌合させやすくなる。延展性のある金属箔としては、金、銀、錫、アルミニウム、銅、白金、およびこれらの合金類が例示される。特に、長期間に渡って安定性の高い金、アルミニウムおよびこれらの合金類が好ましい。しかしながら、バリア性部材は、これらの材料に限定されるものではなく、ガスバリアフィルムを覆うことができ、かつ、バリア性能を有する部材を広く採用できる。例えば、蒸着テープ等が挙げられる。蒸着テープを採用する場合、通常、蒸着面がガスバリアフィルム側になる。
バリア性部材を設ける方法は、採用するバリア性部材の材質等に応じて、適宜公知の方法を採用できるが、金属箔を用いる場合、接着剤を用いることが好ましい。具体的には、熱刺激あるいは自発的に硬化するエポキシ樹脂等を金属箔の接着面に塗設し、圧着等により金属箔とガスバリアフィルムとを密着させながら接着させるといった方法が挙げられる。
凹部は、通常、ガスバリアフィルムをレーザー加工、微小な刃物やグレイニングによる粗面化加工、鋳型による形状転写などによって、ガスバリアフィルムの基材フィルム側の表面に作製する。通常、バリア性積層体へのダメージを避けるため基材側に凹部を設ける。但し、バリア性積層体の最表層が十分に厚く本発明の基材フィルム厚みの好ましい範囲に沿う場合でかつ本発明の方法によりバリア性積層体そのものを破損するおそれがない場合は、積層体側に設けることも可能である。また、バリア性積層体の最表層を設ける際に、予め転写により凹部を形成しても良い。
レーザー加工は、例えばUV-YAGレーザー、エキシマーレーザー、CO2レーザー、ファイバーレーザーなどを用いたレーザー加工装置を用いて行うことができる。切削加工は、例えば、微小な刃物による切削は、金属製、セラミック製、ガラス製の鋭利な端面を押し当てて切削する方法である。鋭利な端面は固定されていてもよいし、切削効率を上げるため加工するフィルムに対し回転や反復運動をしていても良い。また、図7のようなランダムな凹凸、例えば砂目状の凹凸を設ける方法として、ボールグレイニング、ブラシグレイニング、ワイヤーグレイニング、ブラストグレイニング等の機械的粗面化方法を採ることができる。形状転写は、加熱しながら鋳型を押し当ててガスバリアフィルムを熱変形させながら転写させる方法や、予め基材フィルムまたはバリア性積層体の最表層を形成する際にインプリントの方法で転写させておく方法が可能である。加工速度と精度の観点、ならびに、加工時の応力によるガスバリアフィルムの破損を小さく抑えられる点において、レーザー加工の手法が好ましい。
凹部は、1つであってもよいが、通常は複数設ける。各素子への水分・ガスの浸入を効果的に抑制するため、ガスバリアフィルム端面上の任意の点から、素子上の任意の点を結ぶ線分上でかつバリア性部材で覆われた部分に、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、さらに好ましくは5つ以上の凹部が設けられる。設ける数に上限は特に無く、加工時間および所望の水分・ガスの浸入阻害効果がバランスよく満たされるよう凹部の数は適宜設定される。例えば、上記線分1000μmあたり、3つ以下の割合で設けることが例示される。
また、凹部が設けられている領域の面積は、ガスバリアフィルムのうちバリア性部材によって覆われている領域の表面の面積に対し、5〜50%の範囲であることが好ましく、10〜40%の範囲であることがより好ましい。凹部を設けすぎないことで強度に対する懸念がなくなり、また、凹部が少なくなりすぎないことで本発明の効果を十分に得ることができる。
本発明では、凹部の深さは、ガスバリアフィルムの最表層の厚さの60%〜95%の深さのものを含むことが好ましく、70%〜90%の深さのものを含むことがより好ましい。ここでいう最表層とは、該凹部が設けられる層の厚さをいい、最表層の厚さが、厳密に均一ではない場合、該最表層の平均厚さをもって、最表層の厚さとする。
60%以上のものを含むことにより、最表層を流路として端面に至り内部へ浸入する水分や酸素を効果的に抑制することができ、90%以下とすることにより、ガスバリアフィルムに与える損傷をより効果的に低減できる。
本発明における凹部は、例えば、砂状の凹部を設ける場合等、凹部と凹部でない部分の境界がはっきりしないものであってもよい。このような場合、ガスバリアフィルムのうちバリア性部材によって覆われている領域の表面の面積に対し、最表層の厚みの、60%以上の深さである凹部の面積が、好ましくは5〜50%の範囲、より好ましくは10〜40%の範囲になるように凹部を設ける。
凹部の幅は、30μm〜1000μmであることが好ましく、35μm〜500μmであることがより好ましく、50μm〜500μmであることがさらに好ましい。ここでいう幅とは、図5(1)のような一方向に連続している溝状の凹部の場合は、該連続方向に直角な方向の幅をいう。また、図7のような点状の凹部の場合は、それぞれの凹部の最大径をいう。溝状に凹部を設けている場合、幅はその溝全体にわたり均一であっても良いし、上記の範囲で変化しても良い。また、凹部が複数融合しているような形状である場合は最表層の厚みの、60%を超えた領域で以ってその形状を捉え、その連続方向に直角な幅あるいは最大径により幅とする。凹部の幅を上記範囲とすることにより、ガスバリアフィルムの端部の強度を十分に保ちつつ、水分や酸素の浸透をより効果的に抑制することができる。
本実施形態では、凹部は、ガスバリアフィルムの断面に対し、角度を持って設けられているが、断面に対し平行であってもよい。本発明では、フィルムの断面から、2〜60度傾いている場合が好ましい。ここで、フィルムの断面とは、ガスバリアフィルムをフィルム面に対して、垂直な面をいう。もちろん、ガスバリアフィルムの特性を考慮すれば、完全に垂直であるもののほか、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で誤差を含んでいてもよい。このように、フィルムの断面角度を持って設けることにより、より水分や酸素の流路が長くなり、より効果的に水分や酸素の断面からの浸入を抑制することができる。
凹部は、一対のガスバリアフィルムが互いに接している領域に設けられていれば、どのような位置に、どのような形状で設けられていてもよい。また、ガスバリアフィルムの両面に凹部が設けられる場合、ガスバリアフィルムの一方の面に設けられた凹部の形状と、他方の面に設けられた凹部の形状は、同じであってもよいし、異なっていても良い。図4は、ガスバリアフィルムの両面に凹部を設けた例であって、ガスバリアフィルム2のみを示している。ガスバリアフィルムの両面に凹部を設ける場合、一方の面の凹部と、他方の面の凹部が交互となるように設けることが好ましい。このように、交互となるように設けることにより、より水分の流路が抑制され、端面からの水分の浸入が抑制される。
凹部は、ガスバリアフィルムのフィルム面からみて、溝状であってもよいし、点状であってもよいし、それら以外であってもよい。図5〜7は、本発明の凹部の好ましい形態を例示したものであって、ガスバリアフィルムをフィルム表面から見た図である。図5(1)は、凹部を直線状に設けたものである。このように端面に略平行に凹部を設けることにより、水分の流路が遮断されやすく、効果的である。図5(2)は、凹部を格子状に設けたものである。このように端面に略平行な方向に加えて、それに略垂直な方向にも凹部を設けることにより、水分の流路を遮断できるとともに、水分の流路を減らすことができる。図5(1)や(2)では、端面に略平行な凹部を設けているが、図5(3)は斜め格子状に凹部を設けることも本発明の態様に含まれる。例えば、角部については、図5(3)のような斜め格子状とし、中央部については、図5(2)のような端面に略平行な格子状とすることもできる。
図6は、他の凹部を設けた例を示している。図6(1)は曲線状の凹部を複数設けた例である。図6(2)は、曲線状の凹部を複数設けた例であって、曲線同士が交差しているものである。図6(3)は、短い線分状の凹部が複数設けられている例である。図6(4)は、線分を組み合わせた例である。図6(4)では六角形が連続して複数設けられた模様になっているが、他の多角形や三角形、円形や楕円形等でも良いことは言うまでも無い。
図7(a)では、ランダムに凹部を設け、砂目模様としている。砂目模様とは、例えば、図8に示すような、浅い凹部が多数設けられる構造が挙げられる。ここで、図8は、最表層のみを示している。図7(b)では、一定の間隔ごとに、凹部を設けている。丸の部分は、凹部の1つを拡大し、断面の形状も分かるように示した概略図である。図7(c)は、図7(b)の逆パターンであり、凸部が一定間隔ごとに設けられている。すなわち、巨大な凹部の中に、多数の凸部が設けられている。丸の部分は、凸部の1つを拡大し、断面の形状も分かるように示した概略図である。
ガスバリアフィルムのフィルム面から見た場合の形状としては、V字形、U字形、角形が挙げられる。さらに、V字形であってもVの角度が比較的緩やかなものから、シャープなものまで挙げられる。また、U字形には、半円形のものや半楕円形のものも含む趣旨である。角形としては、四角形や多角形の他、図7(b)で示したような円柱形の場合も角形に含まれる。また、図7(c)のような逆角形のものも好ましく採用される。
保護層
上記のとおり、バリア性部材には、保護層を設けてもよい。保護層で覆うことにより、擦過や衝撃、応力印加によるバリア性部材の物理的破損や、外気に曝されることによるバリア性部材の変質・性能低下を抑制する効果が得られる。
保護層は、バリア性部材の表面に設けることが好ましい。保護層は、有機材料を含むことが好ましく、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂を含むことがより好ましい。有機材料を用いることにより、擦過や衝撃など瞬時に大きな力が加わる場合に、破損を効果的の抑制できる。また、有機材料として形状追従性の良いものを用いれば、本発明の端面処理を複雑な形状にしても十分に保護すべきバリア性部材を覆い、良好な保護機能を発揮することができる。
保護層の厚さとしては、10〜200μmの範囲が好ましい。保護層の形成方法については、予めバリア性部材と一体に形成しておく方法の他、バリア性部材を設けた後に塗設する方法をとることもできる。
吸湿剤
上述のとおり、ガスバリアフィルムの凹部には吸湿剤を設けても良い。吸湿剤を設けることにより、より水分の浸入をより効果的に防ぐことが可能になる。
上記吸湿剤を設けるには、凹部を設けた後、バリア性部材にて凹部を覆う前に、凹部に吸湿剤を設ける必要がある。吸湿剤の設ける方法としては、吸湿剤を含む塗液あるいはペーストをガスバリアフィルム端部に塗設して凹部に溜まらせて設ける方法、凹部に対し吸湿剤を含む液あるいはペーストをインクジェットやそれに類する打滴法で以って設置する方法などが例示される。
本発明で採用するガスバリアフィルムは、フレキシブルなガスバリアフィルムであって、通常、基材フィルムと、該基材フィルム上に形成されたバリア性積層体とを有する。したがって、本発明では、通常、ガスバリアフィルムのバリア性積層体同士が接しており、基材フィルムの表面に凹部が設けられている。もちろん、これ以外の構成を排除するものではない。例えば、バリア性積層体は、基材フィルムが、両面に設けられていてもよい。
バリア性積層体は、基材フィルム側から無機層、有機層の順に積層していてもよいし、有機層、無機層の順に積層していてもよい。最表層は無機層でも有機層でもよい。
プラスチックフィルム
本発明におけるガスバリアフィルムは、通常、基材フィルムとして、プラスチックフィルムを用いる。用いられるプラスチックフィルムは、有機層、無機層等の積層体を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。前記プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
特に、本発明では、プラスチックフィルムは耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上および/または線熱膨張係数が40ppm/℃以下で耐熱性の高い透明な素材からなることが好ましい。Tgや線膨張係数は、添加剤などによって調整することができる。このような熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃)、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン(株)製 ゼオノア1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報の化合物:162℃)、ポリイミド(例えば三菱ガス化学(株)ネオプリム:260℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の化合物:300℃以上)が挙げられる(括弧内はTgを示す)。特に、透明性を求める場合には脂環式ポレオレフィン等を使用するのが好ましい。
本発明において、透明な基材フィルムとして、ガスバリアフィルムを用いる場合、プラスチックフィルムは透明であること、すなわち、光線透過率が通常80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
ガスバリアフィルムを観察側に設置しない場合は必ずしも透明性が要求されない。したがって、このような場合は、プラスチックフィルムとして不透明な材料を用いることもできる。不透明な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、公知の液晶ポリマーなどが挙げられる。
ガスバリアフィルムに用いられるプラスチックフィルムの厚みは、通常、20〜300μmであり、好ましくは30〜250μmである。
バリア性積層体
バリア性積層体は、少なくとも1つの有機領域と、少なくとも1つの無機領域、好ましくは、少なくとも1層の有機層と少なくとも1層の無機層を含むものであり、より好ましくは、少なくとも2層の有機層と少なくとも2層の無機層とが交互に積層しているものである。
また、本発明におけるバリア性積層体は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、バリア性積層体を構成する組成が膜厚方向に有機領域と無機領域が連続的に変化するいわゆる傾斜材料層を含んでいてもよい。前記傾斜材料の例としては、キムらによる論文「Journal of Vacuum Science and Technology A Vol. 23 p971−977(2005 American Vacuum Society) ジャーナル オブ バキューム サイエンス アンド テクノロジー A 第23巻 971頁〜977ページ(2005年刊、アメリカ真空学会)」に記載の材料や、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように有機領域と無機領域が界面を持たない連続的な層等が挙げられる。以降、簡略化のため、有機層と有機領域は「有機層」として、無機層と無機領域は無機層として記述する。
バリア性積層体を構成する層数に関しては特に制限はないが、典型的には2層〜30層が好ましく、3層〜20層がさらに好ましい。また、有機層および無機層以外の他の構成層を含んでいてもよい。
有機層
本発明における有機層とは有機ポリマーを主成分とする、有機層であることが好ましい。ここで主成分とは、有機層を構成する成分の第一の成分が有機ポリマーであることをいい、通常は、有機層を構成する成分の80重量%以上が有機ポリマーであることをいう。
有機ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステルおよびアクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン等の有機珪素ポリマーなどが挙げられる。有機層は単独の材料からなっていても混合物からなっていてもよいし、サブレイヤーの積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、上述したとおり、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように無機層との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
本発明における有機層は、好ましくは、重合性化合物を含む重合性組成物を硬化してなるものである。
(重合性化合物)
重合性化合物は、好ましくは、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物であり、より好ましくは、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物である。これらのうち、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート系化合物、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられ、(メタ)アクリレート系化合物および/またはスチレン系化合物が好ましく、(メタ)アクリレート系化合物がさらに好ましい。
(メタ)アクリレート系化合物としては、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。
スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられる(メタ)アクリレート系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
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(重合開始剤)
本発明における有機層を、重合性化合物を含む重合性組成物を塗布硬化させて作成する場合、該重合性組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。光重合開始剤を用いる場合、その含量は、重合性化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜2モル%であることがより好ましい。このような組成とすることにより、活性成分生成反応を経由する重合反応を適切に制御することができる。光重合開始剤の例としてはチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)、同じくオリゴマー型のエザキュアKIPシリーズ等が挙げられる。
有機層の形成方法
有機層の形成方法としては、特に定めるものではないが、例えば、溶液塗布法や真空成膜法により形成することができる。溶液塗布法としては、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法により塗布することができる。真空成膜法としては、特に制限はないが、蒸着、プラズマCVD等の成膜方法が好ましい。本発明においてはポリマーを溶液塗布しても良いし、特開2000−323273号公報、特開2004−25732号公報に開示されているような無機物を含有するハイブリッドコーティング法を用いてもよい。
本発明では、通常、重合性化合物を含む組成物を、光照射して硬化させるが、照射する光は、通常、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線である。照射エネルギーは0.1J/cm以上が好ましく、0.5J/cm以上がより好ましい。重合性化合物として、(メタ)アクリレート系化合物を採用する場合、空気中の酸素によって重合阻害を受けるため、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で0.5J/cm以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
有機層の膜厚については特に限定はないが、薄すぎると膜厚の均一性を得ることが困難になるし、厚すぎると外力によりクラックを発生してバリア性が低下する。かかる観点から、有機層の厚みは50nm〜2000nmが好ましく、200nm〜1500nmがより好ましい。
また、有機層は先に記載したとおり平滑であることが好ましい。有機層の平滑性は1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満が好ましく、0.5nm未満であることがより好ましい。有機層の表面にはパーティクル等の異物、突起が無いことが要求される。このため、有機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
有機層の硬度は高いほうが好ましい。有機層の硬度が高いと、無機層が平滑に成膜されその結果としてバリア能が向上することがわかっている。有機層の硬度はナノインデンテーション法に基づく微小硬度として表すことができる。有機層の微小硬度は100N/mm以上であることが好ましく、150N/mm以上であることがより好ましい。
(無機層)
無機層は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。無機層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)、めっきやゾルゲル法等の液相成長法がある。無機層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物または金属酸化炭化物であり、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、CeおよびTaから選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物または酸化炭化物などを好ましく用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、ZnおよびTiから選ばれる金属の酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましく、特にSiまたはAlの金属酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
本発明により形成される無機層の平滑性は、1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満であることが好ましく、0.5nm以下がより好ましい。無機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
無機層の厚みに関しては特に限定されないが、1層に付き、通常、5〜500nmの範囲内であり、好ましくは10〜200nmである。無機層は複数のサブレイヤーから成る積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、上述したとおり、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように有機層との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
有機層と無機層の積層
有機層と無機層の積層は、所望の層構成に応じて有機層と無機層を順次繰り返し製膜することにより行うことができる。無機層を、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などの真空製膜法で形成する場合、有機層も前記フラッシュ蒸着法のような真空製膜法で形成することが好ましい。バリア性積層体を作製する間、途中で大気圧に戻すことなく、常に1000Pa以下の真空中で有機層と無機層を積層することが特に好ましい。圧力は100Pa以下であることがより好ましく、50Pa以下であることがより好ましく、20Pa以下であることがさらに好ましい。
特に、本発明は、少なくとも2層の有機層と少なくとも2層の無機層を交互に積層した場合に、高いバリア性を発揮することができる。交互積層は基材フィルム側から有機層/無機層/有機層/無機層の順に積層していても、無機層/有機層/無機層/有機層の順に積層していても良い。
本発明における素子としては、水や酸素等により常温常圧下における使用によっても経年劣化しうる素子が挙げられる。具体的には、光電変換素子が挙げられ、発光素子または発電素子が好ましく、有機EL素子、液晶表示素子、太陽電池、ディスプレイパネル、タッチパネル等がさらに好ましい。
有機EL素子
有機EL素子は、基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に発光層を含む有機化合物層を有する。素子の性質上、陽極および陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明である。本発明の基板は、有機EL素子のいずれの側と貼り合わされていてもよく、環境によって劣化されやすい側が封止されることが好ましい。通常は、陰極側である。また、両側において封止されていてもよい。有機EL素子の例は、特開2007−30387号公報に詳しく記載されている。
液晶表示素子
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明におけるガスバリアフィルムは、前記透明電極基板および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。このうち本発明の基板は、前記上透明電極および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型またはHAN(Hybrid Aligned Nematic)型、VA(Vertically Alignment)型、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)、 IPS(In-Place-Switching)型であることが好ましい。
タッチパネル
タッチパネルは、特開平5-127822号公報、特開2002-48913号公報等に記載されたものに応用することができる。
太陽電池
太陽電池は、特願平7−160334号公報に記載されたものに応用できる。また、タッチパネルは、特開平5-127822号公報、特開2002-48913号公報等に記載されたものに応用することができる。電子ペーパーは、特開2000−98326号公報に記載されたものに応用できる。
1 素子
2 ガスバリアフィルム
21 端面
22 端部
23 基材フィルム
24 バリア性積層体
3 バリア性部材
4 吸水剤

Claims (18)

  1. 素子と、該素子を狭持して、端部において互いに接している一対のフレキシブルなガスバリアフィルムと、バリア性部材とを有し、前記一対のガスバリアフィルムの互いに接している領域の少なくとも一部に、凹部が設けられており、前記バリア性部材は、少なくとも、前記ガスバリアフィルムの端面と、前記ガスバリアフィルムであって、凹部が設けられている部分とを覆っている、封止された素子。
  2. 前記バリア性部材は、前記凹部の形状に嵌合する形状である、請求項1に記載の封止された素子。
  3. 前記一対のガスバリアフィルムの互いに接している領域の外側の最表層少なくとも一部に凹部が設けられている、請求項1または2に記載の封止された素子。
  4. 前記凹部が、複数設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の封止された素子。
  5. 前記最表層の厚みの60%以上の深さを有する凹部の面積が、ガスバリアフィルムのうちバリア性部材によって覆われている領域の表面の面積の5%〜50%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の封止された素子。
  6. 前記凹部が、35μm以上連続した溝である請求項1〜5のいずれか1項に記載の封止された素子。
  7. 前記ガスバリアフィルムの、上記バリア性部材によって覆われている領域の面積に対し、凹部が設けられた面積の比率が5〜50%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の封止された素子。
  8. 前記凹部が、ガスバリアフィルムのフィルム断面から見て、V字形、U字形および角形から選択されるいずれかの形状である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の封止された素子。
  9. 上記ガスバリアフィルム端面上の任意の点と、素子上の任意の点とを結ぶ線分のうちバリア性部材に覆われている線分上に、前記凹部が少なくとも2つ以上設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の封止された素子。
  10. 前記最表層の厚みの60%以上の深さを有する凹部の面積が、ガスバリアフィルムのうちバリア性部材によって覆われている領域の表面の面積の5%〜50%である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の封止された素子。
  11. 前記ガスバリアフィルムが、基材フィルムと、少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機層とを有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の封止された素子。
  12. 前記凹部に、吸水剤を設けた、請求項1〜11のいずれか1項に記載の封止された素子。
  13. 前記バリア性部材が、少なくとも1層以上の保護層で覆われている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の封止された素子。
  14. 前記保護層が、有機材料を含む、請求項13に記載の封止された素子。
  15. 前記素子が、光電変換素子である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の封止された素子。
  16. 前記素子が、発光素子または発電素子である、請求項15に記載の封止された素子。
  17. 前記素子が、有機EL素子または太陽電池である、請求項15に記載の封止された素子。
  18. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の素子で情報を表示することを特徴とするディスプレイパネル。
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