JP2010204031A - 車両用レーダ装置 - Google Patents

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俊介 真壁
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Abstract

【課題】アンテナの数を抑制しながら検出範囲を拡大する。
【解決手段】統括コントローラ2は、レーダ部3,4,5を制御してレーダ波を車両側部に送信させ、ターゲットで反射して受信されるまでの往復伝播時間をレーダ部3,4,5からの距離判定情報に基いて算出し、ターゲットの位置を特定する。その際、統括コントローラ2は、スイッチ6を介してアンテナTRx1,TRx2の送受信を切換え、アンテナTx1,TRx1間の領域R1と、アンテナTRx1,TRx2間の領域R2と、アンテナTRx2,Rx2間の領域R3との3つの領域を検出範囲として、アンテナの数を抑制しながら検出範囲を拡大する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両外部へレーダ波を送信し、車両周囲に存在する物体で反射された反射波を受信して測距を行う車両用レーダ装置に関する。
近年、自動車等の車両においては、レーダを搭載して自車両の周囲に存在する物体を検出し、衝突防止やオートクルーズ走行制御等に利用する技術が採用されている。この場合、車両周囲の検出範囲を広げるためには、複数のレーダ用アンテナが必要となる。
例えば、特許文献1には、ターゲットからの反射波を複数のアンテナで受信し、受信した複数の信号を、所定時間間隔で順次切り替えてサンプリングすることにより、1つの時系列の時分割多重データ列を形成し、時分割多重データ列の各アンテナに対応した時系列データを各アンテナに対応した各受信チャネルに各々分配する技術が開示されている。この技術では、分配された各チャネルの時系列データ全体を用いてターゲットの補正前方位を求め、その補正前方位に対して切替時間に対応した角度を補正することにより、ターゲットの方位を検出することができる。
特開2008−209226号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているように、検出範囲を広げるために一義的にアンテナの数を増やすことは、コスト増大を招くばかりでなく、システムが複雑化して演算負荷が増大する。更に、車両のアンテナ設置スペースには制約があり、アンテナの数には限界がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、アンテナの数を抑制しながら検出範囲を拡大することのできる車両用レーダ装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明による車両用レーダ装置は、車両外部にレーダ波を送信して周囲に存在する物体で反射された反射波を受信する車両用レーダ装置であって、車両側部に配置した複数のアンテナを有し、上記の複数のアンテナの一部を送信用と受信用とに切り換える切換部と、上記切換部を介して上記の複数のアンテナの一部を送信用と受信用とに切換え、車両の側方に存在する物体を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、アンテナの数を抑制しながら検出範囲を拡大することができる。
レーダ装置の構成図 自動車側部のアンテナ配置を示す説明図 ターゲットの位置特定アルゴリズムの説明図 送信・受信のパターンを示す説明図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すレーダ装置1は、自動車等の車両に搭載され、周囲に存在する物体を検出して距離を測定する。特に、本実施の形態においては、側方の物体(ターゲット)を検出して測距を行うためのアンテナTx1,TRx1,TRx2,Rx2を、図2(a)に示すように、自動車100のドア下部のサイドシルスポイラ101の内部に前方から順に等間隔で配置している。これらのアンテナのうち、アンテナTx1は送信専用のアンテナ、アンテナRx2は受信専用のアンテナである。一方、アンテナTRx1,TRx2は、送信と受信とを切り換えて使用するアンテナである。
このようなアンテナTx1,TRx1,TRx2,Rx2を有するレーダ装置1は、統括コントローラ2によって制御される3つのレーダ部3,4,5を備えている。レーダ部3には、送信専用のアンテナTx1と送受信切換え用のアンテナTRx1とが接続されている。レーダ部4には、送受信切換え用のアンテナTRx1,TRx2が切換部としてのスイッチ6を介して接続されている。スイッチ6は、RFスイッチ等の高周波信号用のスイッチで構成されている。また、レーダ部5には、受信専用のアンテナRx2が接続されている。
各レーダ部3,4,5は、送信パルスを生成してアンテナから送信する送信部と、アンテナで受信した受信波を信号処理する受信部とを備えて構成されている。送信部で生成される送信パルスは、統括コントローラ2からのクロック信号やタイミング信号を受けて生成される。受信部は、この送信パルスに同期して、例えば等価時間サンプリングで受信波をフレーム毎にサンプリングし、距離判定情報を統括コントローラ2に出力する。
統括コントローラ2は、マイクロプロセッサを中心として構成され、スイッチ6を介してアンテナTRx1,TRx2の送受信を切換え、車両の側方に存在するターゲットを検出する検出部として機能するものである。統括コントローラ2は、レーダ部3,4,5を制御してレーダ波を車両側部に送信させ、ターゲットで反射して受信されるまでの往復伝播時間をレーダ部3,4,5からの距離判定情報に基いて算出し、ターゲットの位置を特定する。
その際、統括コントローラ2は、アンテナTRx1,TRx2の送受信を切り換えてターゲットの検出範囲を拡大する。本実施の形態においては、図2(b)に示すように、アンテナTx1,TRx1間の領域R1と、アンテナTRx1,TRx2間の領域R2と、アンテナTRx2,Rx2間の領域R3との3つの領域を検出範囲としてターゲットを検出することができる。
この場合、通常のレーダ装置、すなわち送信用と受信用との専用のアンテナ対によってターゲットを検出するレーダ装置では、送信用のアンテナTx1に対してアンテナTRx1を受信用として用い、アンテナTRx1の次のアンテナTRx2を送信用としてアンテナRx2を受信用として用いることになる。従って、通常のレーダ装置では、アンテナTx1から電波を送信し、ターゲットからの反射波をアンテナTRx1が受信する領域である領域R1と、アンテナTRx2から電波を送信し、ターゲットからの反射波をアンテナRx2が受信する領域である領域R3でしかターゲットを検出することができない。
これに対して本レーダ装置1では、アンテナTx1,TRx1間の領域R1、アンテナTRx2,Rx2間のR3に加えて、アンテナTRx1,TRx2間の領域R2も検出範囲とすることができる。すなわち、アンテナTRx1を送信用に切換えてアンテナTRx1から電波を送信し、ターゲットからの反射波を、受信用に切換えたアンテナTRx2で受信することにより、領域R2を検出範囲とすることができる。これにより、本レーダ装置1では、限りあるサイドシルスポイラ101の長さS内で、アンテナの数をできるだけ増やさずに検出範囲を拡大することができる。
また、本レーダ装置1は、アンテナTRx1,TRx2の送受信切換えにより、検出範囲を拡大できるばかりでなく、ターゲットの位置を特定することができる。ターゲットの位置は、以下の(1)〜(5)に示すアンテナ対を、適宜組み合わせることで特定することができる。詳細には、一つのアンテナから送信された電波を異なる位置の2つのアンテナで受信する、或いは異なる位置の2つのアンテナから送信された電波を共通の一つのアンテナで受信することにより、ターゲットの位置を特定するアルゴリズムを用いる。
(1)送信:Tx1 → 受信:TRx1
(2)送信:TRx2 → 受信:Rx2
(3)送信:Tx1 → 受信:TRx2
(4)送信:TRx1 → 受信:Rx2
(5)送信:TRx1 → 受信:TRx2
尚、送信専用のアンテナTx1と受信専用のアンテナRx2とは、配置間隔が離れているため、本実施の形態においては両者をアンテナ対としない。
例えば、領域R1にターゲット200が存在する場合、(1)のアンテナ対を用い、図3に示すように、送信専用のアンテナTx1から送信された信号を受信用に切換えたアンテナTRx1で受信し、ターゲットからの反射による電波伝搬長L1を得る。次に、アンテナTRx2を受信用に切換えて(3)のアンテナ対を構成し、アンテナTx1から送信された信号をアンテナTRx2で受信し、電波伝搬長L2を得る。
得られた2つの電波伝搬長L1,L2より、アンテナTx1,TRx1の各位置を焦点とする楕円E1と、アンテナTx1,TRx2の各位置を焦点とする楕円E2を描く。この2つの楕円E1,E2の交点、すなわちL1=L2の点がターゲット200の位置である。アンテナの他の組み合わせについても同様であり、特定の位置を検出することができる。
また、領域R2にターゲットが存在する場合、(3)のアンテナ対或いは(4)のアンテナ対と、(5)のアンテナ対との組み合わせで探索を行うことで、領域R2に存在するターゲットの位置を確実に特定することができる。更に、領域R3にターゲットが存在する場合には、(2)のアンテナ対と(4)のアンテナ対とを組み合わせで探索を行うことで、領域R3に存在するターゲットの位置を確実に特定することができる。
(1)〜(5)のアンテナ対は、図4に示すように、A,B,Cのパターンとして組み合わされる。
パターンA:(1)のアンテナ対による送受信と(2)のアンテナ対による送受信
パターンB:(3)のアンテナ対による送受信と(4)のアンテナ対による送受信
パターンC:(5)のアンテナ対による送受信
例えば、以下の(i)〜(iii)に示す運転状態に応じて、A,B,Cのパターンの中から適切なパターンを選択し、車両側方に存在するターゲットを検出する。
(i)発進前(車速0)
車両の発進前に周囲に障害物が存在するかどうかを調べる。ターゲットが存在した場合には、その位置を特定する。この場合には、図4に示すパターンA,B,Cを順次繰り返して探索を行う。
(ii)低速域
車両の移動速度が低速域であるとき、図4に示すパターンAによる探索とパターンCによる探索とを繰り返し、どの領域(図2参照)にターゲットがいるかを運転者に知らせる。この場合には、処理を高速化するため、ターゲットの位置は特定しない。これにより、運転者にレスポンス良くターゲットの存在を知らせることができる。
(iii)高速域
車両の移動速度が高速域であるとき、図4に示すパターンBのみの処理とし、車両の横方向にターゲットがいるか否かを運転者に知らせる。これにより、処理を更に高速化し、運転者にレスポンス良くターゲットの存在を知らせることができる。
以上のように、本実施の形態においては、車両側面にレーダ用アンテナを等間隔に配置した上で、一部のアンテナを送信と受信とに切り換えるため、サイドシルスポイラ等の限られた領域にできるだけ少ない数のアンテナを配置しながら、ターゲットの検出範囲を拡大することができる。しかも、送信専用のアンテナTx1、送受信用のアンテナTRx1、送受信用のアンテナTRx2、受信専用のアンテナRx2と順に配置することで、複数の電波伝搬長より物体の位置を特定することができる。
1 レーダ装置
2 統括コントローラ
3,4,5 レーダ部
6 スイッチ
100 自動車
101 サイドシルスポイラ
200 ターゲット
A,B,C パターン
E1,E2 楕円
L1,L2 電波伝搬長
R1,R2,R3 領域
Tx1,TRx1,TRx2,Rx2 アンテナ

Claims (2)

  1. 車両外部にレーダ波を送信して周囲に存在する物体で反射された反射波を受信する車両用レーダ装置であって、
    車両側部に配置した複数のアンテナを有し、
    上記の複数のアンテナの一部を送信用と受信用とに切り換える切換部と、
    上記切換部を介して上記の複数のアンテナの一部を送信用と受信用とに切換え、車両の側方に存在するターゲットを検出する検出部と
    を備えることを特徴とする車両用レーダ装置。
  2. 上記検出部は、上記切換部を介した上記複数のアンテナの送信・受信のパターンを、車両の運転状態に応じて選択することを特徴とする請求項1記載の車両用レーダ装置。
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