JP2010201973A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトカバー層としてエッジカバー層を設けたタイヤのトレッド中央域における偏摩耗を防止するようにした空気入りラジアルタイヤを提供すること。
【解決手段】トレッド部2に配置したベルト層3の少なくとも両端部に、補強コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回したエッジカバー層4を設け、かつトレッド部の表面に前記エッジカバー層4に対応するショルダー領域5と対応しない中央領域6とにそれぞれタイヤ周方向に延長する主溝31、32を配置するようにした空気入りラジアルタイヤにおいて、主溝31、32の溝底にトレッドゴムよりも弾性率の高い溝下保護ゴム層11、12を設けると共に、中央領域6に配置した主溝12の溝下保護ゴム層12の周方向弾性率をショルダー領域5に配置した主溝11の溝下保護ゴム層の周方向弾性率の110〜250%の大きさにした空気入りラジアルタイヤ。
【選択図】図1
【解決手段】トレッド部2に配置したベルト層3の少なくとも両端部に、補強コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回したエッジカバー層4を設け、かつトレッド部の表面に前記エッジカバー層4に対応するショルダー領域5と対応しない中央領域6とにそれぞれタイヤ周方向に延長する主溝31、32を配置するようにした空気入りラジアルタイヤにおいて、主溝31、32の溝底にトレッドゴムよりも弾性率の高い溝下保護ゴム層11、12を設けると共に、中央領域6に配置した主溝12の溝下保護ゴム層12の周方向弾性率をショルダー領域5に配置した主溝11の溝下保護ゴム層の周方向弾性率の110〜250%の大きさにした空気入りラジアルタイヤ。
【選択図】図1
Description
本発明は空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、ベルトカバー層としてエッジカバーを設けたタイヤのトレッド中央域に発生しやすい偏摩耗を防止するようにした空気入りラジアルタイヤに関する。
高性能用の空気入りラジアルタイヤの多くは、トレッドに設けたベルト層の外周側に、有機繊維コードをタイヤ周方向に10°以内の小角度で螺旋状に巻き付けて形成したベルトカバー層を設けている。このベルトカバー層は、高速走行時にベルト層の両端部が遠心力によりせり上がるのを抑制することにより、ベルト層端部のセパレーションを防止するようにしている。このベルトカバー層には、ベルト層の全幅を覆うフルカバー層とベルト層の両端部だけを覆うエッジカバー層とがあり、これら2種類のカバー層は、タイヤ特性に応じて、いずれか一方だけを配置する場合と両方を組み合わせて配置する場合とがある。
しかし、これら2種類のカバー層をどのように配置する場合であっても、エッジカバー層を配置し、かつトレッド面に複数本の主溝をタイヤ周方向に延長するように設けたタイヤにあっては(例えば、特許文献1など)、エッジカバー層に対応する領域に設けた主溝は、エッジカバー層のタガ効果により外径成長が抑制されるが、エッジカバー層に対応しないトレッド中央域に設けた主溝の部分では、エッジカバー層のタガ効果がなく、かつ溝底のゴムゲージが薄くなっているため剛性が低くなっている。そのため、トレッド中央域の主溝の部分は、内圧が充填してインフレートすると外径が大きく成長し、接地形状Pが図5に示すようになる。
すなわち、図5に示したフットプリント図で、接地形状Pにおける21、22は主溝に対応する部分で、22がトレッド中央域の主溝に対応しており、接地形状Pの中央部の接地長が両端部に比べて著しく大きくなっている。そのため、トレッド中央部の摩耗が両端部に比べて異常に進行し偏摩耗が生じやすくなるという問題があった。
本発明の目的は、ベルトカバー層としてエッジカバー層を設けたタイヤのトレッド中央域における偏摩耗を防止するようにした空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の空気入りラジアルタイヤは、以下の(1)に記載の構成を有するものである。
(1)トレッド部に配置したベルト層の少なくとも両端部に、補強コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回したエッジカバー層を設け、かつトレッド部の表面に前記エッジカバー層に対応するショルダー領域と対応しない中央領域とにそれぞれタイヤ周方向に延長する主溝を配置するようにした空気入りラジアルタイヤにおいて、前記主溝の溝底にトレッドゴムよりも弾性率の高い溝下保護ゴム層を設けると共に、前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率を前記ショルダー領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率の110〜250%の大きさにした空気入りラジアルタイヤ。
また、かかる本発明の空気入りラジアルタイヤにおいて、具体的により好ましくは、以下の(2)〜(6)のいずれかの構成からなる。
(2)前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層に短繊維をタイヤ周方向に配向するように配合した上記(1)記載の空気入りラジアルタイヤ。
(3)前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率をタイヤ幅方向の弾性率の105〜300%にした上記(2)記載の空気入りラジアルタイヤ。
(4)前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層を2層のゴム層により構成し、溝表面側のゴム層の硬度を溝内面側のゴム層の硬度よりも低くした上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
(5)前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率を前記ショルダー領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率の170〜230%の大きさにした上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
(6)前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率をタイヤ幅方向の弾性率の150〜210%にした上記(3)〜(5)のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
また、上述した目的を達成する他の本発明の空気入りラジアルタイヤは、以下の(7)に記載の構成を有するものである。
(7)トレッド部に配置したベルト層の少なくとも両端部に、補強コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回したエッジカバー層を設け、かつトレッド部の表面に前記エッジカバー層に対応するショルダー領域と対応しない中央領域とにそれぞれタイヤ周方向に延長する主溝を配置するようにした空気入りタイヤにおいて、前記主溝の溝底にトレッドゴムよりも弾性率の高い溝下保護ゴム層を設けると共に、前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の子午線方向の断面積を、前記ショルダー領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の子午線方向の断面積の150〜300%の大きさにした空気入りラジアルタイヤ。
請求項1にかかる第一の本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、トレッド部に配置したベルト層の少なくとも両端部に、補強コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回したエッジカバー層を設け、かつトレッド部の表面にエッジカバー層に対応するショルダー領域と対応しない中央領域とにそれぞれタイヤ周方向に延長する主溝を配置するようにした空気入りラジアルタイヤにおいて、主溝の溝底にトレッドゴムよりも弾性率の高い溝下保護ゴム層を設けると共に、中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率をショルダー領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率の110〜250%の大きさにしたので、タイヤのインフレート時においてトレッド中央域の主溝部分の外径成長を抑制することができ、それによってトレッド中央域の偏摩耗を防止することができる。
また、請求項7にかかる第二の本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、トレッド部に配置したベルト層の少なくとも両端部に、補強コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回したエッジカバー層を設け、かつトレッド部の表面に前記エッジカバー層に対応するショルダー領域と対応しない中央領域とにそれぞれタイヤ周方向に延長する主溝を配置するようにした空気入りタイヤにおいて、主溝の溝底にトレッドゴムよりも弾性率の高い溝下保護ゴム層を設けると共に、中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の子午線方向の断面積を、ショルダー領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の子午線方向の断面積の150〜300%の大きさにしたので、タイヤのインフレート時において、同じくトレッド中央域の主溝部分の外径成長を抑制することができるため、その中央領域偏摩耗を防止することができる。
以下、図に示す実施形態を用いて更に詳しく本発明の空気入りラジアルタイヤについて説明する。
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの実施形態のトレッド部分を示すタイヤ子午線方向要部断面図である。
空気入りラジアルタイヤ1は、トレッド部2に配置したベルト層3の外周にベルトカバー層を形成している。そのベルトカバー層は、ベルト層3の全幅を覆うように補強コードをタイヤ周方向に対し10°以内の小角度で螺旋状に巻回したフルカバー層7と、そのフルカバー層7の両端部のみを覆うように、それぞれ補強コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回したエッジカバー層4とから形成されている。
トレッド部2の表面には、エッジカバー層4に対応するショルダー領域5と、エッジカバー層4に対応しない中央領域6とにそれぞれタイヤ周方向に延長する3本の主溝31、32が配置されている。
すなわち、ショルダー領域5には主溝31を配置し、中央領域6には主溝32を配置している。このように設けられた主溝31、32の溝底には、それぞれトレッドゴムよりも弾性率の高い溝下保護ゴム層11、12が溝底のクラック防止用として設けられている。このうち、中央領域6に配置した主溝32の溝下保護ゴム層12は、その周方向弾性率が、ショルダー領域5に配置した主溝31の溝下保護ゴム層11よりも大きく、その溝下保護ゴム層11の周方向弾性率の110〜250%の大きさに設定されている。
図2は、上記の主溝32(31)と溝下保護ゴム層12(11)の部分を拡大して示した図である。
なお、図1に示した実施形態では、ベルトカバー層としてベルト層のタイヤ幅方向の全域にわたり覆うフルカバー層7が設けられているが、このフルカバー層7は必ずしも存在する必要はなく、エッジカバー層4だけを設けるようにしたものであってもよい。
本発明の空気入りラジアルタイヤは、主溝31、32の溝底にトレッドゴムよりも弾性率の高い溝下保護ゴム層11、12が溝底のクラック防止用に設けられており、かつ中央領域6に配置した主溝32の溝下保護ゴム層12の周方向弾性率を、ショルダー領域5に配置した主溝31の溝下保護ゴム層11の周方向弾性率の110〜250%と大きくしたことにより、タイヤをインフレートして高速走行するとき、エッジカバー層が設けられていないトレッド中央域に対して溝下保護ゴム層12が非常に大きなタガ効果を発揮し、外径が大きく成長することを防止でき、その結果、偏摩耗の発生を防止できる。すなわち、中央領域6に位置する主溝32の溝底に設けられる溝下保護ゴム層12は、周方向に高い剛性を有するように構成されていることから主溝32の部分における局所的な外径成長を抑制することができ、主溝32部分での溝底のクラック発生防止と共に高速走行時の膨径防止の二つの役目を兼ねている。
溝下保護ゴム層12の周方向弾性率が溝下保護ゴム層11の周方向弾性率の110%よりも小さいと、上述した膨径防止の効果が低減する。また、250%よりも大きいと、溝下保護ゴム層12のタガ効果が大きくなりすぎるため、トレッド中央域の接地長が両端部域よりも短くなり、偏摩耗を生ずるようになる。
好ましくは、ショルダー領域5に位置する主溝31の溝下保護ゴム層11の周方向弾性率に対し、中央領域6に位置する主溝32の溝下保護ゴム層12の周方向弾性率を170%〜230%の範囲にするとよい。
溝下保護ゴム層12の周方向弾性率を溝下保護ゴム層11の周方向弾性率の110〜250%の大きさにする方法としては、ゴム組成物の配合を適宜調整することによってモジュラスを高めるようにすればよいが、好ましくは、溝下保護ゴム層12のゴム組成物に短繊維を配合し、かつその短繊維をタイヤ周方向に配向させるようにするとよい。このように短繊維を配合することにより、溝下保護ゴム層12の周方向弾性率をより効果的に大きくすることができ、主溝32における局所的な外径成長をいっそう効果的に抑制することができる。短繊維としては、補強性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ナイロン、ポリエステル、アラミド、ポリケトン、レーヨンなどを例示することができる。短繊維の長さとしては、10〜100μmのものなどを使用できる。また、周方向に短繊維を配向させるには、口金からシート状に押出すとき、その口金孔における剪断力により短繊維を一方向に配向させることができる。
上述のように短繊維を配合した溝下保護ゴム層12の周方向弾性率はタイヤ幅方向の弾性率の105〜300%となるように異方性性にしたものを用いるのがよく、このように異方性にすることにより、溝下保護ゴム層12の周方向の剛性をより効果的に高くし、本発明の課題の達成に有利にすることができる。
更に好ましくは、溝下保護ゴム層12の周方向弾性率をタイヤ幅方向の弾性率の150〜210%にするとよい。溝下保護ゴム層12のタイヤ周方向弾性率をタイヤ幅方向の弾性率の105〜300%にするには、短繊維を配合したゴム組成物を口金からシート状に押し出すときの押出圧力や押出速度などを調整することにより短繊維の配向方向のバラツキを変化させることで行うことができる。
なお、本発明において「周方向弾性率」及び「タイヤ幅方向弾性率」とは、それぞれ空気入りラジアルタイヤの主溝から溝下保護ゴム層をサンプリングし、そのサンプルについて引張試験機により100%伸長して測定したときの弾性率をいい、かつ主溝のタイヤ周方向の任意の5箇所から採取したサンプルについて測定した値の総和をサンプル数で除した平均値をいう。
図3は、溝下保護ゴム層12の周方向弾性率を溝下保護ゴム層11の周方向弾性率の110〜250%の大きさにする他の実施形態を示す。
この実施形態では、溝下保護ゴム層12を2層のゴム層14、15によって構成し、かつ溝表面側のゴム層14の硬度をタイヤ内面側のゴム層15の硬度よりも低いものにしている。溝下保護ゴム層の周方向弾性率を上げるためにゴム硬度を高めた場合、偏摩耗抑制に対しては有効であるが、その溝下保護ゴム層にクラックの発生が誘発されるおそれがある。そのため、溝下保護ゴム層12を2層構造にし、溝表面側のゴム層14の硬度をタイヤ内面側のゴム層15の硬度よりも低いものとすることにより、溝底のクラックを防止しながらトレッド中央域の偏摩耗を防止することが可能になる。この場合の溝下保護ゴム層12の周方向弾性率の剛性の確保、すなわち、溝下保護ゴム層11の周方向弾性率の110〜250%に確保することは、主としてタイヤ内面側のゴム層15によってなされるようにする。
上述した実施形態は、いずれも中央領域に位置する溝下保護ゴム層12のゴム組成物とショルダー領域に位置する溝下保護ゴム層11とのゴム組成物とが互いに組成が異なり、周方向弾性率を異ならせた構成からなるものである。しかし、以下に説明する第二の本発明によれば、溝下保護ゴム層12と溝下保護ゴム層11とに同じゴム組成物を使用しても、本発明の目的を達成することができる。
すなわち、第二の本発明の空気入りラジアルタイヤは、主溝31、32の溝底クラック防止のため、溝下保護ゴム層11、12にトレッドゴムよりも弾性率の高いゴム組成物を使用することは上述した実施形態と同じであるが、溝下保護ゴム層11、12に弾性率が同じ同一のゴム組成物を使用している点が異なっている。そして、同じゴム組成物を使用しながら、中央領域6に配置した主溝32の溝下保護ゴム層12の子午線方向の断面積を、ショルダー領域5に配置した主溝31の溝下保護ゴム層11の子午線方向の断面積の150〜300%の大きさにしたことを特徴とする。
すなわち、図1のタイヤ構造からなる空気入りラジアルタイヤにおいて、溝下保護ゴム層12の子午線方向の断面積を、溝下保護ゴム層11の子午線方向断面積の150%〜300%となるようにし、ゲージを厚くしている。中央領域6にある主溝32の溝下保護ゴム層12の子午線方向の断面積が、ショルダー領域5にある溝下保護ゴム層11の子午線方向の断面積に対し、150%未満であると、インフレート時の主溝32部分での外径成長の抑制効果が得られず、トレッド中央域の偏摩耗を生ずるようになる。また、300%よりも大きいときは、中央領域での周方向剛性が高すぎて中央領域の接地長が両端部域よりも短くなるので、両端部域の偏摩耗を生じやすくなる。主溝32の溝下保護ゴム層12のゴムゲージ(厚さ)は0.5〜2.0mmの範囲とするのがよく、そして、主溝31溝下保護ゴム層11のゴムゲージ(厚さ)は0.3〜1.0mmの範囲とするのがよい。
実施例1〜5、比較例1〜3
タイヤサイズ195/65R15 91Hであり、図1に示すタイヤ構造を有し、ベルト層3がスチールコードからなり、フルカバー層7とエッジカバー層4がナイロン66繊維コードからなることを共通とし、中央領域6に位置する主溝32の溝下保護ゴム層12のゴム組成物にナイロン66からなる短繊維を配合し、その配合量を異ならせることにより、周方向弾性率をショルダー領域5に位置する主溝31の溝下保護ゴム層11の周方向弾性率に対して比率Aを表1に記載するように変更させた合計8種類の空気入りラジアルタイヤを製造した(実施例1〜5、比較例1〜3)。
タイヤサイズ195/65R15 91Hであり、図1に示すタイヤ構造を有し、ベルト層3がスチールコードからなり、フルカバー層7とエッジカバー層4がナイロン66繊維コードからなることを共通とし、中央領域6に位置する主溝32の溝下保護ゴム層12のゴム組成物にナイロン66からなる短繊維を配合し、その配合量を異ならせることにより、周方向弾性率をショルダー領域5に位置する主溝31の溝下保護ゴム層11の周方向弾性率に対して比率Aを表1に記載するように変更させた合計8種類の空気入りラジアルタイヤを製造した(実施例1〜5、比較例1〜3)。
また、表中のC値は、溝下保護ゴム層12の周方向弾性率のタイヤ幅方向弾性率に対する比率である。
この8種類の空気入りラジアルタイヤについて、下記の試験方法により耐偏摩耗性能を評価し、その結果を表1に示した。
〔耐偏摩耗性能の測定法〕
主溝を3本有する215/60R16にてロードテストを実施し(ローテーションはなし)、2万km走行後に1台1セット4本の各(最大残溝量−最小残溝量)を求め、4本で平均化して、偏摩耗性能を評価した。最大残溝量と最小残溝量は溝深さをゲージで計り求めた。
主溝を3本有する215/60R16にてロードテストを実施し(ローテーションはなし)、2万km走行後に1台1セット4本の各(最大残溝量−最小残溝量)を求め、4本で平均化して、偏摩耗性能を評価した。最大残溝量と最小残溝量は溝深さをゲージで計り求めた。
評価結果は、測定値の逆数を以って行い、比較例1の測定値の逆数を100とする指数で示した。
また、実施例3の空気入りラジアルタイヤのフットプリント図を図4に示した。実施例3の空気入りラジアルタイヤは、図5に示したものと比べて耐偏摩耗性能で優れていることがわかる。
実施例6〜8、比較例4〜6
タイヤサイズ195/65R15 91Hであり、図1に示すタイヤ構造を有し、ベルト層3がスチールコードからなり、フルカバー層7とエッジカバー層4とがナイロン66繊維コードからなることを共通とし、中央領域6に位置する主溝32の溝下保護ゴム層12のタイヤ子午線方向の断面積を、ショルダー領域5に位置する主溝31の溝下保護ゴム層11のタイヤ子午線方向の断面積に対して、比率Bを表2に記載のように変更させた合計6種類の空気入りラジアルタイヤを製造した(実施例6〜8、比較例4〜6)。
タイヤサイズ195/65R15 91Hであり、図1に示すタイヤ構造を有し、ベルト層3がスチールコードからなり、フルカバー層7とエッジカバー層4とがナイロン66繊維コードからなることを共通とし、中央領域6に位置する主溝32の溝下保護ゴム層12のタイヤ子午線方向の断面積を、ショルダー領域5に位置する主溝31の溝下保護ゴム層11のタイヤ子午線方向の断面積に対して、比率Bを表2に記載のように変更させた合計6種類の空気入りラジアルタイヤを製造した(実施例6〜8、比較例4〜6)。
この6種類の空気入りラジアルタイヤについて、前述と同じ試験方法により耐偏摩耗性能の評価を行い、評価結果を表2に記載した。評価値は、比較例4の測定値の逆数を100とする指数で示した。
1 空気入りラジアルタイヤ
2 トレッド部
3 ベルト層
31、32 主溝
4 エッジカバー層
5 ショルダー領域
6 中央領域
7 フルカバー層
11、12 溝下保護ゴム層
14 溝表面側のゴム層
15 タイヤ内面側のゴム層
2 トレッド部
3 ベルト層
31、32 主溝
4 エッジカバー層
5 ショルダー領域
6 中央領域
7 フルカバー層
11、12 溝下保護ゴム層
14 溝表面側のゴム層
15 タイヤ内面側のゴム層
Claims (7)
- トレッド部に配置したベルト層の少なくとも両端部に、補強コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回したエッジカバー層を設け、かつトレッド部の表面に前記エッジカバー層に対応するショルダー領域と対応しない中央領域とにそれぞれタイヤ周方向に延長する主溝を配置するようにした空気入りラジアルタイヤにおいて、前記主溝の溝底にトレッドゴムよりも弾性率の高い溝下保護ゴム層を設けると共に、前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率を前記ショルダー領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率の110〜250%の大きさにした空気入りラジアルタイヤ。
- 前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層に短繊維をタイヤ周方向に配向するように配合した請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率をタイヤ幅方向の弾性率の105〜300%にした請求項2記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層を2層のゴム層により構成し、溝表面側のゴム層の硬度を溝内面側のゴム層の硬度よりも低くした請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率を前記ショルダー領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率の170〜230%の大きさにした請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の周方向弾性率をタイヤ幅方向の弾性率の150〜210%にした請求項3〜5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- トレッド部に配置したベルト層の少なくとも両端部に、補強コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回したエッジカバー層を設け、かつトレッド部の表面に前記エッジカバー層に対応するショルダー領域と対応しない中央領域とにそれぞれタイヤ周方向に延長する主溝を配置するようにした空気入りタイヤにおいて、前記主溝の溝底にトレッドゴムよりも弾性率の高い溝下保護ゴム層を設けると共に、前記中央領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の子午線方向の断面積を、前記ショルダー領域に配置した主溝の溝下保護ゴム層の子午線方向の断面積の150〜300%の大きさにした空気入りラジアルタイヤ。
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CN109532340A (zh) * | 2018-12-25 | 2019-03-29 | 安徽佳通乘用子午线轮胎有限公司 | 一种耐沟裂低滚阻轮胎 |
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