JP2010200507A - 回転子用コア及び回転子 - Google Patents

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義仁 三箇
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Abstract

【課題】連結部に生じる応力を低減できる回転子用コアを提供することを目的とする。
【解決手段】回転子用コア1には回転軸Pに沿って延在する格納孔20の複数が穿たれている。格納孔20には永久磁石30が格納される。回転子用コア1は内周部11と、外周部12と、永久磁石保持部18とを備えている。内周部11は格納孔20に対して回転軸P側に存する。外周部12は格納孔20に対して、回転軸Pとは反対側に存する。永久磁石保持部18は、外周部12とは離間しつつ、内周部11から延在して内周部11とともに永久磁石30を挟む。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転子用コア及び回転子に関し、特に回転子用コアに生じる応力を低減する技術に関する。
特許文献1には埋め込み磁石型の界磁子用コアが記載されている。かかる界磁子用コアには複数の永久磁石が貫挿される格納孔が設けられている。かかる格納孔に永久磁石が貫挿された状態で、界磁子用コア及び永久磁石が界磁子として機能する。特許文献1における界磁子は回転子として機能し、12個の永久磁石が例示され、回転子の回転軸を中心とした周方向で隣り合う2つの永久磁石が一つの界磁磁極を形成している。即ち、特許文献1では6極の界磁子が例示される。
また、同じ界磁磁極に属する永久磁石の組の両端から、界磁子用コアの外周縁へと延在する空隙が形成されている。かかる空隙は界磁子用コアの外周縁近傍まで延在する。かかる空隙によって、周方向で隣り合う界磁磁極同士が短絡することを抑制している。空隙と外周縁とで挟まれた部位のコアを、(特許文献1とは異なり)本明細書では連結部と呼ぶ。言い換えると、界磁子用コアは、永久磁石に対して回転軸側にある内周部と、永久磁石に対して回転軸とは反対側にある外周部と、外周部同士を相互に連結する連結部とを有していると把握できる。
なお、本発明に関連する技術として特許文献2乃至8が開示されている。
特開2007−31880号公報 特開2000−156946号公報 特開2000−152535号公報 特開2001−169485号公報 実開平6−2976号公報 特開2003−74472号公報 特開2006−166543号公報 特開2007−159196号公報
特許文献1に記載の技術では、永久磁石は内周部と外周部によって挟まれるので、その径方向における位置が固定される。よって、埋め込み磁石型の界磁子用コアは、永久磁石を径方向に固定するという観点で、外周部及び内周部以外の構成要素を必要としない。
また、径方向における連結部の厚みは薄いことが望ましい。これによって、異なる界磁磁極に属する永久磁石同士が連結部を介して短絡することを抑制できるからである。
しかしながら、連結部の径方向における厚みを低減すると、回転軸を中心として界磁子が回転動作を行った場合に、永久磁石に作用する遠心力が外周部へと伝達されて連結部に応力が集中する。よって、連結部の径方向における厚みを低減させにくかった。そのため、連結部における応力を低減することが望まれる。
そこで、本発明は、連結部における応力を低減できる回転子用コアを提供することを目的とする。
本発明にかかる回転子用コアの第1の態様は、回転軸(P)の周りで回転する回転子用のコア(1)であって、前記回転軸に沿って延在し、少なくとも一つの永久磁石(30〜32)を格納するための格納孔(20)の複数が穿たれ、前記格納孔に対して前記回転軸側に存する内周部(11)と、前記格納孔に対して前記回転軸とは反対側に存する外周部(12)の複数と、前記回転軸を中心にした周方向で前記外周部同士を相互に連結する連結部(13)と、前記外周部と離間しつつ前記内周部から延在して前記内周部とともに前記永久磁石を挟み、前記内周部の外周側と共に、一つの前記格納孔の一部を構成する少なくとも一つの永久磁石保持部(18)とを備え、前記回転軸に垂直な方向において、前記永久磁石保持部の磁気抵抗が、前記外周部の磁気抵抗及び前記内周部の磁気抵抗のいずれよりも小さい。
本発明にかかる回転子用コアの第2の態様は、第1の態様にかかる回転子用コアであって、一の前記格納孔において前記永久磁石保持部は少なくとも3つ設けられ、複数の前記永久磁石保持部が前記一の前記格納孔の一部を構成し、前記一の前記格納孔において隣接する前記永久磁石保持部の一対の間毎に前記永久磁石が一つ保持される。
本発明にかかる回転子用コアの第3の態様は、第1又は第2の態様にかかる回転子用コアであって、前記周方向で相互に隣り合う2つの前記格納孔(20)の間で、前記内周部(11)から径方向に沿って前記回転軸(P)とは反対側へと延在し、前記2つの前記格納部に対して前記回転軸とは反対側に存する2つの前記外周部(12)のそれぞれに対して第1の空隙(22)を介して対面し、前記2つの前記格納孔をそれぞれ構成し、前記周方向で隣り合う2つの前記永久磁石保持部(18)のそれぞれに対して第2の空隙(24)を介して対面するリブ部(14)を更に備える。
本発明にかかる回転子用コアの第4の態様は、第1乃至第3の何れか一つの態様にかかる回転子用コアであって、前記永久磁石保持部(18)は前記永久磁石(30)を前記外周部側(12)から覆う。
本発明にかかる回転子の第1の態様は、第1乃至第4のいずれか一つの態様にかかる回転子用コアと、前記格納孔(20)に格納された前記永久磁石(30)とを備え、前記外周部(12)と前記永久磁石との間には間隙が生じている。
本発明にかかる回転子の第2の態様は、第1乃至第4のいずれか一つに記載の回転子用コアと、前記格納孔(20)に格納された前記永久磁石(30)とを備え、前記永久磁石(30)と前記外周部(12)との一組の質量をm、前記永久磁石と前記外周部との一組の質量中心と、前記回転軸(P)との間の距離をR、前記回転子の最高回転数における角速度をω、前記連結部(13)から、前記質量中心を通り前記回転軸を中心とした径方向に平行な直線までの距離をL、前記連結部(13)の前記回転軸に沿う軸方向及び前記径方向がなす断面における断面係数をZ、安全率をFs,補正係数をσ、前記連結部の降伏点をYPとすると、σ・Fs・L・mRω2/(2Z)>YPを満たす。
本発明にかかる回転子用コアの第1の態様によれば、格納孔に対し、外周部に磁極面を呈する永久磁石を埋め込み配置することで界磁子として機能する回転子を実現できる。また永久磁石を押さえる永久磁石保持部は内周部から延在するので、回転子が回転軸を中心に回転した場合に永久磁石に作用する遠心力のうち、永久磁石から外周部に対して作用する力を低減できる。これにより連結部に加えられる応力を低減できるので、連結部として径方向において厚みの薄いブリッジを採用できる。よって、当該連結部を介した永久磁石同士の短絡を低減できる。
また、回転軸に垂直な方向における永久磁石保持部の磁気抵抗が大きいので、永久磁石保持部が、外周部側に呈した永久磁石の磁極面と、内周部側に呈した永久磁石の磁極面との間を構造的に連結していても、当該磁極面同士の間で磁束が短絡することも抑制できる。
本発明にかかる回転子用コアの第2の態様によれば、一の格納孔に複数の永久磁石が格納される。一つの格納孔に格納される複数の永久磁石の磁極を同極性に揃えることにより、当該複数の永久磁石によって一つの界磁磁極が構成される。よって、回転軸からの永久磁石までの距離が同じであれば、一の界磁磁極を一つの永久磁石によって形成する場合に比べて、永久磁石の各々について磁極面と平行な長さが短い。したがって、永久磁石に対して遠心力が作用したときに、当該永久磁石がたわんで変形する量を低減でき、永久磁石と外周部との接触を回避しやすい。よって永久磁石から外周部へと径方向外向きの力が掛かりにくくなる。
本発明にかかる回転子用コアの第3の態様によれば、回転子用コアに永久磁石が埋め込まれた回転子において、リブ部がq軸インダクタンスを向上できるので、リラクタンストルクを有効に利用することができる。しかもリブ部と外周部との間には第1の空隙が介在しているので、外周部と内周部との間での磁束の短絡を招来しない。またリブ部と永久磁石保持部との間には第2の空隙が介在しているので、永久磁石保持部が担う磁気障壁たる機能をリブ部が阻害することもない。
本発明にかかる回転子用コアの第4の態様によれば、回転軸を中心とした周方向にける永久磁石の端のみを、永久磁石及び内周部が挟む態様に比べて、永久磁石に生じる応力を低減することができる。
本発明にかかる回転子の第1の態様によれば、永久磁石に作用する遠心力のうち外周部に対して作用する力をさらに抑制できる。
本発明にかかる回転子の第2の態様によれば、回転子がσ・Fs・L・mRω2/(2Z)>YPを満たす範囲に属していても、連結部の破損を抑制できる。
第1の実施の形態にかかる回転子の概念的な構成の一例を示す図である。 回転子に生じる応力のシミュレーション結果を示す図である。 回転子の連結部に生じる応力のシミュレーション結果を拡大して示す図である。 従来の回転子に生じる応力のシミュレーション結果を示す図である。 従来の回転子の連結部に生じる応力のシミュレーション結果を拡大して示す図である。 従来の回転子の概念的な構成の一例を示す図である。 電動機の概念的な構成の一例を示す図である。 第2の実施の形態にかかる回転子の概念的な構成の一例を示す図である。 回転子に生じる応力のシミュレーション結果を示す図である。 回転子の連結部に生じる応力のシミュレーション結果を拡大して示す図である。 図6に示す回転子において、永久磁石の変形を示す図である。 図7に示す回転子において、永久磁石の変形を示す図である。 第3の実施の形態にかかる回転子の概念的な構成の一例を示す図である。
第1の実施の形態.
図1は回転軸Pに垂直な断面における回転子の概念的な構成の一例を示している。本回転子は、回転子用コア1と、複数の永久磁石30とを備えている。
回転子用コア1は軟磁性体(例えば鉄)であって、例えば回転軸Pを中心とした円柱状の外周面を有している。但し、必ずしも円柱状の外周面を有している必要はなく、例えば回転軸Pに垂直な断面が楕円を呈する柱形状の外周面を有していてもよい。また図1では、回転軸Pを含む領域にシャフト孔40が設けられている。シャフト孔40は回転軸Pに沿って回転子用コア1を貫通している。かかるシャフト孔40には不図示のシャフトが貫挿配置される。なお、シャフト孔40についても必須の要件ではない。例えば回転軸Pに沿う軸方向(以下、単に軸方向と呼ぶ)における回転子用コア1の両端に端板が設けられ、当該端板にシャフトが取り付けられる態様であれば、シャフト孔40は不要である。
回転子用コア1には永久磁石30を格納するための格納孔20の複数が穿たれている。格納孔20は回転軸Pに沿って延在している。但し、いわゆるスキューを設けるべく、格納孔20が軸方向に対して傾斜して延在してもよい。格納孔20には少なくとも一つ以上の永久磁石30が格納される。図1の例では、一つの格納孔20に一つの永久磁石30が格納されている。格納孔20の径方向における厚みは、自身に格納される永久磁石30の径方向における厚みよりも2から7%大きく設定するとよい。これによって、永久磁石30の格納孔20への挿入を容易としつつも、永久磁石30と回転子用コア1との間の間隙を低減している。
なお、回転子用コア1は軸方向に積層された複数の電磁鋼板によって構成されていてもよい。電磁鋼板1枚の軸方向における厚みは例えば0.1mmから0.5mmである。そして、これらの複数の電磁鋼板が例えばカシメ又は溶接によって相互に固定される。軸方向に積層された電磁鋼板によって、回転軸Pに垂直な断面に沿って回転子用コア1を流れる磁束に起因する渦電流を低減することができる。
また、回転子用コア1は圧粉磁心であってもよい。圧粉磁心は意図的に絶縁物を含んで成型されるので、その電気抵抗は高い。よって、回転子用コア1に生じる渦電流を低減できる。
永久磁石30は例えばネオジム、鉄、ホウ素を主成分とした希土類磁石であって、回転軸Pの周りで環状に配置されている。図1では4つの永久磁石30(いわゆる4極)が示されているが、6個以上あってもよい。永久磁石30は例えば板状の形状を有しており、その厚み方向が永久磁石30の径方向に沿うように配置されている。図1で例示された形状についてより正確に言えば、永久磁石30の厚み方向が、回転軸Pに垂直な断面における永久磁石30の中心の位置での径方向と一致する。また永久磁石30は径方向(以下、構成要素について径方向に言及する場合、当該構成要素が配置された位置での径方向を、単に径方向と呼ぶ)に着磁される。ここでは永久磁石30の厚み方向に着磁される。回転軸Pを中心とした周方向(以下、単に周方向と呼ぶ)で隣り合う永久磁石30が径方向の一方に呈する磁極面30aは周方向で互いに異なっている。
なお、永久磁石30の表面がアルミニウム等の金属でコーティングされていたり、樹脂等で塗装されていてもよい。これによって、永久磁石30を保護することができる。
永久磁石30は、本固定子に対して、回転軸Pとは反対側に固定子を配置した場合に、固定子へと界磁磁束を供給する界磁磁極として機能する。図1の例示では、一つの永久磁石30は一つの界磁磁極として機能する。
ここで、回転子用コア1のうち、格納孔20に対して回転軸P側(以下、内周側とも呼ぶ)に存する部分を内周部11と、格納孔20に対して回転軸Pとは反対側(以下、外周側とも呼ぶ)に存する部分を外周部12と呼ぶ。
格納孔20の少なくとも一部は、内周部11の外周側と、当該外周側に向いた永久磁石保持部18の表面によって構成されている。図1の例では、格納孔20は、内周部11の外周側と、外周部12の内周側と、2つの永久磁石保持部18の上記表面によって構成されている。
永久磁石保持部18は外周部12と離間しつつ内周部11から延在して内周部11と共に永久磁石30を挟んでいる。図1の例では、一つの格納孔20に設けられる2つの永久磁石保持部18の上記表面はそれぞれ格納孔20の周方向における両端を構成している。換言すると、2つの永久磁石保持部18はそれぞれ周方向における永久磁石30の両側に在る。これらの永久磁石保持部18は内周部11から永久磁石30の厚み方向に沿って外周側へと延在し、続けて回転軸Pに垂直な面での永久磁石30の長手方向に沿って、永久磁石30側へと延在している。換言すれば、永久磁石保持部18は永久磁石30をその厚み方向で掛止する爪形状を有している。
また回転軸Pに垂直な方向において、永久磁石保持部18の磁気抵抗は、外周部12の磁気抵抗及び内周部11の磁気抵抗よりも大きい。ここでいう、永久磁石保持部18の磁気抵抗とは、永久磁石30の磁極面30a,30bとの間で永久磁石保持部18を流れる磁束についての磁気抵抗である。また外周部12及び内周部11の磁気抵抗とは、例えば永久磁石30の磁極面30a,30bからそれぞれ径方向に流れる磁束についての磁気抵抗である。これによって、永久磁石保持部18が、外周側に呈した永久磁石30の磁極面30aと、内周側に呈した永久磁石30の磁極面30bとの間を構造的に連結していても、当該磁極面30a,30b同士の間で磁束が短絡することも抑制できる。換言すると、永久磁石保持部18は磁極面30a,30bの間を結ぶ磁束の通り道において磁気障壁として機能する。
磁極面30a,30b同士の間の磁束の短絡を抑制するという観点では、永久磁石保持部18の磁気抵抗は大きいほど望ましい。永久磁石保持部18の磁気抵抗を大きくするためには、例えば永久磁石保持部18において磁束が通る方向に垂直な断面を小さくすればよい。図1の例示では、永久磁石保持部18のうち、永久磁石30の厚み方向に延在する部分では、その厚み方向に垂直な方向における幅、あるいは永久磁石30の長手方向に延在する部分ではその長手方向に垂直な方向における幅、を調整して、永久磁石保持部18の磁気抵抗を大きくできる。
複数の格納孔20の各々に対して外周側に存する外周部12の複数同士は、連結部13(以下、ブリッジ部13とも呼ぶ)によって周方向で相互に連結されている。
また図1の例示では、回転子用コア1にはリブ部14が設けられている。リブ部14は周方向で隣り合う格納孔20の相互間で、内周部11から径方向に沿って外周側へと延在している。リブ部14はq軸インダクタンスを向上することができるので、回転子に対して外周側から固定子を設けて電動機を構成した場合に、リラクタンストルクを有効に利用できる。
またリブ部14は、周方向で隣り合う2つの外周部12の間で、これら2つの外周部12の各々に対して空隙22を介して対面している。リブ部14と外周部12との間には空隙22が介在しているので、リブ部14を介して隣り合う外周部12同士、あるいは内周部11と外周部12との間で磁束の短絡を招来しない。また、リブ部14と、これと周方向で隣り合う永久磁石保持部18とは空隙24を介して相互に対面している。言い換えると、リブ部14は、周方向で隣り合う2つの格納孔20にそれぞれ属し周方向で隣り合う2つの永久磁石保持部18と、それぞれ空隙24を介して対面している。永久磁石保持部18とリブ部14との間に空隙24が介在しているので、永久磁石保持部18が担う磁気障壁たる機能をリブ部14が阻害することもない。
ブリッジ部13は、リブ部14から周方向に沿って延在して、当該リブ部14と周方向で隣り合う外周部12に至る。ブリッジ部13はリブ部14と共に、外周部12同士を連結している。
なお、永久磁石30が回転子用コア1に埋め込まれる永久磁石埋込型の回転子において、上述したリラクタンストルクの有効利用という観点ではリブ部14は設けられることが望ましい。しかし、これは必須の要件ではなく、仮にリブ部14が設けられていなくても構わない。リブ部14が設けられていない場合、ブリッジ部13は内周部11と離間しつつ周方向で外周部12同士を連結する。
なお、図1の例示では、回転子用コア1には、自身を軸方向に貫通する貫挿孔50が設けられている。貫挿孔50は例えば内周部11に設けられている。また貫挿孔50は周方向において永久磁石30の相互間と回転軸Pとを結ぶ直線の各々の上に位置している。貫挿孔50にはリベットあるいはボルトが挿入される。回転子の軸方向における両端には、非磁性の端板(不図示)とバランスウェイト(不図示)が設けられる。リベットあるいはボルトは端板、バランスウェイト及び回転子を軸方向で挟んで締め付けて固定する。なお、端板は例えば円形の板状形状を有し、回転子用コア1の径よりも小さい径を有しているとよい。貫挿孔50と、端板に設けられる貫挿孔とを軸方向で一致させるために、端板を回転子に対してずらしたとしても、端板が回転子の外周側にはみ出しにくいからである。
上述した回転子に対して、回転軸Pとは反対側から(即ち回転子の外側から)、回転子と径方向で対面するように固定子を配置することで回転電機を構成することができる。かかる回転電機において、回転子は回転軸Pを中心に回転する。
回転子用コア1によれば、永久磁石30を押さえる永久磁石保持部18は、外周部12と離間しつつ内周部11から延在するので、回転子が回転軸Pを中心に回転した場合に永久磁石30に作用する遠心力のうち、永久磁石30から外周部12に伝達する力を低減できる。これにより連結部(より具体的にはブリッジ部13)に加えられる応力を低減できる。よって、連結部として径方向において厚みの薄いブリッジ部13を採用しても回転子用コア1の変形を招きにくい。ブリッジ部13の厚みが薄いほどブリッジ部13は永久磁石30同士の短絡を低減できる。
図2,3は本回転子が回転した場合に回転子に生じる応力のシミュレーション結果を示している。図2は、図1に示す回転子において、一の界磁磁極(周方向で隣接する他の界磁磁極との間を二等分した領域も含む)に相当する部分のみを示している。図1の例では、界磁磁極の周方向における周期性のため、一の界磁磁極に相当する部分の形状が、他の一の界磁磁極に相当する部分の形状と互いに同一であるので、図2に示す応力の結果から、回転子全体に生じる応力の結果が推測される。図3は、図2に示す破線で囲まれた部分の拡大図である。図2,3において、応力についての等高線が符号101〜109で示されている。符号は、その数字が大きいほど、その数字によって区別された等高線が高い応力を示すことを意味している。また、最も応力が低い領域を砂地のハッチングで示している。
また図2,3においては、永久磁石30と内周部11との間及び永久磁石30と外周部12との間に間隙が生じている場合についてのシミュレーション結果が示されている。
図2,3に示すシミュレーション結果から理解できるように、回転子用コアの連結部(より具体的にはブリッジ部13)に高い応力が集中する。
また、比較のために従来の回転子に生じる応力についてのシミュレーション結果を示す。従来の回転子として、図1に示す回転子と比較して、永久磁石保持部18を備えていない回転子を採用した。永久磁石保持部18の有無を除いて、その形状、大きさは同一である。
図4,5は、かかる従来の回転子に生じる応力のシミュレーション結果を示している。図4は、従来の回転子において、一の界磁磁極(周方向で隣接する他の界磁磁極との間を二等分した領域も含む)に相当する部分のみを示している。従来の回転子においても、一の界磁磁極に相当する部分の形状は、他の一の界磁磁極に相当する部分と互いに同一であるとする。よって、図4に示す応力の結果から、従来の回転子全体に生じる応力の結果が推測される。図5は、図4に示す破線で囲まれた部分の拡大図である。図4,5において、応力についての等高線が符号101〜111で示されている。符号は、その数字が大きいほど、その数字によって区別された等高線が高い応力を示すことを意味している。また、図2〜5に示す等高線において、同じ符号によって区別される等高線は同一の応力の値を示している。また、最も応力が低い領域を砂地のハッチングで示している。
図4に示されるように、従来の回転子においても、連結部において応力が集中する。また図5に示されるように、従来の回転子の連結部に生じる応力としては、符号111で示される等高線が最も高い応力である。
一方、図3に示されるように、本回転子の連結部に生じる応力としては、符号109で示される等高線が最も高い応力である。よって、本回転子によれば、連結部に生じる応力を低減できることが分かる。
なお、図1の例では、永久磁石30と外周部12とが相互に離間した回転子が示されているが、例えば回転子の回転によって、永久磁石30の中央が外周側へと変形し、永久磁石30と外周部12とが接していてもよい。この場合、永久磁石30に作用する遠心力が外周部12へと伝達されるものの、当該遠心力の一部は永久磁石保持部18によって外周部12へと伝達されることを阻害される。よって、この場合であっても、従来の回転子に比べて、永久磁石30に作用する遠心力が外周部12へと伝達されることを抑制でき、ひいては連結部(より具体的にはブリッジ部13)に生じる応力を低減できる。また、永久磁石30が永久磁石保持部18によって保持されていれば、回転子の回転に関わらず、永久磁石30と外周部12とが接していてもよい。永久磁石保持部18が、永久磁石30に作用する遠心力の一部を支持し、これが外周部12へと伝達されることを防止するからである。
また、図1の例では、永久磁石保持部18が格納孔20の周方向における両端を構成しているが、一端のみを構成していてもよい。この場合、永久磁石30の他端は回転子の回転に伴って外周部12へと接触し得る。即ち、永久磁石30に作用する遠心力は当該他端を介して外周部12へと伝達され得る。一方、永久磁石保持部18は永久磁石30の周方向における一端を掛止する。換言すれば、永久磁石保持部18は永久磁石30に作用する遠心力の一部が外周部12へと伝達されることを阻害する。よって、この場合であっても、従来の回転子に比べて連結部(より具体的にはブリッジ部13)に生じる応力を低減できる。
また、格納孔20の周方向における両端を構成する2つの永久磁石保持部18のいずれもが外周部12と離間している必要はなく、永久磁石保持部18の少なくとも何れか一つが外周部12と離間していればよい。永久磁石30に作用する遠心力の一部は、外周部12と接する永久磁石保持部18を介して外周部12に伝達され得るものの、外周部12と離間した永久磁石保持部18を介して外周部12に伝達されることはない。換言すれば、外周部12と離間した永久磁石保持部18は、永久磁石30に作用する遠心力の一部が外周部12へと伝達されることを阻害する。よって、この場合であっても、従来の回転子に比べて連結部(より具体的にはブリッジ部13)に生じる応力を低減できる。
ここで、従来の回転子のブリッジ部13に生じる応力について考慮する。図6は回転軸Pに垂直な断面における従来の回転子の概念的な構成を示している。図6においては、6個の界磁磁極が設けられた回転子が示されている。
永久磁石30と外周部12との一組の質量をm、永久磁石30と外周部12の一組についての質量中心MPと、回転軸Pとの間の距離をR、回転子の最高回転数における角速度をω、とすると、回転子に生じる遠心力Fは次式で表される。
F=mRω2 ・・・(1)
ブリッジ部13とリブ部14との境界のうち外周部12側の点から、質量中心MPを通り径方向に平行な直線までの距離をLとすると、ブリッジ部13に生じる曲げモーメントMは次式で表される。
M=LF/2 ・・・(2)
またブリッジ部13の径方向における幅をh、軸方向における回転子用コア1の高さをbとすると、ブリッジ部13の断面係数Zは次式で表される。
Z=bh2/6 ・・・(3)
最大曲げ応力σmaxは次式で表される。
σmax=M/Z ・・・(4)
ただし、上述した式変形では、ブリッジ部13における主応力のみを考慮し、相当応力については無視している。図6に示す従来の回転子において、相当応力をも考慮した最大曲げ応力は、主応力のみを考慮した最大曲げ応力の約2倍である。但し、この関係は2という数字に必ずしも限定されるものではなく、回転子の形状に応じて変更され得る。そして、式(4)に示す最大曲げ応力σmaxに補正係数σ(ここでは2)を乗じて最大曲げ応力σmaxを算出する。よって、最大曲げ応力σmaxは次式で表される。
σmax=σM/Z ・・・(5)
そして、この最大曲げ応力σmaxがブリッジ部13に生じた場合に、回転子が破損しないようにするためには、最大曲げ応力σmaxをブリッジ部13の降伏点YPよりも小さくする必要がある。但し、通常は安全率Fsを導入して、次式を満たすように、回転子が設計される。
Fs・σmax≦YP ・・・(6)
式(1)〜(5)を用いて式(6)を変形すると次式が導かれる。
Fs・L・mRω2/(2・bh2/6)≦YP ・・・(7)
つまり、従来の回転子が式(7)を満たす範囲に属すれば、遠心力による回転子の破損を防ぐことができる。一方、図1に示す本回転子においては、永久磁石30が永久磁石保持部18によって支持されるので、ブリッジ部13に生じる応力が低減される。よって、本回転子が次式で表される範囲に属していてもよい。
Fs・L・mRω2/(2・bh2/6)>YP ・・・(8)
なお、mは図1に示す本回転子においても、永久磁石30と外周部12との一組の質量を示す。またLは図1に示す本回転子においても、ブリッジ部13とリブ部14との境界のうち外周部12側の点から、永久磁石30と外周部12との一組の質量中心を通り径方向に平行な直線までの距離を示している。したがって、式(8)の左辺で示される値は、図1に示すブリッジ部13に生じる最大曲げ応力とは一致しない。本回転子においては、上述したように、ブリッジ部13に生じる応力を低減できるので、本回転子が式(8)を満たす範囲に属していたとしても、実際にブリッジ部13に生じる最大曲げ応力は式(8)の左辺で示される値よりも小さく、ひいては降伏点YPよりも小さくすることが容易い。なお、この内容は後述する他の実施の形態にも適用される。
なお、回転子用コア1が軸方向で積層された電磁鋼板である場合、電磁鋼板1枚あたりのブリッジ部13に生じる最大曲げ応力と、降伏点YPとを比較するとよい。具体的には、遠心力Fを電磁鋼板の数で除算し、ブリッジ部13の断面係数を算出するに際して、回転子用コア1の軸方向における高さbを電磁鋼板の軸方向における厚みbとして置き換えればよい。
また以下に述べる内容も他の実施の形態に適用される。本回転子に対して、回転軸Pとは反対側から固定子を配置することで電動機(例えばブラシレスDCモータ)を構成できる。図7はかかる電動機の概念的な構成の一例を示す図である。但し、図7においては、回転軸Pを含む断面における電動機のうち、回転軸Pに対して一方の側のみが示されている。電動機は、回転子用コア1と永久磁石30とを有する固定子と、シャフト60と、固定子70と、ケース80とを備えている。シャフト60は回転子用コア1のシャフト孔40に貫挿されている。回転子用コア1はシャフト60に対して、例えば焼き嵌め、圧入、溶接、ボルト締めなどによって固定されている。固定子70は回転軸Pとは反対側から回転子と対向して配置される。固定子70はケース80に対して、例えば焼き嵌め、圧入、溶接により固定される。固定子70は、例えば集中巻き方式又は分布巻き方式によって不図示のティースに巻回された不図示のコイルを有している。かかるコイルに電流が流れることで、固定子70は回転子へと回転磁界を供給する。かかる回転磁界に応じて回転子は回転軸Pを中心として回転する。
この電動機は例えば比較的高速回転型のスクロール圧縮機及びターボ圧縮機に搭載されることができる。これらの圧縮機では、回転子が比較的高速に回転するために回転子に生じる遠心力は比較的大きい。よって、遠心力に起因してブリッジ部13に生じる応力を低減できる本回転子はこれらの圧縮機に適している。
また、この電動機はスクリュー圧縮機などの大容量圧縮機に搭載されてもよい。かかる大容量圧縮機では、回転子の直径を大きくすることが要求されるので、回転子に生じる遠心力は比較的大きい。よって、遠心力に起因してブリッジ部13に生じる応力を低減できる本回転子は大容量圧縮機に適している。
なお、電動機がこれらの圧縮機に搭載される場合、ケース80は圧縮機構を収納する密閉容器であってもよい。
また大容量圧縮機では、固定子から回転子へと与えられる回転磁界の強度が比較的大きいので、永久磁石30は高い減磁耐力が要求される。かかる減磁耐力を実現するために、永久磁石30の径方向における厚みを増大させる場合がある。このとき永久磁石30の体積が増大、ひいては永久磁石30の質量が増大する。従来の回転子であれば、永久磁石30の質量が遠心力としてブリッジ部13に作用するところ、本回転子では永久磁石30が永久磁石保持部18によって支持されて、当該遠心力がブリッジ部13へと伝達されることを抑制する。よって、永久磁石30の質量が重いほど、従来の回転子に比べてブリッジ部13に生じる応力の低減効果が高い。
また本回転子においては、外周部12に貫挿孔50を設けて、貫挿孔50にリベット又はボルトを貫挿させ、リベット又はボルトによって永久磁石30あるいは外周部12に作用する遠心力を支持しなくてもよい。永久磁石保持部18によって、永久磁石30に作用する遠心力を支持できるからである。このように、外周部12に貫挿孔50を設ける必要がないので、回転軸Pに沿って見た外周部12の面積を低減しても構わない。したがって、回転子の界磁磁極の数を増大させて外周部12の面積が低減されたとしても、遠心力に起因する応力の観点では問題が生じない。界磁磁極の数を増大させることによって、回転子と固定子70との間に作用する磁気吸引力が分散されるので、振動及び騒音を低減することができる。したがって、振動や騒音が増大する傾向にある大容量圧縮機において、本回転子用コア1を用いることは特に好適である。
第2の実施の形態.
図8は、回転軸Pに垂直な断面における回転子の概念的な構成の一例の一部を示している。図8では、一の界磁磁極に相当する部分のみが示されている。
格納孔20において、永久磁石保持部18は少なくとも3つ設けられている。そして、格納孔において、隣接する永久磁石保持部18の一対の間に永久磁石がそれぞれ保持される。図8の例示では、一つの格納孔20において永久磁石保持部18が周方向で3つ設けられている。そして、2つの永久磁石31,32がそれぞれ永久磁石保持部18の一対の間に保持される。ここで、一つの格納孔20とは、一つの界磁磁極を呈する永久磁石が格納される格納孔である。つまり、格納される永久磁石が複数である場合、これら複数の永久磁石が格納される孔をまとめて一つの格納孔20と呼ぶ。図8では、2つの永久磁石31,32が外周側へと呈する極性は同極性である。換言すると、2つの永久磁石31,32が一つの界磁磁極を構成する。
図8の例示では、周方向における永久磁石31,32の間に位置する永久磁石保持部18は、内周部11から永久磁石31,32の厚み方向に延在し、続けて当該永久磁石31,32へと向かって延在している。言い換えれば、この永久磁石保持部18はT状の形状を有し、それぞれ永久磁石31,32を厚み方向で掛止している。この永久磁石保持部18を挟んで両側に位置する2つの永久磁石保持部18の一例については、図1に示す永久磁石保持部18と同一である。
外周部12は一つの界磁磁極を構成する一つの格納孔20(つまり、永久磁石31,32が格納される格納孔)に対して外周側に存する部分である。図8の例示では、外周部12は永久磁石保持部18のいずれとも離間されているものの、少なくとも何れか一つと離間していればよい。永久磁石31,32に作用する遠心力は外周部12と離間する永久磁石保持部18を介して外周部12へと伝達されないので、外周部12に作用する力を低減できるからである。
また永久磁石31,32は外周部12と相互に離間していてもよく、接触していてもよいが、連結部に生じる応力の低減という観点では離間しているほうが望ましい。
なお、図8の例示では、永久磁石31,32は、それぞれ自身の両端で永久磁石保持部18によって掛止され、また永久磁石31,32は外周部12とは離間している。また、永久磁石31,32の一組の両端の間の長さは、図1に例示した永久磁石30の長手方向における長さとほぼ等しく、回転軸Pに沿う断面は、永久磁石30〜33のいずれにおいても同一である。
かかる回転子によれば、図1に例示される回転子、即ち、永久磁石30の周方向における両端が永久磁石保持部18によって掛止され、永久磁石30が外周部12と離間した回転子に比べて、永久磁石31,32に生じる応力を低減することができる。以下、具体的に応力についてのシミュレーション結果を示す。
図9,10は図8に示す回転子に生じる応力のシミュレーション結果である。図9は、回転子において、一の界磁磁極に相当する部分のみを示している。一の界磁磁極に相当する部分の形状は、他の一の界磁磁極に相当する部分と互いに同一である。よって、図9に示す応力の結果から、回転子全体に生じる応力の結果が推測される。図10は、図9に示す破線で囲まれた部分の拡大図である。図9,10において、応力についての等高線が符号101〜109で示されている。符号は、その数字が大きいほど、その数字によって区別された等高線が高い応力を示すことを意味している。また、図2〜5,9,10に示す等高線において、同じ符号によって区別される等高線は同一の応力の値を示している。また、最も低い応力が砂地のハッチングで示されている。
図10に示されるように、本回転子の連結部に生じる応力としては、符号109で示される等高線が最も高い応力である。一方、図5に示されるように、従来の回転子の連結部に生じる応力としては、符号111で示される等高線が最も高い応力である。よって、本回転子によれば、連結部に生じる応力を低減できることが分かる。
また、図9に示されるように、本回転子の永久磁石に生じる応力としては、符号101で示される等高線が最も高い応力である。一方、図3に示されるように、第1の実施の形態にかかる回転子の永久磁石に生じる応力としては、符号103で示される等高線が最も高い応力である。従って、第2の実施の形態にかかる回転子によれば、永久磁石に生じる応力を低減できることが分かる。これは、永久磁石31,32の長手方向における長さを短くすることにより、主として永久磁石31,32に生じる曲げ応力が低減されるからと考えられる。
また本回転子によれば、永久磁石31,32に生じる応力を低減することができるので、永久磁石31,32の変位量(たわみ量)を低減することができる。図11は、図9,10に示す応力が回転子に生じた場合の、永久磁石の変位についてのシミュレーション結果を示している。図12は、図2,3に示す応力が回転子に生じた場合の、永久磁石の変位についてのシミュレーション結果を示している。図11,13の比較によれば、永久磁石30の変位量に比べて、永久磁石31,32の変位量を低減できることが分かる。
これによって、回転子の回転中に、永久磁石31,32がたわんで外周部12と接する可能性を低減でき、以って永久磁石31,32に作用する遠心力のうち外周部12へと伝達される力を低減できる。ひいては、連結部に生じる応力を低減できる。
第3の実施の形態.
図13は回転子の概念的な構成の一例を示している。図1に示す回転子と比較して、永久磁石保持部18が外周部12側から永久磁石30を覆っている。なお、図1では回転子のうち、一の界磁磁極に相当する部分のみが示されている。換言すると、格納孔20が内周部11と永久磁石保持部18によって構成されている。
図1の例示では、永久磁石保持部18は、周方向における永久磁石30の一方の側において、内周部11から永久磁石30の厚み方向に沿って外周側へと延在し、続けて永久磁石30の長手方向に延在して外周部12側で永久磁石30を覆い、続けて周方向における永久磁石30の他方の側において永久磁石30の厚み方向に沿って内周側へと延在して内周部11に至る。
かかる回転子によっても、永久磁石保持部18と外周部12との間には間隙が生じているので、永久磁石30に作用する遠心力が永久磁石保持部18を介して外周部12へと伝達されない。よって、連結部に生じる応力を低減できる。
また、図1に示す回転子、即ち永久磁石30の周方向における端のみが永久磁石保持部18によって支持される回転子に比べて、永久磁石30に生じる応力を低減することができる。また、永久磁石30に代えて、図8に示す永久磁石31,32を本実施の形態にかかる回転子用コア1の格納孔20に格納してもよい。この場合であっても、図8に示す回転子、即ち永久磁石31,32の周方向における端のみが永久磁石保持部18によって支持される回転子に比べて、永久磁石31,32に生じる応力を低減できる。
なお、永久磁石30が発生する界磁磁束という観点では、永久磁石保持部18と外周部12との間に介在する間隙は小さいほうが望ましい。永久磁石30から外周側に発生する界磁磁束が通る磁気抵抗を低減できるからである。
1 回転子用コア
11 内周部
12 外周部
13 連結部
18 永久磁石保持部
20 格納孔
30〜32 永久磁石

Claims (6)

  1. 回転軸(P)の周りで回転する回転子用のコア(1)であって、
    前記回転軸に沿って延在し、少なくとも一つの永久磁石(30〜32)を格納するための格納孔(20)の複数が穿たれ、
    前記格納孔に対して前記回転軸側に存する内周部(11)と、
    前記格納孔に対して前記回転軸とは反対側に存する外周部(12)の複数と、
    前記回転軸を中心にした周方向で前記外周部同士を相互に連結する連結部(13)と、
    前記外周部と離間しつつ前記内周部から延在して前記内周部とともに前記永久磁石を挟み、前記内周部の外周側と共に、一つの前記格納孔の一部を構成する少なくとも一つの永久磁石保持部(18)と
    を備え、
    前記回転軸に垂直な方向において、前記永久磁石保持部の磁気抵抗が、前記外周部の磁気抵抗及び前記内周部の磁気抵抗のいずれよりも大きい、回転子用コア。
  2. 一の前記格納孔において前記永久磁石保持部は少なくとも3つ設けられ、複数の前記永久磁石保持部が前記一の前記格納孔の一部を構成し、
    前記一の前記格納孔において隣接する前記永久磁石保持部の一対の間毎に前記永久磁石が一つ保持される、請求項1に記載の回転子用コア。
  3. 前記周方向で相互に隣り合う2つの前記格納孔(20)の間で、前記内周部(11)から径方向に沿って前記回転軸(P)とは反対側へと延在し、前記2つの前記格納部に対して前記回転軸とは反対側に存する2つの前記外周部(12)のそれぞれに対して第1の空隙(22)を介して対面し、前記2つの前記格納孔をそれぞれ構成し、前記周方向で隣り合う2つの前記永久磁石保持部(18)のそれぞれに対して第2の空隙(24)を介して対面するリブ部(14)
    を更に備える、請求項1又は2に記載の回転子用コア。
  4. 前記永久磁石保持部(18)は前記永久磁石(30)を前記外周部側(12)から覆う、請求項1乃至3の何れか一つに記載の回転子用コア。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の回転子用コアと、
    前記格納孔(20)に格納された前記永久磁石(30)と
    を備え、
    前記外周部(12)と前記永久磁石との間には間隙が生じている、回転子。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の回転子用コアと、
    前記格納孔(20)に格納された前記永久磁石(30)と
    を備え、
    前記永久磁石(30)と前記外周部(12)との一組の質量をm、前記永久磁石と前記外周部との一組の質量中心(MP)と、前記回転軸(P)との間の距離をR、前記回転子用コアの最高回転数における角速度をω、前記外周部と連結部(13)から、前記質量中心を通り前記回転軸を中心とした径方向に平行な直線までの距離をL、前記連結部(13)の前記回転軸に沿う軸方向及び前記径方向がなす断面における断面係数をZ、安全率をFs,補正係数をσ、前記連結部の降伏点をYPとすると、
    σ・Fs・L・mRω2/(2Z)>YP
    を満たす、回転子。
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