JP2010197914A - パターン形成方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラックマトリクスのような格子状パターンを形成する際のコストを低減する。
【解決手段】第1の工程において、格子状パターンの全体における長手方向の直線パターンを、例えば1kHz以上の高い印字周波数により描画する。次いで、第2の工程において、格子状パターンの全体における短手方向の直線パターンを、例えば100Hz以下の低い印字周波数により描画する。これにより、短手方向の直線パターンと長手方向の直線パターンとの交点にバルジが発生し、これをブラックマトリクスにおけるTFTの遮光部として用いることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、とくにカラー液晶表示装置を構成するカラーフィルタに用いるブラックマトリクスの製造に適したパターン形成方法および装置に関するものである。
カラーテレビ、パソコンおよび携帯電話等に使用されるカラー液晶表示装置のカラーフィルタには、RGB各色の着色層が形成されている。このような着色層等のパターンの形成方法としては、例えばリソグラフィー法が公知であるが、リソグラフィー法は真空装置等の大がかりな設備と複雑な工程を必要とする。また、リソグラフィー法は材料の使用効率が数%程度であり、その殆どを廃棄する必要があることから、製造コストが高い。このため、コストダウンの観点からインクジェット方式により基板に直接パターンを形成する手法が提案されている(特許文献1参照)。
ところで、カラーフィルタには遮光層としてブラックマトリクスを形成する必要がある。ブラックマトリクスは、RGB各色の画素領域を区画する格子状のパターンを有し、パターンの間にRGB各色の着色層が形成される。ブラックマトリクスは液晶表示装置のコントラストを向上させるために重要であるが、TFT(薄型トランジスタ)を用いたアクティブマトリクス型の液晶素子を用いた液晶表示装置においては、TFTの誤作動を防止するためにTFTを遮光する必要がある。このため、カラーフィルタ上のTFTに対応する領域に、インクジェット方式により黒色樹脂組成物からなるインクを塗布することにより、TFTを遮光するための遮光部を形成する手法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2005−268693号公報 特開2000−171626号公報
しかしながら、特許文献2に記載された手法は、カラーフィルタを製造するための基板にインクジェット方式によりインクを付与することにより遮光部を形成している。このため、特許文献2に記載された手法を用いて、インクジェット方式によりブラックマトリクスを形成する場合、格子状パターンにおける一方向の直線を描画する第1の工程、一方向に直交する方向の直線を描画する第2の工程、および遮光部を描画する第3の工程という3つの工程が必要となる。このため、ブラックマトリクス製造のための工程数が多く、さらなる低コスト化を図ることができないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、ブラックマトリクスのような格子状パターンを形成する際のコストを低減することを目的とする。
本発明によるパターン形成方法は、インクジェット方式を用いて基板に液滴を付与することにより、該基板に格子状パターンを形成するパターン形成方法において、
前記格子状パターンの一方向に所定の印字周波数により複数の第1の直線を描画し、
前記一方向の直交方向に、前記所定の印字周波数よりも低い印字周波数により複数の第2の直線を描画することを特徴とするものである。
インクジェット方式により直線パターンを描画する場合、液滴が直線のパターンからこぶ状に濡れ広がるバルジの発生が問題となる。バルジは印字周波数が高速であればその発生を防止できるが、印字周波数が低速であるとバルジが発生する。「所定の印字周波数」とは、バルジが発生しないような印字周波数を意味する。具体的には、1kHz以上、好ましくは10kHz以上の比較的高い印字周波数とすることが好ましい。
また、「所定の印字周波数よりも低い印字周波数」としては、バルジが発生するような100Hz以下、好ましくは10Hz以下の印字周波数が好ましい。なお、印字周波数とは、1秒間に液滴が基板上に着弾する回数である。
なお、本発明によるパターン形成方法においては、前記直交方向におけるドットピッチをp[μm]、前記液滴の直径をd[μm]、前記基板と前記液滴との接触角をθ[rad]としたとき、前記ドットピッチp[μm]を下記の条件を満たすものとしてもよい。
Figure 2010197914
液滴の直径とは、インクを吐出するヘッドから吐出され、基板に着弾する前の液滴の直径である。
また、本発明によるパターン形成方法においては、前記基板と前記液滴との接触角を30度以下とするようにしてもよい。
また、本発明によるパターン形成方法においては、前記液滴を揮発成分を含むものとしてもよい。
また、本発明によるパターン形成方法においては、前記第2の直線の、前記第1の直線上におけるドットピッチを、該第1の直線間におけるドットピッチよりも大きくしてもよい。
また、本発明によるパターン形成方法においては、前記一方向を前記格子状パターン全体における長手方向としてもよい。
ここで、格子状パターンは多数の矩形が2次元状に並び、全体として矩形形状をなしている。「長手方向」とは、格子状パターンの全体の矩形形状において、より長い方向の直線が延在する方向を意味する。なお、基板の長手方向と格子状パターン全体における長手方向とを一致させることが好ましいが、基板の長手方向と格子状パターン全体における短手方向(すなわち格子状パターンの全体の矩形形状においてより短い方向の直線が延在する方向)とを一致させるようにしてもよい。
本発明によるブラックマトリクスの製造方法は、本発明のパターン形成方法を用いて、前記基板に黒色インクによって前記格子状パターンを形成することにより、カラー液晶表示装置を構成するカラーフィルタに用いるブラックマトリクスを製造することを特徴とするものである。
本発明によるパターン形成装置は、インクジェット方式を用いて基板に液滴を付与することにより、該基板に格子状パターンを形成するパターン形成装置において、
前記格子状パターンの一方向に所定の印字周波数により複数の第1の直線を描画する手段と、
前記一方向の直交方向に、前記所定の印字周波数よりも低い印字周波数により複数の第2の直線を描画する手段とを備えたことを特徴とするものである。
インクジェット方式により直線パターンを描画する場合、液滴が直線のパターンからこぶ状に濡れ広がるバルジの発生が問題となる。バルジは印字周波数が高速であればその発生を防止できるが、印字周波数が低速であるとバルジが発生する。本発明においては、格子状パターンの一方向に所定の印字周波数により複数の第1の直線を描画し、次いで一方向の直交方向に、所定の印字周波数よりも低い印字周波数により複数の第2の直線を描画するようにしたものである。このため、第1の直線の描画時には、バルジが発生しないように直線のパターンを描画できる。一方、第2の直線の描画時には、印字周波数が第1の直線の描画時よりも低いため、バルジが発生する。ここで、第2の直線は第1の直線と直交するように描画されるため、第1の直線との交点が特異点となり、交点上にバルジが発生するようになる。このため、第2の直線を描画すると、第2の直線と第1の直線との交点に周期的にバルジが発生し、バルジの部分をブラックマトリクスにおけるTFTの遮光部として用いることが可能となる。
したがって、本発明によるパターン形成方法をブラックマトリクスの製造に用いた場合、第1の直線の描画および第2の直線の描画という2つの工程により、遮光部を有するブラックマトリクスを製造することができる。したがって、従来の手法と比較して工程数を少なくでき、その結果、ブラックマトリクスの製造コストを低減することができる。
また、直交方向におけるドットピッチを式(1)に示す条件に設定することにより、第1の直線および第2の直線の交点に、確実にバルジを発生させることができる。また、ドットピッチを式(1)に示す条件に設定することにより、パターンの輪郭が滑らかな線(直線)とならずギザギザとなる現象(以下この現象をジャギーと称する)の発生を防止することができる。
また、基板と液滴との接触角を30度以下とすることにより、ジャギーおよび断線が発生しないように直線を描画することができる。
また、液滴を揮発成分を含むものとすることにより、バルジがランダムに発生しなくなるため、第1および第2の直線の交点に確実にバルジを発生させることができる。
また、第1の直線を描画する方向を格子状パターン全体における長手方向とすることにより、格子状パターンの長手方向の直線を高速に描画することができるため、格子状パターン形成時の作業効率を向上させることができる。したがって、本発明による格子状パターン形成方法をブラックマトリクスの製造に適用した場合、その製造速度を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態によるブラックマトリクス製造方法を実行するためのインクジェット記録装置の構成を示す概略斜視図 ヘッドの構成を示す図 ブラックマトリクスの格子状パターンにおける長手方向の直線パターンを複数描画した状態を示す図 ヘッドを基板の長手方向に対して傾斜させた状態を示す図 ヘッドの走査方向(x方向)と基板の短手方向とを一致させた状態を示す図 ブラックマトリクスの格子状パターンにおける短手方向の直線パターンを、長手方向の直線パターンに重ねて描画する状態を示す図 ドットピッチの算出を説明するための図 本実施形態において製造されるブラックマトリクスを示す図 第2の実施形態における第2の工程を説明するための図 他の実施形態により製造されるブラックマトリクスを示す図
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるブラックマトリクス製造方法を実行するためのインクジェット記録装置の構成を示す概略斜視図である。図1に示すように、インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド(以下単にヘッドとする)2および支持プレート3を備える。
ヘッド2は、インクジェット方式によりブラックマトリクスの格子状パターンを形成するために、基板15に向けてインクを吐出する。図2はヘッドの構成を示す図である。図2に示すように、ヘッド2には、インクを吐出するための複数のノズル2Aが所定間隔にて形成されている。なお、ノズル2Aは、図1におけるy方向に並ぶようにヘッド2に形成されている。
ここで、本実施形態におけるインクジェット方式としては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェット(登録商標)タイプ、および圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等、公知のタイプを用いることが使用可能である。
支持プレート3には、ブラックマトリクスの格子状パターンが形成される透明のガラスからなる基板15が支持される。
ヘッド2および支持プレート3は、不図示の駆動機構によって相対移動可能であり、図1のx方向、y方向、z方向およびxy平面内での回転方向について、両者の位置関係を変更制御することができる。
このため、本実施形態においては、ヘッド2をxyzの3方向に移動させるヘッド移動手段(x方向移動手段、y方向移動手段およびz方向移動手段の組合せ)と、支持プレート3をxy平面内で回転させる回転手段とを備えているが、ヘッド2および支持プレート3の相対移動を実現する駆動機構の形態は、この例に限らず、様々な形態が可能である。例えば、ヘッド2をxy平面内で回転させる回転手段と、支持プレート3をxyzの3方向に移動させる支持プレート移動手段(x方向移動手段、y方向移動手段、およびz方向移動手段の組合せ)とを備えるものであってもよく、ヘッド2および支持プレート3のそれぞれが、移動手段と回転手段とを備えるものであってもよい。
描画時には、支持プレート3とヘッド2との間のクリアランス(すなわち、支持プレート3上の基板15の面とヘッド2の間のクリアランス)が所定値になるようにz方向のヘッド位置が調整され、この一定のクリアランスを保ってヘッド2がx方向に走査される。ヘッド2をx方向に走査しながら、ヘッド2のノズル22から液滴を吐出することにより、基板15上にx方向の直線を描画することができる。
また、ヘッド2をy方向に移動させることによって、基板15上の描画位置を変更することができ、基板15の描画領域の任意の位置に液滴を着弾させることが可能である。さらに、支持プレート3を回転させ、ヘッド2の走査方向(x方向)と基板15の向き(回転角に応じた姿勢)を変更することにより、基板15面上で任意の方向の直線を描画することができる。
本実施形態においては、ヘッド2と基板15とをx方向に相対的に走査しながら、ヘッド2のノズル2Aからインクを吐出して基板15にブラックマトリクスの格子状パターンを描画する。
なお、ヘッド2および支持プレート3の駆動の制御は不図示の制御部が行う。
次いで、ブラックマトリクスの格子状パターンの形成の工程について説明する。本実施形態におけるブラックマトリクスの格子状パターンの形成の工程は、格子状パターンの全体における長手方向の直線パターンを描画する第1の工程、および格子状パターンの全体における短手方向の直線パターンを描画する第2の工程からなる。なお、基板15の表面は、インクと親液関係を有するように、具体的にはインクと基板15との接触角が30度以下となるように、アルコール、2−プロパノール等により洗浄され、必要に応じてプラズマ処理が施されているものとする。このように、インクと基板15とを親液関係にあるものとすることにより、線描画が可能となる。また、ここでは基板15の長手方向と、格子状パターンの全体における長手方向とが一致するように、格子状パターンを形成するものとして説明する。
まず、第1の工程について説明する。図1に示すように、基板15の長手方向がヘッド2の走査方向と一致するように基板15を支持プレート3に支持し、ヘッド2を基板15に対してその長手方向に走査することにより、図3に示すように、ブラックマトリクスの格子状パターン全体における長手方向の直線パターンを複数描画する。なお、第1の工程におけるドットピッチは、線描画が可能な条件を満たすように設定される。また、図3においては説明のため5本の直線パターンのみを描画した状態を示している。
ここで、パターンの描画に使用するインクは、着色剤として黒色顔料を、溶媒として揮発性を有する有機溶媒を用いた黒色樹脂組成物からなるものとする。黒色顔料としては例えばカーボンブラックを、揮発性を有する有機溶媒としては例えばシクロヘキサノンを用いることができる。
また、長手方向の直線パターンの描画時においては、1kHz以上の印字周波数、好ましくは10kHz以上の印字周波数により高速描画を行う。
このように、インクを揮発成分を持たせ、高速で描画を行うことにより、長手方向の直線パターンにはバルジが発生することがなくなる。
なお、直線パターンの描画は、ヘッド2における1つのノズルのみを用いて、すべての直線パターンを1つのノズルにより繰り返し描画するようにしてもよいが、ヘッド2の複数のノズルの間隔が、基板15の長手方向の直線パターンの間隔L0と一致するように、図4に示すようにヘッド2を基板15の長手方向に対して傾斜させて、複数のノズルにより複数の直線パターンを同時に描画するようにしてもよい。
次に第2の工程について説明する。第2の工程においては、ブラックマトリクスの格子状パターン全体における短手方向の直線パターンを描画する。このため、本実施形態においては、支持プレート3をxy平面においてz軸の周囲に90度回転し、図5に示すようにヘッド2の走査方向(x方向)と基板15の短手方向とを一致させる。なお、支持プレート3に代えて、ヘッド2をxy平面においてz軸の周囲に90度回転してもよい。そして、図6に示すように、ブラックマトリクスの格子状パターン全体における短手方向の直線パターンを、長手方向の直線パターンに重ねて複数描画する。なお、図6においては、短手方向の直線パターンが描画される位置のみを破線で示している。
また、ブラックマトリクスにおいては、格子の間にRGB各色のカラーフィルタが存在するものとなるため、ブラックマトリクスにおける一方向の格子の間隔は、この一方向に直交する方向の格子の間隔の約3倍となっている。ここで、バルジを良好に発生させるためには、バルジを発生させる描画方向の格子の間隔が長いことが好ましいため、本実施形態においては、格子状パターン全体における短手方向の格子の間隔が、その長手方向の格子の間隔の3倍となっていることが好ましい。
なお、短手方向においても、直線パターンの描画は、ヘッド2における1つのノズルのみを用いて、すべての直線パターンを1つのノズルにより繰り返し描画するようにしてもよいが、ヘッド2の複数のノズルの間隔を、短手方向の直線パターンの間隔と一致するように、ヘッド2を基板15の短手方向に対して傾斜させて、複数のノズルにより複数の直線パターンを同時に描画するようにしてもよい。
ここで、短手方向の直線パターンを描画する際のドットピッチは、直線パターンにおける必要線幅以上のインクを用いて下記の式(1)を満たすように決定する。なお、式(1)において、p[μm]はドットピッチ、θ[rad]は基板15とインクとの接触角である。また、短手方向の直線パターンの描画時においては、100Hz以下の印字周波数、好ましくは10Hz以下の印字周波数により低速描画を行う。
Figure 2010197914
以下、式(1)に示すドットピッチの算出について説明する。図7はドットピッチの算出を説明するための図である。なお、ここでは、図7に示すように、ドットピッチp[μm]により描画を行うことにより、基板15に着弾した1滴のインクが濡れ広がって、線幅wを有する直線パターンの一部が描画されるものとして説明する。なお、直線パターンの一部は、幅がw[μm]、長さがドットピッチp[μm]と一致する、断面がかまぼこ型の形状をなすものとなる。また、ヘッド2から吐出されたインクの体積は保存され、基板15に着弾後もインクの接触角は変更されないものとする。
図7に示すように、ヘッド2のノズルから吐出されたインク滴の直径をd[μm]、基板15に着弾して平衡状態となったインクの直径をdeqm[μm]とし、deqm[μm]とd[μm]との比率deqm/dをβeqmとすると、βeqmは下記の式(2)により表される。
Figure 2010197914
一方、幅がw[μm]、長さがドットピッチp[μm]と一致するかまぼこ型の形状の断面積A0は、下記の式(3)により表される。したがって、かまぼこ型形状の体積V0は、下記の式(4)により表される。
Figure 2010197914
一方、ノズルから吐出されたインク滴の直径はd[μm]であるため、インク滴の体積V1は下記の式(5)により表される。
Figure 2010197914
上述したかまぼこ型形状の体積V0とインク滴の体積V1とは等しい。このため、式(6)の関係が成立し、式(6)から線幅w[μm]を式(7)に示すように算出することができる。
Figure 2010197914
直線パターンの線幅w[μm]は、着弾して平衡状態にあるインクの径deqm[μm]以上となる。すなわち、w≧deqm=βeqm・dであるから、この関係を用いて式(7)をp[μm]について解くことにより、下記に示すように式(1)を導出することができる。
Figure 2010197914
このように式(1)により算出したドットピッチにより、低い印字周波数により短手方向の直線パターンを描画すると、バルジが発生する。また、短手方向の直線パターンは図6に示すように長手方向の直線パターンと交差する。すると、長手方向の直線パターンとの交点が特異点となり、交点にバルジが発生する。このため、ブラックマトリクスの格子状パターンの交点がバルジによりふくらんだものとなり、その結果、第2の工程が終了すると、図8に示すように格子状パターンの交点にバルジによりふくらんだ部分が形成されたブラックマトリクスが完成する。
したがって、第1および第2工程を経て製造されたブラックマトリクスにおいては、バルジによりふくらんだ部分を、TFTの遮光部として用いることが可能となる。
ここで、本出願人による実験結果を説明する。表1は、インクの吐出体積=1pl(ピコリットル)、着弾径=25μmとして、印字周波数とドットピッチとを変えて直線パターンを描画したときの線幅の安定性(バルジおよびジャギーの発生状況)を調べたものである。
表1においては、描画された線についてバルジおよびジャギーの発生を目視評価し、実用上問題のない良好なレベルを「○」、不良なレベルを「×」とした。表1の実験結果によれば、ドットピッチが10μmの場合、印字周波数を10Hzとした場合にバルジが発生してTFTの遮光部を良好に形成できることが分かった。一方、印字周波数を1000Hz以上にした場合、バルジおよびシャギーが発生せず、安定した直線パターンを描画できることが分かった。
一方、ドットピッチが20μmの場合、印字周波数を10Hzとした場合にジャギーが発生し、印字周波数を1000Hz以上にした場合、バルジおよびシャギーが発生せず、安定した直線パターンを描画できることが分かった。
Figure 2010197914
このように、第1の実施形態においては、第1および第2の工程という2つの工程により、遮光部を有するブラックマトリクスを製造することができる。したがって、従来の手法と比較して工程数を少なくでき、その結果、ブラックマトリクスの製造コストを低減することができる。
また、バルジを発生させる方向の直線パターンの描画時のドットピッチを式(1)に示す条件に設定することにより、第2の工程において確実にバルジを発生させることができる。
また、基板15とインクとの接触角を30度以下とすることにより、ジャギーが発生しないように直線を描画することができる。
また、インクを揮発成分を含むものとすることにより、バルジがランダムに発生しなくなるため、直線パターンの交点に確実にバルジを発生させることができる。
また、格子状パターン全体における長手方向の直線パターンを高速にて印字しているため、ブラックマトリクスの格子状パターンの長手方向の直線パターンを高速に描画することができる。したがって、作業効率を向上させることができ、その結果、ブラックマトリクスの製造速度を向上させることができる。
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態においては、第2の工程における直線パターンの描画の態様が第1の実施形態と異なるため、ここでは、第2の工程についてのみ説明する。図9は第2の実施形態における第2の工程を説明するための図である。上記第1の実施形態においては、第2の工程において、長手方向よりも低い印字周波数により直線パターンを描画しているが、第2の実施形態においては、短手方向の直線パターンの描画時において、長手方向の直線パターンとの交点において、交点以外の部分よりも密となるように描画を行うようにしたものである。
すなわち、図9に示すように、短手方向の直線パターンの描画時において、ヘッド2が長手方向の直線パターンの間の区間K1にあるときには比較的粗い印字密度となるように描画を行い、長手方向の直線パターンとの交点およびその近傍の区間K2にあるときには、印字密度が高くなるように描画を行うようにしたものである。なお、長手方向の直線パターンとの交点において、最も印字密度を高くするものとする。ここで、印字密度の変更は、ドットピッチおよび印字周波数の少なくとも一方を変更することにより行うことができる。
また、第2の実施形態においては、長手方向の直線パターンを描画する際の印字周波数を1kHz以上とし、短手方向の直線パターンを描画する際の印字周波数を1kHz未満とする。具体的には、上記表1に示す本出願人の実験結果を参照すると、短手方向の直線パターンを描画する際に、図9に示す区間K2においては、ドットピッチを10μm、印字周波数を10Hzとすることによりバルジが発生し、区間K1においては、ドットピッチを20μm、印字周波数を1kHz(=1000Hz)以上とすることにより、ジャギーを発生させることなく、直線パターンを描画することができる。
なお、上記第2の実施形態においては、第1の実施形態と同一のインクを用いてもよいが、インクの溶媒として揮発性を有さない溶媒を用いるようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態においては、1つのヘッド2を使用し、ヘッド2または支持プレート3をxy平面においてz軸の周囲に90度回転させることにより、基板15の長手方向および短手方向における直線パターンを描画しているが、基板15の長手方向の直線パターンを描画するための第1のヘッドと、短手方向の直線パターンを描画するための第2のヘッドの2つのヘッドを設けるようにしてもよい。この場合、第1の工程においては、第1のヘッドを用いて長手方向の直線パターンを描画し、第2の工程において第2のヘッドを用いて短手方向の直線パターンを描画すればよい。
また、上記第1および第2の実施形態においては、第1の工程において、格子状パターン全体における長手方向の直線パターンを描画しているが、これに限定されるものではなく、効率は落ちるものの、第1の工程において格子状パターン全体における短手方向の直線パターンを描画し、第2の工程において格子状パターン全体における長手方向の直線パターンを描画するようにしてもよい。なお、バルジを発生させる描画方向の格子の間隔が長いことが好ましいことから、この場合は、図10に示すように上記第1および第2の実施形態とは逆に、格子状パターン全体における長手方向の格子の間隔がその短手方向の格子の間隔の3倍となっていることが好ましい。
1 インクジェット記録装置
2 インクジェットヘッド
3 支持プレート
15 基板

Claims (8)

  1. インクジェット方式を用いて基板に液滴を付与することにより、該基板に格子状パターンを形成するパターン形成方法において、
    前記格子状パターンの一方向に所定の印字周波数により複数の第1の直線を描画し、
    前記一方向の直交方向に、前記所定の印字周波数よりも低い印字周波数により複数の第2の直線を描画することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記直交方向におけるドットピッチをp、前記液滴の直径をd、前記基板と前記液滴との接触角をθとしたとき、前記ドットピッチpが下記の条件を満たすことを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
    Figure 2010197914
  3. 前記基板と前記液滴との接触角が30度以下であることを特徴とする請求項1または2記載のパターン形成方法。
  4. 前記液滴が揮発成分を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のパターン形成方法。
  5. 前記第2の直線の、前記第1の直線上におけるドットピッチを、該第1の直線間におけるドットピッチよりも大きくすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のパターン形成方法。
  6. 前記一方向は前記格子状パターンの全体における長手方向であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のパターン形成方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項記載のパターン形成方法を用いて、前記基板に黒色インクによって前記格子状パターンを形成することにより、カラー液晶表示装置を構成するカラーフィルタに用いるブラックマトリクスを製造することを特徴とするブラックマトリクス製造方法。
  8. インクジェット方式を用いて基板に液滴を付与することにより、該基板に格子状パターンを形成するパターン形成装置において、
    前記格子状パターンの一方向に所定の印字周波数により複数の第1の直線を描画する手段と、
    前記一方向の直交方向に、前記所定の印字周波数よりも低い印字周波数により複数の第2の直線を描画する手段とを備えたことを特徴とするパターン形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013195670A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Ricoh Co Ltd 隔壁付き基材、及びその製造方法、カラーフィルター、並びに表示素子

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