JP2010197725A - 光測定器 - Google Patents
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Abstract
【課題】一台でシングルモードとマルチモードの両方の光に対応する。
【解決手段】光測定器1は、入射用光ファイバ2と、入射用光ファイバ2の出力光を処理する処理手段7と、処理手段7で処理された光を取り込む出射用光ファイバ4とを少なくとも備える。入射用光ファイバ2及び出射用光ファイバ4にデュアルコア光ファイバ11を採用する。デュアルコア光ファイバ11は、マルチモードの光を伝播するための第1コア13aと、第1コア13aよりもコア径が小さくシングルモードの光を伝播するための第2コア13bとからなり、第2コア13bの中心が第1コア13aの中心と同軸上に配置され、且つ第2コア13bの屈折率が第1コア13aの屈折率より高い。
【選択図】図1
【解決手段】光測定器1は、入射用光ファイバ2と、入射用光ファイバ2の出力光を処理する処理手段7と、処理手段7で処理された光を取り込む出射用光ファイバ4とを少なくとも備える。入射用光ファイバ2及び出射用光ファイバ4にデュアルコア光ファイバ11を採用する。デュアルコア光ファイバ11は、マルチモードの光を伝播するための第1コア13aと、第1コア13aよりもコア径が小さくシングルモードの光を伝播するための第2コア13bとからなり、第2コア13bの中心が第1コア13aの中心と同軸上に配置され、且つ第2コア13bの屈折率が第1コア13aの屈折率より高い。
【選択図】図1
Description
本発明は、シングルモードやマルチモードの被測定光の処理として、被測定光の光路を変える光スイッチや被測定光のパワーを減衰する光減衰器などのパッシブ型の光測定器に関する。
最近、光通信用デバイスは多様化しており、シングルモード光ファイバを用いた光デバイスに加えて、ギガビット・イーサネット(登録商標)やファイバチャネルなどの短距離光通信に対応したマルチモード光ファイバを用いた光デバイスの需要が高まってきている。
ところで、この種の光通信では、長距離用にシングルモード光ファイバ(コア径10μm)、短距離用にマルチモード光ファイバ(コア径50μm)を使用している。
しかし、光通信では上記のような2種類の光ファイバを使用するため、光スイッチや光減衰器などのパッシブ型の光測定器としても、シングルモード光ファイバ用とマルチモード光ファイバ用の2種類を用意する必要があり、取替え作業、持ち運びの煩雑さなど、時間的、金銭的コストがかかるという問題があった。
ここで、上記パッシブ型の光測定器としては、例えば下記特許文献1に開示される光スイッチや下記特許文献2に開示される光減衰器などが知られている。
特許文献1に開示される光スイッチ51は、図8(a),(b)に示すように、光入出力部に光ファイバ52(52A,52B1,52B2)を備え、シングルモード光ファイバ用の光入出力部の光ファイバ52にはシングルモード光ファイバが用いられ、またマルチモード光ファイバ用の光入出力部の光ファイバ52にはマルチモード光ファイバが用いられていた。この光スイッチ51では、入力光ファイバ52Aから入力された光は、ミラーやプリズム等の光路変更手段53で光路を変え、出力光ファイバ52B1(52B2)に出力される。
また、特許文献2に開示される光減衰器61は、図9に示すように、光減衰素子62としてファラデー素子を用い、光入出力部に光ファイバ63を備えて構成される。
しかしながら、図8の光スイッチ51や図9の光減衰器61の光入出力部にシングルモード光ファイバを備えた構成では、シングルモード光ファイバに代えてマルチモード光ファイバを接続すると、両ファイバのコア径の違いから大きな光損失が発生するという問題があった。
また、光入出力部にマルチモード光ファイバを備えた光スイッチ51や光減衰器61の場合には、マルチモード光ファイバに代えてシングルモード光ファイバを接続すると、光入力部の接続損失に問題はないが、光出力部では両ファイバのコア径の違いから光損失が大きくなるという問題があった。
そこで、上記問題を解消するため、曲げや応力を抑えたマルチモード光ファイバにシングルモード光ファイバを接続してシングルモード光ファイバの出射光をマルチモード光ファイバに入射すれば、マルチモード光ファイバ中を光がシングルモードで伝播するという理由から、曲げや外部から加わる応力を極力抑えてマルチモード光ファイバを光測定器内に配置し、シングルモード光ファイバとマルチモード光ファイバの両方の光ファイバに対応した光測定器を使用することが考えられる。
しかしながら、上述したシングルモード光ファイバとマルチモード光ファイバの両方の光ファイバに対応した光測定器では、開口数NAの違いから(シングルモード光ファイバはNA0.1、マルチモード光ファイバはNA0.2)、再度マルチモード光ファイバからシングルモード光ファイバに入射する際に損失が増加するという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、デュアルモード光ファイバを入射用光ファイバ及び出射用光ファイバに採用することで、一台でシングルモードとマルチモードの両方の光に対応できる光測定器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された光測定器は、入射用光ファイバ2と、該入射用光ファイバの出力光を処理する処理手段7と、該処理手段で処理された光を取り込む出射用光ファイバ4とを少なくとも備えた光測定器1において、
前記入射用光ファイバ及び前記出射用光ファイバは、マルチモードの光を伝播するための第1コア13aと、該第1コアよりもコア径が小さくシングルモードの光を伝播するための第2コア13bとからなり、
前記第2コアの中心が前記第1コアの中心と同軸上に配置され、且つ前記第2コアの屈折率が前記第1コアの屈折率より高いデュアルコア光ファイバ11であることを特徴とする。
前記入射用光ファイバ及び前記出射用光ファイバは、マルチモードの光を伝播するための第1コア13aと、該第1コアよりもコア径が小さくシングルモードの光を伝播するための第2コア13bとからなり、
前記第2コアの中心が前記第1コアの中心と同軸上に配置され、且つ前記第2コアの屈折率が前記第1コアの屈折率より高いデュアルコア光ファイバ11であることを特徴とする。
請求項2に記載された光測定器は、請求項1の光測定器において、
前記入射用光ファイバ2の出力光を平行光に変換して前記処理手段7に入射するコリメータ6を備え、
前記入射用光ファイバ2及び前記出射用光ファイバ4は、前記コリメータのシングルモードの使用波長における焦点位置とマルチモードの使用波長における焦点位置との間に端面が位置するように配置したことを特徴とする。
前記入射用光ファイバ2の出力光を平行光に変換して前記処理手段7に入射するコリメータ6を備え、
前記入射用光ファイバ2及び前記出射用光ファイバ4は、前記コリメータのシングルモードの使用波長における焦点位置とマルチモードの使用波長における焦点位置との間に端面が位置するように配置したことを特徴とする。
請求項3に記載された光測定器は、請求項1又は請求項2の光測定器において、
前記処理手段7は、前記入射用光ファイバ2の出力光の光路を変える光路変更手段であることを特徴とする。
前記処理手段7は、前記入射用光ファイバ2の出力光の光路を変える光路変更手段であることを特徴とする。
請求項4に記載された光測定器は、請求項1又は請求項2の光測定器において、
前記処理手段7は、前記入射用光ファイバ2の出力光のパワーを減衰する光減衰手段であることを特徴とする。
前記処理手段7は、前記入射用光ファイバ2の出力光のパワーを減衰する光減衰手段であることを特徴とする。
本発明によれば、デュアルコア光ファイバを入射用光ファイバ及び出射用光ファイバに採用することにより、一台でシングルモードとマルチモードの両方の光に対応でき、入力ポートや出力ポートにシングルモード光ファイバを接続してもシングルモード光ファイバ専用器と同レベルの性能を備えた測定器を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本発明は、例えば光スイッチや光減衰器などのパッシブ型の光測定器に関するものであり、入射用光ファイバ及び出射用光ファイバとして、マルチモードの光を伝播するための第1コアと、第1コアよりもコア径が小さくシングルモードの光を伝播するための第2コアとからなり、第2コアの中心が第1コアの中心と同軸上に配置され、且つ第2コアの屈折率が第1コアの屈折率より高いデュアルコア光ファイバを用いたものである。
本発明は、例えば光スイッチや光減衰器などのパッシブ型の光測定器に関するものであり、入射用光ファイバ及び出射用光ファイバとして、マルチモードの光を伝播するための第1コアと、第1コアよりもコア径が小さくシングルモードの光を伝播するための第2コアとからなり、第2コアの中心が第1コアの中心と同軸上に配置され、且つ第2コアの屈折率が第1コアの屈折率より高いデュアルコア光ファイバを用いたものである。
まず、本発明に係る各形態の光測定器の概略構成について図1〜図4を参照しながら説明する。
図1に示す第1形態の光測定器1(1A)は、入射用光ファイバ2が接続される1個の入力ポート3と、それぞれに出射用光ファイバ4が接続される複数個(図1の例では4個)の出力ポート5とが矩形状の本体1aに設けられ、入射用光ファイバ2からの被測定光を平行光に変換するコリメータ6と、平行光に変換された被測定光の光路を変更する光路変更手段としての可動ミラーからなる処理手段7と、被測定光を出射用光ファイバ4に集光するレンズからなる集光手段8とを本体1a内に備えた1×nの光スイッチで構成される。
さらに説明すると、光測定器1Aは、入射用光ファイバ2の一端2aが接続される入力ポート3が本体1aの左側面に設けられる。入力ポート3には、被測定光を入射用光ファイバ2に入射するための接続用光ファイバ(シングルモード光ファイバ:SM光ファイバ又はマルチモード光ファイバ:GI光ファイバ)9が着脱可能にコネクタ接続される。本体1aの右側面には、入力ポート3と対向して出射用光ファイバ4(4A)の一端4aが接続される出力ポート5(5A)が設けられる。本体1aの底面には、複数個(図1では3個)の出力ポート5(5B,5C,5D)が一定間隔をおいて並設され、それぞれの出力ポート5に出射用光ファイバ4(4B,4C,4D)の一端4aが接続される。出力ポート5には、出射用光ファイバ4からの光を取り出すための接続用ファイバ(シングルモード光ファイバ:SM光ファイバ又はマルチモード光ファイバ:GI光ファイバ)10が着脱可能にコネクタ接続される。本体1aの底面の出力ポート5B,5C,5Dの中心軸と、本体1aの側面の入力ポート3と出力ポート5Aとを結ぶ線との交点位置P1,P2,P3には、それぞれ処理手段としての可動ミラー7(7A,7B,7C)が交点位置P1,P2,P3に対して進退可能に設けられる。入力ポート3と入射側の可動ミラー7Aとの間の光路上には、入射用光ファイバ2からの被測定光を平行光に変換するコリメータとしてのレンズ6が設けられる。出射側の可動ミラー7Cと本体1aの側面の出力ポート5Aとの間の光路上、可動ミラー7A,7B,7Cと本体1aの底面の出力ポート5B,5C,5Dとの間の光路上には、被測定光を出射用光ファイバ4に集光するための集光手段としてのレンズ8(8A,8B,8C,8D)が設けられる。
この光測定器1Aでは、接続用光ファイバ9を介して入射用光ファイバ2に被測定光が入射されると、被測定光がコリメータ(レンズ)6によって平行光に変換された後、処理手段(可動ミラー)7によって光路が変更され、集光手段(レンズ)8により集光されて出射用光ファイバ4に入射される。図1の例では、3個の可動ミラー7A,7B,7Cのうち入力ポート3に一番近い可動ミラー7Aの反射面が交点位置P1上に位置し、入射用光ファイバ2からの被測定光は、可動ミラー7Aによって光路が変更され、集光手段8Bにより集光されて本体1a底面の一番左側の出射用光ファイバ4Bに入射される。
尚、処理手段(可動ミラー)7A,7B,7Cが交点位置P1,P2,P3から外れて位置するときは、入射用光ファイバ2からレンズ6で平行光に変換された被測定光がそのままレンズ8Aにより集光されて出射用ファイバ4Aに入射される。
図2に示す第2形態の光測定器1(1B)は、それぞれに入射用光ファイバ2が接続されるm個の入力ポート3(3−1,3−2,3−3,・・・,3−m)と、それぞれに出射用光ファイバ4が接続されるn個の出力ポート5(5−1,5−2,5−3,・・・,5−n)とが矩形状の本体1aに設けられ、入射用光ファイバ2からの被測定光を平行光に変換するコリメータ6(6−1,6−2,6−3,・・・,6−m)と、平行光に変換された被測定光の光路を変更する光路変更手段としての可動ミラーからなる処理手段7と、被測定光を出射用光ファイバ4に集光するレンズからなる集光手段8とを本体1a内に備えたm×nのマトリックス状の光スイッチで構成される。
さらに説明すると、光測定器1Bは、m個の入射用光ファイバ2の一端2aが接続されるm個の入力ポート3が一定間隔をおいて本体1aの左側面に並設される。m個の入力ポート3には、被測定光を入射用光ファイバ2に入射するための接続用光ファイバ(シングルモード光ファイバ:SM光ファイバ又はマルチモード光ファイバ:GI光ファイバ)9が着脱可能にコネクタ接続される。本体1a底面には、n個の出力ポート5が一定間隔をおいて並設され、それぞれの出力ポート5に出射用光ファイバ4の一端4aが接続される。n個の出力ポート5には、出射用光ファイバ4からの被測定光を取り出すための接続用ファイバ(シングルモード光ファイバ:SM光ファイバ又はマルチモード光ファイバ:GI光ファイバ)10が着脱可能にコネクタ接続される。本体1aの左側面の各入力ポート3の中心軸と、本体1aの底面の各出力ポート5の中心軸とを結ぶ交点位置には、処理手段としての可動ミラー7が交点位置に対してそれぞれ進退可能に設けられる。各入力ポート3と可動ミラー7との間の光路上には、入射用光ファイバ2からの被測定光を平行光に変換するコリメータとしてのレンズ6が設けられる。各出力ポート5と可動ミラー7との間の光路上には、被測定光を出射用光ファイバ4に集光するための集光手段としてのレンズ8が設けられる。
この光測定器1Bでは、接続用光ファイバ9を介して入射用光ファイバ2に被測定光が入射されると、被測定光がコリメータ(レンズ)6によって平行光に変換された後、処理手段(可動ミラー)7によって光路が変更され、集光手段(レンズ)8により集光されて出射用光ファイバ4に入射される。図2の例では、入力ポート3と出力ポート5の3番目が選択され、本体1aの左側面の3番目の入射用光ファイバ2からの被測定光は、3×3番目に位置する可動ミラー(図2において黒塗りを施した可動ミラー)7によって光路が変更され、集光手段(レンズ)8により集光されて本体1aの底面の左から3番目の出射用光ファイバ4に入射される。
図3に示す第3形態の光測定器1(1C)は、m個の入射用光ファイバ2が接続されるm個の入力ポート3と、出射用光ファイバ4が接続される1個の出力ポート5とが矩形状の本体1aに設けられ、出射用光ファイバ4を回転させて何れかの入射用光ファイバ2に光路を変更する光路変更手段としての回転ステージからなる処理手段7とを本体1a内に備え、入射用光ファイバ2と出射用光ファイバ4として、上述した光測定器1Aのコリメータ6及び集光手段8の機能を兼ね備えたレンズドファイバ搭載のデュアルコア光ファイバを用いたm×1の光スイッチである。
さらに説明すると、光測定器1Cは、m個の入射用光ファイバ2の一端2aが接続されるm個の入力ポート3(3−1,3−2,3−3,・・・,3−m)が同一円周上に一定間隔をおいて本体1aに設けられる。m個の入力ポート3には、被測定光を入射用光ファイバ2に入射するための接続用光ファイバ(シングルモード光ファイバ:SM光ファイバ又はマルチモード光ファイバ:GI光ファイバ)9が着脱可能にコネクタ接続される。本体1aには、出射用光ファイバ4の一端4aが接続される1個の出力ポート5が設けられる。出力ポート5には、出射用光ファイバ4からの被測定光を取り出すための接続用ファイバ(シングルモード光ファイバ:SM光ファイバ又はマルチモード光ファイバ:GI光ファイバ)10が着脱可能にコネクタ接続される。この1個の出力ポート5は、処理手段7としての回転ステージ上に固設されており、回転ステージの回転により、何れか一つの入射用光ファイバ2に光軸を一致させている。
この光測定器1Cでは、接続用光ファイバ9を介して入射用光ファイバ2に被測定光が入射されると、この被測定光は、入射用光ファイバ2と対向する出射用光ファイバ4に集光して入射される。図3の例では、左から3番目の入力ポート3−3と出力ポート5が選択されて入射用光ファイバ2と出射用光ファイバ4とが対向して光軸が一致しており、この入力ポート3ー3の入射用光ファイバ2からの被測定光が出射用光ファイバ4に集光して入射される。
図4に示す第4形態の光測定器1(1D)は、入射用光ファイバ2が接続される1個の入力ポート3と、出射用光ファイバ4が接続される1個の出力ポート5とが矩形状の本体1aの側面に対向して設けられ、入射用光ファイバ2からの被測定光を平行光に変換するコリメータ6と、平行光に変換された被測定光のパワーを所定量減衰する光減衰手段としての光減衰板からなる処理手段7と、減衰された被測定光を出射用光ファイバ4に集光するレンズからなる集光手段8とを本体1a内に備えた光減衰器で構成される。また、入力ポート3には、被測定光を入射用光ファイバ2に入射するための接続用光ファイバ(シングルモード光ファイバ:SM光ファイバ又はマルチモード光ファイバ:GI光ファイバ)9が着脱可能にコネクタ接続される。また、出力ポート5には、出射用光ファイバ4からの被測定光を取り出すための接続用ファイバ(シングルモード光ファイバ:SM光ファイバ又はマルチモード光ファイバ:GI光ファイバ)10が着脱可能にコネクタ接続される。
この光測定器1Dでは、接続用光ファイバ9を介して入射用光ファイバ2に被測定光が入射されると、この被測定光は、コリメータ(レンズ)6によって平行光に変換された後、処理手段(モータにより回転駆動される光減衰板)7によってパワーが所定量減衰され、集光手段(レンズ)8により集光されて出射用光ファイバ4に入射される。
尚、上述した各実施の形態の光測定器1A〜1Dにおいて、入射用光ファイバ2及び出射用光ファイバの他端は、光ファイバの曲げや応力が抑えられた状態で本体1aに固定される。
次に、上述した各形態の光測定器1A,1B,1C,1Dにおける入射用光ファイバ2と出射用光ファイバ4に採用されるデュアルコア光ファイバ11について図5〜図7を参照しながら説明する。
本発明では、接続用光ファイバ9から入射される被測定光として、シングルモードとマルチモードの両方の光(被測定光)に対応するため、図5〜図7に示す構成のデュアルコア光ファイバ11を入射用光ファイバ2及び出射用光ファイバ4に採用している。
デュアルコア光ファイバ11は、図5(a)に示すように、クラッド12の内部に屈折率の異なる2種類のコア13(第1コア13a、第2コア13b)を有している。デュアルコア光ファイバ11の構造例としては、ファイバの中心に第2コア13bを備え、その外周を第1コア13aで被覆し、さらにその外周をクラッド12で被覆して成る。すなわち、デュアルコア光ファイバ11の内部構造は、第2コア13bのコア径が第1コア13aのコア径より小さく、第2コア13bの中心と第1コア13aの中心とが同軸上に配置され、第1コア13aの外周にクラッド12が被覆されている。
また、デュアルコア光ファイバ11におけるコアとクラッドの相対屈折率をプロファイルすると、図5(b)に示すように、第2コア13bの屈折率n1>第1コア13aの屈折率n2>クラッド12の屈折率n3の関係を示す。従って、マルチモードの被測定光(例えば0.85μm)は第1コア13a及び第2コア13bを伝播し、シングルモードの被測定光(例えば1.55μm)は第2コア13bのみを伝播する。
また、図5(c)に示すように、屈折率分布の別の形態として、第1コア13aとクラッド12の屈折率を同じn2にして第1コア13aとクラッド12の間に屈折率がn2より小さい屈折率n3の中間層を介在させた分布構造のデュアルコア光ファイバが考えられる。
さらに、シングルモードとマルチモードの両方のモードの被測定光に対応するため、入射用光ファイバ2は、図6に示すように、シングルモードの使用波長(例えば1.55μm)とマルチモードの使用波長(0.85μm)の略中間波長(例えば1.1μm)でのコリメータ6の焦点距離に端面が位置するように配置されている。これにより、入射用光ファイバ2からのシングルモードやマルチモードの被測定光を、損失が少ない状態でコリメータ6に導くことができる。
尚、特に図示はしないが、出射用光ファイバ4に関しても、シングルモードの使用波長とマルチモードの使用波長の略中間波長での集光手段としてのレンズ8の焦点距離に端面が位置するように出射用光ファイバ4が配置されている。
ところで、使用するレーザが狭スペクトル線幅でコヒーレンスが高い場合は、様々な位置で発生する反射光によって光干渉が発生し、この光干渉によってパワー変動を生じてしまうため、反射減衰量を良くすることが重要である。
そこで、上記対策として、図7(a)に示すように、デュアルコア光ファイバ11を採用した入射用光ファイバ2及び出射用光ファイバ4の先端面を斜め研磨(例えば平面8°〜12°)する構成を採用してもよい。これにより、平面研磨の反射減衰量が14dB程度であるのに対し、斜め研磨では反射減衰量が約40dB以上となり、反射量を抑制することができる。
また、図7(b)に示すように、デュアルコア光ファイバ11を採用した入射用光ファイバ2及び出射用光ファイバ4の先端面に反射防止膜(ARコート)14を施せば、開口端での反射光を抑えることができる。
尚、デュアルコア光ファイバ11を採用した入射用光ファイバ2及び出射用光ファイバ4は、先端面を斜め研磨した構成(図7(a))、先端面に反射防止膜14を施した構成(図7(b))、これらの構成を併用するなど、その使用環境や装置構成により適宜選択することができる。
さらに、図7(c)に示すように、図3に示す第3形態の光測定器1Cの入射用光ファイバ2及び出射用光ファイバ4としては、先端面を曲率開口したレンズド光ファイバの構成が採用される。これにより、コリメータ6と集光手段8が不要になり、構成部品を削減して構成の簡略化を図ることができる。
このように、本発明に係る光測定器1では、入射用光ファイバ2及び出射用光ファイバ4として、マルチモードの光を伝播するための第1コア13aと、第1コア13aよりもコア径が小さくシングルモードの光を伝播するための第2コア13bとからなり、第2コア13bの中心が第1コア13aの中心と同軸上に配置され、且つ第2コア13bの屈折率が第1コア13aの屈折率より高いデュアルコア光ファイバ11を用いている。
そして、シングルモードの被測定光の場合には、入射用光ファイバ2及び出射用光ファイバ4として用いられるデュアルコア光ファイバ11の第2コア13bのみを光が伝播し、マルチモードの被測定光の場合には、上記デュアルコア光ファイバ11の第1コア13a及び第2コア13bを光が伝播する。これにより、一台でシングルモードとマルチモードの両方の被測定光の測定に対応でき、入射される被測定光がシングルモードの光であってもマルチモードの光であっても光損失が少ない測定器を提供することができる。しかも、入力ポート3や出力ポート5に接続用光ファイバ9,10としてシングルモード光ファイバを接続してもシングルモード光ファイバ専用器と同レベルの性能を備えた測定器を実現することができる。
ところで、上述した実施の形態では、入射用光ファイバ2からの被測定光の処理として、被測定光の光路を変更する処理、被測定光のパワーを減衰する処理を例にとって説明したが、これら以外の処理を施して出射用光ファイバ4に入射する場合にも本例の構成を採用することができる。
1(1A,1B,1C,1D) 光測定器
1a 本体
2 入射用光ファイバ
3 入力ポート
4 出射用光ファイバ
5 出力ポート
6 コリメータ(レンズ)
7 処理手段(可動ミラー、回転ステージ、光減衰板、モータ)
8 集光手段
9,10 接続用光ファイバ
11 デュアルコア光ファイバ
12 クラッド
13 コア
13a 第1コア
13b 第2コア
14 反射防止膜
1a 本体
2 入射用光ファイバ
3 入力ポート
4 出射用光ファイバ
5 出力ポート
6 コリメータ(レンズ)
7 処理手段(可動ミラー、回転ステージ、光減衰板、モータ)
8 集光手段
9,10 接続用光ファイバ
11 デュアルコア光ファイバ
12 クラッド
13 コア
13a 第1コア
13b 第2コア
14 反射防止膜
Claims (4)
- 入射用光ファイバ(2)と、該入射用光ファイバの出力光を処理する処理手段(7)と、該処理手段で処理された光を取り込む出射用光ファイバ(4)とを少なくとも備えた光測定器(1)において、
前記入射用光ファイバ及び前記出射用光ファイバは、マルチモードの光を伝播するための第1コア(13a)と、該第1コアよりもコア径が小さくシングルモードの光を伝播するための第2コア(13b)とからなり、
前記第2コアの中心が前記第1コアの中心と同軸上に配置され、且つ前記第2コアの屈折率が前記第1コアの屈折率より高いデュアルコア光ファイバ(11)であることを特徴とする光測定器。 - 前記入射用光ファイバ(2)の出力光を平行光に変換して前記処理手段(7)に入射するコリメータ(6)を備え、
前記入射用光ファイバ(2)及び前記出射用光ファイバ(4)は、前記コリメータのシングルモードの使用波長における焦点位置とマルチモードの使用波長における焦点位置との間に端面が位置するように配置したことを特徴とする請求項1記載の光測定器。 - 前記処理手段(7)は、前記入射用光ファイバ(2)の出力光の光路を変える光路変更手段であることを特徴とする請求項1又は2記載の光測定器。
- 前記処理手段(7)は、前記入射用光ファイバ(2)の出力光のパワーを減衰する光減衰手段であることを特徴とする請求項1又は2記載の光測定器。
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009042578A Pending JP2010197725A (ja) | 2009-02-25 | 2009-02-25 | 光測定器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010197725A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013097164A (ja) * | 2011-10-31 | 2013-05-20 | Ricoh Opt Ind Co Ltd | 光学部品 |
JP2015156019A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-27 | オーエフエス ファイテル,エルエルシー | 低後方反射の光ファイバ成端 |
-
2009
- 2009-02-25 JP JP2009042578A patent/JP2010197725A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013097164A (ja) * | 2011-10-31 | 2013-05-20 | Ricoh Opt Ind Co Ltd | 光学部品 |
JP2015156019A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-27 | オーエフエス ファイテル,エルエルシー | 低後方反射の光ファイバ成端 |
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