JP2010196511A - 燃焼機関を備えた動力発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディーゼル機関を用いた発電設備を可能にすると共に、重質油に含まれる腐食成分によりディーゼル機関の燃焼室から排ガス流路周辺の構成機器が腐食されるのを防止すると共に、発電設備の熱効率を維持可能にする。
【解決手段】ディーゼル機関12の主燃焼室12aに発電機14又は船舶用推進装置110を連結し、ディーゼル機関12の燃料である重質油を蒸留装置18で蒸留して重質油からガス化軽質油を分離し、このガス化軽質油を冷却器44で冷却して液化し、液化軽質油をディーゼル機関12に供給する。軽質油を分離した残りの残渣油に腐食成分を含ませ、該残渣油を排熱回収ボイラ16で燃焼させる。これによって、ディーゼル機関12の燃焼室から排ガス流路周辺の機器類の腐食を低減すると共に、発電設備全体の燃焼効率を高く維持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、重質油を燃料とするディーゼル機関を備え、該ディーゼル機関から電力等の動力を取り出すようにした動力発生装置に関し、重質油から軽質油を分離し、この軽質油をディーゼル機関に供給して、重質油に含まれる腐食成分による腐食を低減するようにしたものである。
従来、ガスタービンで発電機を回転して発電を行なう発電設備が使用されている。ガスタービンは燃料として重質油を使用するが、重質油は、Sのほか、V、Ni,Na,K等の金属類を含有しており、これらの腐食成分が排ガス中に飛散して大気汚染を起こすと共に、機器腐食の原因となる。即ち、これらの金属類は、燃焼時に溶融塩を生成し、500℃以上の温度で液化し、エンジン排気バルブなど燃焼室周辺から排ガス排出口に至る排ガス流路周辺の機器に付着し、高温腐食を引き起こす。
この高温腐食を防ぐために、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1(特開平11−80750号公報)には、タービンロータに発電機を連結したガスタービンと、このガスタービンの排熱で蒸気を製造する排熱回収ボイラと、この排熱回収ボイラで製造した蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機を回すコンバインド・サイクル発電設備において、重質油と水とを混合し、水が超臨界域又は超臨界域近傍となる反応条件下で重質油を分解し、その後蒸留して、軽質油と前記金属類を含む残渣油とに分離し、該軽質油をガスタービンに供給し、残渣油を排熱回収ボイラに燃料として供給することにより、ガスタービン燃焼器周辺の高温腐食を防止するようにした発電設備が開示されている。
特許文献2(特開2001−73715号公報)には、同様のコンバインド・サイクル発電設備において、原油又は重油を排熱回収ボイラから得られる蒸気で加熱し、その後、該原油又は重油を減圧蒸留し、該原油又は重油から分離された軽質油をガスタービンの燃料として用い、重質油を排熱回収ボイラの燃料として用いるようにした発電設備が開示されている。
特許文献3(特開2007−278152号公報)には、同様のコンバインド・サイクル発電設備において、排熱回収ボイラで得られる高温高圧水(350〜500℃、10〜30MPa)と重油とを燃料改質器で混合反応させ、重油を軽質化して改質燃料を製造し、この改質燃料をガスタービン用燃料として利用する手段が開示されている。
このような発電設備において、ガスタービンの代わりにディーゼル機関を用いれば、より小規模な設備で発電を行なうことができると考えられる。しかし、ディーゼル機関を用いる場合でも、ディーゼル機関は重質油を燃料として用いるため、ガスタービンの場合と同様の高温腐食の問題があり、燃焼室周りに腐食が発生すると、スカッフ等が発生する。
特許文献4(特開2004−11479号公報)には、ディーゼル機関の燃料として重質油を用いる場合、反応器で高温高圧の超臨界水と重質油と酸化剤とを混合して反応させ、腐食成分である金属類を脱離反応させ、脱離した金属類を補足剤により捕捉し、こうして金属類を除去した重質油をディーゼル機関に燃料として供給するようにした手段が開示されている。
特開平11−80750号公報 特開2001−73715号公報 特開2007−278152号公報 特開2004−11479号公報
ガスタービンを用いた発電設備を小型化するために、ガスタービンの代わりにディーゼル機関を用いることが考えられる。この場合でも、ディーゼル機関は重質油を燃料とするために、ガスタービンと同様に、ディーゼル機関の燃焼室から排ガス流路周辺の構成機器の高温腐食の問題があり、この問題を解決する必要がある。また、ディーゼル機関をもちいた場合でも、ガスタービンと比べて、発電設備の熱効率を落とさずに運転する必要がある。
特許文献4には、ディーゼル機関の動力取り出し手段については開示がなく、また、重油改質器に高温高圧水を供給する必要があるため、高温高圧水を製造する加熱装置を必要とし、熱効率が悪いという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、ガスタービンに代わりにディーゼル機関を用いた発電設備を可能にすると共に、重質油に含まれる腐食成分によりディーゼル機関の燃焼室から排ガス流路周辺の構成機器が腐食されるのを防止すると共に、発電設備の熱効率を落とさずに運転可能にすることを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明のディーゼル機関を備えた動力発生装置は、
燃料として重質油を使用する燃焼機関を備えた動力発生装置において、
前記燃焼機関としてディーゼル機関を用い、
重質油から軽質油を分離してガス化軽質油を生成する蒸留装置又は熱分解装置からなる分離装置と、
該分離装置で重質油から分離されたガス化軽質油を該ディーゼル機関の燃焼室に供給する燃料供給装置と、
該ディーゼル機関の出力軸に接続され該出力軸から動力を取り出す動力取り出し装置と、を備えたものである。
本発明では、前記分離装置により重質油から軽質油を分離してガス化軽質油を生成し、腐食成分が除去されたガス化軽質油をガス状又は液状の状態でディーゼル機関の燃焼室に供給することにより、ディーゼル機関を構成する機器の高温腐食の問題を解決し、スカッフ等のトラブルを防止できるようにしている。
また、蒸留装置又は熱分解装置からガス化軽質油を生成するようにしているため、これをディーゼル機関に供給するまでの取り扱いが容易になると共に、軽質油を燃焼させることで、排ガス中のPM(排気微粒子)やCO等の削減を可能にし、環境保全に寄与できると共に、排ガス処理が容易になり、排ガス処理を低コスト化できる。
本発明において、分離装置で生成されたガス化軽質油の少なくとも一部を冷却器で冷却し、液化した軽質油をディーゼル機関に供給すると共に、残りのガス化軽質油を該ディーゼル機関の近傍に併設されたガスエンジンに供給するようにするとよい。これによって、装置全体の燃焼効率を高めることができる。
また、本発明において、分離装置が熱分解装置であり、この熱分解装置で生成されたガス化軽質油を冷却器で冷却し、液化した軽質油をディーゼル機関に供給すると共に、ガス状のH及びCOをガスエンジンに供給するようにするとよい。
これによって、熱分解装置で発生したH及びCOをガスエンジンでの燃焼に有効活用できるので、装置全体の燃焼効率を高めることができる。
また、本発明において、分離装置が熱分解装置であると共に、ディーゼル機関が主燃焼室と副燃焼室とを備え、該熱分解装置で生成されたガス化軽質油を吸気と混合して該ディーゼル機関の主燃焼室に供給すると共に、ガス状のH及びCOを副燃焼室に着火用として供給するようにするとよい。
このように、熱分解装置で発生したH及びCOをディーゼル機関の着火用として利用することにより、着火性能を向上させて、燃焼安定性を増すことができる。そのため、燃焼効率をさらに向上できる。
また、本発明において、動力取り出し装置がディーゼル機関の出力軸に接続された発電装置又は船舶用推進装置であれば、ディーゼル機関の燃焼室周辺の腐食問題をなくし、燃焼効率の良いコンパクトな発電設備又は船舶用推進装置を実現できる。
また、本発明において、分離装置を、重質油燃料を蒸留して一次分離軽質油と腐食成分を含有した残渣油とに分離する蒸留装置と、該一次分離軽質油を高温水により熱分解して軽質油と腐食成分を含有した残渣油とに二次分離する熱分解装置と、から構成するとよい。
これによって、軽質油中の腐食成分を確実に軽減できるので、ディーゼル機関の構成機器の腐食量を大幅に軽減できる。
また、蒸留装置で分離する一次分離軽質油と、熱分解装置で分離するH及びCOとの分離が容易になり、夫々の使用先への供給が容易になる。
さらに、上流側の蒸留装置で分離させた一次分離軽質油を熱分解装置に供給するため、重質油を熱分解装置に供給する場合と比べて、熱分解装置の触媒の耐久性を向上できる。
本発明の動力発生装置によれば、燃料として重質油を使用する燃焼機関を備えた動力発生装置において、前記燃焼機関としてディーゼル機関を用い、重質油から軽質油を分離してガス化軽質油を生成する分離装置と、該分離装置で重質油から分離されたガス化軽質油を該ディーゼル機関の燃焼室に供給する燃料供給装置と、該ディーゼル機関の出力軸に接続され該出力軸から動力を取り出す動力取り出し装置と、を備え、腐食成分が除去された軽質油をディーゼル機関の燃焼室に供給するようにしているので、ディーゼル機関の燃焼室から排ガス流路周辺に至る機器類の高温腐食を効果的に防止できると共に、燃焼効率の良い運転を可能にする。
また、蒸留装置又は熱分解装置からガス化軽質油を生成するようにしているため、これをディーゼル機関に供給するまでの取り扱いが容易になると共に、軽質油を燃焼させることで、排ガス中のPM(排気微粒子)やCO等の削減を可能にし、環境保全に寄与できると共に、排ガス処理が容易になり、排ガス処理を低コスト化できる。
本発明の第1実施形態に係る発電設備の系統図である。 本発明の第2実施形態に係る発電設備の系統図である。 本発明の第3実施形態に係る発電設備の系統図である。 本発明の第4実施形態に係る発電設備の系統図である。 本発明の第5実施形態に係る発電設備の系統図である。 本発明の第6実施形態に係る発電設備の系統図である。 船舶用推進装置に適用した本発明の第7実施形態に係る動力発生装置の一部を示す系統図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
本発明の第1実施形態を図1に基づいて説明する。図1において、本実施形態は、ディーゼル機関を用いた複合発電設備(コンバインド・サイクル発電設備)10を構成する。複合発電設備10は、この複合発電設備10は、駆動するディーゼル機関12と、排熱回収ボイラ16と、蒸留装置18と、残渣油燃焼器20と、重質油加熱器22と、蒸気タービン24とを備えている。
ディーゼル機関12の出力軸12aには発電機14が連結されている。ディーゼル機関12の入口には空気を吸入する吸気ライン28が接続され、出口には燃焼後の排ガスを排出する排気ライン30が接続されている。
排気ライン30は排熱回収ボイラ16に接続されている。排熱回収ボイラ16の排ガス流路下流側には、水供給ライン34が配設され、水供給ライン34に供給された水を燃焼ガスの保有熱で蒸気に変え、該蒸気は蒸気ライン36を介して蒸気タービン24に供給される。蒸気タービン24では、発電機26を駆動して発電を行なう。排熱回収ボイラ16で保有熱を吸収されて冷却された排ガスは煙突32から排出される。
排熱回収ボイラ16内で蒸気ライン36より排ガス流路上流側には、重質油加熱器22が配設され、重質油加熱器22には重質油供給ライン38が配設されている。重質油供給ライン38から重質油加熱器22に供給された重質油は、該加熱器で加熱され、蒸留装置18に送られる。重質油は蒸留装置18で蒸留され、ガス化軽質油と残渣油とに分離される。蒸留装置18の上部にはガス化軽質油ライン40が接続されている。ガス化軽質油ライン40には、上流側から順にコンプレッサ42及び冷却器44が介設され、冷却器44の下流側でディーゼル機関12に接続されている。
蒸留装置18で行なわれる蒸留工程で腐食成分を構成するV等の金属類は残渣油に含まれ、ガス化軽質油には腐食成分は含まれていないか、若しくは含まれているとしても極微量である。ガス化軽質油は、コンプレッサ42によってガス化軽質油ライン40から冷却器44に送られ、冷却器44で液化される。液化した軽質油は、軽質油ライン45を介してインジェクタ46からディーゼル機関12の燃焼室に噴霧される。ディーゼル機関12の燃焼室で軽質油が燃焼することで、出力軸12aを介して発電機14を回転させて発電する。
蒸留装置18の下部出口には、重質油から軽質油を分離した残り、即ち、腐食成分を含む残渣油を排出する残渣油排出ライン48が設けられている。残渣油排出ライン48は、重質油加熱器22より排ガス流路上流側の排熱回収ボイラ16内に設けられた残渣油燃焼器20に供給される。残渣油燃焼器20で残渣油を燃焼させ、排ガス温度を高めて、水供給ライン34に供給された水の加熱効果を増し、蒸気の製造に供させる。
本実施形態によれば、蒸留装置18で重質油から分離したガス化軽質油を冷却器44で液化し、液化軽質油をインジェクタ46からディーゼル機関12の燃焼室に噴霧するようにしているので、ディーゼル機関12による発電を可能とすると共に、ディーゼル機関12の燃焼効率を高く維持できる。
また、蒸留装置18で重質油から軽質油を分離し、腐食成分を含んでいないか、若しくは極微量の腐食成分のみを含む軽質油をディーゼル機関12に供給しているので、ディーゼル機関12の燃焼排ガスから腐食成分を除去できる。そのため、燃焼室から排ガス流路周辺の構成機器の腐食を大幅に軽減できる。
重質油中に含まれるV(5〜10ppm)を1ppm以下にし、重質分(コークス、タール等)の生成量を表すコークス化率を極力少なくすることを目標とする。
また、本実施形態では、蒸留装置18を用いているため、重質油から軽質油を簡単かつ効率良く分離できると共に、蒸留装置18からガス化軽質油を生成するようにしているため、これをディーゼル機関12に供給するまでの取り扱いが容易になると共に、軽質油を燃焼させることで、排ガス中のPM(排気微粒子)やCO等の削減を可能にし、環境保全に寄与できると共に、排ガス処理が容易になり、排ガス処理を低コスト化できる。
さらに、蒸留装置18で分離した残渣油を排熱回収ボイラ16と一体構造の残渣油燃焼器20で燃焼させるので、排熱回収ボイラ16の燃焼効率を向上できる。即ち、残渣油は、加熱すると粘度が低下するので、残渣油を排熱回収ボイラ16内の排ガス流路に噴霧(例えば水蒸気噴霧)すれば、燃焼が可能となり、排熱回収ボイラ16での熱量を増加できる。しかも、温度が比較的低い排熱回収ボイラ16で残渣油を燃焼させるので、排熱回収ボイラ16及び残渣油燃焼器20を構成する機器類に高温腐食が起こらない。例えば、排熱回収ボイラ16のボイラチューブは、ディーゼル機関12の燃焼室内より低温であるので、高温腐食が起こらない。
ここで、腐食成分による腐食作用は、腐食成分が液相(液体)の状態のときに顕著に起こり、腐食成分が気相(気体)の状態又は固相(固体)の状態のときにはほとんど起こらないか起こったとしても軽微である。残渣油燃焼器20では残渣油中に含まれる腐食成分は気相の状態にあるため、排熱回収ボイラ16及び残渣油燃焼器20で腐食作用は起こらない。
また、重質油を排熱回収ボイラ16の排ガスの保有熱で加熱しているので、蒸留装置18での軽質油の分離効率を向上できると共に、発電設備全体の熱効率を向上できる。
また、本実施形態の発電設備10は、ディーゼル機関12及びディーゼル機関12の排ガスの保有熱を有効利用した蒸気タービン24で夫々発電する複合発電システム(コンバインド・サイクル)であるため、発電効率を向上できる。
なお、本実施形態において、ガス化軽質油ライン40に冷却器44を設けず、ガス状の軽質油をそのままディーゼル機関12の燃焼室に噴射するか、あるいは軽質油ライン45を吸気ライン28に接続して、ガス化軽質油を吸気ライン28に噴射するようにしてもよい。この時、燃焼室の温度が十分高ければ自着火するが、温度が低い場合には、着火源として、プラグ等を設置する必要がある。また、ガス状軽質油を吸気ライン28に噴射する場合、吸気ライン28に過給器のコンプレッサ等が介設されていれば、コンプレッサ42を省略することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の第2実施形態を図2に基づいて説明する。図2において、本実施形態に係る発電設備50と前記第1実施形態に係る発電設備10との第1の相違点は、ディーゼル機関12の近傍にガスエンジン52を併設した点にある。即ち、ガス化軽質油ライン40をコンプレッサ42の下流側で分岐ライン40aと40bとに分岐し、分岐ライン40aをディーゼル機関12の燃焼室に接続し、分岐ライン40aの途中に冷却器44を介設すると共に、分岐ライン40bをガスエンジン52の燃焼室に接続している。
ガスエンジン52には吸気ライン54を設けると共に、排気ライン56を設け、排気ライン56をディーゼル機関12の排気ライン30に接続している。また、ガスエンジン52の出力軸52aをディーゼル機関12の出力軸12aに接続している。
ディーゼル機関12に液状軽質油を供給してディーゼル機関12を駆動すると共に、ガスエンジン52にガス化軽質油を供給してガスエンジン52を駆動する。こうして、ディーゼル機関12及びガスエンジン52の駆動力が夫々の出力軸12a及び52aから発電機14に伝達し、発電機14を回転させて発電する。
第1実施形態との第2の相違点は、重質油の加熱装置である。蒸留装置18に重質油を供給する重質油供給ライン58の途中に重質油加熱器60を介設している。さらに、蒸気ライン36から分岐蒸気ライン62を分岐させ、分岐蒸気ライン62は、排熱回収ボイラ16内の排ガス流路で熱交換部64と接続され、熱交換部64の下流側で重質油加熱器60に接続されている。さらに、分岐蒸気ライン62は、重質油加熱器60の下流側で復水器66に接続されている。その他の構成は第1実施形態と同一であり、同一の部位又は機器には同一符号を付している。
本実施形態では、コンプレッサ42の下流側で、分岐ライン40aに分岐したガス化軽質油を冷却器44で液化した後、液化軽質油を軽質油ライン45を介してインジェクタ46からディーゼル機関12の燃焼室に噴霧する。また、分岐ライン40bに分岐したガス化軽質油をガス状のままガスエンジン52の燃焼室に噴射している。このように、軽質油でディーゼル機関12及びガスエンジン52を駆動し、ディーゼル機関12の出力軸12aとガスエンジン52の出力軸52aで発電機14を回転させることで、発電量を増加させ、発電設備50の燃焼効率を向上できる。
また、蒸留装置18に供給される重質油は、蒸留装置18の上流側で重質油加熱器60に送られる。一方、蒸気ライン36を経て排熱回収ボイラ16から蒸気タービン24に供給される蒸気の一部は、分岐蒸気ライン62を経て排熱回収ボイラ16の熱交換部64で過熱される。この過熱された蒸気が重質油加熱器60に送られ、重質油加熱器60で重質油を加熱する。重質油加熱器60で加熱された重質油は、蒸留装置18に供給される。重質油加熱器60で重質油の加熱に供された後の蒸気は、復水器66に送られる。
従って、蒸気ライン36を通る蒸気をさらに排熱回収ボイラ16の熱交換部64で加熱して過熱蒸気として重質油加熱器60に供給するようにしているので、重質油の加熱効果を高めることができる。さらに、重質油加熱器60で重質油供給ライン58から重質油が漏れたとしても、特に問題を生じない。
なお、本実施形態において、分岐ライン40bをガスエンジン52の吸気ライン54に接続して、ガス化軽質油を吸気ライン54に噴射するようにしてもよい。これによって、ガス化軽質油と吸気との混ぜ合わせ効果を増すことができる。この時、燃焼室の温度が十分高ければ自着火するが、温度が低い場合には、着火源として、プラグ等を設置する必要がある。
また、ガスエンジン52の出力軸をディーゼル機関12の出力軸12aに連結せずに、他の用途の動力として利用してもよい。
(実施形態3)
次に、本発明の第3実施形態を図3に基づいて説明する。図3において、本実施形態に係る発電設備70と前記第1実施形態に係る発電設備10との相違点は、ディーゼル機関72が主燃焼室74及び副燃焼室76を備えていることである。また、ガス化軽質油ライン40をコンプレッサ42の下流側で分岐ライン40aと40bとに分岐させ、分岐ライン40aをディーゼル機関72の副燃焼室76に接続すると共に、分岐ライン40bを吸気ライン28に接続している。その他の構成は、第1実施形態と同一である。
かかる構成によって、主燃焼室74にガス化軽質油を混合した吸気を供給すると共に、副燃焼室76にガス状軽質油を噴射させるようにする。副燃焼室76には点火プラグ78が設けられ、点火プラグ78でガス状軽質油に点火し、それを火種として火炎を主燃焼室74に伝播させるようにする。そのため、ディーゼル機関12の燃焼安定性が増し、燃焼効率を高めることができる。
(実施形態4)
次に、本発明の第4実施形態を図4に基づいて説明する。図4において、本実施形態に係る発電設備80と第1実施形態との相違点は、重質油加熱器82をガス化軽質油ライン40に介設した点である。そして、重質油供給ライン84を重質油加熱器82に接続し、重質油加熱器82において重質油をガス化軽質油の保有熱で加熱する。重質油加熱器82で加熱した重質油を蒸留装置18に供給する。
一方、ガス化軽質油は、重質油加熱器82で冷却され、凝縮して液状軽質油となる。この液状軽質油は、コンプレッサ42により軽質油ライン86を経てインジェクタ46からディーゼル機関12の燃焼室に噴霧される。
本実施形態によれば、重質油加熱器82で重質油供給ライン84から重質油が漏れたとしても、特に問題はなく、さらに、ガス化軽質油は、軽質油ライン86で液状となるので、コンプレッサ42の下流側で、軽質油ライン86に冷却器を設ける必要がなくなる。
(実施形態5)
次に、本発明の第5実施形態を図5に基づいて説明する。図5において、本実施形態に係る発電設備90は、前記第2実施形態の変形例である。本実施形態と第2実施形態との相違点は、重質油から軽質油を分離する手段として、蒸留装置18の代わりに熱分解装置92を設けた点である。即ち、重質油供給ライン94から重質油を熱分解装置92に供給し、熱分解装置92で重質油を加熱分解処理する。熱分解装置92では、分岐蒸気ライン62から排熱回収ボイラ16の熱交換部64で過熱された過熱蒸気を供給して、これを加熱分解の熱源としている。
熱分解装置94で、重質油は、分岐蒸気ライン62から供給される高温水(蒸気)により熱分解され、ガス化軽質油、H及びCOと、腐食成分を含む残渣油とに分離される。ガス化軽質油、H及びCOはガス化軽質油ライン40を経て、コンプレッサ42の下流側で冷却器44に到達する。該混合気体は、冷却器44で冷却され、ガス化軽質油は液化して分岐ライン96aからインジェクタ46を経て、ディーゼル機関12の燃焼室に供給される。H及びCOは、気体のまま分岐ライン96bを経てガスエンジン52の燃焼室に噴射される。
一方、腐食成分を含む残渣油は、熱分解装置92から残渣油排出ライン48を経て排熱回収ボイラ16に設けられた残渣油燃焼器20に供給される。その他の構成は、第2実施形態と同一である。
かかる構成において、熱分解装置92を使用して、ガス化軽質油、H及びCOと腐食成分を含む残渣油とを簡単かつ効率良く分離できると共に、軽質油中の腐食成分を確実に軽減し、ディーゼル機関12及びガスエンジン52の燃焼室から排ガス流路周りの構成機器の腐食を低減できる。
また、熱分解装置92からガス化軽質油を生成するようにしているため、これをディーゼル機関12に供給するまでの取り扱いが容易になると共に、ガス化軽質油をディーゼル機関12に供給して、ディーゼル機関12の燃焼に供すると共に、H及びCOをも残渣油から分離して、ガスエンジン52の燃焼に供することができるので、発電設備全体の燃焼効率を高めることができる。
熱分解装置92での熱分解条件の一例を説明する。例えば、C重油に水蒸気を加えて熱分解させ、Vを除去する場合の分離条件は、改質部温度が450℃で、改質部圧力が20MPaであり、水油比を0.5(kg/kg)とする。
なお、本実施形態において、分岐ライン96bをガスエンジン52の吸気ライン54に接続して、H及びCOを吸気中に噴射するようにしてもよい。この時、燃焼室の温度が十分高ければ自着火するが、温度が低い場合には、着火源として、副室もしくはプラグ等を設置する必要がある。
これによって、吸気とH2及びCOとの混合状態を良くして、燃焼室に供給できるので、燃焼安定性及び燃焼効率を向上できる。
(実施形態6)
次に、本発明の第6実施形態を図6に基づいて説明する。本実施形態は、前記第3実施形態の変形例である。図6において、本実施形態で重質油から軽質油を分離する装置は、一次分離を行なう蒸留装置18と、二次分離を行なう熱分解装置92とから構成されている。即ち、第3実施形態との相違点は、蒸留装置18の下流側のガス化軽質油ライン40に熱分解装置92が介設されている点である。さらに、蒸気ライン36から分岐して蒸気を熱分解装置92に供給する分岐蒸気ライン102が設けられると共に、熱分解装置92でガス化軽質油等と二次分離された残渣油を残渣油排出ライン48に戻す戻しライン104が設けられている。
かかる構成において、ガス化軽質油の原料となる重質油は、重質油供給ライン38から排熱回収ボイラ16と一体構造の重質油燃料加熱器22に供給される。ここで重質油は、ディーゼル機関12の排ガスの保有熱で加熱される。加熱された重質油は、重質油供給ライン38を経て蒸留装置18に供給される。蒸留装置18では、加熱された重質油からガス化軽質油を一次分離する。
一次分離されたガス化軽質油は、ガス化軽質油ライン40を経て熱分解装置92に送られる。また、分岐蒸気ライン102を経て排熱回収ボイラ16から蒸気タービン24に供給される蒸気の一部が熱分解装置92に供給される。一方、蒸留装置18でガス化軽質油が一次分離された残りの腐食成分を含む残渣油が残渣油排出ライン48を経て残渣油燃焼器20に戻される。
この熱分解装置92で、一次分離されたガス化軽質油が蒸気により熱分解され、ガス化軽質油、H及びCOと、腐食成分を含む残渣油とに分離される。ガス化軽質油、H及びCOは、ガス化軽質油ライン40を通り、コンプレッサ42の下流側で分岐ライン40aと分岐ライン40bに分離される。分岐ライン40aに分岐したガス化軽質油等は、ディーゼル機関12の副燃焼室76に噴霧され、点火プラグ78で点火されて種火となる。この種火で主燃焼室74内の軽質油に火炎が伝播する。
一方、分岐ライン40bに分岐したガス化軽質油等は、吸気ライン28に接続され、吸気と混合してディーゼル機関12の主燃焼室74に供給され、そこで副燃焼室76から伝播する火炎で燃焼する。
本実施形態によれば、第3実施形態で得られる作用効果に加えて、軽質油等を重質油から分離する分離装置が、蒸留装置18とその下流側に設けられた熱分解装置92とから構成されているため、ガス化軽質油、H及びCOと腐食成分を含む残渣油との分離を精度良く行なうことができ、ディーゼル機関12の燃焼室から排ガス流路の周辺機器の腐食を大幅に低減できると共に、重質油から一次分離したガス化軽質油を熱分解装置92に供給できるので、熱分解装置92の触媒の耐久性を向上できる。
(実施形態7)
次に、本発明の第7実施例を図7に基づいて説明する。本実施形態は、第1実施形態と比べて、ディーゼル機関12の出力軸12aに接続する動力取り出し装置として、発電機14に替えて、船舶用推進装置110を連結してなる動力発生装置110で構成されている。その他の構成は第1実施形態と同一である。
本実施形態によれば、ディーゼル機関12の動力を船舶用推進装置112に利用でき、コンパクトで燃焼効率の高い動力発生装置110を実現できる。
本発明によれば、重質油を使用するディーゼル機関から動力を取り出す場合に、ディーゼル機関の燃焼室から排ガス流路周辺の構成機器の腐食を低減できると共に、燃焼効率の高い動力発生装置を実現できる。
10、50、70,80,90,100 発電設備
12,72 ディーゼル機関
12a、72a ディーゼル機関出力軸
14 発電機
16 排熱回収ボイラ
18 蒸留装置
20 残渣油燃焼器
22 重質油加熱器
24 蒸気タービン
40 ガス化軽質油ライン
44 冷却器
46 インジェクタ
52 ガスエンジン
52a ガスエンジン出力軸
64 熱交換部
74 主燃焼室
76 副燃焼室
78 点火プラグ
92 熱分解装置
110 船舶用推進装置

Claims (6)

  1. 燃料として重質油を使用する燃焼機関を備えた動力発生装置において、
    前記燃焼機関としてディーゼル機関を用い、
    重質油から軽質油を分離してガス化軽質油を生成する蒸留装置又は熱分解装置からなる分離装置と、
    該分離装置で重質油から分離されたガス化軽質油を該ディーゼル機関の燃焼室に供給する燃料供給装置と、
    該ディーゼル機関の出力軸に接続され該出力軸から動力を取り出す動力取り出し装置と、を備えたことを特徴とする燃焼機関を備えた動力発生装置。
  2. 前記分離装置で生成されたガス化軽質油の少なくとも一部を冷却器で冷却し、液化した軽質油を前記ディーゼル機関に供給すると共に、残りのガス化軽質油を該ディーゼル機関の近傍に併設されたガスエンジンに供給するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のディーゼル機関を備えた動力発生装置。
  3. 前記分離装置が熱分解装置であり、該熱分解装置で生成されたガス化軽質油を冷却器で冷却し、液化した軽質油を前記ディーゼル機関に供給すると共に、ガス状のH及びCOを前記ガスエンジンに供給するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のディーゼル機関を備えた動力発生装置。
  4. 前記分離装置が熱分解装置であると共に、前記ディーゼル機関が主燃焼室と副燃焼室とを備え、
    該熱分解装置で生成されたガス化軽質油を吸気と混合して該ディーゼル機関の主燃焼室に供給すると共に、ガス状のH及びCOを副燃焼室に着火用として供給するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のディーゼル機関を備えた動力発生装置。
  5. 前記動力取り出し装置が前記ディーゼル機関の出力軸に接続された発電装置又は船舶用推進装置であることを特徴とする請求項1に記載のディーゼル機関を備えた動力発生装置。
  6. 前記分離装置が、
    重質油燃料を蒸留して一次分離軽質油と腐食成分を含有した残渣油とに分離する蒸留装置と、
    該一次分離軽質油を高温水により熱分解して軽質油と腐食成分を含有した残渣油とに二次分離する熱分解装置と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のディーゼル機関を備えた動力発生装置。
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