JP2010194732A - 防錆シートの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】防錆フィルムと基材間の接着強度が高く、防錆効果に優れた防錆シートを作製できる製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】防錆フィルム成形部8において170℃程度の温度で押出成形した防錆フィルム4を、ラミネート部9に供給される基材2の接着面上に導き、ラミネート部9において、押出直後の防錆フィルム4と基材2とを接着材料3を介して貼り合わせる。防錆フィルム4を押出製膜しながら、インラインでラミネートを行うので、防錆フィルム4の表面に経時で防錆剤がブリードアウトする前に、防錆フィルム4と基材2とを貼り合わせることができる、基材2と防錆フィルム4との間のラミネート強度の低下を防止できる。
【選択図】図3
【解決手段】防錆フィルム成形部8において170℃程度の温度で押出成形した防錆フィルム4を、ラミネート部9に供給される基材2の接着面上に導き、ラミネート部9において、押出直後の防錆フィルム4と基材2とを接着材料3を介して貼り合わせる。防錆フィルム4を押出製膜しながら、インラインでラミネートを行うので、防錆フィルム4の表面に経時で防錆剤がブリードアウトする前に、防錆フィルム4と基材2とを貼り合わせることができる、基材2と防錆フィルム4との間のラミネート強度の低下を防止できる。
【選択図】図3
Description
本発明は、金属製品の包装に用いられる防錆シートの製造方法及び製造装置に関する。
金属製品の錆びを防ぐためには、鉱油をベース油として、錆止め添加剤を加えた防錆油が知られている。防錆油は、金属製品に直接塗工して使用するため、金属製品の使用時には、防錆油を除去する必要があり、除去に要する手間が煩雑である。
一方、より簡便に防錆効果を得る方法として、樹脂フィルムに防錆剤を含有させた防錆フィルムで、金属製品を包装する方法がある。ただし、防錆フィルム単体で使用した場合、フィルムに含まれる防錆剤が包装の外方に逃げ出すため、防錆効果を長期間持続させることが困難であり、より長期間の防錆効果を得るためには樹脂フィルムに多量の防錆剤を練り込む必要があり防錆剤の無駄が生じていた。
また、防錆フィルムは金属製品の包装後に熱シールによって封着されるが、防錆フィルムのベース樹脂としてはポリエチレンが用いられる場合には、熱シールが困難で、シール部分にピンホールやエッジ切れが発生しやすく、この結果、包材内部に防錆剤を完全に封入できないことがあった。また、仮にシールがうまくできたとしても、包装時に大気中の水分を包材中に封入してしまうため、防錆剤の効果が切れた時点で金属製品に錆が進行してしまう可能性もある。
そこで、近年では、上記のような単体の防錆フィルムに代えて、防錆フィルムの片面に延伸フィルムを貼り合わせた構成が採用されている。
防錆フィルムと基材との貼り合わせには、防錆フィルムと基材とをドライラミネートする方法(以下、「第1の方法」という)や、基材の片面に防錆剤を添加した樹脂を直接押し出すことによって防錆フィルムを成型する方法(以下、「第2の方法」という)が採用されている。
しかしながら、上記の第1及び第2の方法には次のような問題がある。
防錆フィルムと基材とをドライラミネートにより貼り合わせる第1の方法では、防錆フィルムの成膜後の経時により表面にブリードアウトした防錆剤が接着を阻害し、十分なラミネート強度が得られないという問題がある。
また、基材上に防錆フィルムを直接押出成形する第2の方法では、防錆剤を添加した樹脂を300℃程度の高温で押し出す必要がある。この温度条件下では、成膜時に防錆剤自体が気化してしまうため、防錆剤の添加量に対して防錆フィルム中の含有量が小さくなり、歩留まりが悪いという問題がある。
それ故に、本発明は、基材と防錆フィルムとを積層した構造の防錆シートを、防錆フィルム及び基材間の接着強度を確保しつつ製造することができる製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、防錆作用を有する物質を含有する防錆シートの製造方法であって、シート状の基材の一方面に接着性材料を塗布する工程と、熱可塑性樹脂と防錆作用を有する物質との混練物から防錆フィルムを押出成形し、成形された防錆フィルムを接着性材料が塗布された基材の一方面側に導く工程と、防錆フィルムの押出成形と並行して、接着性材料を介して基材と防錆フィルムとを一体化させる工程とを備えるものである。
また、本発明は、防錆作用を有する物質を含有する防錆シートの製造装置であって、シート状の基材の一方面に接着性材料を塗布する塗布手段と、熱可塑性樹脂と防錆作用を有する物質との混練物から防錆フィルムを押出成形し、成形された防錆フィルムを接着性材料が塗布された基材の一方面側に導く防錆フィルム成形手段と、防錆フィルムの押出成形と並行して、接着性材料を介して基材と防錆フィルムとを一体化させる貼り合わせ手段とを備えるものである。
本発明によれば、防錆フィルムの成膜直後に基材と一体化されるので、接着強度が高い防錆シートを作製することができる。
図1は、防錆シートの使用状態を示す概略断面図であり、図2は、図1に示される防錆シートの一部を示す断面図である。
防錆シート1は、金属製品の錆を防ぐための包材として使用されるシート体であり、シート状の基材2と、接着材料3を介して基材2に貼り合わせされた防錆フィルム4とを備える。防錆シート1の使用時には、図1に示されるように、防錆フィルム4側の面で金属製品5を覆うように包み、周囲を熱シールすることによって封着する。このように包装すると、防錆フィルム4に含まれる防錆成分が金属製品5の表面に付着し防錆効果を発揮する。
基材2は、防錆シート1を包材として使用した際に、包装の外部から内部への水分や酸素の透過と、包装の内部から外部への防錆成分の気散を防止するためのものである。また、基材2の材質を適宜選択することによって、熱シール時の耐熱性を向上させたり、防錆シート1に突き刺し耐性を付与することができる。
基材2は、水分や酸素、防錆成分を透過しない性質(以下、「バリア性」という)を有するものであれば、その材質や構造は特に限定されないが、バリア性の高い材料を用いた方が防錆効果を更に高めることができるのでより好ましい。具体的には、基材2として用いる材料が下記に示す条件の一方または両方を満足すれば、優れた防錆効果が得られる。
水蒸気透過度:10g/m2/day(40℃、90%RH)以下
酸素透過度:30cc/m2/MPa(40℃、90%RH)以下
水蒸気透過度:10g/m2/day(40℃、90%RH)以下
酸素透過度:30cc/m2/MPa(40℃、90%RH)以下
基材2は、バリア性を有する材料の単層体でも良いし、バリア性を有する材料と他の材料との積層体でも良い。例えば、基材2として、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(NY)、ポリプロピレン(PP)等の延伸フィルムを利用できる。ここに例示した材料は、突刺し強度及び耐熱性を有するので好適である。また、これらの材料よりなる延伸フィルムをベースフィルムとし、ベースフィルム上に金属や樹脂等を蒸着またはコーティングしたものを基材2して用いても良い。この場合、蒸着やコーティングに用いる材料によって更にバリア性を向上させることもできる。
基材2の厚みは、10μm以上であることが好ましい。基材2の厚みが10μm未満となると、十分な機械的強度が得られなくなる。
防錆フィルム4は、熱可塑性樹脂に防錆剤を混練し、押出し成形したものである。ベースとなる熱可塑性樹脂は特に限定されないが、例えばポリエチレンが好適である。防錆剤の成分は特に限定されないが、気化性防錆剤が好ましい。また、一般的に利用される亜硝酸ナトリウムを使用しても良い。
接着材料3は、基材2及び防錆フィルム4間の十分な接着強度が得られるものであれば特に限定されないが、後述する製造方法に対応して、接着剤または接着性樹脂を利用できる。前者の例としては、2液硬化型のウレタン系ドライラミネート接着剤があり、後者の例としては、エチレン−メタクリル酸(EMAA)共重合体、エチレン−アクリル酸(EAA)共重合体がある。接着性樹脂を用いる場合は、単独で使用しても良いし、粘着付与剤を添加して使用しても良い。
以下、本発明の各実施形態に係る防錆シートの製造装置及び製造方法を説明する。
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る防錆シートの製造装置を示す模式図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る防錆シートの製造装置を示す模式図である。
製造装置13は、基材供給部6と、接着剤塗布部7と、防錆フィルム成型部8と、ラミネート部9と、巻取部10とを備える。尚、これらの各部の間には、基材2や防錆フィルム4、防錆シート1を搬送するために、図示しない搬送装置が設けられる。
基材供給部6は、ロール状に巻回された基材2を製造装置13に供給する。接着剤塗布部7は、基材供給部6から引き出された基材2の一方面に接着剤(図示せず)を塗布する。接着剤塗布部7としては、例えばロールコーターを好適に利用できる。
一方、防錆フィルム成形部8は、熱可塑性樹脂と防錆剤とを溶融混練した防錆樹脂をスリット状のダイから押出し、防錆フィルム4を押出成形する。防錆フィルム4の成膜方法としては、ニーラム法を利用できる。ニーラム法では200℃以下、好ましくは170℃程度の温度で防錆フィルム4を成膜できるので、エクストルーダーを用いて成膜する場合(成膜温度は300℃程度)と比べて、成膜温度を低くすることができる。また、防錆フィルム成形部8は、ラミネート部9に供給される基材2の接着面(接着剤が塗工された面)上に導く。
ラミネート部9は、防錆フィルム成形部8によって押出し成形された直後の防錆フィルム4と、接着剤塗布部7から供給される基材2とを貼り合わせ、接着剤3を介して一体化させる。その後、ラミネート部9によって形成された防錆シート1は、巻取部10によって巻回される。
以上説明したように、本実施形態に係る防錆シート1の製造方法及び製造装置では、防錆フィルム4を押出成形しながらインラインで基材2とラミネートする。このように、防錆フィルム4の成膜とラミネートとを並行して行えば、防錆フィルム4の表面に防錆成分がブリードアウトする前に防錆フィルム4と基材2とを貼り合わせることができるので、防錆フィルム4と基材2との充分な接着強度が得られる。
また、防錆フィルム4の成形をニーラム法のような成膜温度の低い方法によって行うため、揮発性の高い防錆成分を含有する防錆剤を用いる場合でも、成膜時に防錆成分が揮散することに起因する含有量の低下を抑制できる。したがって、本実施形態に係る製造方法によれば、防錆剤の含有量が多く、防錆効果に優れた防錆シート1を製造できる。また、防錆剤の添加量に対する残存量の割合が向上するので、材料として用いる防錆剤の量を低減し、歩留まりを改善することができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る防錆シートの製造装置を示す模式図である。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る防錆シートの製造装置を示す模式図である。
本実施形態に係る製造方法は、基材2と防錆シート4をラミネートする際に、接着剤ではなく接着性樹脂15を用いる点と、基材2上にアンカーコートを施す点とにおいて、第1の実施形態に係る製造方法とは相違する。より具体的には、本実施形態に係る製造装置14では、図3で示した接着剤塗布部7に代えて接着性樹脂押出部12が設けられ、更にアンカーコート部11が付加されている。
アンカーコート部11は、基材供給部6から引き出された基材2の一方面上にアンカーコートを施す。基材2にアンカーコートすることによって、基材2と接着性樹脂材料15との接着性を向上することができる。ただし、アンカーコートは必ずしも必要ではなく、アンカーコートする工程及びアンカーコート部11を省略しても良い。
接着性樹脂押出部12は、原料となる接着性樹脂のペレットを融解させ、融解した接着性樹脂をダイレクトに基材2上に押し出す。
防錆フィルム4の成形及びラミネートは、第1の実施形態と同様に行われる。すなわち、防錆フィルム成形部8は、防錆フィルム4を押出成形して、ラミネート部9に供給される基材2の接着面(接着性樹脂が押し出された面)上に導く。ラミネート部9は、防錆フィルム成形部8によって押出し成形された直後の防錆フィルム4と基材2とを接着性樹脂15を介して一体化させ、防錆シート1を形成する。
以上説明したように、本実施形態に係る防錆シート1の製造方法及び製造装置によっても、第1の実施形態と同様に、基材2及び防錆フィルム4間の十分な接着強度が得られ、かつ、防錆剤の含有量の多い防錆シート1を製造することができる。これに加えて、本実施形態に係る製造方法及び製造装置では、接着剤に代えて接着性樹脂をラミネートに用いるため、接着性樹脂の材質や配合、厚みを適宜調整することにより、強度や熱シール性等の所望の物性を有する防錆シート1を製造することが可能となる。
以下、本発明を具体的に実施した実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
実施例1の防錆シートは、上記の第1の実施形態に係る製造方法によって作製したものである。
実施例1の防錆シートは、上記の第1の実施形態に係る製造方法によって作製したものである。
凸版印刷社製「GLフィルム(GL−AEY)」(厚み15μm)に、三井化学ポリウレタン社製ドライラミネート用接着剤「A515/50」を塗布し、ニーラム法により成膜(成膜温度170℃)した直後の防錆フィルム(厚み60μm)をドライラミネートした。防錆フィルムの原料には、旭化成社製低密度ポリエチレン樹脂「L1850K」に、防錆剤(亜硝酸ナトリウム)のマスターバッチを重量比90:10で添加したものを使用した。
(実施例2)
実施例2の防錆シートは、上記の第2の実施形態に係る製造方法によって作製したものである。
実施例2の防錆シートは、上記の第2の実施形態に係る製造方法によって作製したものである。
コロナ処理を施した凸版印刷社製「GLフィルム(GL−AEY)」(厚み15μm)上に、三井デュポンポリケミカル社製接着性樹脂「AN4228」を20μmの厚みに押し出し、ニーラム法により成膜(成膜温度170℃)した直後の防錆フィルム(厚み60μm)をサンドラミネートした。防錆フィルムの原料には、実施例1と同様に、旭化成社製「低密度ポリエチレン樹脂L1850K」に、防錆剤(亜硝酸ナトリウム)のマスターバッチを重量比90:10で添加したものを使用した。
(比較例1)
比較例1の防錆シートは、事前に用意した防錆フィルムと基材とを貼り合わせて作製したものである。
比較例1の防錆シートは、事前に用意した防錆フィルムと基材とを貼り合わせて作製したものである。
コロナ処理を施した凸版印刷社製「GLフィルム(GL−AEY)」(厚み15μm)上に、三井デュポンポリケミカル社製接着性樹脂「AN4228」を20μmの厚みに押し出し、事前にインフレーション法により成膜した防錆フィルム(厚み60μm)をエクストルーダーによりラミネートした。防錆フィルムの原料には、実施例1と同様に、旭化成社製「低密度ポリエチレン樹脂L1850K」に、防錆剤(亜硝酸ナトリウム)のマスターバッチを重量比90:10で添加したものを使用した。
(比較例2)
比較例2の防錆シートは、凸版印刷社製「GLフィルム(GL−AEY)」(厚み15μm)にアンカーコートを施し、防錆樹脂をダイレクトに押し出して、防錆フィルムを成膜(成膜温度340℃)したものである。防錆フィルムの原料には、実施例1と同様に、旭化成社製「低密度ポリエチレン樹脂L1850K」に、防錆剤(亜硝酸ナトリウム)のマスターバッチを重量比90:10で添加したものを使用した。
比較例2の防錆シートは、凸版印刷社製「GLフィルム(GL−AEY)」(厚み15μm)にアンカーコートを施し、防錆樹脂をダイレクトに押し出して、防錆フィルムを成膜(成膜温度340℃)したものである。防錆フィルムの原料には、実施例1と同様に、旭化成社製「低密度ポリエチレン樹脂L1850K」に、防錆剤(亜硝酸ナトリウム)のマスターバッチを重量比90:10で添加したものを使用した。
(比較例3)
比較例3の防錆シートは、インフレーション法により100μm厚みに成膜した防錆フィルム単体である。防錆フィルムの原料には、実施例1と同様に、旭化成社製「低密度ポリエチレン樹脂L1850K」に、防錆剤(亜硝酸ナトリウム)のマスターバッチを重量比90:10で添加したものを使用した。
比較例3の防錆シートは、インフレーション法により100μm厚みに成膜した防錆フィルム単体である。防錆フィルムの原料には、実施例1と同様に、旭化成社製「低密度ポリエチレン樹脂L1850K」に、防錆剤(亜硝酸ナトリウム)のマスターバッチを重量比90:10で添加したものを使用した。
表1は、実施例1、2及び比較例1〜3に係る防錆シートの構成、防錆効果、防錆剤残留率、基材との接着強度(ラミネート強度)、シール性、耐突き刺し性及び総合評価を評価したものである。各項目の評価方法は以下の通りである。
[防錆効果]
各実施例及び各比較例の防錆シートで袋(縦60×横60mm)を作製し、作製した袋の中に普通鋼(50mm×50mm×2mm)を入れて開放部分を熱シールした。この状態で、30℃にて半年間放置した後、普通鋼表面の錆発生面積を、「○:0%、△:0%より多く30%以下、×:30%より多く50%以下、××:50%より多い」で評価した。
各実施例及び各比較例の防錆シートで袋(縦60×横60mm)を作製し、作製した袋の中に普通鋼(50mm×50mm×2mm)を入れて開放部分を熱シールした。この状態で、30℃にて半年間放置した後、普通鋼表面の錆発生面積を、「○:0%、△:0%より多く30%以下、×:30%より多く50%以下、××:50%より多い」で評価した。
[防錆剤残留率]
マスターバッチに混練された防錆剤の量を100%とし、作製直後の防錆シートに残留する防錆剤の残留割合を、「○:防錆剤残留率が90%以上、×:防錆剤残留率が90%未満」で評価した。
マスターバッチに混練された防錆剤の量を100%とし、作製直後の防錆シートに残留する防錆剤の残留割合を、「○:防錆剤残留率が90%以上、×:防錆剤残留率が90%未満」で評価した。
[基材との接着強度]
実施例1及び2並びに比較例1及び2の防錆シートを15mm巾にカットし、テンシロン万能引張試験機((株)オリエンテック製)を用いて、測定速度300mm/min、測定巾15mmの条件にて測定した基材と防錆フィルムとの剥離強度を、ラミネート強度として評価した。また、接着強度は、「○:5N以上、×:5N未満」により評価した。
実施例1及び2並びに比較例1及び2の防錆シートを15mm巾にカットし、テンシロン万能引張試験機((株)オリエンテック製)を用いて、測定速度300mm/min、測定巾15mmの条件にて測定した基材と防錆フィルムとの剥離強度を、ラミネート強度として評価した。また、接着強度は、「○:5N以上、×:5N未満」により評価した。
[シール性]
各実施例及び各比較例の防錆シートを重ね合わせて熱シールし、シール部分を目視観察して、「○:ピンホール・エッジ切れなし、×:ピンホール・エッジ切れ発生」で評価した。尚、シール温度は確実にヒートシールできる温度より30℃高く設定した。
各実施例及び各比較例の防錆シートを重ね合わせて熱シールし、シール部分を目視観察して、「○:ピンホール・エッジ切れなし、×:ピンホール・エッジ切れ発生」で評価した。尚、シール温度は確実にヒートシールできる温度より30℃高く設定した。
[耐突刺し性]
上記の防錆効果試験で試作したサンプル(防錆シートの袋に普通鋼を封入したもの)を10個箱にバラ入れして、振動試験機を用いて、振動加速度0.75G、振動数5〜50Hz(掃引0.5オクターブ/min)、上下振動時間120分の条件にて振動試験を行い、ピンホールの発生の有無を目視観察し、「○:ピンホール・エッジ切れなし、×:ピンホール・エッジ切れ発生」で評価した。
上記の防錆効果試験で試作したサンプル(防錆シートの袋に普通鋼を封入したもの)を10個箱にバラ入れして、振動試験機を用いて、振動加速度0.75G、振動数5〜50Hz(掃引0.5オクターブ/min)、上下振動時間120分の条件にて振動試験を行い、ピンホールの発生の有無を目視観察し、「○:ピンホール・エッジ切れなし、×:ピンホール・エッジ切れ発生」で評価した。
[総合評価]
上記の各項目の評価に基づき、実施例及び各比較例の防錆シートの総合評価を、「○:上記項目全ての評価が○、×:上記項目の1つ以上の評価が×、××:上記項目の2つ以上の評価が×」で評価した。
上記の各項目の評価に基づき、実施例及び各比較例の防錆シートの総合評価を、「○:上記項目全ての評価が○、×:上記項目の1つ以上の評価が×、××:上記項目の2つ以上の評価が×」で評価した。
比較例1に係る防錆シートは、事前に成膜しておいた防錆フィルムと基材とをラミネートすることで作製したため、防錆剤のブリードアウトにより基材と防錆フィルムとの接着強度が大きく低下した。これに対して、実施例1及び2の防錆シートは、十分な接着強度を示した。したがって、防錆フィルムの成膜直後に基材とラミネートする本発明の方法によって、十分なラミネート強度が得られることが確認された。
また、比較例2に係る防錆シートは、基材上に高温(340℃)で防錆フィルムを成膜したものであるため、防錆剤の残留率が大きく低下し、防錆効果の低下を招いた。これに対して、実施例1及び2の防錆シートは、ニーラム法により比較的低温(170℃)で防錆フィルムを成膜したものであるため、高い防錆剤の残留率を示した。したがって、比較的低温で防錆フィルムを成膜する本発明の方法によって、防錆剤の減少を抑制し、優れた防錆効果を有する防錆シートを作製できることが確認された。
本発明は、金属製品の錆を防止する包材等に利用できる。
1 防錆シート
2 基材
3 接着材料
4 防錆フィルム
5 金属製品
6 基材供給部
7 接着剤塗布部
8 防錆フィルム成形部
9 ラミネート部
10 巻取部
11 アンカーコート部
12 接着性樹脂押出部
13 製造装置
14 製造装置
15 接着性樹脂
2 基材
3 接着材料
4 防錆フィルム
5 金属製品
6 基材供給部
7 接着剤塗布部
8 防錆フィルム成形部
9 ラミネート部
10 巻取部
11 アンカーコート部
12 接着性樹脂押出部
13 製造装置
14 製造装置
15 接着性樹脂
Claims (4)
- 防錆作用を有する物質を含有する防錆シートの製造方法であって、
シート状の基材の一方面に接着性材料を塗布する工程と、
熱可塑性樹脂と防錆作用を有する物質との混練物から防錆フィルムを押出成形し、成形された防錆フィルムを前記接着性材料が塗布された基材の前記一方面側に導く工程と、
前記防錆フィルムの押出成形と並行して、前記接着性材料を介して前記基材と前記防錆フィルムとを一体化させる工程とを備える、防錆シートの製造方法。 - 前記塗布する工程では、前記接着性材料として接着剤を用いることを特徴とする、請求項1記載の防錆シートの製造方法。
- 前記塗布する工程では、接着性樹脂を含有する材料を前記基材の一方面上に押し出すことをことを特徴とする、請求項1記載の防錆シートの製造方法。
- 防錆作用を有する物質を含有する防錆シートの製造装置であって、
シート状の基材の一方面に接着性材料を塗布する塗布手段と、
熱可塑性樹脂と防錆作用を有する物質との混練物から防錆フィルムを押出成形し、成形された防錆フィルムを前記接着性材料が塗布された基材の前記一方面側に導く防錆フィルム成形手段と、
前記防錆フィルムの押出成形と並行して、前記接着性材料を介して前記基材と前記防錆フィルムとを一体化させる貼り合わせ手段とを備える、防錆シートの製造装置。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2014012366A (ja) * | 2012-07-04 | 2014-01-23 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | 高弾性透明樹脂積層体の製造方法 |
KR101447183B1 (ko) * | 2012-12-10 | 2014-10-08 | 나근택 | 방수천 |
-
2009
- 2009-02-23 JP JP2009039142A patent/JP2010194732A/ja active Pending
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