JP2010194472A - バイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液を高効率で光分解浄化し同時に電力を発生するバイオ光化学電池と、該バイオ光化学電池を用いて該化合物や液体を光分解浄化すると同時に電力を発生させる方法 - Google Patents

バイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液を高効率で光分解浄化し同時に電力を発生するバイオ光化学電池と、該バイオ光化学電池を用いて該化合物や液体を光分解浄化すると同時に電力を発生させる方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
種々のバイオマスやバイオマス廃棄物等に太陽光等の光を照射して光完全分解浄化し、同時に電力を発生させるための装置や素子において、高効率なセルや反応槽の設計方法とその実用化方法を提供する。
【解決手段】
種々のバイオマスやバイオマス廃棄物等の電子供与体を含む水等の液体中に浸漬され、光化学的反応または光電気化学的反応を行わせるための作用電極として多孔質半導体からなる光アノード及び酸素還元反応を行わせる対極としてのカソードを組み合わせたユニットを、光アノードの電導性ガラス側が外側になるように大きな反応槽の一部に設け、前記アノードとカソードを電気的に外部導線で接続し、電子供与体等を含む試料液体を反応槽に入れ、前記アノードに電導性ガラス側から外部光源又は内部光源からの光を照射する手段とを有し、また必要に応じて空気や酸素を吹き込むことを特徴とするバイオ光化学電池、およびそれを用いた廃棄物や廃液等の光化学的分解浄化方法、及び発電方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、バイオマス・有機・無機化合物や廃棄物・廃液、環境汚染物質等を高効率で光分解浄化すると同時に電力を発生させることのできるバイオ光化学電池と、それを用いてバイオマス・有機・無機系化合物や廃棄物・廃液や環境汚染物質等を高効率で光分解浄化し、および/または同時に電力を発生させる方法に関係する。
近年、バイオマスや有機・無機系化合物やそれらの廃棄物等の環境汚染物質による環境汚染がますます深刻化し、人類生存環境の悪化や生物種の急速な減少が目立っている。また、化石燃料燃焼による二酸化炭素の大量排出による地球温暖化と、それに起因すると考えられる異常気象、大洪水、永久凍土の消失、氷河の確実な溶解、海面上昇等の現象が世界各地で頻繁に、且つ、高頻度で発生するようになり、人類の生存環境は急速に悪化し、脅かされつつある。かかる深刻な全地球的規模の問題を早急に解決するために、環境汚染物質の分解除去や、新しいエネルギー資源の創製や革新的な省エネルギー技術が強く求められている。環境汚染物質の分解除去法や風力発電、太陽電池による太陽光発電、バイオマス利用等の再生可能な新エネルギー資源、さらに、燃料電池を用いた省エネルギーシステム等が、これらを解決すべき技術として期待され、普及しつつある。
しかしながら、これら新しい分解浄化やエネルギーシステムはまだ効率があまり高くなく、これを実際に経済的に実施するためには、コスト等の面でもまだまだ問題がある。バイオマス廃棄物等の環境汚染物質の完全分解浄化や、画期的な省エネ技術は、いわゆる光触媒も含めて現実にはまだ存在しないといわざるを得ない。 特に、高濃度または大量の環境汚染物質の光分解浄化は、これまで用いられてきたいわゆる粉末光触媒ではほとんど不可能であった。
二酸化炭素排出を抑制するために、現在いわゆる燃料電池が注目されている。これは、燃料から電力を得るに際し、単に燃料を燃焼してそのエネルギーで発電機を回して電力を得る火力発電に対し、燃料電池によれば、この燃料を酸素と化合せしめる際に、電極を用いて外部回路を介して当該反応を行わせ、このときに生ずる電荷のやり取りを、電力として直接得ることができるからである。
PCT/JP2006/305185 特願2007−178425 特願2008−155451
本発明者は、太陽電池のように、太陽エネルギーやその他の光エネルギーを電力に変換でき、再生可能なエネルギー資源として用いうるとともに、さらには、水素やメタノールを使用する燃料電池では、従来用いることができなかった色々なバイオマスや有機・無機の化合物、およびそれらの廃棄物・廃液等の電子供与性化合物を燃料として用いることにより、それらの完全分解浄化と同時に電力発生ができる光物理化学電池が、これまでの太陽電池及び燃料電池に代わる新しい省エネルギー発電システムとして社会の使用に供することができるという新しい着想を得た。その基本的な特許(特許文献1)は“光物理化学電池”として2006年3月9日に、出願人;茨城大学、発明者;金子正夫として、国際特許出願(PCT出願;PCT/JP2006/ 305185)した。また、これを利用するためのセル作製の詳細と利用方法を平成19年7月6日に出願した(出願人 茨城大学、発明者 金子正夫、"バイオ光化学セルとその利用方法"、特願2007−178425)(特許文献2)。さらに、“バイオ光化学セル及びモジュール及び分析計及び教材とそれらの利用方法”として(発明者:藤井有起、金子正夫、根本純一、上野寛仁、出願人 茨城大学)出願した(特願2008−155451、出願日 平成20年6月13日)(特許文献3)。
特許文献3ではバイオ光化学電池の基本的構成を示した。説明のためにこれを図1に示した。本発明では、この実用化を促進するための高効率化をはかるために、さらに優れた反応槽の設計・作製方法や利用方法、また反応方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)透明電導性ガラスに被覆した超多孔質半導体膜光アノードと酸素還元カソードから構成され、光アノードとカソードを外部導線でつないだバイオ光化学電池において、光アノード上で光で活性化された化合物が酸素と連鎖的に酸化反応を起こすための大きな反応槽を持ち、その反応槽を構成する壁の光照射側の全部または一部に、または液面上に、該光アノードと該カソードから成る電極ユニットを光照射用の窓材料として設置したバイオ光化学電池と、その反応槽中に入れたバイオマス・有機・無機化合物やそれらの廃棄物・廃液の水溶液や水懸濁液中に空気や酸素を共存させまたは空気や酸素を吹き込み、光アノードの透明電導性ガラス側から外部光源または内部光源により光照射を行なうことにより、バイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液を高効率で光分解浄化し、および/または同時に電力を発生させる方法。
(2)(1)において、酸素還元カソードの一方の面は液体側に、他方の面は気相に接触するように設置することを特徴とするバイオ光化学電池と、これを用いてバイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液を高効率で光分解浄化し、および/または同時に電力を発生させる方法。
(3)(1)および(2)において、水以外の液体中に廃棄液体や廃棄物が存在する場合に(1)および(2)と同様に光照射して、バイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液を高効率で光分解浄化し、および/または電力を発生させる方法。
(4)(1)から(3)において、光源として太陽光を用いて光分解浄化および/または電力を発生させる方法。
(5)(1)から(4)において、溶液や液体懸濁液を攪拌するか、および/またはその中に空気または酸素を吹き込んで光分解浄化し、および/または電力を発生させる方法。
(6)(1)から(5)において、反応槽の一部に金属捕集用のカソードを別に設置したバイオ光化学電池と、それを用いて(1)から(6)と同様に光分解浄化および/または電力を発生させると同時に、金属捕集用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ、分離・捕集する方法。
(7)(1)から(6)において、光アノードのみを設置し、酸素還元用カソードは設けず、金属補集用カソードを設けたまたは設けない反応槽と、(1)から(6)と同様にバイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液の溶液や懸濁液を高効率で光分解浄化および/または電力発生を行ない、および/または金属分離用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ、分離・捕集する方法。
(8)(1)から(7)において、反応槽中に電力発生用のアノードとカソードを別に設置したバイオ光化学電池と、それを用いて(1)から(7)と同様にバイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液の溶液や懸濁液を高効率で光分解浄化および/または電力発生を行い、および/または金属分離用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ分離・捕集する方法。
(9)(1)から(8)において、バイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液の溶液や懸濁液中に含まれる光分解阻害要因の阻害作用を失活せしめる化合物やイオンを添加して光分解浄化および/または電力発生を行い、および/または金属分離用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ分離・捕集する方法。
本発明によれば、種々のバイオマス・有機・無機化合物あるいはそれらの廃棄物・廃液等を太陽光や人工光源等の光照射下において量子効率が1から300を超える高効率で分解し、同時に発電することができる。これを利用すれば、省エネルギーで環境浄化、発電ができ、さらに応用としては、分析、測定、検出、教材等に有効に利用することができる。
本発明の実施例による薄層型バイオ光化学セル(セル1)の構成と構造を示す斜視図及び正面図である。X,Y=1cm〜300 cm、T=0.1cm〜100cm、FTOの端三方には幅(Tcm)のSUS集電材を設置。ただし本図は参照例で、特許文献3からの引用。 本発明バイオ光化学反応槽(セル2)の構造を示す斜視図及び側面図である。X,X‘,Y,Y’,Z=1cm〜300 cm 実施例5に示す、セル2を太陽光照射に適するように縦型にしたセル3の構造を示す図である。 本出願の反応機構をセル2を例にとって示す図である。RH=被分解物、R・=活性化ラジカル、VB=価電子帯、CB=電導帯 液面の一部に光アノード/カソード組み合わせユニットを設けた反応槽(セル4)を示す図である。 装置設置面積が足りない場合に、建屋の地下を利用して太陽光照射用の反応槽を設ける場合の例を示す図である。
本発明の実施形態について補足説明すれば、以下のとおりである。
(1)透明電導性ガラスに被覆した超多孔質半導体膜光アノードと酸素還元カソードから構成され光アノードとカソードを外部導線でつないだバイオ光化学電池において、光アノード上で光で活性化された化合物が酸素と連鎖的に酸化反応を起こすための大きな反応槽を持ち、その反応槽を構成する壁の光照射側の全部または一部に、または液面上に、該光アノードと該カソードから成る電極ユニットを光照射用の窓材料として設置したバイオ光化学電池が、本特許の代表的主要構成要件である。これを図2(横型)に示した。これを用いて、その反応槽中に入れたバイオマス・有機・無機化合物やそれらの廃棄物・廃液の水溶液や水懸濁液中に空気や酸素を共存させまたは空気や酸素を吹き込み、光アノードの透明電導性ガラス側から外部光源または内部光源により光照射を行なうことにより、バイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液を高効率で光分解浄化し、および/または同時に電力を発生させることができる。図3(縦型)は図2の光照射部を上側にやや角度をつけて設けたもので、太陽光照射に好適の形となっている。
透明電導性ガラスに被覆した超多孔質半導体膜光アノードと酸素還元カソードから構成され、アノードとカソードを外部導線でつないだバイオ光化学電池において、たとえば容量1mLから1000m3の反応槽中の反応壁の全部または一部に、たとえば合計面積1cm2から1000m2の超多孔質半導体膜光アノードを被覆した電導性ガラス電極を光照射用の窓材料として、これと、たとえば合計面積1cm2から1000m2の酸素還元触媒カソードを互いに1mmから1mの距離に離して固定した電極ユニット(光アノード/カソード)を設けた反応槽を用いて、その反応槽中に入れたバイオ・有機・無機廃棄物の水溶液や水懸濁液中に空気や酸素を共存させまたは空気や酸素を吹き込み、あるいは機械的に撹拌を行い、光アノードの透明電導性ガラス側から内部光源または外部光源により光照射を行なうことにより、バイオ・有機・無機系化合物または廃棄物・廃液を高効率で光分解浄化すると同時に、電力を外部に取り出すことができる。
半導体光アノードと酸素還元カソードの両電極ユニットを反応槽中の光照射位置に設置して(図2参照)、アノードの導電性ガラス電極側から光照射を行なってバイオマス・有機・無機化合物、あるいは廃棄物・廃液中の溶質等を、半導体により活性化してラジカルを生ぜしめ、この活性ラジカルが酸素との連鎖的酸化反応を行なえるような、酸素が共存し易い大きな反応槽を設けることにより(この反応槽では光照射は不要)、その反応槽の大きさに比例する量の分解反応が起こる。つまり、照射光は単に反応基質の活性化を行うだけで、主たる反応は活性化された基質の酸素による連鎖的酸化分解である。これが本発明の基本となる重要原理である。活性化された基質あたり、1倍以上、300倍を越える酸化的分解(二酸化炭素、窒素(N2)及び水が生成する)も完全に起こり、環境汚染物質はきれいになる。
(2)上記(1)において、酸素還元カソードの一方の面は液体側に、他方の面は気相に接触するように設置することを特徴とする、バイオ・有機・無機系化合物または廃棄物を高効率で光分解浄化し、および/または同時に電力を外部に取り出す方法が挙げられる。これは半導体中で光照射により分離して生ずる正孔と電子の内、正孔は基質を酸化して活性化するが、電子を消費する必要があり、その電子の受容体として対極カソードで酸素を還元する。そのためにはカソードの一部が気相で酸素と直接接触していれば効率が高い。
(3)上記(1)および(2)において、水以外の液体中に廃棄液体や廃棄物が存在する場合でも、請求項1および2と同様に光照射して、バイオ・有機・無機系化合物または廃棄物を高効率で光分解浄化および/または電力発生を行なうことができる。
(4)上記(1)から(3)において、光源として太陽光を用いて光分解浄化および/または同時電力発生を行う方法によれば、省エネルギーシステムとなり、現在膨大なエネルギーを費やして環境汚染物質を分解浄化していたのが、太陽光により行えるばかりでなく、逆に電力を取り出すことができる。内部光源、あるいは外部光源を反応槽に装着し、必要に応じて用いることも好ましい。
(5)上記(1)から(4)において、溶液や液体懸濁液を攪拌するか、および/またはその中に空気または酸素を吹き込んで光分解浄化および/または電力発生を行う方法。吹き込むためには常圧の空気や酸素のみではなく、高圧にすることも効果が高い。またナノバブルのように微細な空気や酸素の泡を吹き込むことも効果がある。
(6)(1)から(5)において、反応槽の一部に金属捕集用のカソードを別に設置したバイオ光化学電池と、それを用いて(1)から(5)と同様に光分解浄化および/または電力を発生させると同時に、金属捕集用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ、分離・捕集する方法。廃液や廃棄物中に金属イオン等の無機物が混入していて環境を汚染することが多いので、それらを回収して浄化し、さらには資源として有効に再利用するために、還元力を持つカソードを別に設けることにより、それが可能となる。複数の金属や金属イオンが溶存する場合には、捕集用のカソードを複数用意し、異なる電位がかかるように設定すると、金属の種類によって異なる捕集用電極に分離して捕集することができる。
(7)(1)から(6)において、光アノードのみを設置し、酸素還元用カソードは設けず、金属補集用カソードを設けたまたは設けない反応槽が分解浄化を主目的とする光化学電池として挙げられる。(1)から(6)と同様にバイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液の溶液や懸濁液を高効率で光分解浄化を行なうことができ、一方電池構成は極めて簡単になるのでコスト的にはるかに有利である。必要に応じて金属分離用のカソードを別に設け、その電極上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ、分離・捕集する方法が挙げられる。
(8)(1)から(7)において、反応槽中に電力発生用のアノードとカソードを別に設置したバイオ光化学電池が挙げられる。アノードは反応中間体や中間体ラジカル等からの電子注入を受けるためにレドックス化合物やスピンを持った化合物で修飾すると効果が高い。また、カソードでは酸素還元を行うとよい。このような光電池構成は光分解の中間体から電極反応により電力を取り出すのに適している。このバイオ光化学電池を用いて(1)から(7)と同様にバイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液の溶液や懸濁液を高効率で光分解浄化および/または電力発生を行い、および/または金属分離用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ分離・捕集する方法が挙げられる。
(9)(1)から(8)において、バイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液の溶液や懸濁液中に含まれる光分解阻害要因の阻害作用を失活せしめる化合物やイオンを添加して光分解浄化および/または電力発生を行い、および/または金属分離用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ分離・捕集する方法が挙げられる。一般の廃棄物や廃液は混合物で色々な化合物やイオンが共存しているので、それらが光分解を阻害する要因として働く場合が多い。このような場合に、他の化合物やイオンを試料に添加することによりその要因を除去できれば、光分解浄化が容易になる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(光分解機構及び反応槽)
本発明によるバイオマス、有機・無機の化合物やそれらの廃棄物の光分解浄化と同時電力発生の動作の一例を、図面を参照しながら説明する。
図1はすでに特許文献3に示した、本発明のバイオ光化学電池の一例であって、説明が分かりやすいように示したものである。たとえばバイオマス廃棄物を使用し、これを含む水系媒体等の当該液相媒体中に、作用電極(アノ−ド)として、ナノスケ−ル超多孔質半導体電極(図ではフッ素ドープの電導性ガラスFTO上に被覆した超多孔質二酸化チタン薄膜電極(FTO/TiO2)を挿入し、さらに酸素を還元できる導電性電極、例えば白金や他の金属化合物等からなる対極を酸素還元用カソード電極として挿入し、当該アノ−ド電極とカソ−ド対極はできるだけ近い位置に設置し、両電極を外部導線で接続し外部回路を構成してなる電池であり、当該液相媒体中には空気または酸素を共存させ、必要に応じて空気または酸素を吹き込む電池である。
当該光アノード電極に太陽光のような光を照射することにより、図4に示したように、当該アノ−ドの価電子帯(VB)から伝導帯(CB)に電子(e)が励起し、当該価電子帯(VB)には正孔(h)が残る。この正孔が、バイオマスやバイオマス廃棄物等の電子供与性化合物を酸化分解して活性化し、最終的に二酸化炭素(CO2)とプロトン(H)または/および窒素(N)を生ずる。酸化分解を受けるのが炭素化合物の時には二酸化炭素とプロトンを生ずる。 一方、励起した電子(e)は、外部回路を通じて、カソード白金等の対極に渡り(すなわち外部回路に光電流(電子流の矢印と逆方向)を生じせしめ)、そこで当該液相媒体中に共存させた酸素を還元し、水を生ずる。このときには、図4に示したように、プロトン(H)も、当該反応に関与する。
上記に示した3件の特許文献1、2、3と本発明が大きく異なる点は、本発明では光分解反応の機構を明らかにした結果、光分解浄化をもっと高効率で行うには、これまでとはまったく異なる反応槽設計が重要であることが明らかになったことにある。すなわち、本バイオ光化学電池における反応機構は、半導体光アノードの光照射によって生じた正孔がバイオマスや有機・無機化合物を酸化して中間体活性種(ラジカル)を生じ、このラジカルが溶存する酸素と連鎖的に反応して酸化的に分解(暗反応)することにより、照射した光量子以上の分解反応が起こることを明らかにできた。その分解反応の量子収率は1以上で、驚くべきことに条件によっては300を上回ることも可能であることが明らかとなった。このような知見はこの種の光分解反応で初めて明らかになったものであり、これに基づいて反応槽を設計した結果、特許文献2と3に示したこれまでの薄型セル(セル1型)でも、電極間に設置したスペーサーを厚くして電極間距離を大きく取り、溶液量を増やすだけで、量子収率が大きくなり、反応量を大きく増やせることが分かった。これは後に実施例の1で詳述する。
また、近接した位置に設けた半導体光アノードと酸素還元カソードの両電極ユニット(お互いに1mmから100mm程度の距離にある)を反応槽中の光照射位置に設置し(図2参照、セル2型)、これに対して酸素との連鎖的酸化反応を行わせる大きな反応槽を設けることにより(この大きな反応槽部分では光は不要)、その反応槽の大きさ(すなわち試料容量)に比例する量の分解反応が起こるという驚くべき事実を見出した。つまり、照射光は単に反応基質の活性化を行うだけで、主たる反応は活性化された基質の酸素による連鎖的酸化分解であることを明らかにできた。これが本発明の基本となる重要原理である。図1ではカソードにステンレスの網目(100メッシュ)に白金を電析したものを用い、活性化された基質(ラジカル)が反応槽まで容易に拡散してそこで連鎖的酸化分解が起こるように工夫してある。
光分解の量子収率は次のように決めた。ただしこの場合重要なのは、基質を活性した後、光に関係しない連鎖的酸化反応がどの程度起こるかということなので、活性化したフォトン数に対する反応の数を内部量子収律(η’)として求めた。活性化に寄与したフォトンのモル数は流れた光電流のクーロン数(C)(a)で表すことができ、また反応数は分解した分子のモル数から、その反応に関与する電子数をかけてモル電子数に直し、これをファラデー定数(1モル電子=96500C)からクーロン数に換算して(b)求められる。結局反応の内部量子収率(η’)は式(1)で表わされる。
η’= 反応に関与するクーロン数(b)/光電流のクーロン数(a) (1)
本来光反応は光のエネルギーを用いるので、またそのエネルギー量は限られおり光強度が全体の律速になるので、単に反応容器を大きくしても反応量を増やすことはできないのが常識であった。しかしながら本発明により、同じ光量でも反応槽を大きくすることにより反応量を大きく増やすことが可能となり、これまでと全く異なる反応槽設計が重要であることが明らかとなった。例えば、これまでの光分解では反応層全体に光を照射することが常識であったが、本発明によれば、大きな反応槽をたとえば地下に設け、その上部の一部の面積に太陽光照射用の窓を設けてそこに光カソードを設置することにより、大量の廃液や廃棄物を光分解処理することも可能である(図5(セル4)および図6)。
また、これまでは光で分解浄化できるのは一般的には100ppm以下程度の薄い廃液に限られており、特に紫外部に強い吸収がある物質や着色した化合物の光分解はほとんど不可能であった。本発明により、従来より3桁以上濃度が高い廃液(105ppm以上)でかつ強く着色したものでも太陽の弱い光でも分解が可能になった。本発明は廃棄物の光分解浄化の新たな世界を開くものである。
これら以外に本発明で重要なことは、廃液や廃棄物中には多くの場合に固体が懸濁し、これが光照射を妨げたり、分解が起こらなかったり、これまで光分解浄化が殆ど不可能であった。本方法によれば、このような固体懸濁物でも光照射を阻害せず、また活性が高いために固体懸濁物も含めて分解浄化することができる。
このようにして、バイオマスや有機・無機化合物、たとえばアンモニア等の電子供与性化合物が、照射した光により活性化されて、液相媒体中に共存(溶存)する酸素と反応して二酸化炭素、窒素および水を生ずるのである。酸素による連鎖的酸化反応が重要なので、空気や酸素を液中に吹き込むことが分解反応を促進する。この吹き込みは直接反応槽中で行ってもよいが、一度液体をセル外に取り出してから空気や酸素を吹き込むのも効果的である。また、ナノバブル発生装置の使用も効果が高い。
上記の光化学電池においては、電子供与性化合物の光分解を促進するために、酸化触媒を当該アノ−ド電極と共に用いる。また、照射する光に関し、太陽光スペクトルの約半分を占める可視光を効率よく利用するためには、色素等の増感剤を当該半導体電極と一緒に用いることも好ましい。さらにまた、対極における酸素還元を効率よく行わせるためには、酸素の還元触媒を当該カソードと組み合わせて用いることにより、さらに好ましい結果を与える。
(半導体アノード材料)
紫外域における多孔質半導体電極としては、二酸化チタンが良好な結果を与えるが、その他、酸化亜鉛、二酸化スズ、酸化タングステン、炭化ケイ素等の多孔質の紫外域半導体が用いられる。そのとき、結晶からなる半導体は表面が平らなため、光化学反応に有効に用いられる半導体表面はきわめて小さく、効果が低い。光電気化学反応が起こる光アノード/液相の接触面積を大きくするため、実効表面積が見かけの電極面積の数100倍から1000倍以上の超多孔質半導体材料を用いることが重要である。
これら紫外域電導体は、本来は半導体であり、それ自身電導体ではないが、このように実効表面積の大きい多孔質体として構成されているため、当該実効表面積が見かけの電極面積より数百倍から1千倍以上となっており、紫外光照射下においては、多数の電子が液相から注入される結果、多数のキャリヤ電子が内部に存在するのと同じことになる。すなわち、これら紫外域多孔質電導体は、紫外光照射条件下ではあたかも電導体と同様に振舞うのである。
また可視域半導体としては、シリコン、ガリウムヒ素、チタン酸ストロンチウム、セレン化カドミウム、リン化ガリウム等のn型可視域半導体を光アノード電極として用いることができる。
またアノ−ド材料を多孔質電極とするためには、例えば、半導体材料の粉末を、電導性材料からなる基板上に塗布してから焼結し、多孔質半導体膜とすることが好ましい。透明導電性基板材料としては、透明電導性ガラス(ITO等)、金属、金属薄膜、炭素等色々な材料を用いることができる。また、塗布後の焼結時の加熱により、当該基板である電導性ガラスは、その電導度が低下することが起こりうる。その場合は、フッ素ドープ電導膜を被覆した電導性ガラス材料(FTO)を用いることにより、当該電導度の低下を少なくすることができ、好ましい。
(対極カソード電極)
対極カソード電極においては、酸素還元の触媒として白金等の貴金属のほか、周期律表の7A族または8族から選ばれる、もっと安価な金属ないしその酸化物を触媒として用いることができる。例えばMn、Ru、Ir、Pt、Ni等の金属やその酸化物が用いられる。二酸化マンガンは特に活性が高い。これらは単独で使用してもよいが、あるいは炭素、多孔質炭素、グラファイト、あるいはこれらを任意の組成で混合・圧縮したものや、他の無機、有機の担体に坦持して用いられる。さらにはこれらの複合触媒膜等を透明電導性ガラスやステンレス等に担持した電極、或いは白金微粒子や二酸化マンガンを坦持した電極、白金黒電極等、いずれも用いることができる。
さらには、カソード電極および酸素還元触媒の担体として気体透過性の多孔質材料を用いることによって電子供与体液体または懸濁液がカソードの液体または懸濁液と接する面の反対側において気相と接するようにし、気相には空気または酸素を共存させると、光分解効率および発電特性が向上する。
(反応槽関連その他)
本発明における光化学反応槽は、半導体多孔質膜からなる光アノ−ドと酸素還元用カソ−ド電極から成る電極ユニットを大きな反応槽の壁(反応槽が四角形の場合には上部天井、側壁または底、四角形でない場合は反応槽の一部)の全部または一部に光アノードの電導性ガラス側が外側になるように設け、光アノードの電導性ガラス側からアノードに光照射を行うことを特徴とする。この時、アノ−ドまたはカソ−ド、あるいはアノ−ドとカソ−ド両方がセル壁を兼ねることもできる。また、外部光のみを用いるだけではなく、内部照射装置を備えることも有効である。
図2を太陽光のように上から光照射することを想定した縦型の反応槽は、一例として図3や図5、図6等で表される。このような縦型反応槽は、特に太陽光を光源に用いるときは有効である。この場合に、光アノード面積に対して大きな反応槽を設けることにより、光分解量を増やすことができる。空気または酸素を吹き込むための装置を附し、空気または酸素を吹き込むと光分解と発電の効率が増す。
透明電極は電導性ガラスを用いるため、その電気抵抗が比較的大きい。その問題をできるだけ緩和するためには、比較的面積の小さく従って電気抵抗値が低い単位アノードを複数組み合わせることにより、効率の高い反応槽を構成できる。
隣接する連結した単位反応槽を通して、液体ないし懸濁液体を流通させることにより、大量の液体を処理することもできる。このようなモジュ−ルとしての単位反応槽を数多く組み合わせることにより、一層大量の溶質を光分解浄化し、かつ大電力を発生することが可能になる。複数のモジュールを電気的に並列または直列につなぐことにより、任意の光起電力や光電流値のシステムを作ることができる。
(バイオマス、有機物・無機物あるいはそれらの廃棄物等)
本発明におけるバイオマス、有機物・無機物あるいはそれらの廃棄物等としては、水自体を電子供与体として使用できることが特筆されるほか、アンモニア、尿素、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、さらにはブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール等の高級アルコール等、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、炭化水素(メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニリン、アントラセン等)、そのほかの有機化合物類(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、オレイン酸等有機酸、及びこれら酸のエステル、ケトン、エーテル、メチルアミン、エチルアミン等のアミン、酸アミド、フェニルアラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、チロシン)、糖類(グルコース、ショ糖等)、アガロ−ス、セルロ−ス等の多糖類、タンパク質、リグニン等の高分子化合物、さらには無機化合物(金属塩等)等、アノード電極に対して、電子供与体として働く化合物やそれらの廃棄物等、何でも用いることできる。
これらのうち、水以外の化合物は、水溶液やその他の溶液として用いることができる。なお、液相媒体中に、他のバイオマス、有機物・無機物あるいはそれらの廃棄物等やハロゲンイオン、NaSO、NaOH等無機或いは有機の電解質を共存させると、当該廃棄物等の反応性が高まり、分解・変換効率を上げることも可能である。また、当該液相媒体中には空気や酸素を吹き込み、また、可視光を有効に利用するために色素増感剤や、あるいは酸素を有効に利用するためにカソード対極に酸素還元触媒を共存させることも好ましい。
さらに、本電池で用いられる電子供与性化合物としては、現在エネルギーを加えて処理している人間や動物の排泄物(畜産排泄物、し尿、工場排水、生ゴミ、農業廃棄物、廃油等)を用いることができる。さらにまた、種々のバイオマス、例えば木材、植物の葉、茎、その他の多糖類(グルコース、カラゲニン、デン粉、セルロース、キチン、キトサン等)、タンパク質類(ゼラチン、コラーゲン等)等の固体ないしスラリーや溶液を用いることもできる。これらの廃棄物は環境汚染の主要原因となるが、本電池により光分解することにより浄化されるので、当該光化学電池にて分解と発電に使用した後、環境中に放出できるとともに、同時に発生する電力を利用できる。
(酸素)
本発明のバイオ光化学電池においては、対極カソード電極の活物質は、酸素を代表とする電子受容体なので、当該液相媒体中のカソ−ド電極近傍に酸素または電子受容体を共存(通常は、溶存酸素として共存)させることが条件である。当該酸素は、基本的に1気圧の酸素が使用できるが、酸素混合ガス、たとえば空気でもよい。当該電池内の酸素の圧力を1気圧以上に高めると、液相媒体中の溶存酸素濃度が高まる等の理由のために、光分解効率が向上する。なお、酸素は、純酸素ガスをそのまま、または窒素ガス等で任意の濃度に希釈して供給してもよい。空気や酸素は反応槽中に吹き込むと効果が高いが、反応槽から液体を一度外部に取り出してから吹き込んでもよい。また分解して酸素を発生させる化合物を液相媒体中に存在せしめてもよい。また、空気を使用する場合は、ゼオライト等の分子ふるい的吸着剤や酸素富化膜を使用するシステムにより、酸素濃度を高めた酸素富化ガスを使用することも好ましい。空気や酸素を反応槽内に吹き込むことにより分解活性を高めることができる。
(照射光)
本発明において、光化学反応槽の半導体電極アノードに照射する光は、再生可能エネルギー資源の創製及び省エネルギーという観点からは、太陽光を用いることが好ましいが、その他、人工光源等いずれも用いることができる。例えば、水を電子供与体として用いる場合には、理論的には少なくても1.23eV以上の光エネルギーを照射することが必要である。これは波長が約1000nm以下の光に相当する。
人工光源を用いる場合には、燃料を活性化できる電磁波を発生する光源なら何れでもよく、通常の可視光源、キセノンランプ、ハロゲンランプ(白熱灯)、タングステンランプ、照明用のランプ、水銀ランプ(高圧、超高圧)紫外光源、赤外光源、高周波電磁波、LED等いずれも好適に使用することができる。
光源は外部から照射してもよいし、反応槽やモジュール中に組み込んで電極またはモジュールと一体化してもよい。光源からレンズや反射鏡あるいは光学ファイバ−を用いて光を誘導し、照射するのもよい。
(作動温度)
本発明の光物理化学電池の作動温度は、通常室温でよいが、一般には−40〜300℃の範囲が選択され、さらには、−20〜100℃の範囲がより良好な結果を与える。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。またMとあるのはモル濃度(mol dm-3)である。
豚の尿汚水は世界中で環境汚染の元凶の一つであり、浄化処理が容易でなかった。半導体粉末光触媒による分解浄化はこれまでは難しかった。豚の尿とその4倍量の洗水液混合物廃液(アンモニウムイオンとして2570ppm、黒色試料)の試料を、これまで既知(特許文献1)の薄層型セル(図1)に入れて光分解した。粒子径20-30nmの二酸化チタンナノ粒子をフッ素ドープの電導性SnO2ガラス(FTO)(6cmx6cm)上に焼結して10μm厚さの多孔質膜を作製して、実効表面積が見かけの1000倍近い光アノードとして用いた。カソード電極はFTO(6cmx6cm)上に白金を塩化白金酸から電析して用いた。それぞれ二酸化チタン膜と白金膜の有効面積は5cmx5cmである。周囲には5mm幅でステンレス箔の集電材料をおき、ネオプレンゴム製のスペーサーを両電極間に挟んで薄型セルを構築した。セルのスペーサーを1mm、5mm、20mmと変えることにより内部液量を2mL、8mL、32mLと変え、キセノンランプからの白色光(100mWcm-2でこのうちUV光は8mWcm-2)を照射した。アンモニアの分解はNH4 +の消失により調べた。事前に別の実験でNH4 +の消失はN2発生をもたらすことを確認した。試料量による反応の内部量子収率変化を表1に示した。
表1から明らかなように、光強度は一定で溶液量が増えると光電流はむしろ減少するにも関わらず、溶液量が増えるほど反応量は溶液量にほぼ比例して増加し、また内部量子収率は溶液量とともに増加した。これは溶液量が増えるほどバルクの液体中で酸素による連鎖的酸化分解が起こっていることを示している。
図2に示したセル2型で容量250mLの反応槽を用い、光アノードは実施例1と同じだが、カソードは網目状ステンレス材料(100メッシュ、6cmx6cm)に白金を電析して用い、スペーサーは1mm厚さで両電極ユニットを構築し、反応槽壁の片側に設置して、光照射した。畜産排せつ物として実施例1と同様な豚の尿汚水(アンモニウムイオン濃度で1420ppm(=0.079M))を250mL用い、実施例1と同様に光照射を行った。54時間後に92%のアンモニアが分解し、これに伴う分解量は5240C、流れた光電流は62.0Cで、量子効率は5240/62.0=84.5と極めて高かった。
セル2型を、上から太陽光で照射できるように縦型にしたセル3型を図3のように作製した。両電極ユニットは実施例1と同様なものが反応槽上部に設置されて上から太陽光を照射でき、反応槽を撹拌または空気を吹き込みながら光分解できる。
尿中の主成分である尿素は自然界に存在するウレアーゼにより速やかにアンモニアに変わるので、1020ppm(60mM)のアンモニア水260mLをモデル化合物として光分解した。実施例1−4と同様に光分解を行った。量子収率は撹拌無しでは19.0、撹拌を行うと83.2、空気吹き込みと撹拌を同時に行うと116で、撹拌や空気吹き込みの効果が大きいことが分かる。
実施例4において豚の尿汚水(アンモニウムイオン濃度で1420ppm(=0.079M))を250mL用い(セル2型)、実施例4と同様に光照射を行った。40時間後に85.7%のアンモニアが分解した。BODは95%以上減少し、固体懸濁物(SS)は80%以上減少した。今平均3mWcm-2の太陽光UV光強度を1日7時間利用し、50時間の光照射で分解浄化できるとすると、豚1頭(尿が平均3L/日、4倍の洗浄水を入れた尿汚水で15L/日を285Lの容積の反応槽で分解浄化できる計算になる。1m3の反応槽では3.5頭分の豚の尿汚水に相当するので、今1m3の反応槽をモジュール単位とすると、 1000頭の豚では290m3 すなわち290m2(=29mx10m)の設置面積で処理できる。これは豚舎屋根の10%程度である。
家庭の生ゴミを太陽光で分解浄化するために、モデルとして10種類の野菜等(ホウレンソウ、レタス、人参、西瓜、バナナ、チンゲン菜、みかん、キャベツ、ピーマン、およびご飯)を、各10gずつを混合してミキサーで細かくし、水を入れて計1Lにした(10000ppm)。このうち250mLをセル2型に入れ、ブラックライトからのUV光(2.6mWcm-2)を照射した。光分解は反応を継続しながら所定量を試料採取して、ロータリーエバポレーターで脱水してから加熱乾燥して重量を測定し、重量減少で調べた。250時間後には70%の重量減少があり、気体(二酸化炭素と窒素)に変化したことを確認した。4人の家族が毎日出す食物ナマゴミを、複数のサブモジュールから成る計約0.5m3の容積の反応槽で太陽光分解浄化できる。
1 FTO/TiO光アノード
2 FTO/酸素還元触媒カソード
3 SUSメッシュ/酸素還元触媒カソード

Claims (9)

  1. 透明電導性ガラスに被覆した超多孔質半導体膜光アノードと酸素還元カソードから構成され、光アノードとカソードを外部導線でつないだバイオ光化学電池において、光アノード上で光で活性化された化合物が酸素と連鎖的に酸化反応を起こすための大きな反応槽を持ち、その反応槽を構成する壁の光照射側の全部または一部に、または液面上に、該光アノードと該カソードから成る電極ユニットを光照射用の窓材料として設置したバイオ光化学電池と、その反応槽中に入れたバイオマス・有機・無機化合物やそれらの廃棄物・廃液の水溶液や水懸濁液中に空気や酸素を共存させまたは空気や酸素を吹き込み、光アノードの透明電導性ガラス側から外部光源または内部光源により光照射を行なうことにより、バイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液を高効率で光分解浄化し、および/または同時に電力を発生させる方法。
  2. 請求項1において、酸素還元カソードの一方の面は液体側に、他方の面は気相に接触するように設置することを特徴とするバイオ光化学電池と、これを用いてバイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液を高効率で光分解浄化し、および/または同時に電力を発生させる方法。
  3. 請求項1および2において、水以外の液体中に廃棄液体や廃棄物が存在する場合に請求項1および2と同様に光照射して、バイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液を高効率で光分解浄化し、および/または電力を発生させる方法。
  4. 請求項1から3において、光源として太陽光を用いて光分解浄化および/または電力を発生させる方法。
  5. 請求項1から4において、溶液や液体懸濁液を攪拌するか、および/またはその中に空気または酸素を吹き込んで光分解浄化し、および/または電力を発生させる方法。
  6. 請求項1から5において、反応槽の一部に金属捕集用のカソードを別に設置したバイオ光化学電池と、それを用いて請求項1から5と同様に光分解浄化および/または電力を発生させると同時に、金属捕集用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ、分離・捕集する方法。
  7. 請求項1から6において、光アノードのみを設置し、酸素還元用カソードは設けず、金属補集用カソードを設けたまたは設けない反応槽と、請求項1から6と同様にバイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液の溶液や懸濁液を高効率で光分解浄化および/または電力発生を行ない、および/または金属分離用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ、分離・捕集する方法。
  8. 請求項1から7において、反応槽中に電力発生用のアノードとカソードを別に設置したバイオ光化学電池と、それを用いて請求項1から7と同様にバイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液の溶液や懸濁液を高効率で光分解浄化および/または電力発生を行い、および/または金属分離用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ分離・捕集する方法。
  9. 請求項1から8において、バイオマス・有機・無機化合物または廃棄物・廃液の溶液や懸濁液中に含まれる色々な光分解阻害要因の阻害作用を失活せしめる化合物やイオンを添加して光分解浄化および/または電力発生を行い、および/または金属分離用のカソード上またはその周囲に、溶液や液体懸濁液中に含まれる金属または金属化合物を沈殿させ分離・捕集する方法。
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