JP2010193213A - 補聴器 - Google Patents

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Abstract

【課題】補聴器利用者の聞取り認知度を向上させるためには、入力音響信号の音量を増幅させるだけではなく、希望信号/妨害信号を識別し希望信号のみを抽出しない限りS/Nの改善にはならず、聞取り認知度の向上にはつながらない。また、周囲環境の分析に多数のパラメータを用いた複雑な識別処理を用いた場合には、事前学習や長時間駆動の面で課題が生じる。
【解決手段】入力音響信号から騒音レベルを算出し、算出した騒音レベルに従って定常雑音抑圧/非定常雑音抑圧を切替えることで、雑音抑圧の強弱ではなく抑圧する雑音の種類、音源数を制御する。これにより騒音レベルという少ないパラメータのみで、静かなシーンから騒がしいシーンまで常に難聴者にとって一定のS/Nを維持し、いつでも聞取りやすい補聴器を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、騒音レベルに応じて雑音を抑圧する補聴器に関するものである。
補聴器とは、聴覚障害者や聴力の衰えた人などが聴力を補助するために利用する機器である。補聴器は、外部で発生した音響信号を、マイクロホンを用いて電気信号に変換し、この電気信号のレベルを増幅し、イヤホンのようなレシーバで再び音響信号に変換して利用者に聞こえる可聴音として出力する。
レシーバから出力される音響信号については、会話音声やテレビ、ラジオ等の出力音、インターホンや電話の呼び鈴など利用者自身が生活に必要な音情報のほか、生活騒音や環境騒音など利用者が必要とする音情報の認知を妨害する様々な妨害音が存在する。
そこで、従来より、補聴器の補聴処理においては、レベルの小さな音は増幅し、レベルの大きな音は増幅しない非線形な増幅処理をはじめ、単に音響信号のレベルを増幅して利用者に聞かせるだけでなく、利用者が聞きやすいように増幅と抑圧を組合わせた様々な工夫がされてきた。
特に近年は、マイクロホンから入力された音響信号をデジタル信号に変換し、上記補聴処理をデジタル処理で行うデジタル補聴器が主流となっている。このようなデジタル補聴器には、入力された音響信号を複数の帯域に分割して帯域毎の希望信号/妨害信号(例えば、音声/非音声)の判別を高速に処理して希望信号のみを抽出する高度な雑音抑圧や、補聴器の前後2ヶ所に設置されたマイクロホンからの入力時間差を用いて、前方から到来する音響信号のみを抽出する指向性収音などの処理が、搭載されている。さらに、補聴器内部に記憶領域を備え、複数の補聴処理プログラムを保持し、補聴器利用者の利用シーンや周囲環境に合わせて補聴処理を自動、あるいは利用者が手動で切替えるタイプの補聴器も普及しつつある。
補聴プログラムを利用者の周囲環境に合わせて切替える概念は従来より多く提案されている。例えば、特許文献1には、入力信号レベルに応じた出力信号レベルを決定付ける入出力特性変換テーブルを複数保持し、入力信号の周波数特性に応じて変換テーブルを適宜切替える技術が提案されている(図6)。また、特許文献2では、周囲環境の分析に聴覚情景分析(ASA:Auditory Scene Analysis)、あるいはHMM(Hidden Markov Model:隠れマルコフモデル)を用いる手法が提案されている(図7)。
図6に示す従来の補聴器1001は、マイクロホン1002から入力された音響信号をA/Dコンバータ1003にてデジタル信号に変換し、入出力特性変換部1004にて補聴処理した後、D/Aコンバータ1005にて再度音響信号に変換して、レシーバ1006から出力するタイプの補聴器である。入出力特性変換部1004は、入力デジタル信号の振幅値をアドレスとして、出力すべき変換後の振幅値を記憶したテーブルにより構成され、入力信号レベルに応じて出力信号レベルを制御する構成となっている。入出力特性変換部1004に適用される変換テーブルは、入出力特性決定部1007により規定され、入出力特性決定部1007には、入力される音響信号の特性に応じて適用する変換テーブルを切替えるべく複数の変換テーブルを保持している。変換テーブルの決定には、利用者がスイッチ等により外部より指定するほか、入力信号を用いて環境騒音の程度を評価し、自動で選択・切替えることも可能である。
図7に示す従来の補聴器2001は、マイクロホン2002、2003から入力された音響信号を、補聴処理部2004にて補聴処理し、レシーバ2005から出力するタイプの補聴器である。補聴器2001は、入力された音響信号を信号分析部2006にて特徴抽出し、信号識別部2007にて前記音響信号の瞬時的音響環境状況を識別し、識別した音響環境状況に応じて、補聴処理部2004の補聴アルゴリズムを切替える。信号識別部2007における瞬時的音響環境状況は、音の強弱、スペクトル形態、調和構造などといった聴覚ベースの特徴の組合せにより識別され、識別アルゴリズムとしてHMMなどが適用されている。HMMは音声認識等で広く用いられる統計的手法であり、過去の状態遷移や各状態における出現確率分布から未知の入力に対する出力状態を推定するモデルである。また、局所最適に陥らぬよう適切にパラメータを初期化するためにトレーニング装置2008が備えられる。
特許第2568134号公報 特表2004−500592号公報
しかしながら、上記特許文献1の入出力特性変換テーブルでは、妨害信号区間の増幅は制限されて聞きやすさの改善や不快感の軽減はあっても、妨害信号に埋もれた希望信号を抽出してS/Nを改善することにはならない。したがって、明瞭度の改善や聞取り認知度の向上にはつながらない。補聴器利用者にとって、補聴処理でのS/N改善は、聞取り認知度向上のための必須要件とも言える。
また、上記特許文献1の入出力特性変換テーブルを、帯域分割した各周波数帯域毎に細かく保持したり、上記特許文献2のようにHMMを用いる技術では、周囲環境の分析が非常に煩雑で負荷の高いものになってしまう。
補聴器はその利用目的から駆動電源に小型の空気電池が用いられることが多く、一回の交換で1週間から2週間程度は継続して使用できることが望まれている。補聴器のような小型の機器の電池交換は、主たる補聴器利用者である高齢者にとって非常に煩わしく、長時間駆動により電池交換の頻度を軽減することも補聴器にとって重要な機能要素である。したがって、上記特許文献1および特許文献2の補聴器では、負荷が高いために頻繁に電池交換をしなければならない。
また、上記特許文献2に示されるHMM手法は、もとは音声認識等で広く使われている識別手法であり、その識別処理は非常に高負荷なものである。また、HMMを有効に機能させる場合に事前学習によるデータベースの構築が不可欠であり、千差万別の利用者環境に適合させる事前学習や膨大なベータベースを保持する記憶領域の確保も、補聴器とは相性がよいものとは言い難い。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、周囲環境に合わせて補聴処理を自動で切替える適応型補聴器であって、難聴者の聴感特性と利用目的に適合させた簡素で高速な適応型補聴器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の補聴器は、マイクロホンで取込んだ入力音響信号から周囲環境の騒音レベルを算出する騒音検出部と、前記入力音響信号から定常的な騒音を除去する定常騒音抑圧部と、前記入力音響信号から非定常的な騒音を除去する非定常騒音抑圧部とを備え、前記騒音レベルが所定の閾値以下の場合に前記定常騒音抑圧部が機能し、前記騒音レベルが前記所定の閾値以上の場合に前記非定常騒音抑圧部が機能することを特徴とする。また、少なくとも2つのマイクロホンで取込んだ入力音響信号から特定の方向に指向感度を持った信号を生成する指向性制御部と、前記入力音響信号のうち少なくとも一方を用いて周囲環境の騒音レベルを算出する騒音検出部と、前記入力音響信号から定常的な騒音を除去する定常騒音抑圧部と、前記入力音響信号から非定常的な騒音を除去する非定常騒音抑圧部とを備え、前記騒音レベルが所定の閾値以下の場合に前記指向性制御部が特定の方向に指向感度を持たない無指向信号を生成し、かつ、前記無指向信号を入力として前記定常騒音抑圧部が機能し、前記騒音レベルが所定の閾値以上の場合に前記指向性制御部が特定の方向に指向感度を持った指向性信号を生成し、かつ、前記指向性信号を入力として前記非定常騒音抑圧部が機能することを特徴とする。
なお、本発明は、このような補聴器として実現することができるだけでなく、集積回路や、補聴処理方法、補聴処理をコンピュータに実行させるプログラム、そのプログラムを格納する記録媒体としても実現することができる。
本発明の補聴器によれば、難聴者の聞取り認知度を低下させる妨害音を周囲騒音レベルに応じて除去し、周囲環境が静かなシーンから騒がしいシーンまで一定のS/Nを維持することで、常に安全で聞取りやすくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における補聴器1の概略構成を示す構成図である。補聴器1は、マイクロホン2と、増幅部3と、レシーバ4と、騒音レベル検出部5と、比較器6と、雑音抑圧部7とを備える。雑音抑圧部7は、さらに、定常騒音抑圧部71と、非定常騒音抑圧部72とから構成される。一般的な補聴器1は、マイクロホン2から入力される音響信号を、雑音抑圧部7により妨害信号を除去して希望信号のみとし、増幅部3において利用者の聴覚特性に応じた増幅処理により利用者の可聴レベルに希望信号を増幅して、レシーバ4より出力する。
さらに本実施の形態の補聴器1は、マイクロホン2から入力される音響信号を用いて、騒音レベル検出部5で騒音レベルを算出する。算出した騒音レベル信号を比較器6にて、ある所定の閾値Thと比較し、騒音レベルが閾値Th未満の場合は雑音抑圧部7の機能として定常騒音抑圧部71を機能させ、入力された音響信号から定常騒音を除去する。一方、補聴器1は、騒音レベルが閾値Th以上の場合は雑音抑圧部7の機能として非定常騒音抑圧部72を機能させて、入力された音響信号から非定常騒音を除去する。また、図1には示さないA/DまたはD/Aコンバータをマイクロホン2の後段またはレシーバ4の前段、あるいはその他の適切な箇所に配置して内部の補聴処理にデジタル信号処理を用いることで、より精度の高い妨害信号の除去が実現可能である。
騒音レベルの算出は、入力音響信号レベルそのもので代用することも可能であるが、必要に応じてローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、またはバンドパスフィルタを組合せ、必要な帯域を切出す処理を組合わせても良い。例えば、騒音レベルを利用者の聞こえに近づけたい場合は人間の聴覚特性を模擬したフィルタを適用すればよい。また、騒音レベルの時間変動を抑えたい場合はローパスフィルタを用いて短時間平均化すればよい。
図2は、騒音レベル検出部5の構成の一例を示す構成図である。騒音レベル検出部5は、聴感特性フィルタ51と、絶対値算出部52と、ローパスフィルタ53と、対数変換部54とから構成される。
騒音レベル検出部5において、聴感特性フィルタ51は、マイクロホン2からの入力音響信号から音声信号帯域を抽出する。絶対値算出部52は、抽出された音声信号帯域の絶対値をとる。ローパスフィルタ53は、音声信号帯域の絶対値をとった値を平滑化処理する。最後に対数変換部54は、平滑化処理された値の対数化処理によって算出した騒音レベルを対数尺度[dBA]に変換する。
定常騒音抑圧として代表的なものにスペクトルサブトラクション法がある。
図3は、スペクトルサブトラクション法を用いた定常騒音抑圧部71の詳細な構成を示す図である。定常騒音抑圧部71は、周波数変換部711と、減算部712と、周波数逆変換部713と、雑音推定部714と、音声検出部715とから構成される。この定常騒音抑圧部71は、入力音響信号を周波数変換部711により、周波数スペクトル信号に変換すると同時に、音声検出部715により、入力音響信号中の音声区間を抽出する。雑音推定部714は、抽出した音声区間情報を用い、前記周波数スペクトル信号に含まれる雑音スペクトルを推定する。雑音スペクトルは、例えば、抽出した音声区間以外の区間(非音声区間)の周波数スペクトル信号を平滑化するなどして推定される。減算部712は、前記周波数スペクトル信号から、推定した雑音スペクトルを減算し、最後に周波数逆変換部713が周波数スペクトル信号を再度音響信号に変換する。
同様に、非定常騒音抑圧に有効な2入力スペクトルサブトラクション法も提案されている。
図4は、2入力スペクトルサブトラクション法を用いた非定常騒音抑圧部72の詳細な構成を示す図である。非定常騒音抑圧部72は、周波数変換部711a、711bと、減算部712と、周波数逆変換部713と、雑音推定部716と、伝達特性算出部717とから構成される。なお、マイクロホン2は、第一のマイクロホン2aおよび第二のマイクロホン2bから構成されている。この非定常騒音抑圧部72は、主に希望信号を多く含む入力音響信号を周波数変換部711aにより、主に妨害信号を多く含む入力音響信号を周波数変換部711bにより、それぞれ周波数スペクトル信号に変換する。変換されたそれぞれの周波数スペクトル信号は、伝達特性算出部717に入力され、その差分情報などにより2信号間の伝達特性を算出する。雑音推定部716は、算出した伝達特性を用い、前記希望信号を周波数変換した周波数スペクトル信号に含まれる雑音スペクトルを推定する。スペクトルサブトラクション法がスペクトル信号の平滑化処理から雑音スペクトルを推定するため、時間変動の少ない定常騒音しか抑圧できないのに対し、2入力スペクトルサブトラクション法では、2入力間の伝達特性から瞬時の雑音スペクトルを推定することにより、時間変動する非定常騒音の抑圧が可能となる。減算部712は、前記希望信号を周波数変換した周波数スペクトル信号から、推定した雑音スペクトルを減算し、最後に周波数逆変換部713が周波数スペクトル信号を再度音響信号に変換する。
日常生活において、車の走行騒音や雑踏のざわざわした騒音など、補聴器利用者の聞こえを妨げる騒音の多くは時間変動する非定常な騒音である。定常騒音のみでなく非定常騒音を除去することで、入力音響信号に含まれる妨害信号の除去効果が格段に向上する。一方で、周囲環境が静かな、例えば屋内のリビング空間などでは、そもそも利用者の聞取りを妨げる妨害音が多くは存在せず、発生する非定常騒音を抑圧することは周囲状況の把握ができなくなり、むしろ安全面で危険でもある。反面、暗騒音やファンノイズなどの定常的な騒音は静かな場所であっても耳障りであることが多い。騒音レベルが小さな場合は、雑音抑圧手法として定常騒音抑圧のみを機能させることが有効である。
騒音レベルが大きな場合、例えば街中の雑踏などでは、個々の騒音源の音量も増大しているが、難聴者の聞取り認知度を低下させる要因は音量だけでなく、騒音源が複数あることが聞取りを急激に困難なものとしている。屋内での非定常騒音と言えばインターホンや電話の呼び鈴など単発で、かつ生活上必要な音情報である場合が多かったが、屋外では交通騒音や工事騒音、BGMなど複数の環境騒音が利用者が聞きたい音を聞取りにくくしている。補聴器利用者の聞きたい音といえば大抵の場合、会話相手の声であると考えられる。従って、騒音レベルが上昇した場合はS/N維持のため非定常騒音抑圧を機能させ、音声以外の環境騒音を除去することで聞取り認知度を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、定常騒音抑圧/非定常騒音抑圧の代表例として、それぞれスペクトルサブトラクション法/2入力スペクトルサブトラクション法を挙げたが、本発明を実施するにあたっては雑音抑圧の手法を限定するものではない。また、定常騒音抑圧/非定常騒音抑圧の切替えに関してもそれぞれ個別の抑圧処理部を有するわけではなく、非定常騒音抑圧手法の一部のパラメータを切替えて定常騒音のみを抑圧する機能に切替える構成としてもよい。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における補聴器1の概略構成を示す構成図である。補聴器1は、第一のマイクロホン2a、第二のマイクロホン2bと、増幅部3と、レシーバ4と、騒音レベル検出部5と、比較器6と、雑音抑圧部7と、指向性制御部8とを備える。雑音抑圧部7は、さらに、定常騒音抑圧部71と、非定常騒音抑圧部72とから構成される。
補聴器1は、少なくとも第一および第二のマイクロホン2a,2bから入力される音響信号を用いて、指向性制御部8である特定の方向に指向感度を持った信号を生成する。同時に、第一および第二のマイクロホン2a,2bのいずれか一方、あるいは両方から入力される音響信号を用いて、騒音レベル検出部5で騒音レベルを算出する。次に、補聴器1は、算出した騒音レベル信号を比較器6にてある所定の閾値Thと比較する。そして、騒音レベルが閾値Th未満の場合は、指向性制御部8は特定の方向に指向感度を持たない無指向性の信号を生成すると同時に、雑音抑圧部7は定常騒音抑圧(定常騒音抑圧部71)を機能させる。一方、騒音レベルが閾値Th以上の場合は、指向性制御部8は特定の方向に指向感度を持った指向性の信号を生成すると同時に、雑音抑圧部7は非定常騒音抑圧(非定常騒音抑圧部72)を機能させて、入力された音響信号に含まれる妨害信号を除去する。補聴器1は、妨害信号が除去され希望信号のみとなった音響信号を、増幅部3において利用者の聴覚特性に応じた増幅処理により利用者の可聴レベルに増幅して、レシーバ4より出力する。また、実施の形態1と同様、A/DまたはD/Aコンバータを第一および第二のマイクロホン2a,2bの後段またはレシーバ4の前段、あるいはその他の適切な箇所に配置して内部の補聴処理にデジタル信号処理を用いることで、より精度の高い妨害信号の除去が実現可能である。実施の形態1との差は入力マイクロホンを少なくとも2つ必要とする点と、指向性制御部が追加となった点である。定常騒音抑圧/非定常騒音抑圧の切替を始め、その他の構成、動作に関しては実施の形態1と同様であるため重複する説明は省略する。
非定常騒音の抑圧と同様、入力音響信号の信号をある特定の方向に指向感度を持たせることで、その他の方向に含まれる妨害信号の除去効果が格段に向上する。一方で、利用者の安全面を考慮した場合も非定常騒音の抑圧と同様、周囲環境が静かな、例えば屋内のリビング空間などでは、特定の方向のみに指向感度を持たせることは周囲状況把握の妨げとなる。
騒音レベルが大きな場合、例えば街中の雑踏などでは、特定の方向に指向感度を持つことは、その他の方向に存在する環境騒音を除去することで聞取り認知度を向上させることが可能となる。さらに、指向性の制御と非定常の騒音抑圧を組合わせることで、より精度の高い妨害信号の除去が可能となる。
なお、比較器6における閾値Thを2値にわけ、無指向/指向性の切替えと定常騒音抑圧/非定常騒音抑圧の切替えを段階的に行うことも可能である。これは、切替えによる補聴音の特性差を軽減する効果があり、特に指向性+非定常騒音抑圧の妨害信号除去効果が高い場合に指向性と非定常騒音抑圧を段階的に有効にすることで、違和感なく高い妨害信号除去効果を得ることが可能となる。
(その他変形例)
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
(1)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(3)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したものとしてよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどが挙げられる。また、本発明は、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(4)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
本発明の補聴器は、周囲環境に合わせて補聴処理を自動で切替える適応型補聴器として有用である。
本発明の実施の形態1における補聴器の構成図である。 同上の騒音検出部の構成の一例を示す構成図である。 同上のスペクトルサブトラクション法を用いた定常騒音抑圧部の構成の一例を示す構成図である。 同上の2入力スペクトルサブトラクション法を用いた非定常騒音抑圧部の構成の一例を示す構成図である。 本発明の実施の形態2における補聴器の構成図である。 従来の補聴器の構成図である。 従来の他の補聴器の構成図である。
1 補聴器
2 マイクロホン
2a 第一のマイクロホン
2b 第二のマイクロホン
3 増幅部
4 レシーバ
5 騒音レベル検出部
6 比較器
7 雑音抑圧部
71 定常騒音抑圧部
72 非定常騒音抑圧部
8 指向性制御部
51 聴感特性フィルタ
52 絶対値算出部
53 ローパスフィルタ
54 対数変換部
711 周波数変換部
711a 第一の周波数変換部
711b 第二の周波数変換部
712 減算部
713 周波数逆変換部
714、716 雑音推定部
715 音声検出部
717 伝達特性算出部

Claims (2)

  1. マイクロホンで取込んだ入力音響信号から、周囲環境の騒音レベルを算出する騒音検出部と、
    前記入力音響信号から、定常的な騒音を除去する定常騒音抑圧部と、
    前記入力音響信号から、非定常的な騒音を除去する非定常騒音抑圧部と、
    を備え、
    前記騒音レベルが所定の閾値未満の場合に、前記定常騒音抑圧部が機能し、前記騒音レベルが前記所定の閾値以上の場合に、前記非定常騒音抑圧部が機能すること、
    を特徴とする補聴器。
  2. 少なくとも2つのマイクロホンで取込んだ入力音響信号から、特定の方向に指向感度を持った信号を生成する指向性制御部と、
    前記入力音響信号のうち少なくとも一方を用いて、周囲環境の騒音レベルを算出する騒音検出部と、
    前記入力音響信号から、定常的な騒音を除去する定常騒音抑圧部と、
    前記入力音響信号から、非定常的な騒音を除去する非定常騒音抑圧部と、
    を備え、
    前記騒音レベルが所定の閾値未満の場合に、前記指向性制御部が特定の方向に指向感度を持たない無指向信号を生成し、かつ、前記無指向信号を入力として前記定常騒音抑圧部が機能し、前記騒音レベルが所定の閾値以上の場合に、前記指向性制御部が特定の方向に指向感度を持った指向性信号を生成し、かつ、前記指向性信号を入力として前記非定常騒音抑圧部が機能すること、
    を特徴とする補聴器。
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