JP2010192662A - 放熱部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱性能に優れ、かつ繰り返し使用にも耐える信頼性の高い放熱部品の製造方法を提供する。
【解決手段】基板と、その両面または片面に形成された髭状体層とを有する放熱部品の製造方法であって、基板表面に基板よりも低融点の金属層を形成する第一の工程と、該金属層表面に髭状体からなる層を該金属層の融点以下の温度で形成する第二の工程と、その後、該金属層の融点以上、かつ基板の融点を超えない温度で、還元雰囲気下で加熱する第三の工程とを含む放熱部品の製造方法により上記課題が解決される。
【選択図】なし
【解決手段】基板と、その両面または片面に形成された髭状体層とを有する放熱部品の製造方法であって、基板表面に基板よりも低融点の金属層を形成する第一の工程と、該金属層表面に髭状体からなる層を該金属層の融点以下の温度で形成する第二の工程と、その後、該金属層の融点以上、かつ基板の融点を超えない温度で、還元雰囲気下で加熱する第三の工程とを含む放熱部品の製造方法により上記課題が解決される。
【選択図】なし
Description
本発明は、高熱伝導性の基板表面に微細な髭状の高熱伝導材料を優れた密着力で形成した低熱抵抗の放熱部品の製造方法に関する。
パーソナルコンピュータやモバイル電子機器の高機能化、高密度実装化に伴い、CPU、GPU、チップセット、メモリーチップ等の発熱源の単位面積あたりの発熱量が飛躍的に増大しており、放熱装置の高性能化が求められている。
放熱装置の一つとして簡易でかつ効果的な方法は、発熱源の表面に放熱シートを貼り付けたりグリースを介在させたりして熱抵抗を低下させる方法である。このような放熱材料は、高い熱伝導率を持つことはもちろんであるが、発熱源表面に存在する微小な凹凸の隙間に、隙間なく入り込むことにより接触熱抵抗を低くしている。隙間が空いた場合は、そこに熱伝導率の極めて低い空気が介在するために、発熱源との間の接触熱抵抗が大きくなってしまう。
発明者らは、上記放熱材料の代わりに金属等の基板表面にカーボンナノチューブからなる層を形成し、カーボンナノチューブ、特にカーボンナノチューブの先端を発熱源の表面に接触させることにより効率よく熱を吸い上げることができる、すなわち、カーボンナノチューブと発熱源との接触熱抵抗を極めて低下させ得ることを見出した(特許文献1)。カーボンナノチューブの長さ方向の熱伝導率はダイヤモンドに匹敵するとも言われており、例えば、カーボンナノチューブの先端を発熱体表面に接触させると、微細なカーボンナノチューブの先端が発熱体表面の凹凸部分に極めて良好に接触し、低い熱抵抗が得られる。
また、発熱源の表面に対してカーボンナノチューブを垂直に接触させることで低い熱抵抗が実現できることも見出されている(特許文献2)。
基板面に対して垂直に成長したカーボンナノチューブを比較的低温で形成する方法として汎用されているのはCVD法である。CVD法は、基板表面にFeやCoなどの触媒を塗布した後、炭化水素ガスやアルコールガスを基板上に搬送させて500〜800℃程度の温度で反応させることで、触媒からカーボンナノチューブを成長させる技術であり、カーボンナノチューブは垂直配向した構造になりやすい。このCVD法を応用した例としては、特許文献3が挙げられる。
基板面に対して垂直に成長したカーボンナノチューブを比較的低温で形成する方法として汎用されているのはCVD法である。CVD法は、基板表面にFeやCoなどの触媒を塗布した後、炭化水素ガスやアルコールガスを基板上に搬送させて500〜800℃程度の温度で反応させることで、触媒からカーボンナノチューブを成長させる技術であり、カーボンナノチューブは垂直配向した構造になりやすい。このCVD法を応用した例としては、特許文献3が挙げられる。
前記した従来のCVD法で形成したカーボンナノチューブは基板との密着力が低く、手で擦るだけで簡単に剥離してしまう場合さえあり、信頼性に欠ける欠点があった。そこで、本発明は、放熱性能に優れ、かつ髭状体と基板との密着力が高い放熱部品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、カーボンナノチューブ等の高熱伝導率を持つ髭状材料(髭状体)を基板面に強固に形成させる方法を見出し、本発明を完成させた。本発明は下記の構成からなる。
(1)基板と、その両面または片面に形成された髭状体層とを有する放熱部品の製造方法であって、基板表面に基板よりも低融点の金属層を形成する第一の工程と、該金属層表面に髭状体からなる髭状体層を該金属層の融点以下の温度で形成する第二の工程と、その後、該金属層の融点以上、かつ基板の融点を超えない温度で、還元雰囲気下で加熱する第三の工程とを含むことを特徴とする放熱部品の製造方法。
(2)前記第二の工程において、髭状体が前記金属層から外側に向かうように形成することを特徴とする上記(1)に記載の放熱部品の製造方法。
(3)前記髭状体がカーボンナノチューブ、炭素繊維、ZnO、またはAl4C3のいずれかであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の放熱部品の製造方法。
(1)基板と、その両面または片面に形成された髭状体層とを有する放熱部品の製造方法であって、基板表面に基板よりも低融点の金属層を形成する第一の工程と、該金属層表面に髭状体からなる髭状体層を該金属層の融点以下の温度で形成する第二の工程と、その後、該金属層の融点以上、かつ基板の融点を超えない温度で、還元雰囲気下で加熱する第三の工程とを含むことを特徴とする放熱部品の製造方法。
(2)前記第二の工程において、髭状体が前記金属層から外側に向かうように形成することを特徴とする上記(1)に記載の放熱部品の製造方法。
(3)前記髭状体がカーボンナノチューブ、炭素繊維、ZnO、またはAl4C3のいずれかであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の放熱部品の製造方法。
(4)25℃における前記基板の熱伝導率が100W/mK以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
(5)前記基板がCuW、CuMo、AlSiC、SiC、AlN、炭素、Cu、Cu合金、AlまたはAl合金のいずれかであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
(6)前記金属層の融点が660℃を超えないことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
(7)前記基板の融点と前記金属層の融点の差が50℃以上であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
(5)前記基板がCuW、CuMo、AlSiC、SiC、AlN、炭素、Cu、Cu合金、AlまたはAl合金のいずれかであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
(6)前記金属層の融点が660℃を超えないことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
(7)前記基板の融点と前記金属層の融点の差が50℃以上であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
(8)前記基板としてヒートシンク、ヒートパイプ、ヒートスプレッダ、又は半導体パッケージのいずれかの一構成部品を用いることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
(9)前記第三の工程の熱処理を0.05MPa以下の減圧下で行うことを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
(9)前記第三の工程の熱処理を0.05MPa以下の減圧下で行うことを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
本発明により、各種放熱板(基板)の接触熱抵抗を低下させる髭状体が放熱板と強固に密着しているために、髭状体の脱落が起こりにくく信頼性の高い放熱部品が得られる。本発明は、安価なAlやCu基板、その他高熱伝導放熱基板からなる放熱性能の高いヒートシンク、ヒートパイプ、ヒートスプレッダ等を基板として用いると効果が高い。
本発明に係る放熱部品の製造方法により、基板の片面又は両面に髭状体層を有する放熱部品が得られる。かかる髭状体層を形成する個々の微小な髭状体は、基板に強固に密着しているため、繰り返し使用に耐える信頼性の高い放熱部品が提供される。
本発明の製造方法は以下に記載する三つの工程を含む。
(第一の工程)
基板の表面に基板の融点よりも低い融点を有する金属からなる金属層を形成する工程
(第二の工程)
前記金属層表面に髭状体からなる髭状体層を該金属層の融点以下の温度で形成する工程
(第三の工程)
前記金属層の融点以上で、かつ基板の融点を超えない温度で、還元雰囲気下で加熱する工程
(第一の工程)
基板の表面に基板の融点よりも低い融点を有する金属からなる金属層を形成する工程
(第二の工程)
前記金属層表面に髭状体からなる髭状体層を該金属層の融点以下の温度で形成する工程
(第三の工程)
前記金属層の融点以上で、かつ基板の融点を超えない温度で、還元雰囲気下で加熱する工程
第三の工程において、基板表面の金属層のみが溶融して髭状体の根元部分が金属により覆われて、基板と強固に密着した髭状体層を有する放熱部品を得ることができる。また、この加熱処理を還元雰囲気下で行うことにより、金属表面に存在する酸化膜が還元除去される。これにより、酸化膜が除去された部分から溶融された金属が効率よく浸み出して、髭状体と接触する金属量が多くなり、髭状体の根元部分が効率よく金属で覆われるようになる。
還元雰囲気にするために導入するガスは特に限定されず、使用された金属表面に形成される酸化膜を還元除去可能なガスであればよい。特に、還元性に優れたH2ガスが好ましい。H2-NH3混合ガス等でもよい。また、H2ガスと共にCH4などの炭化水素系ガスを導入してもよい。
還元雰囲気にするために導入するガスは特に限定されず、使用された金属表面に形成される酸化膜を還元除去可能なガスであればよい。特に、還元性に優れたH2ガスが好ましい。H2-NH3混合ガス等でもよい。また、H2ガスと共にCH4などの炭化水素系ガスを導入してもよい。
前記髭状体は、金属層表面から外側に向かって形成されていることが好ましい。これにより、髭状体の微小な先端部分が、相手材表面の微小な凹凸に入り込んで隙間なく接触し、本放熱部品と相手材との接触熱抵抗を低くすることができる。このため髭状体は金属層の面方向に対して垂直方向に配向して形成されていることが好ましい。ただし、厳密に垂直方向を向いて形成されていなくとも、接触熱抵抗の低下の効果が大きく損なわれることはない。
髭状体としては熱伝導率が高く、微小な材料であることが好ましい。カーボンナノチューブ、炭素繊維、ZnO、Al4C3等が考えられるが、最も熱伝導率が高く柔軟でしなり性の高いカーボンナノチューブや炭素繊維が好ましい。
CVD法で形成したカーボンナノチューブは基板面に対して垂直に成長しているのでとりわけ好ましいが、特に垂直成長していない場合でも放熱性能が大きく損なわれることはない。
CVD法で形成したカーボンナノチューブは基板面に対して垂直に成長しているのでとりわけ好ましいが、特に垂直成長していない場合でも放熱性能が大きく損なわれることはない。
放熱部品としては高熱伝導率であることが要求されるため、前記基板の熱伝導率は100W/mK以上であることが好ましい。このため、前記基板は、CuまたはCu合金、AlまたはAl合金、CuW、CuMo、AlSiC、SiC、AlN、炭素などがよく、特に安価な金属材料がよい。また、炭素としてはグラファイト、ダイヤモンドなどの熱伝導率の高い材料が好ましい。基板としてとりわけ好ましいのはAlである。この場合は、金属層の融点は、Alの融点である660℃を超えないことが重要であるので、同時にカーボンナノチューブの形成温度は、金属層の融点よりもさらに低いことが必要である。
基板表面に形成される金属層の材料としては、基板の材質、髭状体の材質に応じて適宜選択することができ、例えば、Al−Si合金、Cu−Sn合金等を用いることができる。
基板表面に形成される金属層の材料としては、基板の材質、髭状体の材質に応じて適宜選択することができ、例えば、Al−Si合金、Cu−Sn合金等を用いることができる。
基板と金属層の融点の差は50℃以上であることが好ましい。これを下回ると、第三の工程において金属層が溶融した際に基板と反応して基板が変形する場合もある。
また、第三の工程における熱処理は減圧下で行うことが好ましい。これにより金属層が溶融する際に突沸することが防止され、冷却した際に金属層中に気泡が残ることにより熱伝導率が低下するという問題が改善される。このため、熱処理時の圧力は0.05MPa以下であることが好ましい。
また、第三の工程における熱処理は減圧下で行うことが好ましい。これにより金属層が溶融する際に突沸することが防止され、冷却した際に金属層中に気泡が残ることにより熱伝導率が低下するという問題が改善される。このため、熱処理時の圧力は0.05MPa以下であることが好ましい。
基板としては、ヒートシンク、ヒートパイプ、ヒートスプレッダなどが考えられ、これらを用いると用途が広がる。これらの冷却用部材の表面部分を基板として用いることにより、発熱体等の相手材との接触性が改善され、効率よく放熱(冷却)することが可能となる。また、これらの冷却デバイスに限らず、発熱体表面を基板とすることも可能である。例えば、CPUの筐体のような半導体パッケージの一構成部品を用いてもよい。
以下に、本発明の放熱部品の製造方法として、カーボンナノチューブ層を形成する場合の一例を説明する。尚、上述の通り髭状体層としてはカーボンナノチューブでなくても構わないのはもちろんである。
まず、予め純アルミニウム基板表面に、融点が590℃程度のAl−12Si層を3μm程度の厚さで形成しておく(第一の工程)。
この表面に触媒としてのFe粒子からなる薄膜をスパッタリング法で0.1μm程度の厚さで形成する。これをCVD炉内に設置し、炉内を0.05MPaに保持しながら、原料であるエタノールガスを基板表面まで搬送し、550℃で30分反応させてカーボンナノチューブによる髭状体層を形成する(第二の工程)。
エタノールガスの供給を停止した後、炉内を610℃まで昇温し、H2ガスを導入し、圧力を0.01MPaまで低下させ、30分保持する(第三の工程)。その後、室温まで自然冷却させる。
この表面に触媒としてのFe粒子からなる薄膜をスパッタリング法で0.1μm程度の厚さで形成する。これをCVD炉内に設置し、炉内を0.05MPaに保持しながら、原料であるエタノールガスを基板表面まで搬送し、550℃で30分反応させてカーボンナノチューブによる髭状体層を形成する(第二の工程)。
エタノールガスの供給を停止した後、炉内を610℃まで昇温し、H2ガスを導入し、圧力を0.01MPaまで低下させ、30分保持する(第三の工程)。その後、室温まで自然冷却させる。
第三の工程において、Al−12Si層(前記金属層)の表面に形成されたカーボンナノチューブ層(髭状体層)を有する基板を610℃で熱処理することにより、Al−12Si層が溶融し、毛細管力によってカーボンナノチューブの根元部分がAl−12Siにより覆われる。このように金属層が髭状体層を構成する個々の髭状体の根元の部分を覆って密着していくことで、髭状体と基板との高い密着力が得られるのである。
H2ガスは溶融したAl合金層の表面に存在する酸化アルミニウム膜を還元除去するという効果がある。Al合金の溶融時に減圧にすることで、溶融したAl合金が突沸することなくカーボンナノチューブの根元部分を覆いやすくなるので、Al合金部に気孔が残存しにくくなり、結果として熱抵抗も低くなる。
髭状体としてはカーボンナノチューブ以外にも炭素繊維や、ZnOウィスカーのような酸化物、Al4C3ウィスカーのような炭化物でも構わない。以下に、髭状体として炭素繊維、ZnOウィスカー、Al4C3ウィスカーを使用した放熱部品の作製例を示す。
(炭素繊維)
例えば、Al基板表面にCu−70wt%Sn合金(融点は約530℃)層をめっき法で形成しておく(第一の工程)。続いて、電気泳動法によりチップドファイバーと呼ばれる長さ数十μmの炭素繊維を当該基板上に堆積させる(第二の工程)。その後、600℃程度の温度で熱処理する(第三の工程)により、炭素繊維が基板に強固に密着した放熱部品を得る。
(炭素繊維)
例えば、Al基板表面にCu−70wt%Sn合金(融点は約530℃)層をめっき法で形成しておく(第一の工程)。続いて、電気泳動法によりチップドファイバーと呼ばれる長さ数十μmの炭素繊維を当該基板上に堆積させる(第二の工程)。その後、600℃程度の温度で熱処理する(第三の工程)により、炭素繊維が基板に強固に密着した放熱部品を得る。
(ZnOウィスカー)
例えば、Al基板表面にCu−70wt%Sn合金(融点は約530℃)層をめっき法で形成しておき(第一の工程)、これと対向するようにZn塊を用意する。そして、この金属Znを450℃程度の温度で加熱、溶融させてZn蒸気を発生させ、これを、酸素を含むガスと反応させて、対向する基板表面にZnOウィスカー層を形成し(第二の工程)、その後、600℃程度の温度で熱処理(第三の工程)してもよい。
(Al4C3ウィスカー)
例えば、Al基板表面にAl−12Si合金(融点は約590℃)層をめっき法で形成しておき(第一の工程)、これをCH4ガス中、580℃程度の温度でCOガスと反応させて対向する基板表面にAl4C3ウィスカー層を形成し(第二の工程)、その後、600℃程度の温度で熱処理(第三の工程)してもよい。
例えば、Al基板表面にCu−70wt%Sn合金(融点は約530℃)層をめっき法で形成しておき(第一の工程)、これと対向するようにZn塊を用意する。そして、この金属Znを450℃程度の温度で加熱、溶融させてZn蒸気を発生させ、これを、酸素を含むガスと反応させて、対向する基板表面にZnOウィスカー層を形成し(第二の工程)、その後、600℃程度の温度で熱処理(第三の工程)してもよい。
(Al4C3ウィスカー)
例えば、Al基板表面にAl−12Si合金(融点は約590℃)層をめっき法で形成しておき(第一の工程)、これをCH4ガス中、580℃程度の温度でCOガスと反応させて対向する基板表面にAl4C3ウィスカー層を形成し(第二の工程)、その後、600℃程度の温度で熱処理(第三の工程)してもよい。
(1)材料
<基板>
10×10mm、厚さ0.25mmの各種基板を用いた。
<金属層の形成>
基板の両面に下記金属層を形成した。
[1]Al−12Siの形成
Al−12Si粉末のろう付け用ペーストを厚さ5μm塗布した後、真空中、590℃で熱処理してAl−12Si層を厚さ3μm形成した。
[2]Cu合金の形成
めっき法によりCu−70wt%Sn合金を厚さ3μm形成した。
<基板>
10×10mm、厚さ0.25mmの各種基板を用いた。
<金属層の形成>
基板の両面に下記金属層を形成した。
[1]Al−12Siの形成
Al−12Si粉末のろう付け用ペーストを厚さ5μm塗布した後、真空中、590℃で熱処理してAl−12Si層を厚さ3μm形成した。
[2]Cu合金の形成
めっき法によりCu−70wt%Sn合金を厚さ3μm形成した。
(2)試料の作製
<髭状体層の形成>
下記のようにして形成した。
[1]カーボンナノチューブの作製
スパッタリング法で、触媒となるコバルトをコーティングしてFe微粒子を厚さ0.1μmコーティングした。次に、基板をCVD炉内に設置し、エタノールガスを、アルゴンガスをキャリアガスとして、温度550℃、炉内圧力0.05MPaで、各種時間で反応させた。これにより、基板面にほぼ垂直に成長したカーボンナノチューブ層が形成した。
その後、同じ炉内で各種温度まで昇温し、H2ガスまたはH2-NH3混合ガスを導入し、各種圧力で30分熱処理した後室温まで自然冷却させた。熱処理をしない場合やH2を導入しない場合、あるいはN2(非還元性ガス)を導入する実験も行った。
<髭状体層の形成>
下記のようにして形成した。
[1]カーボンナノチューブの作製
スパッタリング法で、触媒となるコバルトをコーティングしてFe微粒子を厚さ0.1μmコーティングした。次に、基板をCVD炉内に設置し、エタノールガスを、アルゴンガスをキャリアガスとして、温度550℃、炉内圧力0.05MPaで、各種時間で反応させた。これにより、基板面にほぼ垂直に成長したカーボンナノチューブ層が形成した。
その後、同じ炉内で各種温度まで昇温し、H2ガスまたはH2-NH3混合ガスを導入し、各種圧力で30分熱処理した後室温まで自然冷却させた。熱処理をしない場合やH2を導入しない場合、あるいはN2(非還元性ガス)を導入する実験も行った。
[2]ZnOウィスカーの作製
Zn塊をアルミナルツボ内に装填し、このルツボに対向するように基板を設置した。これらを熱処理炉内で、450℃で加熱、溶融させてZn蒸気を発生させ、別途炉内に導入したCOガスと反応させて、対向する基板表面にZnOウィスカー層を形成した。
その後、[1]と同様にして熱処理した。
Zn塊をアルミナルツボ内に装填し、このルツボに対向するように基板を設置した。これらを熱処理炉内で、450℃で加熱、溶融させてZn蒸気を発生させ、別途炉内に導入したCOガスと反応させて、対向する基板表面にZnOウィスカー層を形成した。
その後、[1]と同様にして熱処理した。
(3)評価
<熱抵抗の測定>
試料を、図1に示す熱抵抗測定装置にセットした。
予め下部Cuホルダの表面には熱伝導率0.8W/mKのシリコングリースを厚さ150μm塗布しておき、その後、上下Cuホルダで試料を挟み込んだ。
上部からAlNヒータで、13.3V、220mAで加熱して熱量Qを付加した。上下のCuホルダの各位置の温度を測定し、定常状態になるまで保持した。Cuホルダの周囲は断熱材で囲った。
<熱抵抗の測定>
試料を、図1に示す熱抵抗測定装置にセットした。
予め下部Cuホルダの表面には熱伝導率0.8W/mKのシリコングリースを厚さ150μm塗布しておき、その後、上下Cuホルダで試料を挟み込んだ。
上部からAlNヒータで、13.3V、220mAで加熱して熱量Qを付加した。上下のCuホルダの各位置の温度を測定し、定常状態になるまで保持した。Cuホルダの周囲は断熱材で囲った。
サンプルを挟む上下の銅ホルダには熱電対挿入穴が各5点設置されており、これらの位置での温度分布の勾配から、発熱体表面とヒートシンクのフィン先端部の温度を外挿して算出した。面圧を調整しながら、Cuホルダ間距離が450μm(基板面とCuホルダ表面の距離が100μm)になるように加圧し、30秒保持した後、圧力を開放した。これを10回繰り返した後、Cuホルダ間距離が450μmの状態で熱抵抗を測定した。
定常状態に達した時の、各Cuホルダ内の温度勾配から、試料の表面温度(T1)と裏面温度(T2)を外挿して算出した。
定常状態に達した時の、各Cuホルダ内の温度勾配から、試料の表面温度(T1)と裏面温度(T2)を外挿して算出した。
熱抵抗は下記の式で算出した。
熱抵抗(K/W)=(T1−T2)/Q
熱抵抗(K/W)=(T1−T2)/Q
<結果>
結果を表1に示す。髭状体形成後に、基板の融点以下であって、かつ金属層の融点以上の温度で熱処理することにより、非熱処理に比べて低い熱抵抗となることが分かる。熱処理を還元性雰囲気で行うとより熱抵抗は低下する。これは、H2ガスが熱処理時に溶融した金属層を覆っている酸化膜を還元除去するため、髭状体と接触する金属量が多くなって髭状体の根元部分が効率よく金属で覆われるようになり、髭状体との密着力がさらに高くなったため、繰り返し応力付加と開放を行っても、髭状体が基板から脱落しにくくなるためと考えられる。
結果を表1に示す。髭状体形成後に、基板の融点以下であって、かつ金属層の融点以上の温度で熱処理することにより、非熱処理に比べて低い熱抵抗となることが分かる。熱処理を還元性雰囲気で行うとより熱抵抗は低下する。これは、H2ガスが熱処理時に溶融した金属層を覆っている酸化膜を還元除去するため、髭状体と接触する金属量が多くなって髭状体の根元部分が効率よく金属で覆われるようになり、髭状体との密着力がさらに高くなったため、繰り返し応力付加と開放を行っても、髭状体が基板から脱落しにくくなるためと考えられる。
Claims (9)
- 基板と、その両面または片面に形成された髭状体層とを有する放熱部品の製造方法であって、
基板表面に基板よりも低融点の金属層を形成する第一の工程と、
該金属層表面に髭状体からなる髭状体層を該金属層の融点以下の温度で形成する第二の工程と、
その後、該金属層の融点以上、かつ基板の融点を超えない温度で、還元雰囲気下で加熱する第三の工程と、
を含むことを特徴とする放熱部品の製造方法。 - 前記第二の工程において、髭状体が前記金属層から外側に向かうように形成することを特徴とする請求項1に記載の放熱部品の製造方法。
- 前記髭状体がカーボンナノチューブ、炭素繊維、ZnO、またはAl4C3のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の放熱部品の製造方法。
- 25℃における前記基板の熱伝導率が100W/mK以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
- 前記基板がCuW、CuMo、AlSiC、SiC、AlN、炭素、Cu、Cu合金、AlまたはAl合金のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
- 前記金属層の融点が660℃を超えないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
- 前記基板の融点と前記金属層の融点の差が50℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
- 前記基板としてヒートシンク、ヒートパイプ、ヒートスプレッダ、又は半導体パッケージのいずれかの一構成部品を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
- 前記第三の工程の熱処理を0.05MPa以下の減圧下で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の放熱部品の製造方法。
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JP (1) | JP2010192662A (ja) |
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2009
- 2009-02-18 JP JP2009035215A patent/JP2010192662A/ja active Pending
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