JP2010192482A - 固体撮像素子および固体撮像素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】入射光ケラレとシェーディングの低減化を同時に実現することを目的とする。
【解決手段】基板11表面に形成された溝51内に転送レジスタ16を形成する固体撮像素子において、光電変換領域12の表面に傾斜52を設けることにより、入射光ケラレとシェーディングの低減化を同時に実現することができる。
【選択図】図1
【解決手段】基板11表面に形成された溝51内に転送レジスタ16を形成する固体撮像素子において、光電変換領域12の表面に傾斜52を設けることにより、入射光ケラレとシェーディングの低減化を同時に実現することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体撮像素子に関し、詳しくは遮光膜を有するインターレース式または、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の固体撮像素子および固体撮像素子の製造方法に関するものである。
近年、固体撮像素子は、多画素化が進み、画素サイズの縮小化が必要になってきている。しかし画素特性の維持は必要なため、光電変換領域および光電変換部上の開口部の拡大および同等維持が困難になってきている。
このような状況において、電極等の低段差化により集光力拡大も目的とした固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、特許文献1の固体撮像素子について図7を用いて説明する。
以下、特許文献1の固体撮像素子について図7を用いて説明する。
図7は特許文献1の固体撮像素子の構成を示す図である。
特許文献1のインターレース型の固体撮像素子は、図7(a)のレイアウト図および図7(b)の概略構成断面図に示すように転送レジスタ部分に溝151が形成されており、前記溝に囲まれて光電変換領域112が形成されている。この光電変換領域112は、上層にp+層からなるホールアキュムレーション層113が形成され、その下層にn+型拡散層(以下、n型層と称す)114が形成されてなる。この光電変換領域112のn型層114は、シリコン基板111表面に上記ホールアキュムレーション層113が形成されるためにシリコン基板111の深い位置まで形成される。上記光電変換領域112の一方側には、読み出しゲート115を介して、垂直転送レジスタ(以下、転送レジスタと称す)116が形成されている。この転送レジスタ116は、上層にn型層117を備え、その下層にp型層118をそなえている。さらに画素領域を分離する画素分離領域119が形成されている。上記光電変換領域112の他方側には画素分離領域119を介してこの画素に隣接する別の画素の転送レジスタ116が形成されている。上記転送レジスタ116および読み出しゲート115は、基板111の表面側に形成された上記溝151の底部に形成されている。
特許文献1のインターレース型の固体撮像素子は、図7(a)のレイアウト図および図7(b)の概略構成断面図に示すように転送レジスタ部分に溝151が形成されており、前記溝に囲まれて光電変換領域112が形成されている。この光電変換領域112は、上層にp+層からなるホールアキュムレーション層113が形成され、その下層にn+型拡散層(以下、n型層と称す)114が形成されてなる。この光電変換領域112のn型層114は、シリコン基板111表面に上記ホールアキュムレーション層113が形成されるためにシリコン基板111の深い位置まで形成される。上記光電変換領域112の一方側には、読み出しゲート115を介して、垂直転送レジスタ(以下、転送レジスタと称す)116が形成されている。この転送レジスタ116は、上層にn型層117を備え、その下層にp型層118をそなえている。さらに画素領域を分離する画素分離領域119が形成されている。上記光電変換領域112の他方側には画素分離領域119を介してこの画素に隣接する別の画素の転送レジスタ116が形成されている。上記転送レジスタ116および読み出しゲート115は、基板111の表面側に形成された上記溝151の底部に形成されている。
また、上記転送レジスタ116および読み出しゲート115上には、絶縁膜121を介して、電荷読み出し電極および電荷転送電極となる電極122が形成されている。さらに、層間絶縁膜123を介して、上記光電変換領域112上に開口部134を設けた遮光膜133が形成されている。
通常、マイクロレンズ等により集光された光は、光電変換領域112表面側の法線方向および斜め方向から入射する。上記集光された光は、光電変換領域112上の開口部134より、n型層114に進入し、n型層114で入射した光に相当する電荷量に変換される。そして、読み出しゲート115を通して、転送レジスタ116に電荷を転送する。
このように、上記特許文献1に開示されているような基板上の溝を利用した低段差化構造が提案されている。すなわち、低段差化により斜め方向から入射した光のケラレを発生させる遮蔽物を低減させることで、集光力の拡大も意図している。また、更なる高感度化の要求から光電変換領域への入射光損失とシェーディングの低減が必要である。
特開2004−319959号公報
しかしながら、基板表面に溝を形成し、その溝の底部に読み出し電極および転送電極を形成する従来の構成では、撮像エリア内の各画素の低段差量が一様であり、シェーディングを悪化させている撮像エリア内の局所箇所の入射光ケラレ低減が困難であるという問題点があった。
そこで、本発明の固体撮像素子は、入射光ケラレとシェーディングの低減化を同時に実現することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の固体撮像素子は、入射光を信号電荷に光電変換する複数の光電変換領域と、前記光電変換領域から前記信号電荷を読み出す読み出しゲートと、前記読み出しゲートによって読み出された前記信号電荷の転送を行う転送レジスタと、前記読み出しゲートおよび前記転送レジスタに電圧を印加する電極とを基板内に備え、前記基板の表面側の前記光電変換領域間に溝が形成され、前記溝の底部に前記転送レジスタおよび前記読み出しゲートならびに前記電極が形成され、前記光電変換領域表面が前記基板の表面に対して傾斜することを特徴とする。
また、前記溝を格子状に形成することを特徴とする。
また、前記光電変換領域を個々に分離する画素分離領域を前記溝内もしくは溝下部に形成することを特徴とする。
また、前記光電変換領域を個々に分離する画素分離領域を前記溝内もしくは溝下部に形成することを特徴とする。
また、少なくとも前記電極と前記溝の側壁との間を埋め込むように遮光膜を形成することを特徴とする。
また、前記電極の転送レジスタ方向に形成された部分を、前記溝内の前記画素分離領域の少なくとも一部上および前記転送レジスタ上および前記読み出しゲートの少なくとも一部上に形成することを特徴とする。
また、前記電極の転送レジスタ方向に形成された部分を、前記溝内の前記画素分離領域の少なくとも一部上および前記転送レジスタ上および前記読み出しゲートの少なくとも一部上に形成することを特徴とする。
また、前記溝の側壁を、傾斜または、垂直面で形成することを特徴とする。
また、前記溝の側壁が傾斜または、垂直面であることを特徴とする。
また、前記光電変換領域の表層に前記光電変換領域の内層の導電型と異なる導電型のホールアキュムレーション層を備えることを特徴とする。
また、前記溝の側壁が傾斜または、垂直面であることを特徴とする。
また、前記光電変換領域の表層に前記光電変換領域の内層の導電型と異なる導電型のホールアキュムレーション層を備えることを特徴とする。
また、前記光電変換領域表面の傾斜面の法線が、撮像領域の中心方向を向いていることを特徴とする。
また、前記撮像領域中心付近に配置している光電変換領域表面は前記基板表面と平行であることを特徴とする。
また、前記撮像領域中心付近に配置している光電変換領域表面は前記基板表面と平行であることを特徴とする。
また、前記光電変換領域表面の傾斜角を前記撮像領域中心からの距離に比例して段階的に大きくすることを特徴とする。
また、前記溝内に前記信号電荷を電圧に変換する浮遊容量と変換後の信号電荷をリセットするトランジスタとをさらに備えることを特徴とする。
また、前記溝内に前記信号電荷を電圧に変換する浮遊容量と変換後の信号電荷をリセットするトランジスタとをさらに備えることを特徴とする。
さらに、本発明の固体撮像素子の製造方法は、前記固体撮像素子の前記傾斜を形成する際に、前記基板にレジスト膜を形成する工程と、前記傾斜が設けられる領域上に傾斜上部から傾斜下部にかけて透過率が大きくなり、前記溝を形成する領域上の透過率が最大となるような石英ガラスを介して前記レジスト膜をエッチングすることにより前記溝を形成する領域上の前記レジスト膜を除去する工程と、前記レジスト膜をマスクとして前記基板表面をエッチングすることにより前記溝と前記傾斜とを同時に形成する工程とを有し、前記レジスト膜のエッチング工程にて前記傾斜に対応する前記レジスト膜表面の傾きを形成することを特徴とする。
以上により、入射光ケラレとシェーディングの低減化を同時に実現することができる。
以上のように、基板表面に形成された溝内に転送レジスタを形成する固体撮像素子において、光電変換領域の表面に傾斜を設けることにより、入射光ケラレとシェーディングの低減化を同時に実現することができる。
単位画素サイズの縮小にともなう感度及びシェーディングを抑制するという目的を、基板に溝を形成し、同時に光電変換領域の表面に傾斜を形成し、上記溝の底部の基板に画素分離領域、転送レジスタおよび読み出しゲートを形成し、転送レジスタおよび読み出しゲートの電極の少なくとも垂直転送方向に形成された部分は、溝内に形成することによって実現する。
(実施例1)
本発明の固体撮像素子にかかる第1実施例を、図1,図2によって説明する。
(実施例1)
本発明の固体撮像素子にかかる第1実施例を、図1,図2によって説明する。
図1は実施例1における固体撮像素子の構成を示す図であり、図1(a)は、平面レイアウト図を示し、図1(b)は、平面レイアウト図におけるA−A線断面の概略構成断面図を示す。図2は実施例1の固体撮像素子における光電変換領域の配置位置と傾斜方向との関係を説明する図である。
図1(a),図1(b)に示すように、p型の基板11に溝51と上記溝51に隣接して形成される光電変換領域12の表面に傾斜52が形成されている。上記溝51は、例えば、転送レジスタ方向(垂直転送方向)に形成される電極22の形成領域に形成され、その側壁は基板11に対して垂直に形成しても良いし、底面に比べて上部開口部のほうが広くなるようにななめに形成しても良い。斜めに形成することにより、後述のホールアキュムレーション層13を形成するためのイオン注入が容易となる。転送レジスタ16は光電変換領域12に隣接して垂直方向に形成され、転送レジスタ16に信号を供給する電極22は転送レジスタ16上、あるいは光電変換領域12間に水平方向にも形成される。そのため、電極が垂直,水平方向に形成される場合は、溝51は格子状に形成されることになる。上記光電変換領域12の表面の傾斜52は、傾斜部のもっとも低い位置が溝51の底部と同じ高さあるいは底部より高い位置に形成され、傾斜角度は、光電変換領域上に形成されるレンズのシュリンク量に応じて定められ、例えば、上記溝51の底表面と平行面に対して、3〜7°傾斜している。この場合、F値1〜12での斜め光に対して、おおよそ垂直方向になる。その場合、傾斜により、光電変換領域12は最も高いところと最も低いところで50〜100nmの高さの差が形成される。さらに、傾斜角度は前記範囲内の任意の角度に固定しても良いし、撮像領域中心からの距離に応じて斜め光に対しておおむね垂直方向に表面が傾斜するように、外周に向かって徐々に角度を大きくして良く、その場合、あらかじめ定めた複数の角度に段階的に大きくしていっても良い。さらに、撮像領域中心またはその周辺領域は傾斜を設けなくても良い。上記基板11は、半導体基板、例えばシリコン基板からなる。上記光電変換領域12は、n型層14から成り、その上層にn型層14と逆導電型のホールアキュムレーション層13をさらに設けても良い。光電変換領域12の表面にホールアキュムレーション層13を設けることにより、光電変換領域12の表面領域へ電子の偏析を抑制することができ、暗電流を防止することができる。また、上記溝51の底部における基板11には、上記光電変換領域12側より読み出しゲート15、転送レジスタ16、画素分離領域19が形成されている。上記転送レジスタ(垂直レジスタ)16は、上層にn型層17を備え、その下層にp型層18を備えている。
上記光電変換領域12の下層のn型層14は、溝の底部との平行性を保つために、上記光電変換領域12の表面に傾斜52形成前に形成してもよいし、光電変換領域12の上面との並行性を保つために、上記光電変換領域12の表面に傾斜52形成後に形成してもよい。また、上記光電変換領域12の上層のホールアキュムレーション層13上に、シリコン基板に進入する入射光の反射を防ぐ反射防止膜23が形成されている。反射防止膜23の屈折率は、シリコン基板<反射防止膜23<反射防止膜上層間膜(図示せず)である。
上記溝51の内面を含む上記基板11表面にはゲート絶縁膜21が形成され、上記溝51内の上記ゲート絶縁膜21上には電荷読み出し電極および電荷転送電極となる電極22が形成されている。ここでは、電極22は2層構造でも単層構造でもよい。この電極22は、図示したように、読み出しゲート15および転送レジスタ16の直上に形成されることが好ましい。
さらに、上記電極22を被覆する層間絶縁膜31が上記基板11表面に形成されている。さらに上記層間絶縁膜31を介して上記溝51の側壁を上記電極22間の隙間を埋め込むように、上記光電変換領域12上に開口部34を形成した遮光膜33が形成されている。
上記説明ではp型の基板11を用いる場合を例に説明したが、n型の基板11を用いる場合は、pwell領域を形成し、pwell領域内に上記構成要素を形成することもできる。
図2において、図2(a)は固体撮像素子1全体における光電変換領域12の配置の様子を示す図であり、ここでは9つの光電変換領域12が配置される場合を例示している。図2(b)は図2(a)の位置Aにおける光電変換領域12の傾斜方向を示す断面図、図2(c)は図2(a)の位置Bにおける光電変換領域12の傾斜方向を示す断面図、図2(d)は図2(a)の位置Cにおける光電変換領域12の傾斜方向を示す断面図である。
上記固体撮像素子1の傾斜方向は、図2に示すように、固体撮像素子1全体における撮像エリアの中心付近は、主に基板11に対して垂直方向からの入射光が入射されるため、光電変換領域12の表面と溝底部面が平行に形成される。これに対して、固体撮像素子1全体における周辺領域に形成される各光電変換領域12は、垂直方向からの入射光より中心方向からの入射光が増加するため、表面側の法線が撮像エリアの中心または中心付近を向くような方向に傾斜して形成される。このように、固体撮像素子1全体における光電変換領域12の形成領域に応じて、主に入射光が入射する方向である中心方向を向くように光電変換領域12の表面に傾斜を持たせることにより、各光電変換領域12の表面に入射する光の入射角が垂直になり、撮像エリアの局所的な最適化を図ることができ、集光改善し、感度、シェーディングを良化することが可能となる。
このとき、上記撮像エリア中央付近の溝底部面と平行な光電変換部12の表面の傾斜は、フォトマスクとエッチングを用いて表面高さを調節して形成する。
(実施例2)
以下、実施例2として、実施例1における固体撮像素子の製造方法例について、図3〜図6を用いて説明する。
(実施例2)
以下、実施例2として、実施例1における固体撮像素子の製造方法例について、図3〜図6を用いて説明する。
図3,図4は実施例2における固体撮像素子の製造方法を示す工程断面図である。図5は実施例2におけるn型層を先に形成する固体撮像素子の製造方法を示す工程断面図である。図6は実施例2の固体撮像素子の製造方法で用いるグレースケールマスクを説明する図であり、図6(a)はクレースケールマスクを用いる領域を説明する図、図6(b)はグレースケールマスクを用いてレジスト膜に傾斜を形成する工程を説明する図である。
図3(a),図3(b)に示すように、基板11上に酸化膜もしくは窒化膜からなるハードマスク層81を形成した後、レジスト膜82を形成する。上記基板11には半導体基板として、例えばシリコン基板を用いる。次いでリソグラフィー技術によってレジスト膜82に開口部83と傾斜した表面を形成する。本リソグラフィー技術の一例として、図6に示すようなグレースケールマスクを適用する。本マスクの特徴として、ステッパーに備え付けられている光源からの光を透過しない微小なサイズのクロム(遮光性あり)からなるドットをマスクに配置する。その遮光性のあるドットの密度を変化させることで、透過率を変化させることができ、レジスト膜82に照射されるエッチング光量が変化して図6(b)に示すような傾斜した表面を持つレジスト膜82を形成することが可能である。図6(b)に示すように石英ガラス91上に密度の異なるクロム等の膜92、93、94、95、96を形成し、その透過率を92<93<94<95<96とする。このレジスト膜82をエッチングマスクに用いて、ハードマスク層81、基板11をエッチングして、図3(b)に示すように、溝51と、後に光電変換領域12となる基板表面の傾斜を形成する。光電変換領域12の表面の傾斜は、レジスト膜82が転写されることで形成される。上記エッチングは、ドライエッチングにて行う。上記溝51の深さは、0.01μm以上、後に形成される光電変換領域のn型層の最もポテンシャルの深い位置までの深さが必要である。撮像エリア内で、グレースケールマスクを用いる場合の例として、図6(a)のように撮像領域の中心付近以外の領域等に用いることで、任意エリアでの傾斜方向の設定が可能となる。その後、ドライエッチングにて除去されなかった領域のレジスト膜82、ハードマスク層81を除去する。
次いで、図3(c)に示すように、上記溝51の内面を含む基板11表面に転送レジスタおよび読み出しゲートのゲート絶縁膜21を形成する。
次いで、図3(d)に示すように、既存の不純物ドーピング技術(例えば、イオン注入法)によって、上記溝51の底部の基板11にp−型層からなる読み出しゲート15を形成する。さらにp+型層からなる画素分離領域19を形成する。さらにp+型層であるp型層18とその上層にn型層17を形成して転送レジスタ16を形成する。さらに、基板11に光電変換領域12となるn型層14を形成する。上記各不純物ドーピング技術では、例えばその都度レジストマスクを形成して行う。
次いで、図3(d)に示すように、既存の不純物ドーピング技術(例えば、イオン注入法)によって、上記溝51の底部の基板11にp−型層からなる読み出しゲート15を形成する。さらにp+型層からなる画素分離領域19を形成する。さらにp+型層であるp型層18とその上層にn型層17を形成して転送レジスタ16を形成する。さらに、基板11に光電変換領域12となるn型層14を形成する。上記各不純物ドーピング技術では、例えばその都度レジストマスクを形成して行う。
以上の説明では、基板11に溝51と傾斜を形成した後で光電変換領域12となるn型層14を形成したが、n型層14の底部を基板11表面に対して平行に形成するために、溝51と傾斜の形成前にn型層14を形成しても良い。図5を用いてこの工程を説明する。
まず、図5(a)に示すように、基板11における光電変換領域12の形成領域にn型層14を選択的に形成する。
次に、図5(b),図5(c)に示すように、基板11上に酸化膜もしくは窒化膜からなるハードマスク層81を形成した後、レジスト膜82を形成する。次いでリソグラフィー技術によってレジスト膜82に開口部83と傾斜した表面を形成する。このレジスト膜82をエッチングマスクに用いて、ハードマスク層81、基板11をエッチングして、図5(c)に示すように、溝51と、後に光電変換領域12となる基板表面の傾斜を形成する。光電変換領域12の表面の傾斜は、レジスト膜82が転写されることで形成される。上記エッチングは、ドライエッチングにて行う。上記溝51の深さは、0.01μm以上、光電変換領域12のn型層14の最もポテンシャルの深い位置までの深さが必要である。
次に、図5(b),図5(c)に示すように、基板11上に酸化膜もしくは窒化膜からなるハードマスク層81を形成した後、レジスト膜82を形成する。次いでリソグラフィー技術によってレジスト膜82に開口部83と傾斜した表面を形成する。このレジスト膜82をエッチングマスクに用いて、ハードマスク層81、基板11をエッチングして、図5(c)に示すように、溝51と、後に光電変換領域12となる基板表面の傾斜を形成する。光電変換領域12の表面の傾斜は、レジスト膜82が転写されることで形成される。上記エッチングは、ドライエッチングにて行う。上記溝51の深さは、0.01μm以上、光電変換領域12のn型層14の最もポテンシャルの深い位置までの深さが必要である。
次に、図5(d)に示すように、上記溝51の内面を含む基板11表面に転送レジスタおよび読み出しゲートのゲート絶縁膜21を形成する。その後、既存の不純物ドーピング技術(例えば、イオン注入法)によって、上記溝51の底部の基板11にp−型層からなる読み出しゲート15を形成する。さらにp+型層からなる画素分離領域19を形成する。さらにp+型層であるp型層18とその上層にn型層17を形成して転送レジスタ16を形成する。以上により、n型層14底部の形状以外が図3(d)と同じとなる構造が形成される。
図3または図5の工程に次いで、図4(a)に示すように、上記溝51内のゲート絶縁膜21上に電荷転送電極および読み出し電極となる電極22を形成する。この電極22は、例えば、単層構造もしくは、2層構造に形成される。上記電極22の垂直転送方向に形成された部分は、溝51内の転送レジスタおよび読み出しゲート15の少なくとも一部上さらに画素分離領域19の少なくとも一部上に形成されることが好ましい。
その次に、図4(b)に示すように、不純物ドーピング技術(例えば、イオン注入法)によって、上記n型層14の上層にホールアキュムレーション層13(正孔蓄積層)を形成しても良い。この場合、n型層14およびホールアキュムレーション層13からなる光電変換領域12が形成される。この時、電子ノイズ低減として、溝51の側壁部の基板表面側にもp型不純物を注入する。溝51の側壁部を斜めに形成した場合には、この不純物注入が容易となる。
次いで、図4(c)に示すように、上記電極22を被覆する層間絶縁膜31と光電変換領域12上に反射防止膜23を形成する。反射防止膜23としては、窒化酸化物等を用い、屈折率は、層間絶縁膜31より高く、シリコン基板より低いことが望ましい。次に溝51と電極22との隙間を埋め込むように上記層間絶縁膜31を介して、基板11上に遮光膜33を形成する。遮光材料としては、タングステン等の金属材料を用いる。上記層間絶縁膜31は、光電変換領域12上の反射防止膜23と同時に形成してもよい。
上記遮光膜33は、溝51と電極22との隙間の全てもしくは一部を遮光膜33で埋め込む。その後、リソグラフィー技術とエッチング技術とによって、光電変換領域12上の遮光膜33を加工して開口部34を形成する。
上記製造方法で形成された固体撮像素子は、前記第1実施例で説明したような作用効果が得られる固体撮像素子となる。
以上のように、光電変換領域12の表面の傾斜を形成する際のマスクとしてグレースケールマスクを用いることで、傾斜方向をグレースケールマスクの透過率により、マスク枚数を増加することなく容易に調整することができる。また、光電変換領域12の表面の傾斜は、グレースケールマスクを用いることにより、該当部分のレジスト等の表面に形成された傾斜をプラズマエッチング等の手法により、シリコン基板表面に転写することで、溝51を形成するプロセスと同一にすることが可能である。
以上のように、光電変換領域12の表面の傾斜を形成する際のマスクとしてグレースケールマスクを用いることで、傾斜方向をグレースケールマスクの透過率により、マスク枚数を増加することなく容易に調整することができる。また、光電変換領域12の表面の傾斜は、グレースケールマスクを用いることにより、該当部分のレジスト等の表面に形成された傾斜をプラズマエッチング等の手法により、シリコン基板表面に転写することで、溝51を形成するプロセスと同一にすることが可能である。
以上の固体撮像素子の溝内に、さらに、信号電荷を電圧に変換する浮遊容量と変換後の信号電荷をリセットするトランジスタを設けることもできる。
本発明は、入射光ケラレとシェーディングの低減化を同時に実現することができ、遮光膜を有するインターレース式または、CMOSの固体撮像素子および固体撮像素子の製造方法等に有用である。
1 固体撮像素子
11 基板
12 光電変換領域
13 ホールアキュムレーション層
14 n型層
15 読み出しゲート
16 転送レジスタ
17 n型層
18 p型層
19 画素分離領域
21 ゲート絶縁膜
22 電極
23 反射防止膜
31 層間絶縁膜
33 遮光膜
34 開口部
51 溝
52 傾斜
81 ハードマスク層
82 レジスト膜
83 開口部
91 石英ガラス
92,93,94,95,96 膜
111 基板
112 光電変換領域
113 ホールアキュムレーション層
114 n型層
115 読み出しゲート
116 転送レジスタ
117 n型層
118 p型層
119 画素分離領域
121 ゲート絶縁膜
122 電極
123 層間絶縁膜
133 遮光膜
134 開口部
151 溝
11 基板
12 光電変換領域
13 ホールアキュムレーション層
14 n型層
15 読み出しゲート
16 転送レジスタ
17 n型層
18 p型層
19 画素分離領域
21 ゲート絶縁膜
22 電極
23 反射防止膜
31 層間絶縁膜
33 遮光膜
34 開口部
51 溝
52 傾斜
81 ハードマスク層
82 レジスト膜
83 開口部
91 石英ガラス
92,93,94,95,96 膜
111 基板
112 光電変換領域
113 ホールアキュムレーション層
114 n型層
115 読み出しゲート
116 転送レジスタ
117 n型層
118 p型層
119 画素分離領域
121 ゲート絶縁膜
122 電極
123 層間絶縁膜
133 遮光膜
134 開口部
151 溝
Claims (12)
- 入射光を信号電荷に光電変換する複数の光電変換領域と、
前記光電変換領域から前記信号電荷を読み出す読み出しゲートと、
前記読み出しゲートによって読み出された前記信号電荷の転送を行う転送レジスタと、
前記読み出しゲートおよび前記転送レジスタに電圧を印加する電極と
を基板内に備え、
前記基板の表面側の前記光電変換領域間に溝が形成され、前記溝の底部に前記転送レジスタおよび前記読み出しゲートならびに前記電極が形成され、前記光電変換領域表面が前記基板の表面に対して傾斜することを特徴とする固体撮像素子。 - 前記溝を格子状に形成することを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 前記光電変換領域を個々に分離する画素分離領域を前記溝内もしくは溝下部に形成することを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 少なくとも前記電極と前記溝の側壁との間を埋め込むように遮光膜を形成することを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 前記電極の転送レジスタ方向に形成された部分を、前記溝内の前記画素分離領域の少なくとも一部上および前記転送レジスタ上および前記読み出しゲートの少なくとも一部上に形成することを特徴とする請求項4記載の固体撮像素子。
- 前記溝の側壁が傾斜または、垂直面であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 前記光電変換領域の表層に前記光電変換領域の内層の導電型と異なる導電型のホールアキュムレーション層を備えることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 前記光電変換領域表面の傾斜面の法線が、撮像領域の中心方向を向いていることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 前記撮像領域中心付近に配置している光電変換領域表面は前記基板表面と平行であることを特徴とする請求項8記載の固体撮像素子。
- 前記光電変換領域表面の傾斜角を前記撮像領域中心からの距離に比例して段階的に大きくすることを特徴とする請求項8または請求項9のいずれかに記載の固体撮像素子。
- 前記溝内に前記信号電荷を電圧に変換する浮遊容量と変換後の信号電荷をリセットするトランジスタとをさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項8のいずれかに記載の固体撮像素子。
- 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の固体撮像素子の前記傾斜を形成する際に、
前記基板にレジスト膜を形成する工程と、
前記傾斜が設けられる領域上に傾斜上部から傾斜下部にかけて透過率が大きくなり、前記溝を形成する領域上の透過率が最大となるような石英ガラスを介して前記レジスト膜をエッチングすることにより前記溝を形成する領域上の前記レジスト膜を除去する工程と、
前記レジスト膜をマスクとして前記基板表面をエッチングすることにより前記溝と前記傾斜とを同時に形成する工程と
を有し、前記レジスト膜のエッチング工程にて前記傾斜に対応する前記レジスト膜表面の傾きを形成することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009032102A JP2010192482A (ja) | 2009-02-16 | 2009-02-16 | 固体撮像素子および固体撮像素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009032102A JP2010192482A (ja) | 2009-02-16 | 2009-02-16 | 固体撮像素子および固体撮像素子の製造方法 |
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JP2010192482A true JP2010192482A (ja) | 2010-09-02 |
Family
ID=42818239
Family Applications (1)
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JP2009032102A Pending JP2010192482A (ja) | 2009-02-16 | 2009-02-16 | 固体撮像素子および固体撮像素子の製造方法 |
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Country | Link |
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2009
- 2009-02-16 JP JP2009032102A patent/JP2010192482A/ja active Pending
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