JP2010191263A - 弦楽器 - Google Patents

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Kazuo Machida
一夫 町田
Hiroyuki Mizutani
宏幸 水谷
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TAIYO GAKKI KK
TAKAMINE GAKKI SEISAKUSHO KK
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TAIYO GAKKI KK
TAKAMINE GAKKI SEISAKUSHO KK
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Abstract

【課題】弦楽器からピックアップにより取り出される音を弦楽器本来の生音にできる限り近づけるようにする。
【解決手段】弦楽器Miを構成する共鳴胴1の内部に、マグネティックピックアップ3を配すると共に、このマグネティックピックアップ3とこの共鳴胴1の表側に位置される板状又は膜状の共鳴体2との間にこの共鳴体2に接しないようにして強磁性体から構成された金属箔4を配させてなる。
【選択図】図3

Description

この発明は弦楽器の改良に関する。
弦楽器にあっては、この弦楽器の音、つまり、弦をはじいたり、こすったりすることによって生じる振動を、電気的に出力させるために、ピックアップマイク(一般にピックアップと称される。)が取り付けられて使用される場合が少なくない。
かかるピックアップは、一般に、弦楽器の共鳴胴に取り付けられる。かかるピックアップは典型的には、例えばアコースティックギターであれば表甲、三味線であれば皮に取り付けられる。かかる表甲や皮の振動は、ピックアップによって電気信号として検出され、アンプを介して増幅された音となる。(特許文献1参照)
しかるに、弦楽器からピックアップによって取り出された音は、本来の音に比べて延びた音となる傾向がある。(エレキギターの音のように)こうしたことから、ピックアップを備えた弦楽器からこのピックアップにより取り出される音を弦楽器本来の生音にできる限り近づけるようにすることが望まれていた。
実公平7−31275号公報
この発明が解決しようとする主たる問題点は、弦楽器からピックアップにより取り出される音を弦楽器本来の生音にできる限り近づけるようにする点にある。
前記課題を達成するために、この発明にあっては、弦楽器を、共鳴胴の内部に、マグネティックピックアップを配すると共に、このマグネティックピックアップとこの共鳴胴の表側に位置される板状又は膜状の共鳴体との間にこの共鳴体に接しないようにして強磁性体から構成された金属箔を配させてなるものとした。
マグネティックピックアップは、コイルと永久磁石を組み合わせてなり、この永久磁石の磁界の変化を電気信号として検出する。共鳴体の振動により共鳴胴内に配された金属箔が振動すると前記磁界に変化が生じるため、この振動が電気信号として検出・出力される。共鳴体に単純に取り付けた金属の振動をマグネティックピックアップで検出するようにすると、弦楽器本来の生音に比べて延びた音が取り出されてしまう。そこで、共鳴体とマグネティックピックアップとの間に共鳴体に接しないように金属板を配置することを試みた。しかし、共鳴体に接しないように配された金属板は共鳴体の振動によりほとんど振動せず、共鳴体の振動はマグネティックピックアップにより検出できなかった。そこで、金属板を金属箔に代えたところ、マグネティックピックアップにより共鳴体の振動を電気信号として検出できると共に、弦楽器本来の生音に近い音を取り出すことができた。
かかるマグネティックピックアップと金属箔は、共鳴胴の内側部間に架設させた桟体により、前記のように都合良く共鳴胴内に配させることができる。
また、前記金属箔は共鳴体の内面にこの金属箔の一面を向き合わせるようにして配させ、さらに、この両面間の間隔が1mm〜3mmの範囲となるようにしておくことが好ましい。
この発明によれば、弦楽器からマグネティックピックアップにより取り出される音を弦楽器本来の生音にできる限り近づけるようにすることができる。
図1はこの発明を適用して構成された三味線の共鳴胴の正面構成図である。 図2は図1におけるA−A線位置での断面構成図である。 図3は図2の要部拡大構成図である。 図4はこの発明を適用して構成されたアコースティックギターの共鳴胴の正面構成図である。 図5におけるB−B線位置での断面構成図である。
以下、図1〜図5に基づいて、この発明を適用して構成された弦楽器Miの典型例について説明する。図1〜図3はこの発明を三味線に適用した例を、図4及び図5はこの発明をギターに適用した例を示している。
この実施の形態にかかる弦楽器Miは、共鳴胴1を構成する共鳴体2に弦1aを支持する駒を備えており、この弦1aをはじいいたり、こすったりすることで音を出すようになっている。もっともこの発明は、各種の弦楽器Mi、具体的には、アコースティックギター、クラシックギター、バイオリン、マンドリン、チェロ、ウクレレ、ビオラ、コントラバス、大正琴、三味線、蛇味線、びわなどに適用することができるものである。
そして、この実施の形態にかかる弦楽器Miにあっては、共鳴胴1の内部にマグネティックピックアップ3を備えており、共鳴体2に伝えられる弦1aの振動を、マグネティックピックアップ3を介して電気信号として検出してこれを出力できるようになっている。
そして、この実施の形態にかかる弦楽器Miにあっては、かかるマグネティックピックアップ3とこの共鳴胴1の表側に位置される板状又は膜状の共鳴体2との間に、この共鳴体2に接しないようにして強磁性体から構成された金属箔4を配させている。
かかるマグネティックピックアップ3は、コイルと永久磁石を組み合わせてなり、この永久磁石の磁界の変化を電気信号として検出する。共鳴体2の振動により共鳴胴1内に配された金属箔4が振動すると前記磁界に変化が生じるため、この振動が電気信号として検出・出力される。共鳴体2に単純に取り付けた金属の振動をマグネティックピックアップ3で検出するようにすると、弦楽器Mi本来の生音に比べて延びた音が取り出されてしまう。一方、共鳴体2とマグネティックピックアップ3との間に共鳴体2に接しないように金属板を配置しただけではかかる金属板は共鳴体2の振動によりほとんど振動せず、共鳴体2の振動はマグネティックピックアップ3により検出できない。共鳴体2との間に間隔を開けてこの共鳴体2とマグネティックピックアップ3との間に金属箔4を配すれば、共鳴体2の振動により金属箔4を適切に振動させることができ、マグネティックピックアップ3により共鳴体2の振動を電気信号として検出できると共に、弦楽器Mi本来の生音に近い音を取り出すことができる。すなわち、かかるマグネティックピックアップ3を介して電気的に出力される音を、その弦楽器Miから自然に生じる音、いわゆる生音(ピックアップを経ないで弦楽器Miの共鳴胴1から空気振動によって自然に伝わる音)にできる限り近づけることができる。つまり、アコースティックギターであればアコスティックギター本来の音を、三味線であれば三味線本来の音を、マグネティックピックアップ3を介して電気的に出力させることができる。
図示の例では、かかるマグネティックピックアップ3は、図示しないコイルと永久磁石を備えると共に、これらの外側を合成樹脂で覆ってなるものとなっている。図中符号3aで示されるのは、かかるマグネティックピックアップ3の検出した電気信号を外部に出力させるための配線である。
図示の例では、かかるマグネティックピックアップ3と金属箔4は、共鳴胴1の内側部間に架設させた桟体1cにより、この共鳴胴1内に都合良く配されている。
三味線の適用例(図1〜図3)では、桟体1cは、その右端を共鳴胴1の右側の内側部に形成された凹部1iにはめ込むと共に、その左端を共鳴胴1の左側の内側部に形成された凹部1iにはめ込んで、共鳴胴1の表側、つまり弦1aの張り込み側に位置される膜状の共鳴体2としての皮の内面2a下に配されている。図示の例では、桟体1cは、角棒状をなす基部1dの両端間に共鳴体2の側に向けて突き出す台状部1eを形成させてなる。台状部1eの幅は基部1dより広くなっており、図示の例では、この台状部1eにおける共鳴胴1の下方(三味線の棹の取り付け側と反対の側)に向いた下側面1gは基部1dの下側面1hよりも下方に突き出されている。マグネティックピックアップ3は、この台状部1eにおける下方への突きだし箇所に形成された前記共鳴体2側に開放した彫り込み部1fにその裏側を納めてはめ込まれており、弦1aの張り込み方向に対しマグネッティックピックアップ3の長さ方向が略直交する向きとなるように配されている。
アコースティックギターの適用例(図4及び図5)では、桟体1cは、その右端を共鳴胴1の右側の内側部に固定されると共に、その左端を共鳴胴1の左側の内側部に固定されて、共鳴胴1の表側、つまり弦1aの張り込み側に位置される膜状の共鳴体2としての表甲(表板)の内面2a下に配されている。このアコースティックギターの適用例における桟体1cの構成は三味線の適用例と実質的に同一となっている。
図示の例では、かかる桟体1cの台状部1eにおける前記共鳴体2側に向けられた表面に枠状体5が取り付けられていると共に、この枠状体5の表面に枠内を覆うように金属箔4が貼り付けられている。かかる枠状体5は、その枠内にマグネティックピックアップ3を納め、かつ、台状部1eの表面への取り付け状態において貼り込まれた金属箔4をマグネティックピックアップ3の表面3bに接しさせない厚さを備えている。そして、図示の例では、台状部1eの表面に枠内にマグネティックピックアップ3を納めるようにして枠状体5が接着などして止着され、このように止着される枠状体5によってマグネティックピックアップ3の表面3bを金属箔4により覆わせている。
すなわち、前記金属箔4は前記共鳴体2の内面2aにこの金属箔4の一面4aを向き合わせるようにして配されると共に、この両面2a、4a間に間隔が形成されている。かかる両面2a、4a間の間隔は1mm〜3mmの範囲となるようにしておくことが好ましい。また、金属箔4としては、厚さ20μm程度の鉄箔などを利用することが好ましい。典型的には、三味線の場合、共鳴体2としての皮の厚さは1mm程度であり、この皮と金属箔4との間に1mm〜3mmの間隔を形成させ、また、マグネティックピックアップ3の表面3bと金属箔4の他面4bとの間にも1mm程度の間隔を形成させておく。
なお、アコースティックギターの場合、共鳴体2としての表甲の厚さは2mm〜3mm程度であり、この表甲皮と金属箔4との間に1mm〜3mmの間隔を形成させ、また、マグネティックピックアップ3と金属箔4の他面3bとの間にも1mm程度の間隔を形成させておく。
Mi 弦楽器
1 共鳴胴
2 共鳴体
3 マグネティックピックアップ
4 金属箔

Claims (3)

  1. 共鳴胴の内部に、マグネティックピックアップを配すると共に、このマグネティックピックアップとこの共鳴胴の表側に位置される板状又は膜状の共鳴体との間にこの共鳴体に接しないようにして強磁性体から構成された金属箔を配させてなることを特徴とする弦楽器。
  2. 共鳴胴の内側部間に架設された桟体によりマグネティックピックアップと金属箔とが支持されていることを特徴とする請求項1に記載の弦楽器。
  3. 共鳴体の内面に一面を向き合わせるようにして金属箔が配されていると共に、この両面間の間隔が1mm〜3mmの範囲となるようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弦楽器。
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