JP2010191033A - マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、および電気光学装置ならびに電子機器 - Google Patents

マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、および電気光学装置ならびに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】歩留まりの向上が期待できる。かつコントラスト向上、面内輝度ムラの低減等により表示性能が向上するマイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、および電気光学装置ならびに電子機器を提供する。
【解決手段】マイクロレンズ基板の製造方法は、第1の基板10の一方の面にマイクロレンズに対応する形状の凹部20を形成する工程と、導電性を有する第2の基板32の表面に対して撥水処理を行う工程と、撥水処理した第2の基板32上に、透明導電膜18を形成する工程と、透明導電膜18上に、遮光膜16を形成する工程と、遮光膜16および透明導電膜18上に、絶縁膜14を形成する工程と、第1の基板10の表面を覆うように、樹脂36を付与する工程と、第1の基板10と第2の基板32との積層体を形成する工程と、樹脂36を硬化させる工程と、第2の基板32を透明導電膜18から剥離する工程と、を備えた。
【選択図】図4

Description

本発明は、マイクロレンズ基板の製造方法、マイクロレンズ基板、および電気光学装置ならびに電子機器に関するものである。
スクリーン上に、画像を投影する投射型表示装置が知られている。
このような投射型表示装置では、通常、その画像形成に液晶パネル(液晶光シャッター)が用いられている。
この液晶パネルは、例えば、各画素を制御する薄膜トランジスター(TFT)と画素電極とを有する液晶駆動基板(TFT基板)と、ブラックマトリックスや共通電極等が設けられた液晶パネル用対向基板とが、液晶層を介して接合された構成となっている。
このような構成の液晶パネル(TFT液晶パネル)では、透過光の光エネルギーによるTFT素子の劣化を防ぐ目的、また、画像のコントラストを向上させる目的で、液晶パネル用対向基板の画素となる部分以外のところにブラックマトリックスが形成されているため、液晶パネルを透過する光の領域は制限される。このため、光の透過率が下がる。
かかる光の透過率を高めるべく、液晶パネル用対向基板としては、各画素に対応する位置に多数の微小なマイクロレンズが設けられたマイクロレンズ基板に、ブラックマトリックスや共通電極等を設けたものが知られている。これにより、液晶パネル用対向基板を透過する光は、ブラックマトリックスに形成された開口に集光され、光の透過率が高まる。
このようなマイクロレンズ基板を形成する方法として、例えば、複数のマイクロレンズ形成用凹部を有する凹部付き基板に、未硬化の樹脂を供給し、平滑な透明基板(カバーガラス)を接合し、押圧・密着させ、その後、樹脂を硬化させる方法、いわゆる2P法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−65422号公報
しかしながら、特許文献1によれば成形後の剥離プロセスで、剥離される面の少なくとも一方は、導電性のない樹脂である。これは剥離プロセスにおいて樹脂が帯電しやすく、得られるマイクロレンズ基板上にパーティクルが残存する可能性があり、歩留りの低下を引き起こしやすい。しかも、樹脂を成形した後にブラックマトリックスと透明導電膜を成形するため、ブラックマトリックスの段差が液晶層に存在することになり、配向制御が困難になる可能性がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]光透過性を有する第1の基板の一方の面にマイクロレンズに対応する形状の凹部を形成する工程と、導電性を有する第2の基板の表面に対して撥水処理を行う工程と、前記撥水処理した前記第2の基板上に、透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜上に、遮光膜を形成する工程と、前記遮光膜および前記透明導電膜上に、絶縁膜を形成する工程と、前記第1の基板の表面および前記凹部を覆うように、流動性を有する樹脂を付与する工程と、前記樹脂が設けられた前記第1の基板上に、前記絶縁膜を介して前記第2の基板を接合させ、前記第1の基板と前記第2の基板との積層体を形成する工程と、前記樹脂を硬化させて、前記凹部内にマイクロレンズを形成する工程と、前記第2の基板を前記透明導電膜から剥離する工程とを備えたことを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
これによれば、押圧する透明導電膜と剥離される第2の基板とがともに導電性の材質であるため、成形後の剥離プロセスでの帯電を防止でき、得られるマイクロレンズ基板上のパーティクルの付着を抑制でき、歩留まりの向上が期待できる。かつ遮光膜を成形してから樹脂をプレス成形するので、遮光膜の段差が樹脂中に吸収され、液晶面がフラットになり液晶配向が均一になる。これにより、配向制御が容易になるのでコントラスト向上、面内輝度ムラの低減等により表示性能が向上する。
[適用例2]光透過性を有し、一方の面にマイクロレンズに対応する形状の凹部を有する第1の基板と、前記第1の基板の前記凹部を有する面側に設けられ、前記凹部に対応する形状の凸部を有する凸レンズ基板と、前記凸レンズ基板上に設けられた絶縁膜と、前記絶縁膜上に設けられた遮光膜と、前記遮光膜および前記絶縁膜上に設けられた透明導電膜と、を備えたことを特徴とするマイクロレンズ基板。
これによれば、押圧する透明導電膜と剥離される第2の基板とがともに導電性の材質であるため、成形後の剥離プロセスでの帯電が防止でき、得られるマイクロレンズ基板上のパーティクルの付着を抑制でき、歩留まりの向上が期待できる。かつ遮光膜を成形してから樹脂をプレス成形するので、遮光膜の段差が樹脂中に吸収され、液晶面がフラットになり液晶配向が均一になる。これにより、配向制御が容易になるのでコントラスト向上、面内輝度ムラの低減等により表示性能が向上する。
[適用例3]上記に記載のマイクロレンズ基板と、前記マイクロレンズ基板と対向配置される素子基板と、を備えたことを特徴とする電気光学装置。
これによれば、上記に記載のマイクロレンズ基板を備えることにより配向制御が容易になるのでコントラスト向上、面内輝度ムラの低減等により、電気光学装置の表示性能が向上する。
[適用例4]上記に記載の電気光学装置を備えて構成されていることを特徴とする電子機器。
これによれば、上記に記載の電気光学装置を備えることにより配向制御が容易になるのでコントラスト向上、面内輝度ムラの低減等により、電子機器の表示性能が向上する。
本実施形態に係るマイクロレンズ基板を示す模式的な縦断面図。 本実施形態に係るマイクロレンズ基板を構成する凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図。 本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造方法を示す模式的な縦断面図。 本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造方法を示す模式的な縦断面図。 本実施形態に係る液晶パネルを示す模式的な縦断面図。 本実施形態に係る投射型表示装置の光学系を模式的に示す図。
以下、本実施形態を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
(マイクロレンズ基板)
まず、本実施形態のマイクロレンズ基板について説明する。
図1は、本実施形態に係るマイクロレンズ基板を示す模式的な縦断面図である。
本実施形態に係るマイクロレンズ基板2は、図1に示すように、第1の基板としての凹部付き基板10と、凸レンズ基板12、絶縁膜14、遮光膜としてのブラックマトリックス16と、透明導電膜18とで構成されている。
また、凹部付き基板10は、ガラス、石英等の材料で構成されたものであり、その表面に複数の凹部(マイクロレンズ用凹部)20を有している。
凹部付き基板10を構成する材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられるが、中でも、石英、ガラス等が好ましい。石英基板、ガラス基板は、機械的強度、耐熱性が高く、また、線膨張係数が非常に低く、熱による形状の変化が少ない。また、短波長領域の透過率も高く光エネルギーによる劣化もほとんどないという利点もある。
凹部20の平面視したときの直径は、特に限定されないが、5〜100μmであるのが好ましく、10〜50μmであるのがより好ましい。凹部20の直径が前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板2を備えた液晶パネルにより投影される画像の解像度を十分に優れたものとすることができるとともに、後述する製造方法において、凸レンズ基板12のマイクロレンズ22を、凹部付き基板10の凹部20において隙間無く形成することができ、凹部付き基板10と凸レンズ基板12との密着性を十分に優れたものとすることができる。
また、凹部20の平均曲率半径は、2.5〜50μmであるのが好ましく、5〜25μmであるのがより好ましい。凹部20の平均曲率半径が前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板2の光学特性を特に優れたものとすることができる。
また、凹部20の深さは、5〜100μmであるのが好ましく、10〜50μmであるのがより好ましい。凹部20の深さが前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板2の光学特性を特に優れたものとすることができるとともに、凹部付き基板10と凸レンズ基板12との密着性を特に優れたものとすることができる。
凸レンズ基板12は、凹部付き基板10の凹部20に対応する形状の凸レンズとしてのマイクロレンズ22を複数有している。そして、マイクロレンズ22は、凹部付き基板10の凹部20内に充填されるように形成されている。このように、凹部付き基板10と凸レンズ基板12とは密着している。
凸レンズ基板12が有するマイクロレンズ22と、凹部付き基板10が有する凹部20とは、凸部と凹部の関係である以外は、同様の形状を有している。
したがって、マイクロレンズ22の平面視したときの直径は、特に限定されないが、3〜100μmであるのが好ましく、5〜50μmであるのがより好ましい。マイクロレンズ22の直径が前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板2を備えた液晶パネルにより投影される画像の解像度を十分に優れたものとすることができるとともに、凹部付き基板10と凸レンズ基板12との密着性を十分に優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ22の平均曲率半径は、2.5〜50μmであるのが好ましく、5〜25μmであるのがより好ましい。マイクロレンズ22の平均曲率半径が前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板2の光学特性を特に優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ22の高さは、5〜100μmであるのが好ましく、10〜50μmであるのがより好ましい。マイクロレンズ22の高さが前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板2の光学特性を特に優れたものとすることができるとともに、凹部付き基板10と凸レンズ基板12との密着性を特に優れたものとすることができる。
凹部付き基板10を構成する材料についての波長550nmの光の屈折率と、凸レンズ基板12の構成材料についての波長550nmの光の屈折率との差の絶対値は、0.01以上であるのが好ましく、0.10以上であるのがより好ましい。これにより、マイクロレンズ22の光学特性をより好適なものとすることができる。
マイクロレンズ基板2は、上記のような凸レンズ基板12と、かかる凸レンズ基板12上に凸レンズ基板12を覆うように形成された絶縁膜14と、かかる絶縁膜14上に形成され、複数(多数)の開口24を有する遮光膜としてのブラックマトリックス16と、かかる絶縁膜14上にブラックマトリックス16を覆うように形成された透明導電膜(共通電極)18とを有している(図1参照)。
遮光機能を有するブラックマトリックス16は、マイクロレンズ22の位置に対応するように設けられている。具体的には、マイクロレンズ22の光軸Qがブラックマトリックス16に形成された開口24を通るように、ブラックマトリックス16は設けられている。したがって、マイクロレンズ基板2では、ブラックマトリックス16と対向する面から入射した入射光Lは、マイクロレンズ22で集光され、ブラックマトリックス16の開口24を通過する。
ブラックマトリックス16は、例えば、Cr、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti等の金属膜、カーボンやチタン等を分散した樹脂層などで構成されている。その構成材料は特に限定されるものではないが、その中でも、ブラックマトリックス16は、Cr膜またはAl合金膜で構成されていることが好ましい。ブラックマトリックス16がCr膜で構成されたものであると、ブラックマトリックス16の遮光性を特に優れたものとすることができる。また、ブラックマトリックス16が上記のような材料で構成されたものであると、凸レンズ基板12とブラックマトリックス16との密着性を特に優れたものとすることができる。
ブラックマトリックス16の厚さは、0.01〜0.2μmであるのが好ましく、0.05〜0.1μmであるのがより好ましい。ブラックマトリックス16の厚さが前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板2の平坦性を十分に高いものとしつつ、ブラックマトリックス16による遮光性を特に優れたものとすることができる。
透明導電膜18は、透明性を有する電極であり、光を透過する。このため、入射光Lは、マイクロレンズ基板2を通過する際に、光量の大幅な減衰が防止される。すなわち、マイクロレンズ基板2は、高い光透過率を有している。
透明導電膜18の構成材料としては、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)等が挙げられる。
また、透明導電膜18の厚さは、特に限定されないが、0.1〜1μmであるのが好ましく、0.1〜0.5μmであるのがより好ましい。
上記のようなマイクロレンズ基板2では、1個のマイクロレンズ22と、ブラックマトリックス16の1個の開口24とが、1画素に対応している。
なお、マイクロレンズ基板2は、上記で述べた以外の構成を有するものであってもよい。例えば、凹部付き基板10の外表面側には、反射防止層が設けられていてもよい。また、透明導電膜18の外表面側には、配向膜が設けられていてもよい。
(マイクロレンズ基板の製造方法)
次に、本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、マイクロレンズ基板の製造方法がこれに限定されるものではないことは、言うまでもない。
図2は、本実施形態に係るマイクロレンズ基板を構成する凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図、図3および4は、本実施形態に係るマイクロレンズ基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。
(凹部付き基板の製造)
まず、本実施形態のマイクロレンズ基板を構成する凹部付き基板の製造方法の一例を、添付図面を参照しながら説明する。
まず、第3の基板26を用意する。
この第3の基板26は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、第3の基板26は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
第3の基板26は、上述した凹部付き基板10の構成材料として例示したようなガラス、石英等の材料で構成されたものである。
(1)図2(A)に示すように、用意した第3の基板26の表面に、マスク形成用膜28’を形成する。このマスク形成用膜28’は、後の工程において開口部(初期孔)が形成されることにより、マスクとして機能するものである。
マスク形成用膜28’は、レーザー光の照射、フォトリソグラフィおよびエッチング工程等により、後述する初期孔30を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク形成用膜28’は、エッチングレートが、第3の基板26とほぼ等しいか、または、第3の基板26に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、このマスク形成用膜28’(マスク28)を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。また、マスク28を、Cr/Auや酸化Cr/Crのように異なる材料からなる複数の層の積層構造としてもよい。
マスク形成用膜28’の形成方法は特に限定されないが、マスク形成用膜28’をCr、Au等の金属材料(合金を含む)や金属酸化物(例えば酸化Cr)で構成されたものとする場合、マスク形成用膜28’は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、マスク形成用膜28’をシリコンで構成されたものとする場合、マスク形成用膜28’は、例えば、スパッタリング法やCVD法等により、好適に形成することができる。
マスク形成用膜28’(マスク28)の厚さは、マスク形成用膜28’を構成する材料によっても異なるが、0.01〜2.0μm程度が好ましく、0.03〜0.2μm程度がより好ましい。厚さが前記下限値未満であると、後述する初期孔形成工程において形成される初期孔30の形状が歪んでしまう可能性がある。また、後述するエッチング工程でウェットエッチングを施す際に、第3の基板26のマスクした部分を十分に保護できない可能性がある。一方、上限値を超えると、後述する初期孔形成工程において、貫通する初期孔30を形成するのが困難になるほか、マスク形成用膜28’の構成材料等によっては、マスク形成用膜28’の内部応力によりマスク形成用膜28’が剥がれ易くなる場合がある。
(2)次に、図2(B)に示すように、マスク形成用膜28’に、後述するエッチングの際のマスク開口となる、複数個の初期孔30を形成する。これにより、所定の開口パターンを有するマスク28が得られる。
初期孔30は、いかなる方法で形成されるものであってもよいが、物理的方法またはレーザー光の照射、フォトリソグラフィおよびエッチング工程等により形成されるのが好ましい。これにより、例えば、凹部付き基板、マイクロレンズ基板を生産性良く製造することができる。特に、大面積の基板にも簡単に凹部を形成することができる。
初期孔30を形成する物理的方法としては、例えば、ショットブラスト、サンドブラスト等のブラスト処理、エッチング、プレス、ドットプリンター、タッピング、ラビング等の方法が挙げられる。ブラスト処理により初期孔30を形成する場合、比較的大きい面積(マイクロレンズ22を形成すべき領域の面積)の第3の基板26でも、より短時間で効率良く、初期孔30を形成することができる。
また、レーザー光の照射により初期孔30を形成する場合、使用するレーザー光の種類は、特に限定されないが、ルビーレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー、フェムト秒レーザー、ガラスレーザー、YVO4レーザー、Ne−Heレーザー、Arレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。また、各レーザーのSHG、THG、FHG等の波長を使ってもよい。レーザー光の照射により初期孔30を形成する場合、形成される初期孔30の大きさや、隣接する初期孔30同士の間隔等を容易かつ正確に制御することができる。
形成された初期孔30は、マスク28の全面に亘って偏りなく形成されているのが好ましい。
なお、第3の基板26全面にマスク形成用膜28’を成膜した後、所定パターン(この場合、初期孔30以外を覆うパターンということになる)を有するレジストを形成し、続いて、マスク形成用膜28’に対するエッチングを実施する。いわゆるフォトリソグラフィ法を利用してもよい。
(3)次に、図2(C)に示すように、初期孔30が形成されたマスク28を用いて第3の基板26にエッチングを施し、第3の基板26上に多数の凹部20を形成する。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期孔30が形成されたマスク28で被覆された第3の基板26に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図2(C)に示すように、第3の基板26は、マスク28が存在しない部分より食刻され、図2(D)に示すように、第3の基板26上に多数の凹部20が形成される。
このようにウェットエッチング法を用いると、凹部20を好適に形成することができる。そして、エッチング液として、例えば、フッ酸(フッ化水素)を含むエッチング液(フッ酸系エッチング液)を用いると、第3の基板26をより選択的に食刻することができ、凹部20を好適に形成することができる。
(4)次に、図2(E)に示すように、マスク28を除去する。
マスク28の除去は、例えば、エッチング等によって除去することができる。
以上により、図2(E)に示すように、多数の凹部20を有する凹部付き基板10が得られる。
なお、必要に応じて、マスク形成用膜28’を形成する際に、凹部20を形成する面とは反対側の面(裏面)に、マスク形成用膜28’と同様の材料で構成される裏面保護膜を設けてもよい。これにより、全体がエッチングされないため、第3の基板26の厚さを保持することができる。
(積層体付き押圧部材の製造)
次に、本実施形態のマイクロレンズ基板を構成する凹部付き基板上の樹脂を押下する積層体付き押圧部材の製造方法の一例を、添付図面を参照しながら説明する。
まず、第2の基板としての導電性基板32を用意する。導電性基板32は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。導電性基板32としては、例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼などからなる金属製基板を使用する。また、チタン、クロムなどの金属材料をスパッタリングしたシリコン基板などを用いる。本実施形態においては、導電性基板32の表面に、透明導電膜(共通電極)18を形成する。また、導電性基板32は、その表面が撥水処理されている。さらに、導電性基板32は、撥水処理前に洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。これにより、後述する工程において、導電性基板32を効率良く透明導電膜18の表面から取り除くことができる。
また、例えば透明導電膜18がITOの場合、ITOが表面に成膜されていると、その表面比抵抗の範囲は、101〜102Ω/□である。これに対し帯電を防止できる表面比抵抗の範囲は、104〜106Ω/□であれば十分可能である。これにより、透明導電膜18と導電性基板32とがともに導電性の材質であるため、成形後の剥離プロセスでの帯電を防止することができる。
(導電性基板の撥水処理)
導電性基板32の表面に撥水処理を施す。つまり、導電性基板32の表面に撥水層を形成することによって、導電性基板32の表面を所望の表面張力、界面張力に制御する。
撥水処理としては、例えば、プラズマ重合による手法を用いることができる。この処理では、撥水処理のための原料液を用意する。原料液としては、C410やC816などの直鎖状PFCからなる液体有機物が好適に用いられる。このような原料液を用意したのち、この蒸気をプラズマ処理装置においてプラズマ化する。すると、この直鎖状PFCの蒸気はプラズマ化されたことにより、直鎖状PFCの結合の一部が切断されて活性化する。このようにして結合の一部が切断され、活性化したPFCが導電性基板32の表面に到達すると、これらPFCは導電性基板32上にて互いに重合し、撥水性を有するフッ素樹脂重合膜となる。
なお、撥水処理の原料液としては、例えば、デカトリエンを用いることもできる。その場合、プラズマ処理によって活性化させたCF4または酸素を添加することにより、得られる重合膜に撥水性を付与することができ、これによって撥水の重合膜を形成することができる。また、撥水処理の原料液としてはフルオロカーボンを用いることもできる。その場合、プラズマ化によって活性化したCF4を添加することにより、プラズマ化によって原料液であるフルオロカーボン中のフッ素の一部が離脱したとしても、活性なフッ素が得られる重合膜中に取り込まれるため、形成するフッ素樹脂重合膜の撥水性を高めることができる。
また、導電性基板32は、透明導電膜18側の面が平坦な部材である。また、導電性基板32は、透明導電膜18側の面に、離型処理が施されたものであってもよい。これにより、後述する工程において、導電性基板32を効率良く透明導電膜18の表面から取り除くことができる。離型処理としては、例えば、メタキシレンヘキサフォロライドを主成分としたフッ素系化合物溶液を用いた被膜の形成、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の離型性を有する物質で構成される被膜の形成、ヘキサメチルジシラザン([(CH33Si]2NH)等のシリル化剤による表面処理、フッ素系ガスによる表面処理等が挙げられる。
(1)図3(A)に示すように、用意した導電性基板32の表面に、透明導電膜(共通電極)18を形成する。
この透明導電膜18は、例えば、スパッタリング等の気相成膜法により形成することができる。
(2)次に、図3(B)に示すように、透明導電膜18上に、開口24が形成されたブラックマトリックス16を形成する。例えばブラックマトリックス16は、厚さ100nmのAl膜で形成する。
このとき、ブラックマトリックス16は、マイクロレンズ22の位置に対応するように、具体的には、マイクロレンズ22の光軸Qがブラックマトリックス16の開口24を通るように形成する(図1参照)。
開口24を有するブラックマトリックス16は、例えば、以下のように形成することができる。まず、透明導電膜18上にスパッタリング等の気相成膜法によりブラックマトリックス16となる薄膜を成膜する。次に、かかるブラックマトリックス16となる薄膜上にレジスト膜を形成する。次に、ブラックマトリックス16の開口24がマイクロレンズ22(凹部20)に対応する位置に来るように、前記レジスト膜を露光してかかるレジスト膜に開口24のパターンを形成する。次に、ウェットエッチングを行い、前記薄膜のうちの開口24となる部分のみを除去する。次に、前記レジスト膜を除去する。なお、ウェットエッチングを行う際のエッチング液としては、例えば、ブラックマトリックス16となる薄膜がAl合金等で構成されているときは、リン酸系エッチング液を用いることができる。
なお、開口24が形成されたブラックマトリックス16は、塩素系ガス等を用いたドライエッチングによっても好適に形成することができる。
(3)次に、透明導電膜18上に、ブラックマトリックス16を覆うように絶縁膜14を形成する(図3(C)参照)。
この絶縁膜14は、例えば、スパッタリング等の気相成膜法により形成することができる。また絶縁膜14は、厚さ50nmのSiO2膜で形成する。
以上により、図3(C)に示すように、絶縁膜14、ブラックマトリックス16と、透明導電膜18とを有する積層体付き押圧部材34が得られる。
(樹脂付与工程)
まず、図4(A)に示すように、凹部付き基板10の凹部20が形成された側の面に、流動性を有する状態の樹脂36を付与する。樹脂36は、例えばアクリルなどの透明な樹脂材料からなる。
樹脂36の室温(20℃)での粘度は、特に限定されないが、10〜10000[mPa・s]であるのが好ましい。樹脂36の粘度が前記範囲内の値であると、厚みの比較的大きい凸レンズ基板12であっても容易かつ確実に形成することができ、光学特性、信頼性に優れたマイクロレンズ基板2を容易かつ確実に製造することができる。また、例えば、凹部付き基板10と凸レンズ基板12との間に、気泡等が侵入することを効果的に防止することができ、凹部付き基板10と凸レンズ基板12との密着性を特に優れたものとすることができるとともに、マイクロレンズ基板2の信頼性、光学特性を特に優れたものとすることができる。
(脱気工程)
次に、凹部付き基板10上の樹脂36に対して脱気処理を施す。これにより、後述する押圧工程において、凹部付き基板10の表面と樹脂36との間に、雰囲気(空気)が残存するのを効果的に防止することができる。その結果、凹部20の形状に対応したマイクロレンズ22を確実に形成することができる。
脱気処理の方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂36が付与された凹部付き基板10を減圧雰囲気下に置く方法等が挙げられる。このような方法を採用する場合、樹脂36が付与された凹部付き基板10の置かれる雰囲気の圧力は、50Pa以下であるのが好ましく、5Pa以下であるのがより好ましい。
(押圧工程)
次に、図4(B)に示すように、凹部付き基板10上の樹脂36を積層体付き押圧部材34で押圧する。このとき、ブラックマトリックス16は、マイクロレンズ22の位置に対応するように、具体的には、マイクロレンズ22の光軸Qがブラックマトリックス16の開口24を通るように形成する(図1参照)。
また、特に、本実施形態では、凹部付き基板10と、積層体付き押圧部材34との間に、スペーサー38を配した状態で、樹脂36を押圧する。これにより、形成される凸レンズ基板12の厚さをより確実に制御することができ、最終的に得られるマイクロレンズ基板2を用いた際における、色ムラ等の不都合の発生をより効果的に防止することができる。
スペーサー38は、例えば、凹部付き基板10上の凹部20が設けられた有効領域(マイクロレンズ22が形成されるべき有効領域)以外の領域(非有効領域)に配置することができる。スペーサー38を凹部付き基板10の非有効領域に配置することにより、例えば、凹部付き基板10が1枚の液晶パネル用のマイクロレンズ基板2に対応する領域を複数個有するものである場合(凹部付き基板10上に、1枚の液晶パネル用のマイクロレンズ基板2に対応する凹部20の集合パターンが、複数個配置されたものである場合)において、非有効領域である平坦部に多くのスペーサー38を配置することが可能となり、結果として、凹部付き基板10、積層体付き押圧部材34のたわみ等による影響を効果的に排除し、得られるマイクロレンズ基板2の厚さをより確実に制御することができる。
また、以下のようなスペーサー38を用いてもよい。
スペーサー38は、樹脂36の硬化物と同程度の屈折率を有する材料で構成されている。このような材料で構成されたスペーサー38を用いることにより、凹部付き基板10の凹部20が形成された部位にスペーサー38が配された場合であっても、スペーサー38が得られるマイクロレンズ基板2の光学特性に悪影響を及ぼすのを効果的に防止することができる。これにより、凹部付き基板10の主面(凹部20が形成された面側)の有効領域のほぼ全体にわたって、比較的多くのスペーサー38を配することが可能となり、結果として、凹部付き基板10、積層体付き押圧部材34のたわみ等による影響を効果的に排除し、得られるマイクロレンズ基板2の厚さをより確実に制御することができる。
上述したように、スペーサー38は、樹脂36の硬化物と同程度の屈折率を有する材料で構成されているが、より具体的には、スペーサー38の構成材料の絶対屈折率と硬化後の樹脂36の絶対屈折率との差の絶対値が、0.20以下であるのが好ましく、0.10以下であるのがより好ましく、0.02以下であるのがさらに好ましく、スペーサー38が、樹脂36の硬化物と同一の材料で構成されたものであるのが最も好ましい。これにより、マイクロレンズ基板2の光学特性を特に優れたものとすることができる。また、スペーサー38が、樹脂36の硬化物と同一の材料で構成されたものであると、樹脂36の硬化物とスペーサー38との密着性を特に優れたものとすることができ、マイクロレンズ基板2の信頼性、耐久性を特に優れたものとすることができる。スペーサー38が、樹脂36の硬化物と同一の材料で構成されたものであると、スペーサー38の硬度が特に高いものとなるので、形成される凸レンズ基板12の厚さをより確実に制御することができる。
スペーサー38の形状は、特に限定されないが、ほぼ球状、ほぼ円柱状であるのが好ましい。スペーサー38がこのような形状のものである場合、その直径は、2〜10μmであるのが好ましく、2〜5μmであるのがより好ましい。
なお、上記のようにスペーサー38を用いる場合、樹脂36を硬化する際に、凹部付き基板10と積層体付き押圧部材34との間にスペーサー38が配されていればよく、スペーサー38を供給するタイミングは特に限定されない。例えば、凹部付き基板10上にスペーサー38を配した状態で樹脂36を付与してもよいし、樹脂36の供給後にスペーサー38を付与してもよい。
また、本工程は、上述したような脱気処理を施しながら行ってもよい。言い換えると、押圧工程と脱気工程とは、同一工程として行ってもよい。これにより、凹部付き基板10の表面と樹脂36との間に、雰囲気(空気)が残存するのをより効果的に防止することができ、結果として、凹部20の形状に対応したマイクロレンズ22をより確実に形成することができる。
(硬化工程)
次に、樹脂36を硬化させ、マイクロレンズ22を備えた凸レンズ基板12を形成する(図4(C)参照)。
樹脂36の硬化は、加熱により行う。これにより、凸レンズ基板12の光に対する感受性(反応性)を特に低いものとすることができ、マイクロレンズ基板2の耐久性を特に優れたものとすることができる。
本工程での加熱温度は、特に限定されないが、100〜200℃であるのが好ましい。
また、本工程での処理時間(加熱時間)は、特に限定されないが、上記のような加熱温度である場合、30〜120分間であるのが好ましい。
(押圧部材除去工程)
その後、図4(D)に示すように、積層体付き押圧部材34を構成している押圧部材としての導電性基板32を取り除く。このとき、透明導電膜18と導電性基板32とがともに導電性の材質であるため、帯電を防止できる。これにより、凹部付き基板10と凸レンズ基板12とで構成されるマイクロレンズ基板2が得られる。
その後、必要に応じて、ダイシング装置等を用いてマイクロレンズ基板2のウエハーを所定の形状、大きさにカットする。
上記のようにして、図1に示すようなマイクロレンズ基板2を得ることができる。
なお、マイクロレンズ基板を製造する場合には、例えば、ブラックマトリックス16を形成せずに、凸レンズ基板12上に直接透明導電膜18を形成してもよい。
本実施形態によれば、押圧する透明導電膜18と剥離される導電性基板32とがともに導電性の材質であるため、成形後の剥離プロセスでの帯電を防止でき、得られるマイクロレンズ基板2上のパーティクルの付着を抑制でき、歩留まりの向上が期待できる。かつブラックマトリックス16を成形してから透明樹脂材をプレス成形するので、ブラックマトリックス16の段差が凸レンズ基板12中に吸収され、液晶面がフラットになり液晶配向が均一になる。これにより、配向制御が容易になるのでコントラスト向上、面内輝度ムラの低減等により表示性能が向上する。
(液晶パネル)
次に、図1に示したマイクロレンズ基板2を用いた電気光学装置としての液晶パネル(液晶光シャッター)について、図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、本実施形態に係る液晶パネル(TFT液晶パネル)4は、TFT基板(液晶駆動基板)50と、TFT基板50に接合されたマイクロレンズ基板2と、TFT基板50とマイクロレンズ基板2との空隙に封入された液晶よりなる液晶層52とを有している。
TFT基板50は、液晶層52の液晶を駆動するための基板であり、第4の基板54と、かかる第4の基板54上に設けられた多数の画素電極56と、かかる画素電極56の近傍に設けられ、各画素電極56に対応する多数の薄膜トランジスター(TFT)58とを有している。
この液晶パネル4では、マイクロレンズ基板2の透明導電膜(共通電極)18と、TFT基板50の画素電極56とが対向するように、TFT基板50とマイクロレンズ基板2とが、一定距離離間して接合されている。
第4の基板54は、石英、ガラス等で構成されていることが好ましい。これにより、反り、たわみ等の生じにくい、安定性に優れたものとすることができる。
画素電極56は、透明導電膜(共通電極)18との間で充放電を行うことにより、液晶層52の液晶を駆動する。この画素電極56は、例えば、前述した透明導電膜18と同様の材料で構成されている。
薄膜トランジスター58は、近傍の対応する画素電極56に接続されている。また、薄膜トランジスター58は、図示しない制御回路に接続され、画素電極56へ供給する電流を制御する。これにより、画素電極56の充放電が制御される。なお、TFT基板50には、例えば、その内表面側(液晶層52の対向する面側)に、配向膜が設けられていてもよい。
液晶層52は、液晶分子(図示せず)を含有しており、画素電極56の充放電に対応して、かかる液晶分子、すなわち液晶の配向が変化する。
この液晶パネル4では、通常、1個のマイクロレンズ22と、かかるマイクロレンズ22の光軸Qに対応したブラックマトリックス16の1個の開口24と、1個の画素電極56と、かかる画素電極56に接続された1個の薄膜トランジスター58とが、1画素に対応している。
凹部付き基板10側から入射した入射光Lは、第3の基板26を通り、マイクロレンズ22を通過する際に集光されつつ、凸レンズ基板12、絶縁膜14、ブラックマトリックス16の開口24、透明導電膜18、液晶層52、画素電極56、第4の基板54を透過する。なお、このとき、凹部付き基板10の入射側には通常偏光板(図示せず)が配置されているので、入射光Lが液晶層52を透過する際に、入射光Lは直線偏光となっている。その際、この入射光Lの偏光方向は、液晶層52の液晶分子の配向状態に対応して制御される。したがって、液晶パネル4を透過した入射光Lを、偏光板(図示せず)に透過させることにより、射出光の輝度を制御することができる。
なお、偏光板は、例えば、ベース基板と、かかるベース基板に積層された偏光基材とで構成され、かかる偏光基材は、例えば、偏光素子(ヨウ素錯体、二色性染料等)を添加した樹脂よりなる。
この液晶パネル4は、例えば、公知の方法により製造されたTFT基板50とマイクロレンズ基板2とに配向処理(例えば、配向膜の被覆処理)を施した後、シール材(図示せず)を介して両者を接合し、次いで、これにより形成された空隙部の封入孔(図示せず)より液晶を空隙部内に注入し、次いで、かかる封入孔を塞ぐことにより製造することができる。その後、必要に応じて、液晶パネル4の入射側や射出側に偏光板を貼り付けてもよい。
なお、上記液晶パネル4では、液晶駆動基板としてTFT基板を用いたが、液晶駆動基板にTFT基板以外の他の液晶駆動基板、例えば、TFD基板、STN基板などを用いてもよい。また、上記液晶パネル4において制御回路をTFT基板50の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated Bonding)基板上に実装された駆動LSIを、外部回路端子に異方導電フィルムを介して電気的および機械的に接続するようにしてもよい。また、マイクロレンズ基板2の投射光が入射する側およびTFT基板50の射出光が射出する側には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイト/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置されてもよい。
(投射型表示装置)
以下、上記液晶パネル4を用いた電子機器としての投射型表示装置について説明する。
図6は、本実施形態に係る投射型表示装置の光学系を模式的に示す図である。
図6に示すように、投射型表示装置6は、光源72と、複数のインテグレーターレンズを備えた照明光学系と、複数のダイクロイックミラー等を備えた色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)74と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)76と、青色に対応した(青色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)78と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラー面80および青色光のみを反射するダイクロイックミラー面82が形成されたダイクロイックプリズム(色合成光学系)84と、投射レンズ(投射光学系)86とを有している。
また、照明光学系は、インテグレーターレンズ88および90を有している。色分離光学系は、ミラー92,94,96、青色光および緑色光を反射する(赤色光のみを透過する)ダイクロイックミラー98、緑色光のみを反射するダイクロイックミラー100、青色光のみを反射するダイクロイックミラー(または青色光を反射するミラー)102、集光レンズ104,106,108,110および112とを有している。
液晶ライトバルブ76は、前述した液晶パネル4と、液晶パネル4の入射面側(凹部付き基板10が位置する面側、すなわちダイクロイックプリズム84と反対側)に接合された第1の偏光板(図示せず)と、液晶パネル4の射出面側(凹部付き基板10と対向する面側、すなわちダイクロイックプリズム84側)に接合された第2の偏光板(図示せず)とを備えている。液晶ライトバルブ74および78も、液晶ライトバルブ76と同様の構成となっている。これら液晶ライトバルブ74,76および78が備えている液晶パネル4は、図示しない駆動回路にそれぞれ接続されている。
なお、投射型表示装置6では、ダイクロイックプリズム84と投射レンズ86とで、光学ブロック114が構成されている。また、この光学ブロック114と、ダイクロイックプリズム84に対して固定的に設置された液晶ライトバルブ74,76および78とで、表示ユニット116が構成されている。
以下、投射型表示装置6の作用を説明する。
光源72から射出された白色光(白色光束)は、インテグレーターレンズ88および90を透過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレーターレンズ88および90により均一にされる。
インテグレーターレンズ88および90を透過した白色光は、ミラー92で図6中左側に反射し、その反射光のうちの青色光(B)および緑色光(G)は、それぞれダイクロイックミラー98で図6中下側に反射し、赤色光(R)は、ダイクロイックミラー98を透過する。
ダイクロイックミラー98を透過した赤色光は、ミラー94で図6中下側に反射し、その反射光は、集光レンズ104により整形され、赤色用の液晶ライトバルブ74に入射する。
ダイクロイックミラー98で反射した青色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミラー100で図6中左側に反射し、青色光は、ダイクロイックミラー100を透過する。
ダイクロイックミラー100で反射した緑色光は、集光レンズ106により整形され、緑色用の液晶ライトバルブ76に入射する。
また、ダイクロイックミラー100を透過した青色光は、ダイクロイックミラー(またはミラー)102で図6中左側に反射し、その反射光は、ミラー96で図6中上側に反射する。前記青色光は、集光レンズ108,110および112により整形され、青色用の液晶ライトバルブ78に入射する。
このように、光源72から射出された白色光は、色分離光学系により、赤色、緑色および青色の三原色に色分離され、それぞれ、対応する液晶ライトバルブに導かれ、入射する。
この際、液晶ライトバルブ74が有する液晶パネル4の各画素(薄膜トランジスター58とこれに接続された画素電極56)は、赤色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路(駆動手段)により、スイッチング制御(オン/オフ)、すなわち変調される。
同様に、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ76および78に入射し、それぞれの液晶パネル4で変調され、これにより緑色用の画像および青色用の画像が形成される。この際、液晶ライトバルブ76が有する液晶パネル4の各画素は、緑色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御され、液晶ライトバルブ78が有する液晶パネル4の各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御される。
これにより赤色光、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ74,76および78で変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用の画像がそれぞれ形成される。
前記液晶ライトバルブ74により形成された赤色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ74からの赤色光は、面118からダイクロイックプリズム84に入射し、ダイクロイックミラー面80で図6中左側に反射し、ダイクロイックミラー面82を透過して、射出面124から射出する。
また、前記液晶ライトバルブ76により形成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ76からの緑色光は、面120からダイクロイックプリズム84に入射し、ダイクロイックミラー面80および82をそれぞれ透過して、射出面124から射出する。
また、前記液晶ライトバルブ78により形成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ78からの青色光は、面122からダイクロイックプリズム84に入射し、ダイクロイックミラー面82で図6中左側に反射し、ダイクロイックミラー面80を透過して、射出面124から射出する。
このように、前記液晶ライトバルブ74,76および78からの各色の光、すなわち液晶ライトバルブ74,76および78により形成された各画像は、ダイクロイックプリズム84により合成され、これによりカラーの画像が形成される。この画像は、投射レンズ86により、所定の位置に設置されているスクリーン126上に投影(拡大投射)される。
このとき、液晶ライトバルブ74,76および78は、前述したような液晶パネル4を備えているので、光源72からの光が液晶ライトバルブ74,76および78を通過する際の減衰は抑制され、スクリーン126上に明るい画像を投影することができる。
以上、本実施形態について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。
例えば、本実施形態のマイクロレンズ基板、液晶パネル等は、上述したような方法により製造されたものに限定されない。例えば、本実施形態のマイクロレンズ基板を構成する凹部付き基板は、いかなる方法により製造されたものであってもよい。例えば、凹部付き基板は、凸部を有する型を用いて製造されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、マスクを施して、エッチングを行う方法について説明したが、マスクを施さずにエッチングを行うものであってもよい。
2…マイクロレンズ基板 4…液晶パネル 6…投射型表示装置 10…凹部付き基板(第1の基板) 12…凸レンズ基板 14…絶縁膜 16…ブラックマトリックス(遮光膜) 18…透明導電膜(共通電極) 20…凹部 22…マイクロレンズ 24…開口 26…第3の基板 28…マスク 28’…マスク形成用膜 30…初期孔 32…導電性基板(第2の基板) 34…積層体付き押圧部材 36…樹脂 38…スペーサー 50…TFT基板 52…液晶層 54…第4の基板 56…画素電極 58…薄膜トランジスター 72…光源 74〜78…液晶ライトバルブ 80,82…ダイクロイックミラー面 84…ダイクロイックプリズム 86…投射レンズ 88,90…インテグレーターレンズ 92,94,96…ミラー 98,100,102…ダイクロイックミラー 104〜112…集光レンズ 114…光学ブロック 116…表示ユニット 118〜122…面 124…射出面 126…スクリーン。

Claims (4)

  1. 光透過性を有する第1の基板の一方の面にマイクロレンズに対応する形状の凹部を形成する工程と、
    導電性を有する第2の基板の表面に対して撥水処理を行う工程と、
    前記撥水処理した前記第2の基板上に、透明導電膜を形成する工程と、
    前記透明導電膜上に、遮光膜を形成する工程と、
    前記遮光膜および前記透明導電膜上に、絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の基板の表面および前記凹部を覆うように、流動性を有する樹脂を付与する工程と、
    前記樹脂が設けられた前記第1の基板上に、前記絶縁膜を介して前記第2の基板を接合させ、前記第1の基板と前記第2の基板との積層体を形成する工程と、
    前記樹脂を硬化させて、前記凹部内にマイクロレンズを形成する工程と、
    前記第2の基板を前記透明導電膜から剥離する工程とを備えたことを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
  2. 光透過性を有し、一方の面にマイクロレンズに対応する形状の凹部を有する第1の基板と、
    前記第1の基板の前記凹部を有する面側に設けられ、前記凹部に対応する形状の凸部を有する凸レンズ基板と、
    前記凸レンズ基板上に設けられた絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に設けられた遮光膜と、
    前記遮光膜および前記絶縁膜上に設けられた透明導電膜と、
    を備えたことを特徴とするマイクロレンズ基板。
  3. 請求項2に記載のマイクロレンズ基板と、
    前記マイクロレンズ基板と対向配置される素子基板と、
    を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項3に記載の電気光学装置を備えて構成されていることを特徴とする電子機器。
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