JP2010190476A - 冷水循環システム - Google Patents

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Abstract

【課題】設備投資コストを低減できる冷水循環システムを提供する。
【解決手段】冷水循環システム1は、低温部と高温部とを有する冷水蓄熱槽と、戻り冷水を高温部から冷凍機を介して低温部へ送る冷水一次ポンプと、低温部から送り冷水を、制御弁により必要水量が連続的に調整される負荷設備に送る冷水二次ポンプと、冷水二次ポンプと負荷設備との間に負荷設備に送水される送り冷水の圧力を制御する圧力制御部を介して設けられ、負荷設備に送水される送り冷水を圧力制御部を通して低温部に還す還り管と、圧力制御部を制御して、低温部から負荷設備への送り冷水の圧力を調整するポンプ運転制御器とを備え、ポンプ運転制御器は、送り冷水の温度と戻り冷水の温度との温度差と、負荷設備の定格設計温度差との差の絶対値が減少する方向へ、温度差に基づいて圧力制御部を制御することにより負荷設備への圧力を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷水循環システムに関する。特に、本発明は、動力インバーターを用いない冷水循環システムに関する。
従来、冷水循環システムとして、送り冷水と戻り冷水とを貯える冷水蓄熱槽と、戻り冷水を冷水蓄熱槽の高温部から冷凍機を介して冷水蓄熱槽の低温部へ送る冷水一次ポンプと、動力インバーターを備え、かつ送り冷水を冷水蓄熱槽の低温部から負荷設備へ送る冷水二次ポンプと、冷水二次ポンプの動作を制御するポンプ運転制御器とを備え、ポンプ運転制御器は、送り冷水の温度と戻り冷水の温度との検出温度差を負荷設備の定格設計温度差に近づけるように、動力インバーターの運転周波数を制御する冷水循環システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の冷水循環システムは、上記構成を備えることにより、動力インバーターを備えた冷水二次ポンプから負荷設備への送り冷水の送水量を最適な量に制御できるので、省エネルギーの観点から極めて優れた効果を発揮することができる。
特開2007−155232号公報
しかし、特許文献1に記載の冷水循環システムは、動力インバーターを用いているので、設備コストの低減には限界がある。とりわけ、既存設備での動力インバーター盤設備の追加改修を伴う場合には工事費も含め設備コストがかさむ、あるいはスペースの問題で動力インバーター盤を設置できない場合もあり、システムの構築方法には改善の余地がある。
したがって、本発明の目的は、冷水二次ポンプに動力インバーターを用いた場合と概ね同等の省エネルギー性能を有するも、設備コストを低減できる冷水循環システムを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、送り冷水を貯える低温部と戻り冷水を貯える高温部とを有する冷水蓄熱槽と、戻り冷水を高温部から冷凍機を介して低温部へ送る冷水一次ポンプと、低温部から送り冷水を、制御弁により必要水量が連続的に調整される負荷設備に送る冷水二次ポンプと、冷水二次ポンプと負荷設備との間に負荷設備に送水される送り冷水の圧力を制御する圧力制御部を介して設けられ、負荷設備に送水される送り冷水を圧力制御部を通して低温部に還すことができる還り管と、圧力制御部を制御することにより、低温部から負荷設備への送り冷水の圧力を調整するポンプ運転制御器とを備え、ポンプ運転制御器は、送り冷水の温度と戻り冷水の温度との温度差と、負荷設備の定格設計温度差との差の絶対値が減少する方向へ、温度差に基づいて圧力制御部を制御することにより負荷設備への送り冷水の送水量を調整する冷水循環システムが提供される。
また、上記冷水循環システムは、ポンプ運転制御部は、温度差を、低温部から負荷設備に送られる冷水(送り冷水)に予め設定された目標送水温度(送り冷水温度)と、負荷設備から高温部に戻される冷水の温度を測定して得た実際の戻り冷水温度とから計算される算出温度差として求め、この算出温度差に基づいて圧力制御部を制御してもよい。
また、上記冷水循環システムは、圧力制御部は、負荷設備への送り冷水の量を制御する戻し弁であって、ポンプ運転制御器は、戻し弁の開度を制御してもよい。
また、上記冷水循環システムは、ポンプ運転制御器は、算出温度差と定格設計温度差との差の絶対値が予め設定された許容値を外れた時間が、予め設定した一定の時間を連続して、又は、予め設定した時間内に累積して過ぎた場合に、負荷設備への送り冷水の圧力を調整してもよい。
また、上記冷水循環システムは、負荷設備の前段に、負荷設備に供給される送り冷水の圧力を変化させる圧力可変部を更に備えてもよい。
また、上記冷水循環システムは、圧力可変部は、冷水二次ポンプより小型の加圧ポンプであってもよい。
また、上記冷水循環システムは、複数の負荷設備を更に備え、送り冷水は、複数の負荷設備のそれぞれに複数の送り管を通じて送水され、複数の負荷設備のそれぞれは、複数の戻り管を通じて戻り冷水を高温部に送水し、送り冷水温度は、複数の送り管の第1の集合部分において予め設定される温度であり、戻り冷水温度は、複数の戻り管の第2の集合部分あるいはその後段において計測されてもよい。
本発明に係る冷水循環システムによれば、冷水二次ポンプに動力インバーターを用いた場合と概ね同様の省エネルギー性能を有するも、設備コストを低減できる冷水循環システムを提供できる。
第1の実施の形態に係る冷水循環システムの構成の概要図である。 第1の実施の形態に係る冷水循環システムの動作のフローである。 第1の実施の形態の変形例に係る冷水循環システムの構成の概要図である。 第2の実施の形態に係る冷水循環システムの構成の概要図である。
[第1の実施の形態]
(冷水循環システムの構成の概要)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る冷水循環システムの構成の概要を示す。
第1の実施の形態に係る冷水循環システムは、例えば、所定の負荷設備に、空調用、生産冷却水用の冷熱を連続供給する冷水循環設備を含む冷水循環システムである。負荷設備は、例えば、空調機の除湿コイル若しくは冷却コイル、生産冷却水用熱交換器、ドライコイル等である。
第1の実施の形態に係る冷水循環システムは、高温部2aと低温部2bとを有する冷水蓄熱槽2と、冷凍機3を介して高温部2aの戻り冷水を低温部2bに供給する冷水一次ポンプ1と、低温部2bの冷水を送り冷水として負荷設備(例えば、負荷設備81A、負荷設備81B等)に供給する冷水二次ポンプ5と、負荷設備に送水される送り冷水の圧力を制御する圧力制御部としての戻し弁7aを介して設けられ、負荷設備に送水される送り冷水の一部を低温部2bに還す還り管7と、戻し弁7aの開度を制御することにより冷水二次ポンプ5から負荷設備への送り冷水の圧力及び送水量を調整するポンプ運転制御器131とを備える。なお、第1の実施の形態に係る冷水循環システムは、冷水二次ポンプ5を1台以上備えることができる。また、第1の実施の形態に係る冷水循環システムは、複数の負荷設備を備える。
(冷水蓄熱槽2)
冷水蓄熱槽2は、負荷設備から送水された戻り冷水と、負荷設備に供給する送り冷水とを貯える。具体的に、冷水蓄熱槽2は、戻り冷水を貯える高温部2aと、戻り冷水より低温の送り冷水を貯える低温部2bと、高温部2aと低温部2bとの中間部分に設けられる複数の蓄熱部2cとを有する。なお、図1において冷水蓄熱槽2の各蓄熱部2cの境界に図示される点線(図1では6本であるが、6本に限られない。)は、冷水蓄熱槽2中において水温の境目になる小割りの仕切りを表す。また、高温部2aには、戻り冷水が流れる集合管10が接続されており、低温部2bには、送り冷水を負荷設備側に供給する複数の冷水二次ポンプ5が接続されている。更に、低温部2bには、低温部2bから負荷設備に送水される送り冷水の一部又は全部を低温部2bに還す還り管7が接続されている。なお、還り管7は、万一、負荷設備の制御弁としての制御二方弁16が全閉止のときに冷水二次ポンプ5が運転された場合に、送り管内の圧力を開放する圧力開放弁を有することもできる。
また、複数の蓄熱部2cのうち低温部2bに最も近い(又は、隣接する)蓄熱部2cには、蓄熱量の最小限度を判定することを目的として、冷水蓄熱槽2内の冷水の温度を検出する起動温度検出器21が設置される。例えば、起動温度検出器21は、蓄熱部2cの低温部2b側の端部に設置される。また、複数の蓄熱部2cのうち高温部2aに最も近い(又は、隣接する)蓄熱部2cには、蓄熱量の最大限度を判定することを目的として、冷水蓄熱槽2内の冷水の温度を検出する停止温度検出器22が設置される。例えば、停止温度検出器22は、蓄熱部2cの高温部2a側の端部に設置される。そして、起動温度検出器21及び停止温度検出器22はそれぞれ、冷凍機の運転台数を制御する冷凍機台数制御器151に接続される。
(冷水一次ポンプ1)
冷水一次ポンプ1は、冷水蓄熱槽2の高温部2aから冷水(戻り冷水)を吸い上げ、冷凍機3に送る。第1の実施の形態に係る冷水循環システムは、冷水循環システムが備える冷凍機3の数に応じた台数の冷水一次ポンプ1を備える。なお、第1の実施の形態に係る冷水循環システムは、冷水一次ポンプ1を1台以上備えることができる。すなわち、本実施の形態に係る冷水循環システムは、複数の冷凍機3を備えることができる。
(冷凍機3)
冷凍機3は、冷水一次ポンプ1が高温部2aから吸い上げた戻り冷水を目的の温度まで冷却する。冷却された冷水(送り冷水)は、冷凍機3から蓄熱槽2の低温部2bに供給される。ここで、冷凍機3には、戻り冷水を冷却するクーリングタワー31と、戻り冷水を冷凍機3とクーリングタワー31との間で循環させる冷却水ポンプ32とが補機として付随している。そして、これら補機と冷水一次ポンプ1とは冷凍機3の動作に連動して動作する。以下、冷水一次ポンプ1及び補機、並びにこれらと常時連動して運転する冷凍機3の補助設備が存在する場合、それらの全てを含めて冷凍機3ということがある。
(冷凍機台数制御器151)
冷凍機台数制御器151は、起動温度検出器21が検出した温度及び停止温度検出器22が検出した温度に基づいて冷凍機3の運転台数を増減させる。具体的に、冷凍機台数制御器151は、起動温度検出器21が検出した検出温度が予め設定した上限の温度以上となった時に即時、又は当該上限温度以上となった後に予め設定した時間を経過した時に冷凍機3の運転台数を増加させる。また、冷凍機台数制御器151は、停止温度検出器22が検出した検出温度が予め設定した下限の温度以下となった時に即時、又は当該下限温度以下となった後に予め設定した時間を経過した時に冷凍機3の運転台数を減少させる。
(冷水二次ポンプ5)
冷水二次ポンプ5は、冷凍機3から低温部2bに供給された冷水のうち、複数の負荷設備に対して必要な量の冷水(送り冷水)を汲み上げる。そして、冷水二次ポンプ5は、汲み上げた送り冷水を負荷設備側に送水する。冷水二次ポンプ5は、例えば、冷水循環システムが設置されている地域における電力周波数(例えば、50Hz又は60Hz)で動作する。そして、冷水二次ポンプ5は、汲み上げた送り冷水を第1の集合部分としての送りヘッダー6を介して複数の負荷設備のそれぞれ(例えば、負荷設備81A及び負荷設備81B)に供給する。
また、複数の冷水二次ポンプ5はそれぞれ、送り冷水を負荷設備側に送水する送水管をそれぞれ有する。複数の送水管は、送りヘッダー6に接続され、複数の送水管のそれぞれを流れる送り冷水は、送りヘッダー6において合流する。そして、送りヘッダー6は、複数の負荷設備のそれぞれに接続される送り管を有している。送り冷水は、複数の送り管を通って複数の負荷設備のそれぞれに供給される。また、送りヘッダー6には、負荷設備に供給される送り送水の送りヘッダー6における圧力を計測する圧力計60が設置されている。圧力計60は、計測した圧力を示す圧力信号をポンプ運転制御器131に供給する。
更に、送りヘッダー6には、複数の送り管に隣接する位置に、還り管7が接続されている。そして、送りヘッダー6と低温部2bとの間、すなわち、送りヘッダー6と還り管7との接続部分付近には、戻し弁7aが設けられている。戻し弁7aは、ポンプ運転制御器131に弁の開度を制御(例えば、PID制御)されることにより、負荷設備に供給される送り冷水の圧力及び流量を調整する。なお、圧力計60が示す圧力は、送り送水の圧力及び戻し弁7aを介して低温部2bに還る冷水の圧力となる。
(負荷設備)
第1の実施の形態において負荷設備81Aと負荷設備81Bとは略同様の構成を有するので、ここでは、負荷設備81Aについてのみ説明する。
負荷設備81Aは、冷却対象物17A(例えば、負荷設備81Aが空調機の場合、室内の空気)を冷却する。負荷設備81Aは、負荷である冷却対象物17Aの温度に応じて自動的に負荷設備81Aに流入する送り冷水の水量を制御する制御弁としての制御二方弁16と、制御二方弁16の開度を制御する制御信号変換器24Aと、冷却対象物17Aの温度を検出する温度検出器23Aとを有する。なお、負荷設備81Aが有する制御弁は、制御三方弁とすることもできる。なお、この制御弁は、少なくとも、負荷設備の上流側又は下流側のいずれか一方に備えられていれば良い。
制御信号変換器24Aは、温度検出器23Aが検出した冷却対象物17Aの温度を示す温度信号を取得して、取得した温度信号に基づいて制御二方弁16の開閉を制御する。具体的に制御信号変換器24Aは、冷却対象物17Aの温度が予め設定された温度に近づくように、制御二方弁16の開度を連続的に、すなわち、段階なく調整する。これにより、負荷設備81Aには、送り冷水の必要水量が連続的に供給される。
負荷設備に供給された送り冷水は、負荷設備の負荷(すなわち、冷却対象物17A)の冷却に用いられる。負荷設備に供給された送り冷水の温度は、当該負荷の大きさに比例して上昇して戻り冷水となる。戻り冷水は、複数の負荷設備のそれぞれに接続されている戻り管を通って、複数の戻り管が接続されている第2の集合部分としての戻りヘッダー9において合流する。戻りヘッダー9において合流した戻り冷水は、集合管10を通って蓄熱槽2の高温部2aに戻る。
なお、冷水一次ポンプ1の送水量と冷水二次ポンプ5の送水量とは必ずしも同一ではない。例えば、冷水一次ポンプ1の送水量が冷水二次ポンプ5の送水量より多い場合、その差の冷水は冷水蓄熱槽2の高温部2aとは異なる水温の冷水を有する蓄熱部2cに、戻り冷水より低い温度の冷水が冷熱として貯められる。そして、温度差がついた冷水の温度の境目は、冷水一次ポンプ1の送水量と冷水二次ポンプ5の送水量とのバランスに応じて、複数の蓄熱部2cの間で、起動温度検出器21側から停止温度検出器22側に向けて、又は停止温度検出器22側から起動温度検出器21側に向けて移動する。
(ポンプ運転制御器131)
ポンプ運転制御器131は、送り冷水の温度と戻り冷水の温度との算出温度差を負荷設備81A、負荷設備81Bの定格設計温度差に近づけるように、戻し弁7aの開度を制御して、低温部2bから負荷設備への送り冷水の圧力及び送水量を制御する。すなわち、ポンプ運転制御器131は、負荷設備81A、負荷設備81Bの熱交換設計上の定格温度差を確保するように、戻し弁7aの開度を制御して、送り冷水の圧力及び送水量を制御する。
ここで、負荷設備の定格設計温度差とは、当該負荷設備の設計仕様書に記載された定格能力を発揮する運転を当該負荷設備がしている場合において、当該負荷設備が定格能力を発揮する場合における流量の冷水が当該負荷設備に供給されており、当該冷水が当該負荷設備に入る時の冷水の温度と、当該負荷設備において熱交換されて当該負荷設備から出ていく冷水の温度との温度差である。定格設計温度差は、予め定められた温度差であって、ある1つの冷水循環システムにおいて統一して設定される。また、本実施の形態における定格設計温度差は、負荷設備の設計仕様書に基づく温度差(すなわち、負荷設備に入る冷水の温度と、負荷設備において熱交換された後に負荷設備から排出される水の温度との温度差)に一定の修正を加えた値を定格設計温度差として設定することもできる(例えば、当該温度差から0.5℃を差し引いた値を負荷設備における定格設計温度差として設定する等)。
なお、第1の実施の形態においてポンプ運転制御器131は、戻し弁7aの開度を制御して、送り送水の圧力及び送水量を制御することを優先する。そして、例えば、負荷設備81A等が要求する送り冷水の送水量を戻し弁7aの開度の制御では制御することができない場合に、ポンプ運転制御器131は、冷水二次ポンプ5の運転台数を制御(運転台数の増減)する。
ここで、送り冷水の温度は、例えば、送り管又は送りヘッダー6に設置された送りの温度設定器18において、制御すべき目標の温度(以下、「制御目標温度」ということがある)として設定される。すなわち、本実施の形態において低温部1bから負荷設備に送水される送り冷水の温度は、予め定められた温度(制御目標温度)である。なお、送りの温度設定器18は、送り冷水の温度を計測することもできる。そして、送りの温度設定器18は、計測した温度を示す温度信号を、ポンプ運転制御器131に供給することもできる。また、本実施の形態においては、ポンプ運転制御器131と送りの温度設定器18とは別体であったが、送りの温度設定器18が温度設定部としての機能を有する場合には、送りの温度設定器18をポンプ運転制御器131の一部として、ポンプ運転制御器131と一体的に構成することもできる。例えば、ポンプ運転制御器131は、制御目標温度を設定するダイヤルスイッチ又はディップスイッチ等を有することができる。また、ポンプ運転制御器131内の制御基板(図示しない)が有するROM内に制御目標温度をプログラミングして予め設定する構成にすることもできる。
また、戻り冷水の温度は、例えば、戻りヘッダー9又は戻りヘッダー9の後段に接続されている集合管10に設置された戻りの温度検出器19において計測される。戻りの温度検出器19は、計測した温度(以下、「戻り冷水温度」ということがある)を示す温度信号をポンプ運転制御器131に供給する。
そして、ポンプ運転制御器131は、送りの温度設定器18において設定された制御目標温度と、戻りの温度検出器19から受け取った温度信号が示す戻り冷水温度とから算出される算出温度差(すなわち、制御目標温度と戻り冷水温度との差)と、負荷設備の定格設計温度差との差の絶対値が減少する方向へ、算出温度差に基づいて戻し弁7aの開度を制御する。すなわち、ポンプ運転制御器131は、送りの温度設定器18において設定された制御目標温度をT1SPとし、戻りの温度検出器19において計測された戻り冷水温度をT2PVとした場合に、△T=T2PV−T1SPの値を定格設計温度差に近づけるように、戻し弁7aの開度を制御する。これにより、ポンプ運転制御器131は、冷水二次ポンプ5が負荷設備に供給する送り冷水の圧力及び送水量を調整する。
(戻し弁7aの開度制御機構)
ポンプ運転制御器131は、戻し弁7aの開度を制御する開度制御部を有する。開度制御部は、予め定められた制御目標温度(T1SP)と計測された戻り冷水温度(T2PV)との算出温度差(△T)と、負荷設備81A、負荷設備81Bの定格設計温度差との差が予め設定した許容値を外れた時間が、予め設定した一定の時間を連続して、又は、予め設定した時間内に累積して過ぎた場合に、算出温度差と定格設計温度差との差の絶対値が小さくなる方向へ戻し弁7aの開度を変化させる。これにより、冷水循環システムは、冷凍機3における熱交換設計上の最適な温度差(定格設計温度差)となるように戻り冷水の温度を維持することができ、冷水二次ポンプ5と冷凍機3との全体運転効率を最も良くするように送り冷水の圧力及び送水量を制御できる。
なお、予め設定する許容値は、例えば、±0.5〜1.0℃程度に設定する。また、本実施の形態において、「予め設定する許容値」、「予め設定する一定の時間」、及び「予め設定する時間内」は、冷水循環システムの運転開始後、冷水循環システムの効率が最適となるように調整することができる。
(冷水二次ポンプ5の運転台数制御機構)
ポンプ運転制御器131は、冷水二次ポンプ5の運転台数を増減する運転台数制御部を有する。運転台数制御部は、送り送水の圧力が予め設定した最高戻し弁圧力に到達した時を起点として、当該戻し弁圧力が予め設定した時間、維持された場合に、冷水二次ポンプ5の運転台数を増加させる。また、運転台数制御部は、送り送水の圧力が予め設定した最低戻し弁圧力に到達した時を起点として、当該戻し弁圧力が予め設定した時間、維持された場合に、冷水二次ポンプ5の運転台数を減ずる。これにより、冷水循環システムは、戻し弁7aの開度の調整だけでは困難な範囲まで負荷設備への送り冷水の圧力及び送水量を増減できる。そして、冷水循環システムは、戻し弁7aの開度の調整と共に、冷水二次ポンプ5の運転台数を制御することにより、戻り冷水の温度を、冷凍機3が高い運転効率(成績係数)で動作できる温度範囲に維持することができる。
ここで、本実施の形態における最高戻し弁圧力は、本実施の形態に係る冷水循環システムが備える負荷設備が要求する送り送水の最高の圧力に応じて設定される。また、本実施の形態における最低戻し弁圧力は、予測される最少冷水量を負荷設備に送ることを目的として、当該負荷設備を備える冷水循環システムの配管系の形状を考慮した上で、負荷設備において最低限要求される圧力に設定することが好ましい。なお、最高戻し弁圧力及び最低戻し弁圧力はそれぞれ、冷水循環システムの運転が最適になるように適宜調整できる。また、圧力計60が計測した圧力を、送り送水の圧力(つまり、戻し弁圧力)として用いることができる。
(冷水循環システムの動作の概要)
第1の実施の形態に係る冷水循環システムの動作の概要を説明する。まず、冷水循環システムが起動されると、ポンプ運転制御器131において予め設定された還り管7から低温部2bに還る送り送水の初期の圧力(以下、「戻し弁設定圧力」という)、冷水二次ポンプ5の初期台数にて冷水循環システムが稼働する。その後、予め設定された送り冷水の温度(目標送水温度)と実測された戻り冷水の温度との算出温度差の値を、負荷設備81A、負荷設備81Bの定格設計温度差に近づけるように(すなわち、算出温度差と定格温度差との差の絶対値が減少するように)、算出温度差に基づいて、ポンプ運転制御器131における戻し弁7aの開度の制御と冷水二次ポンプ5の運転台数の制御とに修正が加えられ、冷水循環システムの運転が継続される。
そして、冷水循環システムが一定時間、運転した後に、ポンプ運転制御器131は、算出温度差と定格設計温度差とを比較する。更に、ポンプ運転制御器131は、算出温度差と定格設計温度差との差が予め定められた許容値を超えるか否かを判断する。ポンプ運転制御器131は、この許容値を超えた時間が予め定められた時間だけ継続した場合に、現在の戻し弁7aの開度を、算出温度差と定格設計温度差との差の絶対値が小さくなる方向に修正する。すなわち、ポンプ運転制御器131は、還り管7から低温部2bに還される送り冷水の圧力(以下、「戻し弁圧力」ということがある)を、算出温度差と定格設計温度差との差の絶対値が小さくなる方向に修正する。これにより、冷水循環システムは、算出温度差を定格設計温度差に近づける動作を継続する。
ここで、冷水二次ポンプ5は、送り冷水の吐出圧力を調整する制御弁を有することができる。そして、ポンプ運転制御器131は、冷水循環システムの動作の制御を継続する中で、運転中の冷水二次ポンプ5が複数台ある場合は、複数の冷水二次ポンプ5それぞれからの送り冷水の吐出圧力が略同一になるように、各冷水二次ポンプ5の制御弁をそれぞれ制御して、冷水二次ポンプ5の吐出側の送水管における吐出圧力を個別に調整することができる。
ポンプ運転制御器131の戻し弁7aの開度の制御(すなわち、戻し弁圧力の制御)により戻し弁7aにおける送り冷水の圧力が、予めポンプの設計能力値から予測されるか、又は運転実績に基づいて事前に決定した最高戻し弁圧力に到達した場合、ポンプ運転制御器131は、作動する冷水二次ポンプ5の台数を1台加える。また、戻し弁7aにおける送り冷水の圧力が、運転実績に基づいて事前に決定した最低戻し弁圧力に到達した場合、ポンプ運転制御器131は、作動する冷水二次ポンプ5の台数を1台減ずる。なお、ポンプ運転制御器131は、冷水二次ポンプ5の台数が増減された場合に運転中の冷水二次ポンプ5の総吐出圧力の急変を抑制することを目的として、戻し弁7aの開度を適宜調整する。
なお、以上の冷水循環システムの動作を制御する中で、例えば、負荷設備81Aが負荷設備81Bより高い圧力を要求することが予め分かっている場合には、負荷設備81Aが有する温度検出器23A及び制御信号変換器24Aからポンプ運転制御器131へ、温度の異常を示す警報信号を予め供給する仕組みを設けることができる。この場合、ポンプ運転制御器131は、当該警報信号に基づいて、当該警報信号が消えるまで冷水二次ポンプ5から負荷設備81Aへの冷水量を増やす制御(例えば、戻し弁7aの開度を小さくする)を実施する。
また、冷凍機3は、冷水循環システムの起動時に、予め設定された初期台数で運転が開始される。その後、冷水蓄熱槽2の蓄熱部2cの低温部2b側に設置された起動温度検出器21が、予め設定された値以上の温度を検出した場合、冷凍機台数制御器151は、初期台数に1台を加えた台数の冷凍機3を稼働させる。また、冷水蓄熱槽2の蓄熱部2cの高温部側に設けた停止温度検出器22が、予め定めた値以下の温度を検出した場合、冷凍機台数制御器151は、初期台数から1台を減じた台数の冷凍機3を稼働させる。
このような冷凍機3の台数制御により、稼働する冷凍機3の台数は最低限となり、冷凍機3に連動するクーリングタワー31、及び冷却水ポンプ32、及び冷水一次ポンプ1の台数も最低限となる。また、運転中の冷凍機3の吸い込み温度が低くなりすぎる従来の一般的な状態が解消されるので、冷凍機3の成績係数を向上させることができる。したがって、冷凍機3についても省エネルギー効果が大きくなり、冷水循環システム全体としての運転効率も向上させることができる。
(冷水循環システムの動作の詳細)
以下、第1の実施の形態に係る冷水循環システムの動作を、フローチャートを示してより詳細に説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る冷水循環システムの動作のフローの一例を示す。
まず、第1の実施の形態に係る冷水循環システムを起動する。この場合に、冷水循環システムは、予め設定した初期の台数Pの冷水二次ポンプ5を起動すると共に、戻し弁設定圧力を初期値PaInに設定して、運転を開始する(ステップ10。以下、ステップを「S」と表す)。具体的には、ポンプ運転制御器131において予め設定された戻し弁設定圧力(初期値PaIn)になる戻し弁7aの開度において、初期台数Pの冷水二次ポンプ5の運転が開始される。ここで、初期台数Pは、一例として、冷水二次ポンプ5の総台数の80%の台数に設定する。
次に、送りの温度設定器18において、送り冷水の制御目標温度(T1SP)を設定する(S12)。送り温度設定器18は、設定された送り冷水の温度を示す温度信号をポンプ運転制御器131に供給する。ここで、送り冷水の制御目標温度(T1SP)は、一例として、7.0℃以上7.5℃以下の範囲の温度で設定される。次に、戻りの温度検出器19は、戻り冷水の温度(T2PV)を計測する(S14)。戻りの温度検出器19は、計測した戻り冷水の温度を示す温度信号をポンプ運転制御器131に供給する。
続いて、ポンプ運転制御器131は、送り冷水の温度(設定値[制御目標温度]:T1SP)と戻り冷水の温度(実測値:T2PV)とから算出温度差(△T=T2PV−T1SP)を算出する。そして、ポンプ運転制御器131は、算出温度差と、負荷設備81A及び負荷設備81Bの定格設計温度差(△TS)とを比較する(S16)。△Tが△TS以下である時(△T≦△TS)はS18に進み(Case1)、大きい時(△T>△TS)はS34に進む(Case2)。ここで定格設計温度差△TSは、一例として、5℃以上8℃以下程度の範囲で設定される。
[Case1]
まず、Case1について説明する。ポンプ運転制御器131は、△Tと、△TSから下側許容値K1を減じた値とを比較する。そして、ポンプ運転制御器131は、△Tが△TSから下側許容値K1を減じた値以下の値(△T≦△TS−K1)である場合(S18:Y)、△T≦△TS−K1の関係が継続する時間を計測する(S20)。一方、△T>△TS−K1)である場合(S18:N)、ポンプ運転制御器131は、戻り冷水の実測の温度(T2PV)を示す温度信号を引き続き取得する。なお、下側許容値K1は可変であるが、例えば、0.5℃に設定される。
そして、△T≦△TS−K1の関係が継続する時間が予め定められた時間Y1だけ継続した場合(S20:Y)、ポンプ運転制御器131は、現在の戻し弁圧力設定値PaXから予め設定した戻し弁圧力補正値Pa1を減じる(S22)。一方、△T≦△TS−K1の関係が継続する時間が予め定められた時間Y1だけ継続しない場合(S20:N)、ポンプ運転制御器131は、戻り冷水の実測の温度(T2PV)を示す温度信号を引き続き取得する。ここで、予め定められた時間Y1は、一例として、90秒程度である。
次に、ポンプ運転制御器131は、現在の戻し弁圧力設定値PaXと最低戻し弁圧力Paminとを比較する(S24)。ここで、最低戻し弁圧力Paminは、負荷設備において最低限必要な圧力の冷水を送ることを目的として、必要と予測される圧力に設定される。また、ポンプ運転制御器131は、冷水循環システムの稼働を継続しつつ、冷水循環システムの省エネルギー性を向上させるために、最低戻し弁圧力Paminを自動的に調整することができる。なお、最低戻し弁圧力Paminは、手動で設定してもよい。
そして、現在の戻し弁圧力PaXが最低戻し弁圧力Pamin以上(PaX≧Pamin)の場合(S24:Y)、効果待ち時間Y3が経過するまでポンプ運転制御器131は待機する(S26:N)。そして、効果待ち時間Y3が経過した後、ポンプ運転制御器131は、戻り冷水の実測の温度(T2PV)を示す温度信号を引き続き取得する(S26:Y)。効果待ち時間Y3は、例えば、120秒以上180秒以下の範囲で設定される。
一方、現在の戻し弁圧力PaXが最低戻し弁圧力Pamin未満(PaX<Pamin)の場合(S24:N)、ポンプ運転制御器131は、冷水二次ポンプ5の運転台数を1台減らす(S28)。更に、ポンプ運転制御器131は、稼働中の冷水二次ポンプ5の送水圧力を揃え、かつ、現在稼働中の冷水二次ポンプ5の送水圧力が、運転台数を減じる前における送水圧力に等しい送水圧力となるように、戻し弁7aの開度を制御して、現在の戻し弁圧力PaXを、予め設定された圧力Pa3(なお、Pa3は、PaXよりも高い圧力である)に調整する(S30)。
次に、ポンプ運転制御器131は、戻し弁7aの開度を調整して戻し弁圧力を所定の圧力Pa3に設定した後に、冷水循環システムの稼働を安定させることを目的として、予め定められた効果待ち時間Y5が経過するまで待機する(S32:N)。効果待ち時間Y5が経過した後、ポンプ運転制御器131は、戻り冷水の実測の温度(T2PV)を示す温度信号を引き続き取得する(S32:Y)。ここで、効果待ち時間Y5は、一例として、120秒以上180秒以下程度の範囲内で設定される。例えば、効果待ち時間Y5は、120秒に設定される。
[Case2]
次に、Case2について説明する。ポンプ運転制御器131は、△Tと、△TSに上側許容値K2を加えた値とを比較する。そして、ポンプ運転制御器131は、△Tが△TSに上側許容値K2を加えた値以上の値(△T≧△TS+K2)である場合(S34:Y)、△T≧△TS+K2の関係が継続する時間を計測する(S36)。一方、△T<△TS+K2)である場合(S34:N)、ポンプ運転制御器131は、戻り冷水の温度(T2PV)を示す温度信号を引き続き取得する。ここで、上側許容値K2は、例えば、0.3℃である。
そして、△T≧△TS+K2の関係が継続する時間が予め定められた時間Y2だけ継続した場合(S36:Y)、ポンプ運転制御器131は、現在の戻し弁圧力設定値PzXに予め設定した戻し弁圧力補正値Pa2を加える(S38)。一方、△T≧△TS+K2の関係が継続する時間が予め定められた時間Y2だけ継続しない場合(S36:N)、ポンプ運転制御器131は、戻り冷水の実測の温度(T2PV)を示す温度信号を引き続き取得する。ここで、予め定められた時間Y2は、一例として、90秒程度である。
次に、ポンプ運転制御器131は、現在の戻し弁圧力設定値PaXと予め設定された最高戻し弁圧力Pamaxとを比較する(S40)。ここで、予め設定された最高戻し弁圧力Pamaxは、一例として、冷水循環システムが備える負荷設備が要求する送り冷水の圧力の最高値である。そして、現在の戻し弁圧力設定値PaXが最高戻し弁圧力Pamax以下(PaX≦Pamax)の場合(S40:Y)、効果待ち時間Y4が経過するまでポンプ運転制御器131は待機する(S42:N)。そして、効果待ち時間Y4が経過した後、ポンプ運転制御器131は、戻り冷水の実測の温度(T2PV)を示す温度信号を引き続き取得する(S42:Y)。効果待ち時間Y4は、例えば、120秒以上180秒以下の範囲で設定される。
一方、戻し弁圧力設定値PaXが最高戻し弁圧力Pamaxを超える(PaX>Pamax)場合(S40:N)、ポンプ運転制御器131は、冷水二次ポンプ5の運転台数を1台増加させる(S44)。更に、ポンプ運転制御器131は、稼働中の冷水二次ポンプ5の送水圧力を揃え、かつ、現在稼働中の冷水二次ポンプ5の送水圧力が、運転台数を増加させる前における送水圧力に等しい送水圧力となるように、戻し弁7aの開度を制御して、現在の戻し弁圧力設定値PaXを、予め設定された圧力Pa4(なお、Pa4は、PaXよりも低い圧力である)に調整する(S46)。
次に、ポンプ運転制御器131は、戻し弁7aの開度を調整して戻し弁圧力を所定の圧力Pa4に設定した後に、冷水循環システムの稼働を安定させることを目的として、予め定められた効果待ち時間Y5が経過するまで待機する(S32:N)。効果待ち時間Y5が経過した後、ポンプ運転制御器131は、戻り冷水の温度(T2PV)を示す温度信号を引き続き取得する(S32:Y)。
以上の各ステップにより、送りの温度設定器18が設定した制御目標温度T1SPと戻りの温度検出器19が実測した温度T2PVとの算出温度差△T(=T2PV−T1SP)を、負荷設備81A、負荷設備81Bの定格設計温度差△TSに近づけるような制御が、ポンプ運転制御器131による戻り弁7aの弁の開度の制御と冷水二次ポンプ5の運転台数の制御とによって実施され、冷水循環システムの運転が継続される。
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態に係る冷水循環システムは、送り冷水の温度を予め設定すると共に、算出温度差と定格設計温度差との差の絶対値を減少させる方向に送り冷水の水量を制御することを、戻り弁7aの弁の開度の制御により実施するので、冷水二次ポンプ5に動力インバーターを設置せずに、冷水二次ポンプ5による送水量を過剰又は不足にならない最適な量に制御できる。これにより、冷水循環システム全体の運転動力(消費エネルギー)を削減でき、エネルギー効率を向上させることができると共に、冷水循環システムの設備コストを低減させることができる。また、冷凍機3の運転台数を最も少なく無理のない台数、すなわち最適な台数に制御できるので、冷水循環システム全体の運転動力(消費エネルギー)を削減できる。
より詳細に、第1の実施の形態に係る冷水循環システムは、冷水循環システムの運転中に常時変化しつづけている負荷設備が要する冷熱量に対応して、予め設定された送り冷水の温度と実測された戻り冷水の温度との算出温度差を負荷設備の定格設計温度差に近づけつつ送り冷水の圧力及び送水量を可変にする制御をするので、各負荷設備が設計通りの熱交換部分の温度差で充分に機能を発揮することができると共に、過剰でも過少でもない、適切な流量の送り冷水を各負荷設備に供給できる。これにより、送り圧力を一定にする送水方式(水量が過剰の傾向)に比べ、冷水循環のための冷水一次ポンプ1、及び冷水二次ポンプ5の合計動力を大幅に削減できると共に、戻り冷水の温度を冷凍機の定格の吸込み温度に近づけることができる。この結果、冷凍機の成績係数を向上させることができる。更に、本実施の形態に係る冷水循環システムによれば、負荷設備での冷却熱量が変化した場合であっても、送り冷水の圧力を変化させて設定するので、戻り冷水の温度が高くなりすぎたり低くなりすぎたりすることを抑制でき、冷凍機の運転効率の低下を抑制できる。したがって、本実施の形態に係る冷水循環システムによれば、冷水二次ポンプ5の動力を削減できると共に従来と同じ冷却熱量を冷やすために冷凍機の動力を削減できるので、省エネルギー効果が大きくだせる。
また、本実施の形態に係る冷水循環システムは、負荷設備が要する冷水の過不足が僅かの時に直ちに動作を開始せずに、一定時間にわたり限界量を超えた時にのみ戻り弁7aの弁の開度と冷水二次ポンプ5の運転台数とを変化させるので、緩やかに、かつ確実に、適切な戻り弁7aの弁の開度と二次冷水ポンプ5の運転台数とを決定できる。これにより、熟練した調整員の判断規準に近い方法で冷水循環システムを制御でき、自動的な施設の運転管理ができる。
更に、本実施の形態に係る冷水循環システムは、冷凍機の運転台数を自動的に最低限の台数にすると共に、自動的に最高効率の運転で冷凍機を動作させるので、冷水循環システム全体のエネルギーの低減を自動的に実現できる。更に、設備面でも起動側と停止側との2点の電極設備で対応でき、その制御動作も単純であることから、既存設備での新規導入が必要な状況にあっても冷凍機3の運転台数調整機構(つまり、冷凍機台数制御器151)を安価な方法で提供できる。
(第1の実施の形態の変形例)
図3は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る冷水循環システムの構成の概要を示す。
第1の実施の形態の変形例に係る冷水循環システムは、第1の実施の形態に係る冷水循環システムとは、負荷設備の数が異なる点を除き、第1の実施の形態に係る冷水循環システムと同様の構成を備える。よって、相違点を除き、詳細な説明は省略する。
第1の実施の形態の変形例に係る冷水循環システムは、負荷設備81Aを1台のみ備える。したがって、第1の実施の形態の変形例においては、第1の実施の形態に係る冷水循環システムが備える戻りヘッダー9及び集合管10を要さない。そして、第1の実施の形態の変形例に係る冷水循環システムにおいては、負荷設備81Aに接続されている戻り管に、戻りの温度検出器19が設置される。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る冷水循環システムの構成の概要を示す。
第2の実施の形態に係る冷水循環システムは、第1の実施の形態に係る冷水循環システムとは、負荷設備の前段に加圧ポンプを更に備える点を除き、第1の実施の形態に係る冷水循環システムと同様の構成を備える。よって、相違点を除き、詳細な説明は省略する。
第2の実施の形態に係る冷水循環システムは、複数の負荷設備のうち、冷水二次ポンプ5から送水される送り冷水の圧力が負荷設備の入口側(つまり、負荷設備に向けて供給される送り冷水が流入する制御二方弁16の手前側)において最も低下する負荷設備の前段に、圧力可変部としての加圧ポンプ40を備える。加圧ポンプ40は、負荷設備に供給される送り冷水の圧力を変化させる。具体的に、加圧ポンプ40は、負荷設備に供給される送り冷水の圧力が、負荷設備が要求する圧力まで加圧する。また、加圧ポンプ40は、冷水二次ポンプ5よりも小型のポンプを用いることができる。
なお、送り冷水の圧力が負荷設備の入口において最も低下する負荷設備とは、例えば、冷水循環システムが備える複数の負荷設備のうち、冷水二次ポンプ5から最も離れた位置に設置される負荷設備、又は、冷水二次ポンプ5が設置される位置を基準として、当該位置からの標高が最も高いところに設置される負荷設備、あるいは冷水二次ポンプ5により送られた冷水がその負荷設備に到達するまでの配管のうちに圧力損失が大きな部分を有する負荷設備等である。
なお、負荷設備の入り口側の配管に、圧力可変部としてのバルブを設けることもできる。このバルブを調整することにより、負荷設備に供給される送り冷水の圧力を増加又は減少させることができる。このバルブにより、冷水循環システム全体の水圧のバランスを調整することができ、負荷設備それぞれに対して送り冷水を適切に分配できる。
第2の実施の形態に係る冷水循環システムは、負荷設備の前段に加圧ポンプ40を設置することができるので、冷水二次ポンプ5から離れた位置等に設置された負荷設備であっても、当該負荷設備に要求される圧力の送り送水を当該負荷設備に適切に供給することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1 冷水一次ポンプ
2 蓄熱槽
2a 高温部
2b 低温部
2c 蓄熱部
3 冷凍機
5 冷水二次ポンプ
6 送りヘッダー
7 還り管
7a 戻し弁
8 負荷設備
9 戻りヘッダー
10 集合管
11 流量計
16 制御二方弁
17A、17B 冷却対象物
18 送りの温度設定器
19 戻りの温度検出器
21 起動温度検出器
22 停止温度検出器
24A、24B 制御信号変換器
31 クーリングタワー
32 冷却水ポンプ
40 加圧ポンプ
81A、81B 負荷設備
131 ポンプ運転制御器
151 冷凍機台数制御器

Claims (7)

  1. 送り冷水を貯える低温部と戻り冷水を貯える高温部とを有する冷水蓄熱槽と、
    前記戻り冷水を前記高温部から冷凍機を介して前記低温部へ送る冷水一次ポンプと、
    前記低温部から前記送り冷水を、制御弁により必要水量が連続的に調整される負荷設備に送る冷水二次ポンプと、
    前記冷水二次ポンプと前記負荷設備との間に前記負荷設備に送水される前記送り冷水の圧力を制御する圧力制御部を介して設けられ、前記負荷設備に送水される前記送り冷水を前記圧力制御部を通して前記低温部に還すことができる還り管と、
    前記圧力制御部を制御することにより、前記低温部から前記負荷設備への前記送り冷水の前記圧力を調整するポンプ運転制御器と
    を備え、
    前記ポンプ運転制御器は、前記送り冷水の温度と前記戻り冷水の温度との温度差と、前記負荷設備の定格設計温度差との差の絶対値が減少する方向へ、前記温度差に基づいて前記圧力制御部を制御することにより前記負荷設備への送り冷水の送水量を調整する冷水循環システム。
  2. 前記ポンプ運転制御部は、前記温度差を、前記低温部から前記負荷設備に送水される前記送り冷水に予め設定された送り冷水温度と前記負荷設備から前記高温部に戻される前記戻り冷水の温度を測定して得られた戻り冷水温度とから計算される算出温度差として算出し、前記算出温度差に基づいて前記圧力制御部を制御する請求項1に記載の冷水循環システム。
  3. 前記圧力制御部は、前記負荷設備への前記送り冷水の量を制御する戻し弁であって、
    前記ポンプ運転制御器は、前記戻し弁の開度を制御する請求項2に記載の冷水循環システム。
  4. 前記ポンプ運転制御器は、前記算出温度差と前記定格設計温度差との差の絶対値が予め設定された許容値を外れた時間が、予め設定した一定の時間を連続して、又は、予め設定した時間内に累積して過ぎた場合に、前記負荷設備への前記送り冷水の前記圧力を調整する請求項3に記載の冷水循環システム。
  5. 前記負荷設備の前段に、前記負荷設備に供給される前記送り冷水の圧力を変化させる圧力可変部
    を更に備える請求項4に記載の冷水循環システム。
  6. 前記圧力可変部は、前記冷水二次ポンプより小型の加圧ポンプである請求項5に記載の冷水循環システム。
  7. 複数の前記負荷設備を更に備え、
    前記送り冷水は、複数の前記負荷設備のそれぞれに複数の送り管を通じて送水され、
    複数の前記負荷設備のそれぞれは、複数の戻り管を通じて前記戻り冷水を前記高温部に送水し、
    前記送り冷水温度は、前記複数の送り管の第1の集合部分において予め設定される温度であり、
    前記戻り冷水温度は、前記複数の戻り管の第2の集合部分あるいはその後段において計測される請求項2〜6のいずれか1項に記載の冷水循環システム。
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