JP2010189302A - 病変間葉系幹細胞が関連する疾患の治療剤および間葉系幹細胞の検出マーカーの利用 - Google Patents

病変間葉系幹細胞が関連する疾患の治療剤および間葉系幹細胞の検出マーカーの利用 Download PDF

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Abstract

【課題】病変間葉系幹細胞が関連する疾患の治療剤および間葉系幹細胞の遺伝子を検出するために用いられる手段を提供する。
【解決手段】本発明にかかる治療剤は、MSCにおいて発現が亢進されている所定の転写因子の遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子、またはその部分配列に対するsiRNAを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、変形性関節症由来滑膜細胞や関節リウマチ由来滑膜細胞をはじめとする病変間葉系幹細胞において高発現する遺伝子の利用に関する。より具体的には、本発明は、上記遺伝子の発現抑制を行うことによる、病変間葉系幹細胞が関連する疾患の治療剤を提供する。上記治療薬は、上記遺伝子またはその部分断片に対するsiRNAを含み、RNAiの原理によって当該遺伝子の発現を抑制する。
また、本発明は、上記遺伝子を検出マーカーとして用い、間葉系幹細胞を検出する方法に関する。さらに、本発明は、上記遺伝子を検出するために用いられる手段(例えばマイクロアレイ、プローブ、抗体等)をも提供する。
間葉系幹細胞(以下、適宜「MSC」と略す)は、哺乳類の骨髄等に存在し、脂肪細胞、軟骨細胞、骨細胞に分化する多能性の幹細胞として知られている。間葉系幹細胞は、その分化多能性の故に、多くの組織の再生医療のための移植材料として注目されている。すなわち、間葉系幹細胞を用いて、従来の治療方法では再生しなかった、疾病や障害により失った組織を再生し、機能を回復させる「細胞移植による再生医療」である。具体的には、例えば、下肢虚血(ビュルガー病)患者に対する骨髄間葉系幹細胞の移植、歯周病患部への骨髄間葉系幹細胞の移植、変形性関節症患者に対する骨髄間葉系幹細胞の移植、火傷患部への羊膜上皮シートの移植、糖尿病患者への羊膜幹細胞の移植等の治療が開始または計画されている。
このように間葉系幹細胞を再生医療に利用するためには、まず、幹細胞を生体組織から採取し、それを未分化のまま増殖させ、さらに増殖させた未分化幹細胞を所望の細胞へ分化誘導し、再生治療用の組織の調製を行うことが必要となる。
ここで、本発明者らはこれまでに、間葉系幹細胞の採取に際して、採取母体に安全で、且つ採取が容易な分離採取を行うために、口腔組織から間葉系幹細胞を分離採取する方法を報告している(特許文献1参照)。また、基底膜細胞外基質の存在下において、または線維芽細胞増殖因子(FGF)等の含有培地で間葉系幹細胞を培養することによって、間葉系幹細胞を著しく速く増殖させ、かつ、その分化能を維持できることを見出して、従来の培養方法と比較して顕著に多くの間葉系幹細胞を得る培養方法を報告している(特許文献2参照)。
さらに、本発明者らは間葉系幹細胞を用いた再生医療を実用化するために、培養した細胞から間葉系幹細胞を識別し、当該間葉系幹細胞を分離する方法を開発した。より具体的には、本発明者らは、形態的に類似しているためにその区別が困難な間葉系幹細胞と線維芽細胞とを、間葉系幹細胞検出用遺伝子マーカーおよび/または間葉系幹細胞検出用タンパク質マーカーを用いて効果的に識別し、分離する方法を開発した(特許文献3参照)。また本発明者らは、分子マーカーを用いて、未分化の間葉系幹細胞と、線維芽細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、および脂肪細胞等の他の結合組織系の細胞とを精度よく識別し、未分化の間葉系幹細胞を分離する方法を開発した(国際出願番号PCT/JP2006/306658、国際出願日2006年3月30日)。
ところで、変形性関節症(以下「OA」という)や関節リウマチ(以下「RA」という)由来の滑膜細胞が、骨、軟骨、脂肪などへの分化能を有していることが、最近報告された(非特許文献1参照)。また本発明者らによる検討によっても、OA由来滑膜細胞およびRA由来滑膜細胞が多分化能を有していることが確認され、OA由来滑膜細胞およびRA由来滑膜細胞は病的に変化したMSC(「病変MSC」ともいう)であるということが明らかとなった。また上記病変MSCが有する異常な増殖能および分化能によって、関節症が悪化することも知られている(非特許文献2参照)。
したがって、例えばOAやRAのような、病変MSCが関連する疾患の治療を効果的に行うため、病変MSCの増殖を強く抑制する治療剤の開発が求められている。当該手段としては、OA由来滑膜細胞やRA由来滑膜細胞をはじめとする病変MSCにおいて発現が亢進されている遺伝子を見出し、上記遺伝子に対するsiRNAを治療剤として用いる技術が開示されている(特許文献3参照)。
特開2003−52365号公報(公開日:平成15(2003)年2月25日) 特開2003−52360号公報(公開日:平成15(2003)年2月25日) 特開2008−092919号公報(公開日:平成20(2008)年4月24日) Arthritis Rheum. 2005 Aug;52(8):2521-9. Comparison of human stem cells derived from various mesenchymal tissues: superiority of synovium as a cell source.Sakaguchi Y, Sekiya I, Yagishita K, Muneta T. 「骨、関節疾患」宮坂信之、野田政樹、西岡久寿樹(編集)、3関節リウマチ、p218-227、2003年、朝倉書店
特許文献3に開示された遺伝子に対するsiRNAは、対応する遺伝子の発現を50〜80%程度抑制することができ、病変間葉系幹細胞が関連する疾患の治療剤として使用することができるが、強い抑制効果を有する治療剤はなお求められている。
そこで、本発明は、病変間葉系幹細胞が関連する疾患の治療剤をさらに提供することを目的としている。また、本発明は、間葉系幹細胞の遺伝子を検出するために用いられる手段(例えばマイクロアレイ、プローブ、抗体等)を提供することを目的とした。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、正常MSC、線維芽細胞(以下「FB」という)、骨芽細胞(以下「OS」という)、軟骨細胞(以下「CH」という)、脂肪細胞(以下「AD」という)、OA由来滑膜細胞、およびRA由来滑膜細胞において、DNAマイクロアレイを用いて各種遺伝子の発現プロファイルを調べたところ、(a)正常MSC、OA由来滑膜細胞およびRA由来滑膜細胞において選択的に発現が亢進されている遺伝子が存在するという知見を得た。そして本発明者らは、定量的RT−PCR法によって、上記遺伝子の中から各細胞において特異的発現が観察される遺伝子をさらに選抜し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(1)下記表1に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子、またはその部分配列に対するsiRNAを含むことを特徴とする、病変間葉系幹細胞が関連する疾患の治療剤。
Figure 2010189302
表1に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子は、MSCにおいて発現が亢進されている転写因子の遺伝子である。後述する実施例に示すように、上記遺伝子またはその部分配列に対するsiRNAによれば、RNAiの原理によって病変MSCの増殖を抑制または促進することができ、病変MSCが関連する疾患の治療および予防を行うことができる。なお、本明細書における「治療剤」とは、発症した疾患の治療に用いられる薬剤のみならず、疾患の予防に用いられる薬剤をも含む意味である。また、上記疾患は、変形性関節症および/または関節リウマチであることが好ましい。
(2)下記表2に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子を検出マーカーとして用い、
被検細胞において、当該検出マーカーの発現を検出する工程を含むことを特徴とする、正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞の検出方法。
Figure 2010189302
上記遺伝子は、正常MSCおよび病変MSCにおいて高発現する遺伝子であるため、正常MSCまたは病変MSCの検出マーカーとして用いることができる。したがって、少なくとも被検細胞が分化能を有するMSCであるか否かを判断するために用いることができる。
(3)下記(a1)〜(d1)のいずれかのうち、少なくとも1つ以上が固定されてなる、正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞検出用検出用のマイクロアレイ:
(a1)下記表3に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子のうち、少なくとも1つ以上の遺伝子;
(b1)下記表3に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子のうち、少なくとも1つ以上の遺伝子のアンチセンス鎖;
(c1)上記(a1)または(b1)の部分塩基配列を有するポリヌクレオチド;および
(d1)上記(a1)〜(c1)のいずれかに示される塩基配列を有するポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
Figure 2010189302
表3に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子は、正常MSCおよび病変MSCにおいて高発現する遺伝子である。よって、上記マイクロアレイは、被検細胞において、正常MSCまたは病変MSCの遺伝子の発現を検出する際に用いられ得る。それゆえ、上記マイクロアレイによれば、被検細胞に分化能を有するMSCが含まれているか否かを効率良く検出することができる。
(4)下記(a2)〜(c2)のいずれかに示される塩基配列を有するポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドからなることを特徴とする正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞検出用の検出用プローブ:
(a2)下記表4に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子のうち、少なくとも1つ以上の遺伝子;
(b2)下記表4に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子のうち、少なくとも1つ以上の遺伝子のアンチセンス鎖;および
(c2)上記(a2)または(b2)の部分塩基配列。
Figure 2010189302
表4に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子は正常MSCおよび病変MSCにおいて高発現する遺伝子である。よって、上記プローブは、被検細胞において、正常MSCまたは病変MSCの遺伝子の発現を検出する際に用いられ得る。それゆえ、上記プローブによれば、被検細胞に分化能を有するMSCが含まれているか否かを効率良く検出することができる。
(5)下記(a3)または(b3)に記載のポリペプチドを用いて誘導され、かつ当該ポリペプチドに特異的に結合する抗体を備えてなる正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞の検出用抗体:
(a3)下記表5に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子によってコードされるポリペプチドのうち、少なくとも1つ以上のポリペプチド;
(b3)上記(a3)の部分ポリペプチド。
Figure 2010189302
表5に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子は正常MSCおよび病変MSCにおいて高発現する遺伝子である。よって、上記検出用抗体は、被検細胞において、上記遺伝子の発現を、当該遺伝子がコードするポリペプチドの発現をもって検出する際に用いられ得る。それゆえ、上記検出用抗体によれば、被検細胞に分化能を有するMSCが含まれているか否かを効率良く検出することができる。
本発明にかかる病変MSCが関連する疾患の治療剤は、病変MSCを標的とするものであるため、効率よく病変MSCが関連する疾患(例えばOAやRAなど)を治療することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞の検出方法、正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞検出用のマイクロアレイ、正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞の検出用プローブ、正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞の検出用抗体は、正常MSCおよび病変MSCで高発現する遺伝子を検出対象とするものであるため、少なくとも被検細胞が分化能を有するMSCであるか否かを効率よく判断できるという効果を奏する。
本発明で用いられる転写因子のDNAマイクロアレイの解析結果とRT−PCRの解析結果とを比較したものである。 ETV5,HMGA2,KLF12,SIM2がOA由来滑膜細胞中およびRA由来滑膜細胞中で多く発現することを示すグラフである。
本明細書中で使用される場合、用語「ポリペプチド」は、「ペプチド」または「タンパク質」と交換可能に使用される。本発明にかかるポリペプチドはまた、天然供給源より単離されても、組換え生成されても、化学合成されてもよい。また、本明細書中で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」は、「遺伝子」、「核酸」または「核酸分子」と交換可能に使用され、ヌクレオチドの重合体が意図される。また、「遺伝子」には、DNAのみならず、RNA(例えばmRNA)をも含む意味である。本明細書中で使用される場合、用語「塩基配列」は、「遺伝子配列」、「核酸配列」または「ヌクレオチド配列」と交換可能に使用され、デオキシリボヌクレオチド(A、G、CおよびTと省略される)の配列として示される。
<病変MSCが関連する疾患用治療剤>
本発明者は、正常MSC,線維芽細胞(以下「FB」という)、骨芽細胞(以下「OS」という)、軟骨細胞(以下「CH」という)、脂肪細胞(以下「AD」という)において、DNAマイクロアレイおよびRT−PCR(逆転写PCR)を用いて各種遺伝子の発現プロファイルを調べたところ、FB,OS,CH,ADと比較して正常MSC中で選択的に発現が亢進されている5つの転写因子の遺伝子が存在し、このうち4つの遺伝子は、OA由来滑膜細胞中およびRA由来滑膜細胞中で発現が亢進されていることを独自に見出した。
本発明にかかる病変MSCが関連する疾患用治療剤は、上記表1に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子、またはその部分配列に対するsiRNAを含む。
上記「少なくとも1つ以上の遺伝子」とは、表1に記載の遺伝子を1つだけ用いてもよく、2以上の遺伝子を適宜組み合わせて用いてもよいとの意味である。上記「部分配列」からなるポリヌクレオチドのサイズは、当該ポリヌクレオチドを用いてsiRNAを構成した場合に、対応する遺伝子の発現を抑制できるサイズであれば特に限定されるものではない。
ここで、上記表1中、「No.」は通し番号を、「Common Name」は一般的な遺伝子の略称を、「Description」は遺伝子に関連する詳細情報を、「GenBank Accession No.」はGenBankのアクセッション番号をそれぞれ示している(その他同様の項目を有する表において同じ)。
上記表1中に記載されている遺伝子群の塩基配列および当該遺伝子群がコードするタンパク質のアミノ酸配列情報は既に公知であり、特に、遺伝子群の塩基配列情報は、GenBankの遺伝子データベースにおいて、上記表1に記載のアクセッション番号によりアプローチすることができる。
上記siRNAを標的細胞に導入すれば、それに対応する遺伝子の発現がRNAiの原理によって抑制される。上記遺伝子はMSCの病変に密接に関連しているため、当該遺伝子の発現が抑制されることによってMSCの病変が抑制または促進され、その結果、病変MSCに関連する疾患の治療または予防を行うことができる。よって本発明は上記siRNAを生体に導入することを特徴とする、病変MSCが関連する疾患の治療および予防方法をも包含する。
後述する実施例において、本発明者らは、上記表1に記載された転写因子の遺伝子のうち、KLF12を除く遺伝子に対するsiRNAを、OA由来滑膜細胞およびRA由来滑膜細胞へ導入した。その結果、OA由来滑膜細胞および/またはRA由来滑膜細胞の明らかな増殖抑制効果が確認された。よって、上記siRNAは病変MSCの増殖を抑制し得るものといえ、当該siRNAを病変MSCが関連する疾患の治療剤として利用し得るということがわかった。
また、KLF12に対するSiRNAを、OA由来滑膜細胞およびRA由来滑膜細胞へ導入した。その結果、RA由来滑膜細胞の増殖促進効果が確認された。よって、当該siRNAを病変MSCが関連する疾患の治療剤として利用し得るということがわかった。当該治療剤としては、例えば関節炎治療薬や肉腫治療薬、各種間葉系組織(骨、軟骨、関節など)の形成不全がある疾患(例えば骨折、骨欠損、軟骨欠損など)の治療薬を挙げることができる。
上記「病変MSCが関連する疾患」としては、従来公知のMSCの異常、またはMSCからの分化異常等の間葉系幹細胞が関連して引き起こされる疾患(所謂、「再生不良症候群」)であればよく、その具体的な疾患については特に限定されるものではない。
例えば、疾病や障害により失った組織を再生し、機能を回復させる「細胞移植による再生医療」の対象となる疾患の他、間葉系幹細胞の量的変化(細胞数の異常等)や質的変化(分化能の異常等)が低下する結果、引き起こされる疾患、つまりMSCの供給不足により発症する疾患等を挙げることができる。具体的には、例えば、下肢虚血(ビュルガー病)、歯周病、変形性関節症、関節リウマチ、難治性皮膚疾患、糖尿病、骨欠損、骨粗しょう症、並びに虚血性の心疾患、肝疾患、腎疾患、および神経変性疾患(アルツハイマー病等)等を挙げることができる。
siRNA(short interference RNA, small interfering RNA)は、目的の遺伝子の発現をRNAiの原理によって抑制することができるものであれば、その塩基配列は特に限定されるものではない。本明細書において「siRNA」とは、stRNA(small temporal RNA)、およびshRNA(short hairpin RNA)をも含む意味である。またsiRNAの塩基配列の設計は発現抑制を所望する遺伝子の塩基配列情報をもとにして、公知の方法によって行われ得る。現在、siRNAを設計する際に用いられるソフトウェアが市販されており、効率の観点から当該ソフトウェアを用いて設計することが好ましい。市販のソフトウェアとしては、例えばRNAi社製(http://www.rnai.co.jp/)のsiDirectTM等が挙げられる。
上記のようにして設計されたsiRNAの合成は、公知の自動ヌクレオチド合成器によって行われ得る。なお現在、siRNAの設計から合成までを、企業に委託することが可能である。委託先としては、Ambion社、Invitrogen社、QIAGEN社、Dharmacon社等が挙げられる。
後述する実施例において使用したsiRNAの塩基配列は以下の通りである。ETV5に対するsiRNAのセンス鎖の塩基配列を配列番号1に示し、アンチセンス鎖の塩基配列を配列番号2に示した。HMGA2に対するsiRNAのセンス鎖の塩基配列を配列番号3に示し、アンチセンス鎖の塩基配列を配列番号4に示した。KLF12に対するsiRNAのセンス鎖の塩基配列を配列番号5に示し、アンチセンス鎖の塩基配列を配列番号6に示した。SIM2に対するsiRNAのセンス鎖の塩基配列を配列番号7に示し、アンチセンス鎖の塩基配列を配列番号8に示した。SOX11に対するsiRNAのセンス鎖の塩基配列を配列番号9に示し、アンチセンス鎖の塩基配列を配列番号10に示した。
本発明の治療剤には、siRNAのほか、siRNAを細胞へ導入する際に用いられる公知の試薬、例えばLipofectamine 2000 (Invitrogen社製), RNAiFectTMTransfection Reagent (QIAGEN社製)が含まれていてもよい。上記の試薬等が含まれていることで、siRNAの細胞への導入効率の向上するとともに、siRNAの安定性が向上するからである。
また、本発明の治療剤は、薬学的に許容できる所望の担体と組み合わせて組成物とすることができる。担体としては、例えば、滅菌水、生理食塩水、緩衝剤、植物油、乳化剤、懸濁剤、塩、安定剤、保存剤、界面活性剤、徐放剤、他のタンパク質(BSAなど)、トランスフェクション試薬(リポフェクション試薬、リポソーム等を含む)等が挙げられる。さらに、使用可能な担体としては、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンのり、マグネシウムトリシリケート、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイドシリカ、馬鈴薯デンプン、尿素、ヒアルロン酸、コラーゲン等の細胞外マトリックス物質、ポリ乳酸、リン酸カルシウム担体などが挙げられる。
製剤化する場合の剤型は制限されず、たとえば溶液(注射剤)、マイクロカプセル、錠剤などであってよい。投与は全身または局所的に行い得るが、全身投与による副作用や効果の低下がある場合には、局所投与することが好ましい。
ここで、臨床適用のための上記本発明の治療剤の投与条件は、常法のモデル動物系等を用いて適宜決定することができる。すなわち、モデル動物を用いて投与量、投与間隔、投与ルートを含む投与条件を検討し、適切な予防または治療効果を得られる条件を決定することができる。
また、患者への投与は、各種細胞や疾患等の性質に応じて、例えば外科的、経皮的、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、腹腔内、静脈内、関節内、皮下、脊髄腔内、脳室内、または経口的に行われうるがそれらに限定されない。投与は全身的または局所的にされ得るが、全身投与による副作用が問題となる場合には病変部位への局所投与が好ましい。投与量、投与方法は、本医薬の有効成分の組織移行性、治療目的、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
治療対象となる個体は、原則としてヒトを対象としているが、これ以外にも、愛玩動物(ペット)用の治療用の用途へ使用してもよい。愛玩動物としては、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ウマ、ヒツジ、ウシなどの非ヒト哺乳動物およびその他の脊椎動物を挙げることができる。
<2.正常MSCまたは病変MSCの検出方法>
本発明にかかる正常MSCまたは病変MSCの検出方法(以下、「本発明の検出方法」という)は、上記表2に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子を検出マーカーとして用い、被検細胞において、当該検出マーカーの発現を検出する工程を含む方法である。本発明にかかるMSCの検出方法は、上記の工程が少なくとも含まれていればよく、その他の工程、条件、使用材料、使用機器等の具体的な構成については特に限定されるものではない。
本発明の検出方法において使用する「被検細胞」は、本発明の検出方法が適用され得る細胞であれば特に限定されるものではない。例えば、MSCが含まれている、またはMSCが含まれている可能性がある細胞が挙げられる。より具体的には、公知の方法(例えば特許文献1に記載の方法)によって採取母体から採取されたMSC、公知の方法(例えば特許文献2に記載の方法)によって培養されたMSC等が本発明の方法の被検細胞として適用され得る。
上記表2に記載の4つの遺伝子は、正常MSC、RA由来滑膜細胞およびOA由来滑膜細胞において選択的に発現が亢進されている遺伝子である。すなわち、当該遺伝子は、FB、OS、CHおよびADにおいてその発現量が相対的に低く、かつ正常MSC、RA由来滑膜細胞およびOA由来滑膜細胞においてその発現量が相対的に高い遺伝子であるといえる。
したがって、被検細胞において、上記表2に記載された遺伝子の発現を検出し、その発現量が相対的に高いということが検出されれば、当該被検細胞は正常MSCまたは病変MSCを含む細胞であるということが判断できる。よって、上記表2に記載された遺伝子を検出するのみでは、被検細胞が正常MSCであるか病変MSCであるかを識別することはできないが、少なくとも被検細胞が分化能を有するMSCであることを判断することができる。つまり、上記表2に記載された遺伝子は正常MSCまたは病変MSC検出用の検出マーカーとして利用し得るということである。
すなわち、上記表2に記載された遺伝子は、MSC以外にFB、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞などの種々の細胞が含まれている細胞集団から、MSCを識別する際に用いられる。ここで被検細胞において上記表2に記載された遺伝子の発現量が高いか否かについては、適当な比較対照細胞(正常MSC、FB、OA由来間葉系細胞、RA由来間葉系細胞)における遺伝子の発現量と対比することで判断すればよい。また、発現量の基準値をあらかじめ設定しておき、当該基準値を基準として、上記判断が行なわれてもよい。すなわち被検細胞における上記表2に記載された遺伝子の発現量が、基準値より高ければ当該遺伝子の発現量が高いと判断し、基準値より低ければ当該遺伝子の発現量が低いと判断される。
本発明の検出方法においては、上記表2に記載されている遺伝子のうち1つ以上を検出することにより本発明の目的を達成し得るが、2つ以上の遺伝子を適宜組み合わせて検出することが好ましい。2つ以上の遺伝子を検出することによって、正常MSCまたは病変MSCの検出精度を向上させることができる。
なお、上記転写因子を有する細胞の局在については、従来公知の免疫組織化学の手法、例えばデュアル免疫蛍光ラベリング等の蛍光抗体法や酵素抗体法を用いて確認することができる。
本発明の検出方法において、上記検出マーカーの遺伝子の発現を検出する際には、遺伝子の発現の検出に用いられる従来公知の方法を好適に用いることができる。例えば、下記(a1)〜(d1)のいずれかのうち、少なくとも1つ以上が固定されてなるMSC検出用のマイクロアレイを用いて検出マーカーの遺伝子の発現を検出することができる:
(a1)上記表3に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子のうち、少なくとも1つ以上の遺伝子;
(b1)上記表3に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子のうち、少なくとも1つ以上の遺伝子のアンチセンス鎖;
(c1)上記(a1)または(b1)の部分塩基配列を有するポリヌクレオチド;および
(d1)上記(a1)〜(c1)のいずれかに示される塩基配列を有するポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
上記検出マーカーの遺伝子の部分塩基配列からなるポリヌクレオチドのサイズは、当該ポリヌクレオチドも用いてマイクロアレイを構成した場合に、目的とする検出マーカーの遺伝子が検出し得るサイズであれば特に限定されるものではない。
上記マイクロアレイとしては、例えば、米国Affymetrix社のDNAマイクロアレイやスタンフォード(Stanford)型のDNAマイクロアレイ等、その他半導体製造で用いられる微細加工技術を用いてシリカ基板上に直接オリゴヌクレオチドを化学合成するDNAマイクロアレイを含む従来公知のあらゆるタイプのマイクロアレイを好適に用いることができ、その具体的な大きさ、形状、システム等については特に限定されるものではない。上記MSC検出用マイクロアレイは、本発明の検出方法の実施に利用されるものであり、本発明が意図する範囲に含まれる。
上述したMSC検出用マイクロアレイは、少なくとも一つの遺伝子を検出することができるように構成されていれば、本発明の目的を達成し得るが、多数の検出マーカーの遺伝子群の発現を網羅的かつ体系的に解析できるとの理由により、2つ以上の遺伝子、より好ましくはできるだけ多数の遺伝子を検出し得るように構成されていることが好ましい。被検細胞が分化能を有するMSCであるか否かを非常に簡便かつ精度よく識別できるようになるからである。
また、MSC検出用マイクロアレイには、上記表2に記載されたMSC検出用のマーカーのみならず、その他の分子マーカーが固定化されていてもよい。例えば、公知のMSC検出用遺伝子マーカー(例えば特許文献3)や、国際出願番号PCT/JP2006/306658(国際出願日2006年3月30日)に開示されているMSC検出用遺伝子分子マーカー、「Ishii,M., Koike,C., Igarashi,A., Yamanaka,K., Pan,H., Higashi,Y., Kawaguchi,H., Sugiyama,M., Kamata,N., Iwata,T., Matsubara,T., Nakamura,K., Kurihara, H., Tsuji,K., and Kato,Y. Molecular Markers Distinguish Bone Marrow Mesenchymal Stem Cells from Fibroblasts. Biochem Biophys Res Commun.332(1),297-303,2005.」に開示されている分子マーカー、等が挙げられる。
他方、上記MSC検出用マイクロアレイを用いる方法以外によっても、本発明の検出方法における検出マーカーの遺伝子の発現を検出し得る。例えば、本発明における検出マーカーの遺伝子の発現の検出のために、ノーザンブロッティング法を用いることができる。また、本発明における検出マーカーの遺伝子の発現を検出するために、本発明における検出マーカーの遺伝子の全長DNA配列またはその部分配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、上記全長DNA配列またはその部分配列を検出可能な塩基配列を有する検出用プローブを用いることができる。
上記検出用プローブを用いる病変MSCまたは正常MSCにおける遺伝子の発現検出は、公知の方法を用いて適宜実施することができる。例えば、本発明における検出マーカーの遺伝子の公知の塩基配列から、DNAプローブとして適当な長さのDNAプローブを作製し、蛍光標識等の標識を適宜付与しておき、これを被検細胞とハイブリダイズさせることにより、病変MSCまたは正常MSCの検出を行い得る。また上記検出用プローブとしては、本発明における検出マーカーの遺伝子のアンチセンス鎖の全長配列または部分配列からなる検出用のプローブも採用し得る。
なお、上記検出用プローブの作製に際して、検出マーカーの遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする条件としては、例えば、42℃でのハイブリダイゼーション、および1×SSC(0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム)、0.1%のSDS(Sodium dodecyl sulfate)を含む緩衝液による42℃での洗浄処理を挙げることができ、より好適には、65℃でのハイブリダイゼーション、および0.1×SSC、0.1%のSDSを含む緩衝液による65℃での洗浄処理を挙げることができる。
なお、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響を与える要素としては、上記温度条件以外に種々の要素があり、当業者であれば種々の要素を組み合わせて、上記例示したハイブリダイゼーションのストリンジェンシーと同等のストリンジェンシーを実現することが可能である。
また、被検細胞における検出マーカーの遺伝子の発現を検出するに際しては、被検細胞の遺伝子を増幅するために、定量的または半定量的PCRを用いることができる。上記定量的または半定量的PCRとしては、例えば、RT−PCR(逆転写PCR)を用いることができる。上記定量的または半定量的PCRを行うに際しては、本発明における検出マーカーの遺伝子を増幅するためのセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーからなる1対のプライマーセットを用いる。
また、本発明の検出方法は、インベーダ(Invader(登録商標))法を利用して簡便に行うこともできる。例えば、上述の検出マーカーの遺伝子に特異的にハイブリダイズする塩基配列と酵素切断部位とを有するシグナルプローブを設計し、被検細胞から抽出したトータルRNA(cDNAでも構わない)、インベーダオリゴ(Invader(登録商標) Oligo)、クリベース酵素(Cleavase(登録商標) Enzyme)、およびフレットプローブ(FRET Probe)とともに所定の温度、所定の時間(例えば、63℃、2時間等)反応させることにより行うことができる。なお、具体的な実験手法や条件については、下記参考文献を参照して適宜行うことができる(参考文献:(i) T. J. Griffin et al., Proc Natl Acad Sci U S A 96, 6301-6 (1999) 、(ii) M. W. Kaiser et al., J Biol Chem 274, 21387-94 (1999) 、(iii) V. Lyamichev et al., Nat Biotechnol 17, 292-6 (1999) 、(iv) R. W. Kwiatkowski et al., Mol Diagn 4, 353-64 (1999) 、(v) J. G. Hall et al., Proc Natl Acad Sci U S A 97, 8272-7 (2000) 、(vi) M. Nagano et al., J Lipid Res 43, 1011-8 (2002) 等参照)。
上記のように、インベーダ法を利用すれば、遺伝子増幅の必要がない場合もあり、迅速かつ低コストで行うことができる。なお、市販のインベーダ法キットを利用すれば、より一層簡便に本発明を実施できる。
また、in situハイブリダイゼーションを用いて、本発明の検出方法を行うこともできる。例えば、上述の検出マーカーまたはその部分配列を標識したものを検出用プローブとして用い、スライドグラス上の被検細胞の標本に直接分子雑種を形成させて、その部分を検出することにより簡易に行うことができる。具体的には、スライドグラス上に被検細胞の薄切片(パラフィン切片、凍結切片など)を調製し、これに標識した検出用プローブをハイブリダイズさせ、ノーザンハイブリダイゼーション法と同じように、検出用プローブを洗い落とし、写真用エマルジョンを塗布し、露光する。現像後、銀粒子の分布から、ハイブリダイズした場所を特定する。より具体的な実験手法や条件については、下記参考文献を用いて適宜行うことができる(参考文献:(i)「in situハイブリダイゼーション法」、(1995年7月)、古庄敏行、井村裕夫監修、金原出版(株)発行、932頁〜937頁、(ii)「in situハイブリダイゼーションによる遺伝子発現の解析」、「遺伝子工学実験」、(1991年5月)、野村慎太郎著、(社)日本アイソトープ協会発行、221頁〜232頁等参照)。
in situハイブリダイゼーション法には、ラジオアイソトープ(主としてH)標識したDNAを検出用プローブとして、その座位をオートラジオグラフィーで検出する方法と、標識された検出用プローブの蛍光シグナルを蛍光顕微鏡下で検出する方法があるが、いずれの方法を用いてもよい。
また、本発明の検出マーカーの遺伝子の発現を、当該遺伝子がコードするタンパク質の発現をもって検出する場合には、当該タンパク質を用いて当該タンパク質と特異的に結合する抗体を作製し、当該抗体を用いて、後述するそれ自体公知の方法で当該タンパク質の発現量を検出すればよい。
このため、上記表5(表2に対応する)のいずれかに記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子にコードされるポリペプチドのうち、いずれか1つ以上のポリペプチドを含むMSC検出マーカーも本発明に含まれる。
さらに、上記(a3)または(b3)に記載のポリペプチドを用いて誘導され、かつ当該ポリペプチドに特異的に結合する抗体を備えてなる正常MSCまたは病変MSCの検出用抗体も本発明に含まれる。
なお、上記抗体は、ポリクローナル抗体であってもよいし、モノクローナル抗体であってもよい。上記抗体の作製は、例えば、本発明における検出マーカーの遺伝子がコードするポリペプチドの全長またはその部分断片を抗原として、従来公知の常法により作製することができる。上記ポリペプチドの部分断片は、免疫原性を有するものであればよい。
例えば、モノクローナル抗体を生産する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、抗原でマウスを免疫した後、そのマウス脾臓リンパ球とマウス由来のミエローマ細胞とを融合させてなる抗体産生ハイブリドーマにより、モノクローナル抗体を得ればよい。ハイブリドーマの生産方法は、従来公知の方法、例えば、ハイブリドーマ法(Kohler, G. and Milstein, C., Nature 256, 495-497(1975))、トリオーマ法、ヒトB−細胞ハイブリドーマ法(Kozbor, Immunology Today 4, 72(1983))、およびEBV−ハイブリドーマ法(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R Liss, Inc., 77-96(1985))等を利用することが可能であり、特に限定されるものではない。
また、上記抗原としては、ポリペプチドであれば特に限定されるものではないが、抗原決定基とする物質をキャリアタンパク質に結合してなる抗原タンパク質が用いられてもよい。具体的には、上記抗原がハプテンであれば、抗体の産生等を誘導する能力をもたないため、抗体を産生することができないが、抗原を異種由来のタンパク質などの生体高分子からなる担体と共有結合させて抗原タンパク質を得て、これで免疫すれば、抗体産生を誘導することができる。上記担体としては、特に限定されるものではなく、オボアルブミン、γグロブリン、ヘモシアニン等、この分野で従来公知の各種タンパク質を好適に用いることができる。また、モノクローナル抗体は遺伝子組換え技術等によっても生産できる。
また、ポリクローナル抗体を生産する方法としては、実験動物に抗原を接種・感作させ、その体液から抗体成分を精製して取得する方法を挙げることができる。なお、免疫させる動物としては、マウス、ラット、ウサギ、サル、ウマ等の従来公知の実験動物を用いることができ、特に限定されるものではない。また、抗原を接種し感作させる場合、その間隔や量についても常法にしたがって適宜行うことができる。
さらに、本発明の抗体を用いて、被検細胞における検出マーカーのタンパク質の発現を検出するには、公知の抗体を用いた免疫学的測定法を用いて実施することができる。上記免疫学的測定法としては、例えばRIA法、ELISA法、蛍光抗体法等の公知の免疫学的測定法を挙げることができる。また、上述した以外にも、例えば、ウェスタンブロッティング法、酵素免疫測定法、抗体による凝集や沈降や溶血反応を観察する方法、組織免疫染色や細胞免疫染色などの形態学的検出法も必要に応じて利用することができる。
以下実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正および改変を行うことができる。
<細胞の培養条件>
ヒト腸骨のMSCは、BioWhittaker社から購入したもの、または広島大学病院で腸骨稜から分離されたものを用いた。ヒト皮膚線維芽細胞は(株)KURABOから購入したものを用い、ヒト歯肉線維芽細胞はJ. Peridontal Res 38, 242-246に記載の方法に従い分離したものを用いた。ヒトOA由来滑膜細胞(MSC様細胞)およびヒトRA由来滑膜細胞(MSC様細胞)はCell Apprication社から購入したものを用いた。
MSCの培養およびMSCの骨芽細胞、軟骨細胞または脂肪細胞への分化は、J. Bone. Miner. Res. 20, 399-409に記載の方法に従って行った。MSCは、有糸分裂の間、FGF−2によって多分化能を維持しながら増殖するので、FGF−2をMSCの培養液に1ng/mlとなるように添加して、MSCを増殖させた。
FGF−2が遺伝子発現に直接作用することを回避するために、FGF−2はRNAを分離する72時間前にMSCまたは線維芽細胞の培養液から除去した。
<DNAマイクロアレイの解析およびリアルタイムRT−PCR>
トータルRNAは、6〜9代継代したMSC3株、7〜14代継代した線維芽細胞3株、分化誘導培地中で24時間または28日間培養したMSC3株、6〜8代継代したヒトOA由来滑膜細胞3株、ヒトRA由来滑膜細胞3株のそれぞれコンフルエントに達した細胞から、RNeasy(登録商標)Miniカラム(Qiagen)を用いて分離した。
DNAマイクロアレイの解析は、(株)KURABOが提供する、Affymetrix社の作製するDNAマイクロアレイ「GeneChip(登録商標)」を使用した受託解析サービスを利用した(http://www.bio.kurabo.co.jp/idensi/genechip/genechiptop.htm)。本受託解析サービスは、サンプルRNAを提供するだけで、GeneChip(登録商標)を使用した遺伝子発現プロファイル解析を行ってくれるものである。したがって、DNAマイクロアレイの解析の各工程についての説明は上記URLおよび同社の提供する受託解析サービスを参照することにより当業者であれば理解可能であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
データ(Microarray Suite version 5.0, SF=1; Affymetrix Inc.)は、GeneSpring(Silicon Genetics 社)を用いて標準化した。
すなわち、本実施例では、MSC,FB,OS,CH,AD,OA、RA由来滑膜細胞の各3株を用いてヒト遺伝子(プローブ)54675個に関する、各種細胞の遺伝子発現プロファイルを解析した。
リアルタイム定量RT−PCRは、ABI Prism 7900HT Sequence Detection System Instrument and Software (Applied Biosystems, Foster City, CA, U.S.A.)を用いて、行われた。プライマーとプローブは、Applied Biosystemsから購入した。データを、18SrRNAのレベルに対して標準化した。
DNAマイクロアレイの解析およびリアルタイム定量RT−PCRを行った結果、71の遺伝子が、線維芽細胞またはOS,CH,ADよりもMSC中で強く発現していることが見いだされ、これら71のMSCに特有な遺伝子には、5つの転写因子(ETV5,HMGA2、KLF12,SIM2,SOX11)の遺伝子が含まれていることが見出された。図1は、上記5つの転写因子のDNAマイクロアレイの解析結果とRT−PCRの解析結果とを比較したものである。
図1の横軸は細胞の種類を表しており、Fは線維芽細胞、MはMSC,OはOS,CはCH,AはADを表す。DNAマイクロアレイの解析は各細胞3株を用いて行い、リアルタイムRT−PCRはMSC,OS、CH,AD各6株と、線維芽細胞4株とを用いて行った。縦軸は、左がリアルタイムRT−PCRによるmRNAの相対的発現レベルを表しり、右はDNAマイクロアレイによる解析結果(標準化後の強度)を示している。図1において、LIFはポジティブコントロールであり、DNAマイクロアレイ解析およびリアルタイムRT−PCRにおいて、MSCおよびCHで強く発現している。図1に示すように、5つの転写因子はMSC中で強く発現されていることがわかる。なお、MSCを骨分化誘導培地、軟骨形成誘導培地、脂肪形成誘導培地を用いて培養すると、培養後24時間以内に、上記5つの転写因子を含む71の遺伝子は、93%が発現を抑制された(データ示さず)。つまり、上記5つの転写因子はMSCに特有の遺伝子であることが分かる。
<MSCに特有な転写因子に対するsiRNAによる、MSCに特有な遺伝子の発現抑制>
MSCに特有な転写因子であるETV5、HMGA2、KLF12、SIM2、SOX11のヌクレオチド配列をターゲットとするようにデザインされたsiRNAオリゴヌクレオチドおよび対照のオリゴヌクレオチドは、RNAi(株)から購入した。
まず各種siRNAオリゴの各種細胞における導入効率を確認すべく、以下の実験を行った。各種細胞を播種し1日培養後、Lipofectamine(登録商標)2000試薬(Invitrogen社製)を用いて、fluorescein標識をしたsiRNAオリゴを導入した。さらに、1日培養後、4%パラフォルムアルデヒドで細胞を固定し、0.1% Triton-X100にて細胞膜透過処理を行い、DAPI試薬を用いて核を染色した。染色された細胞の位相差顕微鏡像および各蛍光顕微鏡像を得て、Adobe Photoshop(登録商標)を用いて画像を合成した。合成した画像の蛍光強度を比較することによって、各種siRNAオリゴの各種細胞における導入効率がほぼ同等であるということが確認された。
次に、上記転写因子がMSCのマーカーとして機能することを確認した。まず、培養MSCが40%コンフルエントに達したときに、上記siRNAオリゴヌクレオチドを、12穴プレート(直径22mm)上で、Lipofectamine(登録商標)2000試薬(Invitrogen社製)を用いて、10%ウシ胎仔血清の存在下、MSCに導入した。導入48時間後(n=2)または72時間後(n=2)に、表6に示すMSCに特有な遺伝子のmRNAレベルをリアルタイムRT−PCRによって確認した。なお、陰性対照としては、negative control siRNAオリゴを用いた。
Figure 2010189302
表6は、上記5つの転写因子に対するsiRNAオリゴヌクレオチドの導入48〜72時間後に、MSCに特有な遺伝子の多くのmRNA発現レベルが有意に低下したことを示している。カッコ内の値はコントロールのレベル(1.0)と比較したmRNAのレベルを表している。有意な減少が見られた遺伝子は表中に記号を付している。表6に示すように、各siRNAは、異なるセットの、上記MSCに特有な遺伝子の発現を抑制した。よって、当該抑制は、siRNAの一般的な毒性に起因するのではないことが示唆される。以上の実験結果から、上記5つの転写因子は、MSCのマーカーとして働くことが示唆された。
また、図2に示すように、上記転写因子は、DNAマイクロアレイ解析の結果、SOX11を除いて、線維芽細胞、OS,CH、AD中よりもOA由来滑膜細胞中(n=3)およびRA由来滑膜細胞中(n=3)で多く発現していた。図2は、ETV5,HMGA2,KLF12,SIM2がOA由来滑膜細胞中およびRA由来滑膜細胞中で多く発現することを示すグラフである。横軸の「RA」はRA由来滑膜細胞、「OA」はOA由来滑膜細胞、「FB」は線維芽細胞を表す。縦軸はDNAマイクロアレイによる解析結果(標準化後の強度)を示している。表7、8は、図2に示す標準化後の強度と、標準偏差とを示すものである。表7、8において、「N」は標準化後の強度を示し、「SD」は標準偏差を示している。
Figure 2010189302
Figure 2010189302
よって、SOX11を除く4つの転写因子は、正常MSC、OA由来滑膜細胞中およびRA由来滑膜細胞中で発現が亢進されていることから、正常MSCまたは病変MSCの検出マーカーとして機能するといえる。
上記転写因子の機能を評価するために、正常MSC,OA由来滑膜細胞およびRA由来滑膜細胞を各4株、皮膚線維芽細胞3株を用い、96穴組織培養プレート中の細胞が、10%ウシ胎仔血清含有DMEM培地中で40%コンフルエントに達したときに、上記siRNAオリゴヌクレオチドを、Lipofectamine(登録商標)2000試薬(Invitrogen社製)を用いて、10%ウシ胎仔血清の存在下、MSCに導入し、6日間培養した。なお、陰性対照としては、negative control siRNAオリゴを用いた。
表9は、上記転写因子に対するsiRNAが細胞増殖に与える影響を示すものである。表中の値は、陰性対照を導入した細胞の増殖率を100%とした場合における、上記転写因子に対するsiRNAを導入した細胞の増殖率(%)を示している。なお、当該増殖率は、培養6日後に測定し、WST−8試薬(生化学工業(株)製)を用いて評価した。WST−8試薬は、細胞内脱水素酵素によって還元され、水溶性のホルマザンを生成する試薬である。当該ホルマザンの生成量が生細胞の数と比例することから、当該ホルマザンの450nmの吸光度を直接測定することにより、生細胞数を計測することができる。結果は3回の試行による結果の平均値±標準誤差で表した。表9においては、正常MSCを「MSC」、OA由来滑膜細胞を「OA−SF」、RA由来滑膜細胞を「RA−SF」、皮膚線維芽細胞を「skin-FB」と略記し、陰性対照と比較した有意差を、Student’s T検定でP<0.05(表中星印1つ)、P<0.01(表中星印2つ)、P<0.005(表中星印3つ)として表している。
Figure 2010189302
表9に示すように、ETV5またはSOX11に対するsiRNAオリゴを導入することによって、OA由来滑膜細胞およびRA由来滑膜細胞の増殖を70〜100%程度抑制できることが確認された。また、HMGA2,SIM2はOA由来滑膜細胞の増殖を40〜90%程度抑制できることが確認された。よって、ETV5、SOX11はOAおよびRAの治療剤として用いることが可能であり、HMGA2,SIM2はOAの治療剤として用いることが可能である。
KLF12は、OA由来滑膜細胞およびRA由来滑膜細胞の増殖抑制効果を持たないが、MSCに特有の転写因子であるとともに、上述のように、線維芽細胞、OS,CH、AD中よりもOA由来滑膜細胞中で多く発現するため、正常MSCまたは病変MSCの検出マーカーとして利用することが可能である。また、KLF12は、最近リウマチの危険因子であることが報告され(Arthritis & Rheumatism, 58, 8, 2275-2286, 2008)、かつ表9に示すように、siKLF12がRA由来滑膜細胞の増殖に対して有意に増殖を促進した。よって、KLF12をターゲットにすることにより、関節炎治療薬、肉腫治療薬、各種間葉系組織(骨、軟骨、関節など)の形成不全がある疾患(例えば骨折、骨欠損、軟骨欠損など)の治療薬など、病変間葉系幹細胞が関連する疾患の治療剤が開発できる可能性がある。
なお、既述の通り、各種細胞へのsiRNAオリゴの導入効率はほぼ等しいことが確認されているため、遺伝子発現の抑制効率も同等であると考える。
本発明によれば、OA由来滑膜細胞やRA由来滑膜細胞をはじめとする病変MSCにおいて発現が亢進されている遺伝子に対するsiRNAを利用することによって、病変MSCが関連する疾患(例えば、OA、RA等)の治療剤として有効なものを提供することができる。
また、本発明によれば、MSCまたは病変MSCを検出し得る手段を提供することができる。よって、少なくとも被検細胞が分化能を有するMSCであるか否かを判断するために用いることができる。
したがって本発明は、MSCを用いた再生医療の実用化に大きく貢献することができる。

Claims (6)

  1. 下記表1に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子、またはその部分配列に対するsiRNAを含むことを特徴とする、病変間葉系幹細胞が関連する疾患の治療剤。
    Figure 2010189302
  2. 上記疾患が変形性関節症および/または関節リウマチであることを特徴とする請求項1に記載の治療剤。
  3. 下記表2に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子を検出マーカーとして用い、
    被検細胞において、当該検出マーカーの発現を検出する工程を含むことを特徴とする、正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞の検出方法。
    Figure 2010189302
  4. 下記(a1)〜(d1)のいずれかのうち、少なくとも1つ以上が固定されてなる、正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞検出用のマイクロアレイ:
    (a1)下記表3に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子のうち、少なくとも1つ以上の遺伝子;
    (b1)下記表3に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子のうち、少なくとも1つ以上の遺伝子のアンチセンス鎖;
    (c1)上記(a1)または(b1)の部分塩基配列を有するポリヌクレオチド;および
    (d1)上記(a1)〜(c1)のいずれかに示される塩基配列を有するポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
    Figure 2010189302
  5. 下記(a2)〜(c2)のいずれかに示される塩基配列を有するポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドからなることを特徴とする正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞検出用の検出用プローブ:
    (a2)下記表4に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子のうち、少なくとも1つ以上の遺伝子;
    (b2)下記表4に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子のうち、少なくとも1つ以上の遺伝子のアンチセンス鎖;および
    (c2)上記(a2)または(b2)の部分塩基配列。
    Figure 2010189302
  6. 下記(a3)または(b3)に記載のポリペプチドを用いて誘導され、かつ当該ポリペプチドに特異的に結合する抗体を備えてなる正常間葉系幹細胞または病変間葉系幹細胞の検出用抗体:
    (a3)下記表5に記載のアクセッション番号に示される塩基配列を有する遺伝子によってコードされるポリペプチドのうち、少なくとも1つ以上のポリペプチド;
    (b3)上記(a3)の部分ポリペプチド。
    Figure 2010189302
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