JP2010187968A - 起立して浮くことが出来る中空箸 - Google Patents
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Abstract
【課題】 内部に空洞を有す箸であって、水中では起立して状態で浮くことが出来る中空箸の提供。
【解決手段】 中空箸はパイプをスウェージング加工することで表面はテーパーを成して先端部1を細くし、又先端側肉厚より持ち手側肉厚を薄くし、そして箸の重心8より浮力の中心9を持ち手側とすることで、水中では起立した状態で浮くことが出来る。
【選択図】 図3
【解決手段】 中空箸はパイプをスウェージング加工することで表面はテーパーを成して先端部1を細くし、又先端側肉厚より持ち手側肉厚を薄くし、そして箸の重心8より浮力の中心9を持ち手側とすることで、水中では起立した状態で浮くことが出来る。
【選択図】 図3
Description
本発明は軽くて使い易く、使用後の洗浄並びに整理・整頓を容易に行うことが出来る中空箸に関するものである。
箸といえば木製が基本であり、その形状は先端部が細くなるように延び、表面には漆を塗布して製作している。又、表面は一般に無地であるが、模様を形成したカラフルな箸も数多く知られている。そして、箸は食べ物を食べる時に口へ入れる為に、衛生上の観点から抗菌物質を混入した塗料を塗布した、いわゆる、抗菌塗り箸も知られている。
ところで、レストランや食堂では一般に割り箸が使用されて来ている。この割り箸は日本独自の文化でもあり、非常に安く作ることが出来、しかも1回限りの使用であることから、清潔で衛生的でもある。このような理由から、該割り箸は重宝がられて来た。
しかし、使い捨ての象徴としてしばしば割り箸は批判の対象とされてきている。今日では海外からの安い割り箸に押され、日本で使われている割り箸の9割以上は中国からの輸入品である。輸入品の多くは、割箸などを製造するために伐採した材木を用いており、乱伐や使用後の箸の焼却による二酸化炭素の排出など、環境問題への影響が指摘されている。
そこで、割り箸を大量に使用する飲食業界では、割り箸を取り止め、通常の箸に切り換えた飲食チェーンも多い。日本では、外食時にも割り箸を使わず、自前の「マイ箸」を使う運動を進めている団体もある。しかし、このような通常の箸は他人が一度は口に入れたものであり、多少を問わず違和感を覚える人も多い。
このように、割り箸は便利で衛生的であるが、その反面、多くの木材を必要として森林の伐採が行われ、しかも使用後では焼却することで二酸化炭素が排出されるといった環境上の問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、耐久性があって繰返し何度も使用することが出来ると共に、洗浄し易く、洗浄後の整理が簡単となる中空箸を提供する。
本発明に係る箸は繰返し使用することが出来るように、耐久性があり、しかも清潔で衛生的なものと成っている。そこで、材質的には金属又はプラスチックが用いられ、しかし、重量が大きくては箸として使い難いことから軽くする為に、内部を空洞化している。従って、本発明の箸は水中で浮くことが出来る程度に軽く成っている。
水中で浮くだけであれば従来の一般的な木製の箸も同じであるが、本発明の箸は起立した状態で浮くことが出来るような構造としている。すなわち、箸の重心に対して、浮力の中心が上方(頭部側)に位置している。ここで、該浮力の中心を箸の重心に対して上方に位置させるために空洞化しているが、この空洞の具体的な形状は特に限定しないことにする。
本発明に係る中空箸は、その材質が金属又はプラスチックである為に、繰返しの使用に耐えることが出来る。すなわち、木製の箸のように、キズ付いたり、折れたりすることは少なくなる。そして、内部には空洞を有していることで、材質が金属であっても軽くて水に浮くことが出来る。従って、箸を使ってもその重さを感じることはなく、家庭の食事時に使用している木製の箸と同じになる。
そして、水に浮くと共に水面に対して垂直になるように起立した状態で浮く為に、洗浄し易い。すなわち、同一大きさの洗浄槽に起立した状態で箸が浮くことで非常に多くの箸を一度に洗浄することが出来る。これに対して、単に浮いても横たわった状態では互いの箸が重なり合い、多数の箸を限られた大きさの洗浄槽に同時に入れて洗うことが出来ない。例えば、超音波洗浄機を使用する場合には、起立した状態で水に浮くことで、隣の箸と重なり合うことなく適度な隙間が介在することで、汚れは完全に除去される。
図1は本発明に係る中空箸を示す実施例であり、平面図と断面図を夫々表している。箸の形状は先端部1が細く、持手側2(頭部側)は太く成っていて、外観は従来の木製箸と同じである。そして内部には空洞3を有していて、箸全体の重さは軽く成っている。材質としてチタンを使用するならば、同じ金属であってもその比重はステンレスやスチール等に比較して小さく、本発明の中空箸は従来の木製箸やプラスチック製箸と同じような重さと成っている。その為に、使っても重く感じて疲れることはない。
そして、先端部1は円形断面を成し、持手側2は概略正方形断面と成っていて持ち易い。上記空洞3は先端部1から持手側2の頭部にわたって形成され、頭部4にはキャップ7が嵌ってロウ付けされている。すなわち、頭部4に開口する穴6をキャップ7によって塞いでいる。
図2(a)〜(d)は本発明の中空箸の製造工程を示している。
(a)はチタン製パイプ5を表している。該チタン製パイプ5は貫通した穴6を有す所定長さのパイプであり、本発明に係る中空箸の材料となる。このチタン製パイプ5をスウェージング加工して中空箸となるが、パイプの長さは細く加工して所定の中空箸の長さになるように前以て設定されている。
(b)は上記チタン製パイプ5をスウェージング加工し、表面はテーパーを成し先端側が細く成っている。細くなる分だけ長く成っているが、穴6は貫通している。ここで、スウェージング加工とは、複数のダイスで外周を断続的に打撃しながら軸方向へ送り出すことで、(b)のように細くなる加工方法であるが、ここでは該スウェージング加工の詳細な説明は省略する。
(c)は更にスウェージング加工して細くした場合であり、先端の穴6は塞がれる。しかし、持手側2の頭部は穴6が開口している。この場合、チタン製パイプ5をダイス中心に支持する為に、一般に穴6に芯金を嵌めて加工する。勿論、本発明では中空箸の具体的なスウェージング加工方法は特に限定するものではない。ここで、持手側2の断面は概略正方形と成っているために、細くなるようにテーパー加工するだけでなく円形断面のチタン製パイプを概略角型断面に冷間鍛造される。
(d)は、前工程(c)にて加工された部材の頭部に開口している穴6にキャップ7を嵌めた場合である。該キャップ7は別に鍛造加工にて製作され、これを頭部穴6に嵌めてロウ付けする。キャップ7の材質もチタン材又はチタン合金材が用いられ、ロウ付けすることなく穴6に圧入して固定することも可能である。
(a)はチタン製パイプ5を表している。該チタン製パイプ5は貫通した穴6を有す所定長さのパイプであり、本発明に係る中空箸の材料となる。このチタン製パイプ5をスウェージング加工して中空箸となるが、パイプの長さは細く加工して所定の中空箸の長さになるように前以て設定されている。
(b)は上記チタン製パイプ5をスウェージング加工し、表面はテーパーを成し先端側が細く成っている。細くなる分だけ長く成っているが、穴6は貫通している。ここで、スウェージング加工とは、複数のダイスで外周を断続的に打撃しながら軸方向へ送り出すことで、(b)のように細くなる加工方法であるが、ここでは該スウェージング加工の詳細な説明は省略する。
(c)は更にスウェージング加工して細くした場合であり、先端の穴6は塞がれる。しかし、持手側2の頭部は穴6が開口している。この場合、チタン製パイプ5をダイス中心に支持する為に、一般に穴6に芯金を嵌めて加工する。勿論、本発明では中空箸の具体的なスウェージング加工方法は特に限定するものではない。ここで、持手側2の断面は概略正方形と成っているために、細くなるようにテーパー加工するだけでなく円形断面のチタン製パイプを概略角型断面に冷間鍛造される。
(d)は、前工程(c)にて加工された部材の頭部に開口している穴6にキャップ7を嵌めた場合である。該キャップ7は別に鍛造加工にて製作され、これを頭部穴6に嵌めてロウ付けする。キャップ7の材質もチタン材又はチタン合金材が用いられ、ロウ付けすることなく穴6に圧入して固定することも可能である。
ところで、頭部穴6を塞ぐ為に上記キャップ7を取着していることが外観上分からないように、表面が光沢面と成るように研磨したり、光触媒を付着するなどの特別な表面処理を施すなどしている。上記チタン製パイプ5は一般に円形断面であるが、正方形の角型断面のパイプを用いて中空箸になるように冷間鍛造することも可能である。
本発明の中空箸は内部に空洞3を有していることで、軽くて水に浮くことが出来る。しかし、単なる中空を形成しただけでは水面に横たわって浮くが、本発明では持ち手側の肉厚T1を先端側の肉厚T2より薄く成っている。その為に、中空箸の重心は先端側へ移動し、又、持ち手側の肉厚T1を薄くすることで空洞3の断面積は拡大して浮力が大きくなる。すなわち、浮力の中心は持ち手側(頭部)へ移動する。
図3は中空箸が水中に起立した状態で浮いている場合を示している。8は重心、9は浮力の中心であり、本発明の中空箸は持ち手側肉厚T1を薄くすることで、該浮力の中心9は中空箸の重心8より上方に位置する。従って、該中空箸が傾いても垂直に成るようにモーメントが働くことに成る。
図4は中空箸が水中に起立した状態で浮いている場合の他の実施例である。同図に示す中空箸の場合、内部に形成している空洞10は持ち手側に存在し、先端側には空洞を設けていない。この中空箸はプラスチック製であって、射出成形により持ち手側だけに空洞10を成形することが出来る。成形された箸の頭部にはキャップ11が取付けられて空洞10を塞いでいる。
本発明の中空箸は内部に空洞を形成した形態と成っているが、この空洞の具体的な形状は自由であり、上記実施例に限定するものではない。プラスチック製の中空箸の場合、先端から持ち手側にかけて空洞を形成したのでは、細くなる先端側の強度が弱くなるが、図3のように持ち手側だけに空洞10を設けることで強度は保たれる。同時に、浮力の中心を箸の重心より持ち手側に移動させることが出来る。
1 先端部
2 持手側
3 空洞
4 頭部
5 チタン製パイプ
6 穴
7 キャップ
8 重心
9 浮力の中心
10 空洞
11 キャップ
2 持手側
3 空洞
4 頭部
5 チタン製パイプ
6 穴
7 キャップ
8 重心
9 浮力の中心
10 空洞
11 キャップ
Claims (3)
- 内部に空洞を有す中空箸において、該箸の重心より浮力の中心を持ち手側とすることで、水中では起立した状態で浮くことが出来ることを特徴とする中空箸。
- 内部に空洞を有す金属製の中空箸において、該中空箸はパイプをスウェージング加工することで表面はテーパーを成して先端側を細くし、又先端側肉厚より持ち手側肉厚を薄くし、そして箸の重心より浮力の中心を持ち手側とすることで、水中では起立した状態で浮くことが出来ることを特徴とする中空箸。
- 内部に空洞を有すプラスチック製の中空箸において、持ち手側に空洞を形成することで、該箸の重心より浮力の中心を持ち手側とし、水中では起立した状態で浮くことが出来ることを特徴とする中空箸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009036352A JP2010187968A (ja) | 2009-02-19 | 2009-02-19 | 起立して浮くことが出来る中空箸 |
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Publications (1)
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JP2009036352A Pending JP2010187968A (ja) | 2009-02-19 | 2009-02-19 | 起立して浮くことが出来る中空箸 |
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