JP3146146U - チタン製の中空箸 - Google Patents

Abstract

【課題】チタン又はチタン合金から成り、内部に空洞を有す中空箸を提供する。
【解決手段】所定の長さのチタン製パイプを材料として使用し、これをスウェージング加工して先端部１を細く、持手側２を太くしたテーパー状とし、先端の穴は塞ぎ、持手側頭部４の穴にはキャップを嵌めて塞ぎ、そして持手側２の断面は正方形の角型断面としている。チタン製であるため熱伝導率が低く、また内部を空洞にすることで軽量化を図った。
【選択図】図１

Description

本考案は金属製の箸でありながら軽くて熱伝導率が低いチタン製の中空箸に関するものである。

箸といえば木製が基本であり、その形状は先端部が細くなるように延び、表面には漆を塗布して製作している。又、表面は一般に無地であるが、模様を形成したカラフルな箸も数多く知られている。そして、箸は食べ物を食べる時に口へ入れる為に、衛生上の観点から抗菌物質を混入した塗料を塗布した、いわゆる、抗菌塗り箸も知られている。

特開２００１−３２８１０６号に係る「乾漆技法を応用した抗菌塗り箸」は、仕上がり塗膜表面に微細な凹凸を有する乾漆技法による塗り箸において、塗膜表面の凹部に付着した汚れに有害細菌が繁殖するのを阻止し、繰り返し利用に際しての塗り箸の衛生管理を容易にすることが出来る。
乾漆技法による塗り箸の最終仕上げに用いる上塗り漆を接着剤として、塗り箸の表面に抗菌性を有するトルマリンの微粉末を付着させる。ついで、拭き取り工程を施すことにより、塗膜表面の凹凸の凹部に付着したトルマリンの微粉末をそのまま塗膜表面に露出状態で残存させる一方、塗膜表面の凸部に付着したトルマリンは、他の食器を傷つけたりしないように、また、不快なざらつき感を伴わないようにするため除去している。

一方、近年では材質を木製に限らず、ステンレス等の金属製の箸も使用されている。漆を塗布した木製の箸は傷みやすく、特に、高温状態で用いる場合に箸は先端部が直ぐに変質してしまう。しかし、ステンレス等の金属製の箸は熱伝導率が高く、その為に、揚げ物時の菜箸や炭火や練炭などを扱う火箸に使用すると手で把持する柄部が直ぐ高温と成り火傷する怖れも有り、又、金属は重くて冷たく使いにくいといった問題がある。

実開平３−６９４７４号に係る「箸」は、チタン又はチタン合金を材質として先端側を細くテーパー状の箸形状に成形したものである。チタンはステンレス等の金属とは異なり、その比重は比較的小さく、又熱伝導率も低い為に手元が直ぐに熱くなることはない。
特開２００１−３２８１０６号に係る「乾漆技法を応用した抗菌塗り箸」 実開平３−６９４７４号に係る「箸」

このように、従来においてもチタン製の箸は存在している。しかし、チタンといえども木製の箸より重く扱いにくいといった問題は残されている。本考案が解決しようとする課題はこの問題点であり、内部を空洞化したチタン製の中空箸を提供する。

本考案に係る箸はその材質をチタン製とし、しかも内部を空洞化している。中空箸はチタン製パイプが材料として使用され、先端部がテーパー状に細くなるようにスウェージング加工される。持手側は太くし、しかも断面は概略四角形とし、頭部にはキャップを嵌めて固定される。先端部断面は円形とし、しかも先端はスウェージング加工にて穴は塞がれ、内部に水が浸入しないように成っている。本考案のチタン製の中空箸は、必要に応じて表面に光触媒の表面処理を施すこともある。

本考案に係る箸はチタン又はチタン合金を材質とし、その内部は先端部から頭部にかけて空洞化している。従って、従来の木製箸、竹製箸、プラスチック製箸と殆ど変わらない軽さとなる。又、空洞化することで頭部側（持手側）へ熱が伝わり難く、手が火傷することはない。逆に、箸を持った時に金属的な冷たさがなく、感触は良好となる。

そして、金属製である為に繰返し洗浄しても表面にキズが付きにくく、耐久性に優れている。又、チタン製の箸は無味無臭であり、食べ物の味や臭いが表面に浸透することもなく、永年使っても変質はなく、耐食性がありサビにくい。一方、空気中の酸素と結合して表面に形成される酸化チタンには殺菌効果があり、更にチタン製箸を使用しても金属アレルギーの心配もなく、又電磁調理器に反応しなく安全である。

本考案の箸はチタン製パイプをスウェージング加工にて製作され、先端の穴は塞がれ、頭部の穴にはキャップを嵌めてロウ付けされることで、内部空間に水が浸入することはなく、その製作は簡単である。

図１は本考案に係るチタン製の中空箸を示す実施例であり、平面図と断面図を夫々表している。箸の形状は先端部１が細く、持手側２（頭部側）は太く成っていて、外観は従来の木製箸と同じである。そして内部には空洞３を有していて、箸全体の重さは軽く成っている。勿論、チタンの比重はステンレスやスチール等の金属質に比較して小さく、本考案のチタン製中空箸は従来の木製箸やプラスチック製箸と同じような重さと成っている。その為に、使っても重く感じて疲れることはない。

そして、先端部１は円形断面を成し、持手側２は概略正方形断面と成っていて持ち易い。上記空洞３は先端部１から持手側２の頭部にわたって形成され、頭部４にはキャップ７が嵌ってロウ付けされている。すなわち、頭部４に開口する穴６をキャップ７によって塞いでいる。

図２(ａ)〜(ｄ)は本考案の中空箸の製造工程を示している。
（ａ）はチタン製パイプ５を表している。該チタン製パイプ５は貫通した穴６を有す所定長さのパイプであり、本考案に係る中空箸の材料となる。このチタン製パイプ５をスウェージング加工して中空箸となるが、パイプの長さは細く加工して所定の中空箸の長さになるように前以て設定されている。
（ｂ）は上記チタン製パイプ５をスウェージング加工し、表面はテーパーを成し先端側が細く成っている。細くなる分だけ長く成っているが、穴６は貫通している。ここで、スウェージング加工とは、複数のダイスで外周を断続的に打撃しながら軸方向へ送り出すことで、（ｂ）のように細くなる加工方法であるが、ここでは該スウェージング加工の詳細な説明は省略する。
（ｃ）は更にスウェージング加工して細くした場合であり、先端の穴６は塞がれる。しかし、持手側２の頭部は穴６が開口している。この場合、チタン製パイプ５をダイス中心に支持する為に、一般に穴６に芯金を嵌めて加工する。勿論、本考案では中空箸の具体的なスウェージング加工方法は特に限定するものではない。ここで、持手側２の断面は概略正方形と成っているために、細くなるようにテーパー加工するだけでなく円形断面のチタン製パイプを角型断面に冷間鍛造される。
（ｄ）は、前工程（ｃ）にて加工された部材の頭部に開口している穴６にキャップ７を嵌めた場合である。該キャップ７は別に鍛造加工にて製作され、これを頭部穴６に嵌めてロウ付けする。キャップ７の材質もチタン材又はチタン合金材が用いられ、ロウ付けすることなく穴６に圧入して固定することも可能である。

ところで、頭部穴６を塞ぐ為に上記キャップ７を取着していることが外観上分からないように、表面が光沢面と成るように研磨したり、光触媒を付着するなどの特別な表面処理を施すなどしている。上記チタン製パイプ５は一般に円形断面であるが、正方形の角型断面のパイプを用いて中空箸になるように冷間鍛造することも可能である。

本考案に係るチタン製中空箸。 本考案の中空箸を製作する具体的な加工工程。

符号の説明

１ 先端部
２ 持手側
３ 空洞
４ 頭部
５ チタン製パイプ
６ 穴
７ キャップ

Claims (2)

1. チタン又はチタン合金をから成る中空箸において、所定の長さのチタン製パイプ又はチタン合金製パイプを材料として使用し、これをスウェージング加工して先端部を細く、持手側を太くしたテーパー状とし、先端の穴は塞ぎ、持手側頭部の穴にはキャップを嵌めて塞ぎ、そして持手側の断面は概略正方形の角型断面とし、先端部から持手側頭部に掛けて連続して空洞化したこと特徴とするチタン製の中空箸。
2. 表面に光触媒を付着した表面処理を施した請求項１記載のチタン製の中空箸。

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